JP5038825B2 - フルオレン骨格含有ポリエステル系ブロック共重合体及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、耐熱性、透明性に優れ、高屈折率でかつ複屈折の低いフルオレン骨格含有ポリエステル系ブロック共重合体及びこのブロック共重合体の製造方法、並びに前記ブロック共重合体で形成された成形体に関する。
光学部材(例えば、光学フィルム、光学シートなど)には、高い透明性が必要とされるため、従来、種々の透明樹脂が使用されている。前記透明樹脂として、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、シクロオレフィンポリマー(COP)などが知られている。
ポリメチルメタクリレートは、安価で、透明性、耐光性に優れているとともに低複屈折であるため、光学用途に適しているが、吸湿性が高いため成形後の形態安定性は劣り、物性の変化が生じるおそれがある。さらに、PMMAは他の光学樹脂に比べ、屈折率が低く、フィルムの軽薄化、小型化が困難であるとともに、力学物性や耐熱性に劣る。
ポリカーボネート(特に芳香族ポリカーボネート)は、透明性、耐熱性、吸湿性に優れ、高屈折率を示すため、光学材料としてよく使用される。しかし、ポリカーボネートは成形性に劣り、さらに複屈折が高いため、高精度が求められる光学部材(例えば、光学レンズや光学フィルムなど)の用途には必ずしも適さない。なお、複屈折の発生を低減するため、ポリカーボネートの分子量を小さくして流動性を高める工夫がなされているが、成形体の力学的物性が大きく低下する場合がある。
シクロオレフィンポリマーは、透明性、低複屈折の点ではポリメチルメタクリレートに及ばないものの、優れた耐熱性と低吸湿性とを有しており、カメラ、複写機などの撮像系レンズ、CD、DVDなどの光ピックアップレンズなどの用途に多く採用されている。しかし、シクロオレフィンポリマーは、優れた耐熱性と低吸湿性とを有しているものの、屈折率が1.51〜1.54程度であり、また複屈折はポリメチルメタクリレートには及ばず、高性能レンズの小型化に対しては必ずしも適さない。また、流動性を高めるために共重合成分としてエチレンなどの軟質成分を用いる工夫がなされているが、樹脂の物性が変化(例えば、屈折率が低下)するという欠点が生じる。さらに、オレフィン系樹脂の欠点である表面不活性に起因して、レンズ表面と各種コーティング層との密着性に劣り、良好にコーティングを行うことができない。
高性能光学部材の需要に伴い、高屈折率でかつ複屈折の低い透明樹脂として、フルオレン骨格を有するポリエステル系樹脂がこれまでに提案されている。これらの樹脂は、流動性があり成形性に優れるとともに、変形(又は成形)しても低複屈折であるため、加工して種々の光学部材として広く用いられている。例えば、特開2004―315676号公報(特許文献1)では、フルオレン骨格を有するポリエステル系樹脂が光学レンズに使用されている。また、前記フルオレン骨格を有するポリエステル系樹脂を高分子量化し、樹脂の機械的特性などを向上することが望まれている。特許文献1には、前記フルオレン骨格を有するポリエステル系樹脂の重量平均分子量が0.5×10〜100×10程度であると記載されているが、実際には高分子量化が困難で、工業的には、通常、重量平均分子量3.5×10程度であり、性能レベルは未だ十分でない。樹脂を高分子量化するためには、高温下、真空条件下で結合(反応、又は重合)させる必要があり、さらには、多くの時間を費やす必要もある。しかし、このような条件下で、結合(反応、又は重合)させると、生成する樹脂が着色しやすく、また、粘度上昇により生成した樹脂が取り出しにくくなる。そのため、プロセス機器を強力化、大型化したり、前記機器を複数用いるなどの工夫が必要であり工業的に非効率である。さらに、前記フルオレン骨格を有するポリエステル系樹脂は、耐熱性が、用途によっては必ずしも十分でない場合があり、また、前記ポリエステル系樹脂の原料であるフルオレン含有化合物はコストが高い。
なお、飲料用ペットボトルの耐熱化を目的として、ポリエチレンテレフタレート(PET)とポリエチレンナフタレート(PEN)とのアロイが提案されている。前記ポリエチレンナフタレート(PEN)は、耐熱性を向上するには有利であるが、変形(又は成形)に伴って複屈折が上昇し易いため、前記PETとPENとのアロイで形成された成形体は、耐熱性が向上されているものの、透明性に劣り、光学用途には不向きである。そのため、耐熱性に優れ、高屈折率でかつ複屈折の低い透明樹脂は未だ知られていない。
特開2004―315676号公報(特許請求の範囲)
従って、本発明の目的は、耐熱性、透明性に優れ、高屈折率でかつ複屈折の低い樹脂及びこの樹脂の製造方法、並びに前記樹脂で形成された成形体を提供することにある。
本発明の他の目的は、成形(例えば、一次成形、二次成形など)時に変形しても、低複屈折である樹脂及びこの樹脂の製造方法、並びに前記樹脂で形成された成形体を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、耐熱性、透明性に優れ、高屈折率でかつ複屈折の低い樹脂を簡便に安価で製造できる方法及びこの方法で得られる樹脂、並びに前記樹脂で形成される成形体を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、9,9−ビス(ヒドロキシアリール)フルオレン骨格を有するフルオレン系ポリエステルブロック鎖(A)と、芳香族ポリエステルブロック鎖(B)とが鎖伸長剤で結合しているポリエステル系ブロック共重合体(単に共重合体又は樹脂と称する場合がある)は、耐熱性に優れ、高屈折率でかつ複屈折の低い透明樹脂であることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明のポリエステル系ブロック共重合体は、9,9−ビス(ヒドロキシアリール)フルオレン骨格を含有するフルオレン系ポリエステルブロック鎖(A)と、芳香族ポリエステルブロック鎖(B)とが鎖伸長剤で結合されている。
前記フルオレン系ポリエステルブロック鎖(A)は、少なくとも下記式(1)
Figure 0005038825
[式中、基Aは脂肪族炭化水素残基、脂環族炭化水素残基又は芳香族炭化水素残基を示し、Z及びZは同一又は異なって芳香族炭化水素残基を示す。Rは、ハロゲン原子又はアルキル基を示し、R1a及びR1bは同一又は異なってアルキレン基を示し、R2a及びR2bは同一又は異なって、炭化水素基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基又は置換アミノ基を示し、R3a及びR3bは同一又は異なって炭化水素基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基又は置換アミノ基を示し、m及びnは同一又は異なって0又は1以上の整数である。h1及びh2は同一又は異なって0〜4の整数であり、j1及びj2は同一又は異なって0〜4の整数であり、kは0以上の整数である]
