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ヒドロゲルを形成する、偽熱硬化性の中和されたキトサン組成物、および、この組成物を製造するためのプロセス
(発明の分野)
本発明は、5℃より高い温度において、リン酸塩を含まない透明のヒドロゲルを形成する、偽熱硬化性(pseudo−thermosetting)の中和されたキトサン組成物、および、この組成物を製造するためのプロセスに関する。
なおさらに、本発明は、均質に再アセチル化されたキトサンを生成するためのプロセス、5℃より高い温度において、リン酸塩を含まない透明なヒドロゲルを形成する、偽熱硬化性の中和されたキトサン組成物の調製において使用するための、上記プロセスにより得られた均質に再アセチル化されたキトサン、および、薬物送達系としての偽熱硬化性の中和されたキトサン組成物の使用に関する。
(発明の背景)
水または生物学的流体中で膨張した高分子ネットワークとして定義され得るヒドロゲルが、種々の生物医学的な用途について公知である。
さらに、温度が上昇すると粘度が増加する特定の特性を示すヒドロゲル(「感熱性ヒドロゲル」とも呼ばれる)は、適用部位における残留時間の増加と組合せて、亢進された用途を有することが分かっており、従って、上記ヒドロゲルは、薬物送達系として有益であることが分かった。
非特許文献1から公知であるように、上記感熱性ヒドロゲルは、有利に、天然起源のポリマー(例えば、セルロースに続いて2番目に豊富な多糖類であるキチンから誘導された、市販の安価なポリマーである、キトサン)に基づき得る。
キトサンは、海洋生物の硬殻(例えば、魚類、甲殻類、エビ、カニなど)に見られるか、または、天然の生物(例えば、接合菌、真菌など)により合成される、天然に存在する生体高分子である、キチン(ポリ(N−アセチル−D−グルコサミン)とも呼ばれる)の部分的〜実質的にアルカリ性のN−脱アセチル化により得られる、キチン誘導体として公知である。
キトサンは、遊離アミン(−NH)基を含み、そして、N−アセチル−D−グルコサミン単位とD−グルコサミン単位との比率として特徴付けられ得、このような比率は、完全にアセチル化されたポリマーであるキチンの脱アセチル度(degree of deacetylation)(DD)として表される。
溶解度および粘度のような重要な特性に影響を与えるキトサンのパラメータは、脱アセチル度(DD)(脱アセチル化モノマーの百分率を表すものとして理解され得る)および分子量(MW)である。
キトサンは、生分解性、生体適合性、生体接着性、静菌性であることが知られており、そしてさらに、創傷治癒、薬物吸収および組織の再構築を促進することが知られている。
上記の内在的な特性に起因して、キトサンは、多数の美容的および薬学的な活性を有することが知られており、そしてまた、ゲルを介して、種々の用途について広く検討されている。
従って、キトサンの有利な特性を考慮すると、より広範囲の生物医学的用途のために非常に有望であるものとしてなお考えられる、公知の感熱性キトサンヒドロゲルの特性を改善するという、継続する必要性が存在する。
特許文献1(Biosynthec)は、pH依存性の、温度制御された、キトサンヒドロゲルを開示する。このヒドロゲルは、低温では低い粘度を有するが、体温ではゲルであるように、中性pHにおいて感熱性の特性を有する。
この感熱性キトサンヒドロゲルは、約80%の脱アセチル度を有する、市販のキトサンを、特に、β−グリセロリン酸塩(β−GP)により例示される、ポリオールまたは糖類の一リン酸二塩基塩を用いて中和することによって調製される。
β−GPをキトサンに加えることによって、キトサンを沈殿させることなく、pHを7まで上げること、そして、温度依存性の様式でヒドロゲルを形成すること(すなわち、温度が高ければ高いほど、ゲル化の過程がより早い)が可能となる。
上記ヒドロゲルは、生体適合性の成分および高い割合の水を含むという点、生理学的pHを有するという点、ならびに、ゲル化の間に熱も生成物も放出されないという点で、有利である。
また、キトサン/β−GP偽熱硬化性ヒドロゲルに関して、非特許文献2により報告されるように、pH6.2より上で沈殿することが知られている、高DDキトサンを中和するために、β−GPを加えることにより、上記高DDキトサンの沈殿を防ぐことが可能である。
しかし、ヒドロゲル中のβ−GPの存在は、以下の不利な点をもたらす。
β−GPは、正に荷電した生物活性成分と反応し得る、負に荷電した実体であり、この反応は、生物活性成分の沈殿、または、ヒドロゲルからの生物活性成分の遊離の妨害をもたらす。
従って、β−GPの存在は、キトサン/β−GPヒドロゲルを、多数の薬物との使用について不適性にする。
さらに、このヒドロゲルの特性(例えば、ゲル化時間および粘度)の調節は、β−GPの濃度に依存し、そしてそれゆえ、β−GPの溶解度により制限される。
特に、高濃度のβ−GPは、遅いゲル化時間を有して、投与後のヒドロゲルの急速な排泄を避ける必要がある。
しかし、高濃度のβ−GPはまた、ヒドロゲルの粘度も減少させる。
従って、ゲル化時間は、ヒドロゲルの粘度とバランスを保つ必要があり、そして、特性の所望の組み合わせである、遅いゲル化時間と高い粘度との両方を有するゲルを得ることは不可能である。
また、高すぎる濃度のβ−GPは、その投与部位におけるヒドロゲルの沈殿を誘発し得る。
さらに、上記感熱性キトサン/β−GPヒドロゲルは、濁っており、従って、眼または局所への投与のような、特定の用途について、その使用を不適切にすることが分かった。
国際特許出願公開第99/07416号パンフレット O.Feltら、The Encyclopedia of Controlled Drug Delivery、1999年 A.Cheniteら、Carbohydr.Polym.2001年、第46巻、p.39−47
