JP4069628B2 - 液晶装置の製造装置及び製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶基板の配向膜にラビング処理を施すものに好適な液晶装置の製造装置、製造方法及び液晶装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶ライトバルブ等の液晶装置は、ガラス基板、石英基板等の2枚の基板間に液晶を封入して構成される。液晶ライトバルブでは、一方の基板に、例えば薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、以下、TFTと称す)をマトリクス状に配置し、他方の基板に対向電極を配置して、両基板間に封止した液晶層の光学特性を画像信号に応じて変化させることで、画像表示を可能にする。
【0003】
TFTを配置したTFT基板と、TFT基板に対向配置される対向基板とは、別々に製造される。両基板は、パネル組立工程において高精度に貼り合わされた後、液晶が封入される。
【0004】
パネル組立工程においては、先ず、各基板工程において夫々製造されたTFT基板と対向基板との対向面、即ち、対向基板及びTFT基板の液晶層と接する面上に配向膜が形成され、次いでラビング処理が行われる。次に、一方の基板上の端辺に接着剤となるシール部が形成される。TFT基板と対向基板とをシール部を用いて貼り合わせ、アライメントを施しながら圧着硬化させる。シール部の一部には切り欠きが設けられており、この切り欠きを介して液晶を封入する。
【0005】
配向膜を形成してラビング処理を施すことで、電圧無印加時の液晶分子の配列が決定される。配向膜は、例えばポリイミド(PI)を約数十ナノメーターの厚さで塗布することにより形成される。液晶層に対向する両基板の面上に配向膜を形成することで、液晶分子を基板面に沿って配向処理することができる。ラビング処理は、配向膜表面に細かい溝を形成して配向異方性の膜にするものであり、配向膜に一定方向のラビング処理を施すことで、液晶分子の配列を規定することができる。
【0006】
図8はラビング装置を示す模式図である。
【0007】
ステージ100上には液晶基板101が載置されている。ステージ100は、水平方向に移動して基板101を搬送する。ステージ100の搬送路の上方にはラビングロール102が配設されている。ラビングロール102は周面にベルベット状の生地、例えばレーヨンのラビング布103が取り付けられている。ラビングロール102を回転させながらステージ100を搬送させて、ラビングロール102の回転及びステージ100の搬送によって、ラビング布103で基板全面を擦ってラビングを行う。
【0008】
なお、ラビング布103は布表面にレーヨンのフィラメント104を編み込んだものである。フィラメント104は布表面から上方に伸び、その毛先が布表面全体に一様に設けられる。フィラメント104は製造時に毛先が所定の長さにカットされる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、1本のフィラメント104が基板101表面と接触する面は、フィラメント104の線径に等しく、液晶パネルを高精細化するためには、フィラメント104の線径を十分に細くする必要がある。
【0010】
しかしながら、糸の弾性力が低いフィラメントを用いたラビングロールでは、基板101に対する十分な接触圧が得られないという問題点があった。
【0011】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、ラビングロールを複数種類のフィラメントを用いて構成することにより、ラビングロールに所望の特性を付与することができる液晶装置の製造装置、製造方法及び液晶装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る液晶装置の製造装置は、配向膜にラビング処理を行う液晶装置の製造装置であって、ラビングロールと、前記ラビングロールの周面に設けられたラビング布と、前記ラビング布に編み込まれ且つ水平及び垂直方向に交互に配置された、線長、線径及び弾性が異なる2種類のフィラメントと、を具備し、前記2種類のフィラメントの一方は、他方のフィラメントに比べて線長が長く、弾性が低いことを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る液晶装置の製造方法は、回転するラビングロールによって配向膜を擦ってラビング処理を行う工程であって、前記ラビングロールの周面に設けられると共に、線長、線径及び弾性が異なる2種類のフィラメントが水平及び垂直方向に交互に編み込まれたラビング布によって前記ラビング処理を行う工程を具備し、前記2種類のフィラメントの一方は、他方のフィラメントに比べて線長が長く、弾性が低いことを特徴とする。
【0014】
