JP4067365B2 - デジタル複合機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録手段に記録している複数の制御プログラムに基づき夫々の処理を実行する処理装置の制御プログラムを更新するデジタル複合機に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、コピー機構を制御するPCU機構、ファクシミリ機構、ネットワークプリンタ機構及びネットワークスキャナ機構等の様々な画像形成機構を備える処理装置が、デジタル複合機として商品化されている。
【0003】
さらにデジタル複合機として商品化されている処理装置では、様々な画像形成機構だけでなく、例えば給排紙類については、多段給紙カセット、大容量給紙カセット及びフィニッシャー等のオプション機器が付属しており、多種多様な商品構成をなしている。
【0004】
また処理装置を構成するPCU機構、ファクシミリ機構、ネットワークプリンタ機構及びネットワークスキャナ機構等の各種機構は、夫々の制御プログラムを実行することにより実現し、夫々の制御プログラムはバージョンアップ及びデバッグ等の事由により必要に応じて更新される。
【0005】
制御プログラムの更新は、製造会社及びサービス会社等の担当者が、処理装置を設置している事業所へ出向き、機種、機構及びオプション機器等の様々な処理装置の構成に応じて最適な更新を行うこととなっており、個々の処理装置の様々な制御プログラムを何度も更新する作業は、担当者にとって大きな作業負荷となっていた。
【0006】
そこで特開2001−256057号公報では、サービス装置(処理装置)を構成する機構の組み合わせが予め設定されているモデル毎に準備されたアップデート用データを上位装置に記録し、上位装置及びサービス装置間をネットワークにて接続し、上位装置からサービス装置へアップデート用データをダウンロードし、当該サービス装置のモデルのアップデート用データに含まれる更新すべき機構のアップデート用データを読み込み、読み込んだアップデート用データに含まれるアップデートプログラムを実行することにより、制御プログラムの書き換えを行うことで作業負荷を軽減する方法が開示されている。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−256057号公報(第5−7頁、第2−6図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら特開2001−256057号公報に記載された発明では、上位装置に記録されているアップデート用データは、予め機構の組み合わせが設定されているモデルの処理装置に対応したものであり、近年主流となっているCTO生産のデジタル複合機の様に顧客の要望に応じて機構の組み合わせを変更した処理装置に対応するアップデート用データを記録していないという問題がある。
【0009】
また処理装置に必要な制御プログラムに対応するアップデート用データをダウンロードするためには、上位装置及び処理装置間で煩雑に通信を行い、必要とするアップデート用データを確定してからでなければならないという問題がある。
【0010】
さらに機構の組み合わせを変更した様々なモデルに対応するためには、重複する制御プログラムであっても夫々のモデル毎に記録しなければならず、上位装置に記録すべきアップデート用プログラムの容量が肥大化するという記録容量の問題があり、またこの問題は記録しているアップデート用プログラムの管理の問題をも引き起こすものである。
【0011】
そして夫々のモデルに含まれる各機構の制御プログラムが含まれたアップデート用プログラムをダウンロードするため、通信負荷が増大し、通信用のシステムがダウンするという虞もある。
【0012】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、デジタル複合機が備えるPCU機構及びファクシミリ機構等の様々な処理部の制御に用いる制御プログラムを、新しい制御プログラムに更新する場合に、様々な制御プログラムを圧縮した圧縮制御プログラムを統合して更新用ファイルを作成し、作成した更新用ファイルを処理装置と通信する記録装置に記録しておき、記録装置からデジタル複合機へ更新用ファイルを送信し、デジタル複合機では、必要な更新用ファイルを展開して制御プログラムを生成し、生成した制御プログラムに更新することにより、デジタル複合機の様々な制御プログラムを更新すべく事業所へ出向く担当者が不要となるだけでなく、デジタル複合機が備える各処理部の夫々の制御プログラム毎に更新するための制御プログラムが更新用ファイルに統合されているので、機構の組み合わせが独自のものであっても対応することが可能で、また機構の組み合わせが多様化しても更新用ファイルが大容量化することはなく、そのため管理も容易であり、更に制御プログラムは圧縮して送信されるので、通信負荷が増大することを防止することが可能なデジタル複合機の提供を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るデジタル複合機は、通信網に接続され、制御部及び該制御部の制御を受けて夫々がデータの処理を行う複数の処理部を備え、該各処理部は、夫々の処理を行うための制御プログラムを記録する処理部用記録手段を有し、前記夫々の処理部は、前記制御部の制御を受けて、処理部用記録手段に記録している夫々の処理部用の制御プログラムを実行することにより、夫々の処理部としての処理を実行するデジタル複合機において、前記制御部は、前記複数の処理部を制御した回数を処理部毎に記録する回数記録手段と、処理部用記録手段に記録している制御プログラムを更新する更新手段とを備え、処理部用記録手段に記録している第1制御プログラムから第2制御プログラムに更新すべく、複数の第2制御プログラムを圧縮した圧縮制御プログラム、及び第2制御プログラムの属性として、第2制御プログラムのID情報を含む属性情報を統合した更新用ファイルの送信を、通信網に接続する他の装