JP4063231B2 - 音響信号処理装置の制御用プログラム - Google Patents
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Description
パーソナルコンピュータ側において、複数のコンポーネントおよび相互間の配線データを有するCAD(Computer Aided Design)データを編集する。上述した制御用プログラムによる編集では、CADデータに含まれる複数のコンポーネントおよび相互間の配線データがCAD画面上にグラフィカルに表示される。
ユーザは、そのCAD画面上でマウス操作することにより、コンポーネントや結線の追加削除、あるいは、配置の変更などを行うことができる。編集されたCADデータは、CADデータの転送指示に応じて、エンジン用に変換されエンジンに転送される。
パーソナルコンピュータは、動作パラメータの操作機能も備えている。
リアルタイムコントロールモードにおいて、表示器の画面上に複数の操作子を配置し、マウスを用いてこれらの操作子を制御操作することにより、各操作子に割り付けられた動作パラメータを制御するとともに、操作イベントをエンジンに送信して、エンジン側で動作パラメータを制御させる。
111はパーソナルコンピュータであり、エンジン1121が接続されている。
エンジン1121は、音響信号の入出力端子と、図示しないパネル操作子および表示器を有し、外部コントローラ113が接続される場合もある。
パーソナルコンピュータ111の編集プログラムは、GUI(Graphical User Interface)技術を用いて表示画面上に複数の操作子を配置し、マウスでこれらの操作子を制御操作することにより、カレントシーンに記憶されたパラメータを制御し、同時に、操作イベントをエンジン1121に送信する。
図中、121はバス、122はCPU(Central Processing Unit)である。123はフラッシュメモリであり、制御プログラムやプリセットデータが記憶されている。制御プログラムは、RAM(Random Access Memory)124にロードされる。RAM124には、音響信号処理用の動作パラメータの現在値を記憶するカレントシーン領域を有する。
125は表示器、126はパネル操作子、127はパーソナルコンピュータ111とのインタフェース部、128はMIDI機器とのMIDIインタフェース部、129はその他入出力機器のインタフェース部である。
130は波形入出力インタフェース部であって、外部から入力されるアナログ入力信号をA/D変換して信号処理部(DSP:ディジタル信号処理装置)131に送るとともに、信号処理部131からのディジタル出力信号をD/A変換したアナログ出力信号を外部に出力する。
一方、ディジタル波形信号は、共通のラインで波形入出力インタフェース部130を介して信号処理部131に入出力される。
信号処理部131の動作を制御するパラメータは、図示しないパネル操作子および外部コントローラ113の操作子によって制御されるだけでなく、オンライン状態にあるパーソナルコンピュータ111から送信される操作イベントデータによっても制御される。
エンジン1121には、これと同様なエンジン1122,1123…をカスケード接続することができ、同様に、パーソナルコンピュータ111により制御される。132はカスケード入出力インタフェースであり、図10に示したエンジン1122が接続される。
この操作子は、表示部品(GUI部品)である。
リアルタイムコントロールモードにおいて、CAD画面上に表示されたコンポーネントをダブルクリックすることにより、この動作パラメータを制御するコントロール画面(非特許文献1のp.71参照)が開かれて、上述した操作子が表示される。
設定されたグループに属するパラメータの値は、リンク(連結)操作機能によって、このグループに属するパラメータが割り付けられた、いずれの操作子の制御操作によってもリンク制御される。すなわち、ある操作子でグループ内のあるパラメータを制御すると、同じグループ内の他のパラメータもリンク制御される(非特許文献1のp.80参照)。
例えば、専用のグループ操作子で相異なる複数のパラメータ値を制御するものが知られている(特許文献1参照)。しかし、個々のパラメータ値を個別に制御する操作子は備えていない。