これらの構成によれば、細い線径のフィラメントによって微細画素に対応することができ、太い線径のフィラメントによって異物の掃き出し効果が得られる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係る液晶装置の製造装置に採用されるラビング装置及びラビングロールを模式的に示す説明図である。図2は液晶装置の画素領域を構成する複数の画素における各種素子、配線等の等価回路図である。図3はTFT基板等の素子基板をその上に形成された各構成要素と共に対向基板側から見た平面図であり、図4は素子基板と対向基板とを貼り合わせて液晶を封入する組立工程終了後の液晶装置を、図3のH−H'線の位置で切断して示す断面図である。また、図5は液晶装置を詳細に示す断面図である。図6はパネル組立工程を示すフローチャートである。また、図7はフィラメントの種類とその利点及び欠点を説明するための図表である。
【0027】
本実施の形態は複数種類のフィラメントを用い、ラビングロールに所望の特性を付与するための役割を各フィラメントに分担させると共に、1種類のフィラメントだけでは得られない相乗的な効果を得るようにしたものである。
【0028】
先ず、図2乃至図5を参照して、ラビング処理が施された液晶パネルの構造について説明する。
【0029】
液晶パネルは、図3及び図4に示すように、TFT基板等の素子基板10と対向基板20との間に液晶50を封入して構成される。素子基板10上には画素を構成する画素電極等がマトリクス状に配置される。図2は画素を構成する素子基板10上の素子の等価回路を示している。
【0030】
図2に示すように、画素領域においては、複数本の走査線3aと複数本のデータ線6aとが交差するように配線され、走査線3aとデータ線6aとで区画された領域に画素電極9aがマトリクス状に配置される。そして、走査線3aとデータ線6aの各交差部分に対応してTFT30が設けられ、このTFT30に画素電極9aが接続される。
【0031】
TFT30は走査線3aのON信号によってオンとなり、これにより、データ線6aに供給された画像信号が画素電極9aに供給される。この画素電極9aと対向基板20に設けられた対向電極21との間の電圧が液晶50に印加される。また、画素電極9aと並列に蓄積容量70が設けられており、蓄積容量70によって、画素電極9aの電圧はソース電圧が印加された時間よりも例えば3桁も長い時間の保持が可能となる。蓄積容量70によって、電圧保持特性が改善され、コントラスト比の高い画像表示が可能となる。
【0032】
図5は、一つの画素に着目した液晶パネルの模式的断面図である。
【0033】
ガラスや石英等の素子基板10には、溝11が形成されている。この溝11上に遮光膜12及び第1層間絶縁膜13を介してLDD構造をなすTFT30が形成されている。溝11によって、TFT基板の液晶50との境界面が平坦化される。
【0034】
TFT30は、チャネル領域1a、ソース領域1d、ドレイン領域1eが形成された半導体層に絶縁膜2を介してゲート電極をなす走査線3aが設けられてなる。なお、遮光膜12は、TFT30の形成領域に対応する領域、後述するデータ線6a及び走査線3a等の形成領域、即ち各画素の非表示領域に対応した領域に形成されている。この遮光膜12によって、入射光がTFT30のチャネル領域1a、ソース領域1d及びドレイン領域1eに入射することが防止される。
【0035】
TFT30上には第2層間絶縁膜14が積層され、第2層間絶縁膜14上には中間導電層15が形成されている。中間導電層15上には誘電体膜17を介して容量線18が対向配置されている。容量線18は、容量層と遮光層とからなり、中間導電層15との間で蓄積容量を構成すると共に、光の内部反射を防止する遮光機能を有する。半導体層に比較的近接した位置に中間導電層15を形成しており、光の乱反射を効率よく防止することができる。
【0036】
容量線18上には第3層間絶縁膜19が配置され、第3層間絶縁膜19上にはデータ線6aが積層される。データ線6aは、第3及び第2層間絶縁膜18,14を貫通するコンタクトホール24a,24bを介してソース領域1dに電気的に接続される。データ線6a上には第4層間絶縁膜25を介して画素電極9aが積層されている。画素電極9aは、第4〜第2層間絶縁膜25,19,14を貫通するコンタクトホール26a,26bにより容量線18を介してドレイン領域1eに電気的に接続される。画素電極9a上にはポリイミド系の高分子樹脂からなる配向膜16が積層され、図1のラビングロールを用いて所定方向にラビング処理されている。
【0037】
走査線3a(ゲート電極)にON信号が供給されることで、チャネル領域1aが導通状態となり、ソース領域1dとドレイン領域1eとが接続されて、データ線6aに供給された画像信号が画素電極9aに与えられる。
【0038】
