JP4069584B2 - 物体浮揚搬送装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば音波等の放射圧を用いて物体を浮揚状態で搬送する物体浮揚搬送装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の物体浮揚搬送装置は、例えば特開平7−137824号公報、特開平9−202425公報等に開示されている。これらの装置では、長尺の平板状の振動体を使用し、該振動体の一端に加振側の振動子を設けるとともに、他端に受波側の振動子を設ける。そして、加振側の振動子を電源に接続して励振させ、振動体に進行波を発生させてその放射圧により振動体の表面上で物体を浮揚させた状態で搬送する。振動体に進行波を発生させるため、受波側の振動子には、振動子の振動エネルギーを電気エネルギーに変換し、抵抗で熱として消費する負荷回路が設けられている。
【0003】
また、特開平9−202425公報には、長尺の振動体の両端部に設けられた振動子を、それぞれ加振側(駆動側)の振動子としての機能を果たす状態と、受信側の振動子としての機能を果たす状態とに変更可能な構成とし、進行波の進行方向を切り換え可能な装置が開示されている。この装置では、振動体の両端部に設けられた振動子と電源との接続を有接点リレーを使用して切り換えることにより、いずれか一方が加振側に、他方が受波側に設定される。
【0004】
また、特開昭61−7126号公報及び特開昭61−221582号公報には、超音波リニアモータにおいて、受波用振動子の振動エネルギーを電気エネルギーに変換し、そのエネルギーを駆動側の振動子の励振エネルギーに使用する装置が開示されている。
【0005】
例えば、特開昭61−221582号公報に開示された装置では、図6に示すように、移動子50を振動させる伝送棒51の一端に駆動用振動子52が連結され、他端に受波用振動子53がそれぞれ連結されている。各振動子52,53はランジュバン振動子54とホーン55とがボルト締めされて構成され、駆動用振動子52は駆動用発振器56及び移相制御回路57に電気的に接続され、受波用振動子53は移相制御回路57に電気的に接続されている。また、両振動子52,53は整合用インダクタ58に接続されている。
【0006】
この装置では、駆動用振動子52の振動により励振された伝送棒51を介して受波用振動子53が振動され、受波用振動子53で振動エネルギーが電気エネルギーに変換され、そのエネルギーが移相制御回路57を介して駆動用振動子52の励振エネルギーの一部として使用される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
特開平9−202425公報等に開示された物体浮揚搬送装置では、受波側となる振動子に振動体から伝達される振動エネルギーは、負荷回路で電気エネルギーに変換されるとともに、抵抗で熱エネルギーとして消費される。従って、駆動側の振動子から振動体に加えられた振動エネルギーの大部分が熱エネルギーとして消費されることになり、システム全体としてエネルギー効率が悪いという問題がある。
【0008】
また、特開平9−202425公報に開示された物体浮揚搬送装置では、電源と振動子との接続状態の切換を有接点リレーを使用して行うことにより、進行波の進行方向を切り換えることにより、物体の搬送方向の変更が可能となっている。しかし、振動子には高電圧が印加されるため、高耐圧のリレーを必要とするとともに、リレーの接点の切換が頻繁に行われるとリレーの寿命が短くなるという問題がある。物体を浮揚状態で搬送する際、目的位置に浮揚状態でかつ物体に触れずに停止させるには、物体が目的位置に達する前に進行波の方向を切り換えて減速させるとともに、目的位置に達した状態では高速で進行波の方向切換を繰り返す必要がある。従って、前記従来の有接点リレーを使用した構成では、リレーの寿命がより短くなるという問題がある。
【0009】