置に要求し、要求に対して他の装置から送信される更新用ファイルを受信し、処理部用記録手段に予め記録されている第1制御プログラムのID情報を含む属性情報を検出し、受信した更新用ファイルに含まれる第2制御プログラムの属性情報を検出し、第1制御プログラムの属性情報及び更新用ファイルに含まれる第2制御プログラムの属性情報の比較に基づいて更新の対象となる処理部を選択し、回数記録手段に記録している選択した処理部を制御した回数に基づいて、該選択した処理部の更新の要否を判定し、更新要と判定した場合は、更新用ファイルに含まれる複数の圧縮制御プログラムの中から、選択した処理部の処理部用記録手段に記録された第1制御プログラムに対応する圧縮制御プログラムを検出し、検出した圧縮制御プログラムを展開して第2制御プログラムを生成し、更新手段により、選択した処理部の処理部用記録手段に記録している第1制御プログラムを、生成した第2制御プログラムに更新することを特徴とする。
【0046】
本発明に係るデジタル複合機では、複数種の第2制御プログラムを圧縮した圧縮制御プログラムを統合した更新用ファイルを記録装置から受信し、受信した更新用ファイルに含まれる圧縮制御プログラムを展開した第2制御プログラムに、第1制御プログラムを更新することにより、通信にて第2制御プログラムを受信し、自動的に更新が行われるので、処理装置の製造会社及びサービス会社等の事業体の担当者が、処理装置を設置している事業所へ制御プログラムを届けた上での更新のための作業を不要とすることが可能であり、処理装置が備える各処理部の夫々の第2制御プログラムが統合された更新用ファイルに含まれているので、処理装置の各処理部の組み合わせの多様化に対して容易に対応することが可能であり、しかも重複する第2制御プログラムを記録する必要がないので、更新用ファイルが大容量化することを防止することが可能であり、更に第2制御プログラムは圧縮されているので更新用ファイル送信時の通信負荷を小さくすることが可能である。
しかも本発明に係るデジタル複合機では、各処理部の使用回数に基づいて、更新の要否を判定することにより、使用回数の高い処理部の制御プログラムのみ更新処理を行い、使用回数の低い又は使用しない処理部の制御プログラムの更新を防止することが可能であるため、展開処理の処理負荷を軽減し、処理時間を短縮することが可能である。
【0047】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
図1は本発明の通信システムの構成を示すブロック図である。
図中100,100,…は、デジタル複合機等の処理装置であり、処理装置100,100,…は、LAN等の内部通信網NWiに接続されている。
【0048】
処理装置100,100,…は、ファクシミリ機構、コピー機構を制御するPCU(Process Control Unit)機構、プリンタ機構及びスキャナ機構等の様々な機構を備えており、夫々の処理装置100,100,…が備えている機構は夫々の用途に応じて様々に組み合わせがなされており、また同じ機構であってもバージョン等の仕様は必ずしも同じではない。
【0049】
内部通信網NWiには、処理装置100,100,…と通信する記録装置200が接続されており、記録装置200は、インターネット等の外部通信網NWoに接続し、処理装置100,100,…を製造した製造会社及び処理装置100,100,…に関するサービスを提供するサービス会社等の事業体にて管理される事業体装置300と接続している。
【0050】
図2は本発明の通信システムにて用いられる処理装置100及び記録装置200の構成を示すブロック図である。
処理装置100は、装置全体を制御する制御部10並びに制御部10の制御を受けて夫々の処理を行うファクシミリ機構、PCU機構、プリンタ機構及びスキャナ機構等の様々な処理部20,20,…を備えている。
【0051】
制御部10は、制御部10内の各回路を制御するCPU11及び該CPU11により実行される制御プログラムを記録しているフラッシュメモリ等の第1メモリ12を備えており、第1メモリ12に記録されている制御プログラムを制御部10にて実行することにより、制御部10は様々な処理を行う。
なお第1メモリ12には、更新の履歴を示す履歴情報並びに各処理部20,20,…の使用回数及び使用頻度等の使用状況も記録される。
また制御部10は、内部通信網NWiに接続し、記録装置200と通信を行う外部機器インターフェース(外部機器I/F)13、外部機器インターフェース13を介して受信したプログラム及びデータ等の様々な情報を一時的に記録する第2メモリ14、第2メモリ14に記録された情報が圧縮された情報であった場合に、展開処理を行う展開回路15、並びに展開回路15にて展開されたプログラム及びデータ等の情報を記録する第3メモリ(制御部用記録手段)16を備えている。
さらに制御部10は、各処理部20,20,…と通信するためのバスインターフェース(バスI/F)17並びに入力操作を受け付け様々な情報を出力(表示)する液晶タッチパネル等の入出力手段18を備えている。
【0052】
処理部20は、処理部20内の各回路を制御するCPU21、制御プログラム等の各種情報を記録するフラッシュメモリ等の第1メモリ(処理部用記録手段)22、一時的に発生する情報を記憶する第2メモリ23、及び制御部10と通信するためのバスインターフェース(バスI/F)24を備えており、CPU21の制御に基づいて、第1メモリ22に記録されている制御プログラムを読み取り、第2メモリ23に記憶させて実行することで、処理部20は、ファクシミリ処理及びコピー処理等の様々な処理を実行する。
【0053】
記録装置200は、サーバコンピュータ等のコンピュータを用いた装置であり、装置全体を制御するCPU201、各種プログラム及びデータ等の情報を記録するハードディスク等の第1メモリ202、一時的に発生する情報を記憶するRAM等の第2メモリ203、並びに内部通信網NWiに接続する内部通信手段204及び外部通信網NWoに接続する外部通信手段205を備えている。
