JP2004191754A - 液晶装置及びその製造方法 - Google Patents

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孝宏 白井
Masayuki Yazaki
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Abstract

【課題】光リーク電流の影響を回避して、焼き付き現象の発生を防止する。
【解決手段】素子基板10上に形成された配向膜16に対するラビング処理時の第1のラビング密度と対向基板20上に形成された配向膜22に対するラビング処理時の第2のラビング密度とを、相互に異ならせたことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、配向膜の帯電特性を変化させて焼き付き現象を防止するようにした液晶装置及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶装置は、ガラス基板、石英基板等の2枚の基板間に液晶を封入して構成される。液晶装置では、一方の基板に、例えば薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、以下、TFTと称す)等の能動素子をマトリクス状に配置し、他方の基板に対向電極を配置して、両基板間に封止した液晶層の光学特性を画像信号に応じて変化させることで、画像表示を可能にする。
【0003】
即ち、TFT素子によってマトリクス状に配列された画素電極(ITO)に画像信号を供給し、画素電極と対向電極相互間の液晶層に画像信号に基づく電圧を印加して、液晶分子の配列を変化させる。これにより、画素の透過率を変化させ、画素電極及び液晶層を通過する光を画像信号に応じて変化させて画像表示を行う。
【0004】
電圧無印加時の液晶分子の配列を規定するために、一方の基板(アクティブマトリクス基板(TFT基板ともいう))及び他方の基板(対向基板)の液晶層に接する面上に配向膜を形成し、配向膜にラビング処理を施す。ラビング処理によって、電圧無印加時の液晶分子はラビング方向に配列する。例えば、TFT基板と対向基板とで相互に90度ねじれたラビング処理を施すと、液晶分子は液晶パネル内で連続的に向きを変え、両基板間では90度異なる向きに配列される。
【0005】
液晶パネルの前面及び背面に偏光板を設けて、入射した光のうち所定の偏光成分のみを通過させる。ノーマリホワイトモードでは、液晶パネルの前面及び背面の偏光板の偏光軸を90度相違させて、夫々基板のラビング方向に一致させる。そうすると、液晶パネルの背面の偏光板を介して入射した光は、電圧無印加時には、液晶層において液晶分子の配列に従って90度回転し、液晶パネルの前面から偏光板を介して出射される。これにより、白表示が行われる。
【0006】
液晶に電圧を印加すると、液晶の配列方向が変化し、液晶パネル内の液晶による光の振動方向の回転が制限され、液晶パネル前面から出射される光は偏光板によって吸収される。画像信号に応じた電圧を液晶に印加し画像信号に応じた透過率で光を透過させることで、画像表示を行うのである。
【0007】
なお、配向膜は、例えばポリイミドを約数十ナノメーターの厚さで塗布することにより形成される。液晶層に対向する両基板の面上に配向膜を形成することで、液晶分子を基板面に沿って配向処理することができる。ラビング処理は、配向膜表面に細かい溝を形成して配向異方性の膜にするものであり、配向膜に一定方向のラビング処理を施すことで、液晶分子の配列を規定することができる。ラビング処理を行うラビング装置については、下記特許文献1等に開示されている。
【0008】
ところで、液晶装置では、液晶に対する直流電圧の印加によって、例えば、液晶成分の分解、液晶セル中に発生した不純物による汚染、表示画像の焼き付き等の液晶の劣化が生じる。そこで、一般的には、各画素電極の印加電圧(駆動電圧)の極性を例えば画像信号における1フレームや1フィールド等の一定周期で反転させる反転駆動(交流駆動)が行われる。このような反転駆動によって電極相互間に直流成分が印加されることを防止するようになっている。
【0009】
【特許文献1】
特開2002−98964号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、一般的には、液晶装置を構成するTFT基板及び対向基板は積層構造を有し、液晶装置に斜めから入射された光は積層構造内で多重反射を起こして、TFT素子のチャネル領域やチャネル隣接領域に照射されてしまうことがある。そうすると、TFT素子のゲート側に流れる光リーク電流が発生する。ところが、光リーク電流の影響は正極性駆動時と負極性駆動時とで異なり、画素電極に直流成分が印加されてしまう。この直流成分によって、焼き付きが生じてしまうという問題点があった。
【0011】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、光リーク電流の影響を回避して焼き付き現象を防止することができる液晶装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る液晶装置の製造方法は、素子基板上に形成された配向膜に対するラビング処理時の第1のラビング密度と対向基板上に形成された配向膜に対するラビング処理時の第2のラビング密度とを、相互に異ならせたことを特徴とする。
【0013】
このような構成によれば、素子基板上の配向膜に対する第1のラビング密度と対向基板上の配向膜に対する第2のラビング密度とが異なるので、素子基板上の配向膜の帯電特性と対向基板上の配向膜の帯電特性とが異なる。第1及び第2のラビング密度を適宜設定することにより、素子基板と対向基板の帯電状態を制御して、液晶装置の駆動時における直流成分を相殺することができ、焼き付き現象を防止することができる。
【0014】
また、前記素子基板が平坦化されている場合における素子基板上に配向膜が形成された場合には、前記第1のラビング密度を前記第2のラビング密度よりも大きく設定することを特徴とする。
【0015】