で表される繰り返し単位を有するフルオレン骨格含有ポリエステル系樹脂の解重合体で構成され、前記芳香族ポリエステルブロック鎖(B)が、少なくとも下記式(2)
Figure 0005038825
[式中、基Bは芳香族炭化水素残基を示す。R1Cはアルキレン基又はシクロアルカンジアルキレン基を示し、Rは、ハロゲン原子又はアルキル基を示し、kは0以上の整数である]
で表される繰り返し単位を有する芳香族ポリエステル系樹脂の解重合体で構成されていてもよい。また、前記フルオレン系ポリエステルブロック鎖(A)と、前記芳香族ポリエステルブロック鎖(B)との割合は、前者/後者(重量比)=30/70〜80/20程度であってもよい。さらに、前記芳香族ポリエステルブロック鎖(B)は、ポリC2−4アルキレンナフタレートブロック鎖であってもよい。前記ポリエステル系ブロック共重合体は、厚み0.5mmのシートにおいて、変形量(λ)に対する複屈折の増加量(Δn)の割合(Δn/λ)が、1×10−2nm/倍以下であってもよい。
本発明には、解重合剤の存在下、9,9−ビス(ヒドロキシアリール)フルオレン骨格を含有するフルオレン骨格含有ポリエステル系樹脂と芳香族ポリエステル系樹脂とを、溶融混練し解重合させる工程と、解重合により生成した生成物に鎖伸長剤を添加してフルオレン系ポリエステルブロック鎖(A)と芳香族ポリエステルブロック鎖(B)とを反応させる工程とを含む、前記ポリエステル系ブロック共重合体の製造方法も含まれる。
前記方法において、前記鎖伸長剤を、フルオレン骨格含有ポリエステル系樹脂及び芳香族ポリエステル系樹脂の合計100重量部に対して0.5〜10重量部程度用いてもよい。
また、本発明には、前記方法で製造されたポリエステル系ブロック共重合体及び前記ポリエステル系ブロック共重合体で形成された成形体も含まれる。前記成形体は光学部材であってもよい。
本発明のポリエステル系ブロック共重合体は、特定のフルオレン系ポリエステルブロック鎖(A)と、芳香族ポリエステルブロック鎖(B)とが鎖伸長剤で結合しているため、耐熱性、透明性に優れるとともに、高屈折率でかつ複屈折が小さい。さらに、前記共重合体は、成形(例えば、一次成形、二次成形など)時に変形しても、本来の特性を失うことなく、低複屈折であるため、光学部材として有用である。このような共重合体は、特定のフルオレン系ポリエステルブロック鎖(A)と、芳香族ポリエステルブロック鎖(B)とを鎖伸長剤で結合させればよいため、簡便に、かつ安価で製造できる。
[ポリエステル系ブロック共重合体]
本発明のポリエステル系ブロック共重合体は、9,9−ビス(ヒドロキシアリール)フルオレン骨格を有するフルオレン系ポリエステルブロック鎖(A)と、芳香族ポリエステルブロック鎖(B)とが鎖伸長剤で結合されている。
(フルオレン系ポリエステルブロック鎖(A))
前記フルオレン系ポリエステルブロック鎖(A)は、9,9−ビス(ヒドロキシアリール)フルオレン骨格を含有するジオール成分と、ジカルボン酸成分とを重合成分とするオリゴマー又はポリマーである。
前記式(1)において、基Aは、脂肪族炭化水素残基[例えば、メタン、エタン、プロパン、ブタン、イソブタンなどの直鎖状又は分岐鎖状のC1−10脂肪族飽和炭化水素に対応する基(二価基);エチレン、プロピレン、イソブテンなどの直鎖状又は分岐鎖状のC1−10脂肪族不飽和炭化水素に対応する基(二価基)など]であってもよいが、光学特性(例えば、屈折率、複屈折など)の観点から、通常、脂環族炭化水素残基又は芳香族炭化水素残基であることが好ましい。
基Aにおいて、脂環族炭化水素残基としては、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタンなどのC5−10シクロアルカン環に対応する基(二価基);シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロオクテンなどのC5−10シクロアルケン環に対応する基(二価基);ボルナン、ノルボルナン、アダマンタンなどの多環式飽和炭化水素環(例えば、二環又は三環式C7−10炭化水素環)に対応する基(二価基);ボルネン、ノルボルネンなどの多環式不飽和炭化水素環(例えば、二環又は三環式C7−10不飽和炭化水素環)に対応する基(二価基)などが例示できる。通常、脂環族炭化水素残基は、C5−10シクロアルカン環に対応する基(二価基)、特に、シクロヘキサンに対応する基(二価基)である。また、基Aにおいて、芳香族炭化水素残基としては、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、ビフェニル、インデンなどのC6−14芳香族炭化水素環に対応する基(二価基)などが例示できる。通常、芳香族炭化水素残基は、C6−10芳香族炭化水素環に対応する基(二価基)、特にベンゼンに対応する基(二価基、フェニレン基)である。
基Aにおいて、基Aに対応する炭化水素残基の結合手の位置も特に制限されず、非対称位置であってもよく対称位置であってもよい。例えば、基Aがシクロヘキサン環に対応する基(二価基)である場合、1,2−シクロヘキサン−ジイル基、1,3−シクロヘキサン−ジイル基であってもよく、1,4−シクロヘキサン−ジイル基であってもよい。
及びZにおいて、芳香族炭化水素残基としては、ベンゼン、ナフタレン、アントラセンなどのC6−14芳香族炭化水素環に対応する基(二価基)などが例示できる。Z及びZは、フェニレン基又はナフチレン基(例えば、フェニレン基)が好ましい。
置換基Rとしては、ハロゲン原子(臭素原子、塩素原子、フッ素原子など)、アルキル基(メチル基、エチル基、ブチル基、t−ブチル基などの直鎖状又は分岐鎖状C1−6アルキル基)が挙げられる。Rは、通常、エステル化反応に不活性である場合が多い。置換基Rの置換数kは、基Aの炭素数などに応じて0以上の整数の範囲で選択でき、通常、0〜8(例えば、0〜2)程度の整数であってもよい。置換基Rの置換位置は特に制限されず、基Aの種類に応じて選択できる。
1a及びR1bで表されるアルキレン基としては、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基などの直鎖状又は分岐鎖状C2−4アルキレン基が例示できる。R1a及びR1bにおいてアルキレン基の種類はそれぞれ異なっていてもよい。また、アルキレン基R1a及びR1bの種類は係数m及びnの数によっても異なっていてもよい。好ましいアルキレン基は、C2−3アルキレン基(エチレン基、プロピレン基)であり、通常、エチレン基である場合が多い。
