JP4063433B2 - 光ピックアップ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスク等の記録媒体にレーザ光を照射して戻り光による記録情報の読み取りを行う光ピックアップ装置に係り、特に、半導体レーザに一体化された回折格子によりレーザ光が主ビームと副ビームとに分離されるようになっている光ピックアップ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の光ピックアップ装置においては、レーザ光を主ビームと副ビームとに分離する回折格子を一体化した半導体レーザ(発光素子)がリジッドな回路基板に実装されており、この回路基板はピックアップ本体の後端面に配設されている。回路基板は光ピックアップ装置の組立途中においてピックアップ本体に対して回転可能に取り付けられているが、組立工程の最終段階で、半導体レーザから回折格子を介して出射されたレーザ光を記録媒体に照射し、その戻り光に基づいて各ビームの情報トラックに対する位置ずれを調べ、各ビームの位置補正が必要な場合には回路基板を面内方向に適宜回転させて調整した後、回路基板は接着剤等によりピックアップ本体に固定される。なお、受光素子については、発光素子と同じユニット内に実装する場合と、ピックアップ本体の別の回路基板に実装する場合とがある。
【0003】
また、この種の光ピックアップ装置には、半導体レーザの出力調整等を行うための可変抵抗器やチップ部品等の各種電子部品が必要であり、従来、これらの電子部品を発光素子と同じ回路基板に実装した構成のものが知られている。しかしながら、これらの電子部品には相応の実装スペースが要求されるので、発光素子と同じ回路基板に実装しようとすると該回路基板の大型化が余儀なくされ、光ピックアップ装置の高さ寸法や幅寸法が不所望に増大してしまうという難点があり、また、実装密度を極力高めて該回路基板の大型化を抑えようとすると、大幅なコストアップが避けられないという問題が発生する。
【0004】
そこで、光ピックアップ装置を大型化することなく可変抵抗器等の各種電子部品を無理なく実装するため、近年、これらの電子部品を別のリジッドな回路基板に実装すると共に、該回路基板をピックアップ本体の後端面を除く上面や下面あるいは側面等に配設し、この回路基板と発光素子搭載用の回路基板とをフレキシブルプリント基板で接続するという手法が採用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、半導体レーザを実装した第1の回路基板とは別に、半導体レーザの出力調整等を行うための電子部品を実装した第2の回路基板を設けるという前記従来技術においては、この第2の回路基板をピックアップ本体の上面や下面に配設した場合、光ピックアップ装置の薄型化が損なわれるという問題がある。また、第2の回路基板をピックアップ本体の側面に配設した場合、光ピックアップ装置の幅寸法の増大もさることながら、副ビームの位置補正を行うために第1の回路基板を回転調整すると、それに伴ってフレキシブルプリント基板と第2の回路基板も回転してしまい、これらフレキシブルプリント基板と第2の回路基板がピックアップ本体から上下方向にせり出してしまうので、やはり光ピックアップ装置の薄型化を損なう恐れがある。さらに、半導体レーザを実装した回路基板は、回転調整可能な状態で保持するために押えばねを用いてピックアップ本体に押え付けられているが、取り扱い時にこの押えばねを誤って加圧して塑性変形させてしまうことがあるので、該回路基板の回転調整前の取付強度が不所望に低下する恐れがあった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、半導体レーザの出力調整等を行うための電子部品が実装されている第2の回路基板を、半導体レーザを実装した第1の回路基板の背面に所定間隔を存して対向配置し、両回路基板をフレキシブルプリント基板で接続すると共に、このフレキシブルプリント基板を第1および第2の回路基板の一方の上端部と他方の下端部との間に配置することとした。このように構成すると、光ピックアップ装置の高さ寸法や幅寸法を増大させることなく、十分な実装スペースを有する第2の回路基板を設けることができるので、光ピックアップ装置に要求される小型薄型化を安価に実現することが可能となる。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明による光ピックアップ装置では、第1の回路基板に半導体レーザを実装すると共に、この半導体レーザにレーザ光を主ビームと副ビームに分離する回折格子を一体化し、第2の回路基板に前記半導体レーザの出力調整等を行うための電子部品を実装し、前記半導体レーザから前記回折格子を介して出射されたレーザ光を記録媒体に照射したとき、前記主ビームの戻り光により記録情報が読み取り可能で、且つ前記副ビームの戻り光により情報トラックに対する前記主ビームの位置ずれが検知可能となるように構成された光ピックアップ装置において、ピックアップ本体の一端面に前記第1の回路基板を配設すると共に、前記第2の回路基板を前記第1の回路基板の外側に所定間隔を存して対向保持し、これら第1および第2の回路基板を前記所定間隔内に配置したフレキシブルプリント基板にて電気的に接続し、このフレキシブルプリント基板を前記第1および第2の回路基板の一方の上端部と他方の下端部との間に配置した。
【0008】
