JP4069799B2 - 湿式塗装ブース循環水の処理方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水性塗料及び/又は溶剤型塗料を含む湿式塗装ブース循環水中の塗料を効率的に凝集処理することができる湿式塗装ブース循環水の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車工業や家庭電器、金属製品製造業等の塗装工程では、様々な塗料がスプレー塗装されている。工業的に使用されている塗料は溶剤型塗料と水性塗料とに大別され、各塗料は単独又は併用で使用されている。
【0003】
このうち、水性塗料は、水可溶型、ディスパージョン型、エマルジョン型の3つに大別されるが、いずれも水を溶媒とするため(一部溶剤を併用する場合もある)、引火性がなく、安全かつ衛生的であり、溶剤による公害発生の恐れがないなどの利点を有することから、近年、特にその応用範囲が拡大されつつある。
【0004】
ところで、各種工業等における塗装工程では、一般に被塗装物に噴霧された塗料の歩留りは必ずしも100%ではなく、例えば自動車工業においては、60〜80%程度であり、使用塗料の40〜20%は次工程で除去すべき余剰塗料である。この過剰に噴霧された余剰塗料を捕集するには、通常、水洗による湿式塗装ブースで処理されており、水洗水は循環使用される。
【0005】
この場合、水性塗料は水に可溶ないし分散し、固液分離が難しいために、この湿式塗装ブースの循環水に残留して蓄積し、次のような問題を引き起こす。
(a) 循環水は高粘性、高粘稠となり、循環ポンプの負荷を増大させ、著しい場合には循環不可能となり、操業が停止する。
(b) 析出して不溶化した塗料や、塗料以外のゴミ、SS成分が、ノズルや配管系の閉塞障害や、水膜板等への付着障害を引き起こす。
(c) 発泡障害を生じる。
(d) 循環水が高COD、高BODとなるため腐敗し、腐敗臭により、作業環境が悪化する。
(e) 高COD、高BODのため、廃水処理が困難となり、処理装置の負荷が増大する。
【0006】
このような問題を解決するために、従来、循環水中の余剰塗料を凝集分離することが行われており、この凝集分離に当たり、
(1) カチオン系ポリマー(カチオン系高分子凝集剤)とアニオン系ポリマー(アチオン系高分子凝集剤)とを併用添加する方法(特公平4−2317号公報)
(2) カチオン化セルローズとカチオン系ポリマーとを併用添加する方法(特開平7−713号公報)
(3) 無機凝集剤と高分子ポリマーを併用添加する方法(特開昭52−71538号公報)
が提案されており、特に(3)の方法が一般的に採用されている。
【0007】
【特許文献1】
特公平4−2317号公報
【特許文献2】
特開平7−713号公報
【特許文献3】
特開昭52−71538号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来法のうち、カチオン系ポリマーとアニオン系ポリマーとを併用する方法では、効果が不十分であり、カチオン系ポリマーとアニオン系ポリマーとの使用量や使用比率、処理対象の水性塗料の種類や濃度により凝集効果が大きく異なるため、薬注制御が非常に難しく、安定処理が困難であるという問題点がある。
【0009】
また、カチオン化セルローズを用いる方法は、薬剤コストが高くつき、実用性がない。
【0010】
また、無機凝集剤と高分子ポリマーとを用いる方法は、最適な凝集条件(pH、薬剤濃度等)を設定することが難しく、安定処理が困難である上に、金属フロックが生成するため、塗料スラッジ量が増大する;無機凝集剤からの塩類濃度が増大し、設備の腐食の問題がある;水性塗料に配合されている発泡性物質を分離除去することができないため、塗料ブースでの発泡を抑えることができない;といった問題がある。
【0011】
本発明は、上記従来の問題点を解決し、
(1) 塗料の種類や濃度が変化しても安定な処理を行うことができる。
(2) 安定処理のための薬注制御が容易である。
(3) 塩類濃度の少ない薬剤であって、設備の腐食の問題がない。
(4) 塗料由来の発泡性物質を凝集により分離除去することができ、塗装ブースでの発泡を抑制することができる。
