JP4068375B2 - 電子部品包装用樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は電子部品を包装するための樹脂組成物および、それを用いた電子部品包装容器および包装体に関する。
【0002】
【従来の技術】
IC、LED等の電子部品の包装にはキャリアテープ、マガジン、トレイ、バッグ等の容器が用いられている。電子部品はそれらに収納されて搬送されることが多い。電子部品包装容器は、搬送時等に電子部品との摩擦により発生した静電気を除去する目的で、導電性や帯電防止性を有する材料を用いることが多い。
【0003】
電子部品、特にICにおいては、その高集積化に伴い配線が微細化され、カーボンブラックや炭素繊維を練り込み導電性を付与した樹脂組成物や、或いは帯電防止剤を練り込み、あるいは塗布して帯電防止性を付与した樹脂を包装容器として使用した場合でも、電子部品の静電気による障害、破壊が発生しやすくなってきている。
【0004】
樹脂封止したIC、LED等の電子部品は、電子部品の外面を構成する封止樹脂と包装容器樹脂との摩擦により帯電しやすく、その結果電子部品の包装容器への付着を生じたり、或いはキャリアテープの蓋材であるカバーテープの剥離時に電子部品がカバーテープに付着して包装容器から飛び出す現象を発生し易く、電子部品実装時の作業性の低下を招くばかりでなく、電子部品の落下による破損の原因となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は電子部品の静電気障害が生じる根本的な原因である、電子部品と包装容器の摩擦による、電子部品への静電気の発生を少なくする包装容器を構成する樹脂組成物を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は600回転/分の速度での5分間の摩擦において、摩擦相手に生じる帯電量の絶対値が1ナノクーロン以下である電子部品包装用樹脂組成物である。また本発明は、600回転/分の速度での5分間の摩擦において、摩擦相手に生じる帯電量の絶対値が1ナノクーロン以下であり、アクリル酸エステル系重合体、芳香族ビニル化合物系重合体および導電性付与材を含有する電子部品包装用樹脂組成物である。また本発明はアクリル酸エステル系重合体、芳香族ビニル化合物系重合体および導電性付与材を含有する電子部品包装用樹脂組成物である。また本発明は、アクリル酸エステル系重合体50〜2重量部と芳香族ビニル化合物系重合体50〜98重量部の合計100重量部に対し、導電性付与材を1〜50重量部を含有する電子部品包装用樹脂組成物である。また本発明はアクリル酸エステル系重合体、ポリフェニレンエーテル、芳香族ビニル化合物系重合体および導電性付与材を含有する、電子部品包装用樹脂組成物である。また本発明はアクリル酸エステル系重合体50〜2重量部とポリフェニレンエーテルと芳香族ビニル化合物系重合体の合計50〜98重量部の合計100重量部に対し、導電性付与材を1〜50重量部を含有する、電子部品包装用樹脂組成物である。
【0007】
【発明実施の形態】
以下本発明を詳細に説明する。
電子部品は包装容器と接触し、擦られる。摩擦により静電気が発生し帯電する。電子部品を静電気障害から保護するためには、発生した静電気を逃すことが一つの方法である。しかし、静電気を逃すだけではなく、静電気の発生自体を少なくすることが重要である。従来此の点について殆ど検討がなされていない。静電気の発生量は包装容器の材質により大きく変わる。本願発明では、図1に示す樹脂組成物の成形品と電子部品とを600回/分の速度で、5分間摩擦させたときの電子部品の帯電量の絶対値が1ナノクーロン以下でなければならない。好ましくは、0.8ナノクーロン以下である。電子部品は、樹脂組成物を用いた包装容器が実際に収納する電子部品でもよいし、あるいは本願発明の実施例において用いられているICでもよい。帯電量の絶対値が小さいほど、静電気により、収納する電子部品が包装容器表面に吸着したり飛び出したり、障害や破損が生じるのを低減させることができる。
【0008】
