JP4063410B2 - 多針刺繍ミシンの休止上糸保持装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、多針刺繍ミシンに設けられ、各針が刺繍縫いを休止したときに、その針に通っている上糸を該針の後方へはらい上げて保持する休止上糸保持装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
多針刺繍ミシンにおいては、図4及び図5に示すように、刺繍ヘッド51の複数本の針52から選択される1本の針52を縫製位置に配置して刺繍縫いを行なわせる。そして、その針52が刺繍縫いを休止したときに、針52に通っている上糸53を釜54の近傍に設けた糸切断装置67で切断し、該上糸53を針52の後方に設けた上糸はらい装置55で引っ掛けて針52の下方から後方へはらい上げ、該上糸53が針52から後方へ所定長だけ延びた所で、上糸53の切断端部付近を針52の後方に設けた上糸保持具56で保持するようにしている。これは、切断した上糸53が加工布57の上に垂れていると、縫製位置に配置された次の針(図示略)によって加工布57に縫込まれてしまうので、その縫込みを防ぐためである。
【0003】
上糸保持具56は、図5及び図6に示すように、上下一対の保持板58と、各保持板58の対峙面に植設された多数本の毛状体59と、下側の保持板58の左右両端に設けられた取付ブラケット60とを備え、取付ブラケット60において刺繍ヘッド51にネジ61で取付けられている。上下一対の保持板58は、その間に介されたスペーサ62により所定間隔に対峙した状態で、ネジ63で互いに止められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、加工布57が刺繍枠64に対してあまり大きくなく、かつ、腰の強い生地又は厚い生地である場合に、その加工布57が刺繍枠64に挟持されると、加工布57の周縁部57aが起立するため、その起立した周縁部57aが、刺繍枠64の駆動に伴い、針52から後方へ延びている上糸53の後延部分53aを引っ掛けて、上糸53を上糸保持具56から脱落させることがあり、上記縫込みが発生していた。
【0005】
そこで、本発明の目的は、刺繍枠に挟持されて起立した加工布の周縁部が、針の後方へはらい上げられている上糸を上糸保持具から脱落させる不具合を防止することができる多針刺繍ミシンの休止上糸保持装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明では、複数本の針から選択される1本の針を縫製位置に配置して刺繍縫いを行なわせる多針刺繍ミシンに設けられ、該針が刺繍縫いを休止したときに該針に通っている上糸を該針の下方から後方へはらい上げる上糸はらい部材と、はらい上げられた該上糸が該針から後方へ所定長だけ延びた所で該上糸の切断端部付近を保持する上糸保持具とを備えた休止上糸保持装置において、前記上糸保持具から延びる保護板と、複数本の前記針の各間の後方に位置するように設けられた複数の保護突片とからなり、刺繍枠に挟持されて起立した加工布の周縁部が前記針から後方へ延びている前記上糸の後延部分を引っ掛けないよう、該後延部分の直ぐ下方に位置して上糸を保護する上糸保護部材を設け、複数の前記保護突片の各間が、前記上糸はらい部材の通過を許容する通過許容部となっていることを特徴としている。
【0007】
上糸保護部材は、上糸保持具とは独立して設けられたものでもよいが、部品点数削減の点で、上糸保持具から前方へ突設されたものが好ましく、さらに上糸保持具に一体形成されたものが好ましい。
【0008】
また、通過許容部が、上糸保持具より下にあることが好ましい。通過許容部としては、切欠、穴等を例示できる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、この発明を具体化した多針刺繍ミシンの一実施形態を図1〜図3に基づいて説明する。多針刺繍ミシンのアーム1には刺繍ヘッド2が左右方向にスライド可能に支持されている。刺繍ヘッド2には複数本の針棒4が左右方向に等間隔をおいて上下動可能に配列され、各針棒4には針5及び布押え6が取付けられている。刺繍ヘッド2の前面には糸保持エプロン7が装着され、該糸保持エプロン7には各針5に通された上糸8を必要時につかむ糸つかみ装置9が針5等と同数だけ設けられている。
