JP4065987B2 - 電子写真感光体および電子写真装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電子写真感光体、特に表面保護層を有する電子写真感光体および電子写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真感光体の表面には、帯電、露光、現像、転写、クリーニング等にともなう電気的、機械的外力がかかるため、それらに対する耐久性が要求される。すなわち、繰り返し使用による表面層の磨耗および傷、コロナ帯電器から発生するオゾンによる酸化劣化などである。特に近年、ローラー帯電方式の採用にともない、アーク放電による高エネルギーが感光層表面の分子切断をともなった磨耗を引き起こすことが問題となっており、さらにプリンターのフルカラー化、高速化および感光ドラムの小径化など、電子写真感光体の消耗を促進する条件が重なるようになっており、電子写真感光体の耐久性が問題となっている。
【0003】
これら表面層の問題を解決するために、感光層の上に架橋硬化性樹脂を主成分とする表面保護層を形成する方法が提案されている(特開昭54−148537)。しかし、表面保護層を架橋硬化性樹脂成分のみで構成すると、硬度は高くなり、機械強度は増す。また、電気ストレスに対する耐久性も直鎖状の熱可塑性樹脂に比較して高いが、表面保護層は絶縁性となるため、感光体としての光電特性を低下させ、画像濃度が低下するという問題がある。光電特性を改良する方法として、導電性の金属酸化物の微粉末を表面保護層中に分散させて、抵抗値を制御するという方法が提案されている(特開昭57−128344)。この方法は無機物を分散させることにより、耐磨耗性を高める効果もある。しかし、金属酸化物の抵抗値は、温度により大きく変動するため、特に高温高湿下において表面抵抗が低下し、静電潜像がぼやけ画像品位が低下するという問題点がある。
【0004】
光電特性を改良するもうひとつの手法として、樹脂中に電荷移動性化合物を分散させた後、樹脂を硬化させて表面保護層を形成するという方法がある。しかし、電荷輸送性化合物が低分子量成分であるため、架橋硬化性樹脂をバインダーとしても電荷輸送性化合物の添加により、表面保護層の機械強度を大きく低下させるという問題点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、これらの問題点を解決し、感光体の光電特性および画像品位を低下させることなく、十分な機械強度と電気ストレスに対する耐久性を有する表面保護層を有する電子写真感光体および電子写真装置を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は導電性支持体上に感光層と表面保護層を有する電子写真感光体において、感光層の結着樹脂を種々検討した結果、特定のポリエステル樹脂を使用することにより、表面保護層での電荷輸送能の低下を補填するに十分な電荷輸送能を有する感光層が可能となり、従来の表面保護層を有しない電子写真感光体に比較して、感光体としての光電特性および画像品位を低下させることなく、十分な機械強度と電気ストレスに対する耐久性を有する表面保護層を有する電子写真感光体および電子写真装置の提供を可能にした。
【0007】
すなわち本発明は、導電性支持体上に感光層と表面保護層を有する電子写真感光体において、該感光層が結着樹脂として、ジオール成分が、一般式(1)の化合物または一般式(1)及び一般式(2)の化合物であり、ジカルボン酸成分が一般式(3)の化合物からなる、分子量が10,000〜500,000のポリエステル樹脂を含有することを特徴とする電子写真感光体:
【0008】
【化2】
【0009】
[式中、R1及びR6は、炭素数1〜4のアルキレン基を示し、R2、R3、R4及びR5は、同一又は異なって水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示す。]及び該電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を含む電子写真装置を提供するものである。
【0010】
本発明のポリエステル樹脂は、例えば以下の(I)または(II)の構造を有している。
【0011】
【化3】
【0012】
[式中、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、前記に定義されたとおりである。nは1以上の整数、mは0以上の整数を示す。]
なお、n,mは分子量が10,000〜500,000になるような数である。
【0013】
