JP4070003B2 - 硬質ポリウレタンフォームサンドイッチパネル用ポリオール組成物及び硬質ポリウレタンフォームサンドイッチパネルの製造方法 - Google Patents

硬質ポリウレタンフォームサンドイッチパネル用ポリオール組成物及び硬質ポリウレタンフォームサンドイッチパネルの製造方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、低熱伝導率の硬質ポリウレタンフォーム用のポリオール組成物並びに低熱伝導率の硬質ポリウレタンフォームの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
硬質ポリウレタンフォームは高い断熱性を有する材料として公知であり、建築物の断熱材として広く使用されている。かかる断熱材である硬質ポリウレタンフォームは、一般的には両面に面材を有するサンドイッチパネルが使用される。
【0003】
かかるサンドイッチパネルは、主として連続製造法により製造される。連続製造法においては、通常、下面材を連続的に供給し、この上にポリオール組成物とポリイソシアネート成分とを混合した発泡原液組成物を所定厚さに散布することにより供給し、発泡原液組成物の上に上面材を供給して加熱下に発泡硬化させつつ面材との接着も行うことにより、サンドイッチパネルが製造される。発泡工程においては、厚み精度を得るために、パネルの両面を圧縮するダブルコンベアが使用される。
【0004】
上記の硬質ポリウレタンフォームパネルの製造においては、発泡硬化したポリウレタンフォームは、加熱装置から排出された後に自然冷却されることにより収縮(1次収縮)を起こすものである。1次収縮が大きいと製造した断熱材であるパネルの寸法が安定せず、規格の寸法を有する断熱材が安定して製造できず、実用的な生産上、極めて重大な問題を発生する。このような1次収縮を抑制するために、従来は官能基数が高いシュークロス系のポリオールがポリオール組成物の成分として使用されていた。
【0005】
上記の硬質ポリウレタンフォームを断熱材として使用する場合、従来は柱と柱の間に設置する内断熱工法が広く採用されていた。ところが、柱の熱伝導性が高いことから、内断熱工法では屋根、床、壁等の全体として熱伝導率を低下させるには限度があった。
【0006】
近年、エネルギー効率を高めるべく、より断熱性の高い建築物が求められている。このような高断熱の建築物を実現する工法として、住宅等の建築物においては外断熱工法が実用化されつつある。かかる外断熱工法は柱の外側に断熱材を配置する工法であり、柱を断熱材でカバーするものであるために優れた断熱性を示す建築物が形成される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、従来のシュークロース系ポリオールを使用した硬質ポリウレタンフォームは、1次収縮を抑制しようとするとシュークロースベースポリエーテルポリオールの比率を高くすることが必要となり、そうすると熱伝導率は、0.021W/mK程度以上に低くすることができず、熱伝導率を0.020W/m・K以下、さらには0.017W/m・K程度にしようとすると、1次収縮を抑制することができず、2律背反の状態にあった。
【0008】
1次収縮が起こると生産において不良品が多くなるため、シュークロースベースポリエーテルポリオールの比率の高い処方を使用せざるを得なかった。このために外断熱工法に使用する断熱材として使用しようとすると、所定の断熱性能を得るためには、厚みを厚くする必要がある。即ち、木造住宅の建築において次世代省エネルギー住宅の割り増し融資を受ける基準として、熱伝導率が0.028W/m・K以下である従来の硬質ポリウレタンフォームを使用した場合には、下記の(表1)記載の断熱層の厚さが必要とされる。
【0009】
【表1】
Figure 0004070003
I地域は、北海道のような寒冷地である。
【0010】
ところが、この基準に従った断熱層を設けて木造住宅を建設した場合には、以下のような問題が生じる。
