JP4064693B2 - スキャン式fm−cwレーダの信号処理方法 - Google Patents

スキャン式fm−cwレーダの信号処理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スキャン式FM−CWレーダにおいて、例えばトラック等の大型車両がターゲットであった場合に複数の箇所から反射してくる反射信号を処理する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
車間距離制御においては、自車両の前方にレーダビームを発射し、先行車両等の物体を検出する車載用レーダ装置が用いられている。レーダ装置としてはミリ波等の電波を用いるFM−CWレーダ、あるいはレーザ光を用いるものがある。これらレーダ装置を用いて先行車両までの距離、先行車両との相対速度、先行車両の正確な位置を検出し、車間距離制御を行っている。そして、先行車両の位置を正確に検出するためには、先行車両のほぼ中心の位置を検出することが重要である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ターゲットである先行車両が、例えばトラック等の大型車両の場合、発射された複数のビームから反射された信号の受信レベルを見ると、ピークが複数現れることがある。このような時どのピークがターゲットの中心を表しているのか特定するのが困難な場合がある。
【0004】
また、同様にターゲットが大型車両の場合、同一のターゲットであるが距離が異なる複数の箇所からビームが反射され、別々のターゲットであると誤認する恐れがある。さらに、大型車両が隣接レーンを走行している場合、車両前方のミラー付近から反射するビームの角度は自車線寄りとなるため、自車レーンの先行車両と誤認することがある。
【0005】
また、ターゲットが大型車両の場合、同一のターゲットであるが距離が異なる複数の箇所からビームが反射されることが多い。このような場合、これら複数の箇所から得られた距離、相対速度、角度を用いて、この車両の代表値、即ち、この車両までの距離、相対速度、車両の幅、横位置等を求める必要がある。
【0006】
さらに、同一のターゲットであるが距離が異なる複数の箇所からビームが反射された場合、これら異なった箇所までの距離や相対速度を検出するためには、それぞれの箇所からの反射信号の上昇区間と下降区間のピーク周波数のペアリングを行わなければならない。
【0007】
従って、本発明の目的は、大型車両の場合であってもターゲットの中心を正確に特定できるようにすることである。特に、同一のターゲットの複数の箇所からビームが反射された場合、ターゲットまでの距離,相対速度、幅、横位置の代表値を正確に求めることができるようにすることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、複数のピークが同一のターゲットから反射されたレーダ信号に基づいて生成されたものと判定された場合、最も近い反射箇所及び該箇所から所定の範囲内の箇所から反射されたレーダ信号によるピークのみを選択し、該選択されたピークのうち両端に現れたピークの中間点をターゲットの横位置の代表値とする。
【0009】
また、前記ピークの中間点は、前記選択されたピークのうち両端に現れたピークからターゲットの幅を求め、該ターゲットの幅の中間点から求める。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明方法が用いられるスキャン式レーダを用いた車間距離制御装置の構成の概要を示した図である。レーダセンサ部はFM−CWレーダであり、レーダアンテナ1、走査機構2、及び信号処理回路3を備えている。車間距離制御ECU7は、ステアリングセンサ4、ヨーレートセンサ5、車速センサ6、及びレーダセンサ部の信号処理回路3からの信号を受け、警報機8、ブレーキ9、スロットル10等を制御する。また、車間距離制御ECU7は、レーダセンサ部の信号処理回路3にも信号を送る。
【0011】
図2は、図1の信号処理回路3の構成を示したものである。信号処理回路3は、走査角制御部11、レーダ信号処理部12、制御対象認識部13を備えている。レーダ信号処理部12はレーダアンテナ1からの反射信号をFFT処理し、パワースペクトルを検出し、ターゲットとの距離及び相対速度を算出し、制御対象認識部13にそのデータを送信する。制御対象認識部13は、レーダ信号処理部12から受信したターゲットとの距離、相対速度、及び車間距離制御ECU7から受信したステアリングセンサ4、ヨーレートセンサ5、車速センサ6等から得られた車両情報に基づいて走査角制御部11に走査角を指示すると共に、制御対象となるターゲットを判別して車間距離制御ECUに送信する。走査角制御部11は、固定型レーダの場合はカーブ走行時の走査角等を制御し、スキャン型レーダの場合はスキャン走査角を制御するものである。走査機構2は走査制御部11からの制御信号を受けて所定の角度で順次ビームを発射してスキャンを行う。
【0012】
FM−CWレーダは、例えば三角波形状の周波数変調された連続の送信波を出力してターゲットである前方の車両との距離を求めている。即ち、レーダからの送信波が前方の車両で反射され、反射波の受信信号と送信信号をミキシングして得られるビート信号(レーダ信号)を得る。このビート信号を高速フーリエ変換して周波数分析を行う。周波数分析されたビート信号はターゲットに対してパワーが大きくなるピークが生じるが、このピークに対する周波数をピーク周波数と呼ぶ。ピーク周波数は距離に関する情報を有し、前方車両との相対速度によるドップラ効果のために、前記三角波形状のFM−CW波の上昇時と下降時とではこのピーク周波数は異なる。そして、この上昇時と下降時のピーク周波数から前方の車両との距離及び相対速度が得られる。また、前方の車両が複数存在する場合は各車両に対して一対の上昇時と下降時のピーク周波数が生じる。この上昇時と下降時の一対のピーク周波数を形成することをペアリングという。