2a及びR2bとしては、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基などの直鎖状又は分岐鎖状C1−8アルキル基(特に、C1−6アルキル基)など)、シクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロへキシル基などのC5−10シクロアルキル基、好ましくはC5−8シクロアルキル基、さらに好ましくはC5−6シクロアルキル基など)、アリール基[例えば、フェニル基、アルキルフェニル基(メチルフェニル基(又はトリル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基など)、ジメチルフェニル基(キシリル基)など)、ナフチル基などのC6−10アリール基など]、アラルキル基(ベンジル基、フェネチル基などのC6−10アリール−C1−4アルキル基など)などの炭化水素基;アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、t−ブトキシ基などのC1−8アルコキシ基(特にC1−6アルコキシ基)など);シクロアルコキシ基(シクロへキシルオキシ基などのC5−10シクロアルキルオキシ基など);アリールオキシ基(フェノキシ基などのC6−10アリールオキシ基);アラルキルオキシ基(例えば、ベンジルオキシ基などのC6−10アリール−C1−4アルキルオキシ基など);アシル基(アセチル基などのC1−6アシル基など);アルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル基などのC1−4アルコキシカルボニル基など);ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子など);ニトロ基;シアノ基;置換アミノ基(ジアルキルアミノ基など)が挙げられる。
置換基R2a及びR2bの置換数h1及びh2は、通常、0〜4(例えば、0〜2)程度の整数であってもよい。置換基R2a及びR2bの置換位置も特に制限されない。好ましい置換基R2a及びR2bは、C1−6アルキル基(特にメチル基)であり、好ましい置換数h1及びh2は0〜2(例えば、0又は1)程度の整数である。
3a及びR3bとしては、前記例示の炭化水素基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、置換アミノ基が挙げられる。
置換基R3a及びR3bの置換数j1及びj2は、通常、0〜4、好ましくは0〜2(例えば、0又は1)程度の整数であってもよい。置換基R3a及びR3bの置換位置も特に制限されない。好ましい置換基R3a及びR3bは、C1−6アルキル基(特にメチル基)であり、好ましい置換数j1及びj2は0又は1(例えば0)である。
オキシアルキレン単位の繰り返し数m及びnは、0又は1以上の整数であり、通常、1〜10、好ましくは1〜7、さらに好ましくは1〜5(例えば、1〜4)程度の整数であってもよく、2以上の整数(例えば、2〜4程度)であってもよい。
また、前記フルオレン骨格含有ポリエステル系樹脂は、さらに下記式(3)
Figure 0005038825
(式中、A、R、およびkは前記に同じ。R1Cはアルキレン基を示す。)
で表される繰り返し単位を有していてもよい。前記式(3)において、R1Cで表されるアルキレン基としては、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基などの直鎖状又は分岐鎖状C2−10アルキレン基が例示でき、直鎖状又は分岐鎖状C2−4アルキレン基(例えば、エチレン基、テトラメチレン基など)が好ましい。
前記式(1)で表される単位と前記式(3)で表される単位との割合は、前者/後者(モル比)=100/0〜10/90(例えば、100/0〜30/70)程度の範囲から選択でき、通常、99/1〜50/50、好ましくは99/1〜55/45、さらに好ましくは98/2〜60/40、特に97/3〜65/35(例えば、95/5〜70/30)程度であってもよい。
前記フルオレン骨格含有ポリエステル系樹脂の結合形態は、特に制限されず、ランダム共重合、交互共重合、ブロック共重合、グラフト共重合などであってもよい。例えば、好ましいフルオレン骨格含有ポリエステル樹脂には、前記式(1),(3)において、基Aがフェニレン基であり、R1a、R1b及びR1cがエチレン基であり、m及びnが1であり、h1、h2、j1、j2及びkが0であるブロック共重合体(下記式(4))が含まれる。
Figure 0005038825
また、前記フルオレン骨格含有ポリエステル系樹脂は、慣用の方法で製造でき、例えば、対応するジオール成分とジカルボン酸成分とを反応させることにより得ることができる。このようなフルオレン骨格含有ポリエステル系樹脂の製造方法については、例えば、特開2004―315676号公報(発明の実施の形態)を参照することができる。
前記フルオレン系ポリエステルブロック鎖(A)の重量平均分子量は、1×10以上(例えば、1×10〜5×10)、好ましくは3×10〜2×10、さらに好ましくは5×10〜1×10程度であってもよい。
(芳香族ポリエステルブロック鎖(B))
芳香族ポリエステルブロック鎖(B)も、ジオール成分とジカルボン酸成分とを重合成分とするオリゴマー又はポリマーである。
前記式(2)の基Bにおいて、芳香族炭化水素残基は、ポリエステル系樹脂の項で例示の芳香族炭化水素残基であってもよいが、通常、C6−14芳香族炭化水素環に対応する基(二価基)などが好ましく、さらに好ましくはC6−10芳香族炭化水素環(例えば、ベンゼン、ナフタレン)に対応する基(二価基)あり、特に、ナフタレンに対応する基(ナフチレン基)などが好適に使用される。また、基Bにおいても、基Bに対応する炭化水素残基の結合手の位置も特に制限されず、非対称位置であってもよく対称位置であってもよい。例えば、基Bがナフチレン基である場合、結合手の位置は、1,5−位であってもよく、2,6−位、2,7−位であってもよいが、2,6−位である場合が多い。
1Cとしては、アルキレン基[前記例示のアルキレン基(例えば、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基などの直鎖状又は分岐鎖状C2−10アルキレン基など)など];シクロアルカンジアルキレン基[例えば、シクロヘキサンジメチレン基(1,4−シクロヘキサンジメチレン基)、シクロヘキサンジエチレン基(1,4−シクロヘキサンジエチレン基)などのC5−8シクロアルカン−ジC1−4アルキレン基など]などが例示できる。好ましいR1Cは、直鎖状又は分岐鎖状C2−4アルキレン基(例えば、エチレン基、テトラメチレン基など)などである。
好ましい芳香族ポリエステル系樹脂には、ポリアルキレンアリレート系樹脂が含まれ、特に、(i)基Bが2,6−ナフタレン−ジイル基であり、R1Cがエチレン基であるポリエチレンナフタレート(PEN)系樹脂、(ii)基Bが2,6−ナフタレン−ジイル基であり、R1Cがテトラメチレン基であるポリブチレンナフタレート(PBN)系樹脂などが好ましい。
前記芳香族ポリエステルブロック鎖(B)の重量平均分子量は、1×10以上(例えば、1×10〜5×10)、好ましくは3×10〜2×10、さらに好ましくは5×10〜1×10程度であってもよい。