特開昭61−7126号公報及び特開昭61−221582号公報には、超音波リニアモータにおいて受波側の振動子の振動エネルギーを駆動側(加振側)に還流することは開示されているが、進行波の進行方向の切換に関してはなんら記載がない。
【0010】
本発明は前記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、その目はシステム全体のエネルギー効率を大幅に向上させることができる物体浮揚搬送装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、圧電素子又は磁歪素子を備えた第1の振動子を長尺の振動体の一端に連結するとともに、圧電素子又は磁歪素子を備えた第2の振動子を他端に連結し、前記振動体に進行波を発生させてその放射圧により振動体の表面上で物体を浮揚させた状態で搬送する物体浮揚搬送装置であって、前記第1の振動子を励振させる第1の電源と、前記第2の振動子を励振させる第2の電源と、前記両振動子の一方を加振側の振動子とし、他方を受波側の振動子とするように前記両電源の出力を制御する制御手段とを備え、前記第1の電源と前記第1の振動子と前記第2の振動子とが直列に接続された閉回路において、前記第2の電源を前記第2の振動子に対して並列に接続し、前記受波側の振動子の振動エネルギーを電気エネルギーに変換して加振側の振動子の加振用の電気エネルギーとして還流するようにした
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記第1の電源及び第2の電源は、移相制御回路を備え、前記第1の電源及び第2の電源のうち加振側の振動子を励振させる電源の電圧をe 、位相をθとし、受波側の振動子が出力する電圧をV 、位相をφとしたとき、前記移相制御回路は、e =−V sin φ/ sin θ)を満足するように加振側の電源を制御する。
請求項3に記載の発明では、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記制御手段は、加振側の振動子と受信側の振動子とを交互に変更して前記物体が浮揚状態で所定位置に保持されるように制御する。
請求項4に記載の発明では、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の発明において、前記振動体の加振点から受波点までの長さが該振動体に発生させる振動波の波長の整数倍プラス半波長である。
【0016】
これら各請求項に記載の発明では、第1及び第2の電源の出力が所定の条件を満足するように制御手段により制御され、第1及び第2の振動子の一方が加振側に他方が受波側になるように励磁され、振動体に進行波が発生する。従って、リレーを設けることなく、進行波の向きが変更される。また、前記受波側の振動子の振動エネルギーから変換された電気エネルギーが、還流回路を介して加振用の電気エネルギーとして還流される。従って、システム全体のエネルギー効率が大幅に向上する。
【0017】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、本発明を具体化した第1の実施の形態を図1〜図3に従って説明する。
【0018】
図1に示すように、物体浮揚搬送装置1は長尺の振動体2を備えている。振動体2は矩形平板状に形成されるとともに、幅が搬送すべき物体3より広く形成されている。振動体2の一端側(図1の左端側)には第1の振動子5が、他端側には第2の振動子6が、それぞれホーン4の先端において図示しないネジにより締結されている。ホーン4は偏平なほぼ直方体状に形成され、振動体2に対してその長手方向両端部において長手方向と直交する状態で取付けられている。
【0019】
各ホーン4は振動体2が締結される面の反対側の面において各振動子5,6に固定されている。ホーン4の先端面は振動子5,6の軸方向と直交する平面に形成され、ホーン4及び振動子5,6の中心軸が鉛直方向に延びる状態で配置されている。振動子5,6はそれぞれベースプレートに支持ブラケット(いずれも図示せず)を介して固定されている。
【0020】
