JP4066443B1 - 糖誘導体とその利用 - Google Patents

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Abstract

スイゼンジノリAphanothece sacrum由来で、平均分子量が2,000,000以上であり、ヘキソース構造とペントース構造の単糖構造体が直鎖状又は分岐鎖状に連結した糖鎖ユニットの繰り返し構造を持ち、乳酸化された硫酸化糖を含み、かつ水酸基100個当たり2.7個以上の水酸基が硫酸化され、あるいは全元素中で硫黄元素が1.5重量%以上を占める糖誘導体。
これによりスイゼンジノリ由来で新規な多糖構造を持つ有用な糖誘導体が提供される。
【選択図】なし

Description

本発明は新規な多糖構造を持つ糖誘導体とその利用に関する。更に詳しくは本発明は、極めて高分子量で、特定の糖鎖ユニットの繰り返し構造を持ち、その構造中に乳酸化された硫酸化糖を含むと共にペプチド又は脂質を結合することもあり、同様のカテゴリーに属する公知物質とは著しく異なった性質を示す糖誘導体と、この糖誘導体を利用してそれぞれ得られる化学架橋物、液晶ゲル、可溶化修飾物、機能化修飾物、ポリイオンコンプレックス及び液晶スライムと、上記の糖誘導体の製造方法とに関する。
石油化学系の環境蓄積材料からバイオマス由来の環境循環型材料への転換を考える上で、微生物から新規な天然高分子を抽出し、これに基づく機能性材料又はその製剤を創製して有効利用することが望まれている。このような点から、極めて大量の寒天状物質を細胞外マトリックスに分泌する淡水性の光合成藍藻類スイゼンジノリAphanothece sacrumは注目されて良い。
[文献1]椛田聖孝 「大地の恵み、地下水・湧水の恩恵と将来」 第13回水環境学会市民セミナー講演資料集 29頁(2004年)
上記の文献1においては「食品性藍藻であるスイゼンジノリには抗酸化作用と抗アレルギー活性が認められる」旨が報告されている。しかしこれらの作用の有効成分を突き止めていない。
[文献2]椛田聖孝、岡本智伸、笹田直繁、小野政輝、井越敬司、小林弘昌、増岡智加子、伊東保之 「日本固有ラン藻・スイゼンジノリ(Aphanothece sacrum(Sur.)Okada)の培養および構成単糖と機能性の検索」 九州東海大学農学部紀要第24巻37頁(2004年)
上記の文献2においてはスイゼンジノリからの有効成分抽出を試み、色素、タンパク、単糖類、ベータカロチン、リノレン酸、リコピン、多糖類の存在を報告している。単糖類としては、グルコース、マンノース、キシロースを検出している。しかし、多糖構造についての十分な解析には到っていない。
スイゼンジノリの加工乾燥品にはカビも生えず、腐らないと言う情報も開示され(http://www.kisendou.co/shiryou.htm)、スイゼンジノリの加工乾燥品が機能性健康食品として販売されている。このことはスイゼンジノリの抗菌性を示している。
[文献3]Jean−Michel Panoffら、”Sulfated exopolysaccharides by two unicellular strains of cyanobacteria,Synechocystis PCC 6803 and 6714”,Arch,Microbiol.(1988)150:558−563
上記の文献3においては、シネコシスティス株由来の多糖類における単糖の組成のみが表記されており、N−アセチルヘキソース、ウロン酸、硫酸基を持つ硫酸化多糖が報告されている。この文献の561頁のTable 1に記載された「Sulfate residues」のデータから計算すると、この硫酸化多糖における全元素中の硫黄元素の割合は最高でも1.2重量%であり、硫酸化多糖の分子量も不明である。
一方、本発明との直接の関連性はないが、例えば下記の文献4等において、食品性藍藻であるスピルリナから抽出された硫酸化多糖であるスピルランは抗ウイルス性を持ち、これを構成する糖成分は中性糖、ウロン酸、メチル化糖、硫酸等であることが報告されている。
[文献4]Toshimitsu Hayashiら、”Calcium Spirulan,an Inhibitor of Enveloped Virus Replication,from a Blue−Green Alga Spirulina platensis”,J.Nat.Prod.(1996),59,83−87
ところで、スイゼンジノリは日本の九州地方に固有の生物種であり、しかも非常に繊細な生物で生育環境や培養条件に対する難しい制約が多い等の事情のため、実際のところ、上記の僅かな報告を除き、スイゼンジノリやその分泌する寒天状物質について十分な研究はなされていないのが現状である。
本発明の目的は、スイゼンジノリ由来の有用成分を抽出及び解析し、その化学構造や作用を突き止めて、新規で有用な機能性材料及び機能性製剤の創製に結びつけることである。本願発明者はその研究過程において新規な多糖構造を持つ糖誘導体の抽出に成功し、種々の構造解析及び機能の研究と、有効な利用方法の研究とを通じて本発明を完成するに至った。
(第1発明)
本願の第1発明は、淡水性藍藻類スイゼンジノリAphanothece sacrum由来で、平均分子量が2,000,000以上であり、ヘキソース構造を持つ糖構造体及びペントース構造を持つ糖構造体がα−グリコシド結合又はβ−グリコシド結合により直鎖状又は分岐鎖状に連結した糖鎖ユニットの繰り返し構造を持ち、前記糖鎖ユニットにおいては、水酸基100個当たり2.7個以上の水酸基が硫酸化され、あるいは全元素中で硫黄元素が1.5重量%以上を占める糖誘導体である。
以上の第1発明において、「スイゼンジノリ由来」との規定は、物質としての糖誘導体を特定するための規定の一部であって、糖誘導体の取得源あるいは製造方法を限定するものではない。
(第2発明)
本願の第2発明においては、前記第1発明に係る糖鎖ユニットが、糖構造体として乳酸化された硫酸化糖を含む。
(第3発明)
