JP4070019B2 - 垂木固定部材 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、木造小屋組を構成する横架材に垂木を固定するための固定部材であり、特に、横架材に固定されて垂木の勾配及び位置を規制する第1の固定部材と、垂木に固定されて第1の固定部材と締結される第2の固定部材とから構成されるものに関する。
【0002】
【従来の技術】
木造建築物の小屋組では、軒桁や母屋、棟木等の横架材に垂木を固定されることが一般的である。例えば母屋に垂木を固定する場合、垂木を支持する面積を確保するために、母屋に垂木掘りと呼ばれる切欠部を形成し、該切欠部に垂木を嵌めて垂木の両側から釘を斜め打ちして軒桁に固定するが、このような斜めの釘打ちによる垂木の固定では、作業者の熟練により固定強度が異なり、安定した強度を得ることが難しく、また、高所での釘打ち作業が危険であるという問題がある。
【0003】
また、軒先に突出する垂木の寸法、所謂垂木の通りは、通りに対して寸法余裕をもたせて垂木を固定した後、通りを揃えて垂木を切断するが、このような作業も作業者の熟練を必要とし、また高所作業で危険であるという問題がある。
【0004】
一方、垂木を予め所定長さに切断しておき、短冊状の金属板を中央付近で90度捻った捻り金物を、垂木の側面と軒桁の軒桁に夫々当接させて釘打ち等により固定する方法がある(特許文献1参照)。しかし、軒先の通りを調整しながら、捻り金物により垂木を釘打ちで固定することは手間であり、寸法精度も確保し難いという問題がある。
【0005】
これに対し、予め所定長さに切断された垂木を、軒桁に対して正確且つ効率よく固定することができる取付金具が考案されている(特許文献2参照)。該金具には、軒桁に付された軸線方向の基準線に対して位置合わせを行うための基準点と、垂木に付された位置決め用マークを合わせる基準点が設けられているので、軒桁に対して垂木を正確な位置に簡単に取り付けることができるという利点がある。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−38775号公報([0002]段、図7等)
【特許文献2】
特開2002−88965号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記取付金具を用いても、取付金具を軒桁に固定した後、作業者が垂木を所定の勾配に維持した状態で支えながら、取付金具の基準点に垂木の位置決め用マークを合わせるために垂木を軸線方向に移動させ、位置決めをした後は、その位置からずれないように作業者が垂木を固定しながら、ボルトや釘を打ちつけることが必要であり、作業者の手間は以前として大きい。
【0008】
また、工場等において予め複数の垂木と野路板等とを屋根ユニットとしてユニット化した場合や、現場の地上で垂木や野路板をある程度組み付けてから軒桁や母屋等に固定する工法の場合には、垂木を含む屋根ユニットをクレーンで吊り上げながら軒桁等に固定するが、該屋根ユニットのように重量があって複数の取付金具が必要なものを、クレーンで吊り上げた不安定な状態で、前述した方法により位置決めしながら固定することは困難である。
【0009】
本発明は、これらの点に鑑みてなされたものであり、予め所定長さに切断された垂木、特に複数の垂木等がユニット化されたものを横架材に対して正確、簡便、且つ安全に固定することができる垂木固定部材を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するためになされた本発明は、木造小屋組を構成する横架材に垂木を固定するための垂木固定部材であって、横架材の上面に固定される基部から起立して、該横架材に固定される垂木の勾配と略直交し且つ勾配上方へ向いた規制面を有する起立部が形成され、該規制面に、垂木を遊嵌させる切欠きと留め具を挿通させる貫通孔とが形成された第1の固定部材と、前記規制面と当接する羽根部が、垂木に固定される垂木受け部から該垂木の軸線方向と略直交する方向に突設され、該羽根部に前記貫通孔と対応する貫通孔が穿設された第2の固定部材と、第1の固定部材の貫通孔及び第2の固定部材の貫通孔に挿通されて両固定部材を締結する留め具と、を具備してなるものである。垂木に固定された第2の固定部材の羽根部を、横架材に固定された第1の固定部材の当接面に当接することにより、垂木が担持されるとともに横架材に対する位置決めがなされ、留め具により第1の固定部材と第2の固定部材とを締結することにより、横架材に垂木が固定される。
