JP2008233596A - 電気光学装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】製造プロセスを変更することなく、大型基板の製造工程における反りの発生を防止できるようにする。
【解決手段】分割可能な複数の素子基板10となる多層薄膜101が形成される大型基板100に、他の大型基板110を貼り合わせた後、素子基板10毎に分割して液晶装置1を製造するに際し、大型基板100の両面を予め湾曲加工して反り量δ1の湾曲面を形成しておく。次いで、この大型基板100の、多層薄膜101に発生する内部応力を相殺する方向に反っている面102aに多層薄膜101を成膜する。大型基板100は多層薄膜101の内部応力により反りが矯正されるため、ほぼ平坦な形状となる。
【選択図】図4
【解決手段】分割可能な複数の素子基板10となる多層薄膜101が形成される大型基板100に、他の大型基板110を貼り合わせた後、素子基板10毎に分割して液晶装置1を製造するに際し、大型基板100の両面を予め湾曲加工して反り量δ1の湾曲面を形成しておく。次いで、この大型基板100の、多層薄膜101に発生する内部応力を相殺する方向に反っている面102aに多層薄膜101を成膜する。大型基板100は多層薄膜101の内部応力により反りが矯正されるため、ほぼ平坦な形状となる。
【選択図】図4
Description
本発明は、複数のチップ状基板を形成する大型基板の製造工程における反りの発生を抑制する電気光学装置の製造方法に関する。
従来から、各種の電気光学装置のうち、電気光学物質として液晶を用いた液晶装置は、投射型表示装置のライトバルブや各種電子機器の表示装置等に広く採用されている。ここで、液晶装置は、対向基板と素子基板との間に液晶層を挟持して構成される。対向基板は、基板上に対向電極が配置されて構成される。一方、素子基板は、基板上に、互いに交差する複数の走査線と複数のデータ線が配設されていると共に、これらの走査線とデータ線との交差部毎に、スイッチング素子及び画素電極が配置されて構成される。
通常、素子基板は複数枚取りできる大型基板の状態で製造される。図7(a)に示すように、大判の基板(以下、「大型基板」と称する)100は、所定大きさ(例えばφ300[mm])の平坦な基板であり、この大型基板100上に、トランジスタや絶縁膜等から成る多層薄膜101を対応する素子基板毎に形成し、又、導電層と導電層との間に介装する層間絶縁膜を大型基板100のほぼ全体に亘って形成する。
この多層薄膜101は、洗浄、成膜、パターンニングの繰り返しで積層形成されるが、その製造プロセスにおいて行う熱処理等の影響で、多層薄膜101に内部応力が発生し、この内部応力が大型基板100の強度を上回ると、図7(b)に示すように、基板全体に、反り量δの反りが発生する。
基板全体に発生する反りにより、全ての製品が直ちに製品不良を起因するものではない。しかし、大型基板100の反り量δが大きいと、この大型基板100を、ステージ上に載置して、真空吸着、或いは静電吸着させることが困難となる。
又、例えば、図8に示すように、複数の素子基板となる構成要素101aを有する大型基板100と、複数の対向基板となる構成要素111aが全面に形成された他方の大型基板110とを貼り合わせる、いわゆる大板組立方式を用いて液晶装置を製造する場合においても、大型基板100の反り量δが大きいと、以下のような問題が生じる。
すなわち、大板組立方式を用いて両基板100,110を貼り合わせるに際しては、先ず、両基板100,110に形成されているアライメントマーク100a,110aどうしを位置合わせする。このとき、図9(a)に示すように、素子基板10となる構成要素101aを有する大型基板100に大きな反りが発生していると、同図(b)に示すように、両基板100,110に所定の圧力を印加して貼り合わせる際に、大型基板100の反りが矯正される。大型基板100の反りは外力を受けて、その中心付近から周辺へ延伸されて矯正される。従って、同図(c)に示すように、両基板100,110が貼り合わされた状態では、その中心から外周方向へ移行するに従い、次第に位置ズレが生じるため、両基板100,110の中心付近に形成されている素子基板10となる構成要素101aと対向基板20の構成要素111aとは高精度に位置合わせされるが、外縁方向に形成されている素子基板10となる構成要素101aと対向基板20の構成要素111aとの間の誤差が次第に大きくなる。
