JP4067079B2 - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、絶縁性の金属酸化物、例えば強誘電体膜を容量絶縁膜に用いる容量素子を含む半導体装置及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
強誘電体を含む積層膜からなる電子デバイス、例えば強誘電体からなる容量絶縁膜を有する強誘電体容量素子は、高い比誘電率を有すると共にヒステリシス特性による残留分極を利用できることから、大容量コンデンサ又は不揮発性メモリ装置の分野において、酸化シリコン又は窒化シリコンからなる容量絶縁膜を有する従来の容量素子と置き換わりつつある。
【0003】
(第1の従来例)
以下、第1の従来例について図面を参照しながら説明する。
【0004】
図18は第1の従来例に係る半導体装置であって、プレーナ型の容量素子を有する半導体装置の部分的な断面構成を示している。
【0005】
図18に示すように、シリコンからなる半導体基板100にはMOSトランジスタ101が形成されており、該MOSトランジスタ101の側方には、酸化シリコンからなる素子分離膜102が形成されている。MOSトランジスタ101及び素子分離膜102は酸化シリコンからなる第1の層間絶縁膜103により覆われている。
【0006】
第1の層間絶縁膜103上における素子分離膜102の上方には、酸化チタンからなる第1の密着層104を介して、白金からなる下部電極105と、ストロンチウム、ビスマス、タンタル及びニオブを構成元素とする強誘電体からなる容量絶縁膜106と、白金からなる上部電極107とを含む容量素子108が形成されている。上部電極107上における第1コンタクト部107aを除く周縁部には窒化チタンからなる第2の密着層109が形成されている。
【0007】
第1の層間絶縁膜103上には、容量素子108を含む全面に酸化シリコンからなる第2の層間絶縁膜110が形成されている。第2の層間絶縁膜110には、上部電極107を露出するコンタクトホールが形成されており、該コンタクトホールには、窒化チタンからなるバリア層111が形成されている。
【0008】
さらに、容量素子108の第1コンタクト部107aとMOSトランジスタ101のソース領域101aに設けられた第2コンタクト部101bとは、基板側から順に成膜されたチタン、窒化チタン、アルミニウム及び窒化チタンからなる配線112により接続されている。
【0009】
(第2の従来例)
以下、第2の従来例について図面を参照しながら説明する。
【0010】
図19に示すように、第2の従来例に係る半導体装置はスタック型の容量素子を有する半導体装置であって、容量素子108のMOSトランジスタ101のソース領域101aとの間の電気的な接続を、下部電極105及びタングステンからなる導電性プラグ121を介して行なう。
【0011】
さらに、下部電極105と導電性プラグ121との間には、窒化チタンアルミニウムからなる酸化防止層122が設けられている。
【0012】
このように、第1又は第2の従来例に係る半導体装置には、上部電極107と第2の層間絶縁膜110との間に設けられ、該第2の層間絶縁膜110の上部電極107に対する密着性を向上する第2の密着層109と、上部電極107と配線112との間に設けられ、該配線112を構成するチタンが容量素子108に拡散することを防止するバリア層111と、下部電極105と導電性プラグ121との間に設けられ、該導電性プラグ121の酸化を防止する酸化防止層122とに、それぞれ窒化チタンが用いられている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記第1の従来例及び第2の従来例に係る容量素子が強誘電体を容量絶縁膜に持つ半導体装置は、以下のような問題を有している。
【0014】
すなわち、容量素子108を形成した後に、ドライエッチングにより容量絶縁膜106が受けるダメージを回復させるための温度が700℃〜800℃程度の酸素雰囲気によるアニールと、配線112を形成した後に、コンタクト抵抗の安定化及びアルミニウムの腐食を防止するための温度が450℃程度の窒素雰囲気によるアニールとによって、第2の密着層109、バリア層111、酸化防止層122を構成する窒化チタンからチタン原子が遊離し、上部電極107中又は下部電極105中を拡散して容量絶縁膜106に達する。この遊離したチタン原子と容量絶縁膜106を構成する強誘電体とが反応して、容量絶縁膜106の強誘電体特性を劣化させてしまう。
【0015】
窒化チタンは、金属チタンと比較するとチタン原子の拡散は起こりにくいが、充分に小さいとはいえない。一方、酸化チタンは、チタン原子の拡散は起こりにくいが、導電性を有さないため、配線112及び酸化防止層122には用いることができない。また、酸化チタンは、チタンを酸化する際に、クラックが発生し易いため、膜厚を十分に大きく設定できないという欠点もある。
【0016】
金属が遊離するという現象は、窒化チタンに限られず、窒化タンタル、窒化アルミニウム又はその化合物等の導電性を有する金属窒化物において一般的に生じる。
【0017】
また、導電性酸化物は、結晶が形成されると金属の遊離は起こりにくいものの、形成方法が容易でなく、組成制御が困難であったり、形成時に高温を要したりする。また、その形成時に金属を拡散させてしまうという問題が有る。
【0018】
本発明は前記従来の問題を解決し、金属酸化物からなる容量絶縁膜を持つ容量素子と界面を持つ配線、密着層又は酸化防止層等の導電性部材に金属窒化物を用いながら、熱処理時に該金属窒化物から発生する金属拡散を抑制して、容量絶縁膜の特性の劣化を防止できるようにすることを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために、本発明は、金属酸化物からなる容量絶縁膜を持つ容量素子との間に界面を持つ金属窒化物からなる導電性部材に、結晶粒界が酸化された多結晶体を用いる構成とする。
【0020】
具体的に、本発明に係る半導体装置は、基板の上に形成され、下部電極、上部電極及びそれらの間に挟まれた絶縁性の金属酸化物からなる容量絶縁膜を含む容量素子と、下部電極又は上部電極と界面を持つ金属窒化物からなる導電性部材とを備え、導電性部材は多結晶体からなり、該多結晶体の結晶粒界は酸化されている。
【0021】
本発明の半導体装置によると、容量素子と界面を持つ金属窒化物からなる導電性部材は多結晶体からなり、その結晶粒界は酸化されているため、半導体装置の製造中の熱処理時に、金属窒化物から金属原子が極めて遊離しにくくなる。このため、金属窒化物からなる導電性部材は、その導電性を確保しながら金属原子の容量絶縁膜への拡散を防止することができる。
【0022】
本発明の半導体装置は、上部電極と電気的に接続される配線をさらに備え、導電性部材が、上部電極と配線との間に設けられ、配線を構成する元素が容量絶縁膜に拡散することを防止するバリア層であることが好ましい。
【0023】
この場合に、バリア層が配線をも構成していることが好ましい。このように、バリア層と配線とが別体ではなく一体である構成であっても良い。
【0024】
また、本発明の半導体装置は、容量素子を覆うように形成された層間絶縁膜をさらに備え、導電性部材が、上部電極と層間絶縁膜との間に設けられ、上部電極と層間絶縁膜との間の密着性を向上する密着層であることが好ましい。
【0025】
また、本発明の半導体装置は、基板と容量素子との間に形成された層間絶縁膜をさらに備え、導電性部材が、層間絶縁膜と下部電極との間に設けられ、層間絶縁膜と下部電極との間の密着性を向上する密着層であることが好ましい。
【0026】
本発明の半導体装置は、下部電極と電気的に接続される導電性プラグをさらに備え、導電性部材が、導電性プラグと下部電極との間に設けられ、導電性プラグの酸化を防止する酸化防止層であることが好ましい。
【0027】
この場合に、導電性プラグが、多結晶シリコン又はタングステンを含むことが好ましい。
【0028】
本発明の半導体装置において、金属窒化物が、チタン、タンタル及びアルミニウムのうちの少なくとも1つを含むことが好ましい。
【0029】
本発明の半導体装置において、金属酸化物が、ストロンチウム、ビスマス、タンタル及びニオブのうちの少なくとも1つを含む層状構造を有するペロブスカイト型複合酸化物、又は鉛、ジルコニウム及びチタンのうちの少なくとも1つを含むペロブスカイト型複合酸化物であることが好ましい。
【0030】
本発明の半導体装置において、上部電極及び下部電極のうちの少なくとも一方が、白金又は白金を含む積層膜からなることが好ましい。
【0031】
本発明に係る第1の半導体装置の製造方法は、基板の上に、下部電極、絶縁性の金属酸化物からなる容量絶縁膜及び上部電極を有する容量素子を形成する第1の工程と、容量素子の上に、上部電極を露出する接続孔を有する層間絶縁膜を形成する第2の工程と、接続孔を含む層間絶縁膜の上に、多結晶の金属窒化物からなる導電性膜を形成する第3の工程と、導電性膜における結晶粒界を選択的に酸化する第4の工程と、導電性膜を該導電性膜の接続孔部分を含むようにパターニングすることにより、上部電極に導電性膜からなるコンタクト部を形成する第5の工程とを備えている。
【0032】
第1の半導体装置の製造方法によると、多結晶の金属窒化物からなる導電性膜から、上部電極に設けるコンタクト部を形成する工程において、該導電性膜の結晶粒界を選択的に酸化するため、コンタクト部を形成した後の熱処理時に、金属窒化物からなるコンタクト部から金属原子が遊離しにくくなる。その結果、金属窒化物からなるコンタクト部は、その導電性を確保しながら金属原子の容量絶縁膜への拡散を防止することができる。ここで、コンタクト部は、容量素子と他の素子とを電気的に接続する配線の一部であっても良く、また、配線からの金属拡散を防止するバリア層であっても良い。
【0033】
第1の半導体装置の製造方法において、第4の工程が導電性膜を酸素プラズマにさらすプラズマ処理工程であることが好ましい。このようにすると、コンタクト部を構成する他結晶体の金属窒化物からなる導電性膜における結晶粒界のみを確実に酸化することができる。
【0034】
また、第1の半導体装置の製造方法において、第4の工程が導電性膜を約425℃以下の温度で加熱する熱処理工程であることが好ましい。このようにしても、コンタクト部を構成する導電性膜における結晶粒界のみを確実に酸化することができる。
【0035】
これらのいずれかの場合に、第3の工程及び第4の工程をこの順に繰り返して行なうことが好ましい。このようにすると、結晶粒界を選択的に酸化しながら、コンタクト部の膜厚を確実に大きくすることができる。
【0036】