また、個々のパラメータ値を個別に制御する個別フェーダの他に、全てのパラメータ値を一括して制御するグループマスタフェーダを備えたものが知られている(特許文献2の従来技術および特許請求の範囲参照)。しかし、グループマスタフェーダの操作による各パラメータの変換特性は、個別フェーダの制御操作によって、常時変化してしまう。
その際、元の操作子に割り付けられたパラメータにグループが設定されている場合は、元の操作子と同様に、貼り付けた操作子を制御操作すれば、同じグループに属する他のパラメータをリンク制御する設計にされている。
「DIGITAL MIXING ENGINE DME32 取扱説明書」、[online]、ヤマハ株式会社、インターネット<http://www2.yamaha.co.jp/manual/pdf/pa/japan/signal/DME32J.pdf>
専用の操作子でリンク制御すればわかりやすくなる。しかし、グループに属するパラメータを個別に制御することができなかった(特許文献1)。
あるいは、専用の操作子でリンク制御するととともに、個別操作子で個別に制御できても、個別の制御によってリンク制御の変換特性が変化してしまった(特許文献2)。リンク制御特性が変更されてしまうと、グループに属するパラメータ相互間のバランスが崩れてしまって困る場合と、個別制御した値に応じて積極的にリンク制御特性を変更したい場合とがある。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたもので、操作子の操作機能を確認しやすくするとともに、パラメータの個別操作機能によってリンク操作機能が影響を受けないようにした音響信号処理装置の制御用プログラムを提供することを目的とするものである。
従って、個別操作子とリンク操作子とが独立しているので、操作子の操作機能が確認しやすくなる。
また、リンク操作子の操作位置が移動しないことは、リンク操作子の入力値が変化していないことを示している。従って、個別操作子が制御操作された後にリンク操作子が制御操作された場合、リンク制御は、個別操作子により制御操作されたパラメータ値を無視して、その直前のパラメータ値を起点として行われる。その結果、リンク操作機能は、パラメータの個別操作機能によって影響を受けない。
影響を受けていないことは、操作画面上に表示されるリンク操作子の操作位置が移動しないことにより視認できる。次に、リンク操作子が制御操作された場合、操作画面上に表示されているリンク操作子の操作位置を起点としてリンク制御されることが視認できる。
従って、リンク操作子が制御操作された後に個別操作子が制御操作された場合、個別操作子による制御は、リンク操作子の操作に応じて制御されたパラメータ値を起点として行われる。
その結果、個別制御にリンク制御が反映されるようにできる。反映されていることは、操作画面上に表示される個別操作子の操作位置が移動することにより視認できる。次に、個別操作子が制御操作された場合、操作画面上に表示されている個別操作子の操作位置を起点として個別制御されることが視認できる。
従って、ユーザの指示によっては、リンク特性に個別操作子の制御操作を反映させることもできる。
また、リンク制御は、個別制御の影響を受けないようにできるという効果がある。
ユーザがマウスなどのポインティングデバイスを用いて、表示器に表示された操作子(表示部品)を制御操作することにより、図10に示した、音響信号を処理するエンジン1121,1122,1123,…の動作パラメータを制御する。
図中、1は制御操作検出部、2はパラメータ制御部、3はパラメータメモリ、4は操作子の操作位置表示制御部、5はパラメータリンク制御特性補正部である。6はパラメータリンク制御特性補正指示部であるが、必要としない場合もある。
図示の機能構成は、図10に示されたパーソナルコンピュータ111において、CPUが音響信号処理装置の制御用プログラムを実行することにより実現される。
パラメータ制御部2には、操作子に対するパラメータまたはグループ割り付け部2a、パラメータに対するグループおよびリンク特性設定部2b、操作機能設定部2cがある。
割り付けられたパラメータまたはグループは記憶装置に保存されている。ある1つのパラメータまたはグループが、複数の操作子に割り付けられてもよい。