これらの事実に基づいて、本発明の発明者らは、公知の感熱性キトサン/β−GPヒドロゲルの不利な点を克服するために研究を継続し、そして、驚くべきことに、30〜60%の脱アセチル度を有する再アセチル化されたキトサンを用いることによって、感熱性ヒドロゲルを形成するためのキトサンの中和が、β−グリセロリン酸塩の代わりにNaOHまたは任意の他のヒドロキシル化塩基の添加によりなされ得ること、さらに、キトサンのDD30〜60%までの再アセチル化が、均質な条件下でなされる場合に、透明なキトサンヒドロゲルが得られることを見出した。
本発明は、これらの結果に基づいて達成された。
(発明の要旨)
第1の局面によれば、本発明は、偽熱硬化性の中和されたキトサン組成物を提供し、この組成物は、80〜90%の脱アセチル度を有するキトサンから誘導され、200kDa以上(好ましくは、600kDa)の分子量および30〜60%(好ましくは、45%〜55%)の脱アセチル度を有し、ヒドロキシル化された塩基を用いて中和された、均質に再アセチル化されたキトサンを、組成物の総量に基づいて(based on the total composition)、0.1wt/v%〜2.0wt/v%(好ましくは、0.5wt/v%〜1wt/v%)含有し、ここで、上記組成物は、5℃より高い温度で、リン酸塩を含まない透明なヒドロゲルを形成する。好ましい実施形態において、偽熱硬化性の中和されたキトサン組成物は、さらに、ジオール(好ましくは、1,3−プロパンジオール)を含有し、このジオールは、ジオールのヒドロキシル基の間に少なくとも4.7Åの距離を有する。
第2の局面によれば、本発明は、200kDa以上の分子量および30〜60%の脱アセチル度を有する、均質に再アセチル化されたキトサンを生成するためのプロセスを提供し、このプロセスは、以下:a)酸性媒体中に溶解された、200kDa以上の分子量および80〜90%の脱アセチル度を有するキトサンを濾過して、不溶性粒子を除去する工程;b)工程a)で得られた濾過された酸性溶液中に含まれるキトサンを沈殿させて、不溶性粒子を含まないキトサンを得る工程;c)5℃より低い温度において、工程b)で得られた不溶性粒子を含まないキトサンの冷却された酸性溶液を調製して、不溶性粒子を含まないキトサンの冷却された酸性溶液を得る工程;d)5℃より低い温度において、メタノール中に規定量の無水酢酸を含む、冷却された無水酢酸溶液を調製する工程;e)均質な条件下で、工程d)の冷却された無水酢酸溶液を、工程c)で調製したキトサンの冷却溶液に滴下することによってキトサンを再アセチル化し、30〜60%の脱アセチル度を有する、粗製の均質に再アセチル化されたキトサンを提供する工程;f)工程e)で得られた粗製のキトサンを処理して、再アセチル化の間に生成した塩およびキトサンの不溶性粒子を除去し、30〜60%の脱アセチル度を有する、均質に再アセチル化されたキトサンを得る工程、を包含する。好ましい実施形態において、処理する工程f)は、以下:f−1)前記工程e)で得られたキトサンを透析して、再アセチル化の間に生成された塩を除去して、均質に再アセチル化されたキトサン溶液を得る工程;f−2)工程f−1)で得られたキトサン溶液を濾過して、キトサンの不溶性粒子を除去する工程;f−3)工程f−2)で得られた濾過された溶液中に含まれるキトサンを沈殿させ、次いで、キトサンを乾燥させて、30〜60%の脱アセチル度を有する、均質に再アセチル化されたキトサンを得る工程、を包含する。好ましくは、沈殿させる工程f−3)は、NHOH/メタノールの混合物を添加する工程を包含する。
第3の局面によれば、本発明は、5℃より高い温度において、リン酸塩を含まない透明なヒドロゲルを形成する、偽熱硬化性の中和されたキトサン組成物の調製において使用するための、本発明の第2の局面に従うプロセスにより得られた、200kDa以上の分子量および30〜60%の脱アセチル度を有する、均質に再アセチル化されたキトサンを提供する。
第4の局面によれば、本発明は、5℃より高い温度において、リン酸塩を含まない透明なヒドロゲルを形成する、偽熱硬化性の中和されたキトサン組成物を製造するためのプロセスを提供し、このプロセスは、以下:g)80〜90%の脱アセチル度を有するキトサンから誘導され、200kDa以上の分子量および30〜60%の脱アセチル度を有する、均質に再アセチル化されたキトサンを、HCl水性媒体中に可溶化させ、そして、5℃より低い温度において、この酸性キトサン溶液を冷却する工程;h)予め5℃より低い温度に冷却された、ヒドロキシル化された塩基(好ましくは、NaOH)の水溶液を、工程g)で得られた冷却されたキトサン溶液に添加することによって、この冷却されたキトサン溶液が6.8〜7.2(好ましくは、7のpH)のpHを示すまで、この冷却されたキトサン溶液を中和する工程;i)必要に応じて、5℃より高い温度において、工程h)で得られた中性の冷却されたキトサン溶液の温度を上げて、偽熱ゲル化を誘発する工程、を包含する。好ましい実施形態において、上記プロセスは、工程g)の可溶化の前に、キトサンを滅菌する工程をさらに包含する。なお好ましい実施形態において、上記プロセスは、可溶化する工程g)の前、間もしくは後に、または、中和する工程h)の前、間もしくは後に、ヒドロキシル基の間に少なくとも4.7Åの距離を有するジオール(好ましくは、1,3−プロパンジオール)の適切な量を添加して、ヒドロゲルの粘度を、このヒドロゲルの粘度が必要とされる程度まで高める工程をさらに包含する。なおさらに好ましい実施形態において、工程g)で可溶化された、均質に再アセチル化されたキトサンは、本発明の第2の局面に従うプロセスによって得られる。
第5の局面によれば、本発明は、本発明の第4の局面に従うプロセスにより得られる、リン酸塩を含まない透明な偽熱硬化性のキトサンヒドロゲルを提供する。
第6の局面によれば、本発明は、リン酸塩を含まない透明な偽熱硬化性のキトサンヒドロゲルの調製のための、本発明の第2の局面に従うプロセスにより得られる、30〜60%の脱アセチル度および200kDa以上の分子量を有する、均質に再アセチル化されたキトサンの使用を提供する。