【0011】
また、本発明は、前記垂木固定部材において、前記第1の固定部材の貫通孔又は前記第2の固定部材の貫通孔の少なくともいずれか一方は横架材の長手方向の長穴である。これにより、該長穴の範囲内で、第1の固定部材の切欠きに遊嵌された垂木を、横架材の長手方向に対して位置調整して固定することができる。
【0012】
また、本発明は、前記垂木固定部材において、前記第1の固定部材の切欠きは、起立部の上端から略鉛直方向に切欠されたものであり、前記第2の固定部材の垂木受け部は垂木の底面及び側面を支持し、且つ前記羽根部は垂木の側方へ突設されたものである。これにより、垂木を第1の固定部材の上方から切欠きに遊嵌し、第2の固定部材の羽根部を第1の固定部材の規制面に当接することができるので、固定作業がし易い。
【0013】
また、本発明は、前記第1の固定部材は軒桁に固定されるものであり、更に、母屋又は棟木の上面に固定される基部上に、所定勾配の垂木の底面を支持する垂木支持部が形成され、該垂木支持部に、垂木の側面に固定される垂木固定部が立設された第3の固定部材を具備してなるものである。垂木を軒桁、母屋、及び棟木に固定する際には、第1の固定部材を軒桁に、第2の固定部材を垂木に、第3の固定部材を母屋及び棟木に夫々予め固定しておき、軒桁に対しては第1の固定部材の規制面に第2の固定部材の羽根部を当接して垂木を担持させ、母屋及び棟木に対しては第3の固定部材の垂木支持部上に垂木を載置することにより、安定した状態で垂木を軒桁、母屋、及び棟木上に仮置きすることができ、その後の留め具による第1の固定部材と第2の固定部材との固定作業、及び第3の固定部材と垂木との固定作業がし易くなる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき具体的に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る第1の固定部材100の構成を示す斜視図であるが、図に示すように、第1の固定部材100は、横架材の上面に固定される基部10から略鉛直上方に起立部11が形成され、該起立部11が所定高さから傾斜するように曲折されて規制面11aを形成するとともに、該規制面11aに、垂木を遊嵌させる切欠き12とボルト等の留め具を挿通させる貫通孔13とが形成されたものである。
【0015】
第1の固定部材100は略矩形の鋼板に曲折、切欠等の加工を施すことにより得ることができ、鋼板の表裏面を横架材の軸線方向として、下端に2箇所の切込みを設け両端側が横架材の屋内方向、中央が横架材の屋外方向となるように略直角に曲折されることにより、その底面が横架材の上面と接触する基部10が形成されている。基部10の形状は本実施の形態に示したものに限定されず種々の変更が可能であるが、図に示すように、横架材の屋内側及び屋外側の双方に基部10を設ければ、起立部11に締結される第2の固定部材を介して垂木を支持する強度が高くなるので好適である。各基部10には厚み方向に貫通孔14が穿設されており、該貫通孔14にボルトや釘等が挿通されて横架材に貫入されることにより、第1の固定部材100が横架材の上面に固定されるようになっている。
【0016】
また、前記基部10の上側の鋼板が、基部10と略直角な起立部11を構成しており、該起立部11は所定位置から横架材の屋外側へ曲折されている。図2は、第1の固定部材100の側面図であるが、図に示すように、起立部11は、その面が横架材に固定される垂木の勾配αと略直交するように屋外側へ曲折され、垂木の勾配上方へ向いた面が規制面11aとなっている。垂木の勾配αは、木造住宅の屋根勾配の設計に従って設定されるものなので、規制面11aを形成するための起立部11の曲折角度も、同様に、本第1の固定部材100を用いて横架材に垂木を固定する木造住宅の屋根勾配の設計に従って予め設定しておく。
【0017】
図3は、第1の固定部材100の正面図であるが、図に示すように、前記切欠き12は、起立部11の上端の略中央から略鉛直方向に切欠されたものであり、切欠き12の幅は固定すべき垂木の幅より大きいものである。従って、垂木を固定する際には第1の固定部材100の上方から切欠き12に遊嵌することができるので、作業が容易である。また、切欠き12の幅を垂木の幅に対して余裕を持たせ、切欠き12に対して垂木を遊嵌状態としているので、垂木を軸方向に移動させたり、一定範囲内で幅方向に移動させることができるようになっている。
【0018】