振動体2の長さは、加振側と受波側の移相が逆相となるように、振動体2の加振点から受波点までの長さ、即ちホーン4の連結点間の距離が、振動体2に発生する進行波の波長λの整数倍プラス半波長に設定されている。
【0021】
振動子5,6には一対のリング状のピエゾ素子(圧電素子)7a,7bを備えた所謂ランジュバン形振動子が使用されている。振動子5,6はピエゾ素子7a,7b間に配置されたリング状の電極板8と、ピエゾ素子7a,7bの外側面と当接する位置に配置された金属ブロック9a,9bとを、図示しないボルトによって締め付け固定することにより構成されている。ボルトは金属ブロック9aに形成された図示しないねじ穴に、金属ブロック9b側から螺合されている。両金属ブロック9a,9bはボルトを介して互いに導通された状態となっている。
【0022】
第1の振動子5の電極板8は、第1の電源としての第1の発振器10のプラス端子に接続されている。第1の発振器10のマイナス端子は、第2の振動子6の電極板8と、第2の電源としての第2の発振器11のプラス端子に接続されている。第2の発振器11のプラス端子は第2の振動子6の電極板8にも接続されている。第2の発振器11のマイナス端子は、第1の振動子5の金属ブロック9bと、第2の振動子6の金属ブロック9bとに接続されている。各ピエゾ素子7a,7bは整合用インダクタ12a,12bに接続されている。両発振器10,11は励振手段を構成する。また、各ピエゾ素子7a,7bには、振動子5,6が加振側になったときの入力電圧あるいは振動子5,6が受波側となったときの出力電圧及び位相を検出するセンサ13a,13bが接続されている。
【0023】
第1及び第2の発振器10,11は移相制御回路(図示せず)を備えている。両発振器10,11は制御手段としての制御装置14からの制御信号により駆動される。制御装置14には前記センサ13a,13bの出力と、物体3が受波側の停止位置近傍に達したことを検出する図示しないセンサの出力が入力されるようになっている。制御装置14はCPU(図示せず)を備え、センサ13a,13bの出力信号に基づいて、両発振器10,11の出力が後記する所定の関係を満たすように制御する。
【0024】
制御装置14は振動系の基準温度における共振周波数と、振動系の環境温度の基準温度からのずれ量と、共振周波数のずれ量との関係を示すマップ又は関係式が記憶されたメモリ(図示せず)を備えている。制御装置14は温度変化に応じて発振器10,11の出力周波数を調整する。
【0025】
図2は前記装置の等価回路を示す。図2では、ホーン4と振動子5,6とを一緒にしてトランスデューサとし、整合用インダクタ12a,12b等は省略している。
【0026】
振動体2の長さが波長の整数倍プラス半波長であるため、図2における左側を加振側、右側を受波側とした場合、各部の電圧、電流、力、速度は図2に示した関係にあり、電圧と電流及び力と速度は、各々同位相である。図2において、Aは振動子の力係数、nはホーンの変成比、Z0 は特性インピーダンス、Fは起振力、vはその振動速度、Vi 及びV0 はそれぞれ加振側及び受波側の振動子の電気端子の電圧、rm 及びRd はそれぞれ振動子の損失を考慮した機械等価抵抗及び誘電体損を表す抵抗、αは振動体の減衰定数である。
【0027】
加振側及び受波側の起振力Fの位相が逆相であることと、2個の高周波電源の加振側の電圧をe1 、受波側の電圧をe2 としたときに、e1 とe2 の比を所定の関係となるように調整(制御)すると、系のエネルギーの還流が可能となることが知られている。そして、進行波を励振するための、e1 とe2 が満たすべき条件は次式(1)が成立することが知られている。
【0028】
【数1】
Figure 0004069584
第1の振動子5を加振側、第2の振動子6を受波側とした場合、第1の発振器10に直列に接続された第2の発振器11と、第2の振動子6のピエゾ素子7a,7bと第2の発振器11とを接続する回路とが還流回路を構成する。また、第2の振動子6を加振側、第1の振動子5を受波側とした場合、第2の発振器11に直列に接続された第1の発振器10と、第1の振動子5のピエゾ素子7a,7bと第1の発振器10とを接続する回路とが還流回路を構成する。
