JP4105032B2 - 木造屋根パネル - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、木造小屋組を構成する横架材に固定される木造屋根パネルであり、特に、複数の垂木に軒先母屋と垂木固定部材とが架設されたものに関する。
【0002】
【従来の技術】
木造建築物の小屋組では、軒桁や母屋、棟木等の横架材に垂木を固定し、該垂木に野路板を敷設することが一般的である。例えば母屋に垂木を固定する場合には、所定勾配の垂木を支持する面積を確保するために、母屋に垂木掘りと呼ばれる切欠部を形成し、該切欠部に垂木を嵌めて垂木の両側から釘を斜め打ちして軒桁に固定するが、このような斜めの釘打ちによる垂木の固定では、作業者の熟練により固定強度が異なり、安定した強度を得ることが難しく、また、高所での釘打ち作業が危険であるという問題がある。
【0003】
また、軒先に突出する垂木の寸法、所謂垂木の通りは、通りに対して寸法余裕をもたせて垂木を固定した後、通りを揃えて各垂木を切断するが、このような作業も作業者の熟練を必要とし、また高所作業で危険であるという問題がある。
【0004】
一方、垂木を予め所定長さに切断しておき、短冊状の金属板を中央付近で90度捻った捻り金物を、垂木の側面と軒桁の軒桁に夫々当接させて釘打ち等により固定する方法がある(特許文献1参照)。しかし、軒先の通りを調整しながら、捻り金物により垂木を釘打ちで固定することは手間であり、寸法精度も確保し難いという問題がある。
【0005】
他方、垂木や野路板等の部材を予め工場等において一体的に形成した屋根パネルを用いる工法があり、該工法では、工場等で製造した複数の屋根パネルを施工現場に搬入し、各屋根パネルをクレーン等で吊り上げて位置決めし、木造住宅の小屋組に固定する(特許文献2参照)。これにより、通り寸法の精度等において作業者の技量による差が少なくなり、また、工期の短縮を図ることができる。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−38775号公報([0002]段、図7等)
【特許文献2】
特開平11−210143号公報([0002]段、図6等)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記屋根パネルは複数の部材からなるために相当の重量があり、そのような屋根パネルをクレーンで吊り上げながら軒桁や母屋等の所定位置に位置決めするのは難しく、また、位置決めをした後は、その位置からずれないように作業者が屋根パネルを支持しながら、ボルトや釘を打ちつけることが必要であり、作業者の手間は以前として大きい。
【0008】
また、予め野路板が敷設された屋根パネルでは、屋根パネルの上方から釘等を打ちつけることは困難であるから、垂木の側方や母屋の下方から作業をすることとなるが、前述したように、垂木の側方から釘を斜め打ちすることは、作業者の熟練が必要であり、安定した固定強度を得ることが難しい。
【0009】
本発明は、これらの点に鑑みてなされたものであり、複数の垂木等の部材が一体化された木造屋根パネルを、母屋や軒桁等の横架材に対して正確、簡便、且つ安全に固定することができる手段を提供することを目的とする。
【0010】
前記課題を解決するためになされた本発明に係る木造屋根パネルは、所定間隔で配置された複数の垂木の軒先端に軒先母屋が架設され、各垂木の横架材との固定位置に、横架材の上面に固定する固定部と、該固定部上に形成され、各垂木が所定の屋根勾配となるように傾斜した垂木支持面とを備えてなる垂木固定部材が、該垂木支持面と各垂木の底面とが接した状態で架設された木造屋根パネルであって、該木造屋根パネルは、上下方向に分割された分割屋根パネルが所定の横架材上で継合されてなり、下側分割屋根パネルは、前記各垂木の継合端付近に前記垂木固定部材が架設されたものであり、上側分割屋根パネルは、前記各垂木の継合端付近に、横架材の上面に固定する固定部と、該固定部上に形成され、各垂木が所定の屋根勾配となるように傾斜し且つ前記下側分割屋根パネルの各垂木と同一軸線となるように支持する垂木支持面とを備えてなる継合用垂木固定部材が架設されたものである。これにより、複数の垂木に軒先母屋及び垂木固定部材が架設されて一体化された木造屋根パネルが、垂木固定部材を介して、母屋や軒桁等の横架材上に所定勾配で固定される。また、屋根面積が大きい場合等に軒先から棟木までを上下に分割することにより、各分割屋根パネルの重量や大きさが小さくなるので運搬や施工が容易となる。また、継合用垂木固定部材により各垂木が継合すべき垂木と同一軸線に支持されるので、横架材上での継合作業が容易となる。
【0012】