このような構成によれば、素子基板上に形成された配向膜に対する第1のラビング密度の方が対向基板上に形成された配向膜に対する第2のラビング密度よりも大きいことから、素子基板上の配向膜は負に帯電しやすい。これにより、光リーク電流による直流成分が相殺され、焼き付き現象の発生が防止される。
【0016】
また、前記素子基板が平坦化されていない場合における素子基板上に配向膜が形成された場合には、前記第1のラビング密度を前記第2のラビング密度よりも小さく設定することを特徴とする。
【0017】
このような構成によれば、第2のラビング密度の方が第1のラビング密度よりも大きい点を考慮すると、素子基板上の配向膜は正に帯電しやすい。一方、配向膜が平坦化されていない点を考慮すると、素子基板上の配向膜は負に帯電しやすい。これにより、液晶装置駆動時の直流成分を相殺することができ、焼き付き現象の発生を防止することができる。
【0018】
また、本発明に係る液晶装置の製造方法は、素子基板上に塗布された配向材料に対する焼成処理時の第1の焼成温度と対向基板上に塗布された配向材料に対する焼成処理時の第2の焼成温度とを、相互に異ならせたことを特徴とする。
【0019】
このような構成によれば、素子基板上の配向材料に対する第1の焼成温度と対向基板上の配向材料に対する第2の焼成温度とが異なるので、素子基板上の配向膜の帯電特性と対向基板上の配向膜の帯電特性とが異なる。第1及び第2の焼成温度を適宜設定することにより、素子基板と対向基板の帯電状態を制御して、液晶装置の駆動時における直流成分を相殺することができ、焼き付き現象を防止することができる。
【0020】
また、前記素子基板が平坦化されている場合における素子基板上に配向材料を塗布する場合には、前記第1の焼成温度を前記第2の焼成温度よりも高く設定することを特徴とする。
【0021】
このような構成によれば、素子基板上に塗布された配向材料に対する第1の焼成温度の方が対向基板上に塗布された配向材料に対する第2の焼成温度よりも高いことから、素子基板上の配向膜は負に帯電しやすい。これにより、光リーク電流による直流成分が相殺され、焼き付き現象の発生が防止される。
【0022】
また、前記素子基板が平坦化されていない場合における素子基板上に配向材料を塗布する場合には、前記第1の焼成温度を前記第2の焼成温度よりも低く設定することを特徴とする。
【0023】
このような構成によれば、第2の焼成温度の方が第1の焼成温度よりも高い点を考慮すると、素子基板上の配向膜は正に帯電しやすい。一方、配向膜が平坦化されていない点を考慮すると、素子基板上の配向膜は負に帯電しやすい。これにより、液晶装置駆動時の直流成分を相殺することができ、焼き付き現象の発生を防止することができる。
【0024】
本発明に係る液晶装置は、ラビング状態が第1の粗密度合いの第1の配向膜が形成された素子基板と、ラビング状態が前記第1の粗密度合いとは異なる第2の粗密度合いの第2の配向膜が形成された対向基板と、前記素子基板と対向基板との間に封止される液晶とを具備したことを特徴とする。
【0025】
このような構成によれば、素子基板上の配向膜のラビング状態は第1の粗密の度合いであり、対向基板上の配向膜のラビング状態は第2の粗密の度合いである。第1,第2の粗密の度合いが相互に異なり、素子基板上の配向膜の帯電特性と対向基板上の配向膜の帯電特性とが異なる。第1及び第2の粗密の度合いを適宜設定することにより、素子基板と対向基板の帯電状態を制御して、液晶装置の駆動時における直流成分を相殺することができ、焼き付き現象を防止することができる。
【0026】
また、前記素子基板が平坦化されている場合における素子基板上に第一の配向膜が形成された場合には、前記第1の配向膜は前記第2の配向膜よりも密のラビング状態を有することを特徴とする。
【0027】
このような構成によれば、素子基板上に形成された第1の配向膜のラビング状態は密で、対向基板上に形成された第2の配向膜に対するラビング状態は粗であることから、素子基板上の配向膜は負に帯電しやすい。これにより、光リーク電流による直流成分が相殺され、焼き付き現象の発生が防止される。
【0028】
また、前記素子基板が平坦化されていない場合における素子基板上に第一の配向膜が形成された場合には、前記第1の配向膜は前記第2の配向膜よりも粗のラビング状態を有することを特徴とする。
【0029】
このような構成によれば、第2の配向膜のラビング状態は密で、第1の配向膜のラビング状態は粗である点を考慮すると、素子基板上の配向膜は正に帯電しやすい。一方、配向膜が平坦化されていない点を考慮すると、素子基板上の配向膜は負に帯電しやすい。これにより、液晶装置駆動時の直流成分を相殺することができ、焼き付き現象の発生を防止することができる。
【0030】
また、本発明に係る液晶装置は、第1の分子オーダーパラメータを有する第1の配向膜が形成された素子基板と、前記第1の分子オーダーパラメータとは異なる第2の分子オーダーパラメータを有する第2の配向膜が形成された対向基板と、前記素子基板と対向基板との間に封止される液晶とを具備したことを特徴とする。
【0031】
このような構成によれば、素子基板上の配向膜の第1の分子オーダーパラメータと対向基板上の配向膜の第2の分子オーダーパラメータとが異なるので、素子基板上の配向膜の帯電特性と対向基板上の配向膜の帯電特性とが異なる。第1及び第2の分子オーダーパラメータを適宜設定することにより、素子基板と対向基板の帯電状態を制御して、液晶装置の駆動時における直流成分を相殺することができ、焼き付き現象を防止することができる。
【0032】
また、前記素子基板が平坦化されている場合における素子基板上に第一の配向膜が形成された場合には、前記第1の分子オーダーパラメータは前記第2の分子オーダーパラメータよりも低いことを特徴とする。
【0033】
このような構成によれば、素子基板上の配向膜の第1の分子オーダーパラメータの方が対向基板上の配向膜の第2の分子オーダーパラメータよりも低いことから、対向基板上の配向膜に帯電した電荷は抜けやすい。これにより、光リーク電流による直流成分が相殺され、焼き付き現象の発生が防止される。
【0034】
また、前記素子基が平坦化されていない場合における素子基板上に第一の配向膜が形成された場合には、前記第1の分子オーダーパラメータは前記第2の分子オーダーパラメータよりも高いことを特徴とする。
【0035】