【0029】
次に前記のように構成された装置の作用を説明する。
この物体浮揚搬送装置1は物体3を振動体2上において、第1の振動子5が連結された側から第2の振動子6が連結された側へ搬送する。
【0030】
制御装置14は第1の発振器10が加振側となり、第2の発振器11が受波側となり、振動体2に第1の振動子5側から第2の振動子6側へ向かう進行波が発生するように第1及び第2の発振器10,11の出力を制御する。即ち、制御装置14は第1の振動子5へ入力される電圧Vi と、第2の振動子6から出力される電圧V0 と、第1の発振器10の出力電圧e1 と、第2の発振器11の出力電圧e2 とが前記(1)式を満たすように両発振器10,11の出力を制御する。電圧Vi 及び電圧V0 はセンサ13a,13bの出力信号により確認される。
【0031】
制御装置14からの制御信号により各発振器10,11が駆動されて、第1の振動子5が所定の共振周波数(例えば、20kHz前後)で励振される。振動子5が励振されるとホーン4が縦振動され、ホーン4を介して振動体2が励振されて撓み振動を行う。振動体2から放射される音波の放射圧によって、物体3は振動体2の表面から浮揚する。
【0032】
振動体2の振動は受波側の第2の振動子6に伝達され、振動子6を構成するピエゾ素子7a,7bにより機械エネルギーである振動のエネルギーが電気エネルギーに変換される。この電気エネルギーが第1の振動子5の励振用のエネルギーの一部として使用される。そのため、振動体2に生じる振動の波が加振側から受波側に向かって一方向へ進む進行波(この実施の形態では振動子5側から振動子6側へ進む進行波)となり、物体3は振動体2の一端側から他端側へ浮揚状態で搬送される。
【0033】
制御装置14は物体3が停止位置近傍に達したことを確認すると、振動体2に発生する進行波の向きが逆になるように、即ち、第2の振動子6が加振側の振動子となるとともに、第1の振動子5が受波側の振動子となるように、第1及び第2の発振器10,11の出力を調整する。第1及び第2の振動子5,6は同じ構成のため、制御装置14は両発振器10,11の出力が前記と逆の関係になるように制御する。その結果、進行波が振動子6側から振動子5側へ進む状態となって、物体3が浮揚状態で減速される。そして、所定の停止位置に達した時点で両発振器10,11を停止させると、物体3は停止して振動体2上に載置される。また、所定の停止位置に達した時点で、両発振器10,11の出力状態を進行波の向きの逆転が短時間で繰り返されるように制御すると、物体3は浮揚状態で所定位置に保持される。
【0034】
振動体2の両ホーン4に対する連結点の距離が、振動体2に発生する進行波の波長λの整数倍プラス半波長に設定されている。従って、(1)式を満足するように両発振器10,11の出力を制御することにより、加振側の入力電圧Vi 及び受波側の出力電圧V0 は位相が一致するはずであるが、温度変化などの外乱等の影響により、両電圧の位相がずれる場合がある。図3に示すように、受波側振動子の電圧位相がφずれた場合、加振側の電源の電圧e1 の位相をθずらすことによって受波側の出力が加振側に効率よく還流される。制御装置14は受波側の出力電圧V0 の位相のずれをセンサ13a,13bの出力信号から求め、電圧e1 が次式(2)を満足するように加振側の電源の電圧e1 の位相θをずらすように制御する。
【0035】
1 =−V0 (sinφ/ sinθ) ・・・(2)
この実施の形態では以下の効果を有する。
(1) 長尺の振動体2の両端に連結された第1及び第2の振動子5,6の圧電素子(ピエゾ素子7a,7b)に振動子を励振させる電源(発振器10,11)を接続するとともに、受波側の振動子の振動エネルギーを電気エネルギーに変換して加振側の振動子の加振用の電気エネルギーとして還流する還流回路を設けた。従って、受波側の振動子の振動エネルギーが加振用の電気エネルギーとして還流されるため、受波側の振動子の振動エネルギーを電気エネルギーに変換後、抵抗で熱として消費する構成に比較して、システム全体のエネルギー効率が大幅に向上する。
