JP4068939B2 - 車両のシート構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は乗用車や商用車、トラックやバス等の車両においてシートの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両のシート構造として、例えば特許文献1に開示されているようなものがある。特許文献1の構造によると、シートの背もたれ部(特許文献1の図1及び図2中の5)の下部に、リクライナ部(特許文献1の図1及び図2中の3)を介して取付部材(特許文献1の図1及び図2中の2)を備え、車体に取り付けられた支持部材(特許文献1の図1及び図2中の25)に、シートの背もたれ部の取付部材を取り付けている。シートの座部(特許文献1の図1及び図2中の16)を支持する支持フレーム(特許文献1の図1及び図2中の15)の後部を、シートの背もたれ部におけるリクライナ部の上部に接続している。シートの座部の前部下部と車体とに亘って、支持アーム(特許文献1の図1及び図2中の17)を接続している。
【0003】
これにより特許文献1の構造によると、シートの背もたれ部を起立姿勢に操作すると、支持フレームによりシートの座部が車体の後方向に移動し支持アームが起き上がって、シートの座部の前部が上昇する(特許文献1の図1及び図2参照)。シートの背もたれ部を倒伏姿勢に操作すると、支持フレームによりシートの座部が車体の前方向に移動し支持アームが倒れて、シートの座部の前部が下降する(特許文献1の図3参照)。このようにシートの背もたれ部を倒伏姿勢に操作するとシートの座部の前部が下降するので、例えばリヤシートの場合に、リヤシートの後方の荷物室とリヤシートの背もたれ部との間の段差が小さなものとなる。
【0004】
特許文献1の構造において、シートを車体に取り付ける場合、車体に支持部材を取り付け、支持フレーム(シートの座部は取り付けられていない)の後部を、シートの背もたれ部におけるリクライナ部の上部に接続した状態で、シートの背もたれ部の取付部材を支持部材に取り付ける。その後、シートの座部の前部下部と車体とに亘って支持アームをピンやボルト・ナット等により接続し、最後にシートの座部を支持フレームに取り付けると言うようなものになると思われる(事前に支持フレームにシートの座部が取り付けられていると、シートの座部の前部下部と車体とに亘って支持アームをピンやボルト・ナット等により接続することが、困難なものになる)。
【特許文献1】
特開2001−341563号公報(図1,2,3)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1の構造によると、シートを車体に取り付ける場合に、車体に支持部材を取り付ける工程、シートの背もたれ部の取付部材を支持部材に取り付ける工程、シートの座部の前部下部と車体とに亘って支持アームを接続する工程、及びシートの座部を支持フレームに取り付ける工程と言うように、比較的多くの工程が必要になるので、工程の削減と言う面で改善の余地がある。
【0006】
本発明は車両のシート構造において、シートの背もたれ部を倒伏姿勢に操作するとシートの座部の前部が下降すると言う利点を残しながら、シートを車体に取り付ける際の工程を少なくすることを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
[I]
請求項1の特徴によると、シートの背もたれ部の下部にリクライナ部を介して取付部材を備え、シートの座部を支持する支持フレームの後部をシートの背もたれ部におけるリクライナ部とは異なる部分に接続して、シートの座部及び背もたれ部を1つのユニット状に構成している。車体の前後方向に沿って車体に固定された案内部材、案内部材に移動自在に支持された支持部材を備え、シートの座部の前部下部に、左右軸芯周りに揺動自在な支持アームを備え、支持部材の前部に、支持アームの端部を回転自在に係合保持する係合部を備えている。
【0008】