第7の局面によれば、本発明は、薬物送達系としての、本発明の第1の局面に従う偽熱硬化性の中和されたキトサン組成物の使用を提供する。
本発明によれば、30〜60%の脱アセチル度を有する再アセチル化されたキトサンを用いることによって、有利にも、β−グリセロリン酸塩を使用する代わりに、キトサンを中和するために、NaOHまたは任意の他のヒドロキシル化塩基を使用することが可能となり、従って、リン酸塩を含まないキトサンヒドロゲルを得ることが可能となる。
さらに、本発明によれば、均質な条件下で、30〜60%の脱アセチル度まで再アセチル化されたキトサンを用いることによって、有利にも、透明なキトサンヒドロゲルを得ることが可能となる。
なおさらに、本発明によれば、ヒドロキシル基の間に4.7Åの最小距離を有するジオールを添加することにより、有利にも、ヒドロゲルの粘弾性特性を調節することが可能となる。
本発明の他の利点は、以下の説明に記載される。
本発明は、ここで、より詳細な様式で記載される。
(本発明の詳細な説明)
本願の明細書および特許請求の範囲において、表現「偽熱硬化性」とは、本発明の組成物に関して、温度が、組成物のゲル化は誘発しないが、ゲル化が起こった場合に、温度が、ゲル化時間を劇的に短くする触媒として機能することを意味することに注意すべきである。
また、本願の明細書および特許請求の範囲において、用語「中和された」が、6.8〜7.2のpHを意味することにも注意すべきである。
本発明によれば、5℃より高い温度において、リン酸塩を含まない透明なヒドロゲルを形成する、偽熱硬化性の中和されたキトサン組成物は、ヒドロキシル化された塩基を用いて中和された、均質に再アセチル化されたキトサンを含有する。
本発明において使用される、均質に再アセチル化されたキトサンの平均分子量(MW)は、200kDa以上でなければならない。
キトサンの分子量は、例えば、O.Felt,P.Furrer,J.M.Mayer,B.Plazonnet,P.BurriおよびR.Gurny、Int.J.Pharm.180,185−193(1999)によって報告されたような、サイズ排除クロマトグラフィーによって容易に決定され得る。
200kDa未満の分子量のキトサンは、本発明における使用に適切ではない。なぜならば、このキトサンは、堅いヒドロゲルを形成する、偽熱硬化性組成物の形成を可能としないからである。
好ましくは、本発明において使用される、均質に再アセチル化されたキトサンは、600kDa以上の分子量を有する。
MWの上限は、選択される用途に依存して、投与の容易さによって決定される。
本発明において使用される、均質に再アセチル化されたキトサンは、30〜60%の脱アセチル度を有さなければならない。これは、キトサンが、それぞれ、30〜60%のD−グルコサミン単位と70〜40%の中性N−アセチル−D−グルコサミン単位を含むことを意味する。
キトサンの脱アセチル度は、R.A.MuzarelliおよびR.Richetti、Carbohydr.Polym.5,461−472,1985またはR.A.MuzarelliおよびR.Richetti、「Chitin in Nature and Technology」,Plenum Press 385−388,1986により、文献に記載されたもののような、分光光度法により決定され得る。簡単に述べると、例えば、後者の方法において、キトサンは、1%酢酸中に可溶化され、そして、λ200nm、λ201nm、λ202nm、λ203nmおよびλ204nmにおけるUVによって、N−アセチル−D−グルコサミン溶液を標準物質として使用することによって、N−アセチル−グルコサミンの含量を測定することにより、DDが測定される。
キトサンの脱アセチル度が、30%未満である場合、キトサンは、酸性条件下で不溶性であり、従って、本発明では使用できない、キチンに近いポリマーになる。
キトサンの脱アセチル度が、60%より高い場合、このキトサンは、リン酸塩を含まない透明なヒドロゲルを形成する組成物の調製を可能にしない。
本発明において、その脱アセチル度により表される、キトサンのアセチル化モノマーおよび脱アセチル化モノマーの比率に加えて、これらのモノマーの均質な分布様式が、透明でかつリン酸塩を含まないヒドロゲルを得るための、必須の基準である。
アセチル化モノマーおよび脱アセチル化モノマーのこのような均質な分布様式を得るために、ヒドロゲルを形成する偽熱硬化性の組成物を調製するために使用されるキトサンは、80〜90%の脱アセチル度を有するキトサンから誘導され、アセチル化モノマーおよび脱アセチル化モノマーのランダムな分布を可能にする条件下で、30〜60%の脱アセチル度まで均質に再アセチル化されたキトサンでなければならない。
キトサンが、均質でない様式で再アセチル化される場合、このキトサンは、透明なヒドロゲルの調製を可能にしない。
好ましくは、本発明において使用される均質に再アセチル化されたキトサンは、45〜55%の脱アセチル度を有する。
本発明のリン酸塩を含まず、透明なヒドロゲルを形成する、偽熱硬化性の中和されたキトサン組成物の調製において使用するための、200kDa以上の分子量および30〜60%の脱アセチル度を有する、均質に再アセチル化されたキトサンは、Hirano(Hirano S.ら、Carbohydr.Res.47,315−320(1976))により記載された、無水酢酸を用いてキトサンを再アセチル化する方法に基づく、本発明の新規プロセス形成部分に従って、200kDa以上の分子量および80〜90%の脱アセチル度を有する市販のキトサンから調製され得る。
均質に再アセチル化されたキトサンを調製するための本発明のプロセスの工程a)において、酸性媒体中に溶解された、200kDa以上の分子量および80〜90%の脱アセチル度を有する市販のキトサンは、不溶性粒子を除去するために濾過される。
