JP4069863B2 - 電力開閉器 - Google Patents

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本発明は、消弧板および分割された接触子を有する電力開閉器に関し、特に、消弧側板あるいは絶縁壁(筐体側壁、隔壁)のアークによる損耗の低減に関するものである。
従来技術1.
従来の電力開閉器においては、例えば特許文献1「回路遮断器」の段落番号[0002]に示されるように、接触抵抗による発熱(ジュール熱)を抑制するために、開閉接触子を分割して接触点を多くし、これにより接触抵抗を低減している。さらに、段落番号[0007]および図11に示されるように、下辺が略V字状に切欠かれた複数の磁性鋼板からなる消弧板9bが、左右一対の絶縁板(消弧側板)9aの間に保持されることにより、分割された開閉接触子を有する回路遮断器の消弧装置が構成され、この消弧板9bに近接して第1接点6と第2接点5との接触部(接触子対の接触部)が位置するように取り付けられている。
従来技術2.
また、別の従来の電力開閉器では、例えば特許文献2「電力開閉装置」第3頁左上欄第7行〜左下欄第13行および図6に示されるように、アークがアークボックス内壁近傍に駆動され、前記内壁近傍のグリッド(消弧板)の波型先端部とアークランナとの間でアークが膠着して、アークボックスを著しく損傷させることを防ぐために、アークボックスに吊懸されて先端が波形状を呈するグリッドの波形山部の高さを、アークボックス内壁近傍においてこの部分がグリッド中央部より低く設定し、アークをアークボックス内壁側から隔離している。
特開平10−69846号公報 特開昭58−161220号公報
従来技術1のような、接触子を複数の接触子片に分割して接触点を多くした大電流容量の電力開閉器にあっては、接触子が分割されているため、電気的に並列接続された複数の接触子片の内、消弧側板に隣接していない接触子片で発生したアークが消弧側板に隣接する接触子片へ移動して消弧側板に損傷を与えることは少なくなる。
しかし、渦電流の影響により、電気的に並列接続された複数の接触子片の内、端部に位置する端部接触子片すなわち消弧側板に隣接する接触子片を流れる電流が、他の接触子片を流れる電流より多くなるので、この状態で接触子の開極動作を行うと、電流が多く流れている端部接触子片でアークが発生する確率が高くなる。しかも、消弧側板近傍の端部接触子片で発生したアークが中央部側に移行するには、アークスポットが複数の分割された接触子片間を飛び移る必要があるので、アークを消弧側板近傍から中央部に移行させることが難しく、たとえ、従来技術2に開示された構成を応用して、先端が波形状を呈するグリッド(消弧板)の波形山部の高さを、消弧側板近傍においてグリッド中央部におけるより低く設定したとしても、消弧側板の損耗低減効果が充分には発揮できず、消弧側板がアークにより大きく損耗する。
特に、他極と隣接する端部接触子片に発生したアークは当該他極の電流の影響で当該他極側に電磁吸引されることがあるので、このような場合には、アークは当該他極と隣接する消弧側板側へと一層駆動され、消弧側板を更に大きく損耗させる。
このように、アークにより消弧側板が大きく損傷する状態で繰り返し通電開閉を行うと、消弧側板にアークによる貫通穴が生じ、さらには、消弧側板に隣接する絶縁壁にも貫通孔が発生する場合がある。特に、絶縁壁が、隣接する他極と隔離する隔壁であった場合には、極間短絡が発生し、遮断不能となるという問題があった。また、絶縁壁が、他極との隔壁ではなく外部と隔離する筐体の側壁であった場合にも、貫通孔から外部に高温の導電性ガスが噴出して、外部導体との短絡事故、地絡事故などが発生するという問題があった。