従って、請求項1の特徴によると、車体に案内部材を固定し、案内部材に支持部材を支持させた状態において、1つのユニット状のシートの座部及び背もたれ部を用意し、シートの背もたれ部の取付部材を支持部材の後部に取り付ける。この場合、シートの背もたれ部の取付部材はシートの座部の後部に位置して、シートの座部の影響を受け難いので、支持フレームにシートの座部が取り付けられていても、シートの背もたれ部の取付部材を支持部材の後部に比較的容易に取り付けることができる。
【0009】
支持アームの端部を係合部に回転自在に係合保持させる場合、技術文献1の構造のようにピンやボルト・ナット等により接続する構造に対し、請求項1の特徴によると、支持アームの端部を係合部に掛けたり嵌め込んだりすること等によって、支持アームの端部を係合部に回転自在に係合保持させることができるので、事前に支持フレームにシートの座部が取り付けられていても、支持アームの端部を係合部に回転自在に比較的容易に係合保持させることができる。
このように、請求項1の特徴によると、1つのユニット状としてシートの座部及び背もたれ部を車体に取り付けることができるので、シートを車体に取り付ける際の工程において、技術文献1の構造におけるシートの座部を支持フレームに取り付ける工程を省略することができる。
【0010】
[II]
前項[I]に記載のように、事前に支持フレームにシートの座部が取り付けられていても、支持アームの端部を係合部に回転自在に係合保持させることができれば、支持フレームにシートの座部が取り付けられた状態で、支持アームの端部を係合部から離脱させることも比較的容易に行える。
【0011】
これにより、請求項1の特徴によると、シートの背もたれ部の取付部材を支持部材の後部から取り外し(前項[I]に記載のように、シートの背もたれ部の取付部材はシートの座部の後部に位置して、シートの座部の影響を受け難いので、支持フレームにシートの座部が取り付けられていても、シートの背もたれ部の取付部材を支持部材の後部から比較的容易に取り外すことができる)、支持アームの端部を係合部から離脱させることにより、1つのユニット状としてシートの座部及び背もたれ部を比較的容易に取り外すことができる。
【0012】
[III]
請求項1の特徴によると、前項[I]に記載のように、シートの背もたれ部の取付部材を支持部材の後部に取り付け、支持アームの端部を係合部に回転自在に係合保持させた状態において、シートの背もたれ部を起立姿勢に操作すると、支持フレームによりシートの座部が車体の前後方向に移動し支持アームが起き上がって、シートの座部の前部が上昇する。次にシートの背もたれ部を倒伏姿勢に操作すると、支持フレームによりシートの座部が車体の前後方向に移動し支持アームが倒れて、シートの座部の前部が下降する。
【0013】
[IV]
請求項1の特徴によると、車体に固定された案内部材に支持部材を移動自在に支持しており、支持部材にシートの座部及び背もたれ部、支持アーム及び係合部が支持される状態となっており、案内部材に沿って支持部材を移動させることにより、シートの位置を車体の前後方向に変更することができる。
【0014】
この場合、請求項1の特徴によると、シートの位置を車体の前後方向に変更した際、支持部材と一緒に支持アーム及び係合部が移動して、支持アームの姿勢が変化することはないので、シートの位置を車体の前後方向に変更した際、支持アームの姿勢が変化してシートの座部の前部が上昇したり下降したりすることがない。
【0015】
[V]
前項[I]に記載のように、支持アームの端部を係合部に回転自在に係合保持させる場合、支持アームの端部を係合部に単に嵌め込むと言うように構成するのではなく、請求項1の特徴によれば、シートの背もたれ部を起立姿勢に操作すると、支持アームの端部が係合部から離脱不能な状態となり、シートの背もたれ部を倒伏姿勢に操作すると、支持アームの端部が係合部から離脱可能な状態となるように構成している。
【0016】
これにより、請求項1の特徴によると、シートの背もたれ部を起立姿勢に操作した状態において、支持アームの端部が係合部に回転自在に確実に係合保持されるのであり、シートの背もたれ部を倒伏姿勢に操作した状態において、支持アームの端部を係合部から無理に離脱させるようなことを行わなくても、支持アームの端部を係合部から容易に離脱させることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