このような構成によれば、第1の分子オーダーパラメータの方が第2の分子オーダーパラメータよりも高い点を考慮すると、素子基板上の配向膜に帯電した電荷は抜けやすい。一方、配向膜が平坦化されていない点を考慮すると、素子基板上の配向膜は負に帯電しやすい。これにより、液晶装置駆動時の直流成分を相殺することができ、焼き付き現象の発生を防止することができる。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係る液晶装置の製造方法を示すフローチャートである。図2は液晶装置の画素領域を構成する複数の画素における各種素子、配線等の等価回路図である。図3は液晶装置を構成するTFT基板(素子基板)をその上に形成された各構成要素と共に対向基板側から見た平面図であり、図4はTFT基板と対向基板とを貼り合わせて液晶を封入する組立工程終了後の液晶装置を、図3のH−H'線の位置で切断して示す断面図である。また、図5は液晶装置の画素構造を詳細に示す断面図である。図6はラビング装置を示す説明図である。図7はパネル組立工程を示すフローチャートである。なお、上記各図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならしめてある。
本実施の形態はTFT基板に形成する配向膜を平坦化した液晶装置に適用したものである。画素電極からTFT素子のゲート側に流れる光リーク電流によって、正極性駆動時における電極印加電圧は比較的大きく低下する。これに対し、負極性駆動時においては光リーク電流が生じても印加電圧は殆ど変化しない。この場合でも、対向電極に印加する電圧(中心電圧)を調整することによって、光の透過率を正極性駆動時と負極性駆動時とで略一致させることよって、フリッカが生じることを防止することはできる。しかしながら、電気的な中心値と透過率上の中心値とは異なり、画素電極の印加電圧実効値は正極性駆動時と負極性駆動時とで対称とならない。特に、光リーク電流によって正極性駆動時の実効電圧が低下している場合には、正極性駆動時の印加電圧実効値と負極性駆動時の印加電圧実効値との差が大きくなって、対向基板側に対してTFT基板側が正に帯電して、直流成分が印加されてしまう。
【0037】
ところで、非特許文献1(1998年日本液晶学会討論会 講演予稿集「非対称配向膜セル中のイオン挙動解析II」 ソニー(株)中央研究所 ○地崎 誠、高橋 賢一、仁藤 敬一、川角 浩一)によれば、配向膜は、ラビング密度が大きい程、負イオンが吸着しやすいという性質を有する。本実施の形態においては、このような配向膜の特性を利用して、TFT基板と対向基板のラビング密度を相互に変化させることによって帯電特性を制御し、画素電極に直流成分が印加されることを防ぎ、焼き付き現象を防止するものである。
【0038】
先ず、図2乃至図5を参照して、液晶パネルの構造について説明する。
【0039】
液晶パネルは、図3及び図4に示すように、TFT基板等のTFT基板10と対向基板20との間に液晶50を封入して構成される。TFT基板10上には画素を構成する画素電極等がマトリクス状に配置される。図2は画素を構成するTFT基板10上の素子の等価回路を示している。
【0040】
図2に示すように、画素領域においては、複数本の走査線3aと複数本のデータ線6aとが交差するように配線され、走査線3aとデータ線6aとで区画された領域に画素電極9aがマトリクス状に配置される。そして、走査線3aとデータ線6aの各交差部分に対応してTFT30が設けられ、このTFT30に画素電極9aが接続される。
【0041】
TFT30は走査線3aのON信号によってオンとなり、これにより、データ線6aに供給された画像信号が画素電極9aに供給される。この画素電極9aと対向基板20に設けられた対向電極21との間の電圧が液晶50に印加される。また、画素電極9aと並列に蓄積容量70が設けられており、蓄積容量70によって、画素電極9aの電圧はソース電圧が印加された時間よりも例えば3桁も長い時間の保持が可能となる。蓄積容量70によって、電圧保持特性が改善され、コントラスト比の高い画像表示が可能となる。
【0042】
図5は、一つの画素に着目した液晶パネルの模式的断面図である。
図5に示すように、TFTアレイ基板10には、画素電極9aが設けられており、その上側には、図1のフローに従ってラビング処理が施された配向膜16が設けられている。画素電極9aは、例えばITO(Indium Tin Oxide)膜等の透明導電性膜からなる。他方、対向基板20には、その全面に渡って対向電極21が設けられており、その下側には、図1のフローに従ってラビング処理が施された配向膜22が設けられている。対向電極21もまた、上述の画素電極9aと同様に、例えばITO膜等の透明導電性膜からなる。なお、前記の配向膜16及び22は、例えば、ポリイミド膜等の透明な有機膜からなる。
【0043】
一方、前記画素電極9aは、TFTアレイ基板10上に、マトリクス状に複数設けられており、画素電極9aの縦横の境界に各々沿ってデータ線6a及び走査線3aが設けられている。データ線6aは、アルミニウム膜等の金属膜あるいは合金膜からなる。また、走査線3aは、半導体層1aのうち図中右上がりの斜線領域で示したチャネル領域1a′に対向するように配置されており、走査線3aはゲート電極として機能する。すなわち、走査線3aとデータ線6aとの交差する箇所にはそれぞれ、チャネル領域1a′に走査線3aの本線部がゲート電極として対向配置された画素スイッチング用のTFT30が設けられている。
【0044】
TFT30は、図5に示すように、LDD(Lightly Doped Drain)構造を有しており、その構成要素としては、上述したようにゲート電極として機能する走査線3a、例えばポリシリコン膜からなり走査線3aからの電界によりチャネルが形成される半導体層1aのチャネル領域1a′、走査線3aと半導体層1aとを絶縁するゲート絶縁膜を含む絶縁膜2、半導体層1aにおける低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1c並びに高濃度ソース領域1d及び高濃度ドレイン領域1eを備えている。
【0045】