一方、操作機能設定部2cは、制御操作された操作子にグループが割り付けられているとき、この操作子をリンク操作子として、リンク操作機能を設定する。リンク操作子を制御操作すると、割り付けられたグループに属する全てのパラメータの値が、所定のリンク制御特性に従ってリンク制御されてパラメータメモリ3に記憶される。
例えば、オーディオ・ミキシング・システムにおいて、複数チャンネルの信号レベルを制御するフェーダ操作子に割り付けられたゲインを制御する場合に適用できる。
また、個別操作子の制御操作に応じて、この個別操作子に割り付けられたパラメータのみが制御された場合、個別制御されたパラメータの属するグループが割り付けられたリンク操作子は、このリンク操作子の操作位置が移動しないように操作画面上に表示させる。
例えば、操作画面上の任意の領域に補正を指示するボタン(表示部品)を表示させておき、パラメータリンク制御特性補正指示部6が、ポインティングデバイスでこのボタンが選択されたことを検出することにより補正することができる。
また、個別操作子に割り付けられたパラメータが、あるグループに属しているとき、個別操作子の制御操作が検出されたとき、あるいは、その後に、上述したグループが割り付けられたリンク操作子の制御操作が検出されたときに、上述したパラメータリンク制御特性補正指示部6は、ユーザに、予め設定されたパラメータリンク制御特性を補正するか、しないかを指示させるようにしてもよい。
図2(a)はコンポーネントデータの、図2(b)はコンフィグレーションデータの、図2(c)は現在のパラメータ値のデータ構成図である。
コンポーネントとは、信号処理、制御操作、表示、入力、出力等の機能が単位部品とされたものをいう。信号処理に関するものとして、ミキサ、グラフィックイコライザ、エフェクタなどがある。制御操作に関するものとして、フェーダ、スイッチ、パンなどがある。表示に関するものとして、メータなどがある。
コンフィグレーションとは、上述したコンポーネントが組み合わされて、相互に結線された構成をいう。
パラメータの現在値とは、現在のコンフィグレーションを構成している各コンポーネントの動作を制御するパラメータに設定されている値であって、メモリのカレントシーン領域に保存されている。
プリセットコンポーネントデータは、ヘッダ、構成情報、プリセットコンポーネント処理ルーチン、表示・編集処理ルーチンで構成されている。プリセットコンポーネントデータは、不特定のユーザによっては改変できないようにパスワードプロテクトをかけておくことができる。
構成情報は、プリセットコンポーネントを表示する画像データ、プリセットコンポーネントを構成する1または複数のパラメータを特定するデータ、処理を実行するに要する遅延時間(本質遅延時間)の情報、および、各パラメータを操作子の操作量に応じてどのように変更するかというパラメータ値の変換特性等を含む。
プリセットコンポーネント処理ルーチンは、エンジン1121において、パラメータを信号処理部(DSP)131に引き渡すときに特別な処理をする場合の、その処理手順を記述したものである。
表示・編集処理ルーチンは、プリセットコンポーネントのブロック、および、ブロック内の操作子などを表示するための処理手順、パラメータ値を編集するための処理手順を記述したものである。
ゾーン(1)管理データには、ゾーンID、エンジン数、各エンジンのID、このゾーン(1)に含まれるコンフィグレーション数等が記述されている。
各コンフィグデータは、コンフィグ管理データ、1または複数のCADデータ、1または複数のプリセットデータ、リンク設定データ、ユーザコントロールデータを有している。
CADデータは、E1,E2,E3として示されるように、各エンジン1121,1122,1123別に設けられ、各CADデータは、CAD管理データ、1または複数のCpデータ、結線データを有している。
CAD管理データにはコンポーネント数等が記述されている。
Cpデータは、コンポーネント指示データであって、図2(a)に示した多数のプリセットコンポーネントの中から、このコンフィグレーションを構成するプリセットコンポーネントを指示するデータである。