本発明は、上記のような従来のものの問題点を解決するためになされたものであり、端部接触子片で発生したアークを、消弧側板側へ片寄ることなく消弧板側へと駆動でき、消弧側板あるいは消弧側板に隣接する絶縁壁(筐体側壁、隔壁)のアークによる損耗を低減できる電力開閉器を提供することを目的とするものである。
本発明に係る電力開閉器は、複数の接触子片に分割され、上記接触子片が互いに電気的に並列接続された第1の接触子、この第1の接触子と対をなす第2の接触子、上記第1、2の接触子の接触部が配置される側の先端部と対向する位置に上記接触子の開極方向に間隙を介して積層配置される磁性体からなる複数の消弧板、上記接触子の開極方向に沿って対向配置され、上記消弧板を両側から挟み込んで保持する対をなす電気絶縁性の消弧側板、並びに上記第1、2の接触子、消弧板、および消弧側板を収納する筺体を備え、上記消弧板は、上記複数の接触子片の内、端部に位置する端部接触子片の接触部が配置される側の先端部に対向し、端部接触子片の消弧側板側の側板側側面と消弧側板と反対側の反対側側面との中心に位置する中心線の延長線と、上記反対側側面の延長線との間に位置する任意の点より中央部側に上記端部接触子片との最短距離部が設けられ、且つ、上記任意の点より端部側が切り欠かれて上記端部接触子片に対向する面が後退しているものである。
このように、上記消弧板は、上記消弧板は、上記複数の接触子片の内、端部に位置する端部接触子片の接触部が配置される側の先端部に対向し、端部接触子片の消弧側板側の側板側側面と消弧側板と反対側の反対側側面との中心に位置する中心線の延長線と、上記反対側側面の延長線との間に位置する任意の点より中央部側に上記端部接触子片との最短距離部が設けられ、且つ、上記任意の点より端部側が切り欠かれて上記端部接触子片に対向する面が後退しているので、磁性体からなる消弧板による極中央部側への電磁吸引力に加えて上記端部接触子片に対向する消弧板のエッジ部の電界集中効果により、端部接触子片で発生したアークを消弧側板側へ片寄ることなく消弧板側へと駆動でき、消弧側板あるいは消弧側板の消弧板と反対側に位置する筐体側壁や隔壁のアークによる損耗を低減できる。
実施の形態1.
図1〜3は本発明の実施の形態1による電力開閉器を説明するための図であり、より具体的には、図1は電力開閉器の要部を示す上面図、図2は図1の右端の1極を拡大して示す上面図、図3は図1のA−A線における断面図である。
第1の接触子(本実施の形態では可動側接触子すなわち可動子である。)1は、複数の 接触子片1a、1b、1c、1d、1e、1fに分割され、接触子片1a〜1fが互いに電気的に並列接続されている。各接触子片1a〜1fの一端部には、可動接点2(接触部に相当する。)が固着され、他端部には回転軸3を連通する穴が設けられおり、この他端部には、可とう導体(図示せず)が接続される。この第1の接触子(可動子)1と対をなす第2の接触子(本実施の形態では固定側接触子すなわち固定子である。)4の一端部には固定接点5(接触部に相当する。)が固着される。
消弧板6は、板状の磁性鋼板にて構成され、可動子1と固定子4における接触部(可動接点2および固定接点5)が配置される側の第1の接触子先端部と対向する位置に接触子(可動子1)の開極方向に間隙を介して複数個が積層配置されている。対をなす電気絶縁性の消弧側板8は、前記接触子の開極動作面に平行に、且つ、接触子(可動子1)の開極方向に沿って前記積層配置される消弧板6の両端に対向配置され、消弧板6を両側から挟み込んで保持している。
固定接点5近傍からは消弧板6に向かってアークランナ7が延伸している。アークランナ7の接触子の端部71と固定子4は電気的に直接接続されており、アークランナ7の他端部(先端部と言うこともある。)72は、可動子1の開極方向を上方とした場合、消弧板6の下方に配置される。
