JP5521250B2 - グリコールキトサン誘導体、その製造方法、及びこれを含む薬物伝達体 - Google Patents

グリコールキトサン誘導体、その製造方法、及びこれを含む薬物伝達体 Download PDF

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Description

本発明は、ナノサイズの自己集合体を形成することができ、温度感応性と生分解性を同時に有して薬物伝達体への使用に適した特性を有するグリコールキトサン誘導体、その製造方法、及びこれを含む薬物伝達体に関するものである。
キトサンは、カニ皮やエビのような甲殻類から抽出されたキチンから由来した陽イオン性多糖類である。一般的に、キトサンはキチンからC2のアセトアミドで約50%以上のアセチル基を除去して得られたものであって、N−アセチル化度が50%未満であり、N−アセチルD−グルコサミンとD−グルコサミン単位体がβ−1、4グルコシド結合されている。
最近、キトサンは、生体適合性、低い毒性、粘膜粘着(mucoadhesive)特性のような多様な理化学的及び生理学的特性があるので、食品、農業、医薬、薬物、及び化粧品のような多様な分野に適用できる機能性生体高分子として注目されている。
しかしながら、前述した特徴及び長所を有するキトサンは、隣り合う分子が強い水素結合により硬く結合して水に溶けない不溶性を表す。したがって、キトサンの医薬及び生命工学分野で活用度を高めるために多様な生理的条件で溶解できるキトサン誘導体の開発が必要である。
グリコールキトサンは水溶性キトサン誘導体の1つで、親水性エチレングリコール基の導入に従って中性pHで水溶性を表す。以前の研究によると、グリコールキトサンは、非細胞毒性及び生体適合性を表し、低い濃度で軟骨細胞の成長を刺激すると報告されたことがある(Carreno-Gomez. B, Duncan. R, Int. J. Pharm. 1997, 148, 231;[8] D. K. Knight, S. N. Shapka, B. G. Amsden, J. Biomed. Mater. Res. Part A. 2007, 83, 787)。
グリコールキトサンのバックボーンに沿って存在するアミン基は、生体内の用途を改善するために変形が可能な部位である。グリコールキトサンの特性を改善するか、新たな特性を与えるために多様な官能基または分子をグリコールキトサンバックボーンに導入したグリコールキトサン誘導体が提案されたことがある。クォン(Kwon)らは、胆汁酸(5β cholanic acid or deoxycholic acid)を共有接合(covalent conjugation)を通じてグリコールキトサンに結合させて疏水性を改善したことがある(K. Kim, S. Kwon, J. H. Park, H. Chung, S. Y. Jeong, I. C. Kwon, I. S. Kim, Biomacromolecules. 2005, 6, 1154 ; S. Kwon, J. H. Park, H. Chung, I. C. Kwon, S. Y. Jeong, Langmuir. 2003, 19, 10188)。上記グリコールキトサン誘導体は、動物実験結果、血液内の循環が延長され、毒素ルビシン、パクリタキセル、ドセタキセル、カムプトテシンとシスプラチンのような多様な抗癌剤を伝達するに当たって高い腫瘍特異性を表した。
このように、グリコールキトサン誘導体に対する種々の研究が進行されたにもかかわらず、グリコールキトサンをN−アセチル化した誘導体に対する報告は現在まではない。
ここに、本発明者らは、グリコールキトサンの特性を改善するために多様な官能基を導入した誘導体に対して例の研究した結果、グリコールキトサンをN−アセチル化する場合、疏水性アセチル基の導入に従って有機溶媒に対する溶解度が増加するだけでなく、両親性を帯びて自己集合体形成が可能であり、温度変化に従うゾル/ゲル相転移挙動を表すことを確認することによって本発明を完成した。
本発明の課題は、有機溶媒に対する溶解度が改善され、自己集合体を形成し、生分解性とゾル/ゲル相転移挙動を表すことができるようにしたグリコールキトサン誘導体及びその製造方法を提供することにある。
本発明の他の課題は、上記グリコールキトサン誘導体の薬物伝達体としての用途を提供することにある。