図4は、本発明の実施の形態に係る第2の固定部材200の構成を示す斜視図であるが、図に示すように、第2の固定部材200は、垂木に固定される垂木受け部20から第1の固定部材100の規制面11aと当接するための羽根部21が突設され、該羽根部21に第1の固定部材100の貫通孔13と対応する貫通孔22が穿設されたものである。第2の固定部材200も所定形状の鋼板に曲折、打ち抜き等の加工を施すことにより得ることができる。
【0019】
垂木受け部20は、両側部20L,20R及び底部20Bからなる上側を開放とした縦断面が略コの字形状のものであり、該垂木受け部20に垂木が嵌合されることにより、垂木受け部20の各内面が垂木の底面及び両側面と夫々接触した状態となって垂木を支持するようになっている。垂木受け部20の両側部20L,20R及び底部20Bには、夫々貫通孔23が穿設されており、該貫通孔23にボルトや釘等を挿通して垂木に貫入することにより、第2の固定部材200を垂木に固定できるようになっている。また、両側部20L,20Rの各貫通孔23は、垂木の高さ方向の位置を互いに異なるものとして、底部20Bの貫通孔23は、垂木の軸方向の位置を両側部20L,20Rの各貫通孔23と異なるものとして、各貫通孔23に挿通し垂木に貫入する釘等が互いに干渉しないようになっている。
【0020】
なお、木造小屋組では一般に、垂木の上面に野路板が固定されるので、垂木受け部20の両側部20L,20Rは垂木の上面へ突出しないように、垂木の高さ寸法内のものとすることが好適である。また、第2の固定部材200は、垂木受け部20により、少なくとも垂木の底面及び一側面に固定されれば十分であり、垂木受け部20を、側部20Lを省略したL字形状のものとしてもよいが、垂木の両側面ともに固定する本実施の形態に構成とすれば、垂木の固定強度が高くなる。
【0021】
羽根部21は、図5に示すように、第2の固定部材200を構成する鋼板が、前記垂木受け部20の側部20Rから外側へ略直角に曲折されることにより、その面が垂木受け部20に固定された垂木の軸線方向と略直交する方向となるように、垂木受け部20に突設されている。これにより、垂木受け部20に垂木を固定した場合に、該垂木の側方であって軸線と略直交する方向へ羽根部21が突出して、屋外側、即ち垂木の勾配下方へ向いた当接面21aが形成される。
【0022】
なお、羽根部21は垂木受け部20のいずれの側方に突設しても、両側方に突設することとしてもよい。また、羽根部21も前記垂木受け部20の両側部20L,20Rと同様に、垂木の上面へ突出しないように、垂木の高さ寸法内のものとすることが好適である。
【0023】
羽根部21に穿設された貫通孔22は、図4に示すように、横方向の長穴である。即ち、該長穴は、垂木受け部20に固定される垂木の軸線方向に対して略直交する方向であり、横架材に対しては長手方向に長いものとなっている。これにより、第1の固定部材100に第2の固定部材200をボルト等の留め具により締結する場合に、長穴の範囲内で、第1の固定部材100の切欠き12に遊嵌された垂木を、横架材の長手方向に対して位置調整することができる。なお、本実施の形態では、第2の固定部材の貫通孔22を長穴としたが、第1の固定部材100の貫通孔13又は第2の固定部材200の貫通孔22の少なくともいずれか一方を横架材の長手方向の長穴とすればよい。
【0024】
図6は、本発明の実施の形態に係る第3の固定部材300の構成を示す斜視図であるが、図に示すように、第3の固定部材200は、母屋又は棟木の上面に固定される基部30Aと母屋又は棟木の側面に固定される基部30Bとに跨って、所定勾配の垂木の底面を支持する垂木支持部31が形成され、垂木支持部31の側部から垂木固定部32が立設されてなるものである。このような第3の固定部材300も所定形状の鋼板に曲折、打ち抜き等の加工を施すことにより得ることができる。
【0025】
基部30Aには、その厚み方向に貫通孔33が穿設されており、母屋又は棟木の上面に接触させた状態で、該貫通孔33にボルトや釘等を挿通して母屋又は棟木に貫入することにより、第3の固定部材300を母屋又は棟木の上面に対して固定できるようになっている。一方、基部30Bは、鋼板が略直角に曲折された形状であり、母屋又は棟木の上面と側面の隅部に合致するものとなっている。該基部30Bの下端付近にも、その厚み方向に貫通孔34が穿設されており、母屋又は棟木の隅部に接触させた状態で、該貫通孔34にボルトや釘等を挿通して母屋又は棟木に貫入することにより、第3の固定部材300を母屋又は棟木の側面に対して固定できるようになっている。
【0026】