なお、TFT30は、好ましくは図5に示したようにLDD構造をもつが、低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1cに不純物の打ち込みを行わないオフセット構造をもってよいし、走査線3aの一部からなるゲート電極をマスクとして高濃度で不純物を打ち込み、自己整合的に高濃度ソース領域及び高濃度ドレイン領域を形成するセルフアライン型のTFTであってもよい。また、第1実施形態では、画素スイッチング用TFT30のゲート電極を、高濃度ソース領域1d及び高濃度ドレイン領域1e間に1個のみ配置したシングルゲート構造としたが、これらの間に2個以上のゲート電極を配置してもよい。このようにデュアルゲート、あるいはトリプルゲート以上でTFTを構成すれば、チャネルとソース及びドレイン領域との接合部のリーク電流を防止でき、オフ時の電流を低減することができる。さらに、TFT30を構成する半導体層1aは非単結晶層でも単結晶層でも構わない。単結晶層の形成には、貼り合わせ法等の公知の方法を用いることができる。半導体層1aを単結晶層とすることで、特に周辺回路の高性能化を図ることができる。
【0046】
一方、図5においては、蓄積容量70が、TFT30の高濃度ドレイン領域1e及び画素電極9aに接続された画素電位側容量電極としての中継層71と、固定電位側容量電極としての容量線300の一部とが、誘電体膜75を介して対向配置されることにより形成されている。この蓄積容量70によれば、画素電極9aにおける電位保持特性を顕著に高めることが可能となる。
【0047】
中継層71は、例えば導電性のポリシリコン膜からなり画素電位側容量電極として機能する。ただし、中継層71は、後述する容量線300と同様に、金属又は合金を含む単一層膜又は多層膜から構成してもよい。中継層71は、画素電位側容量電極としての機能のほか、コンタクトホール83及び85を介して、画素電極9aとTFT30の高濃度ドレイン領域1eとを中継接続する機能をもつ。
【0048】
このような中継層71を利用すれば、層間距離が例えば2000nm程度と長くても、両者間を一つのコンタクトホールで接続する技術的困難性を回避しつつ、比較的小径の二つ以上の直列なコンタクトホールで両者間を良好に接続することができ、画素開口率を高めることが可能となる。また、コンタクトホール開孔時におけるエッチングの突き抜け防止にも役立つ。
【0049】
容量線300は、例えば金属又は合金を含む導電膜からなり固定電位側容量電極として機能する。この容量線300は、平面的に見ると、走査線3aの形成領域に重ねて形成されている。より具体的には容量線300は、走査線3aに沿って延びる本線部と、データ線6aと交差する各個所からデータ線6aに沿って上方に夫々突出した突出部と、コンタクトホール85に対応する個所が僅かに括れた括れ部とを備えている。このうち突出部は、走査線3a上の領域及びデータ線6a下の領域を利用して、蓄積容量70の形成領域の増大に貢献する。
【0050】
このような容量線300は、好ましくは高融点金属を含む導電性遮光膜からなり、蓄積容量70の固定電位側容量電極としての機能のほか、TFT30の上側において入射光からTFT30を遮光する遮光層としての機能をもつ。
【0051】
また、容量線300は、好ましくは、画素電極9aが配置された画像表示領域10aからその周囲に延設され、定電位源と電気的に接続されて、固定電位とされる。このような定電位源としては、データ線駆動回路101に供給される正電源や負電源の定電位源でもよいし、対向基板20の対向電極21に供給される定電位でも構わない。
【0052】
誘電体膜75は、図5に示すように、例えば膜厚5〜200nm程度の比較的薄いHTO(High Temperature Oxide)膜、LTO(Low Temperature Oxide)膜等の酸化シリコン膜、あるいは窒化シリコン膜等から構成される。蓄積容量70を増大させる観点からは、膜の信頼性が十分に得られる限りにおいて、誘電体膜75は薄いほどよい。
【0053】
なお、前記第2層間絶縁膜42は、後述する第1層間絶縁膜41上に形成された蓄積容量70の上に形成された絶縁膜であり、コンタクトホール85の他、TFT30の高濃度ソース領域1dとデータ線6aとを電気的に接続するコンタクトホール81もまた穿設されている。また、前記第3層間絶縁膜43は、第2層間絶縁膜42上に形成されたデータ線6aの上に形成された絶縁膜である。ちなみに、いずれについても、例えば、シリケートガラス膜、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜等からなる。また、第2及び第3層間絶縁膜42及び43のいずれについても、その厚さは、例えば約500〜1500nm程度とするとよい。
【0054】
また、このようなコンタクトホール85は、充填材401、及び、該コンタクトホール85が形成される第3層間絶縁膜43の表面が、ともに平坦化処理を受けており、図5に示すように、コンタクトホール85を含む第3層間絶縁膜43の表面はすべてが平坦な面となっている。
【0055】
平坦な面を形成するための平坦化処理としては、例えば、CMP(Chemical Mechanical Polishing)処理、あるいはエッチバック処理等があるが、その他、種々の平坦化技術を利用してよいことは勿論である。
【0056】
なお、CMP処理とは、一般に、被処理基板と研磨布(パッド)の両者を回転等させながら、それぞれの表面同士を当接させるとともに、該当接部位にシリカ粒等を含んだ研磨液(スラリー)を供給することによって、被処理基板表面を、機械的作用と化学作用の兼ね合いにより研磨することで、当該表面を平坦化する技術である。
【0057】
また、エッチバック処理とは、一般に、凹凸を有する表面上に、フォトレジストやSOG(Spin On Glass)膜等の平坦性を有する膜を犠牲膜として形成した後、この犠牲膜に対するエッチング処理を前記凹凸が存在する表面に至るまで実行する(これにより、凹凸はいわば「均される」ことになる。)ことで、当該表面を平坦化する技術である。
【0058】
図5においては、上記のほか、TFT30の下側に、下側遮光膜11aが設けられている。下側遮光膜11aは、格子状にパターニングされており、これにより各画素の開口領域を規定している。なお、開口領域の規定は、縦方向に延びるデータ線6aと横方向に延びる容量線300とが相交差して形成されることによっても、なされている。また、下側遮光膜11aについても、前述の容量線300の場合と同様に、その電位変動がTFT30に対して悪影響を及ぼすことを避けるために、画像表示領域からその周囲に延設して定電位源に接続するとよい。