本願の第3発明においては、前記第2発明に係る硫酸化糖が、硫酸化ムラミン酸及び硫酸化N−アセチルムラミン酸から選ばれる1種以上である。
(第4発明)
本願の第4発明においては、前記第1発明〜第3発明のいずれかに係る糖誘導体には少なくとも化学式1に示すグルコース、ガラクトース及びマンノースと、化学式2に示すガラクトサミンと、化学式3に示すキシロース及びアラビノースと、化学式4に示すグルクロン酸及びガラクツロン酸と、化学式5に示すフコース及びラムノースとが含まれ、かつ、これらの糖構造体における任意の結合位置に、少なくとも硫酸基、乳酸基、メチル基を含む官能基群から選ばれる官能基が結合している。
(第5発明)
本願の第5発明においては、前記第1発明〜第4発明のいずれかに係る糖誘導体を構成する糖構造体の一部が、更にペプチド又は脂質と結合している。
(第6発明)
本願の第6発明は、淡水性藍藻類スイゼンジノリAphanothece sacrum由来で、平均分子量が2,000,000以上であり、かつ、少なくとも、下記の化学式6に示す配列を持つ3糖構造と下記1)〜6)に列挙する配列を持つ2糖構造の全てとを含む糖誘導体である。
(化学式6はヘキソースと、ヘキソースと、N−アセチルムラミン酸との3糖構造であることを示し、R、R‘は糖を示す。化学式6中の任意の−OHが−OSO 又は−OCHとなっているものを含む。)
1)ヘキソースと、キシロース又はアラビノースであるペントースとの2糖構造。
2)ヘキソースと、フコース又はラムノースであるデオキシヘキソースとの2糖構造。
3)ペントースとペントースとの2糖構造。
4)ペントースとデオキシヘキソースとの2糖構造。
5)ヘキソサミンとヘキンサミンとの2糖構造。
6)グルクロン酸又はガラクツロン酸であるウロン酸と、デオキシヘキソースとの2糖構造。
(第7発明)
本願の第7発明においては、前記第1発明〜第6発明のいずれかに係る糖誘導体の平均分子量が20,000,000以上である
(第8発明)
本願の第8発明においては、前記第1発明〜第7発明のいずれかに係る糖誘導体を構成する主要な糖構造体のモル比が、アラビノース1.1:フコース3.7:ラムノース15.4:キシロース17.0:マンノース10.5:ガラクトース12.3:ガラクツロン酸4.6:グルクロン酸4.7:グルコース28.8:ガラクトサミン2.03である。
(第9発明)
本願の第9発明においては、前記第1発明〜第8発明のいずれかに係る糖誘導体が、ティーバッグ法による測定において、以下(1)〜(3)のいずれか1項目以上の吸溶媒性を示す。
(1)純水に対して5700倍以上の重量比吸収率を示す。
(2)生理食塩水に対して3300倍以上の重量比吸収率を示す。
(3)同一条件下での純水に対する吸収率Aと生理食塩水に対する吸収率Bとの比B/Aが約0.57以上である。
(第10発明)
本願の第10発明においては、前記第1発明〜第9発明のいずれかに係る糖誘導体が、水溶液系において剪断速度の増大に伴い粘性が低下するというシュードプラスチック性を示す。
(第11発明)
本願の第11発明においては、前記第1発明〜第10発明のいずれかに係る糖誘導体が、高濃度水溶液系において液晶性を示すものである。
(第12発明)
本願の第12発明においては、前記第1発明〜第11発明のいずれかに係る糖誘導体が、水溶液系における偏光透過光強度において、剪断速度の増大に伴い2段階の透過光強度上昇(複屈折上昇)を示すものである。
(第13発明)
本願の第13発明においては、前記第1発明〜第12発明のいずれかに係る糖誘導体が、金属イオンを含む水溶液系において以下の少なくとも一の特性を示すものである。
(1)10−3M濃度の第3族と第13族金属イオン希薄溶液中でゲルを形成する。
(2)少なくともイッテルビウムイオンYb3+が包含される希土類金属イオン群から選ばれる金属イオンの溶液中で、アルカリ性、中性、酸性のいずれの液性においてもゲルを形成する。
(第14発明)
本願の第14発明は、第1発明〜第13発明のいずれかに記載の糖誘導体の官能基を架橋用の多官能性化合物と反応させることにより得られるものである糖誘導体化学架橋物である。
(第15発明)
本願の第15発明は、第1発明〜第13発明のいずれかに記載の糖誘導体の官能基を可溶化用又は機能化用の化合物で修飾し、あるいは色素化合物で修飾したものである糖誘導体修飾物である。
(第16発明)
本願の第16発明は、第1発明〜第13発明のいずれかに記載の糖誘導体とポリカチオン化合物との複合体であるポリイオンコンプレックスである。
(第17発明)
本願の第17発明は、第1発明〜第13発明のいずれかに記載の糖誘導体あるいは第14発明に記載の糖誘導体化学架橋物の高濃度水溶液を多価金属イオンに接触させて得られるものであり、多糖類−金属イオンハイブリッド液晶ゲルである液晶ゲルである。
(第18発明)
本願の第18発明においては、前記第17発明に係る多価金属イオンが、Al、Se、Ti、V、Cr、Fe、Ga、Sr、Y、Zr、Nb、Ru、Rh、Pd、Cd、In、Ba、La、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Hg、Pr、Bi、Ce、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu及びUの各金属のイオンから選ばれる1種以上である。
(第19発明)
本願の第19発明は、第1発明〜第13発明のいずれかに記載した糖誘導体の高濃度水溶液を、少なくともカルシウムイオンCa2+が包含される群から選ばれる金属イオンに接触させて得られるものであり、多糖類液晶スライムである液晶スライムである。
(第20発明)
本願の第20発明は、第1発明〜第13発明のいずれかに記載の糖誘導体を有効成分とし、以下の少なくとも一つの用途を持つ糖誘導体製剤である。
(1)吸水・保水・保湿剤
(2)抗菌剤
(3)抗ウイルス剤
(4)抗ガン剤
(5)食品用健康増進剤
(6)食品増粘・安定化剤
(7)金属回収剤
(8)粘結剤・粘着剤
(9)土壌改質剤
(10)感染予防剤
(第21発明)