前記共重合体は、前記フルオレン含有ポリエステルブロック鎖(A)と前記芳香族ポリエステルブロック鎖(B)とが、(A)/(B)(ブロック数比)=99/1〜1/99、好ましくは90/10〜20/80、さらに好ましくは85/15〜30/70、特に80/20〜40/60(例えば、75/25〜50/50)程度の割合で形成されていてもよい。また、前記共重合体は、前記フルオレン含有ポリエステルブロック鎖(A)と前記芳香族ポリエステルブロック鎖(B)とが、(A)/(B)(重量比)=20/80〜90/10程度の範囲から選択でき、好ましくは30/70〜80/20、さらに好ましくは35/65〜75/25、特に40/60〜70/30(例えば、45/55〜65/35)程度の割合で形成されていてもよい。
このようなポリエステル系ブロック共重合体の重量平均分子量は、0.5×10〜100×10、好ましくは1×10〜50×10、さらに好ましくは1×10〜30×10(例えば、1.5×10〜4×10)、通常、1×10〜100×10程度である。前記重量平均分子量は、用途に応じて適宜選択できる。例えば、前記共重合体を射出成形する場合には、前記重量平均分子量は、0.8×10〜5×10程度であってもよい。また、前記共重合体を押出成形する場合には、前記重量平均分子量は、1×10〜100×10程度であってもよい。
なお、前記2つのブロック鎖(A)(B)は、ブロック鎖中のエステル結合部位がさらに解重合して生成しうるジオール成分、ジカルボン酸成分などのモノマー単位(又は最小単位)を含んでいてもよい。また、耐熱性、機械的強度の観点から、前記2つのブロック鎖は結晶性であることが好ましい。
[ポリエステル系ブロック共重合体の製造方法]
前記ポリエステル系ブロック共重合体の製造方法は、特に制限されず、予めブロック鎖を重縮合し、鎖伸長剤で反応させてもよく、高分子のポリエステル系樹脂を解重合させて生成するブロック鎖を鎖伸長剤で反応させてもよい。生産性などの点から、前記ポリエステル系ブロック共重合体は、解重合剤の存在下、前記フルオレン骨格含有ポリエステル系樹脂と前記芳香族ポリエステル系樹脂とを、溶融混練し解重合させる工程(解重合工程)と、解重合により生成した生成物に鎖伸長剤を添加して反応させる工程(反応工程)とを経て製造するのが好ましい。前記2つの工程(解重合工程及び反応工程)は、個別に行ってもよいが、生産効率の点から連続して行うのが好ましい。
(解重合工程)
解重合工程は、解重合剤の存在下、前記フルオレン骨格含有ポリエステル系樹脂と前記芳香族ポリエステル系樹脂とを、溶融混練し解重合させる工程であって、前記フルオレン系ポリエステルブロック鎖(A)及び前記芳香族ポリエステルブロック鎖(B)が生成する。前記フルオレン骨格含有ポリエステル系樹脂と前記芳香族ポリエステル系樹脂とを、別個に解重合してもよいが、生産効率の点から前記2つの樹脂を同時に解重合するのが好ましい。
前記フルオレン骨格含有ポリエステル系樹脂の分子量は、特に制限されず、例えば、重量平均分子量0.5×10〜100×10程度の範囲から選択でき、好ましくは1×10〜10×10、さらに好ましくは1×10〜5×10(例えば、1.5×10〜4×10)程度であってもよい。
一方、前記芳香族ポリエステル系樹脂の分子量も、特に制限されず、例えば、重量平均分子量0.5×10〜10×10程度の範囲から選択でき、好ましくは1×10〜8×10、さらに好ましくは2×10〜5×10(例えば、2.5×10〜4×10)程度であってもよい。
前記フルオレン骨格含有ポリエステル系樹脂と前記芳香族ポリエステル系樹脂との割合(使用割合)は、前者/後者(重量比)=20/80〜99.99/0.01程度から選択でき、例えば、22/78〜99.9/0.1、好ましくは25/75〜95/5、さらに好ましくは30/70〜90/10、特に30/70〜70/30(例えば、40/60〜65/35)程度であってもよい。前記芳香族ポリエステル系樹脂に対して前記フルオレン骨格含有ポリエステル系樹脂が多すぎると、耐熱性が低下する。一方、前記芳香族ポリエステル系樹脂に対し、前記フルオレン骨格含有ポリエステル系樹脂が少なすぎると、屈折率、複屈折などの光学特性が低下する場合がある。
解重合剤(ポリエステル系樹脂の解重合剤)は、慣用の解重合剤であってもよく、カルボキシル基(又はその誘導体)及び/又はヒドロキシル基を有している限り、特に制限されない。(i)カルボキシル基(又はその誘導体)を有する解重合剤(又はカルボン酸類)は、モノカルボン酸類(例えば、酢酸、プロピオン酸などの飽和C1−18脂肪族モノカルボン酸類;シクロヘキサンカルボン酸などの脂環族モノカルボン酸類;安息香酸などの芳香族モノカルボン酸類など)又はこれらのエステル形成可能な誘導体(例えば、後述する誘導体など)であってもよいが、解重合性(又はエステル交換反応性)の観点から、通常、ジカルボン酸類(例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸などの飽和C2−20脂肪族ジカルボン酸類;1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸類;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸(2,6−ナフタレンジカルボン酸など)などの芳香族ジカルボン酸類など)、3以上のカルボキシル基を有するポリカルボン酸類(例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸など)などのカルボン酸類又はこれらのエステル形成可能な誘導体[例えば、酸無水物;酸ハライド(酸クロライドなど);低級アルキルエステル(C1−2アルキルエステルなど)など]などが好適に使用される。カルボキシル基を有する解重合剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのカルボキシル基を有する解重合剤のうち、ジカルボン酸類、3以上のカルボキシル基を有するポリカルボン酸類(又はこれらのエステル形成可能な誘導体)などが好ましく、特に、低分子量のポリカルボン酸類(例えば、ピロメリット酸(又はその無水物)など)が好ましい。なお、必要により、ポリカルボン酸類と前記モノカルボン酸類とは併用してもよい。
一方、(ii)ヒドロキシル基を有する解重合剤(又はオール類)としては、モノオール類(例えば、メタノール、エタノールなどのC1−10脂肪族モノオール類;シクロへキサノールなどの脂環族モノオール類;フェノール類などの芳香族モノオール類など)であってもよいが、解重合性(又はエステル交換反応性)の観点から、通常、ジオール類(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのC2―10脂肪族ジオール類、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールなどの数平均分子量150〜1000程度のポリエチレングリコール類、脂環族ジオール類、芳香族ジオール類など)、3以上のヒドロキシル基を有するポリオール類(例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパンなどの脂肪族C3−10トリオール類;ペンタエリスリトール、エリスリトールなどのテトラオール類;アラビトール、リビトール、キシリトールなどのペンタオール類など)などが好適に使用される。ヒドロキシル基を有する解重合剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのヒドロキシル基を有する解重合剤のうち、ジオール類、3以上のヒドロキシル基を有するポリオール類などが好ましく、特に、低分子量のポリオール類(例えば、脂肪族C3−10トリオール類(例えば、トリメチロールプロパンなど))などが好ましい。なお、必要により、ポリオール類と前記モノオール類とは併用してもよい。また、前記解重合剤は、カルボキシル基及びヒドロキシル基を有するヒドロキシカルボン酸(例えば、酒石酸、クエン酸、乳酸、グルコン酸、サリチル酸、フェノールフタリン、タンニン酸など)などであってもよい。前記解重合剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