【0036】
(2) 振動体2の両端に連結された第1及び第2の振動子5,6を励振させる各発振器10,11の出力を所定の条件を満足する状態で変更することにより、振動体2に発生する進行波の方向を変更できる。従って、従来の物体浮揚搬送装置と異なり進行波の方向を変更するために、加振側及び受波側の振動子と電源との間の接続を切り換えるためのリレーが不要になり、物体浮揚搬送装置1の耐久性が向上する。また、物体3に接触することなく物体3の搬送速度の減速あるいは所定位置に浮揚保持するため、進行波の向きを変える動作を頻繁に行っても耐久性を向上させることができる。
【0037】
(3) 制御装置14はセンサ13a,13bの出力信号により、加振側の入力電圧Vi 及び受波側の出力電圧V0 の位相のずれを確認できる。そして、温度変化などの外乱等の影響により両電圧Vi ,V0 の位相がずれた際、そのずれ量に対応して加振側の発振器の出力電圧の位相を変更する。従って、振動体2から進行波が安定した状態で発生される。
【0038】
(4) 圧電素子(ピエゾ素子7a,7b)で振動子5,6を励振させるため、磁歪素子を使用する場合に比較して大きな起振力が容易に得られる。
(第2の実施の形態)
次に第2の実施の形態を図4に従って説明する。この実施の形態では振動体2に進行波を発生させる構成が前記実施の形態と大きく異なっている。この実施の形態では加振側の振動子を励振させる発振器と、受波側の振動子で振動エネルギーから変換された電気エネルギーを消費する負荷回路をそれぞれ1個備え、その接続を切り換えることにより進行波の向きを変更する構成となっている。前記実施の形態と同一部分は同一符号を付して詳しい説明を省略する。
【0039】
振動体2の一端側に設けられた第1の振動子5のピエゾ素子7a,7bと、他端側に設けられた第2の振動子6のピエゾ素子7a,7bとは、励振手段としての発振器15と、エネルギー消費手段としての負荷回路16とに接続切換え手段17a〜17dを介して選択的に切り換え接続可能に構成されている。接続切換え手段17a〜17dには無接点リレーが使用され、この実施の形態ではソリッドステートリレーと、制御装置14からの指令によりオン・オフが切り換えられるスイッチング素子(いずれも図示せず)とを備えている。制御装置14は接続切換え手段17a,17cをオンとするときは接続切換え手段17b,17dをオフとし、接続切換え手段17a,17cをオフとするときは接続切換え手段17b,17dをオンとするように制御する。
【0040】
この実施の形態においては、第1の振動子5を加振側とする場合は、制御装置14からの制御信号により接続切換え手段17a,17cがオンに、接続切換え手段17b,17dがオフに保持された状態で、発振器15が駆動される。そして、発振器15により励振された振動子5によりホーン4を介して振動体2が励振され、振動体2の振動が第2の振動子6に伝達される。振動子6の振動のエネルギーがピエゾ素子7a,7bにより電気エネルギーに変換され、その電気エネルギーが負荷回路16の抵抗Rでジュール熱に変換されて放散される。そのため、振動体2に生じる振動の波が一方向へ進む進行波(振動子5側から振動子6側へ進む進行波)となり、物体3は振動体2の一端側から他端側へ浮揚状態で搬送される。
【0041】
また、接続切換え手段17a,17cがオフに、接続切換え手段17b,17dがオンに保持された状態で、発振器15が駆動されると、前記と逆に振動体2に第2の振動子6側から第1の振動子5側へ向かう進行波が発生する。即ち、振動体2に発生する進行波の進行方向の切換がソリッドステートリレーのオン、オフにより行われる。
【0042】
この実施の形態では次の効果を有する。
(5) 振動体2に発生する進行波の進行方向の切換が無接点リレー(ソリッドステートリレー)を備えた接続切換え手段17a〜17dのオン・オフにより行われる。従って、有接点リレーを使用した従来の物体浮揚搬送装置に比較して耐久性が向上する。また、物体3に接触することなく物体3の搬送速度の減速あるいは所定位置に浮揚保持するため、進行波の向きを変える動作を頻繁に行っても耐久性を向上させることができる。