本願の第21発明は、淡水性藍藻類スイゼンジノリAphanothece sacrumを原料として第1発明〜第13発明のいずれかに記載の糖誘導体を抽出し、必要な場合には更にこれを精製する糖誘導体の製造方法である。
第1図はスイゼンジノリの写真を示す。第2図は繊維状の糖誘導体の写真を示す。第3図は糖誘導体の赤外吸収スペクトルを示す。第4図は試料のNMRスペクトルを示す。第5図は試料の紫外・可視スペクトルを示す。第6図は試料の酸分解物のESI−MSスペクトルを示す。第7図は試料の粘弾性試験の方法とその試験結果を示す。第8図は試料の剪断応力誘起複屈折性を示す。第9図は多糖類の液晶状態の偏光写真を示す。第10図は多糖類のゲル化を示す。第11図は多糖類による液晶ゲルの形成を示す。第12図は多糖類による液晶スライムの形成を示す。第13図は多糖類の分子鎖の電子顕微鏡写真である。第14図は多糖類の分子量データを示す。第15図は多糖類の乳酸化の証拠を示す。第16図は多糖類の化学架橋物のゲルを写真により示す。第17図は多糖類の化学架橋物の金属吸着を示す。第18図は多糖類のアセチル化の証拠を示す。第19図は色素により修飾した多糖類を写真により示す。第20図は酸性物質添加による多糖類水溶液の粘性変化を示す。第21図及び第22図は多糖類の構成糖配列を導いたデータを示す。第23図は多糖類の構成糖決定の根拠を示す。第24図は多糖類の抗ウイルス性を示す表である。第25図は多糖類の抗ウイルス性を示す表である。
(1)第1発明〜第6発明に規定するような、スイゼンジノリ由来で新規な多糖構造を持つ有用な糖誘導体が提供される。
(2)本発明の糖誘導体は少なくとも2,000,000以上の分子量を持ち、更に好ましくは20,000,000以上の分子量を持つ。このように分子量が8,000,000を超える超高分子量の天然硫酸化多糖が見出されたのは、初めてである。
(3)本発明の糖誘導体は、その繰り返し構造中の糖構造体として、硫酸化ムラミン酸や硫酸化N−アセチルムラミン酸等の乳酸化された硫酸化糖を含む。従来、菌類細胞壁のペプチドグリカン中の構成糖としてムラミン酸やN−アセチルムラミン酸等の乳酸化糖は確認されているが、乳酸化された硫酸化糖を含む糖類は報告されていなかった。即ち、この糖誘導体は乳酸化糖と硫酸化糖を併せ含むので、糖鎖の周りの酸性度を高く保つことができる。そして、糖誘導体の酸性水溶液中で室温下に乳酸が脱離するので、糖誘導体を経口投与すると、胃酸により乳酸が遊離し、整腸作用を示すことが期待される。
(4)本発明の糖誘導体には、少なくとも、前記した化学式1〜化学式5に示すヘキソースとペントースが含まれ、これらの糖構造体における任意の結合位置に、少なくとも硫酸基、乳酸基、メチル基等の官能基が結合している。更に、糖誘導体を構成する糖構造体の一部が、更にペプチド又は脂質と結合している。
(5)本発明の糖誘導体は、第6発明において前記したように、化学式6に示す配列を持つ3糖構造と、1)〜6)に列挙した配列を持つ2糖構造の全てとを含む。糖誘導体を酸分解して、FT−MSを行った結果、これらの3糖構造体と2糖構造体とが遊離することが判明した。
(6)更に、本発明の糖誘導体は、これを構成する主要な糖構造体のモル比が、アラビノース1.1:フコース3.7:ラムノース15.4:キシロース17.0:マンノース10.5:ガラクトース12.3:ガラクツロン酸4.6:グルクロン酸4.7:グルコース28.8:ガラクトサミン2.03である。このように同定できた構成糖は糖誘導体全体の94%に当たる。残りの6%にはムラミン酸等の糖が含まれると考えられる。
(7)本発明の糖誘導体は、ティーバッグ法による測定において、重量比で純水に対して5700倍、生理食塩水に対して3300倍の吸収率という非常に優れた吸溶媒性を示すため、吸水・保水・保湿剤として極めて有用である。「ティーバッグ法」とは、以下のような溶媒吸収率測定法である。
即ち、キッチンタウパーで作った袋の中に、純水又は生理食塩水を溶媒とする糖誘導体の溶液を入れる。この袋を同一種類の溶媒を多量に収容したビーカーに浸して2時間放置した後、袋を引き上げて懸垂し、袋から液滴が落下しなくなるまで(通常は、5時間程度)懸垂状態を持続する。その後に袋中の溶液を回収し、溶液10mLの重さWsと、これに含まれる糖誘導体の重さW(このWは溶液を徹底的に真空乾燥した残渣の重量を秤量して求められる)とから、Ws/Wを計算して溶媒吸収率を求める。
(8)本発明の糖誘導体は、前記のシュードプラスチック性を示すことが確認されており、例えば公知のキサンタンガム等と同様に、マヨネーズ等の増粘用添加剤としても有用である。
(9)本発明の糖誘導体は、従来の天然硫酸化多糖類には見られない液晶性を示し、従来の多糖類では報告例のない2段階の複屈折上昇を示し、金属イオンの溶液中でアルカリ性、中性、酸性のいずれの液性においてもゲルを形成し、かつ、多糖類−金属イオンハイブリンド液晶ゲルと言う新規な概念の液晶ゲルを形成し、更に、カルシウムイオン等との反応によって多糖類液晶スライムを形成する等、非常にユニークな種々の物性を示すことが確認されている。液晶ゲルについては後述の(14)の項で更に詳しく述べる。これらの特徴的な物性を利用すれば、例えば、偏光レンズ、光トラップ剤、光散乱剤、流速センサー、遊戯具、アクチュエーター、接着剤等の用途への利用が考えられる。
(10)本発明の糖誘導体の由来生物であるスイゼンジノリについて抗酸化作用と抗アレルギー活性が報告されている点、スイゼンジノリには抗菌性があること、硫酸化多糖類スピルランにも抗菌性が知られていること等から、本発明の糖誘導体が優れた抗菌活性・抗ウイルス活性を持つことは確実であり、抗酸化作用と抗アレルギー活性も期待できる。従って、本発明の糖誘導体を抗菌剤、抗ウイルス・抗ガン剤、食品用健康増進剤、食品増粘・安定化剤などの有効成分として利用することができる。より具体的には、第20発明において前記した各種用途を例示できる。これらの用途には、例えば、マスクや白衣等の医療補助品、おしめやナプキン等のサニタリ用品、エアコンや空気清浄機等のフィルター、感染予防用の土壌保水剤、感染予防用の飼料添加物、感染予防用の食品添加物等も含まれる。