このために、本発明は下記の<化1>の構造を有するグリコールキトサン誘導体を提供する:
(上記の<化1>で、上記nは10乃至10000の整数である。)
また、本発明は、下記の<数1>に示すように、<化2>のグリコールキトサンをアセチル化剤でアセチル化反応して<化1>のグリコールキトサン誘導体を製造する方法を提供する。:
(上記の<数1>で、上記nは、10乃至10000の整数である。)
また、本発明は、上記グリコールキトサン誘導体を含む薬物伝達体を提供する。
本発明に従うグリコールキトサン誘導体は、有機溶媒に対する向上した溶解度を有するだけでなく、ナノサイズの自己集合体形成が可能であり、温度感応性ゾル/ゲル相転移挙動を表すので、薬物伝達体への使用に適した特性がある。
本発明に従うキトサン誘導体の自己集合特性を示す模式図である。 グリコールキトサン、本発明に従う実施形態1、実施形態2、実施形態4、及び実施形態6のグリコールキトサン誘導体のFT−IRスペクトルを示すものである。 グリコールキトサン、本発明に従う実施形態1、実施形態2、実施形態4、及び実施形態6のグリコールキトサン誘導体のH NMRスペクトルを示すものである。 グリコールキトサン、本発明に従う実施形態1、実施形態2、実施形態4、及び実施形態6のグリコールキトサン誘導体のライソザイム存在下の粘度変化を観察したグラフである。 実施形態1のグリコールキトサン誘導体が自己集合により形成したナノ粒子の粒子サイズを示すグラフである。 実施形態1のグリコールキトサン誘導体が自己集合により形成したナノ粒子を観察した走査電子顕微鏡写真である。 実施形態2のグリコールキトサン誘導体が自己集合により形成したナノ粒子の粒子サイズを示すグラフである。 実施形態2のグリコールキトサン誘導体が自己集合により形成したナノ粒子を観察した走査電子顕微鏡写真である。 実施形態4のグリコールキトサン誘導体が自己集合により形成したナノ粒子の粒子サイズを示すグラフである。 実施形態4のグリコールキトサン誘導体が自己集合により形成したナノ粒子を観察した走査電子顕微鏡写真である。 本発明に従う実施形態4のグリコールキトサン誘導体とグリコールキトサンの温度に従うゾル−ゲル相転移挙動を示す写真である。
本発明に従うグリコールキトサン誘導体は、キトサンバックボーンの1次アミン基がアセチル化したことを特徴とする。
疏水性アセチル基が導入されたグリコールキトサン誘導体は、両親性を有するようになる。これによって、有機溶媒に対する溶解度が改善され、アセチル基の間の疏水性の相互作用を通じて水性媒質で自己集合体を形成し、疏水性相互作用のような分子内の相互作用を通じて温度変化に従うゾル−ゲル挙動を表す。
具体的に、本発明のグリコールキトサン誘導体は、下記<化1>で表示される:
(上記<化1>で、上記nは10乃至10000の整数である。)
一般的に、両親性高分子は表面自由エネルギーを減らすために疏水性部分まで疏水性相互作用(hydrophobic interaction)を通じて水溶性雰囲気で自己集合ナノ粒子を形成することができる。このような自己集合(self-assembled)ナノ粒子は疏水性コアを親水性シェルが覆っている構造である。親水性シェルは、異なる細胞、たんぱく質と生体組織と相互作用に対するバリアーとして作用することができ、疏水性コアは多様な生化学物質の貯蔵空間として作用できるので、薬物の効果的で、かつ長期的な循環に利用できる。
本発明に従うグリコールキトサン誘導体は、親水性のグリコールキトサンに疏水性アセチル基が導入されることによって、両親性を有するようになり、高分子主鎖の間の疏水性相互作用が生じて、薬物伝達分野への適用に適した自己集合ナノ粒子が形成できる。
図1は、本発明に従うキトサン誘導体の自己集合特性を示す模式図である。
図1に示すように、本発明に従うキトサン誘導体のアセチル基は疏水性コアとして作用し、グリコールキトサンは親水性シェルとして作用することによって、水性媒質(aqueous medium)でナノ粒子を形成することができる。
このように導入されたアセチル基の疏水性相互作用は、前述した自己集合体の形成だけでなく、温度変化に従うゾル−ゲル挙動を有するようにする。これによって、本発明のグリコールキトサン誘導体は45±5℃で相転移挙動を表す。このように下限臨界温度が生体の体温より高いため、薬物伝達に有用に使用できる。