(イ)上記の基準によれば、柱と断熱層を加えると壁全体は相当の厚さとなる。ところが日本は土地価格が高く、かつ建築物と土地境界との間には所定の間隔が要求されるために、目的とする広さの住居とするためには1cmでも2cmでも壁の厚さが小さいことが求められるが、かかる要請に対応できない。
【0011】
(ロ)木造住宅においては、外断熱用の断熱材は、釘にて柱に固定される。かかる釘としてはいわゆる5寸釘、即ち全長が16.5cmの釘が最大であり、しかも地震等の振動により負荷されるモーメントを考慮すると、釘は止め付け部材、即ち外断熱用パネルの厚さの3倍以上の長さが必要とされる。しかるに、要求される断熱材厚さが(表1)のパネルを使用しようとすると、ボルトにより固定するか、ボルト固定しない場合でも釘間隔を狭くすることが必要である上に、なお釘に対する強度負担が大きくなるという問題を有する。
【0012】
本発明の目的は、実用的な生産性並びに低い熱伝導率、即ち高断熱性を有し、しかも製造時の1次収縮が従来の硬質ポリウレタンフォームと同等以上である硬質ポリウレタンフォーム用のポリオール組成物並びに硬質ポリウレタンフォームサンドイッチパネルの製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ポリイソシアネート化合物を主成分とするイソシアネート成分と混合して発泡、硬化して硬質ポリウレタンフォームを形成する硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物であって、ポリオール化合物、発泡剤、整泡剤、及び触媒を含み、前記ポリオール化合物は、全平均官能基数が2〜4であり、前記ポリオール化合物100重量部は、(1)平均官能基数2〜4、水酸基価400〜600mgKOH/gの芳香族アミン系ポリエーテルポリオール25〜50重量部、(2)水酸基価700〜900mgKOH/gのトリメチロールアルカン系ポリエーテルポリオール10〜30重量部、(3)水酸基価400〜900mgKOH/gのエチレンジアミン系ポリエーテルポリオール10〜30重量部(4)平均官能基数2〜4、水酸基価150〜400mgKOH/gの芳香族ポリエステルポリオール10〜30重量部、を含有し、前記発泡剤はHCFC−141b、HFC化合物、n−ペンタン、シクロペンタンから選択される少なくとも1種の有機発泡剤を含有することを特徴する。
【0014】
上記構成のポリオール組成物を使用してイソシアネート成分と反応させ、発泡硬化すると、実用的な生産性並びに0.02W/mK以下という低い熱伝導率、即ち高断熱性を有し、しかも製造時の1次収縮が従来の硬質ポリウレタンフォームと同等以上である硬質ポリウレタンフォームを得ることができる。
【0015】
従来は、シュークロース(8官能)のような多官能のポリオールの使用が1次収縮防止のために不可欠と考えられていたが、ポリオール組成物中のポリオール化合物を特定の組成とし、全体の平均官能基数を4以下にしても1次収縮が従来の硬質ポリウレタンフォームと同等以上に良好である硬質ポリウレタンフォーム用のポリオール組成物を得ることができた。ポリオール化合物の全体の平均官能基数をfT としたとき、2<fT <4であることがより好ましい。またポリオール組成物中のポリオール化合物の最大官能基数は4以下であり、4を超えるソルビトール(6官能)やシュークロース(8官能)をベースとして含むポリオール化合物は含有しない。
【0016】
有機発泡剤であるHFC化合物としては、HFC−134a,HFC−245fa等が例示される。
【0017】
上述の硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物においては、前記発泡剤は、さらに水を含有するものであることが好ましい。
【0018】
水を発泡剤成分として使用することにより、フォームと面材との接着性能向上効果、フォームの表面性能向上効果などが得られる。
【0019】