可動子1、固定子4、消弧板6、アークランナ7および消弧側板8は、筺体9内に1極分づつ分離して収納されており、極間は隔壁92にて相互に絶縁される。
なお、本実施の形態では、接点2、5対のすぐ横には消弧側板8の一端部81が位置しており、隔壁92および筐体側壁91は、この一端部81により両接点2と5間で発生したアーク10の熱を直接受けないように構成されている。
以下、消弧板6の構成についてさらに詳細に説明する。消弧板6は、略凸字状の形状を有しており、その凸部6c側が接触子1、4対と対向するように配置されている。また、複数の接触子片1a〜1fの内、端部に位置する端部接触子片1a、1fの接触部(可動接点)2が配置される側の先端部すなわち端面101に対向する消弧板6の任意の点(本実施の形態では、電界集中部となる角部すなわちエッジ部6aに相当する。)より極中央部側に端部接触子片1a、1fとの最短距離部を設け、且つ、上記任意の点(エッジ部6a)より端部側すなわち消弧側板8側が矩形状に切り欠かれて端部接触子片1a、1f(より正確には端部接触子片1a、1fの先端部すなわち端面101)に対向する端面部6bが後退している(以下、この部分を後退部6bと言うこともある。)。また、略凸字状の消弧板6の凸部6c中央には略V字状の切り欠きが設けられている。
図2に示すように、エッジ部6a(上記任意の点)と消弧側板8との最短距離(本実施の形態では消弧板6の後退部6bの幅と同一である。)をaとし、端部接触子片1aの消弧側板8と反対側の側面(反対側側面と称する。)102と、消弧側板8との最短距離をbとし、端部接触子片1aの消弧側板側の側板側側面103と消弧側板と反対側の反対側側面102との中心に位置する中心線104と、消弧側板8との最短距離をcとしたとき、b>a>cとなるように構成されている。
すなわち、エッジ部6a(上記任意の点)は、端部接触子片1aの反対側側面102の延長線と、中心線104の延長線との間に位置している。
これは端部接触子片1fの側についても同じである。
また、アークランナ7の幅(図2に向かって左右方向の長さ)は、固定子4近傍では固定接点5の幅と同等もしくはそれよりも広くし(図2では少し広くなっている。)、消弧板6のエッジ部6a近傍までは前記幅と略同じとし、エッジ部6a(上記任意の点)近傍より先端部72側において細くしている。
同一極の複数の接触子片1a〜1fの内、端部に位置する端部接触子片1a、1fを流れる電流が、渦電流の影響により他の接触子片1b〜1eを流れる電流より多くなるので、通電状態から接触子(可動子1)の開極動作を行うと、電流が多く流れている端部接触子片1a、1fでアーク10が発生する確率が高くなる。
特に、端部接触子片1aは他極と隣接しており、このように他極と隣接している端部接触子片1aは、隣極の接触子(可動子1)に流れる電流が端部接触子片1aに流れる電流と同方向である場合に、端部接触子片1aに発生したアーク10は電磁吸引力により隔壁92側へと駆動される電磁力を受ける。
この隣極電流による電磁力成分の他に、端部接触子片1aに発生したアーク10には、磁性体である消弧板6に起因する電磁吸引力が働く。本実施の形態では、消弧板6の端部接触子片1aの端面101と対向する任意の点(すなわち、端部接触子片1aの消弧側板8側の側板側側面103の延長線と、消弧側板8と反対側の反対側側面102の延長線との間に位置する任意の点であり、本実施の形態ではエッジ部6aに相当する。)より消弧側板8側(端部側)の部位を後退させているので、上記端部接触子片1aに発生したアーク10に働く磁性体(消弧板6)による電磁吸引力は、消弧側板8と平行してアーク10を端部接触子片1aから遠ざける成分と、消弧側板8と直交してアーク10を消弧側板8から遠ざける成分にて構成され、上述の隣極による電磁吸引力を打ち消す効果がある。