【0013】
図3は、ターゲットとの相対速度が0である場合のFM−CWレーダの原理を説明するための図である。送信波は三角波で図3の(a)の実線に示す様に周波数が変化する。送信波の送信中心周波数fo 、FM変調幅はΔf、繰り返し周期はTm である。この送信波はターゲットで反射されてアンテナで受信され、図3の(a)の破線で示す受信波となる。ターゲットとの間の往復時間Tは、ターゲットとの間の距離をrとし、電波の伝播速度をCとすると、T=2r/Cとなる。
【0014】
この受信波はレーダとターゲット間の距離に応じて、送信信号との周波数のずれ(ビート)を起こす。
【0015】
ビート信号の周波数成分fb は次の式で表すことができる。なお、fr は距離周波数である。
【0016】
fb=fr=(4・Δf/C・Tm)r
一方、図4はターゲットとの相対速度がvである場合のFM−CWレーダの原理を説明するための図である。送信波は図4の(a)の実線に示す様に周波数が変化する。この送信波はターゲットで反射されてアンテナで受信され、図4の(a)の破線で示す受信波となる。この受信波はレーダとターゲット間の距離に応じて、送信信号との周波数のずれ(ビート)を起こす。この場合、ターゲットとの間に相対速度vを有するのでドップラーシフトとなり、ビート周波数成分fbは次の式で表すことができる。なお、fr は距離周波数、fd は速度周波数である。
【0017】
fb=fr±fd=(4・Δf/C・Tm)r±(2・fo/C)v
図5は、FM−CWレーダの構成の例を示したものである。図に示す様に、電圧制御発振器22に変調信号発生器21から変調信号を加えてFM変調し、FM変調波を送信アンテナATを介して外部に送信すると共に、送信信号の一部を分岐してミキサのような周波数変換器23に加える。一方、先行車両等のターゲットで反射された反射信号を受信アンテナARを介して受信し、周波数変換器23で電圧制御発振器22の出力信号とミキシングしてビート信号を生成する。このビート信号はベースバンドフィルタ24を介してA/D変換器25でA/D変換され、CPU26で高速フーリエ変換等により信号処理がされて距離および相対速度が求められる。
【0018】
次に、先行車両が大型車両である場合のビームの発射状況と、信号処理の方法について説明する。
【0019】
図6に示すように、自車Aに対して先行車両Bがトラック等の大型車両である場合、先行車両Bからは複数のビームが反射される。例えば、角度θa−θgでビームを発射すると、トラック等の大型反射ターゲットは受信レベルが大きく、かつ反射面積が大きくなるため、角度θa−θgで発射されたビームに基づいて生成されたピークの受信レベルは図7に示すようになる。この場合、ターゲットまでの距離はほぼ同じであるため、ピーク周波数はほぼ同じとなる。しかし、図7に示すように大型車両の受信レベルの分布はピークが2つ(Pc 、Pf )現れることがある。通常、受信レベルがピークとなる角度をターゲットの存在する角度としている。しかし、図のようにピークが2つになると、ターゲットが2つであると誤認してしまう恐れがある。
【0020】
そこで本発明では、ほぼ同じピーク周波数を有するピークであって、受信レベルが所定値(閾値)以上の反射信号に対して、最大ピーク(Pc )から所定の角度範囲θxにあるもう1つのピーク(Pf )も1つのターゲットとみなし、ピークとピークの間の中心の角度をターゲットの角度とするものである。例えば図8に示すように、最大ピークPcから所定の角度範囲θxにある閾値Pth以上の別のピークPfを含めて1つのターゲットと見なし、ピークPcとPfの中心角度θoをターゲットの角度とする。
【0021】
しかし、ピークの受信レベルの差があまり大きいと、同じターゲットではない可能性があり、あるいは同じターゲットでも最大ピークではない別のピークはターゲットの主要部でない可能性があり、中心角度をとってもターゲットの中心部となる可能性が低くなる。そのため本発明では、最大ピークの受信レベルとの差が所定値以下、即ち、最大ピークとの受信レベルの差が小さいピークのみ1つのターゲットからの反射信号のピークとし、ピーク間の中心角度をターゲットの角度とした。図8で具体的に説明すると、最大ピークPcと別のピークPfの受信レベルの差が所定の値ΔP以下である場合、即ち、
Pc−Pf≦ΔP
の場合のみ、1つのターゲットと見なし、ピークをまとめてその中心角度をターゲットの角度とする。
【0022】
一方、最大ピークPc と別のピークPf の受信レベルの差が所定値ΔPより大きい場合は必ずしも1つのターゲットと見ることはできないので、最大ピークの角度をターゲットの角度とする。
【0023】
次に、上記の所定の角度範囲をどのように決定するかを図9を用いて説明する。図9(a)において、Aは自車であり、Bは先行車両である。先行車両Bまでの距離がrで、先行車両の幅が2aであった場合、先行車両の中心から左右にそれぞれa離れた位置に対するビームの角度をθxとすると、次の式が成り立つ。
【0024】
tanθx=a/r
従って、
θx=tan-1a/r
となり、車間距離に応じて角度範囲が変化する。これをグラフにすると(b)のようになる。
【0025】