前記解重合剤は、種類に応じて、得られる解重合体の末端基を調整できる。例えば、カルボキシル基を有する解重合剤を用いてポリエステル系樹脂を解重合すると、末端基が実質的にカルボキシル基であるポリエステルブロックが得られ、一方、ヒドロキシル基を有する解重合剤を用いてポリエステル系樹脂を解重合すると、末端基が実質的にヒドロキシル基であるポリエステルブロックが得られる。このような知見に基づき、目的に応じて前記解重合剤の種類を選択してもよい。なお、前記(ii)ヒドロキシル基を有する解重合剤を用いると、生成する解重合体が着色するのを有効に抑制することができる。
以下に、前記フルオレン骨格含有ポリエステル系樹脂の解重合反応機構及び前記芳香族ポリエステル系樹脂の解重合反応機構の一例を示す。この例では、フルオレン骨格含有ポリエステル系樹脂(5)が解重合して、フルオレン系ポリエステルブロック鎖(A)(6),(7)が得られ、ポリエチレンナフタレート系樹脂(8)が解重合して、ポリエチレンナフタレートブロック鎖(B)(9),(10)が得られる。
Figure 0005038825
Figure 0005038825
なお、前記2つの樹脂において、解重合剤のエステル交換反応が起こる部位は、エステル基を有している限り、どのエステル結合部位であってもよい。また、解重合反応は、逐次反応であり、反応条件、解重合剤の種類や割合に応じて、所望の分子量及び末端基を有するブロック鎖を形成できる。例えば、前記フルオレン系ポリエステルブロック鎖(A)(6),(7)及び前記ポリエチレンナフタレートブロック鎖(B)(9),(10)は、さらに解重合し、より小さなブロック鎖を形成することができる。このように、前記フルオレン系ポリエステルブロック鎖(A)及び前記ポリエチレンナフタレートブロック鎖(B)において、通常、種々の構造及び分子量を有するブロック鎖が混在する。
前記解重合剤の割合は、使用する種類に応じて適宜選択でき、例えば、前記フルオレン骨格含有ポリエステル系樹脂及び前記芳香族ポリエステル系樹脂の合計100重量部に対し、0.05〜5重量部、好ましくは0.07〜4.5重量部、さらに好ましくは0.1〜4重量部、特に0.15〜3.5重量部(例えば、0.2〜3重量部)程度であってもよい。
解重合反応は、大気中で行ってもよく、不活性ガス(窒素、ヘリウムなど)雰囲気中で行うこともできる。また、解重合反応は、常圧下で行ってもよく、減圧下又は加圧下で行うこともできる。さらに、解重合反応は、例えば、150〜300℃、好ましくは180〜280℃、さらに好ましくは200〜260℃程度の温度下で行うことができる。
反応時間は、ブロック鎖(A),(B)の所望の重合度、反応条件などに応じて適宜選択でき、例えば、1〜30分、好ましくは2〜25分、さらに好ましくは3〜20分程度であってもよい。
(反応工程)
反応工程は、解重合により生成した生成物(前記フルオレン系ポリエステルブロック鎖(A),前記芳香族ポリエステルブロック鎖(B))に鎖伸長剤を添加して反応させる工程であって、前記生成物が鎖伸長剤で結合した共重合体が生成する。
鎖伸長剤は、解重合工程における解重合剤又はそれに対応する2つのブロック鎖(A),(B)の末端基に応じ、2つのブロック鎖(A),(B)の末端基と反応可能な官能基を有する化合物を選択してもよい。なお、前記鎖伸長剤は、1分子あたり少なくとも1つの前記官能基を有していればよいが、通常、前記鎖伸長剤1分子あたり少なくとも2つの前記官能基を有する化合物を選択する場合が多い。前記複数の官能基は、同種であってもよく異種であってもよい。
より具体的には、前記解重合剤が、(i)カルボキシル基(又はその誘導体)を有する解重合剤である場合、通常、生成するブロック鎖(A),(B)の末端基はカルボキシル基であるため、鎖伸長剤は、カルボキシル基(又はその誘導体)と反応可能な官能基(例えば、ヒドロキシル基、アミノ基、エポキシ基、イソシアネート基など)を有する化合物であることが好ましい。
ヒドロキシル基含有化合物としては、例えば、前記例示のジオール類、3以上のヒドロキシル基を有するポリオール類(例えば、低分子量のポリオール類(例えば、トリメチロールプロパンなどの脂肪族C3−10トリオール類)など)などが例示できる。
アミノ基含有化合物としては、例えば、ポリアミン類(例えば、鎖状ポリアミン類{例えば、脂肪族ジアミン類(エチレンジアミン、プロピレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどのC2−20アルカンジアミン)、脂環族ジアミン類(例えば、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタンなど)、芳香族ジアミン類(例えば、フェニレンジアミン、メタキシリレンジアミンなど)などのジアミン類;ポリアルキレンポリアミン類(又はポリアルキレンイミン、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタアミンなどのポリC2−4アルキレンポリアミン)などの第1級ポリアミン類}、環状ポリアミン類[例えば、環状第2級ポリアミン(例えば、ピペラジン、1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカンなど)など])、ヒドロキシルアミン類(例えば、エタノールアミンなどのアルカノールアミン類)などが例示できる。
エポキシ基含有化合物としては、ポリグリシジルエーテル類[例えば、脂肪族ジオールジグリシジルエーテル類(例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテルなどのC2−20アルカンジオールジグリシジルエーテルなど)、ポリエーテルジオールジグリシジルエーテル類(ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテルなどのジ又はトリC2−4アルキレングリコールジグリシジルエーテルなど)、脂肪族ポリオールポリグリシジルエーテル類(例えば、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテルなどのC3−12脂肪族ポリオールポリグリシジルエーテルなど)など];ポリグリシジルエステル類[例えば、芳香族ジカルボン酸(フタル酸など)又はその水添物(テトラヒドロフタル酸など)とエピクロロヒドリンとの反応物など];エポキシ樹脂などが例示できる。