この打消し効果を発揮する電磁吸引力の成分の比率は、上記エッジ部6a(上記任意の点)を端部接触子片1aの開極軌跡に沿った中心断面(中心線104)よりその極の中央部側に設ける構成(a≧c)により、エッジ部6a(上記任意の点)を上記中心断面(中心線104)より消弧側板8側(端部側)に設ける構成(a<c)よりも高くできる。しかし、上記エッジ部6a(上記任意の点)を、さらにその極の中央部側へと移動させていくと、磁性体(消弧板6)と端部接触子片1aとの距離が増大し、磁性体(消弧板6)による電磁吸引力の大きさが小さくなっていく。
さらに詳細に説明すると、上記エッジ部6a(上記任意の点)が側面103の延長線から側面102の延長線の間の領域にあれば、端部接触子片1aの先端部と上記エッジ部6a(上記任意の点)との最短距離は増加しないが、b<aの領域では、エッジ部6a(上記任意の点)をその極の中央部側に設置すること(aが大きくなること)により、上記最短距離が大きくなっていく。この最短距離の増加にともない、端部接触子片1aのアークに働く消弧板6の電磁吸引力の大きさが急激に減少する。
また、エッジ部6aでは電界集中が発生するので、アーク10はエッジ部6aに移りや移りやすく、この電界集中の効果も、b<aの領域では、aが大きくなることにより急激に減少する。
よって、エッジ部6aと端部接触子片1aとの位置関係を、b≧a≧cとすることにより、すなわち、エッジ部6aを、端部接触子片1aの側板側側面103と反対側側面102との中心に位置する中心線104の延長線と、反対側側面102の延長線との間に配置することにより、磁性体からなる消弧板6による極中央部側への電磁吸引力成分に加えて、エッジ部6aの電界集中効果により、端部接触子片1aで発生したアーク10を消弧側板8側へと駆動されることなく、エッジ部6aへとより確実に素早く駆動できる。したがって、消弧側板8のアーク10による損耗をより確実に防止することができ、さらには、消弧側板8の消弧板6と反対側に位置する隔壁92のアーク10による損耗をより確実に防止できる。
なお、上記では他極と隣接している端部接触子片1aについて説明したが、他極と隣接していない端部接触子片1fにアーク10が発生した場合にも、端部接触子片1fの接触部2が配置される側の先端部に対向する消弧板6の任意の点(エッジ部6a)より中央部側に端部接触子片1fとの最短距離部を設け、且つ、任意の点(エッジ部6a)より端部側を切り欠いて端部接触子片1fに対向する面を後退させることにより、好ましくは、任意の点(エッジ部6a)を、端部接触子片1fの側板側側面103と反対側側面102との中心に位置する中心線104の延長線と、反対側側面102の延長線との間に配置することにより、磁性体からなる消弧板6による極中央部側への電磁吸引力成分により、端部接触子片1fで発生したアーク10を消弧側板8側へと駆動されことなく、任意の点(エッジ部6a)側へと素早く駆動できる。したがって、消弧側板8のアーク10による損耗を防止することができ、さらには、消弧側板8の消弧板6と反対側に位置する絶縁壁(筐体側壁91)のアーク10による損耗を防止できる。この場合には、隣極の接触子(可動子1)に流れる電流の影響で筐体側壁91側へと駆動される電磁力成分を受けることはないので、端部接触子片1fで発生したアーク10を、エッジ部6aへとより素早く駆動できる。