なお記録装置200が備える第1メモリ202には、処理装置100が備える様々な処理部20,20,…を制御するための複数種の制御プログラムを圧縮した圧縮制御プログラムを統合した更新用ファイルを記録しており、必要に応じて処理装置100へ送信する。
また事業体装置300から外部通信網NWoを介して更新用ファイルを受信することも可能である。
【0054】
次に記録装置200から処理装置100へ送信される更新用ファイルについて説明する。
図3は本発明の通信システムにて用いられる記録装置200から処理装置100へ送信される更新用ファイルの構成を概念的に示す説明図である。
更新用ファイルには、非圧縮の属性情報及び複数種の制御プログラムを圧縮して統合した圧縮制御プログラムが含まれている。
属性情報は、更新用ファイル全体の属性を示す情報及び各制御プログラムの夫々の属性を示す情報を含んでいる。
圧縮制御プログラムとは、制御部10及び各種の処理部20を制御するための制御プログラムを夫々圧縮した情報であり、各圧縮プログラムは統合された状態で更新用ファイルに含まれている。
【0055】
図4は本発明の通信システムにて用いられる更新用ファイルに含まれる属性情報の構成を概念的に示す説明図である。
更新用ファイル全体の属性を示す情報とは、製造会社及び製品を示すID情報、更新用ファイルに含まれている圧縮制御プログラムの圧縮形式及び更新用ファイル自体の形式を示す形式情報、更新用ファイル自体の作成日時を示す作成時期情報、ファイル名、データサイズ、圧縮制御プログラムとして含まれる制御プログラムの数並びに受信条件等の情報である。
なお受信条件とは、受信時間及び受信時のエラー検出数等の通信に関する条件を示す。
各制御プログラムの夫々の属性を示す情報とは、処理装置100が備える制御部10用の制御プログラム及び様々な処理部20用の制御プログラムの属性を示す情報であり、具体的には、夫々の制御プログラムのID情報、バージョン情報、圧縮前及び圧縮後のデータサイズ、制御プログラムの照合に用いられるサム値等の照合値並びに制御プログラムの作成時期を示す作成時期情報及び組み合わせ情報等の情報である。
【0056】
図5は本発明の通信システムにて用いられる更新用ファイルに含まれる圧縮制御プログラムの構成を概念的に示す説明図である。
更新用ファイルには、制御部10用の制御プログラム、PCU機構である処理部20用の制御プログラム、スキャナ機構である処理部20用の制御プログラム及びファクシミリ機構である処理部20用の制御プログラム等の制御プログラムが各機構毎に圧縮された圧縮制御プログラムとして記録されている。
夫々の圧縮制御プログラムには、制御プログラムのID情報、制御プログラムの属性情報及び制御プログラム本体であるデータ等の様々な情報が圧縮された状態で含まれている。
なお夫々の機構に対応する制御プログラムは複数であっても良く、例えばPCU機構の制御プログラムとして、1分間に45枚の印刷を行うことができるコピー機の仕様を示す45CPM及び35枚の印刷の仕様である35CPMというように2種類の制御プログラムが含まれていても良く、同様にスキャナ機構用の制御プログラムとしてモノクロームスキャナ用の制御プログラム及びカラースキャナ用の制御プログラムというように2種類の制御プログラムが含まれていても良い。
また一つの機構について複数種の制御プログラムが存在する場合、共通のデータと、個々の制御プログラム毎に異なる差分のデータとに分けるようにしても良い。
【0057】
次に本発明の通信システムにて用いられる各種装置の処理について説明する。
なお以降の説明において、便宜上、処理装置100が備える処理部20に予め記録されている制御プログラムを第1制御プログラムとし、記録装置200から処理装置100へ送信する更新用ファイルに圧縮した状態で含まれる制御プログラムを第2制御プログラムとして説明する。
図6は本発明の通信システムにて用いられる処理装置100及び記録装置200の更新用ファイル送受信処理を示すフローチャートである。
記録装置200では、例えば外部通信網NWoを介して事業体装置300と通信を行い、必要に応じて第1メモリ202に記録している更新用ファイルを更新する処理を行っている。
【0058】
処理装置100では、処理部20が変更された場合及び制御プログラムの更新を指示する入力を受け付けた場合に、制御プログラムを更新する処理を行う。
即ち処理装置100では、処理部20の変更を検出し又は制御プログラムの更新を指示する入力を受け付け(S101)、これにより制御プログラム更新モードに移行して、第1メモリ22に記録している第1制御プログラムを第2制御プログラムに更新すべく、新たな更新用ファイルの送信を要求する要求情報を、外部機器インターフェース13を介して内部通信網NWiに接続する記録装置200へ送信する(S102)。
なお処理部20の変更の検出及び制御プログラムの更新を指示する入力の受付以外にも予め条件を設定しておくことにより、制御プログラム更新モードに移行させることができる。
【0059】
記録装置200では、内部通信網NWi上に送出される自機宛の情報を監視しており、処理装置100から内部通信網NWiを介して更新用ファイルの送信を要求する要求情報を受信した場合(S103)、更新用ファイルを第1メモリ202から抽出し(S104)、抽出した更新用ファイルを、要求情報の送信元の処理装置100へ送信する(S105)。
【0060】
処理装置100では、要求情報に対して送信される更新用ファイルを、内部通信網NWi及び外部機器インターフェース13を介して受信し(S106)、受信した更新用ファイルを第2メモリ14に記録して(S107)、更新用ファイルの受信が完了したか否かを判断し、受信が完了した判断した場合、更新用ファイルに含まれる属性情報を読み取り(S108)、読み取った属性情報により示されている所定の判定基準と、受信状況とを比較して(S109)、比較した結果に基づいて、制御プログラムの更新の可否を判定する(S110)。