本発明に係る第2の半導体装置の製造方法は、基板の上に、第1の電極形成膜、絶縁性の金属酸化膜、第2の電極形成膜を順次形成する第1の工程と、第2の電極形成膜の上に、多結晶の金属窒化物からなる導電性膜を形成する第2の工程と、導電性膜における結晶粒界を選択的に酸化する第3の工程と、結晶粒界が選択的に酸化された導電性膜の容量素子形成部分から密着層を形成する第4の工程と、第1の電極形成膜から下部電極を形成し、金属酸化膜から容量絶縁膜を形成し、第2の電極形成膜における密着層の下側部分から上部電極を形成することにより、下部電極、容量絶縁膜及び上部電極からなる容量素子を形成する第5の工程と、容量素子の上に層間絶縁膜を形成した後、形成した層間絶縁膜に、上部電極を露出する接続孔を密着層が残るように形成する第6の工程と、接続孔を含む層間絶縁膜の上に、配線形成膜を形成する第7の工程とを備えている。
【0037】
第2の半導体装置の製造方法によると、多結晶の金属窒化物からなる導電性膜から、上部電極の上に設ける密着層を形成する工程において、該導電性膜の結晶粒界を選択的に酸化するため、容量素子を形成した後の熱処理時に、金属窒化物からなる密着層から金属原子が遊離しにくくなる。その結果、金属窒化物からなる密着層は、その導電性を確保しながら金属原子の容量絶縁膜への拡散を防止することができる。
【0038】
第2の半導体装置の製造方法において、第3の工程が導電性膜を酸素プラズマにさらすプラズマ処理工程であることが好ましい。
【0039】
また、第2の半導体装置の製造方法において、第3の工程が導電性膜を約425℃以下の温度で加熱する熱処理工程であることが好ましい。
【0040】
これらのいずれかの場合に、第2の工程及び第3の工程をこの順に繰り返して行なうことが好ましい。
【0041】
本発明に係る第3の半導体装置の製造方法は、基板の上に絶縁膜を形成する第1の工程と、絶縁膜の上に、多結晶の金属窒化物からなる導電性膜を形成する第2の工程と、導電性膜における結晶粒界を選択的に酸化する第3の工程と、結晶粒界が選択的に酸化された導電性膜の上に、第1の電極形成膜、絶縁性の金属酸化膜及び第2の電極形成膜を順次形成する第4の工程と、第1の電極形成膜から下部電極を形成し、金属酸化膜から容量絶縁膜を形成し、第2の電極形成膜から上部電極を形成することにより、下部電極、容量絶縁膜及び上部電極からなる容量素子を形成する第5の工程と、絶縁膜と下部電極との間に、結晶粒界が選択的に酸化された導電性膜から密着層を形成する第6の工程と、容量素子の上に、上部電極を露出する接続孔を有する層間絶縁膜を形成する第7の工程と、接続孔を含む層間絶縁膜の上に、配線形成膜を形成する第8の工程とを備えている。
【0042】
第3の半導体装置の製造方法によると、多結晶の金属窒化物からなる導電性膜から、絶縁膜と下部電極との間に設ける密着層を形成する工程において、該導電性膜の結晶粒界を選択的に酸化するため、容量素子を形成した後の熱処理時に、金属窒化物からなる密着層から金属原子が遊離しにくくなる。その結果、金属窒化物からなる密着層は、その導電性を確保しながら金属原子の容量絶縁膜への拡散を防止することができる。
【0043】
第3の半導体装置の製造方法において、第3の工程が導電性膜を酸素プラズマにさらすプラズマ処理工程であることが好ましい。
【0044】
この場合に、第2の工程及び第3の工程をこの順に繰り返して行なうことが好ましい。
【0045】
第3の半導体装置の製造方法において、第3の工程が導電性膜を約600℃以下の温度で加熱する熱処理工程であることが好ましい。
【0046】
本発明に係る第4の半導体装置の製造方法は、基板の上に接続孔を有する層間絶縁膜を形成した後、接続孔に導電性プラグを形成する第1の工程と、導電性プラグを含む層間絶縁膜の上に、多結晶の金属窒化物からなる導電性膜を形成する第2の工程と、導電性膜における結晶粒界を選択的に酸化する第3の工程と、結晶粒界が選択的に酸化された導電性膜から導電性プラグの酸化防止層を形成する第4の工程と、酸化防止層の上に、下部電極、絶縁性の金属酸化物からなる容量絶縁膜及び上部電極を有する容量素子を形成する第5の工程とを備えている。
【0047】
第4の半導体装置の製造方法によると、多結晶の金属窒化物からなる導電性膜から、導電性プラグと下部電極との間に設ける酸化防止層を形成する工程において、該導電性膜の結晶粒界を選択的に酸化するため、容量素子を形成した後の熱処理時に、金属窒化物からなる酸化防止層から金属原子が遊離しにくくなる。その結果、金属窒化物からなる酸化防止層は、その導電性を確保しながら金属原子の容量絶縁膜への拡散を防止することができる。
【0048】
第4の半導体装置の製造方法において、第3の工程が導電性膜を酸素プラズマにさらすプラズマ処理工程であることが好ましい。
【0049】
この場合に、第2の工程及び第3の工程をこの順に繰り返して行なうことが好ましい。
【0050】
第4の半導体装置の製造方法において、第3の工程が導電性膜を約600℃以下の温度で加熱する熱処理工程であることが好ましい。
【0051】
第4の半導体装置の製造方法において、導電性プラグが多結晶シリコン又はタングステンを含むことが好ましい。
【0052】
第1〜第4の半導体装置の製造方法において、金属窒化物が、チタン、タンタル及びアルミニウムのうちの少なくとも1つを含むことが好ましい。
【0053】
第1〜第4の半導体装置の製造方法において、金属酸化物が、ストロンチウム、ビスマス、タンタル及びニオブのうちの少なくとも1つを含む層状構造を有するペロブスカイト型複合酸化物、又は鉛、ジルコニウム及びチタンのうちの少なくとも1つを含むペロブスカイト型複合酸化物であることが好ましい。
【0054】
第1〜第4の半導体装置の製造方法において、上部電極及び下部電極のうちの少なくとも一方が、白金又は白金を含む積層膜からなることが好ましい。
【0055】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0056】
図1は本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の部分的な断面構成を示している。
【0057】
図1に示すように、例えばシリコン(Si)からなる半導体基板10にはMOSトランジスタ11が形成されており、該MOSトランジスタ11及びその側方に形成された酸化シリコン(SiO2 )からなる素子分離膜12を含め、MOSトランジスタ11を覆うように、厚さが約1000nmの酸化シリコン(SiO2 )からなる第1の層間絶縁膜13が形成されている。
【0058】
第1の層間絶縁膜13上における素子分離膜12の上方の領域には、厚さが約100nmの酸化チタン(TiO2 )からなる第1の密着層14を介して、厚さが約200nmの白金(Pt)からなる下部電極15と、ストロンチウム(Sr)、ビスマス(Bi)、タンタル(Ta)及びニオブ(Nb)を構成元素とする厚さが約200nmの強誘電体からなる容量絶縁膜16と、厚さが約200nmの白金(Pt)からなる上部電極17とを含む容量素子18が形成されている。上部電極17上における第1コンタクト部17aを除く周縁部には、厚さが約20nmの窒化チタン(TiN)からなる第2の密着層19が形成されている。
【0059】
第1の層間絶縁膜13上には、容量素子18を含む全面にわたって厚さが約500nmの酸化シリコン(SiO2 )からなる第2の層間絶縁膜20が形成されている。第2の層間絶縁膜20には、第1コンタクト部17aを形成するための第1コンタクトホール(接続孔)20aが形成されており、該第1コンタクトホール20aの底面及び側面上には、厚さが約40nmの窒化チタン(TiN)からなるバリア層21Bが形成されている。
【0060】
また、第1の層間絶縁膜13及び第2の層間絶縁膜20におけるMOSトランジスタ11のソース領域11aの上方部分には、該ソース領域11aとの電気的な接続を図る第2コンタクト部11bを形成するための第2コンタクトホール20bが形成されている。
【0061】
容量素子18の第1コンタクト部17aと、MOSトランジスタ11のソース領域11aに設けられた第2コンタクト部11bとは、基板側から順次成膜された、厚さが約20nmのチタン(Ti)、厚さが約100nmの窒化チタン(TiN)、厚さが約700nmのアルミニウム(Al)及び厚さが約40nmの窒化チタン(TiN)からなる配線22により電気的に接続されている。
【0062】
第1の実施形態に係るバリア層21Bは、容量素子18における上部電極17上の第1コンタクト部17aを構成しており、白金からなる上部電極17と配線22の下部からのチタン原子の拡散を防止するだけでなく、その上、導電性を有する多結晶体の結晶粒界が酸化されているため、配線22の製造時における熱処理時に、バリア層21Bからチタン原子が極めて遊離しにくくなる。その結果、窒化チタンからなるバリア層21Bは、その導電性を確保しつつ、チタン原子が上部電極17を通って強誘電体からなる容量絶縁膜16に拡散することを防止することができる。
【0063】
(第1の実施形態の第1の製造方法)
以下、前記のように構成された半導体装置の第1の製造方法について図面を参照しながら説明する。
【0064】
図2(a)〜図2(d)は本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の第1の製造方法の工程順の断面構成を示している。
【0065】
まず、図2(a)に示すように、半導体基板10のトランジスタ形成領域を除く領域に素子分離膜12をLOCOS法等により形成する。続いて、トランジスタ形成領域に、ゲート電極11c及びソース領域11aを含むMOSトランジスタ11を形成し、その後、化学気相堆積(CVD)法等により、MOSトランジスタ11及び素子分離膜12を含む半導体基板10の全面に、厚さが約1000nmの酸化シリコンからなる第1の層間絶縁膜13を堆積する。続いて、スパッタ法等により、第1の層間絶縁膜13の上に、厚さが約50nmのチタンからなる金属膜を堆積する。続いて、堆積した金属膜を温度が800℃程度の酸素雰囲気で酸化することにより、金属膜から厚さが約100nmの酸化チタンからなる第1の密着層形成膜14Aを形成する。
【0066】
次に、図2(b)に示すように、第1の密着層形成膜14Aの上に、スパッタ法等により、厚さが約20nmの白金からなる下部電極15を堆積する。続いて、CVD法等により、下部電極15の上に、ストロンチウム、ビスマス、タンタル及びニオブからなる有機金属化合物膜を堆積し、温度が800℃程度の酸素雰囲気で焼結することにより、有機金属化合物膜から厚さが約200nmの強誘電体からなる容量絶縁膜16を形成する。続いて、スパッタ法等により、容量絶縁膜16の上に、厚さが約200nmの白金からなる上部電極17及び厚さが約20nmの窒化チタンからなる第2の密着層19を順次堆積する。その後、第2の密着層19、上部電極17、容量絶縁膜16、下部電極15及び第1の密着層形成膜14Aに対して順次ドライエッチングによりパターニングを行なうことにより、下部電極15、容量絶縁膜16及び上部電極17からなる容量素子18を形成する。続いて、第1の密着層形成膜14Aから第1の密着層14をパターニングする。その後、温度が約800℃の酸素雰囲気でアニールを行なって、容量絶縁膜16のドライエッチングによるダメージを回復させる。
【0067】