またさらに、端部接触子片1fの接触部2が配置される側の先端部に対向する消弧板6の部位に電界集中部(エッジ部6a)を設け、電界集中部(エッジ部6a)より中央部側に端部接触子片1fとの最短距離部を設け、且つ、電界集中部(エッジ部6a)より端部側を切り欠いて端部接触子片1fに対向する面を後退させることにより、好ましくは、エッジ部6aを、端部接触子片1fの側板側側面103と反対側側面102との中心に位置する中心線104の延長線と、反対側側面102の延長線との間に配置することにより、磁性体からなる消弧板6による極中央部側への電磁吸引力成分に加えて、エッジ部6aの電界集中効果により、端部接触子片1fで発生したアーク10を消弧側板8側へと駆動されることなく、エッジ部6aへとより素早く駆動できる。したがって、消弧側板8のアーク10による損耗をより確実に防止することができ、さらには、消弧側板8の消弧板6と反対側に位置する絶縁壁(筐体側壁91)のアーク10による損耗をより確実に防止できる。この場合には、隣極の接触子(可動子1)に流れる電流の影響で筐体側壁91側へと駆動される電磁力成分を受けることはないので、端部接触子片1fで発生したアーク10を、端部接触子片1aの場合に比べて、エッジ部6aへとより素早く駆動できる。
ところで、本実施の形態では、略凸字状の消弧板6には凸部6c中央にV字状の切り欠きを設けている。これは、同一極の複数の接触子片1a〜1fの内、その極の中央部に位置する接触子片1c、1dで発生したアーク10を、消弧板6に素早く誘導して消弧するためのものであり、可動子1の損耗を低減する効果が得られる。
従来技術1で挙げた特許文献1の図11に示されるような、回路遮断器で広く用いられている、消弧板6の消弧側板8の近傍からV字状の切り欠きを設けた馬蹄形の消弧板6においても、図4に示すように、端部接触子片1a、1fの先端部101と対向する消弧板6の部位に電界集中部となるエッジ部(角部に相当する。)6aを設け、エッジ部6aより極中央部側に端部接触子片1a、1fとの最短距離部を設け、且つ、エッジ部6aより端部側すなわち消弧側板8側が切り欠かれて端部接触子片1a、1f(より正確には端部接触子片1a、1fの先端部すなわち端面101)に対向する面6bを後退させることにより、端部接触子片1a、1fで発生したアーク10が消弧側板8側へと駆動されるのを防止できる。
しかし、端部接触子片1a、1fと同極で隣り合う接触子片1b、1eでアーク10が発生した場合、消弧板6における接触子片1b、1eとの最短距離部の位置が消弧側板8側にあることにより、接触子片1b、1eのアーク10は消弧側板8側へと電磁吸引されて端部接触子片1a、1fへと移行する。これにより、アーク10と消弧側板8との距離が短縮されるので、十分な消弧側板8の損耗低減効果が得られない場合がある。
一方、図2では、消弧板6を略凸字状としており、消弧板6と接触子片1b、1eとの最短距離を結ぶ線分は、接触子片1b、1eの長手方向(図2に向かって上下方向)の延長線上にあるので、接触子片1b、1eで発生したアーク10は消弧側板8側へと電磁吸引されず、端部接触子片1a、1fへ移行することがなくなる。
これにより、消弧側板8のアーク10による損耗を確実に低減できる。
このように、同一極の複数の接触子片1a〜1fの内、端部接触子片1a、1fと隣り合う同極の接触子片1b、1eで発生したアーク10が、消弧側板8側へと駆動されることを防止するためには、消弧板6を略凸字状、すなわち凸部6cをほぼ直線状とし、消弧板6の凸部6c側を接触子1、4対と対向するように配置するのが望ましく、中央部に位置する接触子片1c、1dで発生したアーク10を消弧板6に素早く誘導して消弧するためには、凸部6c中央にV字状の切り欠きを設けるのが好ましい。したがって、略凸字状の消弧板6の凸部6cにおけるV字状の切り欠きを設ける範囲は、接触子片1a〜1fの本数などに応じて適宜決められ、消弧板6毎に異なる位置に設けてもよい。
勿論、V字状の切り欠きは必ずしも設けなくてもよい。
また、本実施の形態におけるように、固定子4近傍から消弧板6下部まで延びるアークランナ7を設けることにより、アークの消弧板6への移行を早めて接触子1、4の損耗を低減できる。