[1]
図1及び図2は4ドア(又は5ドア)の乗用車において、リヤシートの付近を示しており、リヤシートの後側に荷物室(図示せず)が形成されている。リヤシートに着座した乗員が足を置く下フロア1の後部が、上方に立ち上げられ後方に延出されて、上フロア2が形成されている。図1及び図3に示すように、上フロア2の左右中央に、レール状の1つの第1案内部材3が車体の前後方向に沿って固定され、上フロア2の右及び左側部分に、レール状の第2案内部材4が車体の前後方向に沿って固定されている。
【0018】
図3,5,6に示すように、中央の第1案内部材3に沿って移動自在に、中央の第1支持部材5が支持され、右及び左の第2案内部材4に沿って移動自在に、右及び左の第1支持部材6が支持されている。中央の第1支持部材5の後部の右及び左横面部にブラケット7が固定され、右及び左の第1支持部材6の後部にブラケット8が固定されており、ブラケット7,8に亘って丸パイプ状の1つの第2支持部材9が連結されている。中央の第1支持部材5の前部と右の第1支持部材6の前部とに亘って、板状の1つの第3支持部材10が連結されており、中央の第1支持部材5の前部と左の第1支持部材6の前部とに亘って、板状の1つの第3支持部材10が連結されている。
【0019】
以上の構造により図3に示すように、中央の第1支持部材5、右及び左の第1支持部材6、第2及び第3支持部材9,10が一体で、中央の第1案内部材3、右及び左の第2案内部材4に沿って移動可能となっており、後述する[5]に記載のようにリヤシートを中央の第1支持部材5、右及び左の第1支持部材6、第2及び第3支持部材9,10に取り付ける。これにより、リヤシートの位置を車体の前後方向に変更することができる。
【0020】
図3及び図6に示すように、右及び左の第1案内部材4の横側面に複数の係止孔4aが開口されており、右及び左の第1案内部材4の係止孔4aに係合及び離脱自在なロック機構11が、右及び左の第1支持部材6に備えられており、ロック機構11はバネ(図示せず)により、右及び左の第1案内部材4の係止孔4aへの係合側に付勢されている。図3及び図5に示すように、中央の第1支持部材5の横軸芯P1周りに、側面視でL字状の操作アーム12が揺動自在に支持されて、ロック機構11と操作アーム12とに亘ってワイヤ13が接続されている。中央の第1支持部材5の横軸芯P2周りに、操作レバー14が揺動自在に支持され、操作レバー14が前方に延出されており、操作レバー14を図5の紙面反時計方向に付勢するバネ15が備えられている。
【0021】
図3及び図5に示す状態は、ロック機構11が右及び左の第1案内部材4の係止孔4aに係合して、リヤシートの位置が保持された状態である。この状態で操作レバー14の把手部14aを持って上方に操作すると、操作レバー14の端部により操作アーム12が図5の紙面反時計方向に揺動操作され、ワイヤ13が操作アーム12に引き操作されて、ロック機構11が右及び左の第1案内部材4の係止孔4aから離脱する。これにより、リヤシートの位置を車体の前後方向に変更することができるのであり、操作レバー14の把手部14aから手を離すと、ロック機構11が右及び左の第1案内部材4の係止孔4aに係合して、リヤシートの位置が保持される。
【0022】
図1,3,6に示すように、ブラケット8にアーム16が固定されており、荷物室の床に載置されるカバー17がアーム16に取り付けられている。これにより、前述のようにリヤシートの位置を車体の前後方向に変更すると、これに伴ってカバー17も移動するのであり、特にリヤシートを車体の前方に移動させた際に、リヤシートと荷物室との間にカバー17が位置して、リヤシートと荷物室との間に凹部ができないようにしている。
【0023】
[2]
次に、リヤシートの座部18に関する構造について説明する。