なお読み取った属性情報により示される所定の判定基準とは、属性情報に含まれている受信時間等の受信条件、更新用ファイルのデータサイズ及び制御プログラムの数等の基準であり、また受信状況として比較する情報もこれらの基準に対応する情報である。
【0061】
ステップS110において、受信状況及び判定基準との比較により、通信は正常に完了し、制御プログラムの更新は可能であると判定した場合(S110:YES)、更新用ファイル送受信処理を完了する。
【0062】
ステップS110において、受信状況及び判定基準との比較により、通信時に異常が生じた可能性が高く、受信した更新用ファイルに基づく第2制御プログラムへの更新が不可であると判定した場合(S110:NO)、ステップS102に戻り、要求情報の再送信を行い(S102)、以降の処理を繰り返す。
なお要求情報を再送信するのではなく、受信時にエラーが生じたことを示す情報を入出力手段18から出力し、処理を完了するようにしても良い。
このようにして通信時に異常を含んでいる可能性の高い更新用ファイルに基づく第2制御プログラムの更新を防止することができる。
【0063】
図7及び図8は本発明の通信システムにて用いられる処理装置100の制御プログラム更新処理を示すフローチャートである。
更新用ファイルを正常に受信したと判定した処理装置100では、制御部10の第1メモリ12及び複数の処理部20,20,…の夫々の第1メモリ22,22,…に記録されている第1制御プログラムの組み合わせ情報、バージョン情報、構成及びID番号等の属性情報を夫々検出し(S201)、更に受信した更新用ファイルに含まれる第2制御プログラムの属性情報を検出する(S202)。そして処理装置100では、ステップS201にて検出した第1制御プログラムの属性情報及びステップS202にて検出した更新用ファイルに含まれる属性情報の比較に基づいて、更新用ファイルに含まれる複数種の圧縮制御プログラムの中から、第1メモリ22に記録している夫々の第1制御プログラムに対応する圧縮制御プログラムを検出する(S203)。
次に処理装置100では、更新用ファイルに含まれる、検出した圧縮制御プログラムに対応する第2制御プログラムの属性情報である作成時期情報を検出し(S204)、更に当該第2制御プログラムに対応する処理部20の第1メモリ12に記録している、更新した時期を示す更新時期情報等の履歴を示す履歴情報を検出し(S205)、作成時期情報により示される時期及び履歴情報に含まれる更新時期情報により示される時期を比較し(S206)、比較した結果に基づいて更新の要否を判定する(S207)。
【0064】
ステップS207において、作成時期情報により示される時期が、更新時期情報により示される時期より新しく、更新が必要であると判定した場合(S207:YES)、処理装置100では、第1メモリ12に記録している第1制御プログラムの属性情報である作成時期情報を検出し(S208)、当該第2制御プログラムの属性情報である作成時期情報が示す時期及び第1制御プログラムの属性情報である作成時期情報が示す時期を比較し(S209)、比較した結果に基づいて更新の要否を判定する(S210)。
【0065】
ステップS210において、第2制御プログラムの属性情報である作成時期情報が示す時期が、第1制御プログラムの属性情報である作成時期情報が示す時期より新しく、更新が必要であると判定した場合(S210:YES)、処理装置100では、検出した圧縮制御プログラムを展開回路15により展開して第2制御プログラムを生成し(S211)、生成した第2制御プログラムを制御部10の第3メモリ16に記録する(S212)。
【0066】
処理装置100では、第3メモリ16に記録した第2制御プログラムのコードを行列形式に配置して、行方向及び列方向の合計値であるサム値を照合値として計算し(S213)、照合値として計算したサム値及び更新用ファイルの属性情報に含まれる照合値であるサム値を照合し(S214)、照合した結果に基づいて第2制御プログラムの更新の可否を判定する(S215)。
なおステップS213にて計算し、ステップS214にて照合する照合値はサム値に限らず、照合に用いることが可能な値で有れば、パリティチェックに用いる値でも良く、更には複数の照合方法を組み合わせるようにしても良い。
【0067】
処理装置100では、ステップS215において、第2制御プログラムが正常に展開され、更新しても問題がないと判定した場合(S215:YES)、対応する処理部20の第1メモリ22に記録されている第1制御プログラムを、生成した第2制御プログラムに更新する更新処理サブルーチンを起動する(S216)。
【0068】
そして処理装置100では、他に制御プログラムの更新を要する処理部20の有無を判定し(S217)、制御プログラムの更新を要する処理部20が存在しない場合(S217:NO)、更新した時期を示す更新時期情報等の履歴を示す履歴情報を第1メモリ12に記録し(S218)、更新処理が完了したことを示す完了情報を入出力手段18から出力し(S219)、制御プログラムの更新処理を完了する。
【0069】
ステップS207において、作成時期情報により示される時期が更新時期情報により示される時期より古く、当該第2制御プログラムの更新が不要であると判定した場合(S207:NO)、ステップS217へ進み、他に制御プログラムの更新を行うべき処理部20の有無を判定する(S217)。
【0070】
ステップS210において、第2制御プログラムの属性情報である作成時期情報が示す時期が、第1制御プログラムの属性情報である作成時期情報が示す時期より古く、当該第2制御プログラムの更新が不要であると判定した場合(S210:NO)、ステップS217へ進み、他に制御プログラムの更新を行うべき処理部20の有無を判定する(S217)。
【0071】
ステップS217において、他に制御プログラムの更新を行うべき処理部20が存在する場合(S217:YES)、ステップS203に戻り以降の処理を繰り返す。