また、アセチル基は、ライソザイムのような生体内の酵素に敏感な官能基であって、本発明のキトサン誘導体はアセチル基の導入によって生分解性を有するようになる。
本発明に従うグリコールキトサン誘導体の前述した特性は、アセチル化度によって調節できる。一例として、アセチル化度が増加するほど、グリコールキトサン誘導体の有機溶媒に対する溶解度は減少し、生分解度は増加する。上記グリコールキトサン誘導体のアセチル化度は、好ましくは20乃至90%、より好ましくは70乃至80%の範囲内で調節する。
このような本発明のグリコールキトサン誘導体は、下記の<数1>に図示したように、<化2>のグリコールキトサンをアセチル化剤でアセチル化反応して製造される:
(上記の<数1>で、上記nは10乃至10000の整数である。)
このように、本発明の製造方法を通じて<化2>のグリコールキトサンの1次アミン基がアセチル化される。
この際、アセチル化剤には、アセト酸無水物及びアセト酸クロライドのうちから選択使用できる。好ましくは、アセト酸無水物を使用する。
前述したアセチル化反応を遂行するに当たって、別途の反応溶媒を使用しなくても反応は進行できるが、アセチル化剤と主鎖の水酸基の間の反応を通じた0−アセチル化を防止するために、好ましくはメタノールを使用する。反応温度は−10乃至60℃であり、好ましくは15乃至25℃であり、反応時間は10乃至50時間であり、好ましくは40乃至50時間である。
このように製造された本発明のグリコールキトサン誘導体は、ナノサイズの自己集合体形成が可能であり、温度に従うゾル−ゲル挙動が可能であるので、薬物伝達体に適用できる。
したがって、本発明は上記<化1>のグリコールキトサン誘導体を含む薬物伝達体を提供する。この際、上記薬物伝達体は薬剤学的有効性分を必須的に含む。好ましくは、化学療法剤、たんぱく質医薬、または核酸医薬が可能である。
実施形態
以下、本発明の好ましい実施形態を記載する。下記の実施形態は本発明をより明確に表現するための目的として記載されるだけであり、本発明の内容が下記の実施形態に限定されるのではない。
実施形態1乃至6:グリコールキトサン誘導体合成
下記の<数2>と表示されることにより、グリコールキトサンから本発明に従うグリコールキトサン誘導体を製造した。
グリコールキトサン0.2g(重量平均分子量400kDa、アセチル化度9.34±2.50%(H NMR測定時)、Sigma-Aldrich, Inc., USA)を25ml蒸留水に溶解した後、25mlのメタノールを添加して希釈した。得られた溶液に予め計算された含有量のアセト酸無水物(Sigma-Aldrich, Inc., USA)を磁石攪拌器で攪拌しながら添加した。常温で48時間の間続けて攪拌した後、冷たいアセトンで沈殿させて反応物を得て、遠心分離を通じて白色固体を得た。次に、得られた反応物を1mol/L水酸化ナトリウム溶液で12時間の間処理して0−アセチル基を除去し、分画分子量(Molecular Weight Cut-off)2kDaの透析膜を使用して3日間蒸留水で透析した後、続いて凍結乾燥した。
得られたキトサン誘導体はDOに1重量%濃度で溶かして400MHzで核磁気共鳴法(H NMR、JNM−AL400)分析を実施し、KBrペレットを使用して赤外線吸収スペクトル分析(FT−IR、MAGNA 560)を実施して確認した。その結果は、図2、図3、及び<表1>に表した。
図2は、グリコールキトサン、本発明に従う実施形態1、実施形態2、実施形態4、及び実施形態6のグリコールキトサン誘導体のFT−IRスペクトルを示すものである。
図2を参照すると、3400cm−1でOH伸縮振動(stretching vibration)に従う広いバンドが表れ、同一な位置でN−H伸縮振動が重畳して表れた。2890cm−1ではグリコールキトサンと本発明に従うグリコールキトサン誘導体のメテンとメチル基のC−H伸縮による吸収ピークが表れた。1655cm−1と1555cm−1ではカーボニル基の伸縮とアミノアセチル基のアマイドII曲げ振動(bending vibration)に従う吸収バンドが表れた。また、グリコールキトサンの場合、1655cm−1でNH曲げ振動に従う吸収ピークが表れたが、アミン基がN−アセチル化された本発明に従うキトサン誘導体の場合、このような特性ピークが観察できなかった。一方、1745cm−1でのエステルカーボニル基の特性バンドが表れないことから、グリコールキトサンのアセチル化が0−位置のヒドロキシ基でないアミノ基で進行されたことを確認することができる。