以上はピークが2つの場合を述べたが、ピーク周波数がほぼ同じで受信レベルが所定値以上のピークが3つ以上ある場合、例えば図10に示すように閾値以上のピークがPb、Pd、Peの3つある場合、最も左側のピークPbと最も右側のピークPeの中心の角度をターゲットの角度とする。
【0026】
また、図11に示すように、最大ピークPbと別のピークPd及びPfの差が大きく、その差が所定値より大きい場合、即ち、
Pb−Pd>ΔP
Pb−Pf>ΔP
の場合、Pbの角度θbをターゲットの角度とする。
【0027】
なお、最大ピークPb と別のピークPd 又はPf のいずれかとの受信レベルの差が所定値以下の場合、最も左側のピークPb と最も右側のピークPd又はPfの角度の中心の角度をターゲットの角度とする。また、ピークが複数あって最大ピークとの受信レベルの差が所定値以下のピークが全部ではないがいくつかあった場合、最大ピーク及び前記いくつかのピークのうち、最も左側と最も右側のピークの角度の中心の角度をターゲットの角度とする。
【0028】
次に、直線路において大型車両が隣接レーンを走行している場合の信号処理方法について説明する。
【0029】
トラック等の大型車両の場合、距離が異なる複数の箇所からビームが反射されるため、反射信号に基づくビート信号の周波数に差が生じる。特に隣接レーンを走行しているトラック等の大型車両の場合、前方のミラー位置付近からの反射は測定角度が自車線寄りになるため、先行車両と誤認することがあり、車間距離制御等の車両制御に影響を及ぼすことがある。そこで本発明ではこのような場合、大型車両の後部からの反射と前方のミラーの位置付近からの反射の位置関係を利用し、それが隣接レーンを走行している大型車両であることを判定するものである。
【0030】
図12は、直線路において大型車両Bが自車Aが走行しているレーンの隣接レーンの前方を走行している場合を示す。この図の場合、自車Aから大型車両Bにビームが発射され、その1つがターゲットである車両Bのミラー付近の点P1から反射され、別の1つが車両Bの後部の点P2から反射されたとする。この場合、P1とP2から反射されたビームに基づくピーク周波数は異なるが、距離は近いのでほとんど同じである。そこで、上昇区間及び下降区間から、それぞれほぼ同じピーク周波数を有するピークを選択し、上昇時及び下降時のそれぞれにおける複数のピークについてペアリングを行う。そして、それぞれの点P1、P2からの距離、相対速度、及びズレの長さを検出する。検出された自車Aの進行方向における点P1とP2の距離をそれぞれr1、r2とし、自車Aに対する点P1とP2の相対速度をそれぞれv1、v2とし、自車Aの進行方向に沿って延長された線Lsに対して点P1とP2から下ろした垂線の長さ(以下、「ズレの長さ」と記す)をそれぞれl1、l2とする。そして、本発明では、
(1)距離の差(r1−r2)が所定の範囲内、例えばトラックの長さの範囲内にあり、即ち、
r1−r2≦Δr
であり、
(2)相対速度の差(v1−v2)が所定の範囲、即ち、
v1−v2≦ΔV(ΔV≒0)
であり、
(3)垂線の長さの差(l1−l2)が所定の範囲、例えばトラックの幅の範囲内にある、即ち、
l1−l2≦Δl
である場合、これら2つのピークが同一のターゲットからの反射であると判断する。そして、距離が遠い方の点、例えばP1からの反射信号のピークからの検出データを出力せず、他方のピークのビームの角度をターゲットの位置とする。言い換えれば、距離が最も近い反射点からのピークの角度をターゲットの角度とする。このようにすることによって、制御の対象とするターゲットの位置を特定することができる。
【0031】
一方、上記(1)−(3)の条件だけでは、車両Bが隣接レーンを走行している車両か自車レーンを走行している車両か不明である。そこで、
(4)l1又はl2の値が所定の値(例えば、レーンの幅)より大きい場合、ターゲットは隣接レーンを走行していると判断する。
【0032】
ここで、l1、l2及びr1、r2の求め方について述べる。車両Bの点P1へのビームb1の自車Aの進行方向Lsに対する角度をθ1、点P1までの距離をR1、点P2へのビームb2の自車Aの進行方向Lsに対する角度をθ2、点P2までの距離をR2とすると、
sinθ1=l1/R1、 従って、l1=R1sinθ1
sinθ2=l2/R2、 従って、l2=R2sinθ2
また、
cosθ1=r1/R1、 従って、r1=R1cosθ1
cosθ2=r2/R2、 従って、r2=R2cosθ2
となる。
【0033】
図13は、カーブにおいて大型車両Bが自車Aが走行しているレーンの隣接レーンの先方を走行している場合を示す。この図の場合も図12の場合と同様、自車Aから大型車両Bにビームが発射され、その1つがターゲットである車両Bのミラー付近の点P1から反射され、別の1つが車両Bの後部の点P2から反射されたとする。この場合、自車Aの進行方向の延長線Ls方向における点P1とP2の距離をそれぞれr1、r2とし、自車Aに対する点P1とP2の相対速度をそれぞれv1、v2とし、自車Aの進行方向に沿って延長された線Lsに対して点P1とP2から下ろした垂線の長さをそれぞれl1、l2とし、Lsとの交点からカーブに沿って自車が進行する線Lcに至るまで延長した長さをそれぞれx1、x2とする。そして、本発明では図12で示した場合と同様、
(1)距離の差(r1−r2)が所定の範囲内にあり、即ち、
r1−r2≦Δr
であり、
(2)相対速度の差(v1−v2)が所定の範囲にあり、即ち、
V1−V2≦ΔV
であり、
(3)垂線の長さ(「ズレの長さ」)(l1+x1)と(l2+x2)の差が所定の範囲にある、
即ち、 |(l1+x1)−(l2+x2)|≦ΔL