ステップS215において、第2制御プログラムは正常に展開されておらず、更新すべきではないと判定した場合(S215:NO)、生成された第2制御プログラムは異常であることを示す出力を行い、更新処理を中止する異常処理を行う(S220)。
【0072】
なおステップS218にて第1メモリ12に記録した履歴情報は、必要に応じて表示、印刷及び他の装置への転送等の出力処理を行わせることが可能であり、履歴情報として出力された更新の履歴を確認することにより、継続的なシステム管理を支援し、異常発生時に適切な処理を行うことが可能となる。
【0073】
図9は本発明の通信システムにて用いられる処理装置100の更新処理サブルーチンを示すフローチャートである。
図7及び図8を用いて説明した制御プログラム更新処理のステップS216にて起動された更新処理サブルーチンによる処理として、処理装置100では、ステップS211にて展開して生成した第2制御プログラムに対応し、処理部20の第1メモリ22に記録されている第1制御プログラムを、制御部10の第3メモリ16に複写する(S301)。
即ち第1制御プログラムを第2制御プログラムに更新する前に、正常に動作している第1制御プログラムを退避させる。
【0074】
そして処理装置100では、第3メモリ16の第1制御プログラム及び第2制御プログラムをベリファイチェック等の方法により照合し(S302)、照合した結果に基づいて更新の要否を判定する(S303)。
なおステップS302の照合は、第1制御プログラム及び第2制御プログラムそのものを照合するのではなく、夫々のサム値を計算し、計算したサム値を照合するようにしてもよい。
【0075】
ステップS303において、第1制御プログラム及び第2制御プログラムが一致せず、異なるバージョンであるため、更新が必要であると判定した場合(S303:YES)、処理装置100では、対応する処理部の第1メモリ22に記録されている第1制御プログラムを、第2制御プログラムに更新する(S304)。
【0076】
そして処理装置100では、第1メモリ22に記録された第2制御プログラムのサイズ及び更新用ファイルに含まれる属性情報である第2制御プログラムのデータサイズに基づいて、データサイズの異常の有無を判定する(S305)。
【0077】
ステップS305において、データサイズが正常であると判定した場合(S305:YES)、処理装置100では、制御部10の第3メモリ16に記録された第2制御プログラムを、ステップS304の更新処理により処理部20の第1メモリ22に記録した第2制御プログラムと照合し(S306)、照合した結果に基づいて更新の再実行の要否を判定する(S307)。
【0078】
ステップS307において、制御部10の第3メモリ16に記録された第2制御プログラム及び処理部20の第1メモリ22に記録された第2制御プログラムは一致し、更新の再実行が不要であると判定した場合(S307:NO)、処理装置100では、処理部20の第1メモリ22に記録された第2制御プログラムのサム値を照合値として計算し(S308)、計算したサム値を、更新用ファイルの属性情報に含まれるサム値である照合値と照合し(S309)、照合した結果に基づいて更新の再実行の要否を判定する(S310)。
ステップS310において、照合値が一致し、更新の再実行が不要であると判定した場合(S310:NO)、処理装置100では、更新処理サブルーチンを終了させる。
【0079】
なおステップS303において、第1制御プログラム及び第2制御プログラムが一致し、同じバージョンであるため、更新が不要であると判定した場合(S303:NO)、当該第2制御プログラムに関する更新処理サブルーチンを終了する。
【0080】
またステップS305において、データサイズが異常であると判定した場合(S305:NO)、ステップS307において、制御部10の第3メモリ16に記録された第2制御プログラム及び処理部20の第1メモリ22に記録された第2制御プログラムは一致せず、更新の再実行が必要であると判定した場合(S307:YES)、ステップS310において、サム値が一致せず、更新の再実行が必要であると判定した場合(S310:YES)、ステップS302に戻り、更新の再実行に関する処理を繰り返す。
【0081】
なお照合値の不一致等の異常の回数は計数されており、計数された回数が所定値に達した場合、正常な更新が行われなかったことを示す情報を出力して、異常処理サブルーチンを起動し、更新処理サブルーチンを終了する。
【0082】
図10は本発明の通信システムにて用いられる処理装置100の異常処理サブルーチンを示すフローチャートである。
図9を用いて説明した更新処理サブルーチンにて起動された異常処理サブルーチンによる処理として、処理装置100では、処理部20の第1メモリ22に記録した第2制御プログラムを第1制御プログラムに戻すか否かを判定する(S401)。
【0083】
ステップS401にて、第1制御プログラムに戻すと判定した場合(S401:YES)、処理装置100では、処理部20の第1メモリに記録した第2制御プログラムにブートソフトが内蔵されているか否かを判定する(S402)。
【0084】
ステップS402において、第2制御プログラムにブートソフトが内蔵されていないと判定した場合(S402:NO)、処理装置200では、制御部10の第3メモリ16に複写した第1制御プログラムを、対応する処理部20の第1メモリに再記録し(S403)、元の制御プログラムに戻したことを通知する出力を行い、異常処理サブルーチンを終了する。
【0085】
ステップS402において、第2制御プログラムにブートソフトが内蔵されていると判定した場合(S402:YES)、処理装置200では、制御部10の第3メモリ16に複写した第1制御プログラムの変更箇所のみを、対応する処理部20の第1メモリに再記録し(S404)、操作を行う担当者に元の制御プログラムに戻したことを通知する出力を出力手段18から行い、異常処理サブルーチンを終了する。
【0086】
なおステップS401において、第1制御プログラムに戻さないと判定した場合(S401:NO)、異常処理サブルーチンを終了する。
【0087】
実施の形態2.