図3は、グリコールキトサン、本発明に従う実施形態1、実施形態2、実施形態4、及び実施形態6のグリコールキトサン誘導体のH NMRスペクトルを示すものである。HOD信号(δ4.65ppm)を参照した。
図3に示すように、一般的にアセチル基のメチル基陽性子によって表れる1.89ppmでのピークがアセチル化度が増加しながら急激に増加した。一次アミン基の陽性子による2.6ppmでのピークが生じたのであり、これはアセチル化度が増加するにつれて徐々に小さくなった。H−3からH−8の位置にある陽性子は全て酸素原子と近接している炭素に位置する。2位置の陽性子は相対的にアセチル基と近くてダウンフィールドシフト(downfield shift)を表した。これによって、2、3、4、5、6、7、8(H−2からH−8)の位置にあるグルコピラノシル環の陽性子により3〜4ppmの間の重畳したピークが発生した。H−1位置の陽性子は、2つの酸素原子と近接した炭素に結合されているので、ダウンフィールド(downfiled)から離れた4.38ppmでピークが表れた。
多い研究でキトサンのアセチル化度を計算するためにH NMR分析を利用したし、これはグリコールキトサンで利用できる。グリコールキトサンと本発明に従うグリコールキトサン誘導体の平均アセチル化度を測定するために、文献(A. Hirai, H. Odani, A. Nakajima, Polymer Bulletin. 1991, 26, 8)に記載された方法に従ってH NMRを遂行した。アセチル化度はH−2からH−8位置の陽性子信号(δ3.55ppm)とメチル陽性子信号(δ1.89ppm)の積分面積とを比較して計算した。
上記の<表1>に示すように、反応に添加されたアセト酸無水物の含量が増加するほどキトサン誘導体のアセチル化も線形的に増加した。しかしながら、実施形態4乃至6のように、アセチル化が高い場合、反応の有効性が減少した。これは、N−アセチル化が進行されるほど、アミン基に接近し難くなるためである。
実験例1:溶解度確認
グリコールキトサン、実施形態1乃至6のグリコールキトサン誘導体の蒸留水、DMSO、フォルムアマイド、DMF、メタノール、及びTHFに対する溶解度を確認した。
具体的に、各溶媒に3mg/ml濃度で試料を溶解して常温で放置して24時間の後に観察し、その濁度によって溶解度を区分した。その結果は下記の<表2>に表した。
上記の<表2>を参照すると、実施形態1、2、4、及び6のグリコールキトサン誘導体はアセチル化度に関わらず、親水性エチレングリコール基を含有することによって蒸留水に全て溶けた。また、実施形態1及び実施形態2のグリコールキトサン誘導体はDMSOに溶解されたし、本発明に従うグリコールキトサン誘導体はグリコールキトサンと比較して有機溶媒に対する溶解度が改善されたことを確認することができる。このように改善された溶解度は本発明のキトサン誘導体の生物医学及び医薬分野における適用分野を拡大することができる。
このような結果はグリコールキトサン誘導体にアセチル基が導入され、疎水性相互作用(hydrophobic interactions)が増加するつれて高分子鎖の親水性が減少し、グリコールキトサンのアミノ基の間の水素結合を妨害するためであると考えられる。
実施形態4及び実施形態6のキトサン誘導体は有機溶媒に対する溶解度が改善されなかった。これはアセチル基が多く導入されることによる障害ためである。アセチル基により高分子チェーンの回転を制限する立体障害が生じる。即ち、アセチル化度が増加するにつれて、高分子チェーンの剛性(stiffness)が増加し、一方、有機溶媒に対する溶解度は徐々に減少するようになる。
実験例2:生分解性確認
本発明に従うキトサン誘導体の生分解性は、ライソザイムの存在下に高分子溶液の粘度減少程度によって評価した。ライソザイムは人間の体液(血漿、唾、涙等)に多様に存在するため、種々の酵素の中で生分解挙動を評価するためにたくさん使われている。