である場合、これら2つのピークが同一のターゲットからの反射であると判断する。そして、P2に対してP1がカーブの内側にあれば、P1を削って出力せず、P2のみを出力してP2の角度をターゲットの位置として制御の対象とする。
【0034】
一方、上記(1)−(3)の条件だけでは、車両Bが隣接レーンを走行している車両か自車レーンを走行している車両か不明である。そこで、
(4)(l1+x1)又は(l2+x2)の値が所定の値(例えば、レーンの幅)より大きい場合、ターゲットは隣接レーンを走行していると判断する。
【0035】
l1、l2及びr1、r2の求め方については先に述べたので、ここではx1、x2の求め方について図14を参照して述べる。道路のカーブの曲率半径をRとし、点P1から進行方向の延長線Lsに下ろした垂線の延長が半径Rの円周線Lcと交差する点PRと自車Aを結ぶ線が線Lsとがなす角をθとすると、自車Aと点PRを結ぶ線の距離はほぼr1に等しいので、次の式が成り立つ。
【0036】
sinθ=(r1/2)/R=r1/2R
一方、
sinθ=x1/r1、
x1=r1sinθ=r1×r1/2R=r12/2R≒R12/2R
(r1≒R1)
同様に、x2も求めることができる。
【0037】
参考例としてターゲットの位置がレーンの中心に来るように補正することについて説明する。図15はトラック等の大型車両が自車の隣接レーンの前方を走行している場合を示した図である。(a)は直線道路を走行している場合であり、(b)はカーブを走行している場合である。(b)のようにカーブを走行している場合には、トラック等の場合(a)のように直線を走行している場合より、図に示されているようにレーンの内側に寄る傾向がある。そこで、参考例ではターゲットが大型車両等の場合、カーブにおいてはターゲットの位置がレーンの中心に来るように補正している。この補正はターゲットの位置を示す角度θを補正するものとし、自車Aと先行車両Bとの距離が近いほど補正角度θを大きくする。
【0038】
図16はどのように補正するかを示した図であり、(a)はターゲットからの反射信号のピークPの角度をΔθだけレーンの中心に補正してP′の位置とすることを示している。また、Δθは先行車両との距離に応じて図16(b)に示すように変化させる。即ち、距離が離れるにつれ補正角度Δθを小さくする。
【0039】
次にターゲットの代表値を求める方法の参考例について説明する。ターゲットが1つであっても、長さと幅を有するため、複数の異なる箇所からビームが反射されることが多い、特に大型車両の場合にはこの傾向が強くなる。図17は自車Aから前方の車両Bにビームを発射し、車両Bの異なる箇所Pa 、Pb 、Pcでビームが反射された場合を示している。このような場合、ターゲットの代表値、即ち、この車両までの距離、相対速度、車両の幅、車両の中心点である横位置等を決める必要がある。
【0040】
参考例によれば、以下のように代表値を決めている。図17に示されているように、同一のターゲットの異なる箇所Pa 、Pb 、Pcから反射されたビーム、即ちレーダ信号に基づいて生成されたピークを信号処理する。そして、これら複数のピークから得られた複数の信号からそれぞれ自車からの距離、相対速度、ターゲットの横位置、ターゲットの幅等の値を求め、求めた複数の値から代表値を求める。
【0041】
より具体的には以下のように代表値を求める。自車からの距離に関しては、複数のレーダ信号から得られた複数の距離のうち、最小の距離を代表値として採用する。図17で言えば、Pa との距離を代表値として採用する。車間距離制御を行う場合には前方車両との間隔が重要であり、最小の距離を代表値として採用することによって、正確な車間距離制御を行うことができる。
【0042】
また、相対速度に関しては、複数のレーダ信号から得られた複数の相対速度の平均値を代表値として採用する。本来同一のターゲットから得られた相対速度は同じであるが、各相対速度には多少の誤差があるので、平均値をとることによってあまり誤差のない値とすることができる。
【0043】
また、ターゲットの横幅、及び横位置、即ち、中心位置については以下のように代表値を求めて採用する。図18は、図17の車両B部分の拡大図である。ターゲットの横幅の代表値は以下のように求める。まず、左端Pb と右端Pc からのピークの角度を求める。言い換えれば、Pa 、Pb 、Pc から反射されたビームによってそれぞれピークができるが、これらのピークのうち両端に位置するピークの角度を求め、この角度から幅Wbcを求める。即ち、両端のピークの間隔からターゲットの幅を求め、これを代表値として採用する。また、ターゲットの横位置、即ち、中心位置については、前記両端のピークの間隔Wbcの中間点Pbcの角度を前方車両の幅方向の中心位置である横位置とする。
【0044】
しかし、上記のように代表値を求めた場合、必ずしも正確な値が得られないことがある。参考例ではさらに正確に代表値を求めるため、以下のような方法を採用した。図19はそのような場合を説明するための図である。図19も、図17の車両B部分の拡大図である。前方車両Bの中心角度、即ち幅方向の中心点を求める場合、前述の方法では、左端Pb と右端Pc の幅Wbcをターゲットの幅とし、その中間点Pbcの角度を前方車両の幅方向の中心点としていた。しかし、図19からわかるように、より正確には、Pb とPa の幅Wabがターゲットの幅であり、幅Wabの中間点Pabが前方車両Bの幅方向の中心点である。そこで本発明ではより正確な値を得るため、複数のピークが同一ターゲットからのピークであると判断された場合、最も近い反射箇所及び該箇所から所定の範囲内の箇所から反射されたビーム、即ちレーダ信号から生成されたピークを用いて代表値を決定するようにした。