一般に、複数の接触子片1a〜1fに分割された接触子(可動子1)を有する大電流容量の回路遮断器では、短絡遮断時の大電流アークを確実に消弧板6にて分断して消弧するために、消弧板6下部に位置するアークランナ先端部72の幅を固定子4近傍での幅より狭くする。端部接触子片1a、1fで発生したアーク10の固定子4側アークスポットはアークランナ7の端部に沿って走行することが多いが、アークランナ7の幅が狭くなり始める位置(すなわち走行方向が変化する位置であり、図2ではP1およびP2で示す位置である。)では、アークスポットの移行速度が低下する。従って、アークランナ7の幅が狭くなり始める位置(P1)が、端部接触子片1a、1fの先端部101と消弧板6のエッジ部6aとの間に位置していれば、端部接触子片1a、1fで発生したアーク10が消弧板6に触れて分断される前に消弧側板8の近傍で停滞することとなり、この停滞時間中に例えば隣極電流による電磁吸引力を受けてアーク10が消弧側板8側へと移動し、消弧側板8の損耗低減効果が十分得られないことがある。
従って、十分な消弧側板8の損耗低減効果を得るには、上記アークランナ7の幅が狭くなり始める位置(P1)は、エッジ部6aよりも反端部接触子片1a、1f側(すなわち端部接触子片1a、1fと反対側)に位置する必要がある。言い換えれば、固定子4近傍から少なくとも消弧板6のエッジ部6aまでのアークランナ7の幅を略同じとすることにより、端部接触子片1a、1fで発生したアーク10を消弧板6のエッジ部6aへと素早く、確実に駆動できるので、アーク10が消弧側板8側へと駆動されることを防止でき、消弧側板8のアーク10による損耗を低減できる。
以上のような構成にて、アーク10が消弧側板8側へと駆動されることを防止すれば、多数回の通電開閉を行っても、消弧側板8にアーク10による貫通穴が発生することや、筐体側壁91に貫通穴が発生して外部導体との短絡事故、地絡事故などが発生することや、隔壁92に貫通穴が発生して極間短絡が発生し遮断不能となるということがなく、多数回の通電開閉が可能な多極電力開閉器が得られる。
なお、上記実施の形態では、消弧側板8が接触子1、4の接点2、5と絶縁壁(筐体側壁91、隔壁92)との間まで延在して、絶縁壁が接点2、5間で発生したアーク10の熱を直接受けないように構成されているが、別部材により絶縁壁をアーク10から保護する構成、あるいは、絶縁壁が直接、接点2、5間のアーク10に曝露される構成においても、上記と同様に構成することにより、同様の効果が得られる。
すなわち、端部接触子片1a、1fの接触部2が配置される側の先端部101に対向する消弧板6の任意の点(エッジ部6a)より中央部側に端部接触子片1a、1fとの最短距離部を設け、且つ、任意の点(エッジ部6a)より端部側を切り欠いて端部接触子片1a、1fに対向する面を後退させることにより、好ましくは、エッジ部6aを、端部接触子片1a、1fの側板側側面103と反対側側面102との中心に位置する中心線104の延長線と、反対側側面102の延長線との間に配置することにより、磁性体からなる消弧板6による極中央部側への電磁吸引力成分により、端部接触子片1a、1fで発生したアーク10を、消弧側板8側へと駆動されることなく、任意の点(エッジ部6a)側へと素早く駆動できる。したがって、消弧側板8のアーク10による損耗を防止することができ、さらには、消弧側板8の消弧板6と反対側に位置する絶縁壁(筐体側壁91、隔壁92)のアーク10による損耗を防止できる。