また、本発明に係る木造屋根パネルは、所定間隔で配置された複数の垂木の軒先端に軒先母屋が架設されるとともに各垂木の上面に野路板が敷設され、該各垂木の軒桁との固定位置には、各垂木に固定する垂木受け部と、該垂木受け部から垂木の軸線方向と直交する方向に突設された羽根部と、留め具を挿通するために該羽根部に穿設された貫通孔とを備えてなる第1の軒桁用垂木固定部材が夫々固定されたものであって、軒桁との固定は、該軒桁の上面に固定された基部から起立して、該軒桁に固定する垂木の勾配と直交し且つ勾配上方へ向いた規制面を有する起立部が形成され、該規制面に、垂木を遊嵌する切欠きと前記留め具を挿通する貫通孔とが形成されてなる第2の軒桁用垂木固定部材と、前記各第1の軒桁用垂木固定部材とが、前記規制面に前記羽根部を当接させた状態で、夫々の貫通孔に留め具を挿通して締結することによりなされ、母屋との固定は、該母屋の上面に固定された基部上に、所定勾配の垂木の底面を支持する垂木支持部が形成され、該垂木支持部に、垂木の側面に固定する垂木固定部が立設されてなる母屋用垂木固定部材によりなされるものである。軒桁に対しては第1の軒桁用垂木固定部材の規制面に第2の固定部材の羽根部を当接させて垂木を担持させ、母屋及び棟木に対しては母屋用垂木固定部材の垂木支持部上に垂木を載置することにより、安定した状態で屋根パネルを軒桁及び母屋上に仮置きすることができ、屋根パネルの位置調整や、留め具による第1の軒桁用垂木固定部材と第2の軒桁用垂木固定部材との固定作業、及び母屋用垂木固定部材と垂木との固定作業が容易となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき具体的に説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る木造屋根パネル100の構成を示す斜視図であるが、図に示すように、本木造屋根パネル100は、所定間隔で配置された複数の垂木1と、各垂木1の軒先端1aに架設された軒先母屋2と、各垂木1の他端1bに架設された隅木3と、各垂木1の横架材との固定位置に架設された垂木固定部材4とを具備してなるものである。
【0014】
垂木1は、木製の角材であり、軒先の通りに合わせて適宜切断されている。本木造屋根パネル100は、寄せ棟の屋根の傾斜面が交わる隅部に配設されるものなので、各垂木1は、該隅部に向かって順次短くなるように切断されている。木造屋根パネル100に配設すべき垂木1の本数は特に限定されるものではないが、木造屋根パネル100を工場から施工現場へ運搬する際の積載効率やクレーンでの吊り上げ等を考慮すれば、木造屋根パネル100の幅が約2,3メートル程度となるように垂木1の本数を設定することが好適である。各垂木1の軒先端1aには軒先母屋2が、他端1bには隅木3が架設されており、最も長尺の垂木1と軒先母屋2と隅木3とが木造屋根パネル100の枠体として機能している。
【0015】
垂木固定部材4は、鋼板を曲折加工して得られる長尺部材であり、各垂木1を木造小屋組の母屋や軒桁へ固定する位置に架設されている。詳細には、図2に示すように、鋼板の長手方向の両端部分が水平方向に折り曲げられて、横架材の上面に固定するための固定部40をなしており、該鋼板の中央部分は両固定部40から夫々垂直方向へ起立して凸形状をなしており、該凸形状の上面が屋根勾配に沿って傾斜した垂木支持面41となっている。該垂木支持面41には、各垂木1の両側となる位置に釘穴42が夫々穿設されており、更に、側端近傍に、位置決め孔43が穿設されている。このように構成された垂木固定部材4が、その垂木支持面41を各垂木1の底面に接した状態で、垂木1を母屋及び軒桁へ固定する位置に夫々架設されている。
【0016】
つぎに、本木造屋根パネル100の固定方法について説明する。
工場等において予め組み付けられた木造屋根パネル100を、トラック等の運搬車両に積載して施工現場へ搬入する。搬入後、クレーン等により吊り上げて木造小屋組の所定位置に位置せしめ、釘打ち等により軒桁等の横架材に固定する。
【0017】
さらに詳細に説明するに、図3は、一般的な木造小屋組の一部を示すものであり、軒桁A、小屋梁Bが組まれ、小屋梁B上に小屋束Cが適宜立設され、各小屋束C上に母屋Dが横架されている。また、図には示していないが、棟の頂点には棟木が横架されている。本木造屋根パネル100は該軒桁A及び母屋Dに固定されるものである。なお、本木造小屋組は一例であり、本発明に係る固定部材の使用が当該木造小屋組に限定されるものではない。
【0018】
軒桁A及び母屋D等の横架材が組まれた後、施工現場に搬入した木造屋根パネル100をクレーンで吊り上げ、図4に示すように、軒桁A及び母屋Dの上面に垂木固定部材4の固定部40を接合して、木造屋根パネル100を軒桁A及び母屋D上に載置する。該固定部40は水平方向に曲折されたものなので、固定部40の裏面が軒桁A及び母屋Dの上面に接して、木造屋根パネル100を安定した状態で載置できる。また、垂木固定部材4の支持面41により各垂木1は、軒桁A及び母屋Dに対して所定の屋根勾配となっている。図5に示すように、軒桁Aには、予め位置決め孔44が夫々穿っておき、垂木固定部材4の位置決め孔43及び各位置決め孔44に位置決めピン45を夫々連通することにより、木造屋根パネル100の位置決めをする。位置決め後、垂木固定部材4の釘穴42に釘46を通して軒桁Aに打ちつけることにより、木造屋根パネル100を固定する。釘穴42は、垂木支持面41の上下方向に穿設されているので、釘46を垂直方向に打ち込めるので作業性がよい。なお、図には示していないが、母屋Dに対しても同様に位置決め及び釘打ちを行う。その後、木造屋根パネル100に野路板(不図示)を張る。
【0019】