垂木支持部31は、図7に示すように、基部30Aから起立した起立部31aと、基部30Bから起立した起立部31bと、これら起立部31a,31bに架設された支持部31cとからなり、起立部31a,31bの高低差によって支持部31cが垂木の勾配αと略同等に傾斜したものとなっている。このような垂木支持部31により勾配αの垂木の底面を担持するように支持するものとなっている。
【0027】
垂木固定部32は、図6及び図7に示すように、鋼板が前記垂木支持部31の支持部31cから略直角に上方ヘ曲折されてなるものであり、該支持部31cと相まって、垂木の底面と側面の隅部に合致したものとなっている。該垂木固定部32には、その厚み方向に貫通孔35が穿設されており、垂木固定部32の内面を垂木の側面に接触させた状態で、該貫通孔35にボルトや釘等を挿通して母屋又は棟木に貫入することにより、第3の固定部材300を垂木に固定できるようになっている。
【0028】
なお、垂木固定部32も、前記垂木受け部20と同様に、垂木の上面へ突出しないように、垂木の高さ寸法内のものとすることが好適である。また、本実施の形態では、垂木支持部31の一側方にのみ垂木固定部32が立設されたものとしたが、垂木の両側面に接して垂木を挟入するように、垂木支持部31の両側方に垂木固定部32を立設すれば、垂木の固定強度が高くなる。
【0029】
以下、前記第1の固定部材100、第2の固定部材200、及び第3の固定部材300を用いて、軒桁、母屋等の横架材に垂木を固定する方法について詳述する。
図8は、一般的な木造小屋組の一部を示すものであり、軒桁A、小屋梁Bが組まれ、小屋梁B上に小屋束Cが適宜立設され、各小屋束C上に母屋Dが横架されている。また、図には示していないが、棟の頂点には棟木が横架されている。これら軒桁A及び母屋D、棟木を横架材として、垂木Eが所定勾配で固定されることにより小屋組を構成し、該垂木Eの軒桁Aから突出した部分が軒先となる。なお、本木造小屋組は一例であり、本発明に係る固定部材の使用が当該木造小屋組に限定されるものではない。
【0030】
図8に示した木造小屋組では、各位置P1,P2,P3において、軒桁A又は母屋Dと垂木Eとを固定する必要があるが、位置P1の固定に第1の固定部材100及び第2の固定部材200が用いられ、位置P2,P3の固定に第3の固定部材300が用いられる。図には示していないが、棟木と垂木Eとの固定には第3の固定部材300が用いられる。
【0031】
軒桁A及び母屋D等の横架材が組まれた後、軒桁Aに第1の固定部材100が、母屋Dに第3の固定部材300が夫々所定位置に固定され、一方、垂木Eには第2の固定部材200が予め所定位置に固定される。なお、第1の固定部材100及び第3の固定部材300を、夫々軒桁Aや母屋Dに固定する作業は、軒桁Aや母屋Dを建築物の軸組に組み込む前に、即ち、工場等において、軒桁Aや母屋Dを予め所定寸法に加工するとともに行うこととしてもよい。同様に、垂木Eも工場で所定寸法に加工するとともに第2の固定部材200を所定位置に固定しておいてもよく、また、複数の垂木Eを野路板等と予め組み合わせた屋根パネルとしておいてもよい。工場等において各部材を予め加工して各固定部材を所定位置に固定することにより、施工現場における木材の加工や釘打ち等を少なくすることができる。
【0032】
図9は軒桁Aの上面に第1の固定部材100が固定された状態を示すものであるが、図に示すように、起立部11の規制面11aが垂木の勾配上方を向くようにして、第1の固定部材100の基部10の底面と軒桁Aの上面とを接触させた状態で、各貫通孔14に釘15を夫々挿入して軒桁Aに打ち込むことにより固定している。このようにして、垂木Eを固定すべき軒桁Aの各位置に第1の固定部材100を夫々固定する。
【0033】
図10は垂木Eに第2の固定部材200が固定された状態を示すものであるが、図に示すように、垂木受け部20に垂木Eを嵌め込み、垂木受け部20の各内面を垂木の底面及び両側面と夫々接触させた状態で、各貫通孔23に釘25を夫々挿入して垂木Eに打ち込むことにより固定している。前述したように、両側部20L,20Rの各貫通孔23は、垂木の高さ方向の位置を互いに異なり、底部20Bの貫通孔23は、垂木の軸方向の位置を両側部20L,20Rの各貫通孔23と異なるので、各貫通孔23に挿通し垂木に貫入した釘25が互いに干渉することはない。このようにして、垂木Eの各位置に第2の固定部材200を夫々固定し、これにより、羽根部21が垂木Eの軸線方向と略直交するようにして側方へ突出したものとなる。
【0034】