リヤシートは右側部分及び左側部分の2分割構造に構成されている。図4,5,6はリヤシートの右側部分に相当する部分を示しており、丸パイプを四角い枠状に折り曲げて支持フレーム19が構成され、支持フレーム19の中央側部及び横外側部に、中央及び横外の支持フレーム20,21が固定されて後方に延出されている。バネ線材をS字状に連続して折り曲げて構成されたバネ22が、支持フレーム19の中央側部及び横外側部に亘って連結されており、支持フレーム19の中央側部に断面コ字状のブラケット24が固定され、支持フレーム19の横外側部とブラケット24とに亘って、丸パイプ状の支持フレーム23が連結されている。線材を折り曲げて構成された支持フレーム25が、支持フレーム19の前側部に固定され、線材の支持フレーム26が支持フレーム19の中央側部及び横外側部に亘って連結されている。
【0024】
図4,5,7(イ)に示すように、ブラケット24の左右方向の横軸芯P3周りに支持アーム27が揺動自在に支持されている。図7(イ)及び図9に示すように、支持フレーム19の前方に開放された凹部27a及びフック部27bが支持アーム27の端部に備えられており、支持アーム27の端部に合成樹脂製のキャップ28が被せられている。
【0025】
図4及び図6に示すように、支持フレーム19,23に亘ってブラケット29が連結され、板材をコ字状に折り曲げて構成された支持アーム30が、ブラケット29の左右方向の横軸芯P4(横軸芯P3と同芯)周りに揺動自在に支持されている。図4,6,9に示すように、支持アーム30の端部に横向きの連結ピン30aが備えられて、支持アーム30の中間部にゴム部材30bが備えられており、支持アーム27,30に亘ってロッド31が連結されて、支持アーム27,30が一体で揺動するように構成されている。
【0026】
以上のようにして構成された支持フレーム19,20,21に、リヤシートの座部18(パッド部材に表皮が被せられたものでリヤシートの右側部分)が取り付けられている。以上はリヤシートの座部18(右側部分)であるが、リヤシートの座部18(左側部分)及び支持フレーム19,20,21は、リヤシートの座部18(右側部分)及び支持フレーム19,20,21に対して左右対称に構成されている。
【0027】
[3]
次に、リヤシートの背もたれ部32に関する構造について説明する。
リヤシートの座部18(右及び左側部分)と同様に、リヤシートの背もたれ部32も右側部分及び左側部分の2分割構造に構成されている。図1,5,6に示すように、四角い枠状に構成された支持フレーム33に、リヤシートの背もたれ部32(パッド部材に表皮が被せられたもので、リヤシートの右又は左側部分)が取り付けられており、支持フレーム33の上部にヘッドレスト34が取り付けられている。
【0028】
図1及び図5に示すように、支持フレーム33における中央側部の下部にリクライナ部35が備えられ、リクライナ部35に取付部材36が取り付けられている。図6に示すように、支持フレーム33における横外側部の下部にブラケット37が固定されている。
【0029】
以上のようにして構成されたリヤシートの座部18(右及び左側部分)、リヤシートの背もたれ部32(右及び左側部分)において、図4,5,6に示すように、中央及び横外の支持フレーム20,21の後部が、支持フレーム33の中央側部及び横外側部の横軸芯P5周りに揺動自在に接続されている。この場合、リクライナ部35から上方(ヘッドレスト34側)に離れた位置に、支持フレーム33の横軸芯P5が位置している。これにより、図10(イ)に示すように、リヤシートの座部18及び背もたれ部32(右側部分)が1つのユニット状に構成されるのであり、リヤシートの座部18及び背もたれ部32(左側部分)が1つのユニット状に構成される。
【0030】
[4]
次に、第3支持部材10に固定された係合部38,39及び係合部40について説明する。
図3,5,9に示すように、第3支持部材10における中央の第1支持部材5に近い部分に、線材をコ字状に折り曲げて構成された係合部38,39が、所定間隔を置いて前後に並べて固定されている。
【0031】
図3,6,9に示すように、第3支持部材10における右及び左の第1支持部材6との連結部分に、合成樹脂製の係合部40が固定されている。図9に示すように係合部40は合成樹脂により一体的に構成されており、一対の壁部40a、壁部40aの内面に備えられたクサビ状の爪部40b、フランジ部40c、フランジ部40cに備えられた連結孔40d及び位置決めピン40eを備えて構成されている。