といった、優れた効果を奏する湿式塗装ブース循環水の処理方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の湿式塗装ブース循環水の処理方法は、水性塗料及び/又は溶剤型塗料を含む湿式塗装ブース循環水に、フェノール樹脂とカチオン系ポリマーとを添加して、該循環水中の塗料を凝集処理する方法において、該フェノール系樹脂が下記 [1] 〜[ 5 ]のいずれかであり、
[1] フェノールとホルムアルデヒドとの縮合物
[2] クレゾールとホルムアルデヒドとの縮合物
[3] キシレノールとホルムアルデヒドとの縮合物
[4] 上記 [1] [3] のフェノール系樹脂をアルキル化して得られるアルキル変性フェノール系樹脂
[5] ポリビニルフェノール
該フェノール樹脂を、該循環水に対して有効成分量として1mg/L以上、かつ該循環水中の塗料に対して有効成分量として0.1重量%以上添加し、該カチオン系ポリマーを、該フェノール樹脂の有効成分量に対して1重量%以上添加することを特徴とする。
【0013】
本発明による塗料の凝集機構の詳細は明らかではないが、次のように推定される。
【0014】
即ち、フェノール系樹脂をアルカリ水溶液等に溶解させて湿式塗装ブース循環水に注入すると、フェノール系樹脂は、溶解状態又はコロイド状で分散する。このとき、カチオン系ポリマーが存在するとフェノール系樹脂は荷電中和されて凝結、不溶化する。一方、循環水中に溶解又はコロイド状に分散している塗料もカチオン系ポリマーにより、荷電中和されて凝結、不溶化するが、フェノール系樹脂がカチオン系ポリマーで不溶化するとき、この凝結した塗料を巻き込んだ形でフロック化して凝集する。塗料を巻き込んだ形で凝集したフェノール系樹脂のフロックは、ある程度の大きさの粒子となるので、循環水から分離除去され易く、浮上分離、遠心分離、濾過などの方法で容易に分離除去することができる。
【0015】
本発明において、フェノール系樹脂及びカチオン系ポリマーは処理水のコロイド当量値が+0.005meq/L以上、+1meq/L以下となるように添加することが好ましく、フェノール系樹脂は、アルカリ剤濃度1〜25重量%、フェノール系樹脂濃度1〜50重量%のアルカリ性水溶液として添加することが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の湿式塗装ブース循環水の処理方法の実施の形態を詳細に説明する。
【0017】
本発明で使用されるフェノール系樹脂としては、フェノール、クレゾール、キシレノール等の一価フェノール等のフェノール類とホルムアルデヒド等のアルデヒドとの縮合物或いはその変性物であって、架橋硬化する前のフェノール系樹脂が挙げられる。具体的には次のようなものが挙げられる。
【0018】
[1] フェノールとホルムアルデヒドとの縮合物
[2] クレゾールとホルムアルデヒドとの縮合物
[3] キシレノールとホルムアルデヒドとの縮合物
[4] 上記[1]〜[3]のフェノール系樹脂をアルキル化して得られるアルキル変性フェノール系樹脂
[5] ポリビニルフェノール
【0019】
これらのフェノール系樹脂はノボラック型であってもレゾール型であっても良い。なお、ノボラック型フェノール系樹脂、レゾール型フェノール系樹脂又はポリビニルフェノールとしては、下記一般式で示されるものが好適である。
【0020】
【化2】
Figure 0004069799
【0021】
このようなフェノール系樹脂は水に難溶であるので、水に溶解可能な溶媒に溶解ないし分散させるなどして溶液状又はエマルジョンとして用いるのが好ましい。使用される溶媒としてはアセトン等のケトン、酢酸メチル等のエステル、メタノール等のアルコール等の水溶性有機溶媒、アルカリ水溶液、アミン等が挙げられるが、好ましくは、苛性ソーダ(NaOH)、苛性カリ(KOH)等のアルカリ剤に溶解して用いる。
【0022】
フェノール系樹脂をアルカリ性水溶液として用いる場合、このアルカリ性水溶液はアルカリ剤濃度1〜25重量%、フェノール系樹脂濃度1〜50重量%の範囲とすることが好ましい。なお、フェノール系樹脂濃度が高い場合、70〜80℃程度に加温してフェノール系樹脂を溶解させるようにしても良い。
【0023】
一方、カチオン系ポリマーとしては、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド、アルキルアミン・エピクロルヒドリン縮合物、ポリエチレンイミン、アルキレンジクロライド・ポリアルキレンポリアミン縮合物、ジシアンジクロライド・ポリアルキレンポリアミン縮合物、DMA(ジメチルアミノエチルメタクリレート)、DADMAC(ジアリルジメチルアンモニウムクロライド)等が挙げられるが、何らこれらに限定されるものではない。