【0043】
(6) 接続切換え手段17a〜17dのオン・オフ制御により振動体2に発生する進行波の方向を変更できるため、前記実施の形態と異なり、加振側の入力電圧及び受波側の出力電圧を検出したり、それらの値を基準に発振器の出力を変更する必要がない。
【0044】
(第3の実施の形態)
次に第3の実施の形態を図5に従って説明する。この実施の形態では、第2の実施の形態のように進行波の進行方向の切換に接続切換え手段を使用する構成において、各振動子5,6に圧電素子に代えて磁歪素子を備える点が第2の実施の形態と異なっている。また、受波側の振動子の振動エネルギーを加振側に還流する点も、前記実施の形態と異なっている。第2の実施の形態と同一部分は同一符号を付して詳しい説明を省略する。
【0045】
各振動子5,6は途中にコイル18a,19aが巻かれた磁歪素子18,19を備えている。そして、制御装置14からの制御信号により、各コイル18a,19aが発振器15と位相反転回路20a,20bとに接続切換え手段17a〜17dを介して選択的に切換え接続可能に構成されている。接続切換え手段17a〜17d及び位相反転回路20a,20bは還流回路を構成する。
【0046】
第1の振動子5を加振側とする場合は、制御装置14からの制御信号により接続切換え手段17a,17cがオンに、接続切換え手段17b,17dがオフに保持された状態で、発振器15が駆動される。そして、発振器15により励振された振動子5によりホーン4を介して振動体2が励振され、振動体2の振動が第2の振動子6に伝達される。振動子6の振動のエネルギーが磁歪素子19により電気エネルギーに変換され、その電気エネルギーが位相反転回路20bで加振側の入力電圧の位相と同じに調整されて、磁歪素子18の加振エネルギーとして還流される。そのため、振動体2に生じる振動の波が一方向へ進む進行波(振動子5側から振動子6側へ進む進行波)となり、物体3は振動体2の一端側から他端側へ浮揚状態で搬送される。
【0047】
また、接続切換え手段17a,17cがオフに、接続切換え手段17b,17dがオンに保持された状態で、発振器15が駆動されると、前記と逆に第2の振動子6が励振される。そして、振動子5の振動のエネルギーが磁歪素子18により電気エネルギーに変換され、その電気エネルギーが位相反転回路20aで加振側の入力電圧の位相と同じに調整されて、磁歪素子19の加振エネルギーとして還流される。その結果、振動体2に第2の振動子6側から第1の振動子5側へ向かう進行波が発生する。即ち、振動体2に発生する進行波の進行方向の切換がソリッドステートリレーのオン、オフにより行われる。
【0048】
この実施の形態では第2の実施の形態の(5),(6)と同じ効果の他に、次の効果を有する。
(7) 受波側の振動子の振動エネルギーから変換された電気エネルギーが、還流回路を介して加振用の電気エネルギーとして還流される。従って、システム全体のエネルギー効率が大幅に向上する。
【0049】
実施の形態は前記に限定されるものではなく、例えば次のように構成してもよい。
○ 搬送経路が長い場合、前記各実施の形態の物体浮揚搬送装置1の振動体2及び両振動子5,6のユニットを振動体2の長手方向に、複数配置した構成とし、各ユニットの両振動子5,6を共通の交流電源(発振器10,11,15)に並列に接続する。
【0050】
○ 搬送距離が長い場合は、複数の物体浮揚搬送装置を直列に配設して物体浮揚搬送装置を構成してもよい。この場合、減速のためや停止位置において物体3を浮揚状態に保持するために、振動体2の進行波の進行方向の切換を行うのは、物体3の搬送方向の下流端に配設された物体浮揚搬送装置となる。
【0051】
○ 搬送すべき物体3の幅が広い場合は、振動体2及び両振動子5,6のユニットを複数平行に配置し、各ユニットの両振動子5,6を共通の交流電源に並列に接続してもよい。この場合、幅の広い物体3を複数の振動体2で安定した浮揚状態で搬送できる。