本発明のポリエステル樹脂を感光層、特に電荷発生層と電荷輸送層からなる感光層の電荷輸送層の結着樹脂として用いたところ、感光体の電荷輸送能が著しく向上した。これは、ポリエステル樹脂のジオール成分(1)のビスアリールフルオレン骨格が、電荷輸送性化合物との分子間結合力を有し、ランダム共重合による成分(1)の規則的な配列によって、電荷輸送性化合物の均一分散が可能になったことで、電荷輸送能が向上したものと考えられる。
【0014】
【発明の実施の形態】
炭素数1〜4のアルキレン基としては、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン基等が挙げられる。
【0015】
炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル基、tert−ブチル基等の直鎖状又は分岐状のアルキル基が挙げられる。
【0016】
本発明の電子写真装置としては、複写機、レーザービームプリンター、レーザーファックス等が例示される。
【0017】
本発明の感光層は電荷発生材料と電荷輸送材料をポリエステル樹脂(結着樹脂)とともに含有する、いわゆる単層型感光体、または、電荷発生層と電荷輸送層からなる積層型感光体のいずれでもよい。導電性支持体に電荷発生層、電荷輸送層、表面保護層の順に積層した負帯電型積層感光体が特によい。
【0018】
単層型の感光層における電荷発生材料の配合量は、電荷発生材料の種類等に応じて適宜設定することができるが、ポリエステル樹脂100重量部に対して1〜60重量部程度とするのが好ましい。また、電荷輸送材料の配合量も適宜設定することができるが、ポリエステル樹脂100重量部に対して30〜150重量部程度とするのが好ましい。
【0019】
感光層が単層型である場合の感光層の膜厚は、通常5〜50μm程度、好ましくは10〜30μm程度である。
【0020】
感光層が積層型である場合は、本発明のポリエステル樹脂を、電荷発生層及び電荷輸送層の両方又はいずれかに含有していればよいが、応答性の点からは電荷輸送層に含有させるのが好ましい。また、電荷輸送層にポリエステル樹脂を含有する場合、本発明のポリエステル樹脂は電荷輸送材料をよく分散させるので、電子写真感光体の製造面からも好ましい。感光層が積層型である場合は、導電性基板の上にまず電荷発生層を形成した後、電荷輸送層を形成してもよいし、電荷輸送層を形成した後、該層の上に電荷発生層を形成してもよい。
【0021】
電荷発生層における電荷発生材料の配合量は、特に限定されず電荷発生材料の種類等に応じて適宜設定することができるが、通常、結着樹脂100重量部に対して30〜600重量部程度である。
【0022】
また、電荷発生層の膜厚は、通常0.1〜1μm程度、好ましくは0.15〜0.6μm程度である。
【0023】
電荷輸送層は、通常、電荷輸送材料をポリエステル樹脂に結着させた形で形成される。電荷輸送材料の配合量は、適宜設定することができるが、結着樹脂100重量部に対して、通常20〜150重量部程度、好ましくは50〜110重量部程度である。
【0024】
また、電荷輸送層の膜厚は、通常5〜50μm程度、好ましくは10〜45μm程度である。
【0025】
なお、感光層(或いは、電荷発生層及び/又は電荷輸送層)には、成膜性、可塑性、塗布性等を向上させるために周知の可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、レベリング剤等の添加剤を配合してもよい。
【0026】
本発明の表面保護層は、架橋構造をもつ熱硬化性樹脂または紫外線硬化性樹脂で構成されるもの、または、樹脂中に導電性制御のために金属酸化物微粉末を分散させたもののいずれでもよい。
【0027】
本発明の表面保護層に用いる架橋構造をもつ熱硬化性樹脂または紫外線硬化性樹脂としては、ラジカル開始剤により重合反応が始まるラジカル重合性樹脂と、紫外線照射によりカチオンあるいはアニオン触媒を生成するイオン開始剤により重合反応が始まるイオン重合性樹脂とがある。
【0028】
表面保護層に用いるラジカル重合性モノマーは一般的にはアクリル系が広く用いられているが、その種類は多岐にわたっている。その基本骨格は脂肪族、脂環族、芳香族、さらには水酸基、アリール基、グリシジル基、カルボキシル基、ハロゲン基などの官能基含有型などがある。さらに、リンやその他金属を含有した特殊なアクリレートモノマーも選択できる。オリゴマーにおいてもポリエステル系、ウレタン系、ポリエーテル系、エポキシ系、ポリブタジエン系、シリコーン系等その種類は多岐にわたる。一方、非アクリル系としては不飽和ポリエステル系、ポリブタジエン系、ポリエン−ポリチオール系等が用いられる。これらモノマーおよびオリゴマーは各々単独で用いても良く、また2種類以上を混合することも可能である。