イソシアネート基含有化合物としては、ポリイソシアネート類{例えば、脂肪族ポリイソシアネート類[例えば、アルカンジイソシアネート類(例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)(1,6−ヘキサンジイソシアネートなど)、2,2,4又は2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートなどのC2−20アルカン−ジイソシアネートなど);3以上のイソシアネート基を有する脂肪族ポリイソシアネート類(例えば、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、1,4,8−トリイソシアナトオクタンなどのトリイソシアネートなど)];脂環族ポリイソシアネート類[例えば、シクロアルカンジイソシアネート類(例えば、メチル−2,4−又は2,6−シクロヘキサンジイソシアネートなどのC5−8シクロアルカン−ジイソシアネートなど);イソシアナトアルキルシクロアルカンイソシアネート類(例えば、3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、IPDI)などのイソシアナトC1−6アルキル−C5−10シクロアルカン−イソシアネートなど);ジ(イソシアナトアルキル)シクロアルカン類(例えば、水添キシリレンジイソシアネートなどのジ(イソシアナトC1−6アルキル)C5−10シクロアルカンなど);ジ(イソシアナトシクロアルキル)アルカン類(例えば4,4’−メチレンビスシクロヘキシルジイソシアネートなどのビス(イソシアナトC5−10シクロアルキル)C1−10アルカンなど);3以上のイソシアネート基を有する脂環族ポリイソシアネート(例えば、1,3,5−トリイソシアナトシクロヘキサンなどのトリイソシアネートなど)];芳香族ポリイソシアネート類[例えば、芳香族ジイソシアネート類(例えば、o−,m−又はp−フェニレンジイソシアネート(MDI)、クロロフェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート(NDI)などアレーン−ジイソシアネート類など);ジ(イソシアナトアリール)アルカン類(例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)(2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートなど)、トリジンジイソシアネートなどのビス(イソシアナトC6−10アリール)C1−10アルカンなど);3以上のイソシアネート基を有する芳香族ポリイソシアネート類(例えば、4,4’−ジフェニルメタン−2,2’,5,5’−テトライソシアネートなどのトリ又はテトライソシアネートなど)など]など}が例示できる。なお、前記イソシアネート基含有化合物には、前記ポリイソシアネート類の変性体[又は誘導体、例えば、多量体(二量体、三量体など)、カルボジイミド体、ビウレット体、アロファネート体、ウレットジオン体、ポリアミン変性体など]も含まれる。
これらの鎖伸長剤は、単独で又は二種以上組み合わせて用いてもよい。前記鎖伸長剤のうち、反応性が高く(又は反応速度が速く)、前記ブロック鎖を効率よく結合可能な点から、イソシアネート基含有化合物(特に4,4’−メチレンビスシクロヘキシルジイソシアネートなどのビス(イソシアナトC5−10シクロアルキル)C1−10アルカンなど)が好適に使用される。
一方、前記解重合剤が、(ii)ヒドロキシル基を有する解重合剤である場合、通常、生成するブロック鎖(A),(B)の末端基はヒドロキシル基であるため、鎖伸長剤は、ヒドロキシル基と反応可能な官能基(例えば、カルボキシル基(又はその誘導体)、イソシアネート基など)を有する化合物であることが好ましい。
カルボキシル基含有化合物としては、例えば、前記例示のジカルボン酸類、3以上のカルボキシル基を有するポリカルボン酸類及びこれらのエステル形成可能な誘導体などが例示できる。イソシアネート基含有化合物としては、前記例示のイソシアネート基含有化合物(例えば、ポリイソシアネート類)を例示できる。前記鎖伸長剤は、単独で又は二種以上組み合わせてもよい。これらの鎖伸長剤のうち、反応性が高く(又は反応速度が速く)、前記ブロック鎖を効率よく結合可能な点から、イソシアネート基含有化合物(特に4,4’−メチレンビスシクロヘキシルジイソシアネートなどのビス(イソシアナトC5−10シクロアルキル)C1−10アルカンなど)が好適に使用される。
前記鎖伸長剤の割合は、使用する種類に応じて適宜選択でき、例えば、前記フルオレン骨格含有ポリエステル系樹脂及び前記芳香族ポリエステル系樹脂の合計100重量部に対し、0.5〜10重量部、好ましくは0.7〜8重量部、さらに好ましくは1〜6重量部、特に1.5〜5重量部程度であってもよい。
前記フルオレン系ポリエステルブロック鎖(A)及び前記芳香族ポリエステルブロック鎖(B)に前記鎖伸長剤を添加し、さらに混練することにより、2つのブロック鎖(ブロック鎖(A),ブロック鎖(B))と、前記鎖伸長剤とが反応し、前記2つのブロック鎖が、前記鎖伸長剤で結合した共重合体(ポリエステル系ブロック共重合体)を含む樹脂組成物が生成する。
鎖伸長反応は、大気中で行ってもよく、不活性ガス(窒素、ヘリウムなど)雰囲気中で行うこともできる。また、前記反応は、常圧下で行ってもよく、減圧下又は加圧下で行うこともできる。なお、前記鎖伸長剤が、ヒドロキシル基含有化合物及び/又はアミノ基含有化合物である場合、前記ブロック鎖に対して解重合剤として作用する場合があるため、前記反応を、減圧下で行うことが好ましい。さらに、前記反応は、例えば、150〜300℃、好ましくは180〜280℃、さらに好ましくは200〜260℃程度の温度下で行うことができる。
反応時間は、生成する樹脂の所望の重合度、反応条件などに応じて適宜選択でき、例えば、1〜30分、好ましくは2〜25分、さらに好ましくは3〜20分程度であってもよい。
前記フルオレン系ポリエステルブロック鎖(A)及び前記芳香族ポリエステルブロック鎖(B)は、前記鎖伸長剤と反応可能な官能基を有している限り特に制限されず、種々の組合せで反応し、前記共重合体を形成できる。前記共重合体は、例えば、前記例において、前記フルオレン系ポリエステルブロック鎖(A)(7)と前記芳香族ポリエステルブロック鎖(B)(10)とが前記鎖伸長剤を介して結合した結合部位など、種々の組合せで結合した結合部位を含んでいてもよい。