水とフッ素含有有機発泡剤の配合比率は、水/有機発泡剤比率=1/60〜1/20(重量比)であることが好ましい。発泡剤の配合量は、ポリオール化合物100重量部に対して水が0.5〜2.0重量部であることが好ましく、有機発泡剤が30〜40であることが好ましい。
【0020】
水が多すぎると熱伝導率が悪化するという問題が発生し、少なすぎるとフォームの機械的強度が低下する等の問題が生じる場合がある。
【0021】
上記硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物は、さらに、ポリオール化合物100重量部に対してリン酸エステル系難燃剤5〜30重量部を含有することが好ましい態様である。
【0022】
難燃剤の添加により、建築用断熱材に要求される難燃規格を満足する硬質ポリウレタンフォームを得ることができる。
【0023】
本発明は、下面材を供給する下面材供給工程、前記下面材上にポリオール組成物とイソシアネート成分とを混合した発泡原液組成物を供給する発泡原液供給工程、前記発泡原液組成物の上に上面材を供給する上面材供給工程、及び前記発泡原液組成物を発泡硬化させてサンドイッチパネルとする発泡工程とを有する硬質ポリウレタンフォームサンドイッチパネルの製造方法であって、前記ポリオール組成物は、ポリオール化合物、発泡剤、整泡剤、及び触媒を含み、前記ポリオール化合物は、全平均官能基数が2〜4であり、前記ポリオール化合物100重量部は、(1)平均官能基数2〜4、水酸基価400〜600mgKOH/gの芳香族アミン系ポリエーテルポリオール25〜50重量部、(2)水酸基価700〜900mgKOH/gのトリメチロールアルカン系ポリエーテルポリオール10〜30重量部、(3)水酸基価400〜800mgKOH/gのエチレンジアミン系ポリエーテルポリオール10〜30重量部(4)平均官能基数2〜4、水酸基価150〜400mgKOH/gの芳香族ポリエステルポリオール10〜30重量部、を含有し、前記発泡剤はHCFC−141b、HFC化合物、n−ペンタン、シクロペンタンから選択される少なくとも1種の有機発泡剤を含有するものであることを特徴する。
【0024】
かかる構成の製造方法により、熱伝導率が0.02W/mK以下と低くて高断熱性を有し、しかも製造時の1次収縮が従来の硬質ポリウレタンフォームと同等以上に良好である硬質ポリウレタンフォームを得ることができる。
【0025】
上記製造方法においては、使用するポリオール組成物中の前記発泡剤は、さらに水を含有するものであることが好ましい。
【0026】
また前記ポリオール組成物は、さらにポリオール化合物100重量部に対してリン酸エステル系難燃剤5〜30重量部を含有することが好適な態様である。
【0027】
【発明の実施の形態】
上記のポリオール化合物については、(1)芳香族アミン系ポリエーテルポリオールは、平均官能基数が3〜4、水酸基価は400〜500mgKOH/gであることがより好ましく、その配合量は、ポリオール化合物100重量部中、30〜40重量部であることがより好ましい。
【0028】
芳香族アミン系ポリエーテルポリオールは、芳香族ジアミンにプロピレンオキサイド、エチレンオキサイド、スチレンオキサイドの少なくとも1種を開環付加重合させた化合物であり、芳香族ポリアミンとしては、ジアミノベンゼン、ジアミノトルエン、ジエチルトルエンジアミン、ナフタレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン等が例示され、必要に応じて1種ないし2種以上が使用される。これらの芳香族ジアミンをベースとするポリオールは、エポキシ化合物を付加させる原料化合物にグリコールなどを使用しない限り、4官能となる。
【0029】
(2)トリメチロールアルカン系ポリエーテルポリオールは、官能基数が3〜3.5、水酸基価が700〜900mgKOH/gであることがより好ましく、その配合量は、ポリオール化合物100重量部中、15〜25重量部であることがより好ましい。
【0030】