このように構成すると、第1の回路基板の回転調整時の動きがフレキシブルプリント基板によって吸収されるため、第2の回路基板が共回りしてピックアップ本体から上下方向にせり出すことはなく、光ピックアップ装置の高さ寸法や幅寸法が増大することを防止でき、しかも、フレキシブルプリント基板を第1および第2の回路基板の一方の上端部と他方の下端部との間に架け渡して配置したので、このフレキシブルプリント基板に撓み余裕を持たせても、ピックアップ本体の上下方向に突出することがない。
【0009】
前記第2の回路基板はピックアップ本体に一体的に設けた取付部に固定することもできるが、ピックアップ本体に第1の回路基板とフレキシブルプリント基板を覆う取付カバーを固定し、この取付カバーに第2の回路基板を固定すると、第1の回路基板の回転調整作業等の取り扱い時に、第1の回路基板を押えている押えばねを誤って塑性変形させてしまう恐れがなくなると共に、該回路基板の回転調整時に、フレキシブルプリント基板の上方へのせり出しが確実に防止できるので好ましい。
【0010】
【実施例】
実施例について図面を参照して説明すると、図1は光ピックアップ装置を一部破断して示す斜視図、図2は光ピックアップ装置の外観図、図3は光ピックアップ装置の分解斜視図、図4は第1の回路基板と第2の回路基板の接続状態を示す説明図、図5は光ピックアップ装置の動作説明図である。
【0011】
これらの図において、符号1で総括的に示す光ピックアップ装置は、対物レンズ3や反射鏡4等が内蔵されたピックアップ本体2と、受発光素子6が実装された第1の回路基板5と、可変抵抗器7やチップ部品8等が実装された第2の回路基板9と、第1の回路基板5と第2の回路基板9を電気的に接続するフレキシブルプリント基板10と、第1の回路基板5をピックアップ本体2に保持する押えばね11と、第2の回路基板9を保持してピックアップ本体2に固定された金属板製の取付カバー12とを備えている。
【0012】
第1の回路基板5はコ字状の押えばね11によってピックアップ本体2の後端面に押し付けられており、後述する調整作業時は面内方向に回転可能であるが、調整後は接着剤等を用いてピックアップ本体2の後端面に固定されている。第1の回路基板5に実装された受発光素子6は、レーザ光を出射する半導体レーザと、半導体レーザの先端部に取り付けられてレーザ光を主ビームと副ビームとに分離する回折格子と、戻り光を受光する受光素子とを一体化した光学部品であり、第2の回路基板9に実装された可変抵抗器7やチップ部品8等は、半導体レーザの出力調整等を行うための電子部品である。図4に示すように、第1の回路基板5と第2の回路基板9は幅方向に間隙を介して配置された一対の連結用のフレキシブルプリント基板10によって電気的に接続されており、第2の回路基板9は外部導出用のフレキシブルプリント基板13を介して図示せぬ外部回路と電気的に接続される。なお、前記押えばね11は一対のフレキシブルプリント基板10,10間の間隙を通ってピックアップ本体2の上下面に延びている。
【0013】
取付カバー12の両側縁に脚片12aが折り曲げ形成されており、これら脚片12aをピックアップ本体2の突起2aにスナップインすることにより、取付カバー12はピックアップ本体2に固定されている。取付カバー12の後端に支持面12bが直角に折り曲げ形成されており、第2の回路基板9はこの支持面12bの下端の係止部12cに係止され且つ接着剤等を用いて固定されている。これにより、第2の回路基板9は第1の回路基板5の外側に所定間隔を存して平行に保持され、これら第1および第2の回路基板5,9間にフレキシブルプリント基板10が撓められた状態で収納されると共に、第1の回路基板5と押えばね11およびフレキシブルプリント基板10が取付カバー12によって覆われる。なお、取付カバー12の支持面12bが一対のフレキシブルプリント基板10,10間の間隙を通って下方へ延び、受発光素子6の後面全体を覆っているので、この受発光素子6の静電気による破壊が防止される。また、フレキシブルプリント基板10,10は第1および第2の回路基板5,9の一方の上端部と他方の下端部を接続するように斜めに配置されているので、このフレキシブルプリント基板10,10に撓み余裕を持たせても、フレキシブルプリント基板10,10がピックアップ本体2の上下方向へ大きく突出することがなく、光ピックアップ装置1の薄型化を妨げることがない。
【0014】
このように構成された光ピックアップ装置1は、組立工程の最終段階で、受発光素子6の半導体レーザから回折格子を介して出射されたレーザ光を記録媒体に照射し、副ビームの戻り光に基づいて情報トラックに対するこの副ビームのビームスポットの位置ずれが調べられる。ここで、副ビームの位置補正が必要な場合には、図1の矢印で示すように、第1の回路基板5を面内方向に適宜回転させて調整した後、接着剤等により該第1の回路基板5をピックアップ本体2の後端面に固定して組立が完了する。かかる第1の回路基板5の調整時に、第1の回路基板5の回転はフレキシブルプリント基板10が変形することによって吸収されるため、取付カバー12の支持面12bに固定された第2の回路基板9に回転力はほとんど作用せず、第2の回路基板9が第1の回路基板5と共回りすることはない。
【0015】
そして、組立完了後の光ピックアップ装置1はCDやMD等の光ディスクプレーヤに組み込まれ、図5に示すように、受発光素子6の半導体レーザから回折格子を介して出射されたレーザ光Lが、反射鏡4にて反射されて対物レンズ3を通過し、この対物レンズ3で収束されたレーザ光Lが光ディスクD等の記録媒体の情報トラックに照射されるようになっている。