前記共重合体は、前記解重合剤を含む形態であってもよく、例えば、前記2つのブロック鎖(A)(B)のブロック数の合計1ブロック(1モルとする)に対し、0.01〜0.5モル、好ましくは0.02〜0.3モル、さらに好ましくは0.03〜0.1モル程度の割合で前記解重合剤を含有していてもよい。また、前記共重合体において、前記鎖伸長剤の割合は、前記2つのブロック鎖(A),(B)のブロック数の合計1ブロック(1モルとする)に対し、0.01〜0.5モル、好ましくは0.05〜0.4モル、さらに好ましくは0.1〜0.3モル程度である。
なお、前記共重合体(又は樹脂組成物)は、前記2つのブロック鎖(A),(B)が鎖伸長剤で結合した共重合体の他、前記ブロック鎖(A)同士が鎖伸長剤で結合した共重合体、ブロック鎖(B)同士が鎖伸長剤で結合した共重合体などを含んでいてもよい。前記2つのブロック鎖(A)(B)が結合した共重合体と、ブロック鎖(A)同士及びブロック鎖(B)同士が結合した共重合体の合計との割合は、前者/後者(重量比)=100/0〜70/30、好ましくは99.9/0.1〜85/15、さらに好ましくは99/1〜90/10、特に98/2〜92/8程度であってもよい。
また、前記樹脂組成物は、必要に応じて、慣用の添加剤、例えば、可塑剤、軟化剤、着色剤、分散剤、離型剤、安定化剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤などの酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定化剤など)、帯電防止剤、難燃剤、アンチブロッキング剤、結晶核成長剤、充填剤(シリカやタルクなどの粒状充填剤や、ガラス繊維や炭素繊維などの繊維状充填剤など)などを含んでいてもよい。これらの添加剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの添加剤の割合は、種類に応じて選択すればよく、特に限定されないが、前記共重合体100重量部に対し、0.01〜100重量部程度の範囲から選択でき、例えば、0.1〜50重量部、好ましくは0.5〜30重量部程度である。
さらに、前記樹脂組成物は、本発明の特性を損なわない限り、他の樹脂を含んでいてもよい。他の樹脂は、熱硬化性樹脂(例えば、フェノール樹脂、フラン樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ウレタン系樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド系樹脂など)であってもよいが、通常、熱可塑性樹脂(例えば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、熱可塑性アクリル系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、フッ素系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアリールスルホン系樹脂、ポリアリールエーテルケトン系樹脂、ポリアリールスルフィド系樹脂など)である場合が多い。他の樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせてもよい。前記他の樹脂は、前記共重合体100重量部に対し、例えば、0.01〜20重量部、好ましくは0.05〜15重量部、さらに好ましくは0.1〜10重量部程度であってもよい。
[成形体]
本発明の成形体は、前記共重合体(又は樹脂組成物)で形成されている。このような成形体は、慣用の成形法、例えば、押出成形、射出成形、ブロー成形、カレンダー成形、プレス成形、真空成形などにより、前記共重合体(又は樹脂組成物)を成形することにより製造できる。
成形体の形状は、特に制限されず、0次元的形状(粒状、ペレット状など)、1次元的形状(ストランド状、棒状など)、2次元的形状(板状、シート状、フィルム状など)、3次元的形状(管状、ブロック状など)などであってもよい。
本発明の共重合体又はその成形体(例えば、シート、フィルムなど)は、高い透明性を有し、550nmの光線透過率が、80〜99%、好ましくは81〜98%、さらに好ましくは82〜97%、特に83〜96%(例えば、90〜95%)程度である。
また、前記共重合体又はその成形体は、屈折率も高く、例えば、1.6以上(例えば、1.6〜1.7程度)、好ましくは1.61以上(例えば、1.61〜1.68程度)、さらに好ましくは1.62以上(例えば、1.62〜1.65程度)である。
さらに、前記共重合体又はその成形体は、成形時の変形に伴う複屈折の増加が大きく抑制されている。具体的には、前記共重合体を成形(又は一次成形)して得られる成形体は成形時の変形に伴う複屈折の増加が大きく抑制され、さらに、前記成形体をさらに成形(又は二次成形)する場合であっても、変形に伴う複屈折の増加が大きく抑制される。例えば、成形されたシート(厚み0.5mm)において、延伸による変形量(又は延伸倍率)(λ)に対する複屈折の増加量(Δn)の割合(Δn/λ)は、高々1×10−2nm/倍程度であり、具体的には、1×10−2nm/倍以下(例えば、1×10−5〜1×10−2nm/倍)、好ましくは5×10−5〜9.8×10−3nm/倍、さらに好ましくは1×10−4〜9.5×10−3nm/倍、特に、5×10−4〜9×10−3nm/倍(例えば、1×10−3〜8.8×10−3nm/倍)程度である。
本発明の共重合体及びその成形体は、透明性に優れるとともに、変形(又は成形)に伴う複屈折の増加が非常に抑制されているため、光学用途に有用である。具体的には、光学部材、例えば、CD(コンパクトディスク)[CD−ROM(シーディーロム:コンパクトディスク−リードオンリーメモリー)など]、CD−ROMピックアップレンズ、フレネルレンズ、レーザープリンター用fθ(エフシータ)レンズ、カメラレンズ、リアプロジェクションテレビ用投影レンズなどの光学レンズ;偏光フィルム及びそれを構成する偏光素子と偏光板保護フィルム、位相差フィルム、配向膜(配向フィルム)、視野角拡大(補償)フィルム、拡散板(フィルム)、プリズムシート、導光板、輝度向上フィルム、近赤外吸収フィルム、反射フィルム、反射防止(AR)フィルム、反射低減(LR)フィルム、アンチグレア(AG)フィルム、透明導電(ITO)フィルム、異方導電性(ACF)フィルム、電磁波遮蔽(EMI)フィルム、電極基板用フィルム、カラーフィルタ基板用フィルム、バリアフィルム、カラーフィルタ層、ブラックマトリクス層、光学フィルム同士の接着層もしくは離型層などの光学フィルムなどの用途に利用できる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、実施例、参考例及び比較例における各評価方法及び略号は以下の通りである。
[屈折率]
アッベ屈折計(ATAGO製、「DR−M2」)を用い、20℃で測定した。
[アッベ数]
20℃の条件下、アッベ屈折計(ATAGO製、「DR−M2」)を用い、589nm(D線)、486nm(F線)、656nm(C線)の屈折率を測定し、以下の式により算出した。
アッベ数=[屈折率(D線)−1]/[屈折率(F線)−屈折率(C線)]
[光線透過率]