【0032】
[5]
次に、リヤシートの座部18及び背もたれ部32(右及び左側部分)の取り付け及び取り外しについて説明する。
図10(イ)に示すように、リヤシートの座部18及び背もたれ部32(右側部分)において、リヤシートの背もたれ部32(右側部分)をリヤシートの座部18(右側部分)に接する倒伏姿勢に操作し、支持アーム27,30を後方上方に操作した状態で、図7(ロ),8(ロ),9,10(ロ)に示すように、支持アーム30の連結ピン30aを係合部40の一対の壁部40aの間に押し込み、支持アーム27の凹部27aに前の係合部38を挿入する。
【0033】
図5及び図10(イ)(ロ)に示すように、ブラケット7の裏面にナット7aが固定されており、取付部材36をボルト41によりブラケット7(ナット7a)に連結する。図3及び図6に示すように、第2支持部材9の右及び左の端部にブラケット42が固定されて、支持フレーム33にブラケット37が固定されており、ブラケット37,42をピン43によって連結する。リクライナ部35の回転中心とピン43とは、同芯状に位置している。
【0034】
この場合、図9に示すように、支持アーム30の連結ピン30aを係合部40の一対の壁部40aの間に押し込む際、係合部40の爪部40bが弾性的に逃げ再び突出して、図8(ロ)及び図9に示すように、係合部40の一対の壁部40a及び一対の爪部40bにより、支持アーム30の連結ピン30aが回転自在に係合保持される。図7(ロ)及び図9に示すように支持アーム27の凹部27aが上側から前の係合部38に被さって、支持アーム27の凹部27aに前の係合部38が入り込んだ状態となる。
【0035】
図10(ハ)に示すように、倒伏姿勢のリヤシートの背もたれ部32(右側部分)を起立姿勢に操作すると、中央及び横外の支持フレーム20,21が車体の後方向に引き操作され、リヤシートの座部18(右側部分)が車体の後方に移動する。これにより、支持アーム27,30が係合部38,40を支点として回転しながら起き上がって、リヤシートの座部18(右側部分)が上昇する。
【0036】
この場合、図7(イ)に示すように、支持アーム27の凹部27aに前の係合部38が入り込んだ状態で支持アーム27が起き上がると、支持アーム27のフック部27bが前の係合部38の下側に入り込むことに加えて、支持アーム27のフック部27b(キャップ28)の背面が後の係合部39に当たる。これにより、支持アーム27が前の係合部38から離脱不能な状態となる。
【0037】
次に図2及び図10(ロ)に示すように、起立姿勢のリヤシートの背もたれ部32(右側部分)を倒伏姿勢に操作すると、中央及び横外の支持フレーム20,21が車体の前方向に押し操作され、リヤシートの座部18(右側部分)が車体の前方に移動する。これにより支持アーム27,30が係合部38,40を支点として回転しながら前方に倒れて、リヤシートの座部18(右側部分)が下降する。
【0038】
この場合、図4及び図8(ロ)に示すように、支持アーム30のゴム部材30bが支持フレーム23に接当することにより、起立姿勢のリヤシートの背もたれ部32(右側部分)を倒伏姿勢に操作した際のショックや衝撃音が緩和される。図2に示すように、起立姿勢のリヤシートの背もたれ部32(右側部分)を倒伏姿勢に操作することにより、リヤシートの座部18(右側部分)が下降することによって、リヤシートの後方の荷物室とリヤシートの背もたれ部32(右側部分)との間の段差が小さなものとなる。
【0039】
図10(イ)に示すように、起立姿勢のリヤシートの背もたれ部32(右側部分)を倒伏姿勢に操作した状態において、ボルト41を外して取付部材36をブラケット7(ナット7a)から取り外し、図3及び図6に示すピン43を抜いてブラケット37をブラケット42から取り外す。図7(ロ)及び図8(ロ)に示すように、支持アーム27,30が係合部38,40を支点として回転しながら前方に倒れると、支持アーム27のフック部27bが前の係合部38の下側から上方に抜けるのであり、支持アーム27が前の係合部38から離脱可能な状態となる。
【0040】