本発明のプロセスにおいて使用され得る市販のキトサンの例は、O.Feltら、Int.J.Pharm.180,185−193(1999)により報告された、サイズ排除クロマトグラフィー法により決定した1’100kDaのMW、およびR.A.Muzarelliら、「Chitin in Nature and Technology」,Plenum Press,New York,385−388,(1986)により報告されたUV法により測定した、83.2%の脱アセチル度DDを有する、Aldrich Chemical,Milwaukee,USA製の、医薬等級および高MWのキトサンである。
しかし、80〜90%の脱アセチル度および200kDa以上の分子量を有するあらゆる市販のキトサンが、使用され得る。
市販のキトサンを溶解するために使用される酸性媒体は、例えば、10%酢酸であり得、そして、キトサンを可溶化させた後に得られるキトサンの酸性溶液は、次いで、アルコール(例えば、メタノール)で希釈され得る。
キトサンを含有する酸性溶液は、不溶性粒子の存在が、その後の均質な再アセチル化を可能にしないので、不溶性粒子を除去するために濾過されなければならない。
上記濾過は、例えば、2回行なわれ得、1回目は、100μmフィルタを通し、次いで、5μmフィルタを通されるが、あらゆる他のメッシュサイズが使用され得る。
次いで、均質に再アセチル化されたキトサンを調製するための本発明のプロセスの工程b)において、濾過された酸性溶液中に含まれるキトサンは、例えば、0.2M NHOH/メタノール(50/50)溶液を添加することによって、沈殿させられる。
沈殿させた後、キトサンは、例えば、メタノールを用いてさらに洗浄され得、次いで、例えば、減圧、室温および遮光下、シリカゲルの存在下で、従来の方法により乾燥され得る。
均質に再アセチル化されたキトサンを調製するための本発明のプロセスの工程c)において、工程b)で得られたキトサンは、さらに、酸性媒体(例えば、10%酢酸)中に溶解されて、この得られたキトサンの酸性溶液は、例えば、メタノールで希釈され得る。上記酸性溶液は、次いで、5℃より低い温度において冷却され、このようにして、不溶性粒子を含まない、キトサンの冷却された酸性溶液が得られる。
均質に再アセチル化されたキトサンを調製するための本発明のプロセスの工程d)によれば、冷却されたメタノール(例えば、氷浴中)中に規定量の冷却された無水酢酸を含有する、無水酢酸溶液が別個に調製され、そして、この溶液は、5℃より低い温度である。
均質に再アセチル化されたキトサンを調製するための本発明のプロセスの工程e)によれば、キトサンは、均質な条件下で、規定量の無水酢酸を含有する冷却された無水酢酸溶液を、キトサンを含有する冷却された酸性溶液に滴下することによって再アセチル化され、30〜60%の脱アセチル度を有するキトサンが提供される。
5℃より高い、無水酢酸溶液および/または冷却されたキトサン溶液の温度は、均質な再アセチル化を可能にしない。
無水酢酸溶液中に含まれる無水酢酸の量は、再アセチル化されるキトサンの量、市販の出発キトサンの脱アセチル度および得ることが意図される脱アセチル度に依存する。
従って、無水酢酸溶液中に含まれる上記無水酢酸の量は、個別に決定される。
好ましくは、上記無水酢酸の量は、45〜55%の再アセチル化されたキトサンの脱アセチル度を得るように、規定される。
添加する工程e)の間の均質な条件は、このプロセスの必須の特徴であり、そして、これらは、添加する工程の間に、例えば、撹拌プロペラ(stirring propeller)を用いた、高速の撹拌を提供することによって得られ得る。
例えば、磁気撹拌子を用いた、不適切な撹拌は、キトサンの均質な再アセチル化を可能にせず、従って、得られるキトサンは、透明なヒドロゲルを形成する偽熱硬化性の組成物の調製を可能にしない。
冷却された無水酢酸溶液を、キトサンを含有する冷却された溶液に添加した後、均質に再アセチル化されたキトサンを含有する溶液は、さらに、5℃より低い温度での撹拌下に維持されて、完全な反応が確実なものにされ得、次いで、溶液がゲルと化す室温に維持され得る。
均質に再アセチル化されたキトサンを調製するための本発明のプロセスの工程f)によれば、再アセチル化の工程e)の後に得られた、粗製の均質に再アセチル化されたキトサンは、再アセチル化の間に生成した塩を除去し、そして、さらに、不溶性粒子を除去するために、処理されなければならない。
上記処理は、好ましくは、例えば、工程e)の後に得られ得るゲルの形態の、均質に再アセチル化されたキトサンを、十分な時間にわたって、脱イオン水に対して透析して、再アセチル化の間に生成した塩を除去し、従って、キトサンの粘性溶液がもたらされることによって、次いで、100μmフィルタまたは他のサイズのフィルタを通してキトサンの粘性溶液を濾過して、キトサンの不溶性粒子を除去することによって行なわれ得る。
リン酸塩を含まない、透明なキトサンヒドロゲルの調製に使用するための、30〜60%の脱アセチル度を有する、均質に再アセチル化されたキトサンは、例えば、0.2M NHOH/メタノール(50/50)を添加することにより沈殿させ、例えば、メタノールを用いて洗浄し、そして、例えば、減圧、室温および遮光下、シリカゲルの存在下で、乾燥させた後に、回収され得る。
本発明のリン酸塩を含まない透明なヒドロゲルを形成する、偽熱硬化性の中和されたキトサン組成物は、本発明の均質に再アセチル化されたキトサン形成部分を調製するためのプロセスの、工程a)〜f)に従って調製された、均質に再アセチル化されたキトサンを用いて、本発明の新規プロセス形成部分に従って調製される。
キトサンが、不均質に再アセチル化された場合、得られるヒドロゲルは濁っているか、または、中和の間にキトサンが沈殿し得る。
代表的に、ヒドロゲルは、組成物の総量に基づいて、0.1wt/v%〜2.0wt/v%の範囲のキトサン濃度を用いて調製される。
より低い濃度のキトサンは、ヒドロゲルの形成を可能とせず、そして、より高い濃度は、使用可能ではない、堅すぎるヒドロゲルの形成を誘発する。
好ましくは、キトサンの濃度は、組成物の総量に基づいて、0.5wt/v%〜1.0wt/v%の範囲である。