【0029】
本発明の表面保護層に用いるラジカル重合開始剤は、熱あるいは光照射によってラジカルを発生しうる化合物であればよく、アリールアルキルケトン類、オキシムケチン類、アシルフォスフィンオキシド類、ベンゾインエーテル類、チオ安息香酸S−フェニル、チタノセン類、芳香族ケトン類、チオキサントン類、アゾ化合物類、有機酸化合物類等があげられるが、これらに限定するものではない。また、これらを単独で用いるだけでなく、2種類以上を混合させることも可能である。
【0030】
本発明において用いられるイオン重合性化合物は、光照射によりカチオンまたはアニオン触媒を生成するイオン開始剤を使用し、イオン重合を開始するモノマーおよびオリゴマーである。本発明においては、これらのなかから特に好ましいカチオン重合性化合物としてビニルエーテル系モノマーおよびオリゴマーが用いられる。
【0031】
本発明において用いられるカチオン開始剤の例としては、ジアゾニウム化合物、スルホニウム化合物、ヨードニウム化合物、金属錯体化合物、アリールシラノールアルミニウム錯体等があげられるが、これらに限定するものではない。これらは各々単独あるいは2種類以上を混合して用いることができる。
【0032】
本発明の金属酸化物微粒子を硬化性樹脂中に分散させた表面保護層に用いる導電性金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、スズをドープした酸化インジウム、アンチモンをドープした酸化スズ、酸化ジルコニウム等がある。これらのなかから単独あるいは2種以上を混合して用いることができる。
【0033】
表面保護層において導電性微粒子の分散性の向上、平滑性の向上を目的として種々の添加剤を加えることができる。特に分散性の向上に関して、含フッ素シランカップリング剤、フッ素変性シリコーンオイル、フッ素系界面活性剤およびフッ素系グラフトポリマーなどを用いて、導電性微粒子の表面処理を行うことが有効である。
【0034】
また、表面保護層において、平滑性の向上を目的としてフッ素原子含有樹脂を加えることができる。フッ素原子含有樹脂としては4フッ化エチレン樹脂、3フッ化エチレン樹脂、6フッ化塩化エチレンプロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、2フッ化2塩化エチレン樹脂およびこれらの共重合体のなかから1種あるいは2種以上を適宜選択するのが好ましいが、特に4フッ化エチレン樹脂、フッ化ビニリデン樹脂が好ましい。表面保護層中のフッ素原子含有樹脂の割合は、5〜70重量%であり、好ましく10〜60重量%の範囲である。表面保護層の膜厚としては、通常、0.1〜10μm程度、好ましくは0.5〜5μm程度である。
【0035】
本発明の感光層の結着樹脂として用いられるポリエステル樹脂は、原料として一般式(1)で示される化合物を必須のジオール成分として用い、他に任意成分として一般式(2)で示される化合物を用い、ジカルボン酸成分として一般式(3)で示される化合物を用いるポリエステル樹脂である。特に、ジオール成分として9,9-ビス{4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル}フルオレン、ジカルボン酸成分として1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を用いたポリエステル樹脂が好ましい。本発明に用いられるポリエステル樹脂の分子量は、本発明所期の効果が得られるものであれば特に限定はされず適宜設定できるが、通常、重量平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いてポリスチレンを基準として換算)で、10,000〜500,000、好ましくは50,000〜200,000程度である。
【0036】
重量平均分子量が10,000以上であると、ポリエステル樹脂の機械的強度がより高くなり、また、重量平均分子量が200,000以内であると、ポリエステル樹脂の溶融粘度があまり高くならず、溶液塗工法による感光体製造が容易であるので好ましい。
【0037】
前記一般式(1)で表されるジヒドロキシ化合物としては、9,9-ビス{4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル}フルオレン、9,9-ビス[{3-メチル4-(2-ヒドロキシエトキシ)}フェニル]フルオレン、9,9-ビス{4-(2-ヒドロキシプロポキシ)フェニル}フルオレン、9,9-ビス[{3-メチル4-(2-ヒドロキシプロポキシ)}フェニル]フルオレン等がある。また、前記一般式(2)で表されるジヒドロキシ化合物としてはエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4-ブタンジオールなどがある。