一方、対向基板20には、対向電極(共通電極)21が基板20全面に亘って形成されている。対向電極21上にポリイミド系の高分子樹脂からなる配向膜22が積層され、図1のラビングロールを用いて所定方向にラビング処理されている。
【0039】
そして、素子基板10と対向基板20との間に液晶50が封入されている。これにより、TFT30は所定のタイミングでデータ線6aから供給される画像信号を画素電極9aに書き込む。書き込まれた画素電極9aと対向電極21との電位差に応じて液晶50の分子集合の配向や秩序が変化して、光を変調し、階調表示を可能にする。
【0040】
図3及び図4に示すように、対向基板20には表示領域を区画する額縁としての遮光膜42が設けられている。遮光膜42は例えば遮光膜23と同一又は異なる遮光性材料によって形成されている。
【0041】
遮光膜42の外側の領域に液晶を封入するシール材41が、素子基板10と対向基板20間に形成されている。シール材41は対向基板20の輪郭形状に略一致するように配置され、素子基板10と対向基板20を相互に固着する。シール材41は、素子基板10の1辺の一部において欠落しており、貼り合わされた素子基板10及び対向基板20相互の間隙には、液晶50を注入するための液晶注入口78が形成される。液晶注入口78より液晶が注入された後、液晶注入口78を封止材79で封止するようになっている。
【0042】
素子基板10のシール材41の外側の領域には、データ線駆動回路61及び実装端子62が素子基板10の一辺に沿って設けられており、この一辺に隣接する2辺に沿って、走査線駆動回路63が設けられている。素子基板10の残る一辺には、画面表示領域の両側に設けられた走査線駆動回路63間を接続するための複数の配線64が設けられている。また、対向基板20のコーナー部の少なくとも1箇所においては、素子基板10と対向基板20との間を電気的に導通させるための導通材65が設けられている。
【0043】
次に、図6を参照してパネル組立工程について説明する。素子基板10(TFT基板)と対向基板20とは、別々に製造される。ステップS1 ,S6 で夫々用意されたTFT基板及び対向基板20に対して、次のステップS2 ,S7 では、配向膜16,22となるポリイミド(PI)を塗布する。次に、ステップS3 ,S8 において、素子基板10表面の配向膜16及び対向基板20表面の配向膜22に対して、ラビング処理を施す。このラビング処理は図1のラビングロールを用いて行われる。
【0044】
次に、ステップS4 ,S9 において、洗浄工程を行う。この洗浄工程は、ラビング処理によって生じた塵埃を除去するためのものである。洗浄工程が終了すると、ステップS5 において、シール材41(図2参照)を形成する。次に、ステップS10で、素子基板10と対向基板20とを貼り合わせ、ステップS11でアライメントを施しながら圧着し、シール材41を硬化させる。最後に、ステップS12において、シール材41の一部に設けた切り欠きから液晶を封入し、切り欠きを塞いで液晶を封止する。
【0045】
本実施の形態においては、図1(a)に示すラビング装置によってステップS3 ,S8 のラビング処理が行われる。
【0046】
図1(a)に示すラビング装置は、図8のラビングロール102に代えて図1(b)のラビングロール81を採用した点が図8のラビング装置と異なる。なお、図1は形状を模式的に示したものであり、図1(a),(b)相互間でロール径等についての相関はない。図1(a)はステージ進行方向に直交する方向から見たものであり、図1(b)はステージ進行方向から見たものである。
【0047】
図1(a),(b)において、ラビングロール81は、円柱形状に構成され、円中心を軸芯85にして周方向に回動自在である。ラビングロール81の周面には、ベルベット状の生地、例えばレーヨンで形成されたラビング布82が巻かれている。
【0048】
本実施の形態においては、ラビング布82は、布地に2種類のフィラメント83,84が編み込まれて構成されており、フィラメント83,84は、夫々所定の長さだけラビング布82の表面から伸びている。
【0049】
図7はフィラメントを線径、線長及び弾性を考慮して分類し、夫々、特徴、利点及び欠点を示している。図7に示すように、線径が太いフィラメントは高弾性を得やすいという特徴を有する。一方、線径が細いフィラメントは、微細画素への対応が可能であるという特徴を有する。
【0050】
本実施の形態においては、微細画素への対応を可能にするために、線径が細いフィラメントを用いる必要がある。しかし、線径が細いフィラメントは十分な接触圧を得にくいという欠点を有しているので、この欠点を相殺するために、弾性が高く、十分な接触圧を得やすいフィラメント、即ち、線径が太いフィラメントを採用する。図1(a),(b)に示すラビングロール81のフィラメント83は、線径が細いフィラメントであり、フィラメント84は線径が太いフィラメントである。
【0051】