図11は母屋Dに第3の固定部材300が固定された状態を示すものであるが、図に示すように、支持部31の支持部31cが垂木の勾配と合致するようにして、基部30Aの底面と母屋Dの上面とを接触させ、且つ基部30Bを母屋Dの上面と側面の隅部に合致させた状態で、各貫通孔34に釘36を夫々挿入して母屋Dに打ち込むことにより固定している。このようにして、垂木Eを固定すべき母屋Dの各位置に第3の固定部材300を夫々固定する。
【0035】
このように、予め工場等において各固定部材が所定位置に固定された軒桁A、母屋D、及び垂木Eが他の部材とともに施工現場に搬入し、小屋組が組み付ける。垂木Eを軒桁A及び母屋Dに固定する際には、図12に示すように、先ず、垂木Eを上方から第1の固定部材100の起立部11の切欠き12に遊嵌し、垂木Eに固定された第2の固定部材200の羽根部21と、軒桁Aに固定された第1の固定部材100の規制面11aとを当接する。これにより、軒桁Aに対する垂木Eの軸線方向の位置を決めがなされるとともに、第1の固定部材100に垂木Eが担持され、垂木Eの落下が防止される。
【0036】
次に、図13に示すように、第2の固定部材200の羽根部21を第1の固定部材100の規制面11aに当接させた状態のまま、垂木Eを母屋Dに固定された第3の固定部材300の垂木支持部31上に載置する。これにより、垂木Eは、第3の固定部材300にも担持された状態となり、作業者が支えなくとも落下等することなく、安定した状態で軒桁A及び母屋D上に垂木Eを仮置きできる。その後、垂木Eの水平方向、即ち軒桁A及び母屋Dの長手方向の位置を調節する。図3で示したように、第1の固定部材100の切欠き12の幅は垂木Eの幅より大きく、垂木Eは切欠き12に遊嵌された状態にあるので、一定範囲内で水平方向に移動することができる。また、第2の固定部材200の羽根部21に穿設された貫通孔22は長穴であり、水平方向を向いているので、該長穴の範囲内で位置調節をしても、ボルト等の留め具を挿通することが可能である。
【0037】
位置調節後、図14に示すように、ボルト(留め具)40を第1の固定部材100の規制面11a上の挿通孔13と、第2の固定部材200の羽根部21の挿通孔22に挿通し、ナット(留め具)41を螺合して、両部材を締結する。また、第3の固定部材300の垂木固定部32の貫通孔35に釘を挿通して垂木Eに打ち込み、垂木Eを固定する。このようにして、垂木Eを軒桁A及び母屋Dに固定する。これら締結作業や釘打ちも、垂木Eが第1の固定部材100及び第3の固定部材300により仮置きされ、安定した状態で行うことができる。また、当該締結作業や釘打ち作業において、作業者は軒桁Aや母屋Dの下側から作業を行うことができ、作業者が垂木Eの上側へ上がる必要がないので危険度が少ない。
【0038】
なお、本実施の形態で示した垂木Eの固定方法は一例であり、本発明の係る垂木固定部材の使用方法が実施の形態に示した方法に限定されるものではない。また、本実施の形態では、母屋Dには第3の固定部材300を固定するものとしたが、軒桁Aと同様に、母屋Dにも第1の固定部材100を固定するとともに、垂木Eの対応位置に第2の固定部材200を固定して、母屋Dと垂木Eとの固定も、第1の固定部材100と第2の固定部材200との締結によるものとしてもよい。
【0039】
【発明の効果】
このように、本発明に係る垂木固定部材によれば、横架材の上面に固定される基部から起立して、該横架材に固定される垂木の勾配と略直交し且つ勾配上方へ向いた規制面を有する起立部が形成され、該規制面に、垂木を遊嵌させる切欠きと留め具を挿通させる貫通孔とが形成された第1の固定部材と、前記規制面と当接する羽根部が、垂木に固定される垂木受け部から該垂木の軸線方向と略直交する方向に突設され、該羽根部に前記貫通孔と対応する貫通孔が穿設された第2の固定部材と、第1の固定部材の貫通孔及び第2の固定部材の貫通孔に挿通されて両固定部材を締結する留め具と、を具備してなるものとしたので、第2の固定部材の羽根部を第1の固定部材の当接面に当接させることにより、垂木を担持して落下を防止でき、また、横架材に対する垂木の位置決めがなされ、軒桁の通りの精度を簡易に向上させることができ、予め所定長さに切断された垂木、特に複数の垂木等がユニット化されたものを横架材に対して正確、簡便、且つ安全に固定することができる。
【0040】
また、本発明によれば、前記第1の固定部材の貫通孔又は前記第2の固定部材の貫通孔の少なくともいずれか一方は横架材の長手方向の長穴としてので、横架材の長手方向に対して垂木の位置調整が可能である。
【0041】