(11)本願発明者は、本発明の糖誘導体の官能基を架橋用の多官能性化合物と反応させることにより、糖誘導体化学架橋物を得た。架橋結合に供される官能基としては、糖誘導体の水酸基、アミノ基、カルボキシル基等が例示される。多官能性化合物としては、多官能性イソシアネート、多官能性エポキシ化合物、多官能性カルボン酸、多官能性カルボン酸誘導体、多官能性ハロゲン化物、多官能性ビニル化合物等が例示される。架橋密度は、構成糖に対して0.001mol/%〜15mol/%程度まで制御することが可能である。本発明の糖誘導体化学架橋物は、水等の液体を吸収するとゲルになり、そのまま加熱や可塑剤添加等により可塑化させればゴムとなる。
(12)本発明の糖誘導体の官能基を可溶化用又は機能化用の化合物で修飾し、又は色素化合物で修飾することができる。
例えば、本発明の糖誘導体をDMSO等の無水有機溶媒に溶解させ、無水酢酸又は酢酸クロリドと反応させることにより、糖誘導体の水酸基がアセチル化されたアセチル化糖誘導体を作製することができた。アセチル化した場合、糖誘導体における水素結合の形成が抑制されるので、水等の親水性溶媒に対する可溶性を増大させ得る。同様に、他種の無水カルボン酸やカルボン酸クロリドを用いて糖誘導体の可溶化や機能化を行うことができる。
糖誘導体の可溶化や機能化のための手段としては、上記の他にも、ヒドロキシプロピル化、ヒドロキシエチル化、カルボキシメチル化、硫酸化、スルホン酸化、硫黄誘導体化、トシル化、メシル化、メチル化、クロロメチル化、ホルミル化、亜硫酸化、リン酸化、ホスホン酸化、ホスフィン酸化、リン誘導体化、硼酸化、ボロン酸化、ホウ素誘導体化、珪酸化、シリル誘導体化、ニトロ化、ニトロソ化、ニトリル化、ハロゲン化、ヒドロキシル化、エポキシル化、一級〜四級のアミノ化、アゾメチン化、アゾ化、アゾキシル化、ジアゾニウム化、アジ化、ピリジル化、ピラジル化、トリアジン化、ピロール化、ピペリジン化、ピリミジン化、ピロリジン化、プリン化、トルイジン化、スチリル化、フェニル化、フェノキシル化、ベンジル化、ベンゾイル化、ベンジロキシル化、ハロゲノフェニル化、ハロゲノフェノキシル化、ハロゲノベンジル化、ハロゲノベンゾイル化、ハロゲノベンジロキシル化、ナフチル化、アンスリル化、フェナンスリル化、芳香族化合物を含む誘導体化、アルキル化、アルケニル化、アルキニル化、アルコキシル化、アルケノキシル化、アルキノキシル化、シクロアルキル化、シクロアルケニル化、シクロアルキニル化、シクロアルコキシル化、シクロアルケノキシル化、シクロアルキノキシル化、ハロゲノアルキル化、ハロゲノアルケニル化、ハロゲノアルキニル化、ハロゲノアルコキシル化、ハロゲノアルケノキシル化、ハロゲノアルキノキシル化、クラウンエーテル化、乳酸化、グリコール酸化、コレステリル化、グリシル化、脂質化、アミノ酸化、糖化、核酸化、テルペニル化、アルカロイド化、フラボノイド化、配糖体化等を例示できる。又、以上の各種誘導体についての重水素誘導体化、13Cを含む誘導体化、放射性同位体を含む誘導体化も可能である。
糖誘導体の色素化合物による修飾としては、糖誘導体の水酸基、アミノ基、又はカルボキシル基に任意の発色団を化学的に結合させる方法や、静電相互作用を用いて物理的に結合させる方法を例示できる。糖誘導体を色素修飾することにより、例えば発色性の付加価値を与えるという利点や、カラーフィルターへの利用、高分散性顔料としての利用、水溶性色素としての利用という利点が得られる。
(13)実施例において後述するように、本発明の糖誘導体とポリカチオン化合物との複合体であるポリイオンコンプレックスを得ることができた。このようなポリイオンコンプレックスを得ることにより、例えば吸塩剤、物質キャリヤ、物質除放剤、中和剤、緩衝剤という利点が得られる。
(14)上記の(9)で述べた多糖類−金属イオンハイブリッド液晶ゲルに関しては、本発明の糖誘導体だけでなく、本発明の糖誘導体化学架橋物においても、多様な多価金属イオンとの接触により形成可能である。多価金属イオンとして、Al、Se、Ti、V、Cr、Fe、Ga、Sr、Y、Zr、Nb、Ru、Rh、Pd、Cd、In、Ba、La、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Hg、Pr、Bi、Ce、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu及びUの各金属のイオンから選ばれる1種以上を挙げることができる。
(15)実施例において後述するように、本発明の糖誘導体の水溶液は、アスコルビン酸等の酸性物質を添加しても粘性がほとんど下がらないことが判明した。従って、例えば添加剤としての増粘効果などの性能が他の添加剤により影響されないという利点が得られる。
次に本発明の実施例を説明する。本発明の技術的範囲は以下の実施例によって限定されない。
第1実施例群
〔実施例1:糖誘導体の抽出〕
図1の上部にスイゼンジノリAphanothece sacrumの集塊の原寸大写真を示し、下部にスイゼンジノリの光学顕微鏡写真を示す。
まず、適量の生きたスイゼンジノリを凍結し、融解した後に水洗いすることにより水溶性色素を除去し、次いでエタノール中で一昼夜攪拌しながら脂溶性色素を除去した。こうして色素を除去したスイゼンジノリを、エタノールを分離した後、0.05Nの水酸化ナトリウム水溶液中で40°Cに加熱し、約2時間かけて溶解させた。
以上の操作により抽出した糖誘導体の水溶液をガーゼで濾過した後、濾液を分画分子量が8,000の透析膜に入れ、蒸留水で透析した。この透析は、透析外液がpH8.0〜9.0になるまで、毎朝晩蒸留水を交換して行った。
上記の透析の終了後、糖誘導体水溶液をエバポレーターで濃縮し、この濃縮液を100%イソプロパノールに攪拌しながら流し込み、図2に示す繊維状の糖誘導体を得た。図2の上部に沈殿直後の繊維状物の写真を示し、下部にその光学顕微鏡写真を示す。このような繊維化の現象は、後述するように1)糖誘導体の分子量が異常に大きいこと、2)強い分子鎖間力を誘起するN−アセチルヘキソースを持つこと、3)水には良く溶解するがアルコールには全く溶解しない官能基である硫酸基を持つこと、が関係していると考えられる。