これにより支持アーム27を前の係合部38から離脱させ、支持アーム30の連結ピン30aを係合部40の一対の壁部40aの間から上方に抜き出すことによって、リヤシートの座部18及び背もたれ部32(右側部分)を取り外すことができる。リヤシートの座部18及び背もたれ部32(左側部分)の取り付け及び取り外しも前述と同様に行う。
【0041】
[6]
次に、リヤシートに備えられるシートベルト(図示せず)の金具(図示せず)を保持するバックル部44の支持構造について説明する。
図1,3,5,11に示すように、ブラケット7は金属製であり、ブラケット7に取付部材7bが一体的に備えられて、取付部材7bが斜め下方及び斜め後方に片持ち状に延出されている。取付部材7bの端部に連結金具45がボルト46及びナット47により連結され、連結金具45からベルト48が延出されて、ベルト48にバックル部44が接続されている。
【0042】
図1,5,11に示すように、取付部材7bの端部(連結金具45)が、第2支持部材9から所定間隔を置いて下方で少し後方に位置しており、ベルト48が第2支持部材9の下側を通り、リヤシートの座部18(右及び左側部分)の間を通ってリヤシートの座部18(右及び左側部分)の上面に出ており、リヤシートの座部18(右及び左側部分)の上面にバックル部44が配置されている。通常の使用状態においては、取付部材7bが折れ曲がることはなく、図5及び図11に示す形状を維持している。
【0043】
これによって、バックル部44を上方に引き上げようとする大きな力が掛かると、バックル部44及びベルト48を介して取付部材7bに前述の大きな力が掛かり、図11の二点鎖線に示すように取付部材7bが上方に折れ曲がり第2支持部材9に接当して止められる。従って、図3に示すように、前述の大きな力が取付部材7bから第2支持部材9、中央の第1支持部材5、右及び左の第1支持部材6、中央の第1案内部材3、右及び左の第2案内部材4に分散されるように伝えられて支持される。
【0044】
この場合、バックル部44を上方に引き上げようとする大きな力が掛かると、取付部材7bが上方に折れ曲がり、バックル部44が上方に少し移動しシートベルトが少し緩む状態となって、シートベルトから乗員に掛かる衝撃が緩和されることが期待できる。
【0045】
[発明の実施の別形態]
【0046】
前述の[発明の実施の形態]において、図4,5,6に示す中央及び横外の支持フレーム20,21の後部を、リヤシートの背もたれ部32(右及び左側部分)におけるリクライナ部35から下方に離れた位置に接続するように構成してもよい。
このように構成すれば、倒伏姿勢のリヤシートの背もたれ部32(右及び左側部分)を起立姿勢に操作すると、中央及び横外の支持フレーム20,21が車体の前方向に押し操作されて、リヤシートの座部18(右及び左側部分)が車体の前方に移動し、支持アーム27,30が起き上がってリヤシートの座部18(右及び左側部分)が上昇するように、支持アーム27,30を配置する。逆に起立姿勢のリヤシートの背もたれ部32(右及び左側部分)を倒伏姿勢に操作すると、中央及び横外の支持フレーム20,21が車体の後方向に引き操作され、リヤシートの座部18(右及び左側部分)が車体の後方に移動し、支持アーム27,30が後方に倒れてリヤシートの座部18(右及び左側部分)が下降するように、支持アーム27,30を配置する。
本発明は、リヤシートばかりではなく、運転席や助手席のフロントシートにも適用できる。
【0047】
【発明の効果】
請求項1の特徴によると、車両のシート構造において、1つのユニット状としてシートの座部及び背もたれ部を車体に取り付けることができるように構成することにより、シートを車体に取り付ける際の工程において、支持アームの端部を係合部に回転自在に係合保持させる際に、ピンやボルト・ナット等により接続する必要が無い点、及びシートの座部を支持フレームに取り付ける工程を省略することができる点によって、組立性の向上及び生産コストの低減を図ることができた。
【0048】
請求項1の特徴によると、シートの背もたれ部の取付部材を支持部材の後部から取り外し、支持アームの端部を係合部から離脱させることにより、1つのユニット状としてシートの座部及び背もたれ部を比較的容易に取り外すことができるので、シートの座部及び背もたれ部、支持部材等の修理が容易に行えるようになった。