具体的に、酵素分解実験は37℃、燐酸緩衝食塩水(PBS、0.01M、pH7.4)で実施した。各試料40mgを20ml燐酸緩衝食塩水に溶解した後、37℃まで温めた。以後、ライソザイムを添加した後、最終の濃度が55μg/mlになるようにした。チューブを37℃、100rpm振盪恒温水槽(Series BS-21 ; Lab companion、Korea)に入れて培養した。混合物の粘度変化をショットゲレート(Schott-Gerate)自動粘度測定器(AVS350)で測定した。その結果は、図4に示した。
図4を参照すると、グリコールキトサンと本発明に従うグリコールキトサン誘導体両方ともライソザイムによる加水分解に従って10分以内に粘度が目立つように減少した。グリコールキトサンは粘度が緩やかに減少する一方、本発明のグリコールキトサン誘導体は急激に粘度が減少した。これは、本発明に従うキトサン誘導体がライソザイムに敏感なN−アセチルグルコサミン残基の含有量がより多いためである。
このような結果は、キトサン誘導体の生分解性はアセチル化度が高いほど生分解率がより一層速くなることを表す。整理すると、アセチル化度はキトサン誘導体の生分解度において重要な役割をするので、キトサン誘導体のアセチル化度を調節することによって生物医薬分野において希望する生分解率を得ることができる。
実験例3:自己集合(self-assembly)特性確認
自己集合したキトサン誘導体のナノ粒子の形態を走査電子顕微鏡(FESEM ; JSM-7000F ; JEOL、Japan)を用いて15kVで観察した。自己集合したキトサン誘導体を含む蒸留水1滴をシリコンウエーハの表面に置いて、4分の間20mAの金でスパッタリングしてコーティングした後、観察した。
自己集合したキトサン誘導体ナノ粒子のサイズと分布度を波長633nmを有するHe−Neレーザーシステム(laser system)を使用して動的光散乱法(DLS ; ELS-Z ; OTSUKA、Japan)により測定した。
図5は実施形態1のキトサン誘導体が自己集合により形成したナノ粒子の粒子サイズを示すグラフであり、図6はこれを観察した走査電子顕微鏡写真である。
図7は実施形態2のキトサン誘導体が自己集合により形成したナノ粒子の粒子サイズを示すグラフであり、図8はこれを観察した走査電子顕微鏡写真である。
図9は実施形態4のキトサン誘導体が自己集合により形成したナノ粒子の粒子サイズを示すグラフであり、図10はこれを観察した走査電子顕微鏡写真である。
図5乃至図10に示すように、本発明に従うキトサン誘導体が水溶性媒質内で自己集合により形成したナノ粒子は数十から数百nmのサイズを有する丸い球形の粒子形態を有する。
実験例4:温度感応性ゾル−ゲル相転移確認
本発明に従うキトサン誘導体のゾル−ゲル転移温度をテストチューブインバーティング(test tube inverting)法により確認した。
常温でキトサン誘導体を5重量%濃度で蒸留水に溶解した溶液を用意した。ゾル−ゲル転移温度は温度別に試験チューブを裏返して、流れるゾル状態と流れないゲル状態を確認して測定した。この際、昇温速度は0.2℃/分にした。
図11は、本発明に従う実施形態4のグリコールキトサン誘導体とグリコールキトサンの温度に従うゾル−ゲル相転移挙動を示す写真である。
図11に示すように、実施形態4のグリコールキトサン誘導体水溶液は25℃ではゾル状態を表したが、45℃ではゲル状態を表した。一方、グリコールキトサン水溶液は90℃に達するまでもゾル−ゲル相転移挙動を表さなかった。このような結果は、本発明のグリコールキトサン誘導体のゾル−ゲル相転移がアセチル化度に依存的であることを表す。このようなグリコールキトサン誘導体のゾル−ゲル相転移挙動は、高分子内のアセチル基の間の疏水性相互作用によるものである。即ち、水素結合と疏水性相互作用のような分子内の相互作用を通じて物理的仮橋(crosslink)が発生し、これによって形成された接合部位(junction zone)がキトサン誘導体水溶液のゾル−ゲル挙動の形態学的変化を誘導する。
本発明のグリコールキトサン誘導体は薬物伝達体用材料を含んで、組織工学と関連した多様な産業分野で使用できる。

Claims (2)

  1. 下記の<化1>の構造を有し、アセチル化度は70乃至80%であることを特徴とする温度感応性グリコールキトサン誘導体:
    (前記の<化1>で、上記nは10乃至10000の整数である。)
  2. 請求項1のキトサン誘導体を含むことを特徴とする、薬物伝達体。
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