【0045】
図19において、ビームの反射箇所がPa 、Pb 、Pc の3箇所あるとすると、最も近い反射箇所Pa 及び該箇所から所定の範囲内の箇所Pb から反射されたビームから生成されたピークを用いて代表値を決定するようにした。ここで、所定の範囲内とは、点線dlで示すように、最も近い反射箇所Pa から所定の距離であり、この距離は、検出対象車両の、想定される最大横幅以下とするのが良く、例えばPa から5mとすることができる。また、所定の範囲として最も近い反射箇所Pa から最も遠い反射箇所Pc までの間隔Δrp 内にある箇所から反射されたビームの内、最も近い反射箇所Pa から所定の割合の範囲、例えば40%の範囲の箇所から反射されたビームにより生成されたピークを用いて代表値を決定する。
【0046】
上記のようにして代表値を決定した場合、ターゲットである前方車両Bの横幅は、反射箇所Pa とPb から得られるピークの間隔Wabとなり、このターゲットの横位置、即ち、中心位置は反射箇所Pa とPbから得られるピークの中間点Pabとなる。また、自車と反射箇所Pa とPb から得られるピークの中間位置Rabとの距離が、自車との距離として得ることもできる。上記のようにターゲットの横幅及び横位置の代表値を求めることによって、より正確な値を得ることができる。
【0047】
なお、上記参考例においては、ビームの反射点が3箇所の場合を示したが、4ヶ所あるいは5箇所から反射される場合も同様に代表値を決定することができる。その場合、代表値決定に用いるピークの数はPa 、Pb の2つではなく、3又はそれ以上となることもある。
【0048】
次に、参考例としてペアリングの方法を説明する。
【0049】
FM−CW方式レーダは三角波状の周波数変調された連続の送信波を出力してターゲットである前方の車両との距離を求めている。即ち、レーダからの送信波が前方の車両で反射され、反射波の受信信号と送信信号とのビート信号(レーダ信号)を得る。このビート信号を高速フーリエ変換して周波数分析を行う。周波数分析されたビート信号はターゲットに対してパワーが大きくなるピークが生じるが、このピークに対応する周波数をピーク周波数と呼ぶ。ピーク周波数は距離に関する情報を有し、前方車両との相対速度によるドップラ効果のために、前記三角波形状のFM−CW波の上昇時と下降時とではこのピーク周波数は異なる。そして、この上昇時と下降時のピーク周波数から前方の車両との距離及び相対速度が得られる。また、前方の車両が複数存在する場合は各車両に対して一対の上昇時と下降時のピーク周波数が生じる。この上昇時と下降時の一対のピーク周波数を形成することをペアリングという。
【0050】
トラックのような大型車両からは複数のビームが反射され、同じ車両であっても反射点までの距離は図12、図13に示すように異なっている。そのため、同じ反射点から反射されたビームに基づいて上昇区間及び下降区間の信号をペアリングし、各反射点毎に距離と相対速度を検出しなければならない。そこで、本発明ではどのようにペアリングを行うかを図20を参照して説明する。図20は、横軸がターゲットから反射した信号のピークの角度を、縦軸がピーク周波数をそれぞれ表したグラフである。
(1)まず、同一のターゲットから反射されたビームに基づいて生成された信号のうち、上昇区間及び下降区間において受信レベルが最大の信号(Pmax)を取り出してペアリングする。即ち、図20(a)に示す上昇区間における信号のうち最大レベルの信号Pu-max、及び図20(b)に示すように下降区間における最大レベルの信号Pd-maxを取り出す。そして、Pu-maxとPd-maxをペアリングする。
(2)次に、Pmaxからの角度と周波数の差がほぼ同じ位置にあるピーク信号を、上昇区間と下降区間からそれぞれ取り出す。例えば、上昇区間におけるPu-maxからピークPCへのベクトルをαとし、下降区間におけるPd-maxからピークPFへのベクトルをaとすると、α≒aであればPCとPFは同じ点から反射されたビームに基づく信号としてペアリングを行う。
(3)PDとPGについては、β≒bであればPDとPGは同じ点から反射されたビームに基づく信号としてペアリングを行う。
(4)PEとPMについても、γ≠cであるので、この方法によるペアリングは行わず、通常のペアリング処理を行う。
【0051】
次に、図20で説明したペアリング処理において、より正確にペアリング処理する方法について、図21のグラフ及び図22のフローチャートを参照して説明する。
【0052】
図21において、横軸は角度であり、縦軸は周波数である。そして、(a)に示す上昇区間における信号のうち最大レベルの信号Pu-max、及び(b)に示す下降区間における最大レベルの信号Pd-maxを取り出してペアリングする。
【0053】
図21において、Pu-max及びPd-maxに基づいて範囲R1とR1より広い範囲R2を規定し、まず上昇区間における範囲R1にピークが存在するかどうかを検索し、ピークが存在すればそのピークの周波数fup1と角度θup1を求め(S1)、これを図21(a)に示すようにPC としてプロットする。
【0054】
なお、範囲R1とR2は適宜規定する。
【0055】
次に下降区間の範囲R1に、PC とほぼ同じ角度を持ったピークが存在するかどうか判断し(S2)、存在すれば(Yes)そのピークPFの周波数fdw1を求める。そしてfup1とfdw1の差が次の範囲にあるかどうか判断する(S3)。
【0056】
ΔF−x≦|fup1−fdw1|≦ΔF+x