〔実施例2:糖誘導体の赤外吸収スペクトル〕
上記透析終了後の糖誘導体水溶液(pH8.5)を処理して得た繊維状の糖誘導体の赤外吸収スペクトルを測定した結果、図3の下側のスペクトル図に示すように、1650cm−1付近にアミドとカルボン酸イオンのカルボニル基のピークが見られた。そこで、糖誘導体水溶液を塩酸を用いてpH2.5に調整し、プロトン化後に再度赤外吸収スペクトルを測定すると、今度は図3の上側のスペクトル図に示すように、1670cm−1付近にアミド由来のカルボニル基とカルボン酸由来のカルボニル基のピークがはっきりと見られた。その他に、硫酸イオン、3300cm−1及び1000cm−1付近に糖に特徴的なヒドロキシル基のピークも見られた。
〔実施例3:ペプチドを持たない糖誘導体の取得〕
上記実施例1,2の糖誘導体はペプチドを結合したものであるが、前記した水酸化ナトリウム水溶液中での加熱処理を120°Cで行うことにより、上記の糖誘導体とはペプチドを結合していない点のみが異なる糖誘導体も取得した。以後、便宜的に、ペプチドを結合した糖誘導体を単に「多糖ペプチド」と呼び、ペプチドを結合していない糖誘導体を単に「多糖類」と呼ぶ。
〔実施例4:多糖類の元素分析〕
上記の多糖類のサンプルを常法に従い元素分析した結果、全試料重量の2.13%が硫黄元素であった。又、多糖類の他の何例かのサンプルについても同様に分析したところ、最低のもので硫黄元素が全試料重量の1.5%程度、他に、最高全試料重量の2.5%あるいはそれ以上のものも見られた。多糖類の構造中には硫酸基以外の硫黄元素は含まれないとして計算すると、全試料重量の2.13%が硫黄元素であった場合に関しては、一単糖当たりの硫酸基のモル分率は0.1196であり、一単糖には水酸基が通常は3個含まれる点と、硫酸化されるのは水酸基又はアミノ基(水酸基の代わりに存在することがある)である点から、上記のモル分率の3分の1の数値、即ち、「0.03988」が一水酸基当たりの硫酸基の数であると計算された。換言すれば水酸基100個当たり約3.9個の水酸基が硫酸化されている。同様な計算から、硫黄元素が全試料重量の1.5%である場合には、水酸基100個当たり約2.7個の水酸基が硫酸化されている計算になる。
〔実施例5:分子量〕
上記の多糖類の希薄水溶液をイソプロパノールで希釈し、カーボンコート銅グリッドの上に滴下して乾燥させた。そのサンプルの透過型電子顕微鏡写真を図13に示す。
希薄溶液から乾燥したものであるため、撮像されたものは単分子鎖の形状であると考えられる。この分子鎖の長さは、図の下方に示した100nmのサイズバーから見て、少なくとも5μm以上であると見積もられた。分子量180と仮定した一単糖の長さを0.4nmとすると、この分子鎖は12500量体なので、分子量は225万であることになる。上記の透過型電子顕微鏡写真では、更に長い分子鎖も多数観察された。
〔実施例6:NMRスペクトル〕
多糖類をトリフルオロ酢酸で加水分解した後のH NMRスペクトルを測定したところ、図4に示すように、アミド由来、糖由来、6−デオキシ糖由来のプロトンピークが見られた。多糖ペプチドについても、同様のH NMRスペクトルが得られた。
〔実施例7:赤外・可視スペクトル〕
多糖類及び多糖ペプチドについて赤外・可視スペクトルを測定したところ、図5に示すように、多糖類の場合には240〜280nmに見られるとされるペプチド特有の吸収が見られず、多糖ペプチドの場合にはこの吸収が見られた。一方、いずれの場合も240nm以下に糖特有の吸収が見られた。
〔実施例8:ESI−MSスペクトル〕
多糖類を酸分解してESI−MSスペクトルを測定したところ、図6に示す結果が得られた。単糖と2糖の分子量から、ヘキソース、ペントース、デオキシヘキソース、N−アセチルヘキソース、硫酸化ウロン酸及びウロン酸の存在を確認した。
〔実施例9:多糖構造の推定〕
以上の各種解析の結果から、多糖類及び多糖ペプチドの前記した化学構造を決定した。
〔実施例10:粘弾性試験〕
図7の上部に示す回転粘度系を用いて多糖類の粘弾性試験を行った。この回転粘度系は、適宜な濃度の多糖類の水溶液を、厚さ1mm、直径20mmの円盤形状となるように適宜な容器に収容し、この水溶液を種々の剪断速度で回転させ、その回転トルクを粘度としてセンシングするものである。濃度0.5g/dlの多糖類の水溶液に対してこのような測定を合計3回行った結果を図7の下部に示す。
〔実施例11:剪断応力誘起複屈折〕
濃度0.5g/dlの多糖類の水溶液を直交偏光子の間に置き、その水溶液に剪断応力を与えたときに水溶液部分を透過する光の強度を調べた。その測定結果を図8の上部に示し、剪断速度の増大に伴う透過光強度の変化の写真を図8の下部に示す。
その結果、剪断速度の増大に伴って透過光強度が二段階に上昇することが分かった。透過光強度の上昇は水溶液の複屈折性が上がったことを示す。そして、複屈折性が上がるのは、水溶液内の分子鎖が一方向に配向したことを示す。分子の配向は、一次のものは分子鎖が液晶相を示すことに由来し、二次のものは分子鎖そのものの直線性が上がったことを示す。このように二段階の複屈折上昇を示す多糖類の報告例はない。
〔実施例12:高濃度状態における多糖類の液晶性〕
多糖類水溶液の濃度が0.5g/dlより大きい場合には、剪断応力がなくても液晶相を示す。図9の写真は、直交偏光子下に濃度が0.5g/dlより大きい多糖類水溶液を置いたときのものである。この写真から、水溶液は強い複屈折性を示すことが分かり、自然状態で液晶相を示すことが分かった。このような物質として中性多糖のシゾフィランが挙げられるが、天然硫酸化多糖類で液晶性を示すものは初めてである。
〔実施例13:多糖類のゲル化〕
多糖類及び多糖ペプチドの水溶液を金属イオンの水溶液に滴下すると、即座に自己組織化を起こしてゲル化する。これは、糖のアニオンと金属イオンのカチオンが相互作用するためである。そのような公知の天然多糖としてはアルギン酸が有名である。