摩擦した電子部品の帯電量の絶対値が低ければ、樹脂組成物の組成には特に限定されないが、例えば、アクリル酸エステル系重合体と芳香族ビニル化合物系重合体に導電性付与材を添加したもの、或いはアクリル酸エステル系重合体とポリフェニレンエーテルと芳香族ビニル化合物系重合体に導電性付与材を添加したものを好適に用いることができる。アクリル酸エステル系重合体と、芳香族ビニル化合物系重合体およびポリフェニレンエーテルの帯電列は大きく異なる一方、これらの重合体は混ざり易い性質を有している。そのためこれらの重合体のブレンド比率を調整することにより、収納する電子部品の封止材を構成する樹脂成分の帯電列と近い帯電列組成とすることが出来、収納する部品と包装容器との接触、摩擦による帯電を抑制することが可能である。
【0009】
アクリル酸エステル系重合体とはアクリル酸エステルを主成分として重合してなる重合体である。アクリル酸エステルの単独重合体および共重合体がある。本発明においてアクリル酸エステルにはアクリル酸エステルばかりでなく、メタクリル酸エステル、クロトン酸エステルも含まれる。これらのアクリル酸エステルを一種類以上併用することもできる。アクリル酸エステルとしてメチルメタクリレートを用いた、メチルメタクリレート重合体が芳香族ビニル化合物系重合体とブレンドすることができ好ましい。アクリル酸エステル系重合体は衝撃に対する強度を持たせるため、アクリル系ゴムとのブレンド物であっても良い。
【0010】
芳香族ビニル化合物系重合体とは芳香族ビニル化合物を主成分として重合してなる重合体である。例えば、GP(GENERAL PURPOSE)ポリスチレン(スチレン単独重合体)、ポリ−α−メチルスチレン、シンジオタクチックポリスチレン、ゴム変性ポリスチレン等がある。それらの混合物であってもよい。ゴム変性ポリスチレンとはゴムで変性したポリスチレンであって、例えばハイインパクトポリスチレン(耐衝撃性ポリスチレン)の呼称で代表される1、3−ブタジエン、或いは1、3−ペンタジエン等をグラフトしたポリスチレンがある。
【0011】
ポリフェニレンエーテルとは、化1に記載される構造単位を一個以上含有するホモポリマー及びコポリマーであり、これらのブレンド物であっても良い。化1の式においてnは5以上の整数であり、R1〜4はそれぞれ単独に水素、ハロゲン、炭化水素基、ハロ炭化水素オキシ基等から選択された物である。これらの構造単位の代表例は、1、4−フェニレンエーテル、2、6−ジメチル−1、4−フェニレンエーテル、2、6−ジエチル−1、4−フェニレンエーテル、2−メチル−6−エチル−1、4フェニレンエーテル、2、6−ジフェニル−1、4−フェニレンエーテル等である。
【0012】
【化1】
【0013】
アクリル酸エステル系重合体と芳香族ビニル化合物系重合体の混合比率は、アクリル酸エステル系重合体50〜2重量部に対し、芳香族ビニル化合物系重合体98〜50重量部が好ましく、更に好ましくはアクリル酸エステル系重合体40〜10重量部に対し芳香族ビニル化合物系重合体60〜90重量部である。
アクリル酸エステル系重合体と芳香族ビニル化合物系重合体とポリフェニレンエーテルからなる樹脂の場合にはその混合比率は、アクリル酸エステル系重合体50〜2重量部に対し芳香族ビニル化合物系重合体とポリフェニレンエーテルの合計が98〜50重量部が好ましく、更に好ましくはアクリル酸エステル系重合体40〜10重量部に対し、芳香族ビニル化合物系重合体とポリフェニレンエーテルの合計が60〜90重量部である。
アクリル酸エステル系重合体、芳香族ビニル化合物系重合体、芳香族ビニル化合物系重合体とポリフェニレンエーテル割合が大きくなると、電子部品との摩擦時に電子部品に発生する電荷量が大きくなるので好ましくない。
【0014】
樹脂組成物は、表面固有抵抗値で1012Ω/□以下の導電性を有することが好ましく、そのために導電性付与材を含有するとよい。表面固有抵抗値が高いと、発生した静電気が除電さにくい。容器の低抵抗化は包装容器の表面に発生した静電気の除去に効果がある。導電性付与材とは樹脂組成物に添加することにより導電性を低下することのできるものであり、その種類は特に限定されないが、例えばスチール繊維、アルミニウム繊維、真鍮繊維、銅繊維、ステンレス繊維等の金属繊維、導電性酸化チタン、酸化亜鉛等の金属酸化物、カーボン繊維、ニッケルなどの金属により表面被覆処理したカーボン繊維、カーボンブラック、黒鉛粉末、金属被覆したガラス繊維等や、非イオン系、カチオン系、アニオン系、ベタイン系の界面活性剤や、更には高分子量ポリエーテルエステルアミド系等の永久帯電防止剤等のイオン電導性物質がある。