実施の形態2は、実施の形態1において、更新する制御プログラムを手動で選択する形態である。
なお通信システム、各種装置及び更新用ファイルの構成は、実施の形態1と同様であるので、実施の形態1を参照するものとし、その説明を省略する。
【0088】
図11は本発明の通信システムにて用いられる処理装置100の制御プログラム更新処理を示すフローチャートである。
実施の形態1と同様の更新用ファイル送受信処理により、更新用ファイルを正常に受信したと判定した処理装置100では、受信した更新用ファイルに含まれる圧縮制御プログラムに対応する第2制御プログラムのバージョン情報、作成時期情報及び組み合わせ情報等の属性情報を検出し(S501)、検出したバージョン情報、作成時期情報及び組み合わせ情報等の属性情報を入出力手段18から出力する(S502)。
なお組み合わせ情報とは、各処理部20,20,…に対応する第2制御プログラムの組み合わせの相性を示す情報であり、保証されていない組み合わせに夫々の処理部20,20,…の制御プログラムを更新した場合には、例えばメモリの使用方法の相違により、処理部20が異常動作を起こす可能性が高い。
【0089】
そして処理装置100を操作する担当者は、出力された属性情報を確認し、更新する制御プログラム、即ち第2制御プログラムに展開する圧縮制御プログラムを指定する入力を入出力手段18に対して行う。
処理装置100では、第2制御プログラムに展開する圧縮制御プログラムの指定を受け付け(S503)、指定を受け付けた圧縮制御プログラムに対応する第2制御プログラムに更新することが適切か否かを、組み合わせ情報等の属性情報に基づいて判定する(S504)。
【0090】
ステップS504において、更新することが適切であると判定した場合(S504:YES)、処理装置100では、図7及び図8を用いて説明した実施の形態1の制御プログラム更新処理におけるステップS211以降の処理、即ち指定を受け付けた圧縮制御プログラムを展開回路15により展開して第2制御プログラムを生成し(S211)、様々なチェックの後、更新処理サブルーチンを起動して(S216)、該当する処理部20の第1制御プログラムを第2制御プログラムに更新する処理を実行する。
【0091】
ステップS504において、更新することが適切でないと判定した場合(S504:NO)、処理装置100では、更新することが不適切であることを示す情報を、入出力手段18から出力し(S505)、自動修正モードである場合には(S506:YES)、属性情報に基づいて第2制御プログラムに展開すべき圧縮制御プログラムを決定する(S507)。
そして処理装置100では、図7及び図8を用いて説明した実施の形態1の制御プログラム更新処理におけるステップS211以降の処理、即ち決定した圧縮制御プログラムを展開回路15により展開して第2制御プログラムを生成し(S211)、様々なチェックの後、更新処理サブルーチンを起動して(S216)、該当する処理部20の第1制御プログラムを第2制御プログラムに更新する処理を実行する。
【0092】
ステップ506において、自動修正モードでない場合には(S506:NO)、ステップS502に戻り、再度、圧縮制御プログラムの指定を要求し、以降の処理を繰り返す。
なおステップS506において、更新することが不適切であることを示す情報を出力した後、制御プログラム更新処理を中止するようにしてもよい。
【0093】
実施の形態3.
実施の形態3は、全ての処理部20の制御プログラムを最新の推奨組み合わせに更新する実施の形態1と異なり、処理部20の使用頻度に基づいて更新する制御プログラムを決定する形態である。
なお通信システム、各種装置及び更新用ファイルの構成は、実施の形態1と同様であるので、実施の形態1を参照するものとし、その説明を省略する。
【0094】
図12は本発明の通信システムにて用いられる処理装置100の制御プログラム更新処理を示すフローチャートである。
実施の形態1と同様の更新用ファイル送受信処理により、更新用ファイルを正常に受信したと判定した処理装置100では、複数の処理部20,20,…の夫々の第1メモリ22,22,…に記録されている組み合わせ情報、第1制御プログラムのバージョン情報、構成及びID番号等の属性情報を夫々検出し(S601)、更に受信した更新用ファイルに含まれる第2制御プログラムの属性情報を検出する(S602)。
【0095】
そして処理装置100では、ステップS601にて検出した第1制御プログラムの属性情報及びステップS602にて検出した更新用ファイルに含まれる属性情報の比較に基づいて、制御プログラムの更新の対象とすべき処理部20,20,…を選択する(S603)。
さらに処理装置100では、制御部10の第1メモリ12に記録されている、ステップS603にて選択した処理部20,20,…の使用回数及び使用頻度等の使用状況を示す情報を抽出し(S604)、選択された処理部20,20,…の使用状況を、予め設定されている基準と比較し(S605)、比較した結果に基づいて更新の要否を判定する(S606)。
【0096】
ステップS606において、選択された処理部20,20,…が、予め設定されている基準以上に使用されており、更新が必要であると判定した場合(S606:YES)、処理装置100では、図7及び図8を用いて説明した実施の形態1の制御プログラム更新処理におけるステップS203以降の処理、即ち更新用ファイルに含まれる圧縮制御プログラムの中から、ステップS603にて選択された処理部20,20,…に対応する圧縮制御プログラムを検出し(S203)、様々なチェックの後、第2制御プログラムを生成し(S211)、更に更新処理サブルーチンを起動して(S216)、該当する処理部20の第1制御プログラムを第2制御プログラムに更新する処理を実行する。
【0097】
ステップS606において、選択された処理部20,20,…が、予め設定されている基準未満であり、更新は不要であると判定した場合(S606:NO)、制御プログラム更新処理を終了する。
【0098】
なお選択された処理部20,20,…の使用状況が、予め設定されている基準未満であると判定した場合においても、現行の制御プログラムの実行に問題がある場合、例えば制御プログラム組み合わせが好ましくない場合には、処理部20,20,…の使用状況が基準以上である場合と同様の処理により、第1制御プログラムを第2制御プログラムに更新する処理を実行する。