上式でΔFはPu-maxとPd-maxの周波数の差であり、xはあらかじめ設定した値である。この式は、fup1とfdw1の差がPu-maxとPd-maxの周波数の差より大きくてよいことを意味している。即ち、範囲R1に存在するピークの場合には、fup1とfdw1との差をΔFよりも多少広く取っても正確なペアリングをすることができるためであり、上記式においてxの値は正確なペアリングができる範囲で適宜設定する。
【0057】
そして、上記式で示した条件が成立すれば(Yes)、PC とPF をペアリングする(S4)。
【0058】
次に、S2又はS3でNoの場合、上昇区間の範囲R2に範囲R1で検索されたピーク以外のピークが存在するかどうか検索し、存在すれば周波数fup2と角度θup2を求め(S5)、これを図21(a)に示すようにPD としてプロットする。
【0059】
次に、下降区間の範囲R2にPD とほぼ同じ角度を持ったピークが存在するかどうか判断し(S6)、存在すれば(Yes)そのピークPG の周波数fdw2を求める。そしてfup2とfdw2の差が次の範囲にあるか判断する(S7)。
【0060】
ΔF−y≦|fup2−fdw2|≦ΔF+y
yはxと同様にあらかじめ設定した値である。しかし、この場合は範囲R1より広い範囲R2に存在するピークを組み合わせてペアリングするので、範囲R1におけるピークを組み合わせる場合より条件を厳しくし、y<xとする。このようにすることにより広い範囲R2に存在するピークを組み合わせた場合でも、誤まったペアリングを避けることができる。
【0061】
そして、上記式で示した条件が成立すれば(Yes)PD とPG をペアリングする(S8)。
【0062】
なお、S6又はS7でNoの場合にはペアリングを行なわずに終了する。
【0063】
以上の実施例の説明では大型車両がターゲットである場合について説明したが、受信レベルに複数のピークが現れるのは必ずしも大型車両に限られるものではない。また、同一ターゲットの距離が異なる複数の箇所からビームが反射されるのも必ずしも大型とは限らない。従って、本発明においてターゲットは大型車両に限定されるものではない。
【0064】
次に、本発明の方法をフローチャートによって説明する。
【0065】
図23、図24は、上記本発明の実施例を含むフローチャートの例である。図のフローチャートにおいて、各ステップにおける制御及び判定は図1の信号処理回路3により行われる。
【0066】
まず、S1においてほぼ同じ周波数を持ったピークのグループ化を行う。自車からの距離が同じターゲットの場合、ピーク周波数はほぼ同じとなる。例えば、大型車両の場合、距離が異なる複数の箇所からビームが反射され複数のピークが発生する。そのため、ほぼ同じピーク周波数を有したピークのグループ化を行う。
【0067】
次に、S2において上記グループ化したピークの受信レベルが所定の値(閾値)以上であるかどうか判定する。これは大型車両の場合、検出されたピークのレベルは高くなるのでこのような判断をしている。S2においてYesであれば、上記ほぼ同一の周波数を持ったピークの検出角度が所定の範囲内にあるかどうか判定する(S3)。これは例えば、グループ化されたピークの両端のピーク間の検出角度の範囲が所定の範囲であるかどうかで判定する。S3でYesであれば、S4に進み、これらピークの受信レベルの差が所定の値(閾値)以内であるかどうか判定する。これは受信レベルの差があまりないピークをまとめるためである。S4でYesであれば、再グループ化処理を行う。即ち、同一ターゲットのピークとしてまとめる(S5)。
【0068】
次に、再グループ化処理されまとめられたピークの受信レベルの差が小さいかどうか判定する(S6)。この場合、受信レベルの差はS4で設定した差より小さい値とする。ピークの受信レベルの差が小さく、ほぼ同じレベルであれば(Yes)、同一のターゲット、例えば大型トラックやバスの後部から複数のビームが同じ強度で反射されていると考えられるので、再グループ化処理されたピークの内、最も左側のピークの角度と最も右側のピークの角度の中心の角度をターゲットの角度とする(S7)。一方、再グループ処理されまとめられたピークの受信レベルの差が大きい場合、例えば大きなピークが1本あり、その両側に小さなピークが存在するような場合、大きなピークである最大ピークの角度をターゲットの角度とする(S8)。
【0069】
一方、S2、S3、S4においてNoの場合、即ち、受信レベルが所定の値以上でなく、ほぼ同じピーク周波数を持ったピークの検出角度がある範囲内になく、又は受信レベルの差が所定の値以内でない場合、これらのピークは異なるターゲットからのピーク、あるいは同じターゲットからであっても距離の異なる部分、例えば前方ミラー部分と後部尾灯付近からのピークである可能性がある。そのため、これらのピークは再グループ処理せずS9に進む。
【0070】
次にS9において、再グループ化された複数のピーク、又はS1においてグループ化された複数のピークについて、上昇時と下降時のピーク周波数をペアリングし、S10において複数のビームを反射したターゲットの各部分までの距離、相対速度、検出角度、及び自車が走行しているレーンから横方向へのズレの長さをそれぞれ求める。ペアリングは例えば、先に図20−22を参照して説明したように行う。また、上記ズレの長さは先に図12−14を参照して説明したようにして求める。そして、S11において、ターゲットのデータの連続性を保つために過去のデータの引継ぎ処理を行う。
【0071】