【0015】
樹脂組成物の製造方法は特に限定されない。例えばアクリル酸エステル系重合体と芳香族ビニル化合物系重合体、ポリフェニレンエーテルのブレンド方法として、ヘンシェルやタンブラーにより機械的に混合した後、二軸押出機により溶融混練する方法を用いることが可能である。
【0016】
樹脂組成物は電子部品包装容器として好適に用いることができる。電子部品の容器としては、例えばマガジン、キャリアテープ、トレイ、バッグ、コンテナ等がある。これらは射出成形、或いはTダイより押出して得られたシートをプレス成形法、真空成形法、圧空成形法等公知の方法によりキャリアテープ、トレイ等の電子部品包装容器の形状に成形して得ることができる。異形押出によりマガジン形状を得ることが出来る。インフレーション法、ダイスからの溶融押出法によりフィルムを作製し、このフィルムを熱融着、或いは接着剤により袋状物を形成することによりバッグを作成することも可能である。これらの容器は主に電子部品の収納、保管や、運搬をするときに使用したり、又はこれらの部品を実装する際に使用することが出来る。
【0017】
電子部品としては特に限定されず、例えば、IC、抵抗、コンデンサ、インダクタ、トランジスタ、ダイオード、LED(発光ダイオード)、液晶、圧電素子レジスター、フィルター、水晶発振子、水晶振動子、コネクター、スイッチ、ボリュウム、リレー等がある。ICの形式にも特に限定されず、例えばSOP、HEMT、SQFP、BGA、CSP、SOJ、QFP、PLCC等がある。静電気に敏感なIC、LED、液晶等に対し特に本発明の包装容器を好適に用いることが出来る。
【0018】
電子部品包装容器は、部品と接触する表面が樹脂組成物で形成されていれば、異なった種類の樹脂をその厚み方向に積層し多層化することも可能である。これにより屈曲強度、引張強度、剛性等を変化させることが可能である。その方法は特に限定されないが、例えば複数の押出成形機を用い溶融した樹脂を押出機とダイスの間に設けたフィードブロックにて多層化した後Tダイより押出し多層のシートを成形する方法、複数の押出成形機にて溶融された樹脂をマルチマニホールドダイより押出し多層化する方法、製膜した個々のシートを再度熱軟化させた後に多層化する方法等が挙げられる。さらに射出成形品では、多層成形の手法を用いることも可能である。
【0019】
包装容器を形成する樹脂組成物には、目的とする形状を損なわない範囲でタルク、マイカ、シリカやアルミナ、チタン酸カリウムウィスカー、酸化カルシウム等の金属酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、珪酸カルシウム、ガラス繊維、ガラスフレーク、ガラスビーズ等の無機充填材を添加することが出来る。また補強材、発泡剤、滑剤、酸化防止剤、紫外線防止剤、カップリング剤、難燃剤、三酸化アンチモン等の難燃助剤、耐熱安定剤、着色剤を配合することも可能である。
【0020】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明する。尚、各測定は以下の条件にて行った。
▲1▼帯電電荷量Electro−Tech System社ナノクーロンメーター及びファラデーケージを使用し、電子部品及び円柱の帯電電荷量を測定した。
▲2▼イオナイザーSIMCO社 AEROSTAT PCを使用した。
▲3▼振盪機東京理科器械社 キュートミキサーを使用した。
▲4▼表面抵抗値成形品表面に30mm間隔を置いて藤倉化成社の銀ペーストを塗り、銀ペースト間の抵抗値をアドバンテスト社R8340 ULTRA HIGH
RESISTANCE METERで測定した。
【0021】
(実施例1)