次に、図2(c)に示すように、例えばCVD法により、第1の層間絶縁膜13の上に容量素子18を含む全面にわたって、厚さが約500nmの酸化シリコンからなる第2の層間絶縁膜20を堆積する。その後、リソグラフィ法及びエッチング法により、第2の層間絶縁膜20に容量素子18の上部電極17を露出する第1コンタクトホール20aを形成する。続いて、スパッタ法等により、第2の層間絶縁膜20の上に第1コンタクトホール20aの底面及び側面上を含む全面にわたって、厚さが約40nmの窒化チタンからなるバリア層形成膜21Aを堆積する。ここで堆積されたバリア層形成膜21Aは多結晶である。続いて、バリア層形成膜21Aを酸素プラズマに約3分間さらすことにより、バリア層形成膜21Aの結晶粒界を選択的に酸化する。このときの酸素プラズマの生成条件は、出力電力が約1000W、圧力が約3Pa、酸素の流量が約500ml/min及び基板温度が約150℃である。
【0068】
次に、図2(d)に示すように、リソグラフィ法及びエッチング法により、バリア層形成膜21Aを、第1コンタクト部17aが含まれるようにパターニングすることにより、該バリア層形成膜21Aから結晶粒界が酸化されたバリア層21Bを形成する。その後、第1の層間絶縁膜13及び第2の層間絶縁膜20におけるソース領域11aを露出する第2コンタクトホール20bを形成する。続いて、スパッタ法等により、第2の層間絶縁膜20の上に、第2コンタクトホール20bの底面及び側面上及びバリア層21Bを含む全面にわたって、厚さが約20nmのチタン、厚さが約100nmの窒化チタン、厚さが約700nmのアルミニウム及び厚さが約40nmの窒化チタンを順次堆積して、金属膜及び窒化金属膜が積層されてなる配線形成膜を形成する。その後、ドライエッチングにより、少なくとも第1コンタクト部17a及び第2コンタクト部11bを含むように、配線形成膜をパターニングすることにより、該配線形成膜から配線22を形成する。その後、各コンタクト部17a、11bのコンタクト抵抗の安定化を図ると共に、配線22を構成するアルミニウムの腐食を防止するため、温度が約450℃の窒素雰囲気でアニールを行なう。
【0069】
次に、図示はしていないが、さらに多層配線構造とするため、配線22及び第2の層間絶縁膜20の上に対して、第3の層間絶縁膜の堆積、コンタクトの形成、金属膜の堆積及び配線層の形成を繰り返し、最後に窒化シリコンからなる保護(パシベーション)膜を堆積した後、半導体装置と外部との電気的な導通を図るパッド部を形成する。
【0070】
(第1の実施形態の第2の製造方法)
以下、本発明の第1の実施形態の半導体装置の第2の製造方法について図面を参照しながら説明する。ここでは、第1の製造方法との相違点のみを説明する。
【0071】
図3は本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の第2の製造方法の一工程の断面構成を示している。
【0072】
図3に示すように、半導体基板10の第1の層間絶縁膜13の上に、第1の密着層14、下部電極15、容量絶縁膜16、上部電極17及び第2の密着層19を順次堆積し、その後、ドライエッチングによりパターニングして、下部電極15、容量絶縁膜16及び上部電極17からなる容量素子18を形成する。続いて、CVD法により、容量素子18を含む第1の層間絶縁膜13の上に、厚さが約500nmの酸化シリコンからなる第2の層間絶縁膜20を堆積する。その後、リソグラフィ法及びエッチング法により、第2の層間絶縁膜20に上部電極17を露出する第1コンタクトホール20aを形成する。続いて、スパッタ法等により、第2の層間絶縁膜20の上に第1コンタクトホール20aの底面及び側面上を含む全面にわたって、厚さが約40nmの窒化チタンからなるバリア層形成膜21Aを堆積する。ここで堆積されたバリア層形成膜21Aは多結晶である。続いて、堆積したバリア層形成膜21Aに対して、温度が約400℃の酸素雰囲気で約30秒間の急速熱処理(RTA)を行なうことにより、バリア層形成膜21Aの結晶粒界を選択的に酸化する。
【0073】
この後は、第1の製造方法と同様に、バリア層形成膜21Aからバリア層21Bをパターニングして形成し、さらに配線22を形成する。続いて、形成したバリア層21B及び配線22に対して、温度が約450℃の窒素雰囲気でアニールを行なう。
【0074】
以上説明したように、第1の実施形態によると、容量素子18における上部電極17の第1コンタクト部17aを構成するバリア層21Bに、その結晶粒界が選択的に酸化され且つ導電性を有する多結晶の窒化チタンを用いるため、第1コンタクト部17aのコンタクト抵抗の安定化及び配線22を構成するアルミニウムの腐食防止のために行なう窒素雰囲気による約450℃のアニール時に、バリア層21Bからチタン原子が遊離することがない。このため、容量絶縁膜16を構成する強誘電体の特性の劣化を防止することができる。
【0075】
第1の製造方法による、結晶粒界が酸素プラズマにより酸化されたバリア層21Bを有する容量素子と、結晶粒界が酸化されていない従来のバリア層を有する容量素子とのそれぞれの耐圧とインプリント特性とを比較したところ、第1の製造方法に係る容量素子は、耐圧が22Vで且つインプリント寿命が10年であるのに対し、従来の容量素子は、耐圧が18Vで且つインプリント寿命が3年であることを確認している。
【0076】
また、第2の製造方法による、結晶粒界が約400℃の熱酸化処理により酸化されたバリア層21Bを有する場合も、第1の製造方法と同様の特性を得ることができる。なお、第2の製造方法の場合には、図4に示した容量素子18の耐圧と熱処理温度との関係を表わすグラフから分かるように、バリア層形成膜21Aにおける結晶粒界が酸化されるよりも前に拡散するチタン原子によって、約425℃を超える温度領域では、容量絶縁膜16を構成する金属酸化物が還元されて容量素子18の耐圧が劣化する。このため、熱処理温度は約425℃以下が好ましく、さらには400℃程度以下に設定することが好ましい。
【0077】
また、第1の実施形態においては、結晶粒界が酸化されたバリア層21Bは、上部電極17の第1コンタクト部17a及びその周辺部にのみ設けたが、配線22の下地層として、配線22の構成部材としても良い。
【0078】
(第1の実施形態の一変形例)
以下、本発明の第1の実施形態の一変形例について図面を参照しながら説明する。
【0079】
図5は本発明の第1の実施形態の一変形例に係る半導体装置の部分的な断面構成を示している。図5において、図1に示す構成部材と同一の構成部材には同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0080】
図5に示すように、本変形例は、バリア層21Bが、それぞれの結晶粒界が選択的に酸化され且つ膜厚が共に約40nmの第1のバリア層21aと第2のバリア層21bとから構成されていることを特徴とする。
【0081】
このように、結晶粒界が選択的に酸化された窒化チタンを積層構造とすることにより、バリア層21Bの膜厚を大きく設定することができる。このバリア層21Bの厚膜化によって、配線22の下部に位置するチタン原子が、バリア層21B中を拡散して容量絶縁膜16にまで到達することを防止する効果が一層大きくなる。その上、バリア層21Bの厚膜化により、配線22の第1コンタクト部17aにおける信頼性が向上する。
【0082】
(一変形例の第1の製造方法)
以下、一変形例に係る半導体装置の第1の製造方法について図面を参照しながら説明する。
【0083】
図6(a)及び図6(b)は本発明の第1の実施形態の一変形例に係る半導体装置の第1の製造方法の工程順の断面構成を示している。
【0084】
図6(a)に示すように、半導体基板10の第1の層間絶縁膜13の上に、第1の密着層14、下部電極15、容量絶縁膜16、上部電極17及び第2の密着層19を順次堆積し、その後、ドライエッチングによりパターニングして、下部電極15、容量絶縁膜16及び上部電極17からなる容量素子18を形成する。続いて、CVD法により、容量素子18を含む第1の層間絶縁膜13の上に、厚さが約500nmの酸化シリコンからなる第2の層間絶縁膜20を堆積する。その後、リソグラフィ法及びエッチング法により、第2の層間絶縁膜20に上部電極17を露出する第1コンタクトホール20aを形成する。続いて、スパッタ法等により、第2の層間絶縁膜20の上に第1コンタクトホール20aの底面及び側面上を含む全面にわたって、厚さが約40nmの窒化チタンからなる第1のバリア層形成膜21Cを堆積する。ここで堆積された第1のバリア層形成膜21Cは多結晶である。続いて、堆積した第1のバリア層形成膜21Cを酸素プラズマに約3分間さらすことにより、第1のバリア層形成膜21Cの結晶粒界を選択的に酸化する。
【0085】
次に、図6(b)に示すように、スパッタ法等により、第1のバリア層形成膜21Cの上に、厚さが約40nmの窒化チタンからなる第2のバリア層形成膜21Dを堆積する。ここで堆積された第2のバリア層形成膜21Dも多結晶である。続いて、堆積した第2のバリア層形成膜21Dを酸素プラズマに約3分間さらすことにより、第2のバリア層形成膜21Dの結晶粒界を選択的に酸化する。
【0086】
ここで、各酸素プラズマの生成条件は、出力電力が約1000W、圧力が約3Pa、酸素の流量が約500ml/min及び基板温度が約150℃である。
【0087】
この後は、第1の実施形態と同様に、第1のバリア層形成膜21C及び第2のバリア層形成膜21Dに対してパターニングを行なって、それぞれ、第1のバリア層21a及び第2のバリア層21bからなるバリア層21を形成する。続いて、配線22を形成し、形成したバリア層21B及び配線22に対して、温度が約450℃の窒素雰囲気でアニールを行なう。
【0088】
(一変形例の第2の製造方法)
以下、一変形例に係る半導体装置の第2の製造方法について図面を参照しながら説明する。
【0089】
図7(a)及び図7(b)は本発明の第1の実施形態の一変形例に係る半導体装置の第2の製造方法の工程順の断面構成を示している。
【0090】
図7(a)に示すように、半導体基板10の第1の層間絶縁膜13の上に、第1の密着層14、下部電極15、容量絶縁膜16、上部電極17及び第2の密着層19を順次堆積し、その後、ドライエッチングによりパターニングして、下部電極15、容量絶縁膜16及び上部電極17からなる容量素子18を形成する。続いて、CVD法により、容量素子18を含む第1の層間絶縁膜13の上に、厚さが約500nmの酸化シリコンからなる第2の層間絶縁膜20を堆積する。その後、リソグラフィ法及びエッチング法により、第2の層間絶縁膜20に上部電極17を露出する第1コンタクトホール20aを形成する。続いて、スパッタ法等により、第2の層間絶縁膜20の上に第1コンタクトホール20aの底面及び側面上を含む全面にわたって、厚さが約40nmの窒化チタンからなる第1のバリア層形成膜21Cを堆積する。ここで堆積された第1のバリア層形成膜21Cは多結晶である。続いて、堆積した第1のバリア層形成膜21Cに対して、温度が約400℃の酸素雰囲気で約30秒間の急速熱処理(RTA)を行なうことにより、第1のバリア層形成膜21Cの結晶粒界を選択的に酸化する。