また、微細画素に対応するためには、主に液晶基板101の表面を擦るフィラメントとして線径が細いフィラメントを用いた方がよい。そこで、線径が細いフィラメント83としては、線長が長いものを使用する。逆に、線径が太いフィラメント84としては、線長が短いものを使用して、異物の掃き出し効果の特徴を利用する。
【0052】
更に、線径が太いフィラメント84として高弾性のもの用い、線径が細いフィラメント83として低弾性のものを用いる。そしてこれらのフィラメント83,84を水平及び垂直方向に交互に配置する。これにより、線径が細いフィラメント83につきやすい折れ癖を、線径が太いフィラメント84によって支え、全体として剛性を維持するようになっている。
【0053】
ステージ100は上面に基板101が載置されるようになっている。ステージ100上に載置される基板101は、ラビング処理前の上述した素子基板10又は対向基板20に相当する。ラビングロール81とステージ100とは、ラビング布82のフィラメント83,84による基板101へのラビング圧が所定値になるように、垂直方向の位置決めが行われている。ステージ100は、基板101の表面に平行な所定方向に移動自在であり、ステージ100の移動路、即ち、基板101の搬送路の上方に、ラビングロール81が配置されるようになっている。
【0054】
ラビング時には、ラビングロール81は、ラビング布82が基板101に接する部分では、ステージ100の進行方向の逆方向となるように回転する。基板101がラビング布82のフィラメント83,84に所定の圧力で接しながらその表面全体が擦られるように、ラビングロール81を回転させながら、ステージ100を搬送する。
【0055】
次に、このように構成された実施の形態の作用について説明する。
【0056】
先ず、配向膜となるポリイミドが塗布された状態の素子基板10又は対向基板20に相当する基板101をステージ100上に載置する。この状態で、ステージ100をラビングロール81側に搬送する。また、ラビングロール81を回転させる。ステージ100がラビングロール81の底部近傍に到達すると、ラビング布82のフィラメント83,84が基板101に接触する。更に、ラビングロール81の回転及びステージ100の搬送されることによって、フィラメント83,84は、基板101の表面を擦りながら進行する。こうして、基板101の全面がラビング処理される。
【0057】
この場合には、線長が長いフィラメント83が主に液晶基板101の表面を擦ってラビング処理を行い、線長が短いフィラメント84は、フィラメント83が基板101表面を擦ることによって発生した異物を掃き出して除去する。線径が細いフィラメント83によって微細画素に対応し、しかも、毛先が基板101表面の段差等の形状の変化に対応して画素内の細部まで到達するので、微細画素の均一ラビングが可能である。また、線径が太く弾性が高いフィラメント84が低弾性の細いフィラメント83を支持するので、全体として剛性を維持することができる。
【0058】
このように本実施の形態においては、ラビングロール81を細く柔らかく長いフィラメント83と太く高弾性の短いフィラメント84とを組み合わせて構成していることから、細いフィラメント83による微細画素の均一ラビング、太いフィラメント84の異物掃き出し効果を同時に得ると共に、太いフィラメント84が細いフィラメント83を支えることにより剛性維持という、相乗効果を得ることができる。
【0059】
なお、2種類のフィラメント83,84を水平及び垂直方向に交互に配置する例について説明したが、配置はこれに限定されるものではない。例えば、2種類のフィラメントをラビングロール81の回転方向に均一に配置するだけでもよい。また、ラビングを施す液晶基板の用途に応じて、混合割合や面積比を適宜設定するようにしてもよい。
【0060】
また、上記実施の形態においては、単体の液晶基板をステージ上に載置してラビング処理を行う装置に適用する例を説明したが、対向基板を複数パレット上に配置してラビング処理を行う装置にも適用可能であることは明らかである。また、ラビング処理のためにステージ100を水平方向に移動させたが、ラビングロール81側を移動させるようにしてもよい。
【0061】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態は組み合わせるフィラメントの種類が異なるラビング布を用いた点が第1の実施の形態と異なるのみであり、他の構成は図1と同様である。
【0062】
本実施の形態においては、下記表1に示す2種類のフィラメントa,bを採用する。
【0063】
このように構成された実施の形態においては、フィラメントaによってラビング時の異物掃き出し効果が得られる。また、フィラメントbによって微細画素に十分なラビングを行うことができる。また、フィラメントbの毛先がラビング方向に流れることから、ラビング基板との見かけの接触面積が増大する。更に、フィラメントbがフィラメントaを支えるため、十分な接触圧を得ることができる。