アクリル酸エステル系重合体としてポリメチルメタクリレート(三菱レイヨン社製 商品名アクリペットMD)20重量部と、芳香族ビニル化合物系重合体としてポリスチレン(東洋スチレン社製 商品名トーヨースチロールMW−2)80重量部と、導電性付与材としてカーボンブラック(電気化学工業社製 商品名デンカアセチレンブラック粒状)22重量部をタンブラーミキサーにてブレンドし、池貝機械社 φ45mm同方向回転型二軸押出機にて溶融混練押出しコンパウンドを作成した。このコンパウンドを射出成形機を用いて、図1に示す摩擦試験片を作成した。この成形品上に電子部品として、イオナイザーを用いて除電したIC(日本電気社 V25マイクロプロセッサ28mm角)を載せ、キュートミキサー上で600回転/分の速度で5分間の摩擦を行った。摩擦終了後、ICをピンセットで掴み取り、ファラデーケージ中に投入することでICに発生した電荷量を測定した。結果を表1に示すが、帯電電荷量は0.25ナノクーロンと少なかった。
【0022】
(実施例2)
実施例1の成形品上に電子部品として、イオナイザーを用いて除電したIC(Texas Intrument社 TMS320C32PCM40 MPUマイクロコントローラ28mm角)を載せ、キュートミキサー上で600回転/分の速度にて5分間の摩擦を行った。摩擦終了後、ICをピンセットで掴み取り、ファラデーケージ中に投入することでICに発生した電荷量を測定した。結果を表1に示すが、帯電電荷量は0.34ナノクーロンと少なかった。
【0023】
(実施例3)
実施例1の成形品上に電子部品として、イオナイザーを用いて除電したIC(日立社 HD6475368CP10 MPUマイクロコントローラ28mm角)を載せ、キュートミキサー上で600回転/分の速度にて5分間の摩擦を行った。摩擦終了後、ICをピンセットで掴み取り、ファラデーケージ中に投入することでICに発生した電荷量を測定した。結果を表1に示すが、帯電電荷量は0.31ナノクーロンと少なかった。
【0024】
(実施例4)
アクリル酸エステル系重合体としてポリメチルメタクリレート(三菱レイヨン社製 商品名アクリペットMD)40重量部と、芳香族ビニル化合物系重合体としてポリスチレン(東洋スチレン社製 商品名トーヨースチロールMW−2)60重量部と、導電性付与材としてカーボンブラック(電気化学工業社製 商品名デンカアセチレンブラック粒状)22重量部をタンブラーミキサーにてブレンドし、池貝機械社 φ45mm同方向回転型二軸押出機にて溶融混練押出しコンパウンドを作成した。このコンパウンドを射出成形機を用いて、図1に示す摩擦試験片を作成した。 この成形品上に電子部品として、イオナイザーを用いて除電したIC(日本電気社 V25マイクロプロセッサ28mm角)を載せ、キュートミキサー上で600回転/分の速度で5分間の摩擦を行った。摩擦終了後、ICをピンセットで掴み取り、ファラデーケージ中に投入することでICに発生した電荷量を測定した。結果を表1に示すが、帯電電荷量は−0.33ナノクーロンと少なかった。
【0025】
(実施例5)
アクリル酸エステル系重合体としてゴム変性アクリル樹脂(三菱レイヨン社製 商品名アクリペットHBS000)30重量部と、芳香族ビニル化合物系重合体としてハイインパクトポリスチレン(東洋スチレン社製 商品名トーヨースチロールHI−U2−301U)70重量部と、導電性付与材としてカーボンブラック(電気化学工業社製 商品名デンカアセチレンブラック粒状)22重量部をタンブラーミキサーにてブレンドし、池貝機械社 φ45mm同方向回転型二軸押出機にて溶融混練押出しコンパウンドを作成した。このコンパウンドを射出成形機を用いて、図1に示す摩擦試験片を作成した。この成形品上に電子部品として、イオナイザーを用いて除電したIC(日本電気社 V25マイクロプロセッサ28mm角)を載せ、キュートミキサー上で600回転/分の速度にて5分間の摩擦を行った。摩擦終了後、ICをピンセットで掴み取り、ファラデーケージ中に投入することでICに発生した電荷量を測定した。結果を表2に示すが、帯電電荷量は−0.19ナノクーロンと少なかった。
【0026】
(実施例6)