【0091】
次に、図7(b)に示すように、スパッタ法等により、第1のバリア層形成膜21Cの上に、厚さが約40nmの窒化チタンからなる第2のバリア層形成膜21Dを堆積する。ここで堆積された第2のバリア層形成膜21Dも多結晶である。続いて、堆積したバリア層形成膜21Aに対して、温度が約400℃の酸素雰囲気で約30秒間の急速熱処理(RTA)を行なうことにより、第2のバリア層形成膜21Dの結晶粒界を選択的に酸化する。
【0092】
この後は、第1の実施形態と同様に、第1のバリア層形成膜21C及び第2のバリア層形成膜21Dに対してパターニングを行なって、それぞれ、第1のバリア層21a及び第2のバリア層21bからなるバリア層21を形成する。続いて、配線22を形成し、形成したバリア層21B及び配線22に対して、温度が約450℃の窒素雰囲気でアニールを行なう。
【0093】
このように、第1の実施形態の一変形例によると、窒化チタンからなるバリア層21Bを、堆積工程と粒界の酸化工程とをこの順に繰り返すことにより、バリア層21Bの膜厚を大きくしたとしても、窒化チタンの結晶粒界の酸化を確実に行なうことができる。
【0094】
例えば、容量素子18における上部電極17の第1コンタクト部17aの上に、第1のバリア層21aと第2のバリア層21bとからなる積層されたバリア層21Bを設け、さらに配線22の下層であるチタン膜の膜厚を20nmから40nmに増大することにより、MOSトランジスタ11のコンタクト抵抗が約10%低下することを確認している。
【0095】
なお、第2の製造方法の熱処理により、バリア層21Bの粒界のみを酸化する場合も同様の特性を得られるが、結晶粒界が酸化されるよりも前に拡散するチタン原子が存在するため、熱処理温度は400℃程度以下に設定する必要がある。
【0096】
また、第1の実施形態及びその変形例に係るバリア層21Bに窒化チタンを用いたが、窒化チタンに代えて、窒化タンタル、窒化アルミニウム又は窒化チタンアルミニウム等の導電性窒化膜を用いても良い。
【0097】
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0098】
図8は本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の部分的な断面構成を示している。
【0099】
図8に示すように、例えばシリコンからなる半導体基板10にはMOSトランジスタ11が形成されており、該MOSトランジスタ11及びその側方に形成された酸化シリコンからなる素子分離膜12を含め、MOSトランジスタ11を覆うように、厚さが約1000nmの酸化シリコンからなる第1の層間絶縁膜13が形成されている。
【0100】
第1の層間絶縁膜13上における素子分離膜12の上方の領域には、厚さが約100nmの酸化チタンからなる第1の密着層14を介して、厚さが約200nmの白金からなる下部電極15と、ストロンチウム、ビスマス、タンタル及びニオブを構成元素とする厚さが約200nmの強誘電体からなる容量絶縁膜16と、厚さが約200nmの白金からなる上部電極17とを含む容量素子18が形成されている。上部電極17上における第1コンタクト部17aを除く周縁部には、厚さが約20nmの窒化チタンからなる第2の密着層19Bが形成されている。
【0101】
第1の層間絶縁膜13上には、容量素子18を含む全面にわたって厚さが約500nmの酸化シリコンからなる第2の層間絶縁膜20が形成されている。
【0102】
第2の層間絶縁膜20には、第1コンタクト部17aを形成するための第1コンタクトホール20aが形成されており、該第1コンタクトホール20aの底面及び側面上には、厚さが約40nmの窒化チタンからなるバリア層21が形成されている。
【0103】
また、第1の層間絶縁膜13及び第2の層間絶縁膜20におけるMOSトランジスタ11のソース領域11aの上方部分には、該ソース領域11aとの電気的な接続を図る第2コンタクト部11bを形成するための第2コンタクトホール20bが形成されている。
【0104】
容量素子18の第1コンタクト部17aと、MOSトランジスタ11のソース領域11aに設けられた第2コンタクト部11bとは、基板側から順次成膜された、厚さが約20nmのチタン、厚さが約100nmの窒化チタン、厚さが約700nmのアルミニウム及び厚さが約40nmの窒化チタンからなる配線22により電気的に接続されている。
【0105】
第1の実施形態に係る第2の密着層19Bは、容量素子18における上部電極17上の第1コンタクト部17aの周縁部に設けられており、白金からなる上部電極17と酸化シリコンからなる第2の層間絶縁膜20との互いの密着性を向上させるだけでなく、その上、導電性を有する多結晶体の結晶粒界が酸化されているため、容量素子18及び配線22の製造時における熱処理時に、第2の密着層19Bからチタン原子が極めて遊離しにくくなる。その結果、窒化チタンからなる第2の密着層19Bは、その導電性を確保しつつ、チタン原子が上部電極17を通って強誘電体からなる容量絶縁膜16に拡散することを防止することができる。
【0106】
(第2の実施形態の第1の製造方法)
以下、前記のように構成された半導体装置の第1の製造方法について図面を参照しながら説明する。
【0107】
図9(a)〜図9(d)は本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の第1の製造方法の工程順の断面構成を示している。
【0108】
まず、図9(a)に示すように、半導体基板10のトランジスタ形成領域を除く領域に素子分離膜12を形成する。続いて、トランジスタ形成領域に、ゲート電極11c及びソース領域11aを含むMOSトランジスタ11を形成し、その後、CVD法等により、MOSトランジスタ11及び素子分離膜12を含む半導体基板10の全面に、厚さが約1000nmの酸化シリコンからなる第1の層間絶縁膜13を堆積する。続いて、スパッタ法等により、第1の層間絶縁膜13の上に、厚さが約50nmのチタンからなる金属膜を堆積する。続いて、堆積した金属膜を温度が800℃程度の酸素雰囲気で酸化することにより、金属膜から厚さが約100nmの酸化チタンからなる第1の密着層形成膜14Aを形成する。
【0109】
次に、図9(b)に示すように、第1の密着層形成膜14Aの上に、スパッタ法等により、厚さが約20nmの白金からなる下部電極形成膜15Aを堆積する。続いて、CVD法等により、下部電極形成膜15Aの上に、ストロンチウム、ビスマス、タンタル及びニオブからなる有機金属化合物膜を堆積し、温度が800℃程度の酸素雰囲気で焼結することにより、有機金属化合物膜から厚さが約200nmの強誘電体からなる容量絶縁膜形成膜16Aを形成する。続いて、スパッタ法等により、容量絶縁膜形成膜16Aの上に、厚さが約200nmの白金からなる上部電極形成膜17A及び厚さが約20nmの窒化チタンからなる第2の密着層形成膜19Aを順次堆積する。ここで堆積された第2の密着層形成膜19Aは多結晶である。続いて、第2の密着層形成膜19Aを酸素プラズマに約3分間さらすことにより、第2の密着層形成膜19Aの結晶粒界を選択的に酸化する。このときの酸素プラズマの生成条件は、出力電力が約1000W、圧力が約3Pa、酸素の流量が約500ml/min及び基板温度が約150℃である。
【0110】
次に、図9(c)に示すように、第2の密着層形成膜19A、上部電極形成膜17A、容量絶縁膜形成膜16A、下部電極形成膜15A及び第1の密着層形成膜14Aに対して順次ドライエッチングによりパターニングを行なう。これにより、第1の密着層形成膜14Aから第1の密着層14が形成され、下部電極形成膜15Aから下部電極15が形成され、容量絶縁膜形成膜16Aから容量絶縁膜16が形成され、上部電極形成膜17Aから上部電極17が形成され、これらのうち下部電極15、容量絶縁膜16及び上部電極17から容量素子18が形成される。その後、温度が約800℃の酸素雰囲気でアニールを行なって、容量絶縁膜16のドライエッチングによるダメージを回復させる。
【0111】
次に、図9(d)に示すように、例えばCVD法により、第1の層間絶縁膜13の上に容量素子18を含む全面にわたって、厚さが約500nmの酸化シリコンからなる第2の層間絶縁膜20を堆積する。その後、リソグラフィ法及びエッチング法により、第2の層間絶縁膜20に容量素子18の上部電極17を露出する第1コンタクトホール20aを形成する。続いて、スパッタ法等により、第2の層間絶縁膜20の上に第1コンタクトホール20aの底面及び側面上を含む全面にわたって、厚さが約40nmの窒化チタンからなる導電性膜を堆積した後、堆積した導電性膜を第1コンタクト部17aが含まれるようにパターニングすることにより、該導電性膜からバリア層21を形成する。
【0112】
その後は、図8に示したように、第1の層間絶縁膜13及び第2の層間絶縁膜20におけるソース領域11aを露出する第2コンタクトホール20bを形成する。続いて、スパッタ法等により、第2の層間絶縁膜20の上に、第2コンタクトホール20bの底面及び側面上及びバリア層21を含む全面にわたって、厚さが約20nmのチタン、厚さが約100nmの窒化チタン、厚さが約700nmのアルミニウム及び厚さが約40nmの窒化チタンを順次堆積して、金属膜及び窒化金属膜が積層されてなる配線形成膜を形成する。その後、ドライエッチングにより、少なくとも第1コンタクト部17a及び第2コンタクト部11bを含むように、配線形成膜をパターニングすることにより、該配線形成膜から配線22を形成する。その後、各コンタクト部17a、11bのコンタクト抵抗の安定化を図ると共に配線22を構成するアルミニウムの腐食を防止するための、温度が約450℃の窒素雰囲気のアニールを行なう。
【0113】
続いて、図示はしていないが、第3の層間絶縁膜の堆積、コンタクトの形成、金属膜の堆積及び配線層の形成を繰り返し、最後に窒化シリコンからなる保護膜を堆積した後、パッド部を形成する。
【0114】
(第2の実施形態の第2の製造方法)
以下、本発明の第2の実施形態の半導体装置の第2の製造方法について図面を参照しながら説明する。ここでは、第1の製造方法との相違点のみを説明する。
【0115】
図10は本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の第2の製造方法の一工程の断面構成を示している。
【0116】