【0049】
請求項1の特徴によると、シートの背もたれ部を倒伏姿勢に操作するとシートの座部の前部が下降すると言う利点を、そのまま備えている。
請求項1の特徴によると、シートの位置を車体の前後方向に変更した際、支持部材と一緒に支持アーム及び係合部が移動して、支持アームの姿勢が変化することはなく、シートの座部の前部が上昇したり下降したりすることがないので、座り心地が変化するような状態は生じない。
【0050】
請求項1の特徴によると、シートの背もたれ部を起立姿勢に操作した状態において、支持アームの端部が係合部に回転自在に確実に係合保持されるので、シートの背もたれ部を起立姿勢に操作した状態でのシートの安定性を良いものにすることができた。シートの背もたれ部を倒伏姿勢に操作した状態において、支持アームの端部を係合部から無理に離脱させるようなことを行わなくても、支持アームの端部を係合部から容易に離脱させることができるので、1つのユニット状としてシートの座部及び背もたれ部を比較的容易に取り外すことができるようになって、シートの座部及び背もたれ部、支持部材等の修理が容易に行えるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 リヤシートの背もたれ部(右側部分)を起立姿勢に操作した状態でのリヤシート(右側部分)の左側面図
【図2】 リヤシートの背もたれ部(右側部分)を倒伏姿勢に操作した状態でのリヤシート(右側部分)の左側面図
【図3】 第1及び第2案内部材、第1,2,3支持部材の付近の平面図
【図4】 リヤシートの座部(右側部分)の支持フレーム及び支持アームの付近を示す平面図
【図5】 リヤシートの背もたれ部(右側部分)を起立姿勢に操作した状態での支持フレーム及び支持アームの付近を示す左側面図
【図6】 リヤシートの背もたれ部(右側部分)を起立姿勢に操作した状態での支持フレーム及び支持アームの付近を示す右側面図
【図7】 リヤシートの背もたれ部(右側部分)を起立姿勢及び倒伏姿勢に操作した状態でのリヤシートの座部(右側部分)の前部の左側面図
【図8】 リヤシートの背もたれ部(右側部分)を起立姿勢及び倒伏姿勢に操作した状態でのリヤシートの座部(右側部分)の前部の左側面図(中央付近)
【図9】 支持アーム及び係合部の全体斜視図
【図10】 リヤシートの座部及び背もたれ部(右側部分)の車体への取り付け及び取り外しの状態を示す左側面図
【図11】 シートベルトの金具を保持するバックル部の支持構造を示す取付部材の付近の縦断背面図
【符号の説明】
3,4 案内部材
5,6,9,10 支持部材
18 シートの座部
19,20,21 支持フレーム
27 支持アーム
32 シートの背もたれ部
35 リクライナ部
36 取付部材
38 係合部
Claims (1)
- シートの背もたれ部の下部にリクライナ部を介して取付部材を備え、シートの座部を支持する支持フレームの後部をシートの背もたれ部におけるリクライナ部とは異なる部分に接続して、シートの座部及び背もたれ部を1つのユニット状に構成すると共に、
車体の前後方向に沿って車体に固定された案内部材と、前記案内部材に移動自在に支持された支持部材とを備えて、
シートの座部の前部下部に、左右軸芯周りに揺動自在な支持アームを備え、前記支持部材の前部に、前記支持アームの端部を回転自在に係合保持する係合部を備えて、
シートの背もたれ部の取付部材を前記支持部材の後部に取り付け、前記支持アームの端部を前記係合部に回転自在に係合保持させることにより、シートの背もたれ部を起立姿勢に操作すると、前記支持フレームによりシートの座部が車体の前後方向に移動し前記支持アームが起き上がって、シートの座部の前部が上昇し、且つ、前記支持アームの端部が係合部から離脱不能な状態となるように構成し、
シートの背もたれ部を倒伏姿勢に操作すると、前記支持フレームによりシートの座部が車体の前後方向に移動し前記支持アームが倒れて、シートの座部の前部が下降し、且つ、前記支持アームの端部が係合部から離脱可能な状態となるように構成してある車両のシート構造。
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