トリメチロールアルカン系ポリエーテルポリオールは、トリメチロールエタンやトリメチロールプロパンを代表例とするトリメチロールアルカンにプロピレンオキサイド、エチレンオキサイド、スチレンオキサイドの少なくとも1種を開環付加重合させた化合物である。原料化合物としてグリコールを併用しない限り、このポリエーテルポリオールの官能基数は3である。
【0031】
(3)エチレンジアミン系ポリエーテルポリオールは、平均官能基数が3〜4、水酸基価が600〜800mgKOH/gであることがより好ましく、その配合量は、ポリオール化合物100重量部中、15〜25重量部であることがより好ましい。
【0032】
エチレンジアミン系ポリエーテルポリオールは、エチレンジアミンにプロピレンオキサイド、エチレンオキサイド、スチレンオキサイドの少なくとも1種を開環付加重合させた化合物である。このポリエーテルポリオールの官能基数は4である。
【0033】
上記(1)〜(3)のポリエーテルポリオールは、プロピレンオキサイドの重合体、ないしはプロピレンオキサイドとエチレンオキサイドの共重合体であることが好ましく、プロピレンオキサイドとエチレンオキサイドの共重合体の場合には、ランダム共重合体であってもよく、ブロック共重合体であってもよい。ブロック共重合体の場合には、水酸基末端がエチレンオキサイドの重合体で構成されていることが好ましい。
【0034】
(4)芳香族ポリエステルポリオールは、平均官能基数が2〜2.5、水酸基価が200〜300mgKOH/gであることが好ましく、その配合量は、15〜25重量部であることがより好ましい。
【0035】
芳香族ポリエステルポリオールは、芳香族系ポリカルボン酸及び多価アルコール化合物を縮合させる反応、または芳香族ポリカルボン酸エステルと多価アルコール化合物とのエステル交換反応等により合成される。
【0036】
上述の芳香族ポリカルボン酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレン1,4−ジカルボン酸等が例示できる。これらの芳香族ポリカルボン酸は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。芳香族ポリカルボン酸に加えて脂肪族ポリカルボン酸を一部併用することも可能である。
【0037】
上記芳香族ポリカルボン酸と反応させる多価アルコール化合物としては、ポリウレタンの合成において一般的に使用される2官能以上の多価アルコール化合物を使用することができ、具体的な化合物の例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールやテトラエチレングリコール等の分子量が1000程度までのポリエチレングリコール類、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等のポリプロピレングリコール類、トリメチロールプロパン、グリセリン等が例示でき、これらは単独で使用され或いは2種以上が併用される。3官能以上のポリカルボン酸と多価アルコールを使用しない場合、芳香族ポリエステルポリオールの官能基数は2である。
【0038】
芳香族ポリエステルポリオールはこれらの酸を多価アルコールと脱水縮合することにより製造する。また、上記の芳香族ポリカルボン酸のメタノールやエタノール等の低級アルコールエステルを使用して脱アルコール縮合によることも可能であり、上記の芳香族ポリカルボン酸の酸無水物を原料として使用してエステル結合を形成する反応を併用することも可能である。
【0039】
また芳香族ポリエステルポリオールは上記の芳香族ポリカルボン酸を成分とするポリエステル化合物を原料として使用し、エステル交換反応を利用して合成することも可能である。具体的にはポリエチレンテレフタレートを主成分とするポリエステル繊維やフィルム、PETボトル等を好ましくは粉砕し、上述の多価アルコール化合物と混合してエステル交換反応させる方法等が例示できる。
【0040】