図10に示すように、半導体基板10の第1の密着層形成膜14Aの上に、スパッタ法等により、厚さが約20nmの白金からなる下部電極形成膜15Aを堆積する。続いて、CVD法等により、下部電極形成膜15Aの上に、ストロンチウム、ビスマス、タンタル及びニオブからなる有機金属化合物膜を堆積し、温度が800℃程度の酸素雰囲気で焼結することにより、有機金属化合物膜から厚さが約200nmの強誘電体からなる容量絶縁膜形成膜16Aを形成する。続いて、スパッタ法等により、容量絶縁膜形成膜16Aの上に、厚さが約200nmの白金からなる上部電極形成膜17A及び厚さが約20nmの窒化チタンからなる第2の密着層形成膜19Aを順次堆積する。ここでの第2の密着層形成膜19Aは多結晶である。続いて、堆積した第2の密着層形成膜19Aに対して、温度が約400℃の酸素雰囲気で約30秒間の急速熱処理(RTA)を行なうことにより、第2の密着層形成膜19Aの結晶粒界を選択的に酸化する。
【0117】
この後は、第1の製造方法と同様に、結晶粒界が酸化された第2の密着層形成膜19A、上部電極形成膜17A、容量絶縁膜形成膜16A、下部電極形成膜15A及び第1の密着層形成膜14Aに対して順次ドライエッチングによるパターニングを行なって、下部電極15、容量絶縁膜16及び上部電極17からなる容量素子18を形成する。その後、温度が約800℃の酸素雰囲気でアニールを行なって、容量絶縁膜16のドライエッチングによるダメージを回復させる。
【0118】
続いて、第2の製造方法と同様に、第2の層間絶縁膜20を堆積し、バリア層21、第1コンタクト部17a、第2コンタクト部11b及び配線22を形成する。
【0119】
以上説明したように、第2の実施形態によると、容量素子18における上部電極17上の周縁部に設けられた第2の密着層19Bに、その結晶粒界が選択的に酸化され且つ導電性を有する多結晶の窒化チタンを用いるため、容量素子18を形成する際にドライエッチングにより容量絶縁膜16が受けるダメージを回復させるために行なう酸素雰囲気による約800℃のアニール時に、第2の密着層19Bからチタン原子が遊離することがない。このため、容量絶縁膜16を構成する強誘電体の特性の劣化を防止することができる。
【0120】
なお、酸素雰囲気によるアニール時に窒化チタンから拡散するチタン原子はそれ自体が酸化するため、容量絶縁膜16を構成する強誘電体の特性を劣化させることはない。しかしながら、酸化チタンとして上部電極17と容量絶縁膜16との間に残存するため、半導体装置が動作する際の電圧印加時に、容量絶縁膜16に印加される実質的な電圧が低減する。これにより、抗電圧が増大するため、低電圧動作を行ないにくくなる。
【0121】
第1の製造方法による、結晶粒界が酸素プラズマにより酸化された第2の密着層19Bを上部電極17上に有する容量素子と、結晶粒界が酸化されていない従来の密着層を上部電極上に有する容量素子とのそれぞれの抗電圧を比較したところ、第1の製造方法に係る容量素子は1.8Vであるのに対し、従来の容量素子は2.0Vであることを確認している。
【0122】
また、第2の製造方法による、結晶粒界が約400℃の熱酸化処理により酸化された第2の密着層19Bを有する場合も、第1の製造方法と同様の特性を得ることができる。なお、第2の製造方法の場合には、図4に示した耐圧と熱処理温度との関係を表わすグラフから分かるように、第2の密着層形成膜19Aにおける結晶粒界が酸化されるよりも前に拡散するチタン原子によって、約425℃を超える温度領域では、容量素子18の耐圧が劣化する。このため、熱処理温度は約425℃以下が好ましく、さらには400℃程度以下に設定することが好ましい。
【0123】
また、第2の実施形態に係る第2の密着層19Bに窒化チタンを用いたが、窒化チタンに代えて、窒化タンタル、窒化アルミニウム又は窒化チタンアルミニウム等の導電性窒化膜を用いても良い。
【0124】
(第3の実施形態)
以下、本発明の第3の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0125】
図11は本発明の第3の実施形態に係る半導体装置の部分的な断面構成を示している。
【0126】
図11に示すように、例えばシリコンからなる半導体基板10にはMOSトランジスタ11が形成されており、該MOSトランジスタ11及びその側方に形成された酸化シリコンからなる素子分離膜12を含め、MOSトランジスタ11を覆うように、厚さが約1000nmの酸化シリコンからなる第1の層間絶縁膜13が形成されている。第1の層間絶縁膜13上における素子分離膜12の上方の領域には、厚さが約150nmの窒化チタンからなる第1の密着層14Bを介して、厚さが約200nmの白金からなる下部電極15と、ストロンチウム、ビスマス、タンタル及びニオブを構成元素とする厚さが約200nmの強誘電体からなる容量絶縁膜16と、厚さが約200nmの白金からなる上部電極17とを含む容量素子18が形成されている。上部電極17上における第1コンタクト部17aを除く周縁部には、厚さが約20nmの窒化チタンからなる第2の密着層19が形成されている。
【0127】
第1の層間絶縁膜13上には、容量素子18を含む全面にわたって厚さが約500nmの酸化シリコンからなる第2の層間絶縁膜20が形成されている。第2の層間絶縁膜20には、第1コンタクト部17aを形成するための第1コンタクトホール20aが形成されており、該第1コンタクトホール20aの底面及び側面上には、厚さが約40nmの窒化チタンからなるバリア層21が形成されている。
【0128】
また、第1の層間絶縁膜13及び第2の層間絶縁膜20におけるMOSトランジスタ11のソース領域11aの上方部分には、該ソース領域11aとの電気的な接続を図る第2コンタクト部11bを形成するための第2コンタクトホール20bが形成されている。
【0129】
容量素子18の第1コンタクト部17aと、MOSトランジスタ11のソース領域11aに設けられた第2コンタクト部11bとは、基板側から順次成膜された、厚さが約20nmのチタン、厚さが約100nmの窒化チタン、厚さが約700nmのアルミニウム及び厚さが約40nmの窒化チタンからなる配線22により電気的に接続されている。
【0130】
第3の実施形態に係る第1の密着層14Bは、酸化シリコンからなる第1の層間絶縁膜13と白金からなる下部電極15との間に設けられており、層間絶縁膜13と下部電極15との互いの密着性を向上させるだけでなく、その上、導電性を有する多結晶体の結晶粒界が酸化されているため、容量素子18及び配線22の製造時における熱処理時に、第1の密着層14Bからチタン原子が極めて遊離しにくくなる。その結果、窒化チタンからなる第1の密着層14Bは、その導電性を確保しつつ、チタン原子が下部電極15を通って強誘電体からなる容量絶縁膜16に拡散することを防止することができる。
【0131】
(第3の実施形態の第1の製造方法)
以下、前記のように構成された半導体装置の第1の製造方法について図面を参照しながら説明する。
【0132】
図12(a)〜図12(d)は本発明の第3の実施形態に係る半導体装置の第1の製造方法の工程順の断面構成を示している。
【0133】
まず、図12(a)に示すように、半導体基板10のトランジスタ形成領域を除く領域に素子分離膜12を形成する。続いて、トランジスタ形成領域に、ゲート電極11c及びソース領域11aを含むMOSトランジスタ11を形成し、その後、CVD法等により、MOSトランジスタ11及び素子分離膜12を含む半導体基板10の全面に、厚さが約1000nmの酸化シリコンからなる第1の層間絶縁膜13を堆積する。続いて、CVD法等により、第1の層間絶縁膜13の上に、厚さが約150nmの窒化チタンからなる第1の密着層形成膜14Aを堆積する。ここで堆積された第1の密着層形成膜14Aは多結晶である。続いて、第1の密着層形成膜14Aを酸素プラズマに約3分間さらすことにより、第1の密着層形成膜14Aの結晶粒界を選択的に酸化する。このときの酸素プラズマの生成条件は、出力電力が約1000W、圧力が約3Pa、酸素の流量が約500ml/min及び基板温度が約150℃である。
【0134】
次に、図12(b)に示すように、結晶粒界が酸化された第1の密着層形成膜14Aの上に、スパッタ法等により、厚さが約20nmの白金からなる下部電極形成膜15Aを堆積する。続いて、CVD法等により、下部電極形成膜15Aの上に、ストロンチウム、ビスマス、タンタル及びニオブからなる有機金属化合物膜を堆積し、温度が800℃程度の酸素雰囲気で有機金属化合物膜を焼結することにより、有機金属化合物膜から厚さが約200nmの強誘電体からなる容量絶縁膜形成膜16Aを形成する。続いて、スパッタ法等により、容量絶縁膜形成膜16Aの上に、厚さが約200nmの白金からなる上部電極形成膜17A及び厚さが約20nmの窒化チタンからなる第2の密着層形成膜19Aを順次堆積する。
【0135】
次に、図12(c)に示すように、第2の密着層形成膜19A、上部電極形成膜17A、容量絶縁膜形成膜16A、下部電極形成膜15A及び第1の密着層形成膜14Aに対して順次ドライエッチングによりパターニングを行なう。これにより、第1の密着層形成膜14Aから第1の密着層14Bが形成され、下部電極形成膜15Aから下部電極15が形成され、容量絶縁膜形成膜16Aから容量絶縁膜16が形成され、上部電極形成膜17Aから上部電極17が形成され、これらのうち下部電極15、容量絶縁膜16及び上部電極17から容量素子18が形成される。その後、温度が約800℃の酸素雰囲気でアニールを行なって、容量絶縁膜16のドライエッチングによるダメージを回復させる。
【0136】
次に、図12(d)に示すように、例えばCVD法により、第1の層間絶縁膜13の上に容量素子18を含む全面にわたって、厚さが約500nmの酸化シリコンからなる第2の層間絶縁膜20を堆積する。その後、リソグラフィ法及びエッチング法により、第2の層間絶縁膜20に容量素子18の上部電極17を露出する第1コンタクトホール20aを形成する。続いて、スパッタ法等により、第2の層間絶縁膜20の上に第1コンタクトホール20aの底面及び側面上を含む全面にわたって、厚さが約40nmの窒化チタンからなる導電性膜を堆積した後、堆積した導電性膜を第1コンタクト部17aが含まれるようにパターニングすることにより、該導電性膜からバリア層21を形成する。
【0137】
その後は、図11に示したように、第1の層間絶縁膜13及び第2の層間絶縁膜20におけるMOSトランジスタ11のソース領域11aを露出する第2コンタクトホール20bを形成する。続いて、スパッタ法等により、第2の層間絶縁膜20の上に、第2コンタクトホール20bの底面及び側面上及びバリア層21を含む全面にわたって、厚さが約20nmのチタン、厚さが約100nmの窒化チタン、厚さが約700nmのアルミニウム及び厚さが約40nmの窒化チタンを順次堆積して、金属膜及び窒化金属膜が積層されてなる配線形成膜を形成する。その後、ドライエッチングにより、少なくとも第1コンタクト部17a及び第2コンタクト部11bを含むように、配線形成膜をパターニングすることにより、該配線形成膜から配線22を形成する。その後、各コンタクト部17a、11bのコンタクト抵抗の安定化を図ると共に配線22を構成するアルミニウムの腐食を防止するための、温度が約450℃の窒素雰囲気のアニールを行なう。
【0138】
続いて、図示はしていないが、第3の層間絶縁膜の堆積、コンタクトの形成、金属膜の堆積及び配線層の形成を繰り返し、最後に窒化シリコンからなる保護膜を堆積した後、パッド部を形成する。