リンク設定データは、グループ構成情報であり、例えば、グループが設定されたパラメータ、このパラメータが割り付けられた操作子を特定する操作子ID、グループに属しているパラメータが、各操作子(グループ制御操作子)の操作イベント(操作量)に応じて、どのようにリンク制御されるかを示すパラメータリンク制御特性を含む。
ユーザコントロールデータには、従来技術で説明したユーザコントロール画面に配置される貼り付け操作子を特定するIDデータを含んでいる。複写元の操作子に割り付けられていたパラメータにグループが設定されていた場合に、リンク操作子として機能させるか、個別操作子として機能させるかのデータを伴う。
カレントシーンデータとして記憶されている動作パラメータのデータ構成はCADデータに基づいて制御される。例えば、E1,E2,E3のCADデータに対応してエンジン1121、1122、1123別の領域が用意され、また、E1の領域内には、そのCpデータA,B,C,Dに対応して各プリセットコンポーネント別の領域が用意される。
パーソナルコンピュータ111の編集プログラムがRUNモードであるとき、エンジン1121との間がオンライン状態になる。操作子を制御操作することによりカレントシーン中のパラメータ値を変更すると、同時に、操作イベントがエンジン1121に伝達されて、各エンジン1121、1122,1123,…のカレントシーンメモリも変更されて、図11に示した信号処理部123を制御し、直ちに実行中の音響信号処理に反映される。
図10に示したエンジン1121のコンフィグレーションが表示されている。
12〜18はコンポーネントを示すブロックである。各コンポーネントの端子間は結線されている。19は図8(c)〜図8(e),図9(c)を参照して後述する「パラメータリンク補正」ボタンである。
1または複数のパラメータに対して設定されているグループ毎に、リンクしたパラメータリスト23としてグループ構成情報が表示されている。
図示の例では、「CompTH」と名付けられたグループ22において、リンクしたパラメータリスト23が表示されている。DSP欄のユニット(U1)は、図10に示されたエンジン1121を表し、ユニット(U2)はエンジン1122を表す。
コンポーネント欄の「コンプレッサ1」,「コンプレッサ2」は、それぞれ、図3に示された「Compressor1」のブロック14,「Compressor2」のブロック15に対応する。
図8,図9を参照して後述するように、CPは制御ポイント(0≦変化範囲≦100)、CLは制御レベル(dB、−∞<変化範囲≦0)、CRは制御比(−∞<変化範囲<∞)であり、入力操作量に対する各パラメータの変換特性の関数を表現する一例である。各パラメータの変換特性相互の関係が、パラメータのリンク制御特性を表す。
「CLoff」は制御レベルのオフセット、「CRoff」は制御比のオフセットであり、パラメータリンク制御特性の補正量を示す値である。
「Apply」ボタン25は、表示されたグループ構成情報を、このウインドウ画面を開いた状態で、編集プログラムの処理に直ちに反映させるボタン、「OK」ボタン26は、表示されたグループ構成情報を直ちに反映させた上で、このウインドウ画面を閉じるボタンである。「Cancel」ボタン27は、表示されたグループ構成情報を変更したとしても、これを反映させないでウインドウ画面を閉じるボタンである。
CADデータ編集タスク31は、図3に示したコンフィグレーション画面を表示させて、必要とするコンポーネントを貼り付けたり、コンポーネント間の配線をしたりする機能を実現する。
ユーザコントロール編集タスク32は、図6を参照して後述するユーザコントロール画面46にプリセットコンポーネントのコントロール画面41から操作子をドラッグ&ドロップして貼り付ける機能を実現する。
パラメータ編集タスク33は、コントロール画面において、操作子の可能部をマウスで制御操作することにより、割り付けられたパラメータの値を制御する機能を実現する。
パーソナルコンピュータ111とエンジン1121,1122,1123,…との間でデータに整合性がなければオンライン制御できない。そのため、CADデータ編集タスク31を実行したときは、自動的にオフライン状態にする。ここで、ユーザが「オンラインに移行」を指示すると、CADデータが各エンジン1121,1122,1123,…用に加工され、その他のデータとともに、各エンジンに転送され、オンライン状態にする。