この対策として、例えば特許文献1(特開平5−267293号公報)には、表面に圧縮応力を有する多層薄膜が形成されている基板の裏面に、多層薄膜の有する圧縮応力を相殺する圧縮応力を有する膜を形成することで、基板の反りを抑制するようにした技術が開示されている。
又、特許文献2(特開平10−32380号公報)には、基板にシール材を塗布するに際し、炉内のホットプレートに対し、基板の吸着と吸着解除とを繰り返すことで、基板に発生する反りを減少させることで、基板をホットプレートに全面で吸着できるようにした技術が開示されている。
特開平5−267293号公報
特開平10−32380号公報
特開2001−83885号公報
しかし、特許文献1に開示されている技術では、例えば大型基板から切り出された素子基板の裏面に、圧縮応力を相殺する膜が残されたままの状態では、素子基板の光透過率が低下してしまう問題がある。これに対処するには、大型基板どうしを貼り合わせた後、或いは各表示装置毎に切り出した後に、裏面の膜を除去する必要があるが、膜を除去するための工程が必要となり、製造工程が複雑化するばかりでなく、製品コストが高くなる問題がある。
又、特許文献2に開示されている技術は、大型基板の反りを低減させるために、大型基板をホットプレートで高温加熱しているが、この工程を既存の製造プロセスに組み込むには、工程の変更が必要となり、工程ロスが発生し、生産性が低下する問題がある。更に、例えば大型基板の多層薄膜にトランジスタが形成されている場合、このトランジスタを形成する拡散層等が高温加熱によりダメージを受けてしまう問題がある。
この対策として、例えば特許文献3(特開2001−83885号公報)には、対向基板側を素子基板側の反りに合わせて変形させることで、両基板間のギャップを一定にするようにした技術が提案されている。
しかし、特許文献3に開示されている技術では、対向基板を高精度に反らせる必要があるが、対向基板に熱を加えて変形させてもある程度の戻りがあるため、加熱温度、加熱時間、及び加圧力の管理が難しく、生産性が低下してしまう問題がある。
本発明は、上記事情に鑑み、既存の製造プロセスを変更することなく、工程ロス、生産性の低下を抑制し、更に、光透過率を低下させることもなく、加熱及び加圧の必要もなく、製品管理が容易で、大型基板が、その一方の表面に形成された多層薄膜の内部応力の影響を受けても大きく反ることのない電気光学装置の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため本発明による第1の電気光学装置の製造方法は、多層薄膜が形成された大型基板と他の基板とを貼り合わせ、該大型基板のチップ状基板毎に分断して電気光学装置を製造する電気光学装置の製造方法において、前記大型基板の両面を同一方向に湾曲加工して反りを形成する基板加工工程と、湾曲加工された前記大型基板の、前記多層薄膜に発生する内部応力を相殺する方向に反りが形成されている面に該多層薄膜を成膜する成膜工程とを備えることを特徴とする。
このような構成では、大型基板が、その一方の面に成膜される多層薄膜に発生する内部応力を相殺する方向に湾曲加工して反りを形成するようにしたので、大型基板に多層薄膜が成膜されると、多層薄膜の内部応力により大型基板の反りが矯正されてほぼ平坦な形状とすることができる。その結果、その後の、製造プロセスを変更することなく、大型基板の反りが矯正されるため、工程ロス、及び生産性の低下を抑制することができる。更に、大型基板は湾曲加工しただけであるため、新たな膜を成膜する必要が無く、その分、光透過率の低下を防止することができる。更に、大型基板の反りを矯正するために加熱及び加圧する必要もなく、製品管理が容易となる。
第2の電気光学装置の製造方法は、第1の電気光学装置の製造方法において、前記他の基板が他の大型基板であり、前記大型基板に前記多層薄膜を成膜した後、該大型基板に前記他の大型基板を貼り合わせる基板貼り合わせ工程を備えることを特徴とする。
このような構成では、大型基板の反りが矯正されているため、この大型基板に他の大型基板を貼り合わせても大きな位置ズレが生じることが無く、高い精度で位置合わせすることができる。
第3の電気光学装置の製造方法は、第1又は第2の電気光学装置の製造方法において、前記基板加工工程では、前記大型基板に対する湾曲加工をポリッシングにより行うことを特徴とする。
大型基板の湾曲加工を、大型基板を鏡面仕上げするポリッシングにより行うことで、製造工程の簡略化を実現することができる。
以下、図1〜図6の図面に基づいて本発明の一実施形態を説明する。図1は液晶装置の平面図であり、素子基板の上に形成された各構成要素と共に対向基板側から見た平面図、図2は素子基板と対向基板とを貼り合わせて液晶を封入する組立工程終了後の液晶装置を、図1のH−H’線の位置で切断して示す断面図、図3は図1及び図2の液晶装置を詳細に示す断面図である。