【0024】
フェノール系樹脂及びカチオン系ポリマーは、各々、1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。
【0025】
フェノール系樹脂の添加量は、湿式塗装ブース循環水に対して、有効成分量(樹脂固形分量)として1mg/L以上、好ましくは5mg/L以上であり、かつ循環水中の塗料(固形分)に対して有効成分量として0.1重量%以上、好ましくは0.5重量%以上とする。フェノール系樹脂添加量がこの割合よりも少ないと十分な凝集効果を得ることができない。しかし、フェノール系樹脂添加量が過度に多くても、添加量に見合う凝集効果の向上効果は得られないことがあり、また発泡が生じることがあることから、湿式塗装ブース循環水に対するフェノール系樹脂の添加量は有効成分量として1000mg/L以下、特に5〜200mg/Lとし、循環水中の塗料に対して有効成分量として100重量%以下、特に0.5〜10重量%とすることが好ましい。
【0026】
また、カチオン系ポリマーの添加量は、フェノール系樹脂の有効成分量に対して、1重量%以上、好ましくは10重量%以上とする。カチオン系ポリマーの添加量がこの割合よりも少ないとフェノール系樹脂とカチオン系ポリマーとを併用することによる凝集効果を十分に得ることができない。しかし、カチオン系ポリマー添加量が過度に多いと、過剰カチオンによる、粒子同士の電気的反撥が起き、凝集不良を引き起すことから、カチオン系ポリマーの添加量は、塗料の種類によって異なるがフェノール系樹脂の有効成分量に対して300重量%以下、特に10〜100重量%とすることが好ましい。
【0027】
フェノール系樹脂及びカチオン系ポリマーの添加量のより好適な範囲は、循環水中の塗料量含有量や塗料の種類によっても異なるが、本発明においては、上述のフェノール系樹脂及びカチオン系ポリマーの添加量の範囲において、フェノール系樹脂及びカチオン系ポリマーを添加した後の循環水のコロイド当量値が+0.001meq/L以上、特に+0.005meq/L以上で、+1meq/L以下、特に+0.5meq/L以下となるように、とりわけ+0.005〜+0.05meq/Lとなるようにフェノール系樹脂及びカチオン系ポリマーを添加することが好ましい。コロイド当量値が上記範囲よりも高くても低くても、良好な凝集効果を得ることができない。
【0028】
従って、循環水にフェノール系樹脂及びカチオン系ポリマーを添加して凝集処理して得られる上澄水を試験水としてコロイド当量値を測定し、この結果に基いて、フェノール系樹脂及びカチオン系ポリマーの添加量を決定するか、或いは、循環水系から処理水を取り出してコロイド当量値を測定し、この結果に基いて薬注制御を行うことは有効な方法である。
【0029】
なお、コロイド当量値の測定方法としては、後述の実施例で示す方法が挙げられる。
【0030】
循環水へのフェノール系樹脂及びカチオン系ポリマーの添加方法は特に制限はなく、循環水系に1日に1〜2回程度の頻度で間欠的に添加しても良く、連続添加であっても良い。望ましくは、ポンプにより連続的に定量注入することが好ましい。
【0031】
フェノール系樹脂及びカチオン系ポリマーの添加箇所としては特に制限はなく、循環水のどのような箇所に添加しても良いが、通常の場合、循環水の戻りの分離槽入口側に添加することが好ましい。また、フェノール系樹脂とカチオン系ポリマーとの添加順序にも特に制限はなく、フェノール系樹脂とカチオン系ポリマーとは同時に同じ場所に添加して良いが、浮上分離装置や遠心分離機で凝集スラッジの分離を行う場合には、カチオン系ポリマーを分離装置の前に添加することがある。
【0032】
なお、凝集処理系のpHは、設備の腐食防止の点と、カチオン系ポリマーのpHに関する効果特性の点から、6.0〜8.5程度であることが好ましく、従って、pHがこの範囲を外れ低くなる場合には、アルカリを添加してpH調整を行うことが好ましい。なお、通常、実機では高pH側に範囲が外れることはないが、極端に外れる場合はpH調整が必要になることがある。
【0033】