ヒドロゲルを形成する組成物を調製するための本発明のプロセスの工程g)によれば、200kDa以上(好ましくは、600kDa以上)の分子量、および、30〜60%(好ましくは、45〜55%)の脱アセチル度を有する、均質に再アセチル化されたキトサンは、HCl水性媒体中に可溶化され、そして、キトサンが完全に溶解した後、キトサン溶液の温度は、例えば、氷浴中で、5℃より低い温度まで冷却される。
より高い温度は、その中和の間に、キトサンの沈殿を誘発する。
次いで、ヒドロゲルを形成する組成物を調製するための本発明のプロセスの工程h)によれば、キトサン溶液のpHは、5℃より低い温度において、撹拌下で、5℃より低い温度において予め冷却された、ヒドロキシル化塩基を含有する水溶液の必要量を滴下することによって、pH6.8〜7.2(好ましくは、pH7)まで中和される。
より高いpHは、キトサンの沈殿を誘発する。
より低いpHは、短い偽熱ゲル化時間を可能にしない。
本発明によれば、中和に使用されるヒドロキシル化塩基は、好ましくは、NaOHである。
水性のヒドロキシル化塩基の不適切な撹拌、または、速すぎる添加は、キトサンの沈殿を誘発する。
ヒドロキシル化塩基が完全に添加された後、偽熱硬化性の中和されたキトサン組成物は、5℃より低い温度において、10分間、撹拌下に維持され得る。
本発明の偽熱硬化性の中和されたキトサン組成物は、1ヶ月までの間、5℃より低い温度において保管され得、その間に、ゲル化は、より長い保管の間、進行的に生じ得る。
例えば、投与後に、偽熱硬化性の中和されたキトサン組成物の温度が高くなる場合、偽熱ゲル化が生じ、リン酸塩を含まない、透明な堅いヒドロゲルの形成をもたらす。温度が高ければ高いほど、ゲル化時間はより短くなる。
本発明に従う、偽熱硬化性の中和されたキトサン組成物を調製するためのプロセスは、さらに、必要に応じて、工程g)の可溶化の前に、均質に再アセチル化されたキトサンを滅菌する工程を包含し得る。滅菌のヒドロゲルを得るために、調製は、無菌条件下(例えば、層流下)で、行なわれ、そして、各添加される溶液は、予め、0.22μmフィルタを通して濾過される。
例えば、滅菌は、照射によってか、または、理想的には、Yen(Yen S.F.ら、2001,米国特許第5,773,608号)により記載されたように、水中に懸濁された、均質に再アセチル化されたキトサンの蒸気滅菌により、実施され得る。
所望される場合、本発明の、リン酸塩を含まない、透明なキトサンヒドロゲルの粘度は、可溶化の前、間もしくは後に、または、キトサン溶液の中和の前、間もしくは後に、ヒドロキシル基の間に少なくとも4.7Åの距離を有するジオールの適切な量をさらに加えることによって、増加され得る。
好ましくは、加えられるジオールは、1,3−プロパンジオールである。
加えられるジオールの量は、ヒドロゲルの粘度の必要とされる程度に依存する。
本発明の偽熱硬化性の中和されたキトサン組成物のゲル化機構は、低温でのキトサンの中和により駆動される。温度が上昇すると、キトサンの全体的なpKaは減少し、これは、その全体的な電荷密度を減少させる。このことにより、ポリマー鎖間の直接的な相互作用(例えば、水素結合または疎水性相互作用)の形成が可能になる。
従って、ゲル化は、温度の上昇によっては誘発されないが、温度の上昇によって有利に働き、さらに、キトサンの全体的なpKaの減少によって、全体的な電荷密度が減少し、偽熱ゲル化が生じる。
先行技術において、キトサンを中和するためにβ−GPを用いることは、中和の間に、再アセチル化されていないキトサンの沈殿を防止するためだけに有用であるようである。
本発明においては、均質に再アセチル化されたキトサンは、中性pHにおいて、沈殿しないほど十分に可溶性であるので、β−GPの添加は必要ではなく、そして、中和は、有利に、NaOHのような任意のヒドロキシル化塩基を用いて行なわれ得る。
本発明のリン酸塩を含まない透明なキトサンヒドロゲルの、改善された弾性特性を実証するために、本発明に従う2つのヒドロゲルと、1つの比較のヒドロゲルの粘弾性の測定を、以下の方法に従って行なった。
ヒドロゲルの粘弾性特性は、Rheostress 1(Haake,Karlsruhe,Germany)を用いてヒドロゲルを調製した直後に、コーン/プレートデバイス(cone/plate device)(直径60mm、角度4°)を用いて測定した。温度は、レオメーターをつないだ、恒温槽Haake DC30および冷却デバイスHaake K10(Haake,Karlsruhe,Germany)を用いて制御した。ヒドロゲルを、コーンとプレート(4℃まで冷却してある)との間に置き、そして、10分後に測定した。全ての測定を、線形の粘弾性範囲において行い、G’およびG”を、1.00Hzにおいて一定の変形(γ=0.05)の下で決定した。温度は、4℃から37℃まで、120分間の期間にわたり毎分1℃で上昇した。ヒドロゲルの温度を、測定の開始および終了時に、サーモメータープローブ(thermometer probe)(RS−232,Extech Instruments,Waltham,USA)を用いて確認した。ヒドロゲルの乾燥をもたらす水の蒸発は、コーン/プレートデバイスを覆うカバーの使用により最小限になった。
試験したヒドロゲルは、以下の通りであった:
− 0.75%のキトサン(DD=48.6)を含有し、NaOHを添加することによりpH7に中和された、実施例6において得られた本発明のリン酸塩を含まない透明なキトサンヒドロゲル;
− 0.75%のキトサン(DD=48.6)を含有し、2.0mlの1,3−プロパンジオールを添加され、そして、NaOHを添加することによりpH7に中和された、実施例7において得られた本発明のリン酸塩を含まない透明なキトサンヒドロゲル;
− 0.75%のキトサン(DD=83.2%)を含有し、β−GPを添加することによりpH7に中和された、実施例10において得られた比較用のリン酸塩を含む濁ったキトサンヒドロゲル(比較用)。
温度が4℃から37℃まで増加する場合の、時間の関数としての、試験したヒドロゲルの弾性率(G’)を、図面に示す。G”は、図面上の表示を明確にするために、提示していない。