このように、予め工場等において組み付けられた屋根パネル100を施工現場に搬入し、軒桁A及び母屋Dに固定することにより、施工現場における作業が少なくなり工期の短縮化を図ることができ、現場での廃材も少なくなる。また、垂木固定部材104に水平方向の固定部40及び屋根勾配に沿った垂木支持面41を設けることにより、屋根パネル100を所定の屋根勾配に傾斜させ且つ安定した状態で軒桁A及び母屋D上に載置することができ、屋根パネル100が落下する危険性が少なくなり位置決め作業が容易となる。更には、垂木固定部材104を軒桁A及び母屋Dに釘打ちして固定することにより屋根パネル100が固定されるので、従来の釘の斜め打ち等による作業者の技量の差がなくなり、安定且つ確実な固定が可能である。
【0020】
なお、本木造屋根パネル100は、寄せ棟の屋根の隅部に配設されるものなので、垂木1を隅部へ向かって順次短くし、隅木3が架設されたものとしたが、屋根の他の部分に配設すべき屋根パネルでは、隅木3に代えて谷木を架設したり、隅木3を架設することなく、例えば図6に示すように、同一長さの複数の垂木1の軒先端1aに軒先母屋2を架設し、各垂木1の横架材との固定位置に垂木固定部材4を架設したものとし、これらを適宜組み合わせて所望の屋根を構成する。また、切り褄等のその他の屋根の形状に合わせて隅木や谷木の有無は適宜変更する。
【0021】
以下、本発明の第2の実施の形態に係る木造屋根パネル101について説明する。
本木造屋根パネル101は、図7に示すように、木造小屋組に配設すべき木造屋根パネルが上下方向に分割されたものであって、下側分割屋根パネル101A及び上側分割屋根パネル101Bの2つからなり、これら下側分割屋根パネル101A及び上側分割屋根パネル101Bが母屋上で継合されて1つの木造屋根パネル101を構成するようになっている。建物の屋根面積が大きい場合等に、本木造屋根パネル101のように軒先から棟木に対して上下に分割することにより、各分割屋根パネル101A,101Bの重量や大きさが小さくなるので運搬や施工が容易になるという利点がある。
【0022】
下側分割屋根パネル101Aは、図7に示すように、所定間隔で配置された各垂木1Aの軒先端1aに軒先母屋2が、軒桁への固定位置及び継合端1c付近に垂木固定部材4が、夫々架設されて一体化されたものであり、垂木1Aは上側分割屋根パネル101Bの垂木1Bと継合されて1本の垂木1となるものであり、軒先母屋2は前述と同様のものである。なお、本木造屋根パネル101においても配設すべき垂木1の本数や長さは特に限定されるものではない。
【0023】
垂木固定部材4も、前述と同様のものであり、図7に示すように各垂木1Aを木造小屋組の母屋及び軒桁へ固定する位置に架設されている。図8は垂木1Aの継合端1c付近の詳細な構成を示すものであるが、垂木固定部材4は、鋼板の長手方向の両端部分が水平方向に折り曲げられて、横架材の上面に固定するための固定部40をなしており、該鋼板の中央部分は両固定部40から夫々垂直方向へ起立して凸形状をなしており、該凸形状の上面が屋根勾配に沿って傾斜した垂木支持面41となっている。該垂木支持面41には、各垂木1Aの両側となる位置に釘穴42が夫々穿設されており、更に、側端近傍に、位置決め孔43が穿設されている。このように構成された垂木固定部材4が、その垂木支持面41を各垂木1Aの底面に接した状態で、垂木1Aを母屋及び軒桁へ固定する位置に夫々架設されている。
【0024】
一方、上側分割屋根パネル101Bは、所定間隔で配置された各垂木1Bの継合端1d付近に継合用垂木固定部材5が、母屋及び棟木への固定位置に前記垂木固定部材4が夫々架設されて一体化されたものである。各垂木1Bは、夫々対応する前記垂木1Aと継合されて1本の垂木1となるものであり、各垂木1Bの配置は前記各垂木1Aの配置と同様である。また、母屋及び棟木との固定位置に架設された垂木固定部材4も前述と同様であるので詳細な説明は省略する。
【0025】
継合用垂木固定部材5は、鋼板を曲折加工して得られる長尺部材であり、各垂木1Bの継合端1d付近に架設されている。詳細には、図9に示すように、鋼板の下端部分が水平方向に折り曲げられて、母屋の上面に固定するための固定部50をなしており、該鋼板の中央部分は固定部50から垂直方向へ起立して起立部51となり、該起立部51から上端部分が屋根勾配に沿って屈曲して垂木支持面52となっている。固定部50には、各垂木1Bの固定位置付近に釘穴53が夫々穿設されており、更に、側端近傍に位置決め孔54が穿設されている。このように構成された継合用垂木固定部材5が、各垂木1Bを所定の屋根勾配となるように傾斜し且つ下側分割屋根パネル101Aの各垂木1Aと同一軸線となるように、母屋上で各垂木1Bを支持する。
【0026】
つぎに、本木造屋根パネル200の固定方法について説明する。
工場等において予め組み付けられた下側分割屋根パネル101A及び上側分割屋根パネル101Bを、分離状態のまま、トラック等の運搬車両に積載されて施工現場へ搬入する。搬入後、クレーン等により吊り上げて木造小屋組の所定位置に夫々位置せしめ、母屋上で下側分割屋根パネル101A及び上側分割屋根パネル101Bを継合するとともに釘打ち等により各横架材に固定する。
【0027】