【0038】
前記一般式(3)で表わされる脂環族ジカルボン酸としては1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸がある。
【0039】
本発明のポリエステル樹脂は、触媒の存在下にて、又は無触媒において、一般式(1)及び必要に応じて一般式(2)で表されるジヒドロキシ化合物と、一般式(3)で表される脂環族ジカルボン酸とを直接重合反応させることにより製造することができる。
【0040】
或いは、一般式(1)及び必要に応じて一般式(2)で表されるジヒドロキシ化合物と、一般式(3)で表される脂環族ジカルボン酸化合物のエステルとを、触媒の存在下にてエステル交換反応をさせた後、重合させて製造することもできる。
【0041】
ジヒドロキシ化合物[一般式(1)で表される化合物と一般式(2)で表される化合物]と、脂環族ジカルボン酸[一般式(3)で表される化合物]とは、等モル量程度を反応させるのが好ましい。
【0042】
一般式(2)の化合物を使用する場合、一般式(1)の化合物と一般式(2)の化合物の使用割合(モル比)は適宜設定することができるが、例えば1:99〜99:1程度、好ましくは5:95〜95:5程度、より好ましくは10:90〜90:10程度とすることができる。
【0043】
当該重合反応は、常法に従って行うことができ、溶媒の存在下又は不存在下にて、必要に応じて攪拌しながら、通常100℃以上、好ましくは150℃以上で、通常350℃以下、好ましくは300℃以下において、0.5時間以上、好ましくは1時間以上、更に好ましくは2時間以上、通常48時間以下、好ましくは36時間以下、更に好ましくは24時間以下加熱することにより行うことができる。
【0044】
重合触媒としては、例えば、ジ−n−ブチルスズオキサイド、モノ−n−ブチルヒドロキシスズオキサイド、酸化ゲルマニウム、酸化アンチモン、酸化亜鉛、酢酸亜鉛、酢酸セリウム、酢酸イットリウム等が挙げられる。
【0045】
感光層には、通常、電荷発生材料と電荷輸送材料が含有されているが、本発明において使用することができる電荷発生材料としては、例えば、セレンおよびその合金、硫化カドミウム等の無機系電荷発生材料、フタロシアニン顔料、アゾ顔料、キナクドリン顔料、インジゴ顔料、多環キノン顔料、アントアントロン顔料、ベンズイミダゾール顔料等の有機系電荷発生材料があげられる。
【0046】
また、電荷輸送材料としては、2,4,7-トリニトロフルオレノン、テトラシアノキノジメタン等の電子吸引性物質、カルバゾール、インドール、イミダゾール、オキサゾール、ピラゾール、オキサジアゾール、ピラゾリン、チアジアゾール等の複素環化合物、アニリン誘導体、ヒドラゾン化合物、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、あるいはこれらの化合物から誘導される主鎖もしくは側鎖に有する重合体等の電子供与性物質を単独または二種以上混合して用いることができる。これら電荷輸送材料のなかでも、本発明においては、特にベンジジン系化合物およびトリフェニルアミン系化合物が好ましい。
【0047】
電荷発生層における電荷発生材料の配合量は、特に限定されず電荷発生材料の種類等に応じて適宜設定することができるが、通常、結着樹脂100重量部に対して30〜600重量部程度である。また、電荷発生層の膜厚は、通常0.1〜1μm、好ましくは0.15〜0.6μm程度である。
【0048】
電荷輸送層は、通常、電荷輸送材料を結着樹脂に結着させた形で形成される。電荷輸送材料の配合量は、適宜設定することができるが、結着樹脂100重量部に対して、通常20〜150重量部、好ましくは50〜110重量部程度である。また、電荷輸送層の膜厚は、通常5〜50μm、好ましくは10〜45μm程度である。なお、感光層(或いは電荷発生層及び電荷輸送層)には、成膜性、可撓性、塗布性等を向上させるために周知の可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、レベリング剤等の添加剤を含有させてもよい。本発明の電子写真感光体は、感光体の形態に応じて、通常の製造方法に従って製造することができる。
【0049】
本発明に使用する導電性支持体は、公知の材料から適宜選択して使用することができる。具体的には、アルミニウム、真鋳、銅、ニッケル、鋼等の金属板、ドラム、金属シート又はプラスチックシート上に導電性材料(例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、パラジウム、グラファイト等)を蒸着、スパッタリング、塗布等の方法によりコーティングして導電化処理したもの等を使用することができる。