芳香族ポリエステルポリオールの製造に際しては、周知のエステル化反応促進触媒、例えばナトリウムアルコラート等の塩基性化合物、アルキルチタネート類や有機錫化合物のような金属系触媒、p−トルエンスルホン酸、硫酸、塩酸のようなプロトン酸触媒、塩化アルミニウムや三フッ化ホウ素のようなルイス酸触媒、その他活性白土、酸性イオン交換樹脂等が使用可能である。芳香族ポリエステルポリオールの酸価、水分率はいずれも低い方が好ましく、酸価は4(mgKOH/g)以下であることが好ましい。
【0041】
上述のポリオール化合物に加えて、本発明の目的を損なわずに特性を調整するために他の公知の硬質ポリウレタンフォーム用のポリオール化合物を併用してもよい。
【0042】
上記ポリオール化合物として、市販品を使用することは好適な態様である。
【0043】
本発明の硬質ポリウレタンフォーム原液には、上記のポリオール以外に他の活性水素基含有化合物を使用してもよい。発泡剤として使用する水は、イソシアネート基と反応して炭酸ガスを発生する一方で、活性水素基含有化合物としての作用も有する。その他の活性水素基含有化合物としては、前述の芳香族ポリカルボン酸と反応させる多価アルコール化合物に例示したグリコール類や低分子量の芳香族ジアミン類等が例示される。
【0044】
本発明のポリオール組成物と混合して発泡・硬化させるイソシアネート成分は、ポリイソシアネート化合物を主成分とする。かかるポリイソシアネート化合物としては、硬質ポリウレタンフォーム用のポリイソシアネート化合物は限定なく使用可能である。具体的には、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート並びにこれらの混合物、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、粗製MDI等が例示される。これらの中でも、特に粗製MDIの使用が好ましい。
【0045】
本発明の硬質ポリウレタンフォームに添加するリン酸エステル系難燃剤としては、公知の化合物を使用することができる。リン酸エステル系難燃剤としては、リン酸のハロゲン化アルキルエステル、アルキルリン酸エステルやアリールリン酸エステル、ホスホン酸エステル等が使用可能であり、具体的にはトリス(β−クロロエチル)ホスフェート(TCEP)、トリス(β−クロロプロピル)ホスフェート、トリブチルホスフェート、トリエチルホスフェート、クレジルフェニルホスフェート、ジメチルメチルホスホネート等が例示でき、これらの1種以上が使用可能である。これらのなかでもとりわけトリス(β−クロロエチル)ホスフェート(TCEP)、トリス(β−クロロプロピル)ホスフェートの使用が好ましい。
【0046】
上記難燃剤は、ポリエステルポリオールを含むポリオール組成物の粘度を低下させる低粘度化剤としての効果も有する。
【0047】
本発明において使用する触媒としては、一般的に公知のポリウレタン合成触媒である第3級アミン触媒を使用する。具体的には、トリエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン(PMDETA)、ヘキサメチルチルトリエチレンテトラミン(HMTETA)、ビス(ジメチルアミノエチル)エーテル(DMAEE)等が好適な第3級アミン触媒として例示される。
【0048】
本発明においては、さらに難燃剤を添加することも好ましい態様であり、好適な難燃剤としては、有機金属錯体、ハロゲン含有化合物、有機リン酸エステル類、三酸化アンチモン、水酸化アルミニウム等の金属化合物が例示される。
【0049】
有機金属錯体としてはフェロセン、ニッケロセン等のメタロセン類、鉄アセチルアセトネート等の金属アセチルアセトネート類、ビス(8−オキシキノリン)銅等の8−オキシキノリン金属錯体類、ビス(ジメチルグリオキシモ)銅等のジメチルグリオキシム金属錯体類等が好適な化合物として例示でき、単独でまたは2種以上を併用することが可能である。
【0050】
ただし、これらの難燃剤は、例えば有機リン酸エステルは過剰に添加すると得られる硬質ポリウレタンフォームの物理的特性が低下することが有り、また三酸化アンチモン等の金属化合物粉末を過剰に添加するとフォームの発泡挙動に影響が表れるなどの問題を生じる場合が有り、その添加量はかかる問題を生じない範囲に制限される。