ホットプレスして得られたシートについて「UV−VIS−NIR Spectrophotometer UV−3600」((株)島津製作所製)を用いて300〜800nmの範囲で光線透過率を測定した。対照サンプルは空気とした。なお、表中の光線透過率は、550nmにおける光線透過率をシート厚み0.1mmに換算した値である。
[変形量(λ)に対する複屈折の増加量(Δn)の割合(Δn/λ)]
(変形量(λ))
ホットプレスして得られたシート(厚み0.2mm)を幅5mm、長さ50mmに切り出し、160℃のホットプレート上で延伸した。延伸倍率を変形量(λ)とし、延伸前のシートに5mm間隔で記録した点の延伸後の間隔(L)を測定し、L/5で評価した。
(複屈折の増加量(Δn))
延伸後のシートの複屈折を、偏光顕微鏡(ニコン製、「OPTIPHOTO−POL」)を用いて評価し、546nmにおける延伸前後のシートの複屈折差をΔnとした。
[略号の説明]
FPE:前記式(4)(x:y=70:30)で表されるフルオレン含有ポリエステル系樹脂(大阪ガスケミカル(株)製、OKP2(重量平均分子量:34,685))
PEN:ポリエチレンナフタレートホモポリマー(鐘紡(株)製、HPEN)
PMMA:ポリメチルメタクリレート。
(実施例1〜3)
FPEのペレットとPENのペレットとを、表1に示す割合(重量比)でドライブレンドし、FPE及びPENの合計100重量部に対して1重量部のトリメチロールプロパンを添加し、二軸混練機(テクノベル(株)製、「KZW15−30MG」)を用いて、スクリュー回転数60rpmで15分間溶融混練した。次いで、前記FPE及びPENの合計100重量部に対して2.4重量部のジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(DMDI)を添加してさらに15分間混練し、混練機に設置したT−ダイより押出し、厚さ0.5mm、幅30mmのシートを連続して製造した。得られたシートの屈折率、アッベ数、光線透過率、変形量(λ)に対する複屈折の増加量(Δn)の割合(Δn/λ)を測定した。
結果を表1に示す。
(比較例1〜3)
FPE(比較例1)、PEN(比較例2)、PMMA(比較例3)をそれぞれ溶融混練し、混練機に設置したT−ダイより押出し、厚さ0.5mm、幅30mmのシートを製造した。得られたシートの屈折率、アッベ数、光線透過率、変形量(λ)に対する複屈折の増加量(Δn)の割合(Δn/λ)を測定した。
結果を表1に示す。
(比較例4〜6)
FPEのペレットとPENのペレットとを、表1に示す割合(重量比)でドライブレンドして得られたアロイを厚さ0.5mm、幅30mmのシートに成形した。得られたシートの屈折率、アッベ数、光線透過率、変形量(λ)に対する複屈折の増加量(Δn)の割合(Δn/λ)を測定した。
結果を表1に示す。
Figure 0005038825
表1から明らかなように、実施例の共重合体では、透明性に優れ、高屈折率であった。また、実施例の共重合体では、成形時に変形しても、複屈折の上昇が抑制されていた。

Claims (9)

  1. 9,9−ビス(ヒドロキシアリール)フルオレン骨格を含有するフルオレン系ポリエステルブロック鎖(A)と、芳香族ポリエステルブロック鎖(B)とが鎖伸長剤で結合されているポリエステル系ブロック共重合体であって、
    フルオレン系ポリエステルブロック鎖(A)が、下記式(1)
    Figure 0005038825
    [式中、基Aは脂肪族炭化水素残基、脂環族炭化水素残基又は芳香族炭化水素残基を示し、Z 及びZ は同一又は異なって芳香族炭化水素残基を示す。R は、ハロゲン原子又はアルキル基を示し、R 1a 及びR 1b は同一又は異なってアルキレン基を示し、R 2a 及びR 2b は同一又は異なって、炭化水素基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基又は置換アミノ基を示し、R 3a 及びR 3b は同一又は異なって炭化水素基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基又は置換アミノ基を示し、m及びnは同一又は異なって0又は1以上の整数である。h1及びh2は同一又は異なって0〜4の整数であり、j1及びj2は同一又は異なって0〜4の整数であり、kは0以上の整数である]
    で表される繰り返し単位と、下記式(3)
    Figure 0005038825
    (式中、A、R 、およびkは前記に同じ。R 1C はアルキレン基を示す。)
    で表される繰り返し単位とを有し、式(1)で表される単位と式(3)で表される単位との割合が、前者/後者(モル比)=98/2〜60/40であるフルオレン骨格含有ポリエステル系樹脂の解重合体で構成され、
    芳香族ポリエステルブロック鎖(B)が、少なくとも下記式(2)
    Figure 0005038825
    [式中、基Bは芳香族炭化水素残基を示す。R 1C はアルキレン基又はシクロアルカンジアルキレン基を示し、R は、ハロゲン原子又はアルキル基を示し、kは0以上の整数である]
    で表される繰り返し単位を有する芳香族ポリエステル系樹脂の解重合体で構成され、
    フルオレン系ポリエステルブロック鎖(A)と、芳香族ポリエステルブロック鎖(B)との割合が、前者/後者(重量比)=90/10〜20/80であるポリエステル系ブロック共重合体。
  2. フルオレン系ポリエステルブロック鎖(A)と、芳香族ポリエステルブロック鎖(B)との割合が、前者/後者(重量比)=30/70〜80/20である請求項1記載のポリエステル系ブロック共重合体。
  3. 芳香族ポリエステルブロック鎖(B)がポリC2−4アルキレンナフタレートブロック鎖である請求項1又は2記載のポリエステル系ブロック共重合体。
  4. 厚み0.5mmのシートにおいて、変形量(λ)に対する複屈折の増加量(Δn)の割合(Δn/λ)が、1×10−2nm/倍以下である請求項1〜のいずれかに記載のポリエステル系ブロック共重合体。
  5. 解重合剤の存在下、9,9−ビス(ヒドロキシアリール)フルオレン骨格を含有するフルオレン骨格含有ポリエステル系樹脂と芳香族ポリエステル系樹脂とを、溶融混練し解重合させる工程と、解重合により生成した生成物に鎖伸長剤を添加してフルオレン系ポリエステルブロック鎖(A)と芳香族ポリエステルブロック鎖(B)とを反応させる工程とを含む請求項1〜のいずれかに記載のポリエステル系ブロック共重合体を製造する方法。
  6. 鎖伸長剤を、フルオレン骨格含有ポリエステル系樹脂及び芳香族ポリエステル系樹脂の合計100重量部に対して0.5〜10重量部用いる請求項記載の方法。
  7. 請求項又は記載の方法で得られたポリエステル系ブロック共重合体。
  8. 請求項1〜のいずれかに記載のポリエステル系ブロック共重合体で形成された成形体。
  9. 光学部材である請求項記載の成形体。
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