さらに詳細に説明するに、図10に示すように、小屋組には軒桁A、小屋梁Bが組まれ、小屋梁B上に小屋束Cが適宜立設され、各小屋束C上に母屋Dが横架され、棟の頂部には棟木Eが横架されている。このような木造小屋組が組まれた後、図に示すように、施工現場へ搬入した下側分割屋根パネル101Aをクレーンで吊り上げ、図11に示すように、軒桁A及び母屋Dの上面に、垂木固定部材4の固定部40を接合して、下側分割屋根パネル101Aを軒桁A及び母屋D上に載置する。前述と同様に、固定部40は水平方向に曲折されたものなので、固定部40の裏面が軒桁A及び母屋Dの上面に接して、下側分割屋根パネル101Aを安定した状態で軒桁A及び母屋D上に載置でき、垂木固定部材4の支持面41により、各垂木1Aが軒桁A及び母屋Dに対して所定の屋根勾配となる。この状態で、図5で示したように、垂木固定部材4の位置決め孔43及び軒桁A及び母屋Dに予め穿っておいた位置決め孔44に位置決めピン45を夫々連通することにより、下側分割屋根パネル101Aの位置決めをし、垂木固定部材4の釘穴42に釘46を通して軒桁A及び母屋Dに夫々打ちつけることにより、下側分割屋根パネル101Aを固定する。
【0028】
つぎに、図11に示すように、上側分割屋根パネル101Bをクレーンで吊り上げ、母屋D及び棟木Eの上面に、垂木固定部材4の固定部40を接合するとともに、下側分割屋根パネル101Aの継合端1cが載置された母屋D上に、継合用垂木固定部材5を載置する。図12に示すように、垂木固定部材4により、前述と同様に、固定部40の裏面が母屋D及び棟木Eの上面に接して、上側分割屋根パネル101Bを母屋D及び棟木E上に安定した状態で載置でき、垂木固定部材4の支持面41により各垂木1Bは、母屋D及び棟木Eに対して所定の屋根勾配となる。また、継合用垂木固定部材5により、母屋D上で上側分割屋根パネル101Bの各垂木1Bが、下側分割屋根パネル101Aの各垂木1Aと同一軸線に支持される。軸線が多少ずれていても、上側分割屋根パネル101Bは、母屋D及び棟木E上に安定して載置されているので位置調整は容易である。この状態で、図には詳細に示していないが図5と同様に、継合用垂木固定部材5の位置決め孔53及び母屋D及び棟木に予め穿っておいた位置決め孔に位置決めピン45を夫々連通することにより、図12に示すように、上側分割屋根パネル101Bを、夫々対応する垂木1Bと垂木1Aとの継合端面が接した状態で母屋D及び棟木E上に位置決めする。その後、垂木固定部材4及び継合用垂木固定部材5の釘穴46に釘を通して母屋D及び棟木Eに打ちつけることにより、上側分割屋根パネル101Bを固定する。さらに、必要に応じて垂木1A,1Bの継合部分に釘打ち等を行う。
【0029】
このように、本屋根パネル101によれば、運搬や施工の容易のために上下に分割された下側分割屋根パネル101A及び上側分割屋根パネル101Bを、軒桁A、母屋D及び棟木Eに簡易且つ安定した状態で固定することができ、各垂木1A,1Bの継合作業も安定した状態で行うことができる。また、継合用垂木固定部材5により、各垂木1Bが夫々対応する垂木1Aと同一軸線上に安定状態で支持されるので、垂木1A,1Bの継合に作業者の技量の差がなくなり、安定且つ確実な継合が可能である。
【0030】
以下、本発明の第3の実施の形態に係る木造屋根パネル102について説明する。
本木造屋根パネル102は、図13に示すように、所定間隔で配置された複数の垂木1の軒先端1aに軒先母屋2が架設されるとともに各垂木1の上面に野路板6が敷設され、該各垂木1の軒桁との固定位置には、第1の軒桁用垂木固定部材7が夫々固定されたものである。本木造屋根パネル102では、野路板6も工場等で予め一体として組み付けられているので、施工現場における作業が更に軽減されて工期が一層短縮され、現場での廃材も一層少なくなるという利点がある。
【0031】
木造屋根パネル102は、図に示すように、所定間隔で配置された各垂木1の軒先端1aに軒先母屋2が架設されるとともに、垂木1の上面に野路板6が張られて一体化されたものである。垂木1及び軒先母屋2は前述と同様のものであり、配設すべき垂木1の本数や長さは特に限定されるものではない。また、野路板6は、木製の平板であり、各垂木1に釘打ちされて固定されている。
【0032】
第1の軒桁用垂木固定部材7は、図14に示すように、垂木1に固定する垂木受け部70と、垂木受け部70から垂木1の軸線方向と直交する方向に突設された羽根部71と、ボルト等の留め具を挿通するために羽根部71に穿設された貫通孔72とを備えてなるものであり、所定形状の鋼板に曲折、打ち抜き等の加工を施すことにより得ることができる。
【0033】
垂木受け部70は、両側部70L,70R及び底部70Bからなる上側を開放とした縦断面が略コの字形状のものであり、該垂木受け部70に垂木1が嵌合されることにより、垂木受け部70の各内面が垂木1の底面及び両側面と夫々接触した状態となって垂木1を支持するようになっている。垂木受け部70の両側部70L,70R及び底部70Bには、夫々貫通孔73が穿設されており、該貫通孔73にボルトや釘等を挿通して垂木1に貫入することにより、第1の軒桁用垂木固定部材7を垂木1に固定できるようになっている。また、両側部70L,70Rの各貫通孔73は、垂木1の高さ方向の位置を互いに異なるものとして、底部70Bの貫通孔73は、垂木1の軸方向の位置を前記両側部70L,70Rの各貫通孔73と異なるものとして、各貫通孔73に挿通し垂木1に貫入した釘等が互いに干渉しないようになっている。