またさらに、端部接触子片1a、1fの接触部2が配置される側の先端部101に対向する消弧板6の部位に電界集中部(エッジ部6a)を設け、電界集中部(エッジ部6a)より中央部側に端部接触子片1a、1fとの最短距離部を設け、且つ、電界集中部(エッジ部6a)より端部側を切り欠いて端部接触子片1a、1fに対向する面を後退させることにより、好ましくは、エッジ部6aを、端部接触子片1a、1fの側板側側面103と反対側側面102との中心に位置する中心線104の延長線と、反対側側面102の延長線との間に配置することにより、磁性体からなる消弧板6による極中央部側への電磁吸引力成分に加えて、エッジ部6aの電界集中効果により、端部接触子片1a、1fで発生したアーク10を、消弧側板8側へと駆動されることなく、エッジ部6aへとより素早く駆動できる。したがって、消弧側板8のアーク10による損耗をより確実に防止することができ、さらには、消弧側板8の消弧板6と反対側に位置する絶縁壁(筐体側壁91、隔壁92)のアーク10による損耗をより確実に防止できる。
なお、上記では可動子1が複数の接触子片1a〜1fに分割されている場合について説明したが、固定子4が分割されてもよく、さらには可動子1および固定子4の両方が分割されてもよく、同様の効果が得られる。
また、その分割数(接触子片の数)は上記実施の形態で示した6に限るものではないのは言うまでもない。
なお、上記では3極の回路を開閉する多極電力開閉器について示したが、3極に限るものではなく、例えば2極などの他の多極電力開閉器、さらには1極の回路を開閉する単極電力開閉器にも適用できる。
実施の形態2.
図5〜図10は本発明の実施の形態2による電力開閉器を説明するための図であり、より具体的には、消弧板の構成を示す上面図である。
実施の形態1では、消弧板6の端部接触子片1aの端面101と対向する任意の点より消弧側板8側(端部側)の部位を後退させるのに、任意の点を、角度が90度であるエッジ部6aとし、エッジ部6aより端部側が矩形状に切り欠かれている場合を示したが、これに限るものではない。
また、消弧板6の凸部6cに設けたV字状の切り欠きは必ずしも無くてもよい。
さらに、複数に分割された接触子片1a〜1fの端部に位置する端部接触子片1a、1fの内、特に、他極と隣接している端部接触子片1aに発生したアーク10は、隣極の接触子に流れる電流が端部接触子片1aに流れる電流と同方向である場合に、隣極との相互作用(電磁吸引力)により隔壁92側へと駆動されて隔壁92に貫通穴が発生し、極間短絡が発生して遮断不能となるなど重大な悪影響を及ぼすことがある。そこで、これを防止するために、エッジ部6aおよび切り欠きは、3極以上の多極電力開閉器において、他極と隣接している端部接触子片側1aのみに設けてもよい。
図5〜図10では具体的実施の形態のほんの一例を示している。
図5では、消弧板6のエッジ部6aの角度を90度より大きくしており、切り欠きの形状も矩形状ではなく後退部6bの方が狭まった台形状である。
図6では、消弧板6のエッジ部6aの角度を90度未満としており、切り欠きの形状は後退部6bの方が広がった台形状である。
また、図7では、消弧板6のエッジ部6aおよび後退部6bに小さなテーパ部を設けており、図8では消弧板6のエッジ部6aに小さな丸みを持たせている。図7においては角部であるP3が、図8においては直線と曲線との境界であるP4が、それぞれ端部接触子片に対向する面の後退が始まる任意の点に相当する。ただし、上記任意の点P3,P4近傍におけるテーパ部を設ける範囲および丸みを持たせる範囲は、図2で示した端部接触子片1aの消弧側板8側の側板側側面103の延長線と、消弧側板8と反対側の反対側側面102の延長線との間に収まる範囲が望ましい。
図9では後退部6bに丸みを持たせており、消弧板6の凸部6cは、V字状の切り欠きを設けないで直線状としている。
図10では、他極と隣接している端部接触子片側のみにエッジ部6aおよび切り欠きを設けている。