図10に、10−2MのYb3+イオン存在下でのアルギン酸と本発明の多糖類とのゲル化状況の写真を示す。図10の上部の写真は、中性又はアルカリ性におけるゲル化状況を示し、左のビーカーがアルギン酸、右のビーカーが多糖類である。共にゲル形成が認められる。図10の下部の写真は、酸性におけるゲル化状況を示し、左のビーカーがアルギン酸、右のビーカーが多糖類である。多糖類にのみ、ゲル形成が認められる。
このように、酸性〜アルカリ性に至るいずれの液性でもゲルを形成する多糖類は、今回初めて見出された。その理由は、カルボン酸の他に硫酸基が豊富に存在し、かつ適当な量のN−アセチルヘキソース(水に難溶性)が存在するためである。Yb3+イオン以外の希土類金属イオンの存在下でも、煩雑にわたるため図示は省略するが、同様の現象が認められた。
多糖類水溶液がゲルを形成する金属イオン種としてAl3+、Sc3+、Cr3+、Fe3+、Y3+、La3+、Ce3+、Pr3+、Nd3+、Sm3+、Eu3+、Gd3+、Tb3+、Dy3+、Ho3+、Er3+、Tm3+、Yb3+、In3+、Pb2+、Lu3+を確認している。これらの金属イオンの10−3M濃度においてゲル形成が可能であり、その理由は、多糖類の分子量が異常に高く、電荷密度が高いことと分子鎖が絡まりやすいことによると考えられる。
〔実施例14:液晶ゲル、液晶スライムの形成〕
本発明の多糖類は、0.5g/dlより高い濃度において、金属イオン水溶液中に滴下すると、図11の左側の写真のようにゲルを形成する(10−2MのYb3+イオン水溶液中)が、これに直交偏向子下で光を透過させると、右側の写真のような像が得られる。このような多糖類−金属ハイブリッドの液晶ゲルは、これまでに報告例がない。
次に、0.5g/dlより高い濃度の多糖類水溶液をカルシウムイオン水溶液と混合すると、スライム状を呈する(図12の写真)。スライムとは、平坦な板の上である程度変形し広がるが、決して流れることはない性状を言う。又、ゲルとは異なり、カッターで切れ目を入れようとしても、切れ目は入らず破壊も起こらない。このような液晶スライムも報告例のない概念である。
第2実施例群
〔実施例15:他の抽出法で得た多糖類の分子量分析〕
実施例1とは異なる抽出法によって得た多糖類(本発明に係る糖誘導体)について分子量分析を行った。即ち、適量の生きたスイゼンジノリの水混合物をオートクレーブ中135°Cで30分間処理すると、幾分濁った水溶液を得た。この濁りを超遠心器で50000回転、30分間処理して除去し、透明な粘性のある水溶液を得た。これを減圧濃縮し、イソプロパノール中に注ぐことで、繊維状の多糖類を得た。この繊維状の多糖類を前記の実施例1ないし実施例2の場合と同様に精製し解析した。その結果、この多糖類は実施例1の抽出法による場合と同様の官能基を持っていることが分かった。
この実施例で得た多糖類を0.1M硝酸ナトリウム水溶液に溶解した後、水系カラムにより分子量の測定を行った。その結果を図14に示すが、多糖類の分子量は極めて高く、数平均分子量が16.9MDa、重量平均分子量が20.9MDa、分子量分布が1.24であることが分かった。即ち多糖類の分子量は約20MDaと見積もられる。又、前記と同様の硫酸化度の分析によれば、多糖類の単位単糖当たりの硫酸化度は100%(最高で300%)であった。
〔実施例16:乳酸化の確認〕
実施例15で得た多糖類について多糖類水溶液をプロトン化陽イオン交換樹脂を用いた処理によりプロトン化し、そのままエバポレータで濃縮することで部分的に加水分解する。この濃縮液にメタノールを加えると沈殿が発生するが、その上清を吸い出し乾燥したところ、粉末サンプルを得た。このサンプルを用いてH NMR解析を行ったところ、第15図の結果を得た。この結果から分かるように、1.4ppm付近にダブレットのピークが見られたが、これは乳酸のβ−炭素のプロトンピークと同じ場所であり、多糖類が乳酸化されていることを確認した。糖類において、乳酸化は普通には見られない。
〔実施例17:糖誘導体化学架橋物〕
実施例15で得た多糖類の0.5%水溶液に、ジアミンであるL−リジンを多糖類の単糖ユニットモル量の10モル%に相当する量を水溶液の状態で添加して反応させたところ、多糖類の化学架橋物を形成し、第16図の左側の写真に示す透明な自己支持性のゲルを得た。このゲルの含水率は99.86%と、かなり高かった。次いで、このゲルに金属イオン(具体的にはネオジムイオン)を吸着させると、ゲルが水分を放出して、第16図の右側の写真に示すように収縮した。
次に、上記の多糖類ゲル、多糖類の0.5%水溶液及びアルギン酸の0.5%水溶液を、それぞれ金属イオン(ガドリニウムイオン)の水溶液に入れ、金属の吸着挙動をICP(誘導結合プラズマ法)により測定した。その結果を第17図に示す。第17図から分かるように、多糖類ゲル(図中で「Montan gels」と表記)は著しく沢山の金属イオンを吸着した。ジアミンと反応していない多糖類(多糖類の水溶液:図中で「Montan」と表記)との比較では、多糖類のマイナスイオンの数当たりに換算して、最大で10倍近くの吸着量であった。
〔実施例18:糖誘導体のアセチル化〕
実施例15で得た多糖類をDMSOに溶解させ、無水酢酸と反応させることにより、多糖類の水酸基がアセチル化されたアセチル化多糖類を作製した。このアセチル化多糖類のH NMRスペクトルを第18図に示す。図の矢印で示す位置に、アセチル化(−OCOCH)のプロトンシグナルが認められる。
〔実施例19:糖誘導体の色素による修飾〕
実施例15で得た多糖類を、アミン指向性緑色蛍光色素であるFITC、カチオン性赤色色素であるコンゴーレッド、アニオン性青色色素であるアルシアンブルーでそれぞれ処理した。これらの色素により修飾した多糖類の蛍光顕微鏡写真を第19図に示す。カラー写真(a)がFITCで修飾したもの、カラー写真(b)がコンゴーレッドで修飾したもの、カラー写真(c)がアルシアンブルーで修飾したものである。
〔実施例20:糖誘導体水溶液への酸性物質添加〕