先ず、これらの図を参照して電気光学装置の代表である液晶装置1の構造について説明する。図1、図2に示すように、液晶装置1は、透明なチップ状基板としての素子基板(半導体基板)10と透明な対向基板20を有し、更に、この両基板10,20間に電気光学物質としての液晶50を挟持して構成されている。両基板10,20は、石英基板やガラス基板からなり、又、素子基板10上には画素を構成する画素電極等が、マトリクス状に配置される。
素子基板10上の画素領域には、複数本の走査線3aと複数本のデータ線6aとが交差するように配線され、走査線3aとデータ線6aとで区画された領域に画素電極9aがマトリクス状に配置されている(図3参照)。TFT(Thin Film Transistor)30は走査線3aのON信号によってオンとなり、これにより、データ線6aに供給された画像信号が画素電極9aに供給される。この画素電極9aと対向基板20に設けられた対向電極21(図3参照)との間の電圧が液晶50に印加される。液晶50は、印加される電圧レベルにより分子集合の配向や秩序が変化することで、光を変調し、階調表示を可能にする。
次に、ひとつの画素に着目して液晶装置1の構成を詳しく説明する。図3に示すように、素子基板10の対向基板20に対向する側の面(以下、「表面」と称する)には、格子状に溝11が形成されている。この溝11上に下側遮光膜12及び第1層間絶縁膜13a、第2層間絶縁膜13bを介してLDD(Lightly Doped Drain)構造をなすTFT30が形成されている。又、この溝11によって、素子基板10の液晶50との境界面が平坦化される。
TFT30は、チャネル領域1a、ソース領域1d、ドレイン領域1eが形成された半導体層に下層及び上層絶縁膜2a,2bを介してゲート電極をなす走査線3aが設けられてなる。なお、遮光膜12は、TFT30の形成領域に対応する領域、後述するデータ線6a及び走査線3a等の形成領域、即ち各画素の非表示領域に対応した領域に形成されている。この遮光膜12によって、反射光がTFT30のチャネル領域1a、ソース領域1d及びドレイン領域1eに入射することが防止される。
TFT30上には第3層間絶縁膜14が積層され、第3層間絶縁膜14上には中間導電層15が形成されている。中間導電層15上には誘電体膜17を介して容量線18が対向配置されている。容量線18は、容量層と遮光層とからなり、中間導電層15との間で蓄積容量を構成すると共に、光の内部反射を防止する遮光機能を有する。半導体層に比較的近接した位置に中間導電層15を形成しており、光の乱反射を効率よく防止することができる。
容量線18上には第4層間絶縁膜19を介してデータ線6aが積層されている。データ線6aは、第4及び第3層間絶縁膜19,14を貫通するコンタクトホール24a,24bを介してソース領域1dに電気的に接続される。データ線6a上には第5層間絶縁膜25を介して画素電極9aが積層されている。画素電極9aは、第5〜第3層間絶縁膜25,19,14を貫通するコンタクトホール26a,26bにより容量線18を介してドレイン領域1eに電気的に接続される。画素電極9a上にはポリイミド系の高分子樹脂からなる配向膜16が積層され、所定方向にラビング処理されている。
走査線3a(ゲート電極)にON信号が供給されることで、チャネル領域1aが導通状態となり、ソース領域1dとドレイン領域1eとが接続されて、データ線6aに供給された画像信号が画素電極9aに与えられる。
一方、対向基板20には、素子基板10のデータ線6a、走査線3a及びTFT30の形成領域に対向する領域、即ち各画素の非表示領域において第1遮光膜23が設けられている。この第1遮光膜23によって、対向基板20側からの入射光がTFT30のチャネル領域1a、ソース領域1d及びドレイン領域1eに入射することが防止される。第1遮光膜23上に、対向電極(共通電極)21が対向基板20全面に亘って形成されている。この対向電極21上にポリイミド系の高分子樹脂からなる配向膜22が積層され、所定方向にラビング処理されている。
これにより、TFT30は所定のタイミングでデータ線6aから供給される画像信号を画素電極9aに書き込む。書き込まれた画素電極9aと対向電極21との電位差に応じて液晶50の分子集合の配向や秩序が変化して、光を変調し、階調表示を可能にする。