また、本発明によれば、前記第1の固定部材の切欠きは、起立部の上端から略鉛直方向に切欠され、前記第2の固定部材の垂木受け部は垂木の底面及び側面を支持し、且つ前記羽根部は垂木の側方へ突設されたものとしてので、該切欠きへ垂木を上方から遊嵌させることができて固定作業がし易いという利点がある。また、垂木受け部に垂木の底面及び側面を支持させることにより、垂木の固定強度が高くなり、羽根部を側方へ突出させることにより、その後に施工される野路板等と干渉することがない。
【0042】
また、本発明によれば、前記第1の固定部材は軒桁に固定されるものであり、更に、母屋又は棟木の上面に固定される基部上に、所定勾配の垂木の底面を支持する垂木支持部が形成され、該垂木支持部に、垂木の側面に固定される垂木固定部が立設された第3の固定部材を具備してなるものとしたので、安定した状態で垂木を軒桁、母屋、及び棟木上に仮置きすることができ、垂木の位置調節や固定作業が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【符号の説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る第1の固定部材100の構成を示す斜視図である。
【図2】規制面11aと垂木の勾配との関係を示す側面図である。
【図3】切欠き12と垂木との関係を示す正面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る第2の固定部材200の構成を示す斜視図である。
【図5】羽根部21と垂木の軸線との関係を示す平面図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る第3の固定部材300の構成を示す斜視図である。
【図7】垂木支持部31と垂木の勾配との関係を示す側面図である。
【図8】木造小屋組の一例を示す図である。
【図9】軒桁Aに第1の固定部材100が固定された状態を示す図である。
【図10】垂木Eに第2の固定部材200が固定された状態を示す図である。
【図11】母屋Dに第3の固定部材300が固定された状態を示す図である。
【図12】垂木の固定方法を説明するための図である。
【図13】垂木の固定方法を説明するための図である。
【図14】第1の固定部材100と第2の固定部材200とがボルト40及びナット41により締結された状態を示す図である。
【符号の説明】
100 第1の固定部材
10 基部
11a 規制面
11 起立部
12 切欠き
13 貫通孔
200 第2の固定部材
20 垂木受け部
21羽根部
22 貫通孔
300 第3の固定部材
30A,30B 基部
31 垂木支持部
32 垂木固定部
40 ボルト(留め具)
41 ナット(留め具)

Claims (4)

  1. 木造小屋組を構成する横架材に垂木を固定するための垂木固定部材であって、
    横架材の上面に固定される基部から起立して、該横架材に固定される垂木の勾配と略直交し且つ勾配上方へ向いた規制面を有する起立部が形成され、該規制面に、垂木を遊嵌させる切欠きと留め具を挿通させる貫通孔とが形成された第1の固定部材と、
    前記規制面と当接する羽根部が、垂木に固定される垂木受け部から該垂木の軸線方向と略直交する方向に突設され、該羽根部に前記貫通孔と対応する貫通孔が穿設された第2の固定部材と、
    第1の固定部材の貫通孔及び第2の固定部材の貫通孔に挿通されて両固定部材を締結する留め具と、を具備してなる垂木固定部材。
  2. 前記第1の固定部材の貫通孔又は前記第2の固定部材の貫通孔の少なくともいずれか一方は横架材の長手方向の長穴であることを特徴とする請求項1に記載の垂木固定部材。
  3. 前記第1の固定部材の切欠きは、起立部の上端から略鉛直方向に切欠されたものであり、前記第2の固定部材の垂木受け部は垂木の底面及び側面を支持し、且つ前記羽根部は垂木の側方へ突設されたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の垂木固定部材。
  4. 前記第1の固定部材は軒桁に固定されるものであり、更に、母屋又は棟木の上面に固定される基部上に、所定勾配の垂木の底面を支持する垂木支持部が形成され、該垂木支持部に、垂木の側面に固定される垂木固定部が立設された第3の固定部材を具備してなるものであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の垂木固定部材。
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