【0052】
○ 振動子5,6を磁歪素子で励振させる構成において、振動エネルギーを負荷回路で消費する構成としてもよい。
○ ホーン4の形状は扁平な直方体状に限らず、円錐台状等先端側が細くなった形状や円柱状としてもよい。
【0053】
○ 浮揚保持する物体3の形状は矩形等の四角形に限らず、三角形や他の多角形あるいは円形等任意の形状としてよい。
○ 振動体2のホーン4への固定はネジによる締結に限らず、接着剤を使用したり、ロウ付けや溶接で固着してもよい。
【0054】
前記実施の形態から把握される発明(技術的思想)について、以下に記載する。
(1) 記振動子は圧電素子を備えている。
【0055】
(2) 記振動子は圧電素子を備え、前記制御手段は加振側となる振動子の入力電圧及び受波側となる振動子の出力電圧の値に基づいて前記第1及び第2の電源の出力を制御する。
【0056】
(3) 記制御手段は前記加振側の振動子の入力電圧及び受波側の振動子の出力電圧の位相のずれを確認し、そのずれ量に対応して加振側の電源の出力電圧の位相を変更する。
【0057】
【発明の効果】
以上詳述したように、各請求項に記載の発明によれば、システム全体のエネルギー効率を大幅に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施の形態の物体浮揚搬送装置の概略斜視図。
【図2】 同じく等価回路図。
【図3】 各部電圧の位相関係を示すベクトル図。
【図4】 第2の実施の形態の物体浮揚搬送装置の模式側面図。
【図5】 第3の実施の形態の物体浮揚搬送装置の模式側面図。
【図6】 従来の超音波リニアモータの概略構成図。
【符号の説明】
1…物体浮揚搬送装置、2…振動体、3…物体、5…第1の振動子、6…第2の振動子、7a,7b…圧電素子としてのピエゾ素子、10…第1の電源としての第1の発振器、11…第2の電源としての第2の発振器、14…制御手段としての制御装置、15…励振手段としての発振器、16…エネルギー消費手段としての負荷回路、17a〜17d…接続切換え手段、20a,20b…還流回路を構成する位相反転回路。

Claims (4)

  1. 圧電素子又は磁歪素子を備えた第1の振動子を長尺の振動体の一端に連結するとともに、圧電素子又は磁歪素子を備えた第2の振動子を他端に連結し、前記振動体に進行波を発生させてその放射圧により振動体の表面上で物体を浮揚させた状態で搬送する物体浮揚搬送装置であって、
    前記第1の振動子を励振させる第1の電源と、
    前記第2の振動子を励振させる第2の電源と、
    前記両振動子の一方を加振側の振動子とし、他方を受波側の振動子とするように前記両電源の出力を制御する制御手段とを備え、
    前記第1の電源と前記第1の振動子と前記第2の振動子とが直列に接続された閉回路において、前記第2の電源を前記第2の振動子に対して並列に接続し、
    前記受波側の振動子の振動エネルギーを電気エネルギーに変換して加振側の振動子の加振用の電気エネルギーとして還流するようにした物体浮揚搬送装置。
  2. 前記第1の電源及び第2の電源は、移相制御回路を備え、前記第1の電源及び第2の電源のうち加振側の振動子を励振させる電源の電圧をe 、位相をθとし、受波側の振動子が出力する電圧をV 、位相をφとしたとき、前記移相制御回路は、
    =−V sin φ/ sin θ)
    を満足するように加振側の電源を制御する請求項1に記載の物体浮揚搬送装置。
  3. 前記制御手段は、加振側の振動子と受信側の振動子とを交互に変更して前記物体が浮揚状態で所定位置に保持されるように制御する請求項1又は請求項2に記載の物体浮揚搬送装置。
  4. 前記振動体の加振点から受波点までの長さが該振動体に発生させる振動波の波長の整数倍プラス半波長である請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の物体浮揚搬送装置。
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