【0139】
(第3の実施形態の第2の製造方法)
以下、本発明の第3の実施形態の半導体装置の第2の製造方法について図面を参照しながら説明する。ここでは、第1の製造方法との相違点のみを説明する。
【0140】
図13は本発明の第3の実施形態に係る半導体装置の第2の製造方法の一工程の断面構成を示している。
【0141】
図13に示すように、CVD法等により、MOSトランジスタ11を覆う第1の層間絶縁膜13の上に、厚さが約150nmの窒化チタンからなる第1の密着層形成膜14Aを堆積する。ここで堆積された第1の密着層形成膜14Aは多結晶である。続いて、堆積した第1の密着層形成膜14Aに対して、温度が約550℃の酸素雰囲気で約30秒間の急速熱処理(RTA)を行なうことにより、第1の密着層形成膜14Aの結晶粒界を選択的に酸化する。
【0142】
その後は、第1の製造方法と同様に、結晶粒が酸化された第1の密着層形成膜14Aの上に、容量素子18、第2の層間絶縁膜20、バリア層21及び配線22等を形成する。
【0143】
以上説明したように、第3の実施形態によると、第1の層間絶縁膜13と容量素子18の下部電極15との間に設けられた第1の密着層14Bに、その結晶粒界が選択的に酸化され且つ導電性を有する多結晶の窒化チタンを用いるため、容量素子18を形成する際にドライエッチングにより容量絶縁膜16が受けるダメージを回復させるために行なう酸素雰囲気による約800℃のアニール時に、第1の密着層14Bからチタン原子が遊離することがない。このため、容量絶縁膜16を構成する強誘電体の特性の劣化を防止することができる。
【0144】
ここで、第3の実施形態に係る第1の密着層14Bは、結晶粒界が酸化された窒化チタンを用いており、第1の実施形態及び第2の実施形態に係る酸化チタンを用いた第1の密着層14と比較すると、チタン原子の拡散が防止されることは共通であるが、酸化チタンのように膜厚を大きくした場合であっても、層自体にクラックが発生することがない。このため、第1の密着層14Bの膜厚を相対的に大きく設定できるので、容量絶縁膜16となる強誘電体の焼結時に容量素子18に加わるストレスを低減させたり、容量素子18のドライエッチング時のエッチングストッパとして利用することができる。
【0145】
なお、第2の製造方法において、第1の密着層形成膜14Aにおける結晶粒界を酸化する熱処理温度は、下部電極15及び容量絶縁膜16を形成する前工程であるため、第1の実施形態又は第2の実施形態で説明した425℃を超えても良い。
【0146】
但し、図14に示す熱処理温度とシート抵抗との関係を表わすグラフから分かるように、熱処理温度が約650℃の場合には、窒化チタンが完全に酸化するため、第1の密着層形成膜14Aに対する結晶粒界を酸化させる熱処理温度は約600℃以下に設定することが好ましい。
【0147】
また、第3の実施形態に係る第1の密着層14Bに窒化チタンを用いたが、窒化チタンに代えて、窒化タンタル、窒化アルミニウム又は窒化チタンアルミニウム等の導電性窒化膜を用いても良い。
【0148】
(第4の実施形態)
以下、本発明の第4の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0149】
図15は本発明の第4の実施形態に係る半導体装置の部分的な断面構成を示している。
【0150】
図15に示すように、例えばシリコンからなる半導体基板10にはMOSトランジスタ11が形成されており、該MOSトランジスタ11及びその側方に形成された酸化シリコンからなる素子分離膜12を含め、MOSトランジスタ11を覆うように、厚さが約1000nmの酸化シリコンからなる第1の層間絶縁膜13が形成されている。
【0151】
半導体基板10におけるMOSトランジスタ11のゲート長方向側の領域にはソース領域11a及びドレイン領域11dが形成されている。
【0152】
第1の層間絶縁膜13上におけるソース領域11aの上方には、厚さが約200nmの白金からなる下部電極15と、ストロンチウム、ビスマス、タンタル及びニオブを構成元素とする厚さが約200nmの強誘電体からなる容量絶縁膜16と、厚さが約200nmの白金からなる上部電極17とを含む容量素子18が形成されている。上部電極17上における第1コンタクト部17aを除く周縁部には、厚さが約20nmの窒化チタンからなる密着層19が形成されている。
【0153】
第1の層間絶縁膜13上には、容量素子18を含む全面にわたって厚さが約1000nmの酸化シリコンからなる第2の層間絶縁膜20が形成されている。第2の層間絶縁膜20には、第1コンタクト部17aを形成するための第1コンタクトホール20aが形成されており、該第1コンタクトホール20aの底面及び側面上には、厚さが約40nmの窒化チタンからなるバリア層21が形成されている。バリア層21の上には、基板側から順次成膜された、厚さが約50nmのチタン、厚さが約700nmのアルミニウム及び厚さが約40nmの窒化チタンからなる第1の配線22が形成されている。
【0154】
容量素子18の下部電極15と第1の層間絶縁膜13との間には、厚さが約100nmの窒化チタンアルミニウム(TiAlN)からなる酸化防止層32Bが形成されており、下部電極15は、基板側から順次成膜された、厚さが約10nmのチタン、厚さが約20nmの窒化チタン及び厚さが約970nmのタングステンからなる第1の導電性プラグ31と酸化防止層32Bとを介してソース領域11aの第2コンタクト部11bと電気的に接続されている。
【0155】
また、第1の層間絶縁膜13上におけるドレイン領域11dの第3コンタクト部11eは、第2の導電性プラグ33を介して、第2の層間絶縁膜20の上に形成された第2の配線23と電気的に接続されている。第2の配線23は、第1の配線22と同等の構成を有しており、また、第2の導電性プラグ33は、基板側から順次成膜された、厚さが約10nmのチタン、厚さが約20nmの窒化チタン及び厚さが約1970nmのタングステンにより構成されている。
【0156】
第4の実施形態に係る酸化防止層32Bは、第1の導電性プラグ31と白金からなる下部電極15との間に設けられており、第1の導電性プラグ31の上部のタングステンの酸化を防止するだけでなく、その上、導電性を有する多結晶体の結晶粒界が酸化されているため、容量素子18、第1の配線22及び第2の配線23の製造時における熱処理時に、酸化防止層31からチタン原子が極めて遊離しにくくなる。その結果、窒化チタンアルミニウムからなる酸化防止層31は、その導電性を確保しつつ、チタン原子が下部電極15を通って強誘電体からなる容量絶縁膜16に拡散することを防止することができる。
【0157】
(第4の実施形態の第1の製造方法)
以下、前記のように構成された半導体装置の第1の製造方法について図面を参照しながら説明する。
【0158】
図16(a)〜図16(d)は本発明の第4の実施形態に係る半導体装置の第1の製造方法の工程順の断面構成を示している。
【0159】
まず、図16(a)に示すように、半導体基板10のトランジスタ形成領域及び容量素子形成領域を除く領域に素子分離膜12を形成する。続いて、トランジスタ形成領域に、ゲート電極11c、ソース領域11a及びドレイン領域11dを含むMOSトランジスタ11を形成する。その後、CVD法等により、MOSトランジスタ11及び素子分離膜12を含む半導体基板10の全面に、厚さが約1000nmの酸化シリコンからなる第1の層間絶縁膜13を堆積する。続いて、第1の層間絶縁膜13にソース領域11aの第2コンタクト部11bを露出するコンタクトホールを形成し、例えばスパッタ法等により、厚さが約50nmのチタン、厚さが約100nmの窒化チタン及び厚さが約1500nmのタングステンを順次堆積し、化学機械的研磨(CMP)法により、第1の層間絶縁膜13の上に堆積した金属積層膜を除去することにより、ソース領域11aの第2コンタクト部11bに第1の導電性プラグ31を形成する。
【0160】
次に、図16(b)に示すように、CVD法等により、第1の層間絶縁膜13の上に、厚さが約100nmの窒化チタンアルミニウムからなる酸化防止層形成膜32Aを堆積する。ここで堆積された酸化防止層形成膜32Aは多結晶である。続いて、酸化防止層形成膜32Aを酸素プラズマに約3分間さらすことにより、酸化防止層形成膜32Aの結晶粒界を選択的に酸化する。このときの酸素プラズマの生成条件は、出力電力が約1000W、圧力が約3Pa、酸素の流量が約500ml/min及び基板温度が約150℃である。
【0161】
次に、図16(c)に示すように、リソグラフィ法及びエッチング法により、酸化防止層形成膜32Aに対して第1の導電性プラグを含むようにパターニングして、酸化防止層形成膜32Aから酸化防止層32Bを形成する。その後、酸化防止層32Bを含む第1の層間絶縁膜13の上に、スパッタ法等により、厚さが約200nmの白金からなる電極形成膜を堆積した後、堆積した電極形成膜に対して酸化防止層32Bを含むようにパターニングすることにより、白金からなる下部電極15を形成する。続いて、CVD法等により、下部電極15を含む第1の層間絶縁膜13の上に、ストロンチウム、ビスマス、タンタル及びニオブからなる有機金属化合物膜を堆積し、温度が700℃程度の酸素雰囲気で有機金属化合物膜を焼結することにより、有機金属化合物膜から厚さが約200nmの強誘電体からなる容量絶縁膜形成膜を形成する。続いて、スパッタ法等により、容量絶縁膜形成膜の上に、厚さが約200nmの白金からなる電極形成膜及び厚さが約20nmの窒化チタンからなる密着層形成膜を順次堆積し、容量絶縁膜形成膜、電極形成膜及び密着層形成膜に対して下部電極15を含むようにドライエッチングによるパターニングを行なう。これにより、容量絶縁膜形成膜から容量絶縁膜16を形成し、上部電極形成膜から上部電極17を形成し、密着層形成膜から密着層19を形成して、下部電極15、容量絶縁膜16及び上部電極17から容量素子18を形成する。その後、温度が約700℃の酸素雰囲気でアニールを行なって、容量絶縁膜16のドライエッチングによるダメージを回復させる。
【0162】
次に、図16(d)に示すように、例えばCVD法により、第1の層間絶縁膜13の上に容量素子18を含む全面にわたって、厚さが約1000nmの酸化シリコンからなる第2の層間絶縁膜20を堆積する。その後、リソグラフィ法及びエッチング法により、第2の層間絶縁膜20に容量素子18の上部電極17を露出する第1コンタクトホール20aを形成する。続いて、スパッタ法等により、第2の層間絶縁膜20の上に第1コンタクトホール20aの底面及び側面上を含む全面にわたって、厚さが約40nmの窒化チタンからなる導電性膜を堆積した後、堆積した導電性膜を第1コンタクト部17aを含むようにパターニングすることにより、該導電性膜からバリア層21を形成する。
【0163】