【0059】
また、TFT30下には、下地絶縁膜12が設けられている。下地絶縁膜12は、下側遮光膜11aからTFT30を層間絶縁する機能のほか、TFTアレイ基板10の全面に形成されることにより、TFTアレイ基板10の表面研磨時における荒れや、洗浄後に残る汚れ等で画素スイッチング用のTFT30の特性変化を防止する機能を有する。
【0060】
加えて、走査線3a上には、高濃度ソース領域1dへ通じるコンタクトホール81及び高濃度ドレイン領域1eへ通じるコンタクトホール83がそれぞれ開孔された第1層間絶縁膜41が形成されている。
【0061】
図3及び図4に示すように、対向基板20には表示領域を区画する額縁としての遮光膜42が設けられている。遮光膜42は例えば遮光膜23と同一又は異なる遮光性材料によって形成されている。
【0062】
遮光膜42の外側の領域に液晶を封入するシール材41が、TFT基板10と対向基板20間に形成されている。シール材41は対向基板20の輪郭形状に略一致するように配置され、TFT基板10と対向基板20を相互に固着する。シール材41は、TFT基板10の1辺の一部において欠落しており、貼り合わされたTFT基板10及び対向基板20相互の間隙には、液晶50を注入するための液晶注入口78が形成される。液晶注入口78より液晶が注入された後、液晶注入口78を封止材79で封止するようになっている。
【0063】
TFT基板10のシール材41の外側の領域には、データ線駆動回路61及び実装端子62がTFT基板10の一辺に沿って設けられており、この一辺に隣接する2辺に沿って、走査線駆動回路63が設けられている。TFT基板10の残る一辺には、画面表示領域の両側に設けられた走査線駆動回路63間を接続するための複数の配線64が設けられている。また、対向基板20のコーナー部の少なくとも1箇所においては、TFT基板10と対向基板20との間を電気的に導通させるための導通材65が設けられている。
【0064】
図6はTFT基板10及び対向基板20に対してラビング処理を施すラビング装置を示している。図6において、ラビング装置は、ラビングステージ81及びラビングロール83を有している。ラビングステージ81上には液晶基板82が載置されるようになっている。基板82は、例えば、貼り合わせ前のポリイミド塗布後のTFT基板10(図5参照)又は対向基板20であり、配向膜が平坦化されている。なお、対向基板20については図示しないパレット上に複数個載置された状態でラビングが行われることがある。ラビングステージ81とラビングロール83とは相対的に移動自在であり、図6では、例えば、ラビングステージ81がラビングロール83に対して矢印にて示す水平方向に相対的に移動することを示している。
【0065】
ラビングステージ81の移動によって、液晶基板82はその表面に平行で、ラビングロール83の回転軸に略垂直な方向に移動自在である。液晶基板82の搬送路の上方に、ラビングロール83が設けられている。
【0066】
ラビングロール83は、円柱形状に構成され、円中心を軸にして周方向に回動自在である。ラビングロール83の周面には、例えばレーヨンで形成されたラビング布88が取り付けられている。ラビングステージ81及びラビングロール83の少なくとも一方は垂直方向にも移動自在である。図6の例では、ラビングステージ81が垂直方向に移動自在である例を示している。
【0067】
ラビングステージ81の水平及び垂直方向の移動は、夫々基板面方向移動モータ92及び上下移動モータ91によって行われるようになっている。基板面方向移動モータ92は、制御回路90に制御されて、ラビングステージ81を水平方向(基板面方向)に駆動する。また、上下移動モータ91は、制御回路90に制御されて、ラビングステージ81を垂直方向に駆動する。
【0068】
制御回路90は、ラビングステージ81の垂直方向の移動を制御することによって、後述する押し込み量等を制御してラビング強度を最適値に設定するようになっている。押し込み量を監視するために、CCD84及び照明ユニット85が設けられている。
【0069】
ラビング時におけるラビングステージ81の上方であって、液晶基板82及びラビングロール83から外れた位置には、液晶基板82及びラビングロール83を挟んだ両側に照明ユニット85及びCCD84が設けられている。照明ユニット85は、略水平に照明光を出射することができ、垂直方向には、少なくとも液晶基板82の表面とラビングロール83の周面下端との間よりも広い範囲を照明することができるようになっている。例えば、照明ユニット85は、液晶基板82の表面に平行な平行光を出射するレーザー光出射装置によって構成される。
【0070】
ラビングロール83の周面下端が液晶基板82の表面に当接していない状態では、ラビングステージ81の一端上の照明ユニット85からの照明光は、液晶基板82とラビングロール83との間を通過して、ラビングステージ81の他端上のCCD84の撮像面に導かれるようになっている。CCD84は、垂直方向に所定数の画素数を有しており、少なくとも液晶基板82の表面とラビングロール83の周面下端との間よりも広い範囲を撮像することができるようになっている。照明ユニット85からの光が液晶基板82表面に平行な平行光であるものとすると、CCD84に入射した光の垂直方向の幅が、液晶基板82表面とラビングロール83周面下端との間の距離に一致する。
【0071】
照明ユニット85からの照明光は、液晶基板82表面とラビングロール83周面下端との間を通過してCCD84の撮像面に導かれる。CCD84の検出画像は、光が直接供給される画像中央部分(斜線部)と直接光が入射しない画像上下部分とに分割される。CCD84からの検出画像は距離検出回路86に供給される。距離検出回路86は、例えば、直接光が入射した画像中央部分の垂直方向画素数によって、液晶基板82表面とラビングロール83周面下端との間の距離を検出する。距離検出回路86は距離検出結果をコンピュータ87に出力する。コンピュータ87は、距離検出結果に基づいて、所望の押し込み量を得るために必要なステージ81の垂直方向位置を算出するようになっている。