フェノール系樹脂及びカチオン系ポリマーの添加により、循環水中の塗料は速やかに不溶化、凝集してフロックを生成する。凝集により生成したフロックの分離回収には、浮上分離、ウェッジワイヤ、ロータリースクリーン、バースクリーン、サイクロン、遠心分離機、濾過装置などによる方法を採用することができる。
【0034】
このような方法で分離回収されたスラッジは、重力脱水後、或いは通常の方法で脱水後、焼却、埋立処理される。
【0035】
本発明の湿式塗装ブース循環水の処理方法は、水性塗料を含む湿式塗装ブース循環水、溶剤型塗料を含む湿式塗装ブース循環水、水性塗料及び溶剤型塗料を含む湿式塗装ブース循環水の処理に効果的に適用することができる。
【0036】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0037】
なお、以下において、フェノール系樹脂は、次のようにして溶液化したものを用いた。
[フェノール系樹脂溶液の調製]
苛性ソーダ10gと純水150gをビーカーに採り、70℃に加温した。マグネチックスターラーで撹拌しながら、下記[A]又は[B]のフェノール系樹脂40gを加えて撹拌することにより溶解させた。なお、下記[C]のフェノール系樹脂「PL3630」(有効樹脂量40〜50重量%、NaOH1〜10重量%)は、このような溶解処理を行わずに、そのまま使用した。
【0038】
[A]:群栄化学(株)製ノボラック型フェノール系樹脂
「レジトップ PSM4324」
[B]:群栄化学(株)製ノボラック型フェノール系樹脂
「レジトップ PS6939」
[C]:群栄化学(株)製レゾール型フェノール系樹脂
「レジトップ PL3630」
[D]:丸善石油化学(株)製ポリパラビニルフェノール
「マルカリンカーM」
【0039】
また、カチオン系ポリマーとしては栗田工業(株)製「ゼーターエース C301」(アルキルアミン・エピクロルヒドリン縮合物)を用いた。
【0040】
また、凝集試験は、下記の2種類の水性塗料と溶剤型塗料に対して行った。
[水性塗料]
中塗り塗料:日本ペイント社製「GWP−600」
メタリックベース:日本ペイント社製「AR−2300」
[溶剤型塗料]
上塗りソリッド塗料:日本ペイント社製「OG173」
実施例1〜70
【0041】
水性塗料を0.2%(重量(g)/体積(L):塗料2gを水に溶かして1Lにした。)に溶解した試験液1Lをビーカーに採り、所定量のフェノール樹脂溶液を添加し、マグネチックスターラーで500rpmで撹拌しながら、必要に応じてHCl水溶液又はNaOH水溶液を添加してpH6.7〜6.8に調整した。その後、所定量のカチオン系ポリマーを添加し、同様の撹拌を3分間行った。この液を10分間静置した後、上澄液の濁度を測定すると共に、下記発泡試験と液のコロイド当量値の測定を行った。
【0042】
フェノール系樹脂及びカチオン系ポリマーの添加量及び試験結果を表1〜5に示す。なお、各表中、フェノール系樹脂添加量は液中の樹脂固形分濃度として記載されているが、水性塗料に対する添加量は、例えば樹脂固形分濃度が60mg/Lの場合、3重量%(=60÷2000×100)である。
【0043】
[発泡試験]
上澄液100mLを栓付きガラス管に採り、10秒間、上下に振盪した。静置後、泡が消えるまでの時間を測定した。
【0044】
[コロイド当量値の測定方法]
試験水0.1〜0.5Lをビーカーに採り、1重量%トルイジンブルー溶液を数滴〜適当量加え、マグネチックスターラーで撹拌しながら、1N−PVSK(ポリビニル硫酸カリウム)溶液で滴定し、下記式で算出した。
コロイド当量値=1/400×1N−PVSK滴定量(mL)÷試験水量(L)
【0045】
比較例1〜13
実施例1〜70において、カチオン系ポリマーを添加しなかったこと以外は各々同様にして凝集試験を行い、結果を表1〜5に示した。
【0046】
比較例14〜28
実施例1において、フェノール系樹脂溶液の代りにPAC(ポリ塩化アルミニウム)を用い、PACとカチオン系ポリマーとを表6に示す量添加したこと以外は同様にして凝集試験を行い、結果を表6に示した。
【0047】
【表1】
Figure 0004069799
【0048】
【表2】
Figure 0004069799
【0049】
【表3】
Figure 0004069799
【0050】
【表4】
Figure 0004069799
【0051】
【表5】
Figure 0004069799