図面に示されるように、G’値は、本発明に従って、NaOHを用いて中和されたキトサンヒドロゲルにおけるよりも、β−GPを用いて中和された、比較例のキトサンヒドロゲルにおいて、かなり小さい。
さらに、図面に示されるように、本発明に従うヒドロゲルにジオールを加えることにより、ジオールを添加しなかった同じヒドロゲルと比較して、ヒドロゲルのG’値がさらに増加する。
これらの結果は、本発明に従う、リン酸塩を含まない透明なキトサンヒドロゲルの粘弾性特性が、先行技術から公知のリン酸塩を含むキトサンヒドロゲルと比べて増加することを、明白に示す。
さらに、これらの結果は、本発明に従う、リン酸塩を含まない透明なキトサンヒドロゲルの粘弾性特性が、ジオールを添加することにより、さらに増加されることを示す。
以下の実施例は、本発明を例示することが意図される。しかし、これらの実施例は、いかなる場合においても、本発明の範囲を制限するものとして考えられるべきではない。
以下の実施例において、キトサンの脱アセチル度を、R.A.MuzarelliおよびR.Richetti、「Chitin in Nature and Technology」,Plenum Press 385−388,1986により記載された、分光光度法により決定し、そして、キトサンの分子量を、O.Felt,P.Furrer,J.M.Mayer,B.Plazonnet,P.BurriおよびR.Gurny、Int.J.Pharm.180,185−193(1999)により報告された、サイズ排除クロマトグラフィーにより決定した。
さらに、以下の実施例において、ヒドロゲルの濁度を、ホルマジン懸濁液を標準物質として用いて、UV分光光度計により、620nmにおいて測定した。簡単に述べると、硫酸ヒドラジンを、エキサメチレンテトラミンと反応させて、ホルマジン沈殿を誘発させた。既知のホルマジン濁度単位(FTU)の標準を、適切な希釈により調製した。
(実施例1 30.4%のDDを有する、均質に再アセチル化されたキトサンの調製)
30.4%のDDを有する、均質に再アセチル化されたキトサンの調製を、83.2%のDDおよび1’100kDaのMWを有する、医薬等級のキトサン(Aldrich Chemical,Milwaukee,USA)から出発した。
10.0gのキトサンを、1000mlの10%酢酸/メタノール(20/80)混合物中に可溶化し、続いて、100μmおよび5μmのフィルタを通して濾過した。キトサンを、撹拌下で0.2M NHOH/メタノール(50/50)を添加することにより沈殿させ、そして、3000mlのメタノールで4回洗浄した。キトサンを、減圧、室温および遮光下、シリカゲルの存在下で、3日間乾燥させた。1000.0mgの濾過したキトサンを、90.0mlの10%酢酸/メタノール(20/80)混合物中に可溶化させた。完全に溶解させた後、この溶液を、氷浴中で冷却させた。再アセチル化を、氷浴中で行なった。360μlの冷無水酢酸を、10.0mlの冷メタノール中に混合し、そして、この混合物を、すぐに、高速撹拌下で、上記のキトサン溶液に1滴ずつ添加した。この溶液を、氷浴中で1時間撹拌しながら維持した。この溶液は、ゲルへと変化し、これを、室温で7時間置いた。このゲルを、1週間にわたる、2lの脱イオン水に対する透析のために、透析バッグに移した。1日に2回水を交換した。精製工程の最後に、ゲルは、粘性の溶液に変わり、これを、100μmのフィルタを通して濾過した。再アセチル化されたキトサンを、撹拌下で0.2M NHOH/メタノール(50/50)を添加することによって沈殿させ、そして、300mlのメタノールで4回洗浄した。再アセチル化されたキトサンを、減圧、室温および遮光下、シリカゲルの存在下で、3日間乾燥させた。このプロセスの最後に、そのDDは、30.4%に等しかった。
(実施例2 30.4%のDDを有し、NaOHで中和された、均質に再アセチル化されたキトサンからのヒドロゲルの調製)
ヒドロゲルを、1.0mlのHCl(0.5N)および4.0mlの脱イオン水の混合物中に、実施例1で得られたキトサン75.0mgを可溶化することにより調製した。この溶液を、撹拌下で、室温に48時間維持し、キトサンの可溶化を完了させた。予め氷浴中で冷却したNaOH(0.1N)を、撹拌下で、1滴ずつ添加して、氷浴中でpHを7.0に調節した。容量を、水で10.0mlに満たし、そして、このヒドロゲルを、撹拌下で、氷浴中に10分間維持した。こうして得られた、リン酸塩を含まないヒドロゲルは、透明であり、そして、37℃で3000NTUの濁度を有した。
(実施例3(比較例) 64.9%のDDを有する、均質に再アセチル化されたキトサンの調製)
64.9%のDDを有する、均質に再アセチル化されたキトサンの調製を、83.2%のDDおよび1’100kDaのMWを有する、医薬等級のキトサン(Aldrich Chemical,Milwaukee,USA)から出発した。この調製は、この実施例において無水酢酸の量が、200μlに等しかったことを除き、実施例1に記載したようにして行なった。プロセスの終わりに、そのDDは、64.9%に等しかった。
(実施例4(比較例) 64.9%のDDを有し、NaOHで中和された、均質に再アセチル化されたキトサンからのヒドロゲルの調製)
64.9%のDDを有するキトサンを含有するヒドロゲルを、この実施例において用いたキトサンが、実施例3において得られたキトサンであったことを除き、実施例2に記載したようにして調製した。得られた、リン酸塩を含まないヒドロゲルは、わずかに濁っており、そして、37℃で9700NTUの濁度を有した。
(実施例5 48.6%のDDを有する、均質に再アセチル化されたキトサンの調製)
48.6%のDDを有する、均質に再アセチル化されたキトサンの調製を、83.2%のDDおよび1’100kDaのMWを有する、医薬等級のキトサン(Aldrich Chemical,Milwaukee,USA)から出発した。この調製は、この実施例において無水酢酸の量が、220μlに等しかったことを除き、実施例1に記載したようにして行なった。プロセスの終わりに、そのDDは、48.6%に等しかった。