【0034】
また、本木造屋根パネル102では、垂木1の上面に野路板6が固定されるので、垂木受け部70の両側部70L,70Rは垂木1の上面へ突出しないように、垂木1の高さ寸法内のものとする。また、第1の軒桁用垂木固定部材7は、垂木受け部70により、少なくとも垂木1の底面及び一側面に固定されれば十分であり、垂木受け部70を、側部70Lを省略したL字形状のものとしてもよいが、垂木1の両側面ともに固定する本実施の形態の構成とすれば、軒桁Aへの垂木1の固定強度が高くなる。
【0035】
羽根部71は、図15に示すように、第1の軒桁用垂木固定部材7を構成する鋼板が、前記垂木受け部70の側部70Rから外側へ略直角に曲折されることにより、その面が垂木受け部70に固定された垂木1の軸線方向と略直交する方向となるように、垂木受け部70に突設されている。これにより、垂木受け部70に垂木1を固定した場合に、該垂木1の側方であって軸線と略直交する方向へ羽根部71が突出して、建物の屋外側、即ち垂木1の勾配下方へ向いた当接面71aが形成される。
【0036】
なお、羽根部71は垂木受け部70のいずれの側方に突設しても、両側方に突設することとしてもよい。また、羽根部71も前記垂木受け部70の両側部70L,70Rと同様に、垂木1の上面へ突出しないように、垂木1の高さ寸法内のものとする。また、本実施の形態のように、羽根部71を垂木1の側方へ突出させることにより、本木造屋根パネル102を軒桁に固定する際に、作業者が木造屋根パネル102の上に上がる必要がなく、各垂木1の側方から固定作業を行えるので好ましい。
【0037】
羽根部71に穿設された貫通孔72は、図14に示すように、横方向の長穴である。即ち、該長穴は、垂木受け部70に固定される垂木1の軸線方向に対して略直交する方向であり、軒桁に対しては長手方向に長いものとなっている。これにより、第1の軒桁用垂木固定部材7を第2の軒桁用垂木固定部材8にボルト等の留め具により締結する場合に、長穴の範囲内で垂木1を軒桁の長手方向に対して位置調整することができる。
【0038】
図16は木造屋根パネル102の垂木1に第1の軒桁用垂木固定部材7が固定された状態を示すものであるが、図に示すように、垂木受け部70に垂木1を嵌め込み、垂木受け部70の各内面を垂木1の底面及び両側面と夫々接触させた状態で、各貫通孔73に釘74を夫々挿入して垂木1に打ち込むことにより固定している。前述したように、両側部70L,70Rの各貫通孔73は、垂木1の高さ方向の位置が互いに異なり、底部70Bの貫通孔73は、垂木1の軸方向の位置が両側部70L,70Rの各貫通孔73と異なるので、各貫通孔73に挿通し垂木1に貫入した釘74が互いに干渉することはない。このようにして、木造屋根パネル102の各垂木1の所定位置に第1の軒桁用垂木固定部材7が夫々固定され、羽根部71が各垂木1の軸線方向と略直交するようにして側方へ突出している。
【0039】
以下、本木造屋根パネル102の固定方法について説明する。
図17は、木造小屋組を示すものであり、軒桁A、小屋梁Bが組まれ、小屋梁B上に小屋束Cが適宜立設され、各小屋束C上に母屋Dが、また、棟の頂点には棟木Eが横架されて小屋組が構成されている。本木造屋根パネル102は、軒桁Aとの固定には第1の軒桁用垂木固定部材7及び第2の軒桁用垂木固定部材8が用いられ、母屋D及び棟木Eとの固定には母屋用垂木固定部材9が用いられる。
【0040】
木造屋根パネル102と軒桁Aとの固定に用いられる前記第2の軒桁用垂木固定部材8は、木造屋根パネル102の各垂木1に予め固定された第1の軒桁用垂木固定部材7と対をなすものであり、木造屋根パネル102の固定前に、予め軒桁Aの所定位置に夫々固定されている。該第2の軒桁用垂木固定部材8は、図18に示すように、軒桁Aの上面に固定される基部80から起立して、軒桁Aに固定する垂木1の勾配と直交し且つ勾配上方へ向いた規制面81aを有する起立部81が形成され、該規制面81aに、垂木1を遊嵌する切欠き82と留め具を挿通する貫通孔83とが形成されたものである。
【0041】
このような第2の軒桁用垂木固定部材8は略矩形の鋼板に曲折、切欠等の加工を施すことにより得ることができ、鋼板の表裏面を軒桁Aの軸線方向として、下端に2箇所の切込みを設け両端側が軒桁Aの屋内方向、中央が軒桁Aの屋外方向となるように略直角に曲折されることにより、その底面が軒桁Aの上面と接触する基部80が形成されている。基部80の形状は本実施の形態に示したものに限定されず種々の変更が可能であるが、図に示すように、軒桁Aの屋内側及び屋外側の双方に曲折された基部80を設ければ、起立部81に締結される第1の軒桁用垂木固定部材7を介して木造屋根パネル102を支持する強度が高くなるので好適である。各基部80には厚み方向に貫通孔84が穿設されており、該貫通孔84にボルトや釘等を挿通して軒桁Aに貫入することにより、第2の軒桁用垂木固定部材8が軒桁Aの上面に固定できるようになっている。
【0042】