【0010】
刺繍ヘッド2の下方に設けられたベッド10の上では、加工布11を展張した刺繍枠12が駆動装置(図示略)によって水平面内で前後左右に駆動されるようになっている。ベッド10には針板13が設けられ、該針板13の下側には糸切断装置14及び釜15が配設されている。上糸8は糸巻から糸調子皿、天秤(いずれも図示略)等を介して糸保持エプロン7に挿通され、そこから針5、布押え6、針板13を経て釜15に供給されている。そして、刺繍ヘッド2の左右スライドに伴い複数本の針5から選択された1本の針5を縫製位置に配置し、該縫製位置の針5と釜15との協働により、加工布Wに刺繍縫いを行なうようになっている。
【0011】
針棒4の後方においてアーム1には、縫製位置の針5が刺繍縫いを休止したときに該針5に通っている上糸8を針5の下方から後方へはらい上げるための上糸はらい装置17が、前下がりに傾斜した姿勢で取付具16により取付けられている。この傾斜は、針5の後方のスペースを拡大するためである。
【0012】
上糸はらい装置17は、アーム1に固定されたガイド部材18と、ガイド部材18のガイド溝に摺動可能に挿通された細長板状の上糸はらい部材19と、ガイド部材18の上端に取付けられたロータリーソレノイド20と、ロータリーソレノイド20の回転運動を上糸はらい部材19の直線運動に変換するリンク機構21とからなり、上糸はらい部材19の前端にはフック状の引掛部22が形成されている。
【0013】
刺繍ヘッド2の後部には、上糸はらい部材19によって針5の後方へはらい上げられた上糸8が該針5から後方へ所定長だけ延びた所で該上糸8の切断端部付近を保持するための上糸保持具27が設けられている。
【0014】
上糸保持具27は、上下一対の保持板28と、各保持板28の対峙面に植設された多数本の毛状体29と、下側の保持板28の左右両端から折曲して上方へ延びる取付ブラケット30とを備え、取付ブラケット30において刺繍ヘッド2にネジ31で取付けられている。上下一対の保持板28は、その間に介されたスペーサ32により所定間隔に対峙した状態で、ネジ33で互いに止められている。前記上糸はらい部材19は毛状体29の間を通過でき、上糸8の切断端部付近は毛状体29の間に保持される。
【0015】
前記の通り、加工布11が刺繍枠12に対してあまり大きくなく、かつ、腰の強い生地又は厚い生地である場合に、その加工布11が刺繍枠12に挟持されると、加工布11の周縁部11aが起立する。そこで、本実施形態では、この起立した周縁部11aが針5から後方へ延びている上糸8の後延部分8aを引っ掛けないよう、該後延部分8aの直ぐ下方に位置して上糸8を保護する上糸保護部材35が設けられている。
【0016】
上糸保護部材35は、上糸保持具27の下側の保持板28の前縁から連続的に前下がりに延びる保護板36と、複数本の針5の各間の後方に位置するように該保護板36の前縁から前方へ突設された複数の保護突片37とからなり、前記後延部分8aが多少たわんだとしてもその下方に位置するようになっている。複数の保護突片37の各間は、前記上糸はらい部材19の通過を許容する通過許容部38(本例では切欠)となっている。
【0017】
前記上糸はらい装置17、上糸保持具27及び上糸保護部材35は、次のように作用する。
【0018】
▲1▼ 針5が刺繍縫いを休止して針上停止位置に至ると、糸つかみ装置9が上糸8をつかむ。
▲2▼ ロータリーソレノイド20が励磁され、リンク機構21を介して上糸はらい部材19がガイド部材18に沿って前方へ摺動する。この上糸はらい部材19は、上糸保持具56を貫通し、さらに通過許容部38を通過して、針5の下方まで前進する。