アクリル酸エステル系重合体としてゴム変性アクリル樹脂(三菱レイヨン社製商品名アクリペットHBS000)30重量部と、芳香族ビニル化合物系重合体としてハイインパクトポリスチレン(東洋スチレン社製 商品名トーヨースチロールHI−U2−301U)70重量部と、導電性付与材として炭素繊維(東邦テナックス製 商品名HTA−C6)12重量部をタンブラーミキサーにてブレンドし、池貝機械社 φ45mm同方向回転型二軸押出機にて溶融混練押出しコンパウンドを作成した。このコンパウンドを射出成形機を用いて、図1に示す摩擦試験片を作成した。この成形品上に電子部品として、イオナイザーを用いて除電したIC(日本電気社 V25マイクロプロセッサ28mm角)を載せ、キュートミキサー上で600回転/分の速度にて5分間の摩擦を行った。摩擦終了後、ICをピンセットで掴み取り、ファラデーケージ中に投入することでICに発生した電荷量を測定した。結果を表2に示すが、帯電電荷量は−0.54ナノクーロンと少なかった。
【0027】
(実施例7)
アクリル酸エステル系重合体としてポリメチルメタクリレート樹脂(三菱レイヨン社製 商品名アクリペットMD)30重量部と、ポリフェニレンエーテル樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス社製 ユピエースYPX−100L)40重量部と芳香族ビニル化合物系重合体としてハイインパクトポリスチレン(東洋スチレン社製 商品名トーヨースチロールHI−U2−301U)30重量部と、導電性付与材としてカーボンブラック(電気化学工業社製 商品名デンカアセチレンブラック粒状)22重量部をタンブラーミキサーにてブレンドし、池貝機械社 φ45mm同方向回転型二軸押出機にて溶融混練押出しコンパウンドを作成した。このコンパウンドを射出成形機を用いて、図1に示す摩擦試験片を作成した。 この成形品上に電子部品として、イオナイザーを用いて除電したIC(日本電気社 V25マイクロプロセッサ28mm角)を載せ、キュートミキサー上で600回転/分の速度にて5分間の摩擦を行った。摩擦終了後、ICをピンセットで掴み取り、ファラデーケージ中に投入することでICに発生した電荷量を測定した。結果を表2に示すが、帯電電荷量は−0.51ナノクーロンと少なかった。
【0028】
(実施例8)
アクリル酸エステル系重合体としてポリメチルメタクリレート樹脂(三菱レイヨン社製 商品名アクリペットMD)30重量部と芳香族ビニル化合物系重合体としてハイインパクトポリスチレン(東洋スチレン社製 商品名トーヨースチロールHI−U2−301U)70重量部と、導電性付与材としてカーボンブラック(電気化学工業社製 商品名デンカアセチレンブラック粒状)22重量部をタンブラーミキサーにてブレンドし、池貝機械社 φ45mm同方向回転型二軸押出機にて溶融混練押出しコンパウンドを作成した。このコンパウンドを射出成形機を用いて、図2に示す電子部品包装容器であるICトレイを作成した。このトレイのポケット中に電子部品として、イオナイザーを用いて除電したIC(日本電気社 V25マイクロプロセッサ28mm角)を載せ、他のICトレイを用いて蓋をしてキュートミキサー上で600回転/分の速度にて5分間の摩擦を行った。なお、ICポケット内の四辺に位置する微小リブの間隔がICの振動巾に影響するが、この微小リブの間隔は28.3mmとした。摩擦終了後ICをピンセットで掴み取り、ファラデーケージ中に投入することで各々のICに発生した電荷量を測定した。結果を表2に示すが、帯電電荷量は−0.24から−0.82ナノクーロンの範囲であり、ICの帯電量の絶対値は少なかった。
【0029】
(比較例1)
実施例1の比較として、芳香族ビニル化合物系重合体としてハイインパクトポリスチレン(東洋スチレン社製 商品名トーヨースチロールHI−U2−301U)100重量部と導電性付与材としてカーボンブラック(電気化学工業社製 商品名デンカアセチレンブラック粒状)22重量部をタンブラーミキサーにてブレンドし、実施例1と同様にICの摩擦帯電量を測定した。結果を表3に示すが、帯電電荷量は1.57ナノクーロンであった。
【0030】
(比較例2)