【0072】
本実施の形態においては、コンピュータ87には、ラビングしようとする液晶基板82がTFT基板10であるか対向基板20であるかを示す情報が与えられるようになっている。コンピュータ87は、TFT基板10の配向膜16をラビングする場合には、ラビング密度が比較的大きな値となるように制御回路90を制御し、対向基板20の配向膜22をラビングする場合には、ラビング密度が比較的小さい値となるように制御回路90を制御する。
【0073】
制御回路90は、コンピュータ87に制御されて、上下移動モータ91及び基板面方向移動モータ92を駆動して、下記(1)式で与えられるラビング密度がコンピュータ87が決定した設定値となるように、モータ91,92を制御するようになっている。
【0074】
ラビング密度RS=NM(2πRf/V−1) …(1)
なお、N:擦り回数、M:ロール押し込み量、R:ロール径、f:ロール回転数、V:送り速度(テーブル速度)である。
【0075】
従って、N:擦り回数が多いほど、M:ロール押し込み量が大きいほど、R:ロール径が大きいほど、f:ロール回転数が多いほど、V:送り速度(テーブル速度)が小さいほどラビング密度は高くなる。
【0076】
次に、図7を参照してパネル組立工程について説明する。TFT基板10と対向基板20とは、別々に製造される。ステップS1 ,S6 で夫々用意されたTFT基板及び対向基板20に対して、次のステップS2 ,S7 では、配向膜16,22となるポリイミドを塗布する。次に、ステップS3 ,S8 において、TFT基板10表面の配向膜16及び対向基板20表面の配向膜22に対して、ラビング処理を施す。
【0077】
次に、図1を参照して具体的なラビング工程について説明する。図1は図7のステップS3 ,S8 のラビング工程を具体的に示している。
【0078】
先ず、図1のステップS21において、ラビング装置のコンピュータ87に対して、ラビングしようとする基板の種類をセットする。次に、ステップS22において、配向膜となるポリイミドが塗布された基板82を、ラビングステージ81上に載置して表面に吸着させる。
【0079】
本実施の形態においては、次のステップS23において、コンピュータ87は、設定された基板82がTFT基板であるか対向基板であるかを判定する。コンピュータ87は、設定された基板の種類に応じて、ラビング密度の設定を変更する。
【0080】
いま、例えば、TFT基板をラビングするものとする。この場合には、コンピュータ87は、ステップS24においてラビング密度大の設定を行う。即ち、コンピュータ87は制御回路90に対してラビング密度が大きくなるようにモータ91,92を駆動させる。制御回路90は、擦り回数を大きくするか、ロール押し込み量を大きくするか、ロール回転数を多くするか、送り速度を小さくするか、またはこれらの制御を組み合わせて、ラビング密度を大きくする。
【0081】
ステップS26において、上下移動モータ91は、制御回路90に制御されて、ラビングステージ81を所定の垂直位置まで移動させる。制御回路90は、ラビングロール83を回転させ、基板面方向移動モータ92は、ラビングステージ81を水平に移動させる。こうして、ラビングロール83の周面のラビング布88によって液晶基板82表面の配向膜が擦られて、ラビング処理が行われる(ステップS27)。
【0082】
一方、対向基板をラビングする場合には、コンピュータ87は、ステップS25においてラビング密度小の設定を行う。即ち、コンピュータ87は制御回路90に対してラビング密度が小さくなるようにモータ91,92を駆動させる。制御回路90は、擦り回数を小さくするか、ロール押し込み量を小さくするか、ロール回転数を少なくするか、送り速度を大きくするか、またはこれらの制御を組み合わせて、ラビング密度を小さくする。ステップS26,S27において、ラビング密度が小の設定で、ラビングステージ81が移動し、ラビングローラ83が回転して、液晶基板82表面の配向膜に対するラビング処理が行われる。
【0083】
このようにラビング処理が施されたTFT基板10及び対向基板20に対して、夫々次のステップS4 ,S9 において、洗浄工程が行われる。この洗浄工程は、ラビング処理によって生じた塵埃を除去するためのものである。洗浄工程が終了すると、ステップS5 において、シール材41、及び導通材65(図3参照)を形成する。次に、ステップS10で、TFT基板10と対向基板20とを貼り合わせ、ステップS11でアライメントを施しながら圧着し、シール材41を硬化させる。最後に、ステップS12において、シール材41の一部に設けた切り欠きから液晶を封入し、切り欠きを塞いで液晶を封止する。
【0084】
このように構成された液晶装置は、TFT基板10の配向膜16のラビング状態は密であり、対向基板20の配向膜22のラビング状態は粗である。上述したように、ラビング密度が大きい程、配向膜表面に負イオンが吸着されやすい。従って、TFT基板10の配向膜16は対向基板20の配向膜22に対して負に帯電し易い。
【0085】
一方、液晶装置を反転駆動した場合には、上述したように、TFT素子の光リーク電流によって、TFT基板10の画素電極9aは対向基板20の対向電極21に対して正に帯電しやすい。しかし、この場合でも、本実施の形態においては、予め配向膜16側を配向膜22よりも負に帯電しやすく構成していることから、光リーク電流による直流成分を相殺することができる。これにより、焼き付き現象の発生が防止される。
【0086】
図8は本発明の第2の実施の形態を示すフローチャートである。
【0087】
第1の実施の形態においては、TFT基板と対向基板とでラビング密度を相互に異ならせることによってTFT基板10の配向膜16側を負に帯電させ、これにより、光リーク電流による直流成分を相殺して焼き付き現象を防止した。これに対し、本実施の形態は、配向膜の焼成温度をTFT基板と対向基板とで相互に異ならせることによって、光リーク電流による直流成分を相殺して焼き付き現象を防止するものである。
【0088】
本実施の形態は図7のステップS2 ,S7 の配向膜形成工程において図8に示すフローを採用して焼成温度の制御を行っている。なお、本実施の形態においては、図7のステップS3 ,S6 のラビング工程においてはラビング密度の制御を特に行う必要はない。