【0051】
本発明の硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物には、当業者に周知の着色剤、酸化防止剤等が使用可能である。
【0052】
本発明の硬質ポリウレタンフォームの面材としては、公知の面材は特に限定なく使用可能であり、具体的には、紙、アルミニウム箔、鋼板等が例示される。特に外壁面に使用する面材はカラー鋼板や無機材パネル等の化粧面材であることが好ましい。
【0053】
【実施例】
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明する。
〔硬質ポリウレタンフォームの作製〕
<使用原料>
硬質ポリウレタンフォームの作製に使用した原料は、以下の通りである。
(1)芳香族アミン系ポリエーテルポリオール(芳香族アミン系PPG):官能基数4、水酸基価465mgKOH/g
(2)トリメチロールプロパン系ポリエーテルポリオール(TMP系PPG):官能基数3、水酸基価860mgKOH/g
(3)エチレンジアミン系ポリエーテルポリオール(ED系PPG):官能基数4、水酸基価760mgKOH/g
(4)芳香族ポリエステルポリオール(フタル酸系PES):官能基数2、水酸基価260mgKOH/g
シュークロース系ポリエーテルポリオール(SU系PPG):官能基数3.3、水酸基価560mgKOH/g
配合比率(重量部にて表示)は、表2に示した。
【0054】
【表2】
Figure 0004070003
また、使用したその他の成分とその配合量(ポリオール化合物の合計100重量部に対する添加量)は以下の通りである。
触媒:カオライザーNo.1(花王製):3.0重量部
発泡剤HCFC−141b:32重量部
発泡剤 水:1.0重量部
難燃性可塑剤TCEP:10重量部
整泡剤SZ−1668(日本ユニカー社製):2重量部
イソシアネート成分としては、クルードMDI(粗製MDI)44V−20(イソシアネート濃度31.5%、住化バイエルウレタン製)をNCO/OH当量比が1.15となるような組成にて使用した。
【0055】
<評価>
(1次収縮量)
〔ラボ評価〕
ポリオール組成物とイソシアネート成分とを所定量比にて混合し、40×40×10cm(厚さ)の金型に流し込み、50℃にて10分保持して発泡、硬化させて板状の硬質ポリウレタンフォームとし、型から取り出して室温に放置し、1日後にその厚さ方向端面(木口)の凹みの深さを測定して1次収縮量とした。
【0056】
〔量産試作品評価〕
硬質ポリウレタンフォームを、原液タンクとミキシングヘッド、並びに上下の面材を供給すると共に発泡して形成される硬質ポリウレタンフォームパネルを所定厚みに押さえるダブルコンベアとダブルコンベアを加熱する加熱オーブンを備えた連続製造ラインにて製造した。
【0057】
硬質ポリウレタンフォームは、イソシアネート成分を除く成分を混合してポリオール組成物とし、ポリオール組成物とイソシアネート成分とを原液タンクに入れ、20℃に温度調節する。各成分を所定の混合比率になるようにポンプによりミキシングヘッドに供給し、混合撹拌して発泡原液組成物とした後に、下面材上に供給し、さらに上面材を供給してサンドイッチ状にした後にダブルコンベアに送り込まれる。ここで加熱、押圧により、所定厚みに発泡してサンドイッチパネルが形成される。性能評価のためのサンドイッチパネルは、70℃にて2分間加熱した。
【0058】
面材としては、上面材として厚さ0.5mmのライナー紙を使用し、下面材として0.5mmのクラフト紙を使用した。
【0059】
製造1日後、厚みの変化量と端部(木口)の凹みの深さを測定して1次収縮量とした。収縮量は、小さいほど収縮が小さいことを示す。
木口面の収縮量の測定方法を図1に示した。tが収縮量である。
【0060】
(熱伝導率)
熱伝導率測定装置M−88(ANACON社製)を使用し、測定条件は、JIS A 9511に準拠して測定した。
【0061】
評価結果は、表3に示した。