【0100】
次に本発明の処理装置100が備える入出力手段18から出力される各種情報について説明する。
図13は本発明の処理装置100が備える入出力手段18から出力される画像を示す説明図である。
図13は、図7及び図8を用いて説明した制御プログラム更新処理のステップS218において、第1メモリ12に記録した履歴情報を出力した画像を示している。
【0101】
図13に示す例では、画像の上方に処理装置の機種名として「マシンX」という名称が示されており、その下方に「現在のROM VERSION」として、制御部10の第1メモリ12に記録されている制御プログラム及び各処理部20,20,…の第1メモリ22に記録されている制御プログラムのバージョン及び更新日を示す属性情報並びに更新方法が示されている。
【0102】
図13より、「MAIN」として示されている制御部10の第1メモリ12に記録されている制御プログラムのバージョンが「V1.00」、「PCU」として示されているPCU機構である処理部20の第1メモリ22に記録されている制御プログラムのバージョンが「V1.00」、そして「SCANNER」として示されているスキャナ機構である処理部20の第1メモリ22に記録されている制御プログラムのバージョンが「V1.00B」であることが読み取れる。
なお更新方法としては、「工場出荷時」、「自動更新」及び「手動更新」等の文言が示される。
【0103】
また画像の下方には、「バージョンアップ LOG」として制御プログラムを更新した履歴が示されており、図13に示す例では、工場出荷時及び2回の更新の情報が示されている。
各履歴には、更新日、更新方法及びバージョンが夫々対応付けて示されており、バージョンを示す情報の左方に矢印と共に示されている「OK」の文言は、更新が成功したことを示している。
【0104】
図14は本発明の処理装置100が備える入出力手段18から出力される画像を示す説明図である。
図14(a)は、図11を用いて説明した制御プログラム更新処理のステップS503において、第2制御プログラムに展開し、更新処理を行う圧縮制御プログラムを指定する場合に出力される画像を示している。
図14(a)に示す例では、画像の上方に「AAAAA」というファイル名の更新ファイルに基づく更新であり、当該更新ファイルは、「2001.XX.XX」として示される日付に作成されたものであることが示されている。
【0105】
また「Writing ALL OK?」という文言が示されており、複数の処理部20,20,…の制御プログラムを一括して更新するか否かを選択することができるようになっており、処理装置100を操作する担当者が、「Yes」を指定することにより、複数の処理部20,20,…の制御プログラムを一括して更新することができ、「No」を指定することにより、制御プログラムの更新の可否を処理部20,20,…毎に指定することができ、そして「CA」を指定することにより、更新を行わず処理を終了させることができる。
【0106】
さらに画像の下方には、「MAIN:V1.00」、「PCU:V1.00.45」及び「SCANNER:V1.00.B」として各処理部20,20,…及びその更新後のバージョンが示されている。
【0107】
そして処理装置100を操作する担当者が、制御プログラムの更新の可否を処理部20,20,…毎に指定することを選択した場合、夫々の処理部20,20,…を示す文言に対応付けて示されている「Writing OK?」という文言に対し、「Yes」又は「No」を指定することにより、夫々の処理部20,20,…毎に制御プログラムの更新の要否を指定することができる。
【0108】
図14(b)は、制御プログラムの更新処理のステップS219にて、更新処理が完了したことを示す完了情報を出力した画像を示している。
図14(b)では、図14(a)にて説明した情報の他に、更新処理の結果として各処理装置20,20,…に対応する箇所に、「Result:OK」という文言及び画像の下方に「ALL OK!!」という文言が示されており、更新処理が問題なく完了したことが示されている。
なお図14(a)及び図14(b)に示す画像は、入出力手段18の画素数に応じて、表示される内容及び形式が変更されることは言うまでもない。
【0109】
図15は本発明の処理装置100が備える入出力手段18から出力される画像を示す説明図である。
図15は、図11を用いて説明した制御プログラム更新処理のステップS502において、属性情報として出力された組み合わせ情報の画像を示している。
図15に示すように組み合わせ情報は、制御部10及び各処理部20,20,…のバージョン毎の相性を表形式で出力される。
図15に示す例では、「コントローラ」として制御部10の制御ブログラムのバージョンが3つ存在することを示しており、同様にて「PCU」としてPCU機構である処理部20の制御プログラムのバージョンが3つ、「SCAN」としてスキャナ機構である処理部20の制御プログラムのバージョンが2つ、そして「FAX」としてファクシミリ機構である処理部20の制御プログラムのバージョンが2つあることが示されている。
そして夫々のバージョンの相性を、「◎」、「○」及び「×」の記号で示しており、相性の良い組み合わせは、「◎」又は「○」として示し、「◎」は特に推奨すべき組み合わせであることを示している。
相性の悪い組み合わせは「×」として示している。
【0110】
例えば制御部10の制御プログラムが、2001年2月25日に作成されたバージョン1.01である場合、PCU機構である処理部20の制御プログラムは、バージョン1.00及び1.01の相性が良く、特にバージョン1.01が推奨すべき組み合わせであり、逆にバージョン2.00は相性が悪いことが図15より読み取れる。
またスキャナ機構である処理部20の制御プログラムは、いずれのバージョンも相性が悪く、スキャナ機構である処理部20を使用する場合には、制御部10の制御プログラムをバージョン2.00にする必要がある。
【0111】
そして相性の表の下には、制御プログラムの更新履歴として、現行の制御プログラムは、2001年2月25日に更新されたものであることが示されている。さらにその下方には、現在の制御部10の制御プログラムは、2001年2月25日に更新されたバージョン1.01であることが示されており、またPCU機構である処理部20の制御プログラムは、2001年2月25日に更新されたバージョン1.01であることが示されている。