その後、図15に示したように、第1の層間絶縁膜13及び第2の層間絶縁膜20におけるMOSトランジスタ11のドレイン領域11dを露出する第3コンタクトホール20cを形成する。続いて、スパッタ法等により、厚さが約50nmのチタン、厚さが約100nmの窒化チタン及び厚さが約2500nmのタングステンを選択的に堆積して、第3コンタクト部11e上に第2の導電性プラグ33を形成する。なお、バリア層21を形成する前に、第2の導電性プラグ33を形成しても良い。続いて、スパッタ法等により、第2の層間絶縁膜20の上にバリア層21及び第2の導電性プラグ33を覆うように、厚さが約50nmのチタン、厚さが約700nmのアルミニウム及び厚さが約40nmの窒化チタンを順次堆積して、金属膜及び窒化金属膜が積層されてなる配線形成膜を形成する。その後、ドライエッチングにより、バリア層21及び第2の導電性プラグ33を含むように配線形成膜をパターニングすることにより、該配線形成膜から第1の配線配線22及び第2の配線23を形成する。その後、各コンタクト部17a、11b、11eのコンタクト抵抗の安定化を図ると共に、各配線22、23を構成するアルミニウムの腐食を防止するための、温度が約450℃の窒素雰囲気のアニールを行なう。
【0164】
続いて、図示はしていないが、第3の層間絶縁膜の堆積、コンタクトの形成、金属膜の堆積及び配線層の形成を繰り返し、最後に窒化シリコンからなる保護膜を堆積した後、パッド部を形成する。
【0165】
(第4の実施形態の第2の製造方法)
以下、本発明の第4の実施形態の半導体装置の第2の製造方法について図面を参照しながら説明する。ここでは、第1の製造方法との相違点のみを説明する。
【0166】
図17は本発明の第3の実施形態に係る半導体装置の第2の製造方法の一工程の断面構成を示している。
【0167】
図17に示すように、CVD法等により、MOSトランジスタ11を覆う第1の層間絶縁膜13の上に第1の導電性プラグ31を含むように、厚さが約150nmの窒化チタンからなる酸化防止層形成膜32Aを堆積する。ここで堆積された酸化防止層形成膜32Aは多結晶である。続いて、堆積した酸化防止層形成膜32Aに対して、温度が約550℃の酸素雰囲気で約30秒間の急速熱処理(RTA)を行なうことにより、酸化防止層形成膜32Aの結晶粒界を選択的に酸化する。
【0168】
その後は、第1の製造方法と同様に、結晶粒が酸化された酸化防止層形成膜32Aの上に、容量素子18、第2の層間絶縁膜20、第2の導電性プラグ33、バリア層21、第1の配線22及び第2の配線23を形成する。
【0169】
以上説明したように、第4の実施形態によると、第1の導電性プラグ31と容量素子18の下部電極15との間に設けられた酸化防止層32Bに、その結晶粒界が選択的に酸化され且つ導電性を有する多結晶の窒化チタンアルミニウムを用いるため、容量素子18を形成する際にドライエッチングにより容量絶縁膜16が受けるダメージを回復させるために行なう酸素雰囲気による約700℃のアニール時に、酸化防止層32Bからチタン原子が遊離することがない。このため、容量絶縁膜16を構成する強誘電体の特性の劣化を防止することができる。
【0170】
なお、酸素雰囲気によるアニール時に拡散するチタン原子及びアルミニウム原子はそれ自体が酸化するため、強誘電体の特性を劣化させることはない。しかしながら、酸化チタン又は酸化アルミニウムとして下部電極15と容量絶縁膜16との間に残存するため、電圧の印加時に容量絶縁膜16に加わる実質的な電圧が低減する。これにより、抗電圧が増大するため、低電圧動作を行ないにくくなる。
【0171】
第1の製造方法による、結晶粒界が酸素プラズマにより酸化された酸化防止層32Bを有する容量素子と、結晶粒界が酸化されていない従来の酸化防止層を有する容量素子とのそれぞれの抗電圧を比較したところ、第1の製造方法に係る容量素子は1.8Vであるのに対し、従来の容量素子は2.0Vであることを確認している。
【0172】
また、第2の製造方法において、酸化防止層形成膜32Aにおける結晶粒界を酸化する熱処理温度は、下部電極15及び容量絶縁膜16がを形成する前工程であるため、第1又は第2の実施形態に示した約425℃を超えても良い。
【0173】
但し、熱処理温度が約650℃の場合には、窒化チタンが完全に酸化するため、酸化防止層形成膜14Aに対する結晶粒界の酸化のための熱処理温度は約600℃以下に設定することが好ましい。
【0174】
なお、第4の実施形態に係る酸化防止層32Bに窒化チタンアルミニウムを用いたが、これに限られず、窒化チタン、窒化アルミニウム又は窒化タンタル等の導電性窒化膜を用いても同様の効果を得ることができる。
【0175】
また、第1〜第4の各実施形態において、容量絶縁膜16に用いる強誘電体には、ストロンチウム、ビスマス、タンタル及びニオブのうちの少なくとも1つを含む層状構造を有するペロブスカイト型複合酸化物、又は鉛、ジルコニウム及びチタンのうちの少なくとも1つを含むペロブスカイト型複合酸化物であることが好ましい。
【0176】
また、容量素子18の下部電極15及び上部電極の材料として白金の単層膜を用いたが、白金を含む積層膜を用いても良い。さらには、白金に代えて、イリジウム(Ir)、酸化イリジウム(IrO2 )、ルテニウム(Ru)又は酸化ルテニウム(RuO2 )からなる単層膜又はこれらのうちの少なくとも1つを含む積層膜を用いてもよい。
【0177】
また、第1の導電性プラグ31及び第2の導電性プラグは33は、下層から、チタン、窒化チタン及びタングステンの積層体により構成したが、タングステンを含む構成であれば良く、チタン及び窒化チタンは必ずしも必要ではない。また、タングステンに限られず、多結晶シリコンを用いてもよい。
【0178】
また、第1の実施形態においてはバリア層21Bを、第2の実施形態においては第2の密着層19Bを、第3の実施形態においては第1の密着層14Bを、第4の実施形態においては酸化防止層32Bを、それぞれ結晶粒界が選択的に酸化された導電性膜としたが、これらのうちの少なくとも2つを組み合わせると、容量絶縁膜16の特性劣化を防止する効果が大きくなることはいうまでもない。
【0179】
また、第1の実施形態の一変形例においては、結晶粒界が選択的に酸化されたバリア層21Bを積層構造としたが、他の実施形態においても、結晶粒界が選択的に酸化された導電性膜をそれぞれ積層構造としても良い。
【0180】
【発明の効果】
本発明に係る半導体装置及びその製造方法によると、容量素子の電極と界面を持つ金属窒化物からなる導電性部材は、多結晶体で且つその結晶粒界が酸化されているため、導電性を確保しながら金属原子の容量絶縁膜への拡散を防止することができる。その結果、混載されるトランジスタ素子等とのコンタクト抵抗が低下するため、高信頼性を有する半導体装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置を示す部分的な構成断面図である。
【図2】(a)〜(d)は本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の第1の製造方法を示す工程順の構成断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の第2の製造方法を示す一工程の構成断面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の第2の製造方法における容量素子の耐圧の熱処理温度依存性を示すグラフである。
【図5】本発明の第1の実施形態の一変形例に係る半導体装置を示す部分的な構成断面図である。
【図6】(a)及び(b)は本発明の第1の実施形態の一変形例に係る半導体装置の第1の製造方法を示す工程順の構成断面図である。
【図7】(a)及び(b)は本発明の第1の実施形態の一変形例に係る半導体装置の第2の製造方法を示す工程順の構成断面図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る半導体装置を示す部分的な構成断面図である。
【図9】(a)〜(d)は本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の第1の製造方法を示す工程順の構成断面図である。
【図10】本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の第2の製造方法を示す一工程の構成断面図である。
【図11】本発明の第3の実施形態に係る半導体装置を示す部分的な構成断面図である。
【図12】(a)〜(d)は本発明の第3の実施形態に係る半導体装置の第1の製造方法を示す工程順の構成断面図である。
【図13】本発明の第3の実施形態に係る半導体装置の第2の製造方法を示す一工程の構成断面図である。
【図14】本発明の第3の実施形態に係る半導体装置の第2の製造方法における窒化チタン膜のシート抵抗の熱処理温度依存性を示すグラフである。
【図15】本発明の第4の実施形態に係る半導体装置を示す部分的な構成断面図である。
【図16】(a)〜(d)は本発明の第4の実施形態に係る半導体装置の第1の製造方法を示す工程順の構成断面図である。
【図17】本発明の第4の実施形態に係る半導体装置の第2の製造方法を示す一工程の構成断面図である。
【図18】第1の従来例に係るプレーナ型の容量素子を有する半導体装置を示す部分的な構成断面図である。
【図19】第2の従来例に係るスタック型の容量素子を有する半導体装置を示す部分的な構成断面図である。
【符号の説明】
10 半導体基板
11 MOSトランジスタ
11a ソース領域
11b 第2コンタクト部
11c ゲート電極
11d ドレイン領域
11e 第3コンタクト部
12 素子分離膜
13 第1の層間絶縁膜
14 第1の密着層
14A 第1の密着層形成膜
14B 第1の密着層
15 下部電極
15A 下部電極形成膜(第1の電極形成膜)
16 容量絶縁膜
17 上部電極(第2の電極形成膜)
17a 第1コンタクト部
18 容量素子
19 (第2の)密着層
19A 第2の密着層形成膜
19B 第2の密着層
20 第2の層間絶縁膜
20a 第1コンタクトホール(接続孔)
20b 第2コンタクトホール
21 バリア層
21A バリア層形成膜
21B バリア層
21C 第1のバリア層形成膜
21D 第2のバリア層形成膜
21a 第1のバリア層
21b 第2のバリア層
22 (第1の)配線
23 第2の配線
31 第1の導電性プラグ
32A 酸化防止層形成膜
32B 酸化防止層
33 第2の導電性プラグ

Claims (34)

  1. 基板の上に形成され、下部電極、上部電極及びそれらの間に挟まれた絶縁性の金属酸化物からなる容量絶縁膜を含む容量素子と、
    記上部電極と界面を持つ金属窒化物からなる第1の導電性部材と
    前記容量素子を覆うように形成された層間絶縁膜とを備え、
    前記第1の導電性部材は多結晶体からなり、該多結晶体の結晶粒界は酸化されており、
    前記第1の導電性部材は、前記上部電極と前記層間絶縁膜との間に設けられ、前記上部電極と前記層間絶縁膜との間の密着性を向上する密着層であることを特徴とする半導体装置。