次にS12において、各部について求めた距離、相対速度、及び自車が走行しているレーンから横方向へのズレの長さの差が所定の値(閾値:Δr、Δv、Δl)以下であるかどうかを判定する。S12において各ピークに基づいて求めたターゲットの各部の距離、相対速度、角度、及びレーンから横方向へのズレの差が所定の値の範囲内にあれば(Yes)、これらのピークは同じターゲットのピークであると考えられるので、大型車両であるとの判定カウントを行う。即ち、+1をカウントする(S13)。このカウントは各フロー毎に行われる。そして、S14において上記大型車両判定カウント数が所定値以上であるかどうか判定される。これは、S12において大型車両と判定される要件を、大型車両でないにもかかわらず、例えば並行して前方を走行している2台の車両からの複数のピークがたまたま上記要件を満たしている場合が考えられ、1回の判定で必ずしも大型車両とは判定できないためである。S14でカウント数が所定値以上である場合(Yes)、大型車両であると判定される(S15)。しかし、カウント値が所定値以上になっていない場合(No)フローは終了し、次回のフローに進む。
【0072】
次に、大型車両と判定された複数のピークのうち、車両の前部等の距離が遠い部分、例えばミラー位置付近から反射されたビームに基づくピークから求めた距離や相対速度の出力は除く(S16)。言い換えれば、距離の最も近い反射点からのピークの角度をターゲットの角度とする。そして、車両の後部から反射されたビームに基づくピークから求めたターゲットの位置を制御対象位置とする。しかし、ターゲットの位置が隣接レーンであると判断された場合、この大型車両の検出角度を、図16に示すように外側に来るように補正し(S17)、フローを終了する。なお、ターゲットが隣接レーンのものかどうかは、先に図12−14を参照して説明した方法によって判定できる。
【0073】
一方、S12においてNoの場合、即ち、各ピークに基づいて求めたターゲットの各部の距離、相対速度、角度、及びレーンから横方向へのズレの差が所定の値の範囲内になく、それぞれの距離や相対速度等の差が所定の値を超えていた場合、S18に進む。そして、前記所定の範囲(閾値)を広げて別の閾値(Δr′、Δv′、Δl′)で再度判定を行う。S18において判定の結果、再度要件を満たさない場合(No)、大型車両判定カウンタを−1とする(S19)。次に大型車両判定カウンタが0かどうか判定し(S20)、Yesであれば大型車両判定を解除する(S21)。なお、S18において要件を満たす場合(Yes)、及びS20においてカウンタが0でない場合(No)は、大型車両判定を解除せずにこの回のフローを終了する。
【0074】
図25は、先に参考例として図17,18を参照して説明した方法を示すフローチャートの例である。図25のフローチャートは、図24のフローチャートのステップS13−S17をステップS30−S34に置き換えたものである。
【0075】
図25のS30において、複数のピークが同じターゲットからのピークであると判定された場合、即ち、図24のフローチャートのS12においてYesと判断された場合、この参考例によればこれら複数のピークのそれぞれから得られた距離のうち最小の距離を代表値として採用する(S31)。次に、複数のピークのそれぞれから得られた相対速度の平均値を求め、これを代表値として採用する(S32)。また、ターゲットの幅に関しては、複数のピークの内両端に現れたピークの角度を求め、その角度からターゲットの両端の間隔を求めて代表値として採用する(S33)。さらに、両端のピークの角度から中間点の角度を求め、横位置の代表値として採用する(S34)。
【0076】
図26は、先に参考例として図19を参照して説明した方法を示すフローチャートの例である。図26のフローチャートは、図25のフローチャートのステップS33、S34の変形である。
【0077】
図26のS30、S31、S32は図25と同じであり、最小の距離と相対速度の平均値を代表値として採用している。一方、S40において、複数のピークのうち、最も近い反射箇所及び該箇所から所定の範囲内の箇所から反射されたビームによるピークのみを選択する(S40)。そして、選択されたピークのうち、両端に現れたピークの角度を求め、その角度からターゲットの両端の間隔を求めて代表値として採用する(S41)。次に、S41で求めた間隔の中間点をターゲットの横位置、即ち、ターゲットの中心の代表値として採用する(S42)。
【0078】
【発明の効果】
本発明によれば、反射信号によるピークが複数発生した場合でも、ターゲットのほぼ中心位置を特定することができる。また、同一のターゲットの距離の異なる箇所から複数のビームが反射されたとしても、同一のターゲットであるかどうか識別できるので、ターゲットの数を誤認することなく車両制御することができる。また、そのターゲットが自車レーンを走行しているか、または隣接レーンを走行しているかが識別できる。
【0079】
また、同一ターゲットから反射されるビームによるピークが複数ある場合でも、これらのピークから距離、相対速度、横幅、横位置の代表値を決定し、的確な制御を行うことができる。
【0080】
さらに、同一のターゲットの距離の異なる箇所から反射したビームによる信号をペアリングする場合、効率よく正確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の方法に用いる車間距離制御装置の構成の概要を示した図である。
【図2】 図1の信号処理回路3の構成を示したものである。
【図3】 ターゲットとの相対速度が0の場合のFM−CWレーダの原理を説明するための図である。
【図4】 ターゲットとの相対速度がvの場合のFM−CWレーダの原理を説明するための図である。
【図5】 FM−CWレーダの構成の例を示した図である。