また、前記基部80の上側の鋼板が、基部80と略直角な起立部81を構成しており、該起立部81は所定位置から軒桁Aの屋外側へ曲折されている。図19に示すように、起立部81は、その面が軒桁Aに固定される垂木1の勾配αと略直交するように屋外側へ曲折され、垂木1の勾配上方へ向いた面が規制面81aとなっている。垂木1の勾配αは、木造住宅の屋根勾配の設計に従って設定されるものなので、規制面81aを形成するための起立部81の曲折角度も、同様に、第2の軒桁用垂木固定部材8を用いて軒桁Aに垂木1を固定する木造住宅の屋根勾配の設計に従って予め設定しておく。
【0043】
図20に示すように、前記切欠き82は、起立部81の上端の略中央から略鉛直方向に切欠されたものであり、切欠き82の幅は木造屋根パネル102の垂木1の幅より大きいものである。従って、木造屋根パネル102を固定する際には第2の軒桁用垂木固定部材8の上方から切欠き82に垂木1を遊嵌することができるので、作業が容易である。また、切欠き82の幅を垂木1の幅に対して余裕を持たせて、切欠き82に対して垂木1を遊嵌状態としているので、垂木1を軸方向に移動させたり、一定範囲内で幅方向に移動させることが容易にできるようになっている。
【0044】
図21は軒桁Aの上面に第2の軒桁用垂木固定部材8が固定された状態を示すものであるが、図に示すように、起立部81の規制面81aが垂木1の勾配上方を向くようにして、第2の軒桁用垂木固定部材8の基部80の底面と軒桁Aの上面とを接触させた状態で、各貫通孔84に釘85を夫々挿入して軒桁Aに打ち込むことにより固定されている。このようにして、木造屋根パネル102の各垂木1の配置に対応して、軒桁Aの各位置に第2の軒桁用垂木固定部材8が夫々固定されている。
【0045】
一方、木造屋根パネル102と母屋D又は棟木Eとの固定に用いられる前記母屋用垂木固定部材9は、予め母屋D及び棟木Eの所定位置に夫々固定されるものであり、図22に示すように、母屋D又は棟木Eの上面に固定される基部90A,90B上に、所定勾配の垂木1の底面を支持する垂木支持部91が形成され、該垂木支持部91に、垂木1の側面に固定する垂木固定部92が立設されてなるものである。このような母屋用垂木固定部材9も所定形状の鋼板に曲折、打ち抜き等の加工を施すことにより得ることができる。
【0046】
基部90Aには、その厚み方向に貫通孔93が穿設されており、母屋D又は棟木Eの上面に接触させた状態で、該貫通孔93にボルトや釘等が挿通されて母屋D又は棟木Eに貫入されることにより、母屋用垂木固定部材9を母屋D又は棟木Eの上面に対して固定できるようになっている。一方、基部90Bは、鋼板が略直角に曲折された形状であり、母屋D又は棟木Eの上面と側面の隅部に合致するものとなっている。該基部90Bの下端付近にも、その厚み方向に貫通孔94が穿設されており、母屋D又は棟木Eの隅部に接触させた状態で、該貫通孔94にボルトや釘等を挿通して母屋D又は棟木Eに貫入することにより、母屋用垂木固定部材9を母屋D又は棟木Eの側面に対して固定できるようになっている。
【0047】
垂木支持部91は、図23に示すように、基部90Aから起立した起立部91aと、基部90Bから起立した起立部91bと、これら起立部91a,91bに架設された支持部91cとからなり、起立部91a,91bの高低差によって支持部91cが垂木1の勾配αと略同等に傾斜したものとなっている。このような垂木支持部91により勾配αの垂木1の底面を担持するように支持するものとなっている。
【0048】
垂木固定部92は、図22及び図23に示すように、鋼板が前記垂木支持部91の支持部91cから略直角に上方ヘ曲折されてなるものであり、該支持部91cと相まって、垂木1の底面と側面の隅部に合致したものとなっている。該垂木固定部92には、その厚み方向に貫通孔95が穿設されており、垂木固定部92の内面が垂木1の側面に接触した状態で、該貫通孔95にボルトや釘等を挿通して垂木1に貫入することにより、母屋用垂木固定部材9を垂木1に固定できるようになっている。
【0049】
なお、垂木固定部92も、前記垂木受け部80と同様に、垂木1の上面へ突出しないように、垂木1の高さ寸法内のものとする。また、本実施の形態では、垂木支持部91の一側方にのみ垂木固定部92が立設されたものとしたが、垂木1の両側面に接して垂木1を挟入するように、垂木支持部91の両側方に垂木固定部92を立設すれば、木造屋根パネル102の固定強度が高くなる。
【0050】
図24は母屋D又は棟木Eに母屋用垂木固定部材9が固定された状態を示すものであるが、図に示すように、垂木支持部91の支持部91cが垂木1の勾配と合致するようにして、基部90Aの底面と母屋Dの上面とを接触させ、且つ基部90Bを母屋Dの上面と側面の隅部に合致させた状態で、各貫通孔94に釘96を夫々挿入して母屋Dに打ち込むことにより固定している。このようにして、木造屋根パネル102の各垂木1に対応して、各母屋D及び棟木Eの各位置に母屋用垂木固定部材9を夫々固定する。
【0051】
このように、予め、軒桁Aに第2の軒桁用垂木固定部材8が夫々固定され、母屋D及び棟木Eに母屋用垂木固定部材9が夫々固定された小屋組に、木造屋根パネル102を固定する。該小屋組に木造屋根パネル102を固定するには、先ず、図17に示したようにクレーン等で木造屋根パネル102を小屋組上に吊り上げ、図25に示すように、軒桁Aに対して、木造屋根パネル102の各垂木1を軒桁Aの第2の軒桁用垂木固定部材8の起立部81の切欠き82に夫々遊嵌し、各垂木1に固定された第1の軒桁用垂木固定部材7の羽根部71を、軒桁Aに固定された各第2の軒桁用垂木固定部材8の規制面81aに夫々当接する。これにより、軒桁Aに対する各垂木1の軸線方向の位置を決めがなされるとともに、各第2の軒桁用垂木固定部材7に各垂木1が担持され、クレーン等に吊り上げられた状態の木造屋根パネル102の姿勢が安定するとともに、小屋組からの落下が防止される。