比較として低密度ポリエチレン樹脂(日本ポリケム社製 商品名ノバテックLD)100重量部に導電性付与材としてカーボンブラック(電気化学工業社製 商品名デンカアセチレンブラック)25重量部をタンブラーミキサーにてブレンドし、実施例1と同様にICの摩擦帯電量を測定した。結果を表3に示すが、帯電電荷量は2.35ナノクーロンと多かった。
【0031】
(比較例3)
比較として高密度ポリエチレン樹脂(日本ポリケム社製 商品名ノバテックHD)100重量部に導電性付与材として炭素繊維(東邦テナックス社製 商品名HTA−C6)12重量部をタンブラーミキサーにてブレンドし、実施例1と同様にしてICの摩擦帯電量を測定した。結果を表3に示すが、帯電電荷量は6.87ナノクーロンと多かった。
【0032】
(比較例4)
実施例8の比較として、ポリスチレン樹脂(東洋スチレン社製 商品名トーヨースチロールMW−2)80重量部にスチレンとブタジエンのブロックポリマー(JSR社製 商品名TR−2003)20重量部に導電性付与材としてカーボンブラック(電気化学工業社製 商品名デンカアセチレンブラック粒状)24重量部をタンブラーミキサーにてブレンドし、実施例8と同様にしてICトレイを成形しICの摩擦帯電量を測定した。結果を表3に示すが帯電電荷量は1.33から1.79ナノクーロンの範囲であった。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
PMMA ポリメチルメタクリレート
PS ポリスチレン
HIPSハ イインパクトポリスチレン
CB カーボンブラック
IC記号とIC種類
IC・1 NEC社V25マイクロプロセッサ
IC・2 TexasInstrument社TMS320C32PCM40MPUマイクロコントローラ
IC・3 日立社HD6475368CP10MPUマイクロコントローラ
ICの表面抵抗値は3箇所のポケットでICの帯電量を測定
(1)図2の1のポケットに置いたICの帯電電荷量
(2)図2の2のポケットに置いたICの帯電電荷量
(3)図2の3のポケットに置いたICの帯電電荷量
【0036】
【表3】
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、収納する電子部品が接触する包装容器内面に特定比率のアクリル系重合体と芳香族ビニル化合物系重合体と導電性付与材、或いは特性比率のアクリル系重合体とポリフェニレンエーテルと芳香族ビニル化合物系重合体と導電性付与材のブレンド物を用いることにより、包装容器と収納する電子部品の接触、摩擦により部品表面に発生する帯電量の絶対値を少なくすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】摩擦試験片
【図2】ICトレイ
【符号の説明】
1摩擦試験に使用した、底面に小さい穴を有するICポケット
2摩擦試験に使用した、底面に大きい穴を有するICポケット
3摩擦試験に使用した、底面に穴が無いICポケット
4IC固定用微小リブ
Claims (5)
- 600回転/分の速度での5分間の摩擦において、摩擦相手に生じる帯電量の絶対値が1ナノクーロン以下であり、アクリル酸エステル系重合体50〜2重量部と芳香族ビニル化合物系重合体50〜98重量部の合計100重量部に対し、導電性付与材を1〜50重量部を含有する電子部品包装用樹脂組成物。
- 600回転/分の速度での5分間の摩擦において、摩擦相手に生じる帯電量の絶対値が1ナノクーロン以下であり、アクリル酸エステル系重合体50〜2重量部と、ポリフェニレンエーテルと芳香族ビニル化合物系重合体の合計50〜98重量部との合計100重量部に対し、導電性付与材を1〜50重量部を含有する、電子部品包装用樹脂組成物。
- 導電性付与材が、カーボンブラック、炭素繊維、金属繊維、導電性酸化金属のいずれか一以上である、請求項1又は2に記載の電子部品包装用樹脂組成物。
- 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の樹脂組成物からなる電子部品包装容器。
- 請求項4の電子部品包装容器を用いた電子部品包装容器体。
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