【0089】
先ず、図8のステップS31において、画素電極9a形成後のTFT基板10又は対向電極21形成後の対向基板20に対して、例えばスピン塗布によって、配向膜16,22となるポリイミドを塗布する。次に、ステップS32において、ポリイミド塗布後のTFT基板10又は対向基板21を乾燥炉に搬入してプリベークを施す。これにより、ポリイミドの凹凸を均一化する。
【0090】
本実施の形態においては、配向膜を形成する基板がTFT基板であるか対向基板であるかによって、焼成温度の設定を変更する。即ち、TFT基板10である場合には、ステップS33からステップS34に移行して焼成温度大の設定を行う。一方、対向基板20である場合には、ステップS35において焼成温度小の設定を行う。
【0091】
次のステップS36においてはプリベーク終了後の基板を焼成炉に搬入して、設定された焼成温度で焼成を行って(ステップS37)、配向膜16,22を形成する。この場合には、TFT基板10に対する焼成温度は高く、対向基板20に対する焼成温度は低い。即ち、TFT基板10のポリイミドについては、膜中の残留溶媒が比較的少なく、対向基板20のポリイミドについては、膜中の残留溶媒が比較的多い。このように配向膜が形成されたTFT基板10及び対向基板20に対して、夫々次のステップS4 ,S9 以降の工程が実施されて、液晶装置が組み立てられる。
【0092】
このように構成された液晶装置は、TFT基板10の配向膜16の分子のオーダーパラメータは低く、対向基板20の配向膜22の分子のオーダーパラメータは高い。配向膜の膜中の残留溶媒が少なく配向膜分子のオーダーパラメータが低いほど、配向膜表面に負イオンが吸着されやすい。従って、TFT基板10の配向膜16は対向基板20の配向膜22に対して負に帯電し易い。
【0093】
従って、本実施の形態においても、光リーク電流による直流成分を相殺することができる。これにより、焼き付き現象が発生することを防止することができる。
【0094】
図9は本発明の第3の実施の形態を示すフローチャートである。図9において図1と同一の手順には同一符号を付して説明を省略する。また、図10は第3の実施の形態を用いて製造された液晶装置の画素構造を詳細に示す断面図である。
【0095】
本実施の形態は、配向膜が平坦化されていない液晶装置に適用したものである。
図10において、ガラスや石英等のTFT基板110には、TFT基板完成時の段差形状を調整するために溝111が形成されている。この溝111上に遮光膜112及び第1層間絶縁膜113を介してLDD構造をなすTFT130が形成されている。溝111によって、TFT基板の液晶150との境界面が平坦化される。
【0096】
TFT130は、チャネル領域101a、ソース領域101d、ドレイン領域101eが形成された半導体層に絶縁膜102を介してゲート電極をなす走査線103aが設けられてなる。なお、遮光膜112は、TFT130の形成領域に対応する領域、後述するデータ線106a及び走査線103a等の形成領域、即ち各画素の非表示領域に対応した領域に形成されている。この遮光膜112によって、反射光がTFT130のチャネル領域101a、ソース領域101d及びドレイン領域101eに入射することが防止される。
【0097】
TFT130上には第2層間絶縁膜114が積層され、第2層間絶縁膜114上には中間導電層115が形成されている。中間導電層115上には誘電体膜117を介して容量線118が対向配置されている。容量線118は、容量層と遮光層とからなり、中間導電層115との間で蓄積容量を構成すると共に、光の内部反射を防止する遮光機能を有する。半導体層に比較的近接した位置に中間導電層115を形成しており、光の乱反射を効率よく防止することができる。
【0098】
容量線118上には第3層間絶縁膜119が配置され、第3層間絶縁膜119上にはデータ線106aが積層される。データ線106aは、第3及び第2層間絶縁膜119,114を貫通するコンタクトホール124a,124bを介してソース領域101dに電気的に接続される。データ線106a上には第4層間絶縁膜125を介して画素電極109aが積層されている。画素電極109aは、第4〜第2層間絶縁膜125,119,114を貫通するコンタクトホール126a,126bにより容量線118を介してドレイン領域101eに電気的に接続される。画素電極109a上にはポリイミド系の高分子樹脂からなる配向膜116が積層され、図9のフローチャートに従って所定方向にラビング処理されている。
【0099】
走査線103a(ゲート電極)にON信号が供給されることで、チャネル領域101aが導通状態となり、ソース領域101dとドレイン領域101eとが接続されて、データ線106aに供給された画像信号が画素電極109aに与えられる。
【0100】
一方、対向基板120には、TFTアレイ基板のデータ線106a、走査線103a及びTFT130の形成領域に対向する領域、即ち各画素の非表示領域において第1遮光膜123が設けられている。この第1遮光膜123によって、対向基板120側からの入射光がTFT130のチャネル領域101a、ソース領域101d及びドレイン領域101eに入射することが防止される。第1遮光膜123上に、対向電極(共通電極)121が基板120全面に亘って形成されている。対向電極121上にポリイミド系の高分子樹脂からなる配向膜122が積層され、図9のフローチャートに従って所定方向にラビング処理されている。
【0101】
そして、TFT基板110と対向基板120との間に液晶150が封入されている。これにより、TFT130は所定のタイミングでデータ線106aから供給される画像信号を画素電極109aに書き込む。書き込まれた画素電極109aと対向電極121との電位差に応じて液晶150の分子集合の配向状態が変化して、光を変調し、階調表示を可能にする。
【0102】
図9においては、ステップS24,S25に夫々代えてステップS24′,S25′を採用した点が図1のラビング処理フローと異なる。即ち、本実施の形態においては、ラビングしようとする基板がTFT基板である場合にはラビング密度を小に設定し(ステップS24′)、ラビングしようとする基板が対向基板である場合にはラビング密度を大に設定する(ステップS25′)点が異なるのみである。