▲3▼ ロータリーソレノイド20が消磁され、それに組込まれたバネ(図示略)の付勢力により上糸はらい部材19が後退する。この後退初期には、上糸はらい部材19の前端の引掛部22が針5と針板13との間の上糸8に引っ掛かり、上糸8は緊張し、後退が一旦停止する。
▲4▼ 糸切断装置14が針板13の下側で上糸8を切断すると、上糸8の緊張が解けるので、前記バネの付勢力により上糸はらい部材19はさらに後退する。この後退により、上糸8は針5から後方へ所定長だけ延びるとともに(後延部分8a)、切断端部付近が引掛部22から外れて上糸保持具56に保持される。
▲5▼ その後、加工布57の起立した周縁部57aが、刺繍枠12の駆動に伴い、上糸8の後延部分8aに接近しても、上糸保護部材35の下面に当たるだけで、それより上方にある後延部分8aには触れない。従って、上糸8が上糸保持具56から脱落する不具合を防止することができ、該上糸8が次に刺繍縫いを開始する針5によって加工布11に縫込まれるおそれがない。
【0019】
なお、この発明は上記実施態様に限定されるものではなく、例えば次のように変更して実施することも可能である。
(1)保護突片37や通過許容部38の形状を変更すること。
(2)ロータリーソレノイド20及びリンク機構21に代えて、特開平8−243285号公報に開示されたようなリニアアクチュエータ(リニアモータ、流体圧シリンダ等)を採用し、上糸はらい部材19に直接に直線運動を生じさせるようにすること。その場合、上糸はらい装置のコンパクト化、シンプル化、コスト低減、動作不良低減、軽量化等が可能となる。
【0020】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明に係る多針刺繍ミシンの休止上糸保持装置によれば、刺繍枠に挟持されて起立した加工布の周縁部が針の後方へはらい上げられている上糸を上糸保持具から脱落させる不具合を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施態様の多針刺繍ミシン及びその休止上糸保持装置を示す斜視図である。
【図2】同多針刺繍ミシン及びその休止上糸保持装置の断面図である。
【図3】同休止上糸保持装置の上糸保持具の分解斜視図である。
【図4】従来例の多針刺繍ミシン及びその休止上糸保持装置を示す斜視図である。
【図5】同多針刺繍ミシン及びその休止上糸保持装置の断面図である。
【図6】同休止上糸保持装置の上糸保持具の分解斜視図である。
【符号の説明】
2 刺繍ヘッド
5 針
8 上糸
8a 後延部分
11 加工布
11a 周縁部
12 刺繍枠
14 糸切断装置
17 上糸はらい装置
19 上糸はらい部材
27 上糸保持具
28 保持板
29 毛状体
30 取付ブラケット
35 上糸保護部材
36 保護板
37 保護突片
38 通過許容部
Claims (3)
- 複数本の針から選択される1本の針を縫製位置に配置して刺繍縫いを行なわせる多針刺繍ミシンに設けられ、該針が刺繍縫いを休止したときに該針に通っている上糸を該針の下方から後方へはらい上げる上糸はらい部材と、はらい上げられた該上糸が該針から後方へ所定長だけ延びた所で該上糸の切断端部付近を保持する上糸保持具とを備えた休止上糸保持装置において、
前記上糸保持具から延びる保護板と、複数本の前記針の各間の後方に位置するように設けられた複数の保護突片とからなり、刺繍枠に挟持されて起立した加工布の周縁部が前記針から後方へ延びている前記上糸の後延部分を引っ掛けないよう、該後延部分の直ぐ下方に位置して上糸を保護する上糸保護部材を設け、複数の前記保護突片の各間が、前記上糸はらい部材の通過を許容する通過許容部となっていることを特徴とする多針刺繍ミシンの休止上糸保持装置。 - 前記上糸保護部材が、前記上糸保持具から前方へ突設されたものである請求項1記載の多針刺繍ミシンの休止上糸保持装置。
- 前記通過許容部が、前記上糸保持具より下にある請求項1又は2記載の多針刺繍ミシンの休止上糸保持装置。
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