この結果から、本願発明の構成を満たす実施例1、2の硬質ポリウレタンフォームは、1次収縮量、熱伝導率共に優れたものであった。これに対してシュークロース系ポリオールを使用した従来のフォームは、1次収縮量が大きなものであった。また芳香族アミンポリオールの使用量が本発明の範囲を逸脱する比較例2は、熱伝導率が満足できるものではなかった。
【0062】
【表3】
Figure 0004070003
実施例1の硬質ポリウレタンフォームを使用すると、表1に示したものと同等の断熱性を有するものとして下記表4の厚みの外断熱工法による木造住宅が可能となった。
【0063】
【表4】
Figure 0004070003

【図面の簡単な説明】
【図1】硬質ポリウレタンフォームパネルの木口面の1次収縮量の測定を示した図

Claims (6)

  1. ポリイソシアネート化合物を主成分とするイソシアネート成分と混合して発泡、硬化して硬質ポリウレタンフォームを形成するポリオール組成物であって、ポリオール化合物、発泡剤、整泡剤、及び触媒を含み、前記ポリオール化合物は、全平均官能基数が2〜4であり、前記ポリオール化合物100重量部は、(1)平均官能基数2〜4、水酸基価400〜600mgKOH/gの芳香族アミン系ポリエーテルポリオール25〜50重量部、(2)水酸基価700〜900mgKOH/gのトリメチロールアルカン系ポリエーテルポリオール10〜30重量部、(3)水酸基価400〜900mgKOH/gのエチレンジアミン系ポリエーテルポリオール10〜30重量部(4)平均官能基数2〜4、水酸基価150〜400mgKOH/gの芳香族ポリエステルポリオール10〜30重量部、を含有し、前記発泡剤はHCFC−141b、HFC化合物、n−ペンタン、シクロペンタンから選択される少なくとも1種の有機発泡剤を含有することを特徴する硬質ポリウレタンフォームサンドイッチパネル用ポリオール組成物。
  2. 前記発泡剤は、さらに水を含有するものである請求項1に記載の硬質ポリウレタンフォームサンドイッチパネル用ポリオール組成物。
  3. さらに、ポリオール化合物100重量部に対してリン酸エステル系難燃剤5〜30重量部を含有する請求項1又は2に記載の硬質ポリウレタンフォームサンドイッチパネル用ポリオール組成物。
  4. 下面材を供給する下面材供給工程、前記下面材上にポリオール組成物とイソシアネート成分とを混合した発泡原液組成物を供給する発泡原液供給工程、前記発泡原液組成物の上に上面材を供給する上面材供給工程、及び前記発泡原液組成物を発泡硬化させてサンドイッチパネルとする発泡工程とを有する硬質ポリウレタンフォームサンドイッチパネルの製造方法であって、前記ポリオール組成物は、ポリオール化合物、発泡剤、整泡剤、及び触媒を含み、前記ポリオール化合物は、全平均官能基数が2〜4であり、前記ポリオール化合物100重量部は、(1)平均官能基数2〜4、水酸基価400〜600mgKOH/gの芳香族アミン系ポリエーテルポリオール25〜50重量部、(2)水酸基価700〜900mgKOH/gのトリメチロールアルカン系ポリエーテルポリオール10〜30重量部、(3)水酸基価400〜800mgKOH/gのエチレンジアミン系ポリエーテルポリオール10〜30重量部(4)平均官能基数2〜4、水酸基価150〜400mgKOH/gの芳香族ポリエステルポリオール10〜30重量部、を含有し、前記発泡剤はHCFC−141b、HFC化合物、n−ペンタン、シクロペンタンから選択される少なくとも1種の有機発泡剤を含有するものであることを特徴する硬質ポリウレタンフォームサンドイッチパネルの製造方法。
  5. 前記発泡剤は、さらに水を含有するものである請求項4に記載の硬質ポリウレタンフォームサンドイッチパネルの製造方法。
  6. 前記ポリオール組成物が、さらにポリオール化合物100重量部に対してリン酸エステル系難燃剤5〜30重量部を含有する請求項4又は5に記載の硬質ポリウレタンフォームサンドイッチパネルの製造方法。
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