【0103】
従って、本実施の形態においては、ラビング処理によっては、対向側の配向膜の方がTFT基板側の配向膜よりも負に帯電しやすい。一方、配向膜の凹凸形状の点から見れば、TFT基板側の配向膜の方が対向基板側の配向膜よりも負に帯電しやすい。液晶装置の反転駆動時において、光リーク電流による影響がある場合でも、配向膜の凹凸形状の影響によって、TFT基板側の配向膜の方が対向基板側の配向膜よりも負に帯電しやすい。
【0104】
しかし、本実施の形態においては、ラビング処理によって、対向側の配向膜をTFT基板側の配向膜よりも負に帯電しやすく設定しており、液晶装置の反転駆動時における直流成分を相殺して、焼き付き現象を防止することができる。
【0105】
なお、第3の実施の形態においては、ラビング処理によって液晶装置の反転駆動時における直流成分を相殺する例について説明したが、平坦化されていない基板に配向膜が形成された場合の液晶装置に第2の実施の形態を適用して、焼成温度をTFT基板と対向基板とで変化させることによって、液晶装置の反転駆動時における直流成分を相殺してもよいことは明らかである。即ち、この場合には、図8のステップS35において焼成温度大の設定を行い、ステップS34において焼成温度小の設定を行えばよい。
【0106】
また、上記各実施の形態においては、TFT基板が平坦化されている場合には、TFT基板側の配向膜のラビング密度を大(焼成温度を大)にし、TFT基板が平坦化されていない場合には、対向基板側の配向膜のラビング密度を大(焼成温度を大)にしたが、最終的に液晶装置の反転駆動時における直流成分を相殺するようにTFT基板及び対向基板の配向膜の帯電状態を制御すればよく、TFT基板の凹凸形状によっては、ラビング密度及び焼成温度の設定が実施の形態と逆になることもあり、また、ラビング密度及び焼成温度の設定を適宜組み合わせて実施してもよいことは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る液晶装置の製造方法を示すフローチャート。
【図2】液晶装置の画素領域を構成する複数の画素における各種素子、配線等の等価回路図。
【図3】液晶装置を構成するTFT基板(素子基板)をその上に形成された各構成要素と共に対向基板側から見た平面図。
【図4】TFT基板と対向基板とを貼り合わせて液晶を封入する組立工程終了後の液晶装置を、図3のH−H'線の位置で切断して示す断面図。
【図5】液晶装置の画素構造を詳細に示す断面図。
【図6】ラビング装置を示す説明図。
【図7】パネル組立工程を示すフローチャート。
【図8】本発明の第2の実施の形態を示すフローチャート。
【図9】本発明の第3の実施の形態を示すフローチャート。
【図10】第3の実施の形態を用いて製造された液晶装置の画素構造を詳細に示す断面図。
【符号の説明】
S21…基板の種類設定工程、S22…基板搬入工程、S23…基板の種類判定工程、S24…ラビング密度大設定工程、S25…ラビング密度小設定工程、S26…ステージ移動工程、S27…ラビング処理工程。

Claims (12)

  1. 素子基板上に形成された配向膜に対するラビング処理時の第1のラビング密度と対向基板上に形成された配向膜に対するラビング処理時の第2のラビング密度とを、相互に異ならせたことを特徴とする液晶装置の製造方法。
  2. 前記素子基板が平坦化されている場合における素子基板上に配向膜が形成された場合には、前記第1のラビング密度を前記第2のラビング密度よりも大きく設定することを特徴とする請求項1に記載の液晶装置の製造方法。
  3. 前記素子基板が平坦化されていない場合における素子基板上に配向膜が形成された場合には、前記第1のラビング密度を前記第2のラビング密度よりも小さく設定することを特徴とする請求項1に記載の液晶装置の製造方法。
  4. 素子基板上に塗布された配向材料に対する焼成処理時の第1の焼成温度と対向基板上に塗布された配向材料に対する焼成処理時の第2の焼成温度とを、相互に異ならせたことを特徴とする液晶装置の製造方法。
  5. 前記素子基板が平坦化されている場合における素子基板上に配向材料を塗布する場合には、前記第1の焼成温度を前記第2の焼成温度よりも高く設定することを特徴とする請求項4に記載の液晶装置の製造方法。
  6. 前記素子基板が平坦化されていない場合における素子基板上に配向材料を塗布する場合には、前記第1の焼成温度を前記第2の焼成温度よりも低く設定することを特徴とする請求項4に記載の液晶装置の製造方法。
  7. ラビング状態が第1の粗密度合いの第1の配向膜が形成された素子基板と、
    ラビング状態が前記第1の粗密度合いとは異なる第2の粗密度合いの第2の配向膜が形成された対向基板と、
    前記素子基板と対向基板との間に封止される液晶とを具備したことを特徴とする液晶装置。
  8. 前記素子基板が平坦化されている場合における素子基板上に配向膜が形成された場合には、前記第1の配向膜は前記第2の配向膜よりも密のラビング状態を有することを特徴とする請求項7に記載の液晶装置。
  9. 前記素子基板上が平坦化されていない場合における素子基板上に配向膜が形成された場合には、前記第1の配向膜は前記第2の配向膜よりも粗のラビング状態を有することを特徴とする請求項7に記載の液晶装置。
  10. 第1の分子オーダーパラメータを有する第1の配向膜が形成された素子基板と、
    前記第1の分子オーダーパラメータとは異なる第2の分子オーダーパラメータを有する第2の配向膜が形成された対向基板と、
    前記素子基板と対向基板との間に封止される液晶とを具備したことを特徴とする液晶装置。
  11. 前記素子基板が平坦化されている場合における素子基板上に配向膜が形成された場合には、前記第1の分子オーダーパラメータは前記第2の分子オーダーパラメータよりも低いことを特徴とする請求項10に記載の液晶装置。
  12. 前記素子基板が平坦化されていない場合における素子基板上に配向膜が形成された場合には、前記第1の分子オーダーパラメータは前記第2の分子オーダーパラメータよりも高いことを特徴とする請求項10に記載の液晶装置。
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