図1、図2に示すように、対向基板20には表示領域を区画する額縁としての遮光膜42が設けられている。この遮光膜42の外側の領域に液晶を封入するシール材41が、素子基板10と対向基板20との間に形成されている。シール材41は対向基板20の輪郭形状に略一致するように配置され、素子基板10と対向基板20を相互に固着する。シール材41は、素子基板10の1辺の一部において欠落しており、貼り合わされた素子基板10及び対向基板20相互の間隙には、液晶50を注入するための液晶注入口78が形成される。液晶注入口78より液晶が注入された後、この液晶注入口78が封止材79で封止される。
素子基板10のシール材41の外側の領域には、データ線駆動回路61及び実装端子62が素子基板10の一辺に沿って設けられており、この一辺に隣接する2辺に沿って、走査線駆動回路63が設けられている。素子基板10の残る一辺には、画面表示領域の両側に設けられた走査線駆動回路63間を接続するための複数の配線64が設けられている。又、対向基板20のコーナー部の少なくとも1箇所においては、素子基板10と対向基板20との間を電気的に導通させるための導通材65が設けられている。
素子基板10の表面に形成されている絶縁膜、及び導電膜から成る多層薄膜101(図6参照)は、素子基板10を複数枚取りできる大型基板100の状態で一括して製造される。本実施形態で採用する大型基板100は、図4(c)に示すように、多層薄膜101に発生する内部応力を相殺する方向へ、反り量δ1だけ湾曲形成されている。
ところで、大型基板100上に形成される多層薄膜101の層構造は、ロット毎に決められており、従って、多層薄膜101に発生する内部応力もロット毎にほぼ一定している。内部応力は、多層薄膜101の組成により、大型基板100に対して引っ張り応力として作用する場合と、圧縮応力として作用する場合とがある。引っ張り応力は、大型基板100の多層薄膜101が成膜されている側の面を縮ませるように作用する応力であり、大型基板100は多層薄膜101の方向へ凹湾曲される。一方、圧縮応力は、多層薄膜101が成膜されている側の面を延ばすように作用する応力であり、大型基板100は多層薄膜101側に凸湾曲される。
尚、以下においては、便宜的に、多層薄膜101の内部応力により大型基板100に引っ張り応力が作用し、この大型基板100が多層薄膜101の方向へ凹湾曲される場合を例示して説明する。
次に、図4〜図6に基づき、本実施形態の液晶装置1の製造方法について説明する。先ず、大型基板100の製造過程について、図4の工程図を参照しながら説明する。
図4(a)に示すように、大型の基板から所定サイズ(例えばφ300[mm])に切り出された大型基板100の板厚t1は、少なくとも加工後の板厚t2に反り量δ1を加えた分だけ厚く形成されている。
そして、この大型基板100を、研磨装置に設けられている回転テーブル(図示せず)に載置固定する。図4(b)に示すように、研磨装置は回転する研磨ヘッド120を有し、この研磨ヘッド120のヘッド部120aに研磨パッド120bが固設されている。
先ず、回転テーブルを回転させ、この回転テーブルに載置固定されている大型基板100を、その中心を軸として回転させる。次いで、上方から、回転する研磨ヘッド120を下降させ、その下端に固設されている研磨パッド120bを、大型基板100の裏面(多層薄膜101が成膜されない面)102bに所定の圧力で押し付ける。その際、この裏面102bと研磨パッド120bとの間にスラリー研磨剤を供給する。
そして、スラリ研磨剤を介在させた状態で、研磨ヘッド120を、大型基板100の中心から外周方向へ、或いは外周方向から中心方向へ予め設定されている曲率に従って回転揺動させ、大型基板100の裏面102bに深さδ1の凹曲面を湾曲形成する。
その後、図4(c)に示すように、大型基板100を反転させ、裏面102bを下面にして、回転テーブルに載置固定し大型基板100を、その中心を軸として回転させる。そして、回転する研磨ヘッド120の下端に固設されている研磨パッド120bを、大型基板100の表面(多層薄膜101が成膜される面)102aに所定の圧力で押し付ける。
次いで、この表面102aと研磨パッド120bとの間にスラリー研磨剤を供給しながら、研磨ヘッド120を、大型基板100の中心から外周方向へ、或いは外周方向から中心方向へ予め設定されている曲率に従って回転揺動させ、大型基板100の表面102aに高さδ1の凸曲面を湾曲形成する。その結果、所定湾曲形状の大型基板100が形成される。
大型基板100の裏面102bに形成されている凹湾曲面と表面102aに形成されている凸湾曲面とは、同一の中心半径を有し、深さδ1と高さδ1とは同じ値に形成されている。従って、この湾曲形成された大型基板100が外圧により平坦化されると、板厚t2の平坦な大型基板100となる。従って、この深さδ1或いは高さδ1が、相対的な反り量となる。したがって、以下においては、この深さ(高さ)δ1を反り量δ1と総称して説明する。