(実施例6 48.6%のDDを有し、NaOHで中和された、均質に再アセチル化されたキトサンからのヒドロゲルの調製)
実施例5で得られたキトサン75.0mgを、1.0mlのHCl(0.5N)および4.0mlの脱イオン水の混合物中に可溶化した。この溶液を、撹拌下で、室温に48時間維持し、キトサンの可溶化を完了させた。予め氷浴中で冷却したNaOH(0.1N)を、撹拌下で、1滴ずつ添加して、氷浴中でpHを7.0に調節した。容量を、水で10.0mlに満たし、そして、このヒドロゲルを、撹拌下で、氷浴中に10分間維持した。こうして得られた、リン酸塩を含まないヒドロゲルは、透明であり、そして、37℃で2600NTUの濁度を有した。温度上昇に伴うその粘弾性挙動を、図面に示す。
(実施例7 48.6%のDDを有し、NaOHで中和され、さらに、ジオールが添加された、均質に再アセチル化されたキトサンからのヒドロゲルの調製)
実施例5で得られたキトサン75.0mgを、1.0mlのHCl(0.5N)、2.0mlの脱イオン水および2.0mlの1,3−プロパンジオールの混合物中に可溶化した。この溶液を、撹拌下で、室温に48時間維持し、キトサンの可溶化を完了させた。予め氷浴中で冷却したNaOH(0.1N)を、撹拌下で、1滴ずつ添加して、氷浴中でpHを7.0に調節した。容量を、水で10.0mlに満たし、そして、このヒドロゲルを、撹拌下で、氷浴中に10分間維持した。こうして得られた、リン酸塩を含まないヒドロゲルは、透明であった。温度上昇に伴うその粘弾性挙動を、図面に示す。
(実施例8(比較例) 49.0%のDDを有する、不均質に再アセチル化されたキトサンの調製)
49.0%のDDを有する、不均質に再アセチル化されたキトサンの調製を、83.2%のDDおよび1’100kDaのMWを有する、医薬等級のキトサン(Aldrich
Chemical,Milwaukee,USA)から出発した。この調製は、均質に再アセチル化されたキトサンについて実施例1に記載したようにして行なったが、再アセチル化の前に、濾過は行なわなかった。さらに、再アセチル化は、遅速の撹拌下で室温にて行い、そして、無水酢酸は、添加前に、メタノール中で希釈しなかった。この実施例において、無水酢酸の量は、300μlに等しかった。このプロセスの終わりに、そのDDは、49.0%に等しかった。
(実施例9(比較例) 49.0%のDDを有し、NaOHで中和されず、β−GPで中和された、不均質に再アセチル化されたキトサンからのヒドロゲルの調製)
実施例8において得られた、不均質に再アセチル化されたキトサンは、NaOHで中和した後に、中性pHにおいて沈殿したので、Biosyntechにより記載された方法に従ってヒドロゲルを調製した。結果的に、中和は、NaOHの代わりに、β−GPを添加することによって行なった。
実施例8(比較例)で得られたキトサン75.0mgを、室温で48時間かけて、5.0mlの0.1N HCl中に可溶化した。溶解が完了した後、この溶液を、氷浴中で冷却した。5.0mlの脱イオン水中の1000.0mgのβ−GPの溶液を室温で調製し、これを、氷浴中で冷却した。このβ−GP溶液を、上記キトサン溶液に、撹拌下、氷浴中で1滴ずつ添加して、pHを7.0に調節した。このヒドロゲルを、撹拌下で、氷浴中に10分間維持した。こうして得られたヒドロゲルは、リン酸塩を含有し、わずかに濁っており、そして、37℃で4300NTUの濁度を有した。
(実施例10(比較例) 83.2%のDDを有し、β−GPで中和された、市販のキトサンからのヒドロゲルの調製)
83.2%のDDおよび1’100kDaのMWを有するキトサン(Aldrich Chemical,Milwaukee,USA)75.0mgを、室温で48時間かけて、5.0mlの0.1N HCl中に可溶化した。溶解が完了した後、この溶液を、氷浴中で冷却した。5.0mlの脱イオン水中の1000.0mgのβ−GPの溶液を室温で調製し、これを、氷浴中で冷却した。このβ−GP溶液を、上記キトサン溶液に、撹拌下、氷浴中で1滴ずつ添加して、pHを7.0に調節した。このヒドロゲルを、撹拌下で、氷浴中に10分間維持した。こうして得られたヒドロゲルは、リン酸塩を含有し、完全に濁っており、そして、37℃で15600NTUの濁度を有した。温度上昇に伴うその粘弾性特性は、図面に見られ得る。
(実施例11(比較例) 83.2%のDDを有し、NaOHでの中和を試みた、市販のキトサンからのヒドロゲルの調製)
83.2%のDDおよび1’100kDaのMWを有するキトサン(Aldrich Chemical,Milwaukee,USA)75.0mgを、室温で48時間かけて、5.0mlの0.1N HCl中に可溶化した。溶解が完了した後、この溶液を、氷浴中で冷却した。NaOH(0.1N)を、撹拌下で、1滴ずつ添加したが、数滴を添加した後、キトサンが沈殿し始めた。従って、ヒドロゲルを調製することは不可能であった。
この図面は、温度が4℃から37℃まで上昇する間の、実施例6および7において得られた、本発明の2つのリン酸塩を含まない透明なキトサンヒドロゲル、ならびに、実施例10(比較例)において得られた比較例のリン酸塩含有キトサンヒドロゲルの弾性率(G’)を、時間の関数として示す。

Claims (19)

  1. 偽熱硬化性の中和されたキトサン組成物であって、該組成物は、80〜90%の脱アセチル度を有するキトサンから誘導され、200kDa以上の分子量および30〜60%の脱アセチル度を有し、ヒドロキシル化された塩基を用いて中和された、均質に再アセチル化されたキトサンを、該組成物の総量に基づいて、0.1wt/v%〜2.0wt/v%含有し、該組成物は、5℃より高い温度で、リン酸塩を含まない透明なヒドロゲルを形成する、組成物。