図6(a)は、図3に示した「Compressor1」のコンポーネント14をダブルクリックしたときにポップアップ表示される、プリセットコントロール画面41を示す図である。
ここで、各プリセットコンポーネントには、固有のプリセットコントロール画面が用意されている。この画面は、図2(a)の当該プリセットコンポーネントに対応した「プリセットコンポーネントデータ」中の「表示・編集処理ルーチン」で制御される。この画面の内容、例えば、どの操作子をどの位置へ配置するか、その操作子へのパラメータの割り付けなどを、ユーザは編集できない。
図中、左側に、コンプレッサのパラメータを制御する複数の操作子が表示されている。その1つとして、例えば、入力信号の圧縮を開始するレベルを設定する「スレッショルド(THRESHOLD)」の操作子42がある。
また、左側に、入力信号レベル(dB)に対する出力信号レベル(dB)の特性を示すグラフ43が表示されている。操作子42のノブをマウスでドラッグすることにより、グラフ43中のスレッショルド信号レベル(Th)44が変更される。「ON」ボタン45は、この「Compressor1」の機能をオン,オフ制御するためのボタンである。
ユーザは、その中から、エンジン1121等の個々の使用環境に応じて、必要なパラメータが割り付けられた操作子を、ユーザコントロール画面46に貼り付けることにより、必要十分なユーザコントロール画面46を構成することができるようになる。
ユーザは、プリセットコントロール画面41上の所望の操作子を、ユーザコントロール画面46の所望の位置へ、マウス操作でドラッグ&ドロップすることにより、この貼り付けを指示することができる。
例えば、図6(a)に示した「スレッショルド」の操作子42には、図4に示したように、グループが設定されている。
この実施の形態では、プリセットコントロール画面上の操作子をはじめ、パラメータが割り付けられた操作子は、いつも個別操作子として機能し、各操作子に割り付けられたパラメータのみを制御する。
これに対し、貼り付けられた操作子47の制御操作によって、グループに属する全てのパラメータの値をリンク制御したり、複写元の操作子42に割り付けられたパラメータのみを制御したりして、操作子の操作機能を選択できるようにしたい。
また、貼り付け操作子47をユーザコントロール画面46に配置した後に、図4に示したパラメータリンク設定画面21を表示させる操作をしてもよいが、操作を忘れやすい。
そのため、この具体例では、複写元の操作子42に割り付けられたパラメータにグループが設定されているときは、マウスのドロップ操作が検出されたことに応じて、図6(c)に「貼付操作子選択画面」51として例示される、問い合わせのダイアログボックスをポップアップ表示させるようにした。
例えば、図4のようなパラメータリンク設定が行われていれば、コントロール画面41上の「スレッショルド」の操作子をユーザコントロール画面46にドラッグアンドドロップしたときに、このダイアログボックスがポップアップ表示される。
図6(a)に示した操作子42をユーザコントロール画面46にドラッグすることにより、クリップボードに複写される。
S61において、プリセットコントロール画面にある、複写元の操作子に割り付けられたパラメータのリンク設定(グループ設定)状況を判定する。S62において、リンク設定があるときはS63に、リンク設定がなければS64に処理を進める。
ラジオボタン52に対するユーザのマウスクリックにより「個別操作子」を貼り付けるか、「リンク操作子」を貼り付けるかを選択させる。
「リンク操作子」を貼り付けたとき、貼り付け操作子47は、複写元の操作子42に割り付けられたパラメータに対して設定されたグループに属する全てのパラメータの値をリンク制御する。一方、「個別操作子」を貼り付けたとき、貼り付け操作子47は、複写元の操作子42に割り付けられたパラメータのみを制御する。
「OK」ボタン54は、選択指示を有効にして画面を閉じるボタン、「Cancel」ボタン55は、コピー自体をキャンセルして画面を閉じるボタンである。図7には図示されていないが、「Cancel」ボタンが操作された場合は、S65において直ちに処理を終了する。
リンク操作子は、予め設定された1つのグループが割り付けられ、その操作に応じて、当該グループに属する全てのパラメータの値がリンク制御される。個々のパラメータは直接的には割り付けられない。