実施例15で得た多糖類の0.5重量%水溶液と、ヒアルロン酸の0.5重量%水溶液とを調製し、これらの各せん断速度での動粘度(Rotation viscosity:単位Pa・s)を測定した。又、上記の各水溶液にアスコルビン酸の0.5重量%水溶液を添加した場合の同上の動粘度も測定した。第20図に測定結果を示す。第20図の左側に多糖類水溶液の測定結果を示し、右側にヒアルロン酸水溶液の測定結果を示す。いずれにおいても、「アスコルビン酸(0.5wt%)」と表記したグラフがアスコルビン酸水溶液添加時のものであり、「アスコルビン酸(−)」と表記したグラフがアスコルビン酸水溶液無添加時のものである。
〔実施例21:多糖構造〕
実施例15で得た多糖類をメタノール・塩酸で処理し酸分解した後の高分解能ESI−MSスペクトルを、第21図に示す。又、この図や、他のFT−MSスペクトルで検出された分子量で、ある糖とミリマスレベルで一致したものを第22図の表にまとめた。第22図の表中、「m/z」欄に示す値は検出された分子量であり、この値に対して水素の原子量(1.0078)を加算した値を「m/ztasuH(MS:1.0078)」欄に示す。
第22図の表中、entry番号1、3、8からムラミン酸を同定できた。entry番号2、3、4、6、7から硫酸基の存在が確認された。entry番号2からヘキソースの存在が確認された。更に、entry番号4からウロン酸の存在が確認された。
又、第22図の表において、entry番号1〜4は、構成糖の証拠であり、硫酸基の存在の証拠でもある。entry番号5、6は、ヘキソースが2個連続していることを証明している。entry番号7は、ヘキソースの隣がウロン酸であることを証明している。次に、entry番号8はヘキソースの2個の連続の隣がN−アセチルムラミン酸であることを示している。部分配列としてはヘキソース−ヘキソース−N−アセチルムラミン酸の3つの並びを特定することができる。この3糖の配列構造が、本実施例に係る多糖類の繰り返し単位、あるいは繰り返し単位の一部を構成している可能性はあるが、そうであるとは断定できない。
第21図及び第22図の結果は、カルボン酸(ムラミン酸、ウロン酸)、アミド(ムラミン酸)、水酸基(全て)及び硫酸基の存在を証明している。
次に、実施例15で得た多糖類を、塩酸/メタノールで数日間かけて70度で処理することで分解し、途中で不溶化してきた場合には溶媒を随時添加しさらなる分解を施した後、溶媒を完全に留去し、その後、ジーエルサイエンス社製のトリメチルシリル化剤であるTMSI−C(商品名)で処理した後、そのままガスクロマトグラフィーで測定した。得られた結果を、第23図に示す。第23図からは、多糖類の構成糖としてFuc(フコース),Rha(ラムノース),Xyl(キシロース),Ara(アラビノース)、Man(マンノース),Glc(グルコース),Gal(ガラクトース),GlcA(グルクロン酸),GalA(ガラクツロン酸)、GalN(ガラクトサミン)、の存在が確認された。フコース、ラムノース)は6−デオキシ糖である。キシロース、アラビノースは6位の無くなったペントースである。グルコース、マンノース、ガラクトースはヘキソースである。グルクロン酸、ガラクツロン酸はウロン酸である。グルコサミンはヘキソサミンである。
第3実施例群
〔実施例22:抗ウイルス活性の評価〕
前記した第1実施例群及び第2実施例群の対象とした多糖類(本発明の糖誘導体)のサンプルそれぞれについて、プラークアッセイ法を用いて単純ヘルペスウイルス2型に対する抗ウイルス活性を求めた。第24図には単純ヘルペスウイルス2型の増殖抑制効果の試験結果を示し、第25図には単純ヘルペスウイルス2型の不活性化効果の試験結果を示す。第24図及び第25図において、「アルカリ抽出した試料」とは第1実施例群の対象とした多糖類を言い、「高圧高温抽出した試料」とは第2実施例群の対象とした多糖類を言う。
“Ecotoxicology and Environmental Safety”の45巻208〜227頁(2000年)に掲載されたD.J.Shaeffel,V.S.Krylovの文献には、抗ウイルス活性は、分子量が高いほど、又、硫酸化度が高いほど優れていると報告されている。本発明に係る多糖類では、抗ウイルス活性の指標である選択指数が、第24図、第25図に示すように、非常に高い値を示した。図に示す選択指数は、通常は10を超えると抗ウイルス活性があるとされるものであり、例えば、従来の単純ヘルペスウイルス2型に対する薬であるアシクロビルでは800程度である。
本発明によって、スイゼンジノリ由来で新規な多糖構造を持つ有用な糖誘導体が提供される。又、その糖誘導体の有効な利用のための多様な用途も提供される。

Claims (20)

  1. 淡水性藍藻類スイゼンジノリ Aphanothece sacrum由来で、平均分子量が2,000,000以上であり、ヘキソース構造を持つ糖構造体及びペントース構造を持つ糖構造体がα−グリコシド結合又はβ−グリコシド結合により直鎖状又は分岐鎖状に連結した糖鎖ユニットの繰り返し構造を持ち、前記糖鎖ユニットが糖構造体として乳酸化された硫酸化糖を含み、かつ、前記糖鎖ユニットにおいては、水酸基100個当たり2.7個以上の水酸基が硫酸化され、あるいは全元素中で硫黄元素が1.5重量%以上を占めることを特徴とする糖誘導体。
  2. 前記乳酸化された硫酸化糖が硫酸化ムラミン酸及び硫酸化N−アセチルムラミン酸から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1に記載の糖誘導体。
  3. 前記糖誘導体には少なくとも化1式に示すグルコース、ガラクトース及びマンノースと、化2式に示すガラクトサミンと、化3式に示すキシロース及びアラビノースと、化4式に示すグルクロン酸及びガラクツロン酸と、化5式に示すフコース及びラムノースとが含まれ、かつ、これらの糖構造体における任意の結合位置に、少なくとも硫酸基、乳酸基、メチル基を含む官能基群から選ばれる官能基が結合していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の糖誘導体。