【図6】 先行車両が大型車両である場合のビームの発射状況を示した図である。
【図7】 大型車両から反射されたビームによるピークのレベルを示したものである。
【図8】 大型車両から反射されたビームによるピークを特定の角度範囲でまとめる場合の例を示した図である。
【図9】 特定の角度範囲をどのように決定するかを説明するための図である。
【図10】 ピークが3つ以上ある場合にターゲットの角度をどのように決めるかを説明するための図である。
【図11】 最大ピークと別のピークの差が大きい場合にターゲットの角度をどのように決めるかを説明するための図である。
【図12】 直線路において大型車両が隣接レーンを走行している場合を示す。
【図13】 カーブにおいて大型車両が隣接レーンを走行している場合を示す。
【図14】 カーブにおいて隣接レーンを走行する車両が自車線のセンターラインから横方向にどの程度ズレているか計算するための図である。
【図15】 大型車両が隣接レーンの前方を走行している場合を示した参考図である。
【図16】 隣接レーンを走行する車両の位置をどのように補正するかを示した参考図である。
【図17】 自車Aから前方の車両Bにビームを発射し、車両Bの異なる箇所でビームが反射された場合を示した参考図である。
【図18】 本発明を説明するために示した、図17の車両B部分の拡大参考図である。
【図19】 本発明を説明するために示した、図17の車両B部分の拡大参考図である。
【図20】 参考例としてペアリングの方法を説明するための参考図である。
【図21】 参考例としてペアリングの方法を説明するための参考図である。
【図22】 参考例としてペアリングの方法を示すフローチャートである。
【図23】 本発明の実施例を示すフローチャートである。
【図24】 本発明の実施例を示すフローチャートである。
【図25】 参考例として代表値決定の方法を示すフローチャートである。
【図26】 参考例として代表値決定の方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…レーダアンテナ
2…走査機構
3…信号処理回路
4…ステアリングセンサ
5…ヨーレートセンサ
6…車速センサ
7…車間距離制御ECU
8…警報機
9…ブレーキ
10…スロットル
11…走査角制御部
12…レーダ信号処理部
13…制御対象認識部
21…変調信号発生器
22…電圧制御発振器
23…周波数変換器
24…ベースバンドフィルタ
25…A/D変換器
26…CPU
A…自車
B…先行車両

Claims (10)

  1. スキャン式FM−CWレーダの信号処理方法であって、ターゲットから反射されたレーダ信号に基づいて生成されたピークのうちピーク周波数がほぼ同じレベルで受信レベルが所定値以上のピークを選択し、該選択されたピークが複数である場合、最も左側と最も右側のピークの角度からこれらの中心の角度を求め、得られた中心の角度をターゲットの角度とする、スキャン式FM−CWレーダの信号処理方法。
  2. 前記選択されたピーク数が2の場合、最大ピークから所定の角度範囲にあるピークの角度を求め、該ピークの角度と前記最大ピークの角度との間の中心の角度を求め、得られた該中心の角度をターゲットの角度とする、請求項1に記載のスキャン式FM−CWレーダの信号処理方法。
  3. 前記最大ピークと最大ピークから所定の角度範囲にある前記ピークとの受信レベルの差が所定値以下の場合のみ、前記中心の角度をターゲットの角度とする、請求項2に記載のスキャン式FM−CWレーダの信号処理方法。
  4. 前記最大ピークと最大ピークから所定の角度範囲にある前記ピークとの受信レベルの差が所定値より大きい場合、前記最大ピークの角度をターゲットの角度とする、請求項2に記載のスキャン式FM−CWレーダの信号処理方法。
  5. 前記選択されたピーク数が3以上の場合、該3以上のピークのうち最大ピークとそれ以外のピークとの受信レベルの差が所定値以下の場合のみ、前記中心の角度をターゲットの角度とする、請求項1に記載のスキャン式FM−CWレーダの信号処理方法。
  6. 前記選択されたピーク数が3以上の場合、該3以上のピークのうち最大ピークとそれ以外のピークとの受信レベルの差が所定値より大きい場合、前記最大ピークの角度をターゲットの角度とする、請求項1に記載のスキャン式FM−CWレーダの信号処理方法。
  7. 前記選択されたピーク数が3以上の場合、該3以上のピークのうち最大ピークとそれ以外のピークとの受信レベルの差が所定値以下の場合、前記最大ピークと前記複数のピークのうち、最も左側と最も右側のピークの角度からこれらの中心の角度を求め、得られた中心の角度をターゲットの角度とする、請求項1に記載のスキャン式FM−CWレーダの信号処理方法。
  8. 前記選択された複数のピークについてペアリングを行い、ターゲットの各反射点からの距離、相対速度、及びレーダの進行方向に沿って延長された線に対してターゲットの反射点から下ろした垂線の長さであるズレの長さを検出し、検出された各反射点からの距離、相対速度、及びズレの長さの差がいずれも所定値以下である場合、前記複数のピークは同一ターゲットのピークであると判定する、請求項1に記載のスキャン式FM−CWレーダの信号処理方法。
  9. 前記同一ターゲットは大型車両であると判定する、請求項8に記載のスキャン式FM−CWレーダの信号処理方法。
  10. 前記ズレの長さが所定値より大きい場合、前記ターゲットは隣接レーンを走行していると判定する、請求項8に記載のスキャン式FM−CWレーダの信号処理方法。
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