【0016】
このように上記実施例では、半導体レーザの出力調整等を行うために必要な可変抵抗器7やチップ部品8等の電子部品が第2の回路基板9に実装されており、この第2の回路基板9を第1の回路基板5の外側に所定間隔を存して対向配置すると共に、この間隔内で両回路基板5,9をフレキシブルプリント基板10により接続しているので、第1の回路基板5の調整時の回転がフレキシブルプリント基板10によって吸収され、第2の回路基板9が共回りしてピックアップ本体2の上下面よりもせり出ることを防止できる。このため、第2の回路基板9に十分な実装スペースを確保しているにも拘らず、光ピックアップ装置1の高さ寸法や幅寸法の増大が回避され、光ピックアップ装置1に要求される小型薄型化を安価に実現することができる。なお、奥行き寸法は若干増大しているが、光ピックアップ装置1においては奥行き寸法の制約は比較的少ないので、支障をきたす心配はない。
【0017】
また、上記実施例では、第2の回路基板9を保持する取付カバー12によって第1の回路基板5と押えばね11およびフレキシブルプリント基板10を覆っているので、第1の回路基板5の回転調整時や搬送時等の取り扱い時に、第1の回路基板5を押えている押えばね11を誤って塑性変形させてしまう恐れがなく、回転調整前に懸念される第1の回路基板5の取付強度の不所望な低下を防止できると共に、第1の回路基板5の回転調整時に、フレキシブルプリント基板10の上方へのせり出しを取付カバー12によって確実に防止することができる。
【0018】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0019】
第1の回路基板に半導体レーザを実装すると共に、この半導体レーザにレーザ光を主ビームと副ビームに分離する回折格子を一体化し、第2の回路基板に前記半導体レーザの出力調整等を行うための電子部品を実装し、前記半導体レーザから前記回折格子を介して出射されたレーザ光を記録媒体に照射したとき、前記主ビームの戻り光により記録情報が読み取り可能で、且つ前記副ビームの戻り光により情報トラックに対する前記主ビームの位置ずれが検知可能となるように構成された光ピックアップ装置において、回折格子を一体化した半導体レーザと半導体レーザの出力調整等を行うための電子部品とを第1および第2の回路基板に振り分けて実装し、ピックアップ本体の一端面に第1の回路基板を配設すると共に、第2の回路基板を第1の回路基板の外側に所定間隔を存して対向保持し、これら第1および第2の回路基板を両者間に配置したフレキシブルプリント基板にて電気的に接続し、このフレキシブルプリント基板を前記第1および第2の回路基板の一方の上端部と他方の下端部との間に配置すると、第1の回路基板の回転調整時の動きがフレキシブルプリント基板によって吸収されるため、第2の回路基板が共回りしてピックアップ本体から上下方向にせり出すことはなく、しかも、フレキシブルプリント基板に撓み余裕を持たせてもピックアップ本体の上下方向に突出することがなく、その分、光ピックアップ装置の高さ寸法や幅寸法が増大することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光ピックアップ装置を一部破断して示す斜視図である。
【図2】光ピックアップ装置の外観図である。
【図3】光ピックアップ装置の分解斜視図である。
【図4】第1の回路基板と第2の回路基板の接続状態を示す説明図である。
【図5】光ピックアップ装置の動作説明図である。
【符号の説明】
1 光ピックアップ装置
2 ピックアップ本体
5 第1の回路基板
6 受発光素子
7 可変抵抗器
8 チップ部品
9 第2の回路基板
10 フレキシブルプリント基板
11 押えばね
12 取付カバー
Claims (2)
- 第1の回路基板に半導体レーザを実装すると共に、この半導体レーザにレーザ光を主ビームと副ビームに分離する回折格子を一体化し、第2の回路基板に前記半導体レーザの出力調整等を行うための電子部品を実装し、前記半導体レーザから前記回折格子を介して出射されたレーザ光を記録媒体に照射したとき、前記主ビームの戻り光により記録情報が読み取り可能で、且つ前記副ビームの戻り光により情報トラックに対する前記主ビームの位置ずれが検知可能となるように構成された光ピックアップ装置において、
ピックアップ本体の一端面に前記第1の回路基板を配設すると共に、前記第2の回路基板を前記第1の回路基板の外側に所定間隔を存して対向保持し、これら第1および第2の回路基板を前記所定間隔内に配置したフレキシブルプリント基板にて電気的に接続し、このフレキシブルプリント基板を前記第1および第2の回路基板の一方の上端部と他方の下端部との間に配置したことを特徴とする光ピックアップ装置。 - 請求項1の記載において、前記ピックアップ本体に前記第1の回路基板と前記フレキシブルプリント基板を覆う取付カバーを固定すると共に、この取付カバーに前記第2の回路基板を固定したことを特徴とする光ピックアップ装置。
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- 1999-01-12 JP JP00551599A patent/JP4063433B2/ja not_active Expired - Fee Related
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