一方、個別操作子が選択されたときはS64に処理を進め、貼り付けられた操作子47を個別操作子として配置する。
個別操作子は、パラメータが割り付けられ、その操作に応じて、割り付けられたパラメータの値のみが制御される。
ユーザコントロール画面46(ユーザにカスタマイズされた操作パネル)と、元のプリセットコンポーネントのコントロール画面41とを同時表示させておけば、いずれの画面上の操作子によっても同じパラメータを制御できる。
その結果、リンク制御されるパラメータは、同種のものとは限らない。パラメータの単位、操作量に対するパラメータの変化範囲や変化特性カーブ等の変換特性も異なるというように、複雑なリンク制御となる場合がある。
その場合でも、図4に示した、リンクしたパラメータリスト23で表現されるようなリンク構成情報を記憶させることにより対応できる。
また、複雑なリンク制御をする場合は、専用のリンク操作子を用いる方が、どの操作子がリンク制御機能を有しているのかを識別しやすくなる。
しかし、コピー&ペースト操作は、他の方法に従って行うこともできる。
例えば、図6(a)において、プリセットコントロール画面41に配置された複写元の操作子42をマウスの右クリックで選択されたことを検出することにより、ポップアップメニューを表示させ、メニューから「コピー」操作を選択させる。
次に、マウスポインタをユーザコントロール画面36に移動させる。ここで、マウスの右クリック操作を検出したときに、ポップアップメニューに表示される「メニューから個別操作子として貼り付け」操作、「リンク操作子として貼り付け」操作のいずれかを選択させてもよい。
図8(a)は、割り付けられているパラメータがグループに属しているか否かにかかわらず、割り付けられているパラメータの値のみを制御する個別操作子のパラメータ変換特性の例である。
個別操作子の操作量を入力値としたパラメータ(1)値(通常、単位はdBである)の変換特性を、パラメータ(1)変換特性として示している。
図示の例では、パラメータ(1),(2),(3)の属するグループに割り付けられたリンク操作子を制御操作したとき、リンク操作子の入力値(操作量)に応じて、パラメータ(1),(2),(3)がリンクして、それぞれ、パラメータ(1)変換特性、パラメータ(2)変換特性、パラメータ(3)変換特性に従って変化する。
逆に、パラメータ(1),(2),(3)の個別操作子のいずれかが操作された場合は、その操作位置および操作子に割り付けられたパラメータの値は変化するが、リンク操作子の可動部は、個別操作子の操作に応じて移動させないようにするとよい(リンク操作子の入力値は変化しない)。
上述した説明では、横軸を操作量、縦軸をdBとした一次関数(直線)の変換特性にしていたが、2次関数、3次関数、SIN関数、対数関数、その他任意の関数であってよい。
上述した説明では、リンク操作子が個別操作子として機能する場合に割り付けられるパラメータ(1)変換特性は、リンク操作子として機能する場合にも同じ関数を用いている。しかし、必ずしも一致させる必要はなく、異なる変換特性にしてもよい。
これに対し、本発明の実施の一形態では、専用のリンク操作子とは別に、パラメータを個別に操作する個別操作子が用意される。
例えば、図6(a)に示すプリセットコントロール画面41上の各操作子は、その操作子に割り付けられたパラメータが、予め設定されたいずれかのグループに属しているか否かにかかわらず、このパラメータの個別操作子として機能する。
また、図6(b)に示すユーザコントロール画面上の貼り付け操作子47は、その貼り付け時に貼付操作子選択画面51で「個別操作子」を選択することにより、複写元の操作子42と同じく、1つのパラメータを制御する個別操作子となる。
これは、元のパラメータ変換特性が、個別操作子の操作によっては変更されないようにしたためである。例えば、図4に示した、リンクしたパラメータリスト23に対応するグループ構成情報のデータ構造では、CP、CL、CRは、個別操作されても変更されない。
しかし、あるグループに含まれる1つのパラメータの値を個別操作子により変更したとき、その個別制御した結果のパラメータ値を、その後のリンク制御に反映させたい場合もある。