【0050】
また、電子写真装置に用いられる電子写真感光体は上記の電子写真感光体が用いられ、電子写真装置に用いられる帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段としては、公知のものが広く用いられる。
【0051】
【発明の効果】
以上に示したように、本発明の電子写真感光体は、結着樹脂にビスアリールフルオレン骨格を有するポリエステル樹脂を用いた感光層の上に表面保護層を形成した電子写真感光体である。これにより、光電特性および画像品位を低下させることなく、耐磨耗性に優れ、ローラー帯電による電気的ストレスに対する耐久性にも優れた電子写真感光体の提供が可能となった。また、本発明のポリエステル樹脂は非塩素系溶剤に可溶であり、現在、結着樹脂として広く使用されているポリカーボネート樹脂のように、感光体製造時に塩素系溶剤を使用する必要はなく、環境問題が少ないという利点がある。
【0052】
さらに、本発明の電子写真感光装置は、前記電子写真感光体を用いることにより。同様な効果が奏せられる。
【0053】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
合成例1
1,4-シクロヘキサンジカルボン酸172g(1.0モル)と9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン439g(1.0モル)、触媒としてジ−n−ブチルスズオキサイド0.61gを2リットルフラスコに仕込み、1〜30mmHgで減圧脱気しながら溶融し、減圧を保持したまま、温度200〜270℃で、6時間エステル化反応を行った。かくして得られたポリエステル樹脂はガラス転移点が125℃、重量平均分子量(ポリスチレン換算)が35,000であった。
実施例1(電荷移動度の測定)
TiOPc(チタニルフタロシアニン)1重量部、ポリビニルブチラール樹脂1重量部、酢酸n−ブチル50重量部を混合し、ボールミルにて16時間分散した。得られた塗工液を厚さ100μmのアルミニウムシート上にコーティングし、100℃で10分間乾燥させて厚さ0.2μmの電荷発生層を形成した。
【0054】
次に、電荷輸送層のバインダーとして合成例1のポリエステル1重量部、電荷輸送剤としてTPD(N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(m−トリル)−p−ベンジジン)1重量部をテトラヒドロフラン8重量部に溶解させ、前記電荷発生層の上に塗工し、100℃で1時間乾燥させて厚さ16μmの電荷輸送層を形成した。
【0055】
次いで、電荷輸送層上に、真空蒸着装置を用いて金を半透明となる程度の厚さの薄膜に形成し、電極とした。
【0056】
630nmの色素レーザ励起によるTime−of−Flight法により電荷輸送層の電荷移動度を測定した。その結果、電界強度1×105 V/cmにおいて3×10-5 cm2/Vsの高移動度が得られた。
実施例2(電子写真特性の測定)
アルミニウムシート上に実施例1と同様にして電荷発生層、電荷輸送層を順に形成した。
【0057】
次いで、平均粒径0.3μmの無機フィラー酸化チタン0.1重量部、無機/有機ハイブリット系のポリシロキサンであるグラスカ(HPC7506;JSR社製)1重量部と硬化剤グラスカ(HPC604H;JSR社製)0.1重量部をイソプロピルアルコール10重量部に均一混合して表面保護層形成用分散液とし、電荷輸送層上にコーティングし、100℃で30分間硬化させて表面保護層を形成し、電子写真感光体試験片を得た。
【0058】
この試験片について、静電気帯電試験装置(EPA−8200、川口電機製作所製)を用いて電子写真特性の評価を行ったところ、半減露光量が0.34μJ/cm2、残留電位が4Vと良好な結果が得られた。
比較例1
電荷輸送層のバインダーとしてポリカーボネート(ユーピロンPC Z−300;三菱ガス化学製)を用いる以外は実施例1と同様にして電荷移動度を測定したところ、電界強度1×105 V/cmにおいて5×10-6 cm2/Vsであった。
比較例2
電荷輸送層のバインダーとしてポリカーボネート(ユーピロンPC Z−300;三菱ガス化学製)を用いる以外は実施例2と同様にして電子写真感光体試験片を作製し電子写真特性の評価を行ったところ、半減露光量が0.48μJ/cm2、残留電位が38Vであった。
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