なお、上記各実施の形態では、電界集中部がエッジ部6aである場合について説明したが、これに限るものではない。電界集中部の他の構成例として、例えば、エッジ部6aに相当する位置に電界集中が発生しやすいように、局所的な粗面化を施す、小さな突起もしくは窪みを設ける、あるいは、高誘電率を有する別部材と磁性板との接合部を配置するなどがある。例えば、図7および図8で示したように、エッジ部6aにテーパを設けたり、丸みを持たせたりする場合に、これら電界集中のための構成を採用してもよい。ただし、上記のように構成された電界集中部の範囲は、図2で示した端部接触子片1aの消弧側板8側の側板側側面103の延長線と、消弧側板8と反対側の反対側側面102の延長線との間に収まる範囲が望ましい。
本発明の実施の形態1による電力開閉器を説明するための図である。 本発明の実施の形態1による電力開閉器を説明するための図である。 本発明の実施の形態1による電力開閉器を説明するための図である。 本発明の実施の形態1による電力開閉器を説明するための図である。 本発明の実施の形態2による電力開閉器を説明するための図である。 本発明の実施の形態2による電力開閉器を説明するための図である。 本発明の実施の形態2による電力開閉器を説明するための図である。 本発明の実施の形態2による電力開閉器を説明するための図である。 本発明の実施の形態2による電力開閉器を説明するための図である。 本発明の実施の形態2による電力開閉器を説明するための図である。
符号の説明
1 可動子(第1の接触子)、1a〜1f 接触子片、1a、1f 端部接触子、2 可動接点(接触部)、4 固定子(第2の接触子)、5 固定接点(接触部)、6 消弧板、6a エッジ部(電界集中部)、6b 後退部、6c 凸部、7 アークランナ、8 消弧側板、9 筐体、91 筐体側壁、92 隔壁、10アーク。

Claims (6)

  1. 複数の接触子片に分割され、上記接触子片が互いに電気的に並列接続された第1の接触子、この第1の接触子と対をなす第2の接触子、上記第1、2の接触子の接触部が配置される側の先端部と対向する位置に上記接触子の開極方向に間隙を介して積層配置される磁性体からなる複数の消弧板、上記接触子の開極方向に沿って対向配置され、上記消弧板を両側から挟み込んで保持する対をなす電気絶縁性の消弧側板、並びに上記第1、2の接触子、消弧板、および消弧側板を収納する筺体を備え、
    上記消弧板は、上記複数の接触子片の内、端部に位置する端部接触子片の接触部が配置される側の先端部に対向し、端部接触子片の消弧側板側の側板側側面と消弧側板と反対側の反対側側面との中心に位置する中心線の延長線と、上記反対側側面の延長線との間に位置する任意の点より中央部側に上記端部接触子片との最短距離部が設けられ、且つ、上記任意の点より端部側が切り欠かれて上記端部接触子片に対向する面が後退していることを特徴とする電力開閉器。
  2. 任意の点は電界集中部となっていることを特徴とする請求項1記載の電力開閉器。
  3. 電界集中部は角部であることを特徴とする請求項2記載の電力開閉器。
  4. 消弧板は略凸字状であり、その凸部側が接触子対と対向するように配置されていることを特徴とする請求項1または2記載の電力開閉器。
  5. 略凸字状の消弧板の凸部中央に略V字状の切り欠きを設けたことを特徴とする請求項記載の電力開閉器。
  6. 第1および第2の接触子の内、一方が固定、他方が可動であり、可動側接触子の開極方向を上方とした場合、固定側接触子近傍から消弧板の下方まで延びるアークランナを設け、上記アークランナの上記固定側接触子近傍における幅は、少なくとも上記固定側接触子の接触部の幅と略同じまたはそれよりも広くし、且つ、上記アークランナの上記任意の点近傍における幅は、上記固定側接触子近傍における幅と略同じであることを特徴とする請求項1または2記載の電力開閉器。
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