【0052】
次に、図26に示すように、第1の軒桁用垂木固定部材7の羽根部71を第2の軒桁用垂木固定部材8の規制面81aに当接させた状態のまま、母屋D及び棟木Eに対して、木造屋根パネル102の各垂木1を母屋D及び棟木Eに固定された各母屋用垂木固定部材9の垂木支持部91上に載置する。これにより、図27に示すように、各垂木1は、母屋用垂木固定部材9にも担持された状態となり、木造屋根パネル102をクレーン等により吊り上げなくとも小屋組から落下等することがなく、安定した状態で軒桁A、母屋D及び棟木E上に木造屋根パネル102を仮置きできる。
【0053】
その後、木造屋根パネル102を、垂木1の水平方向、即ち軒桁A、母屋D及び棟木Eの長手方向に対して位置調節する。図20で示したように、第2の軒桁用垂木固定部材8の切欠き82の幅は垂木1の幅より大きく、垂木1は切欠き82に対して遊嵌状態にあるので、一定範囲内で水平方向に移動させることができる。このように、複数の木造屋根パネル102を小屋組に順次固定していく際にも、木造屋根パネル102間に隙間等が生じないように位置調整することは容易である。また、第1の軒桁用垂木固定部材7の羽根部71に穿設された貫通孔72は長穴であり、水平方向を向いているので、該長穴の範囲内で位置調節をしても、ボルト等の留め具を挿通することが可能である。なお、貫通孔72を長穴とする代わりに、第2の軒桁用垂木固定部材8の起立部81に穿設された貫通孔83を長穴としてもよい。
【0054】
位置調節後、図28に示すように、ボルト(留め具)97を第1の軒桁用垂木固定部材7の羽根部71の挿通孔72と第2の軒桁用垂木固定部材8の規制面81a上の挿通孔83とに挿通し、ナット(留め具)98を螺合して、両部材を締結する。また、図には示していないが、母屋用垂木固定部材9の垂木固定部92の貫通孔95に釘を挿通して垂木1に打ち込み、垂木1を固定する。このようにして、木造屋根パネル102を軒桁A、母屋D及び棟木Eに固定する。これら締結作業や釘打ちは、垂木1が第2の軒桁用垂木固定部材8及び母屋用垂木固定部材9に仮置きされて、安定した状態で行うことができる。また、当該締結作業や釘打ち作業において、作業者は軒桁Aや母屋D、棟木Eの下側から作業を行うことができ、予め野路板6が敷設された木造屋根パネル102の固定作業が容易となり、作業者が木造屋根パネル102の上側へ上がる必要がないので危険度が少ない。
【0055】
【発明の効果】
このように、本発明に係る木造屋根パネルによれば、垂木及び軒先母屋等が一体化されることにより、施工現場における作業を軽減して工期の短縮が可能となり、施工現場での廃材が少ないという利点がある。また、各垂木と横架材との固定位置に、垂木固定部材を架設することにより、木造屋根パネルを母屋や軒桁等の横架材上に所定勾配で安定して載置することができ、作業の安全性が高まり、垂木の固定が技量差なく確実なものとなる。
【0056】
また、本発明によれば、前記木造屋根パネルを、上下方向に分割された分割屋根パネルが所定の母屋上で継合されてなるものとしたので、各分割屋根パネルを分離状態で運搬、施工することができ重量や大きさの面で作業がし易いという利点がある。また、下側分割屋根パネルの各垂木の継合端付近に前記垂木固定部材を架設し、上側分割屋根パネルの各垂木の継合端付近に、継合用垂木固定部材を架設することにより、母屋上で、下側分割屋根パネル及び上側分割屋根パネルを所定勾配で安定して載置することができ、且つ各垂木が継合すべき垂木と同一軸線に支持されるので、作業の安全性が高まるとともに継合作業が容易となる。
【0057】
また、本発明に係る木造屋根パネルによれば、野路板を垂木と一体化しておくことにより、工期の短縮や現場廃材の減少をより一層図ることができる。また、各垂木の軒桁との固定位置には第1の軒桁用垂木固定部材を夫々固定して、軒桁に固定された各第2の軒桁用垂木固定部材の規制面に各第1の軒桁用垂木固定部材の羽根部を当接させた状態とすることにより、垂木を担持して木造屋根パネルの落下を防止でき、また、軒桁に対する垂木の位置決めが容易となる。一方、母屋及び棟木に対しては母屋用垂木固定部材の垂木支持部上に垂木を載置することにより、安定した状態で屋根パネルを軒桁及び母屋上に仮置きすることができ、屋根パネルの位置調整や、留め具による第1の軒桁用垂木固定部材と第2の軒桁用垂木固定部材との固定作業、及び母屋用垂木固定部材と垂木との固定作業が容易となる。これにより、木造屋根パネルの正確、簡便、且つ安全な固定を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【符号の説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る木造屋根パネル100の構成を示す斜視図である。