  2. 請求項1に記載の偽熱硬化性の中和されたキトサン組成物であって、該組成物は、前記均質に再アセチル化されたキトサンを、該組成物の総量に基づいて、0.5wt/v%〜1wt/v%含有する、組成物。
  3. 前記均質に再アセチル化されたキトサンの脱アセチル度が、45〜55%である、請求項1または2に記載の偽熱硬化性の中和されたキトサン組成物。
  4. 前記均質に再アセチル化されたキトサンの分子量が、600kDa以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の偽熱硬化性の中和されたキトサン組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の偽熱硬化性の中和されたキトサン組成物であって、該組成物は、ジオールをさらに含有し、該ジオールは、該ジオールのヒドロキシル基の間に、少なくとも4.7Åの距離を有する、組成物。
  6. 前記ジオールが、1,3−プロパンジオールである、請求項5に記載の偽熱硬化性の中和されたキトサン組成物。
  7. 200kDa以上の分子量および30〜60%の脱アセチル度を有する、均質に再アセチル化されたキトサンを生成するための方法であって、該方法は、以下:
    a)酸性媒体中に溶解された、200kDa以上の分子量および80〜90%の脱アセチル度を有するキトサンを濾過して、不溶性粒子を除去する工程;
    b)工程a)で得られた濾過された酸性溶液中に含まれるキトサンを沈殿させて、不溶性粒子を含まないキトサンを得る工程;
    c)5℃より低い温度において、工程b)で得られた不溶性粒子を含まないキトサンの冷却された酸性溶液を調製して、不溶性粒子を含まないキトサンの冷却された酸性溶液を得る工程;
    d)5℃より低い温度において、メタノール中に規定量の無水酢酸を含む、冷却された無水酢酸溶液を調製する工程;
    e)均質な条件下で、工程d)の冷却された無水酢酸溶液を、工程c)で調製したキトサンの冷却溶液に滴下することによってキトサンを再アセチル化し、30〜60%の脱アセチル度を有する、粗製の均質に再アセチル化されたキトサンを提供する工程;
    f)工程e)で得られた粗製のキトサンを処理して、再アセチル化の間に生成した塩およびキトサンの不溶性粒子を除去し、30〜60%の脱アセチル度を有する、均質に再アセチル化されたキトサンを得る工程
    を包含する、方法
  8. 前記処理する工程f)が、以下:
    f−1)前記工程e)で得られたキトサンを透析して、再アセチル化の間に生成された塩を除去し、均質に再アセチル化されたキトサン溶液を得る工程;
    f−2)工程f−1)で得られたキトサン溶液を濾過して、キトサンの不溶性粒子を除去する工程;
    f−3)工程f−2)で得られた濾過された溶液中に含まれるキトサンを沈殿させ、次いで、キトサンを乾燥させて、30〜60%の脱アセチル度を有する、均質に再アセチル化されたキトサンを得る工程
    を包含する、請求項7に記載の方法
  9. 前記沈殿させる工程f−3)が、NHOH/メタノールの混合物を添加する工程を包含する、請求項8に記載の方法
  10. 5℃より高い温度において、リン酸塩を含まない透明なヒドロゲルを形成する、偽熱硬化性の中和されたキトサン組成物の調製において使用するための、請求項7〜9のいずれか1項に記載の方法により得られた、200kDa以上の分子量および30〜60%の脱アセチル度を有する、均質に再アセチル化されたキトサン。
  11. 5℃より高い温度において、リン酸塩を含まない透明なヒドロゲルを形成する、偽熱硬化性の中和されたキトサン組成物を製造するための方法であって、該方法は、以下:
    g)80〜90%の脱アセチル度を有するキトサンから誘導され、200kDa以上の分子量および30〜60%の脱アセチル度を有する、均質に再アセチル化されたキトサンを、HCl水性媒体中に可溶化させ、そして、5℃より低い温度において、該酸性キトサン溶液を冷却する工程;
    h)予め5℃より低い温度に冷却された、ヒドロキシル化された塩基の水溶液を、工程g)で得られた冷却されたキトサン溶液に添加することによって、該冷却されたキトサン溶液が6.8〜7.2のpHを示すまで、該冷却されたキトサン溶液を中和する工程;
    i)必要に応じて、5℃より高い温度において、工程h)で得られた中性の冷却されたキトサン溶液の温度を上げて、偽熱ゲル化を誘発する工程
    を包含する、方法
  12. 前記工程g)の可溶化の前に、キトサンを滅菌する工程をさらに包含する、請求項11に記載の方法
  13. 前記工程h)において、前記ヒドロキシル化された塩基が、NaOHである、請求項11または12に記載の方法
  14. 請求項11〜13のいずれか1項に記載の方法であって、前記可溶化する工程g)の前、間もしくは後に、または、前記中和する工程h)の前、間もしくは後に、ヒドロキシル基の間に少なくとも4.7Åの距離を有するジオールの適切な量を添加して、前記ヒドロゲルの粘度を、該ヒドロゲルの粘度が必要とされる程度まで高める工程をさらに包含する、方法
  15. 前記ジオールが、1,3−プロパンジオールである、請求項14に記載の方法
  16. 前記工程g)で可溶化された、均質に再アセチル化されたキトサンが、請求項7〜9に記載の方法によって得られる、請求項11〜15のいずれか1項に記載の方法
  17. 請求項11〜16のいずれか1項に記載の方法により得られる、リン酸塩を含まない透明な偽熱硬化性のキトサンヒドロゲル。
  18. リン酸塩を含まない透明な偽熱硬化性のキトサンヒドロゲルの調製のための、請求項7〜10のいずれか1項に記載の方法により得られる、30〜60%の脱アセチル度および200kDa以上の分子量を有する、均質に再アセチル化されたキトサンの使用。
  19. 薬物送達系としての、請求項1〜6のいずれか1項に記載の、偽熱硬化性の中和されたキトサン組成物の使用。
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