  2. 基板の上に形成され、下部電極、上部電極及びそれらの間に挟まれた絶縁性の金属酸化物からなる容量絶縁膜を含む容量素子と、
    前記下部電極と界面を持つ金属窒化物からなる第1の導電性部材と、
    前記基板と前記容量素子との間に形成された層間絶縁膜とを備え、
    前記第1の導電性部材は多結晶体からなり、該多結晶体の結晶粒界は酸化されており、
    前記第1の導電性部材は、前記層間絶縁膜と前記下部電極との間に設けられ、前記層間絶縁膜と前記下部電極との間の密着性を向上する密着層であることを特徴とする半導体装置。
  3. 前記上部電極と電気的に接続される配線と、
    前記上部電極と界面を持つ金属窒化物からなる第2の導電性部材とをさらに備え、
    前記第2の導電性部材は多結晶体からなり、該多結晶体の結晶粒界は酸化されており、
    前記第2の導電性部材は、前記上部電極と前記配線との間に設けられ、前記配線を構成する元素が前記容量絶縁膜に拡散することを防止するバリア層であることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置。
  4. 前記バリア層は前記配線をも構成していることを特徴とする請求項に記載の半導体装置。
  5. 前記下部電極と電気的に接続される導電性プラグと、
    前記下部電極と界面を持つ金属窒化物からなる第3の導電性部材とをさらに備え、
    前記第3の導電性部材は多結晶体からなり、該多結晶体の結晶粒界は酸化されており、
    前記第3の導電性部材は、前記導電性プラグと前記下部電極との間に設けられ、前記導電性プラグの酸化を防止する酸化防止層であることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  6. 前記下部電極と電気的に接続される導電性プラグをさらに備え、
    前記第1の導電性部材は、前記導電性プラグと前記下部電極との間に設けられ、前記導電性プラグの酸化を防止する酸化防止層を兼ねることを特徴とする請求項に記載の半導体装置。
  7. 前記導電性プラグは、多結晶シリコン又はタングステンを含むことを特徴とする請求項5又は6に記載の半導体装置。
  8. 前記金属窒化物は、チタン、タンタル及びアルミニウムのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1〜のうちのいずれか1項に記載の半導体装置。
  9. 前記金属酸化物は、ストロンチウム、ビスマス、タンタル及びニオブのうちの少なくとも1つを含む層状構造を有するペロブスカイト型複合酸化物、又は鉛、ジルコニウム及びチタンのうちの少なくとも1つを含むペロブスカイト型複合酸化物であることを特徴とする請求項1〜のうちのいずれか1項に記載の半導体装置。
  10. 前記上部電極及び下部電極のうちの少なくとも一方は、白金又は白金を含む積層膜からなることを特徴とする請求項1〜のうちのいずれか1項に記載の半導体装置。
  11. 基板の上に、第1の電極形成膜、絶縁性の金属酸化膜、第2の電極形成膜を順次形成する第1の工程と、
    前記第2の電極形成膜の上に、多結晶の金属窒化物からなる第1の導電性膜を形成する第2の工程と、
    前記第1の導電性膜における結晶粒界を選択的に酸化する第3の工程と、
    結晶粒界が選択的に酸化された前記第1の導電性膜の容量素子形成部分から密着層を形成する第4の工程と、
    前記第1の電極形成膜から下部電極を形成し、前記金属酸化膜から容量絶縁膜を形成し、前記第2の電極形成膜における前記密着層の下側部分から上部電極を形成することにより、前記下部電極、容量絶縁膜及び上部電極からなる容量素子を形成する第5の工程と、
    前記容量素子の上に層間絶縁膜を形成した後、形成した層間絶縁膜に、前記上部電極を露出する接続孔を前記密着層が残るように形成する第6の工程と、
    前記接続孔を含む前記層間絶縁膜の上に、配線形成膜を形成する第7の工程とを備えていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  12. 前記第3の工程は、前記第1の導電性膜を酸素プラズマにさらすプラズマ処理工程であることを特徴とする請求項11に記載の半導体装置の製造方法。
  13. 前記第3の工程は、前記第1の導電性膜を425℃以下の温度の酸素雰囲気で加熱する熱処理工程であることを特徴とする請求項11に記載の半導体装置の製造方法。
  14. 前記第2の工程及び前記第3の工程は、この順に繰り返して行なうことを特徴とする請求項12又は13に記載の半導体装置の製造方法。
  15. 前記第6の工程と前記第7の工程との間に、
    前記接続孔を含む前記層間絶縁膜の上に、多結晶の金属窒化物からなる第2の導電性膜を形成する第の工程と、
    前記第2の導電性膜における結晶粒界を選択的に酸化する第の工程と、
    前記第2の導電性膜を、該導電性膜の接続孔部分を含むようにパターニングすることにより、前記上部電極に前記第2の導電性膜からなるコンタクト部を形成する第10の工程とを備えていることを特徴とする請求項11に記載の半導体装置の製造方法。
  16. 前記第の工程は、前記第2の導電性膜を酸素プラズマにさらすプラズマ処理工程であることを特徴とする請求項15に記載の半導体装置の製造方法。
  17. 前記第の工程は、前記第2の導電性膜を425℃以下の温度の酸素雰囲気で加熱する熱処理工程であることを特徴とする請求項15に記載の半導体装置の製造方法。
  18. 前記第の工程及び前記第の工程は、この順に繰り返して行なうことを特徴とする請求項16又は17に記載の半導体装置の製造方法。
  19. 前記第1の工程よりも前に、
    前記基板の上に接続孔を有する絶縁膜を形成した後、前記接続孔に導電性プラグを形成する第の工程と、
    前記導電性プラグを含む前記絶縁膜の上に、多結晶の金属窒化物からなる第3の導電性膜を形成する第の工程と、
    前記第3の導電性膜における結晶粒界を選択的に酸化する第10の工程と、
    結晶粒界が選択的に酸化された前記第3の導電性膜から前記導電性プラグの酸化防止層を形成する第11の工程とを備え
    前記第1の工程では、
    前記酸化防止層を含む前記絶縁膜の上に、前記第1の電極形成膜、絶縁性の金属酸化膜、第2の電極形成膜を順次形成することを特徴とする請求項11に記載の半導体装置の製造方法。
  20. 前記第10の工程は、前記第3の導電性膜を酸素プラズマにさらすプラズマ処理工程であることを特徴とする請求項19に記載の半導体装置の製造方法。
  21. 前記第10の工程は、前記第3の導電性膜を600℃以下の温度の酸素雰囲気で加熱する熱処理工程であることを特徴とする請求項19に記載の半導体装置の製造方法。
  22. 前記第の工程及び前記第10の工程は、この順に繰り返して行なうことを特徴とする請求項20又は21に記載の半導体装置の製造方法。
  23. 前記導電性プラグは、多結晶シリコン又はタングステンを含むことを特徴とする請求項19〜22のうちのいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  24. 基板の上に絶縁膜を形成する第1の工程と、
    前記絶縁膜の上に、多結晶の金属窒化物からなる第1の導電性膜を形成する第2の工程と、
    前記第1の導電性膜における結晶粒界を選択的に酸化する第3の工程と、
    結晶粒界が選択的に酸化された前記第1の導電性膜の上に、第1の電極形成膜、絶縁性の金属酸化膜及び第2の電極形成膜を順次形成する第4の工程と、
    前記第1の電極形成膜から下部電極を形成し、前記金属酸化膜から容量絶縁膜を形成し、前記第2の電極形成膜から上部電極を形成することにより、前記下部電極、容量絶縁膜及び上部電極からなる容量素子を形成する第5の工程と、
    前記絶縁膜と前記下部電極との間に、結晶粒界が選択的に酸化された前記第1の導電性膜から密着層を形成する第6の工程と、
    前記容量素子の上に、前記上部電極を露出する接続孔を有する層間絶縁膜を形成する第7の工程と、
    前記接続孔を含む前記層間絶縁膜の上に、配線形成膜を形成する第8の工程とを備えていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  25. 前記第3の工程は、前記第1の導電性膜を酸素プラズマにさらすプラズマ処理工程であることを特徴とする請求項24に記載の半導体装置の製造方法。
  26. 前記第3の工程は、前記第1の導電性膜を600℃以下の温度の酸素雰囲気で加熱する熱処理工程であることを特徴とする請求項24に記載の半導体装置の製造方法。
  27. 前記第2の工程及び前記第3の工程は、この順に繰り返して行なうことを特徴とする請求項25又は26に記載の半導体装置の製造方法。
  28. 前記第7の工程と前記第8の工程との間に、
    前記接続孔を含む前記層間絶縁膜の上に、多結晶の金属窒化物からなる第2の導電性膜を形成する第の工程と、
    前記第2の導電性膜における結晶粒界を選択的に酸化する第10の工程と、
    前記第2の導電性膜を、該導電性膜の接続孔部分を含むようにパターニングすることにより、前記上部電極に前記第2の導電性膜からなるコンタクト部を形成する第11の工程とを備えていることを特徴とする請求項24に記載の半導体装置の製造方法。
  29. 前記第10の工程は、前記第2の導電性膜を酸素プラズマにさらすプラズマ処理工程であることを特徴とする請求項28に記載の半導体装置の製造方法。
  30. 前記第10の工程は、前記第2の導電性膜を425℃以下の温度の酸素雰囲気で加熱する熱処理工程であることを特徴とする請求項28に記載の半導体装置の製造方法。
  31. 前記第の工程及び前記第10の工程は、この順に繰り返して行なうことを特徴とする請求項29又は30に記載の半導体装置の製造方法。
  32. 前記金属窒化物は、チタン、タンタル及びアルミニウムのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項11〜31のうちのいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  33. 前記金属酸化物は、ストロンチウム、ビスマス、タンタル及びニオブのうちの少なくとも1つを含む層状構造を有するペロブスカイト型複合酸化物、又は鉛、ジルコニウム及びチタンのうちの少なくとも1つを含むペロブスカイト型複合酸化物であることを特徴とする請求項11〜31のうちのいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  34. 前記上部電極及び下部電極のうちの少なくとも一方は、白金又は白金を含む積層膜からなることを特徴とする請求項11〜31のうちのいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
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