【図2】垂木固定部材4の詳細な構成を示す拡大斜視図である。
【図3】木造屋根パネル100の固定方法を説明するための側面図である。
【図4】木造屋根パネル100の固定方法を説明するための側面図である。
【図5】軒桁Aへの垂木固定部材4の固定方法を説明するための拡大斜視図である。
【図6】木造屋根パネル100の変形例を示す斜視図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る木造屋根パネル101の構成を示す斜視図である。
【図8】下側分割屋根パネル101Aの垂木1Aの継合端1c付近の構成を示す拡大斜視図である。
【図9】上側分割屋根パネル101Bの垂木1Bの継合端1d付近の構成を示す拡大斜視図である。
【図10】木造屋根パネル101の固定方法を説明するための側面図である。
【図11】木造屋根パネル101の固定方法を説明するための側面図である。
【図12】木造屋根パネル101の固定方法を説明するための側面図である。
【図13】本発明の第3の実施の形態に係る木造屋根パネル102の構成を示す斜視図である。
【図14】第1の軒桁用垂木固定部材7の構成を示す斜視図である。
【図15】羽根部71と垂木1の軸線との関係を示す平面図である。
【図16】垂木1に第1の軒桁用垂木固定部材7が固定された状態を示す正面図である。
【図17】木造屋根パネル102の固定方法を説明するための側面図である。
【図18】第2の軒桁用垂木固定部材8の構成を示す斜視図である。
【図19】規制面81aと垂木1の勾配との関係を示す側面図である。
【図20】切欠82と垂木1の幅との関係を示す正面図である。
【図21】軒桁Aに第2の軒桁用垂木固定部材8が固定された状態を示す側面図である。
【図22】母屋用垂木固定部材9の構成を示す斜視図である。
【図23】垂木支持部91と垂木1の勾配との関係を示す側面図である。
【図24】母屋D又は棟木Eに母屋用垂木固定部材9が固定された状態を示す側面図である。
【図25】木造屋根パネル102の固定方法を説明するための側面図である。
【図26】木造屋根パネル102の固定方法を説明するための側面図である。
【図27】木造屋根パネル102の固定方法を説明するための側面図である。
【図28】第1の軒桁用垂木固定部材7と第2の軒桁用垂木固定部材8とがボルト97及びナット98により締結された状態を示す側面図である。
【符号の説明】
1 垂木
1a 軒先端
1c,1d 継合端
2 軒先母屋
4 垂木固定部材
5 継合用垂木固定部材
6 野路板
7 第1の軒桁用垂木固定部材
8 第2の軒桁用垂木固定部材
9 母屋用垂木固定部材
40 固定部
41 垂木支持面
50 固定部
52 垂木支持面
70 垂木受け部
71 羽根部
72 貫通孔
80 基部
81 起立部
81a 規制面
82 切欠き
83 貫通孔
90A,90B 基部
91 垂木支持部
92 垂木固定部
97 ボルト(留め具)
98 ナット(留め具)
100,101,102 木造屋根パネル。
101A 下側分割屋根パネル
101B 上側分割屋根パネル

Claims (2)

  1. 所定間隔で配置された複数の垂木の軒先端に軒先母屋が架設され、各垂木の横架材との固定位置に、横架材の上面に固定する固定部と、該固定部上に形成され、各垂木が所定の屋根勾配となるように傾斜した垂木支持面とを備えてなる垂木固定部材が、該垂木支持面と各垂木の底面とが接した状態で架設された木造屋根パネルであって、
    該木造屋根パネルは、上下方向に分割された分割屋根パネルが所定の横架材上で継合されてなり、
    下側分割屋根パネルは、前記各垂木の継合端付近に前記垂木固定部材が架設されたものであり、
    上側分割屋根パネルは、前記各垂木の継合端付近に、横架材の上面に固定する固定部と、該固定部上に形成され、各垂木が所定の屋根勾配となるように傾斜し且つ前記下側分割屋根パネルの各垂木と同一軸線となるように支持する垂木支持面とを備えてなる継合用垂木固定部材が架設されたものであることを特徴とする木造屋根パネル。
  2. 所定間隔で配置された複数の垂木の軒先端に軒先母屋が架設されるとともに各垂木の上面に野路板が敷設され、該各垂木の軒桁との固定位置には、各垂木に固定する垂木受け部と、該垂木受け部から垂木の軸線方向と直交する方向に突設された羽根部と、留め具を挿通するために該羽根部に穿設された貫通孔とを備えてなる第1の軒桁用垂木固定部材が夫々固定されたものであって、
    軒桁との固定は、該軒桁の上面に固定された基部から起立して、該軒桁に固定する垂木の勾配と直交し且つ勾配上方へ向いた規制面を有する起立部が形成され、該規制面に、垂木を遊嵌する切欠きと前記留め具を挿通する貫通孔とが形成されてなる第2の軒桁用垂木固定部材と、前記各第1の軒桁用垂木固定部材とが、前記規制面に前記羽根部を当接させた状態で、夫々の貫通孔に留め具を挿通して締結することによりなされ、
    母屋との固定は、該母屋の上面に固定された基部上に、所定勾配の垂木の底面を支持する垂木支持部が形成され、該垂木支持部に、垂木の側面に固定する垂木固定部が立設されてなる母屋用垂木固定部材によりなされることを特徴とする木造屋根パネル。
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