尚、この研磨装置は、大型基板100を鏡面仕上げするポリッシング装置で代用しても良い。通常の鏡面仕上げに使用するポリッシング装置で大型基板100を湾曲加工することで、工程の簡略化が実現できる。この場合、研磨装置とポリッシング装置とを併用して、湾曲面を形成するようにしても良い。
次いで、この大型基板100を洗浄し、前処理工程へ搬送する。そして、前処理工程において、大型基板100の表面102aに、上述したような構成の素子基板10となる多層薄膜101を成膜する。又、他方の大型基板110(図8参照)の対向面に、複数の対向基板20となる多層薄膜111を全面に亘って成膜する。
次に、液晶装置1の製造方法を、図5に示すフローチャートを参照しながら説明する。先ず、素子基板10を複数枚取りする大型基板100の製造工程について説明する。
ステップS1において、先ず、大型基板100の表面102aに、画素電極9a等の素子基板10となる構成要素101a(図8参照)を、所定間隔毎に複数成膜する。尚、この各構成要素101aに形成されている層間絶縁膜等の絶縁層は大型基板100全体に亘って形成されているため、本実施形態では、大型基板100全体に形成された薄膜を示すときは、これを多層薄膜101と称して説明する。
図6(a)に示すように、大型基板100の表面102aは、多層薄膜101が成膜されたときの反り量δ(図7参照)を相殺する反り量δ1に形成されているため、同図(b)に示すように、大型基板100の表面102aに多層薄膜101が形成されると、この多層薄膜101の内部応力により大型基板100に引っ張り応力が作用し、大型基板100が平坦となる方向へ変形される。その結果、大型基板100の反りは、従来の反り量δよりも遙かに小さい反り量δ1とすることができる。
その後、ステップS2で、大型基板100の表面102a上に配向膜16を全面に亘って形成し、ステップS3で、この配向膜16に対してラビング処理を施し、ステップS4で、大型基板100を洗浄して、ラビング処理によって生じた塵埃を除去する。ラビング処理を施す際に、大型基板100はパレットに対して真空吸着等により吸着保持された状態で移相されるが、このときの大型基板100はほぼ平坦であるため、良好な吸着性を得ることが出来る。尚、多層薄膜101が成膜される前の大型基板100は、湾曲形状に予め形成されているが、多層薄膜101を成膜する前処理工程、特に配向膜16が形成される前の工程までは、大型基板100を吸着する製造プロセスが無いため、大型基板100が湾曲されていても問題はない。
次いで、ステップS5へ進み、大型基板100の外周、及び素子基板10となる各構成要素101aにシール材41を塗布する。このシール材41は接着剤であり、後述する他方の大型基板110を貼り合わせた際に、このシール材41を介して両基板100,110の貼り合わせ状態が保持される。
次に、対向基板20となる他の大型基板110の製造工程について説明する。先ず、ステップS7で、大型基板110の対向面に、既知の成膜工程により対向電極21等の対向基板20の構成要素111a(図8参照)を全面に亘って成膜する。
次いで、ステップS8で大型基板110の対向面全体に配向膜22を形成し、ステップS9で、配向膜22にラビング処理を施す。そして、ステップS10で、他の大型基板110を洗浄して、ラビング処理によって生じた塵埃を除去する。
次いで、ステップS11以降で後処理工程が行われる。ステップS11では、前処理工程の終了した両大型基板100,110を、図6(c)、図8に示すように、両基板100,110に形成されたアライメントマーク100a,110aを基準に位置合わせした状態で、貼り合わせ、ステップS12において、アライメントマーク100a,110aを位置合わせした状態(例えばアライメント誤差1μ以内)で、加圧ヘッドにより所定圧力で圧着する。
その際、図6(d)に示すように、大型基板100は加圧ヘッドの圧力により、ほぼ平坦な形状に矯正されるが、大型基板100は、平坦に近い反り量δ2に収められているため、大型基板100の中心から比較的離れた位置の素子基板10となる構成要素101aと、これに対向する他の大型基板110に形成された対向基板20の構成要素111aとの間で大きな位置ズレを生じることなく、高い精度で位置合わせすることができる。