  4. 前記糖誘導体を構成する糖構造体の一部が、更にペプチド又は脂質と結合していることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の糖誘導体。
  5. 淡水性藍藻類スイゼンジノリ Aphanothece sacrum由来で、平均分子量が2,000,000以上であり、糖構造体として乳酸化された硫酸化糖を含み、かつ、少なくとも、下記の化6式に示す配列を持つ3糖構造と下記1)〜6)に列挙する配列を持つ2糖構造の全てを含むことを特徴とする糖誘導体。
    (化6式はヘキソースと、ヘキソースと、N−アセチルムラミン酸との3糖構造であることを示し、R、R’は糖を示す。化6式中の任意の−OHが−OSO 又は−OCHとなっているものを含む。)
    1)ヘキソースと、キシロース又はアラビノースであるペントースとの2糖構造。
    2)ヘキソースと、フコース又はラムノースであるデオキシヘキソースとの2糖構造。
    3)ペントースとペントースとの2糖構造。
    4)ペントースとデオキシヘキソースとの2糖構造。
    5)ヘキソサミンとヘキソサミンとの2糖構造。
    6)グルクロン酸又はガラクツロン酸であるウロン酸と、デオキシヘキソースとの2糖構造。
  6. 前記糖誘導体の平均分子量が20,000,000以上であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の糖誘導体。
  7. 前記糖誘導体を構成する主要な糖構造体のモル比が、アラビノース1.1:フコース3.7:ラムノース15.4:キシロース17.0:マンノース10.5:ガラクトース12.3:ガラクツロン酸4.6:グルクロン酸4.7:グルコース28.8:ガラクトサミン2.03であることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の糖誘導体。
  8. 前記糖誘導体が、ティーバッグ法による測定において、以下(1)〜(3)のいずれか1項目以上の吸溶媒性を示すことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の糖誘導体。
    (1)純水に対して5700倍以上の重量比吸収率を示す。
    (2)生理食塩水に対して3300倍以上の重量比吸収率を示す。
    (3)同一条件下での純水に対する吸収率Aと生理食塩水に対する吸収率Bとの比B/Aが約0.57以上である。
  9. 前記糖誘導体が、水溶液系において剪断速度の増大に伴い粘性が低下するというシュードプラスチック性を示すものであることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれかに記載の糖誘導体。
  10. 前記糖誘導体が高濃度水溶液系において液晶性を示すものであることを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれかに記載の糖誘導体。
  11. 前記糖誘導体が、水溶液系における偏光透過光強度において、剪断速度の増大に伴い2段階の透過光強度上昇(複屈折上昇)を示すものであることを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれかに記載の糖誘導体。
  12. 前記糖誘導体が、金属イオンを含む水溶液系において以下の少なくとも一の特性を示すものであることを特徴とする請求項1〜請求項11のいずれかに記載の糖誘導体。
    (1)10−3M濃度の第3族と第13族金属イオン希薄溶液中でゲルを形成する。
    (2)少なくともイッテルビウムイオンYb3+が包含される希土類金属イオン群から選ばれる金属イオンの溶液中で、アルカリ性、中性、酸性のいずれの液性においてもゲルを形成する。
  13. 請求項1〜請求項12のいずれかに記載の糖誘導体の官能基を架橋用の多官能性化合物と反応させることにより得られるものであることを特徴とする糖誘導体化学架橋物。
  14. 請求項1〜請求項12のいずれかに記載の糖誘導体の官能基を可溶化用又は機能化用の化合物で修飾し、あるいは色素化合物で修飾したものであることを特徴とする糖誘導体修飾物。
  15. 請求項1〜請求項12のいずれかに記載の糖誘導体とポリカチオン化合物との複合体であることを特徴とするポリイオンコンプレックス。
  16. 請求項1〜請求項12のいずれかに記載の糖誘導体あるいは請求項13に記載の糖誘導体化学架橋物の高濃度水溶液を多価金属イオンに接触させて得られるものであり、多糖類−金属イオンハイブリッド液晶ゲルであることを特徴とする液晶ゲル。
  17. 前記多価金属イオンがAl、Se、Ti、V、Cr、Fe、Ga、Sr、Y、Zr、Nb、Ru、Rh、Pd、Cd、In、Ba、La、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Hg、Pr、Bi、Ce、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu及びUの各金属のイオンから選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項16に記載の液晶ゲル。
  18. 請求項1〜請求項12のいずれかに記載の糖誘導体の高濃度水溶液を少なくともカルシウムイオンCa2+が包含される群から選ばれる金属イオンに接触させて得られるものであり、多糖類液晶スライムであることを特徴とする液晶スライム。
  19. 請求項1〜請求項12のいずれかに記載の糖誘導体を有効成分とし、抗ウイスル剤の用途を持つことを特徴とする糖誘導体製剤。
  20. 淡水性藍藻類スイゼンジノリ Aphanothecesacrumを原料として抽出した多糖類をプロトン化し、部分的に加水分解して請求項1〜請求項12のいずれかに記載の糖誘導体を得るか、必要な場合には更にこれを精製することを特徴とする糖誘導体の製造方法。
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