例えば、貼り付け操作子47にグループを割り付けることにより、リンク操作子として貼り付けた場合に、その複写元のコントロール画面41の個別操作子41によりそのグループの1つのパラメータ(1)を微調整した後、この微調整結果を貼り付け操作子47によるリンク制御時のパラメータ(1)の変換特性に反映させたいという要望があった。
リンク操作子の「現在の入力値」が図示の位置にあるとき、貼り付け操作子47が操作(個別操作)され、パラメータ(1)は、補正前の値から「delta」だけ変化して「個別変更された値」になったとする。
この場合、「補正後の変換特性」としては、全体を「delta」だけ変化させるようにする。すなわち、パラメータ変換特性を、MIN端値a,MAX端値bで定義したとき、MIN端値とMAX端値の共通オフセットで「delta」を吸収する。具体的には、MIN端値を「a+delta」,MAX端値を「b+delta」とする。制御比(CR)は変わらない。
貼り付け操作子47が制御操作(個別操作)され、パラメータ(1)は、補正前の値から、「delta」だけ変化して「個別変更された値」になったとする。
「補正後の変換特性」は、制御点の位置(CP)とそこでの変換特性の傾き(CR)を変えずに、制御点のレベル(CL)を変化させて全体を「delta」だけシフトさせるようにする。図4のように、制御点のレベルのオフセット(CLoff)のパラメータが、CLとは別に用意されている場合、CL自体を変化させないで、この「CLoff」を変化分「delta」だけ変化させる。
貼り付け操作子47が制御操作(個別操作)され、パラメータ(1)は、補正前の値から、「個別変更された値」になったとする。
「補正後の変換特性」は、CP、CLを変えずに、制御比を「CR+delta」に変更する。ただし、「補正後の変換特性」は、リンク操作子の「現在の入力値」において、「個別変更された値」を通る特性とする。
「補正後の変換特性」は、制御点の位置(CP)とレベル(CL)を変えずに、制御比(CR)を「delta」だけ変化させ、その制御点における変換特性の傾きを変える。図4のように制御比のオフセット(CRoff)のパラメータが、CRとは別に用意されている場合、CR自体を変化させないで、この「CRoff」を変化分「delta」だけ変化させる。
図9(a)は、個別操作子(i,j,k)の操作イベントを検出したときのフローチャートである。iはエンジン番号(DSPのユニット番号)、jはコンポーネント番号、kはパラメータ番号であり、個別操作子(i,j,k)は、カレントシーンに記憶された動作パラメータ中の、i番目のエンジンで実行中のCADデータに基づく信号処理の、j番目のコンポーネントのk番目のパラメータを制御するための操作子である。なお、この処理は、オンラインモードでのみ実行される。
S72においては、検出された操作イベントが検出された操作子の入力値(操作量)に応じて、パーソナルコンピュータ111のカレントシーン中の(i,j,k)で示されるパラメータの値を変更する。
なお、i番目のエンジン側においても、伝達された操作イベントのデータに基づいて、同様にカレントシーンのパラメータ値が変更され、その変更されたパラメータに応じて当該エンジンにおける信号処理が制御される。
S81において、リンクされたパラメータ(同じグループに属するパラメータ)が、個別変更されたか否かを判定する。例えば、図6(b)に示された貼り付け操作子47が個別変更操作子として制御操作された場合に、パラメータが個別変更されている。
S82において変更ありとされたときは、S83に処理を進め、変更がないときには、S84に処理を進める。
S87において、補正されたパラメータ変換特性のデータをエンジン1121側の関係するエンジンに伝達する。補正されたパラメータ変換特性のデータが伝達されたエンジンのカレントシーンでは、以後、補正されたパラメータ変換特性に応じてパラメータ値を変更する。
S88において、リンクされたパラメータの1つ目のパラメータを準備する。例えば、個別変更なしでこのステップに至ったときは、図8(b)に示した特性のパラメータ(1)を準備する。
S90において、パーソナルコンピュータ111のカレントシーン中の、このパラメータ値を、変換されたパラメータ値に変更する。
S91において、次のパラメータを準備する。S92において、次のパラメータがあるならS89に処理を戻し、次のパラメータに対してS89〜S92のステップを繰り返す。