その後、ステップS13において、互いに貼り合わされた大型基板100,110を焼成炉へ搬送し、ステップS14で、焼成炉を用いて、例えば温度100°の雰囲気下において熱焼成を行い、シール材41を硬化させる。そして、シール材41を所定に硬化させた後、ステップS15で、互いに貼り合わされた大型基板100,110を、図8においては、オリフラの形成されている部位から反対の端縁方向へ短冊状に切断する。次いで、ステップS16へ進み、各短冊状の分割基板に形成された素子基板10と対向基板(図8では4個)との間に配置されたシール材41の液晶注入口78(図1参照)から液晶を注入し、ステップS17で、液晶注入口を封止材79(図1参照)を用いて封止して、ステップS8で封止材79を硬化させる。その後、短冊状に形成された分割基板を、液晶装置1毎に分断して製造を完了する。
このように、本実施形態では、大型基板100が、多層薄膜101の内部応力の影響で発生する反り量δを見越して、予めこの反り量δを相殺する反り量δ1を有する湾曲状に加工されているので、大型基板100に多層薄膜101が成膜されると、大型基板100はほぼ平坦に近い反り量δ2内に収めることが出来る。その結果、板組立方式を用いて両基板100,110を貼り合わせる場合であっても、互いに対応する素子基板10と対向基板20とを高い精度で位置合わせすることができ、製品の品質をより向上させることができる。
又、大型基板100の反り量δ1は、大型基板100自体の加工により形成されているので、高い精度で形成することができ、製品管理が容易となるばかりでなく、大型基板100に多層薄膜101を成膜させた際の、最大反り量δ2をほぼ平坦に近い値とすることができる。又、大型基板100は、多層薄膜101を成膜する前に湾曲加工されているため、製造プロセス中に大型基板の反りを矯正する加熱及び加圧等の工程を追加する必要がないので、工程ロス、生産性の低下を抑制することができる。
更に、素子基板10の背面に、反りを相殺するための薄膜を形成する必要がないので、光透過率の低下を回避することができる。
本発明による電気光学装置は、TFTアクティブマトリクス駆動方式の液晶装置に限らず、パッシブマトリックス型の液晶装置、TFD(薄型ダイオード)をスイッチング素子として備えた液晶装置に適用することができる。
1…液晶装置、10…素子基板、δ,δ1…反り量、100,110…大型基板、100a,110a…アライメントマーク、101,111…多層薄膜、101a,111a…構成要素、102a…表面、102b…裏面、120…研磨ヘッド、120a…ヘッド部、120b…研磨パッド、t1,t2…板厚
Claims (3)
- 多層薄膜が形成された大型基板と他の基板とを貼り合わせ、該大型基板のチップ状基板毎に分断して電気光学装置を製造する電気光学装置の製造方法において、
前記大型基板の両面を同一方向に湾曲加工して反りを形成する基板加工工程と、
湾曲加工された前記大型基板の、前記多層薄膜に発生する内部応力を相殺する方向に反りが形成されている面に該多層薄膜を成膜する成膜工程と
を備えることを特徴とする電気光学装置の製造方法。 - 前記他の基板が他の大型基板であり、
前記大型基板に前記多層薄膜を成膜した後、該大型基板に前記他の大型基板を貼り合わせる基板貼り合わせ工程を備えることを特徴とする請求項1記載の電気光学装置の製造方法。 - 前記基板加工工程では、前記大型基板に対する湾曲加工をポリッシングにより行うことを特徴とする請求項1又は2記載の電気光学装置の製造方法。
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JP2007074139A JP2008233596A (ja) | 2007-03-22 | 2007-03-22 | 電気光学装置の製造方法 |
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WO2016082337A1 (zh) * | 2014-11-28 | 2016-06-02 | 深圳市华星光电技术有限公司 | 曲率可调节的显示装置 |
CN108054177A (zh) * | 2017-11-30 | 2018-05-18 | 德淮半导体有限公司 | 半导体结构及其形成方法 |
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2007
- 2007-03-22 JP JP2007074139A patent/JP2008233596A/ja not_active Withdrawn
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