【0052】
【表6】
Figure 0004069799
【0053】
実施例71〜102
塗料として水性塗料の代りに溶剤型塗料を用い、フェノール系樹脂及びカチオン系ポリマーの添加量及び添加割合(フェノール系樹脂の有効成分量に対するカチオン系ポリマーの割合:ポリマー/樹脂)を表7〜9に示す量としたこと以外は実施例1〜70と同様にして凝集試験を行い、同様にコロイド当量値の測定を行うと共に、凝集処理効果を以下の評価基準で評価し、結果を表7〜9に示した。
【0054】
[評価基準]
×:粘着性あり(指でさわるとべっとり粘着する:生塗料並み)
△:粘着性あり(指でさわると粘着する)
○:粘着性なし(指でこすると粘着する)
◎:粘着性なし(指でこすっても粘着しない)
【0055】
比較例29〜33
実施例71〜102において、カチオン系ポリマーを添加しなかったこと以外は各々同様にして凝集試験を行い、結果を表7〜9に示した。
【0056】
【表7】
Figure 0004069799
【0057】
【表8】
Figure 0004069799
【0058】
【表9】
Figure 0004069799
【0059】
表1〜9より、本発明によれば、優れた塗料の凝集処理効果を得ることができると共に、発泡を抑制することもできることがわかる。これに対して、無機凝集剤とカチオン系ポリマーとの併用では、添加量を調整することにより、凝集効果を得ることはできるが、発泡を抑制することはできない。
【0060】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明の湿式塗装ブース循環水の処理方法によれば、次のような効果のもとに、湿式塗装ブース循環水中の塗料を効率的に凝集処理して、これを分離除去することができる。
(1) 塗料の種類や濃度が変化しても安定な処理を行うことができる。
(2) 安定処理のための薬注制御が容易である。
(3) 塩類による設備の腐食の問題がない。
(4) 塗料由来の発泡性物質を、凝集により分離除去することができ、塗装ブースでの発泡を抑制することができる。

Claims (6)

  1. 水性塗料及び/又は溶剤型塗料を含む湿式塗装ブース循環水に、フェノール樹脂とカチオン系ポリマーとを添加して、該循環水中の塗料を凝集処理する方法において、
    該フェノール系樹脂が下記 [1] 〜[ 5 ]のいずれかであり、
    [1] フェノールとホルムアルデヒドとの縮合物
    [2] クレゾールとホルムアルデヒドとの縮合物
    [3] キシレノールとホルムアルデヒドとの縮合物
    [4] 上記 [1] [3] のフェノール系樹脂をアルキル化して得られるアルキル変性フェノール系樹脂
    [5] ポリビニルフェノール
    該フェノール樹脂を、該循環水に対して有効成分量として1mg/L以上、かつ該循環水中の塗料に対して有効成分量として0.1重量%以上添加し、該カチオン系ポリマーを、該フェノール樹脂の有効成分量に対して1重量%以上添加することを特徴とする湿式塗装ブース循環水の処理方法。
  2. 請求項1において、該フェノール系樹脂が、下記一般式で示されるノボラック型フェノール系樹脂、レゾール型フェノール系樹脂、ポリビニルフェノールのいずれかであることを特徴とする湿式塗装ブース循環水の処理方法。
    Figure 0004069799
  3. 請求項1又は2において、該循環水のコロイド当量値が+0.005meq/L以上、+1meq/L以下となるように該フェノール系樹脂及びカチオン系ポリマーを添加することを特徴とする湿式塗装ブース循環水の処理方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項において、該フェノール系樹脂をアルカリ剤に溶解して添加することを特徴とする湿式塗装ブース循環水の処理方法。
  5. 請求項において、該フェノール系樹脂を、アルカリ剤濃度1〜25重量%、フェノール系樹脂濃度1〜50重量%のアルカリ性水溶液として添加することを特徴とする湿式塗装ブース循環水の処理方法。
  6. 請求項1ないしのいずれか1項において、該循環水中の塗料が水性塗料であることを特徴とする湿式塗装ブース循環水の処理方法。
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