【0064】
このように本実施の形態においても、1種類のフィラメントを用いただけでは得られない種々の特性をラビングロールに付与することができる。
【0065】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。本実施の形態も組み合わせるフィラメントの種類が異なるラビング布を用いた点が第1の実施の形態と異なるのみであり、他の構成は図1と同様である。
【0066】
本実施の形態においては、下記表2に示す2種類のフィラメントc,dを採用する。
【0067】
このように構成された実施の形態においては、フィラメントcの剛性が高いため、寿命が長くなる。フィラメントcで追随できない段差部をフィラメントdでラビングすることができる。また、フィラメントcの剛性が高いため、静電気等の外力による凝集を防ぐことができる。
【0068】
このように本実施の形態においても、1種類のフィラメントを用いただけでは得られない種々の特性をラビングロールに付与することができる。
【0069】
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。本実施の形態も組み合わせるフィラメントの種類が異なるラビング布を用いた点が第1の実施の形態と異なるのみであり、他の構成は図1と同様である。
【0070】
本実施の形態においては、下記表3に示す2種類のフィラメントe,fを採用する。
【0071】
このように構成された実施の形態においては、フィラメントeの毛先がラビング方向に流れるので、見かけの接触面積を増大させることができる。フィラメントeで追随できない段差部をフィラメントfでラビングすることができる。フィラメントeの剛性が低いため、配向膜へのダメージを少なくすることができる。
【0072】
このように本実施の形態においても、1種類のフィラメントを用いただけでは得られない種々の特性をラビングロールに付与することができる。
【0073】
次に、本発明の第5の実施の形態について説明する。本実施の形態も組み合わせるフィラメントの種類が異なるラビング布を用いた点が第1の実施の形態と異なるのみであり、他の構成は図1と同様である。
【0074】
本実施の形態においては、下記表4に示す2種類のフィラメントg,hを採用する。
【0075】
このように構成された実施の形態においては、基板とロールとの距離を変えることで接触圧を制御することができる。なお、距離が小さいほど接触圧を高くすることができる。
【0076】
このように本実施の形態においても、1種類のフィラメントを用いただけでは得られない種々の特性をラビングロールに付与することができる。
【0077】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、ラビングロールを複数種類のフィラメントを用いて構成することにより、ラビングロールに所望の特性を付与することができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る液晶装置の製造装置に採用されるラビング装置及びラビングロールを模式的に示す説明図。
【図2】液晶装置の画素領域を構成する複数の画素における各種素子、配線等の等価回路図。
【図3】TFT基板等の素子基板をその上に形成された各構成要素と共に対向基板側から見た平面図。
【図4】素子基板と対向基板とを貼り合わせて液晶を封入する組立工程終了後の液晶装置を、図4のH−H'線の位置で切断して示す断面図。
【図5】液晶装置を詳細に示す断面図。
【図6】パネル組立工程を示すフローチャート。
【図7】フィラメントの種類とその利点及び欠点を説明するための図表。
【図8】ラビング装置を示す模式図。
【符号の説明】
81…ラビングロール
82…ラビング布
83,84…フィラメント
100…ステージ
101…基板
Claims (2)
- 配向膜にラビング処理を行う液晶装置の製造装置であって、
ラビングロールと、
前記ラビングロールの周面に設けられたラビング布と、
前記ラビング布に編み込まれ且つ水平及び垂直方向に交互に配置された、線長、線径及び弾性が異なる2種類のフィラメントと、を具備し、
前記2種類のフィラメントの一方は、他方のフィラメントに比べて線長が長く、弾性が低いことを特徴とする液晶装置の製造装置。 - 回転するラビングロールによって配向膜を擦ってラビング処理を行う工程であって、前記ラビングロールの周面に設けられると共に、線長、線径及び弾性が異なる2種類のフィラメントが水平及び垂直方向に交互に編み込まれたラビング布によって前記ラビング処理を行う工程を具備し、
前記2種類のフィラメントの一方は、他方のフィラメントに比べて線長が長く、弾性が低いことを特徴とする液晶装置の製造方法。
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