例えば、個別変更なしでこのステップに至ったときは、図8(b)に示した特性のパラメータ(2)に対してS89〜S92のステップを繰り返す。次のパラメータがなければ処理を終了する。
これに対し、個別変更があっても、個別変更されたパラメータの変換特性を一律に補正しない第2の方法を採用してもよい。あるいは、個別変更があれば、個別変更されたパラメータの変換特性を一律に補正する第3の方法を採用してもよい。予め行う環境設定において、いずれかの方法を選択できるようにしておいてもよい。
図9(c)は、上述した「パラメータリンク補正」ボタン19,24の操作が検出されたときの動作の一例を示すフローチャートである。
ただし、「パラメータリンク補正」ボタン19,24は、グループに属するパラメータの個別変更があった場合にのみ操作可能となるボタンである。パラメータの個別変更がない間は、例えば、「グレーアウト」表示され、選択できないようにする。
S103において、リンクされているパラメータの個別変更を「無し」に設定する。これにより、「パラメータリンク補正」ボタン19,24は「グレーアウト」表示になり、また、図9(b)のS82においては、変更なしと判定されることになる。
これに代えて、パラメータの値がリンク操作子によってリンク制御された場合、個別操作子の操作位置を移動させないとともに、図8(a)に示した個別操作子の入力値も変化させないようにしてもよい。再び、個別操作子によって個別制御される場合は、リンク制御される前のパラメータ値を起点として個別制御されるようにする。
しかし、ユーザコントロール画面46にある操作子を、同じ、あるいは、別のユーザコントロール画面に貼り付けることを可能にしてもよい。その場合、その複写元の操作子が個別操作子であれば、図7と同じ処理で貼り付けるようにするとよい。
Claims (3)
- 操作画面上に表示される複数の操作子の操作に応じて、パラメータメモリに記憶された複数のパラメータの値を制御する機能をコンピュータに実現させる音響信号処理装置の制御用プログラムであって、
前記複数のパラメータの少なくとも1つを含むグループと、当該グループに属するパラメータのリンク操作子操作に応じたリンク特性を設定する、グループおよびリンク特性設定ステップと、
前記操作子の操作イベントを検出する制御操作検出ステップと、
該制御操作検出ステップにより前記操作イベントを検出された操作子が、前記複数のパラメータのうちの1つのパラメータを割り付けられた個別操作子であるときは、当該個別操作子の制御操作に応じて、前記パラメータメモリ中の当該個別操作子に割り付けられたパラメータの値のみを制御し、かつ、
前記制御操作検出ステップにより前記操作イベントを検出された操作子が、設定されたグループを割り付けられたリンク操作子であるときは、当該リンク操作子の制御操作に応じて、前記パラメータメモリ中の当該グループに属する全てのパラメータの値を、設定されたリンク特性に従ってリンク制御するパラメータ制御ステップと、
前記個別操作子の制御操作に応じて、当該個別操作子に割り付けられたパラメータが個別制御された場合、個別制御されたパラメータの属するグループが割り付けられたリンク操作子を、該リンク操作子の操作位置が移動しないように前記操作画面上に表示させるステップ、
を有することを特徴とする音響信号処理装置の制御用プログラム。 - 前記リンク操作子の制御操作に応じて、前記グループに属する全てのパラメータの値がリンク制御された場合、前記グループに属する各パラメータが割り付けられた個別操作子を、当該パラメータのリンク制御された値に応じて、該個別操作子の操作位置が移動するように前記操作画面上に表示させるステップ、
を有することを特徴とする請求項1に記載の音響信号処理装置の制御用プログラム。 - 前記個別操作子の制御操作に応じて、当該個別操作子に割り付けられたパラメータが個別制御された場合、ユーザの指示により、個別制御されたパラメータの変更された値に基づき、当該パラメータの前記リンク特性を補正するパラメータリンク補正ステップ、
を有することを特徴とする請求項1または2に記載の音響信号処理装置の制御用プログラム。
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