なおスキャナ機構である処理部20及びファクシミリ機構である処理部20は、現行では存在しないことが示されている。
【0112】
またその下方には、変更しようとしている制御プログラムのバージョンが示されており、担当者は、変更前及び変更後のバージョン並びに組み合わせ情報に基づいて、制御プログラムの更新の要否を判断する。
【0113】
前記実施の形態では、処理装置が、ファクシミリ機構及びスキャナ機構等の機構を備えるデジタル複合機である形態を示したが、本発明はこれに限らず、複数の機構を備え、夫々の機構を夫々の制御プログラムにより制御する形態で有れば様々な装置に適用することが可能である。
【0114】
【発明の効果】
以上詳述した如く本発明に係るデジタル複合機では、制御プログラムの制御に基づいて稼動するデジタル複合機及びデジタル複合機と通信する記録装置を用い、デジタル複合機に記録されている第1制御プログラムを第2制御プログラムに更新する場合に、複数種の第2制御プログラムを圧縮した圧縮制御プログラムを統合した更新用ファイルを記録装置に記録しておき、記録装置からデジタル複合機へ更新用ファイルを送信し、デジタル複合機では、受信した更新用ファイルに含まれる圧縮制御プログラムを展開して第2制御プログラムを生成し、第1制御プログラムを第2制御プログラムに更新することにより、通信にて第2制御プログラムを受信し、更新が行われるので、デジタル複合機の製造会社及びサービス会社等の事業体の担当者が、デジタル複合機を設置している事業所へ制御プログラムを届けた上での更新のための作業を不要とすることが可能であり、デジタル複合機が備える各処理部の夫々の第2制御プログラムが更新用ファイルに含まれているので、デジタル複合機の各処理部の組み合わせの多様化に対して容易に対応することが可能であり、しかも重複する第2制御プログラムを記録する必要がないので、更新用ファイルが大容量化することを防止することが可能であり、更に第2制御プログラムは圧縮されているので更新用ファイル送信時の通信負荷を小さくすることが可能である等、優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の通信システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の通信システムにて用いられる処理装置及び記録装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の通信システムにて用いられる記録装置から処理装置へ送信される更新用ファイルの構成を概念的に示す説明図である。
【図4】本発明の通信システムにて用いられる更新用ファイルに含まれる属性情報の構成を概念的に示す説明図である。
【図5】本発明の通信システムにて用いられる更新用ファイルに含まれる圧縮制御プログラムの構成を概念的に示す説明図である。
【図6】本発明の通信システムにて用いられる処理装置及び記録装置の更新用ファイル送受信処理を示すフローチャートである。
【図7】本発明の通信システムにて用いられる処理装置の制御プログラム更新処理を示すフローチャートである。
【図8】本発明の通信システムにて用いられる処理装置の制御プログラム更新処理を示すフローチャートである。
【図9】本発明の通信システムにて用いられる処理装置の更新処理サブルーチンを示すフローチャートである。
【図10】本発明の通信システムにて用いられる処理装置の異常処理サブルーチンを示すフローチャートである。
【図11】本発明の通信システムにて用いられる処理装置の制御プログラム更新処理を示すフローチャートである。
【図12】本発明の通信システムにて用いられる処理装置の制御プログラム更新処理を示すフローチャートである。
【図13】本発明の処理装置が備える入出力手段から出力される画像を示す説明図である。
【図14】本発明の処理装置が備える入出力手段から出力される画像を示す説明図である。
【図15】本発明の処理装置が備える入出力手段から出力される画像を示す説明図である。
【符号の説明】
100 処理装置
200 記録装置
300 事業体装置
10 制御部
20 処理部
NWi 内部通信網
NWo 外部通信網
Claims (1)
- 通信網に接続され、制御部及び該制御部の制御を受けて夫々がデータの処理を行う複数の処理部を備え、該各処理部は、夫々の処理を行うための制御プログラムを記録する処理部用記録手段を有し、前記夫々の処理部は、前記制御部の制御を受けて、処理部用記録手段に記録している夫々の処理部用の制御プログラムを実行することにより、夫々の処理部としての処理を実行するデジタル複合機において、
前記制御部は、
前記複数の処理部を制御した回数を処理部毎に記録する回数記録手段と、
処理部用記録手段に記録している制御プログラムを更新する更新手段と
を備え、
処理部用記録手段に記録している第1制御プログラムから第2制御プログラムに更新すべく、複数の第2制御プログラムを圧縮した圧縮制御プログラム、及び第2制御プログラムの属性として、第2制御プログラムのID情報を含む属性情報を統合した更新用ファイルの送信を、通信網に接続する他の装置に要求し、
要求に対して他の装置から送信される更新用ファイルを受信し、
処理部用記録手段に予め記録されている第1制御プログラムのID情報を含む属性情報を検出し、
受信した更新用ファイルに含まれる第2制御プログラムの属性情報を検出し、
第1制御プログラムの属性情報及び更新用ファイルに含まれる第2制御プログラムの属性情報の比較に基づいて更新の対象となる処理部を選択し、
回数記録手段に記録している選択した処理部を制御した回数に基づいて、該選択した処理部の更新の要否を判定し、
更新要と判定した場合は、更新用ファイルに含まれる複数の圧縮制御プログラムの中から、選択した処理部の処理部用記録手段に記録された第1制御プログラムに対応する圧縮制御プログラムを検出し、
検出した圧縮制御プログラムを展開して第2制御プログラムを生成し、
更新手段により、選択した処理部の処理部用記録手段に記録している第1制御プログラムを、生成した第2制御プログラムに更新する
ことを特徴とするデジタル複合機。
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