JP4062937B2 - クレーン - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は油圧モータを駆動源とする巻上ウィンチによって吊りフックを上げ下げするクレーンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
複数の吊りフック(たとえば主、補両フック)を備えたクレーンや、吊りフックによるクレーン作業とバケットによる掘削作業の双方を行う兼用型のクレーンにおいて、使用しない吊りフックを、他の吊りフック等による作業の邪魔にならないようにブーム先端部にブラケットとピンで固定する構成のものが公知である。
【0003】
この場合、吊りフック用の巻上ロープを駆動する巻上ウィンチと、ブーム先端との間の距離がブームの起伏によって変化するため、吊りフックを固定した状態のままブームを起伏させると、巻上ロープがたるんだり(ブーム起立時)引っ張られたり(ブーム倒伏時)し、たるみによって巻上ロープの乱巻、引っ張りによって同ロープの破断が生じるおそれがある。
【0004】
そこで従来、吊りフックをブーム先端部に一定範囲で上下動可能に止め付ける一方、同フックが上限位置または下限位置に達したことを検出するリミットスイッチを設け、このリミットスイッチの信号に基づいて吊りフックを上げ下げして一定の高さ位置に保つようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、この従来の構成によると、ブーム先端部に対する吊りフックの止め付け構造が複雑化するとともに、上限用と下限用のフック位置検出手段とその取付構造及び電気配線が必要となるため、設備コストが高くなる。
【0006】
しかも、リミットスイッチがブーム先端部という外部からの衝撃や振動を受け易い位置に設けられているため、その動作不良や破損が起こり易く、これに電気配線の断線等が加わって故障要因が多くなり、作動の信頼性に劣る。
【0007】
一方、湿式ディスクブレーキとしての制動装置を備えた油圧ウィンチにおいて、特開2001−19368号に示されているように、負荷によってウィンチドラムを自由回転させるフリーフォールモードでの作業時に、負荷(バケット、吊荷または吊りフック)が着床した後のウィンチドラムの慣性回転によって巻上ロープがたるむことを防止する手段として、フリーフォールモードで油圧巻上モータを巻上方向に回転させることにより、冷却油内での回転摩擦板の回転によるドラグトルクを発生させ、このドラグトルクにより、負荷着床後のウィンチドラムにタグラインのような小さな巻上力を作用させて巻上ロープのたるみを防止する技術が提案されている。
【0008】
そこで、この技術を、上記従来技術における吊りフック固定状態でのウィンチ制御に利用すれば、リミットスイッチという新たな設備を付加せずに巻上ロープのたるみや引っ張りを防止することができる。
【0009】
しかし、この技術をそのまま用いると、吊りフック固定状態かつフリーフォールモードで油圧巻上モータを常時回転させることになるため、冷却油の発熱による制動装置のオーバーヒートが発生するという弊害が生じる。
【0010】
本発明は上記の問題を解決し、制動装置のドラグトルクを利用して吊りフック固定状態での巻上ロープのたるみや引っ張りを防止する構成をとりながら、制動装置のオーバーヒートを防止することができるクレーンを提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、次の要件を具備するものである。
【0012】
(A)起伏ウィンチによって起伏するブームと、このブームの先端から吊下されて巻上ウィンチによって巻上・巻下方向に駆動される巻上ロープと、この巻上ロープに取付けられ不使用時にはブームに固定される吊りフックとを有すること。
【0013】
(B)上記巻上ウィンチは、ウィンチドラムと、このウィンチドラムの回転駆動源としての油圧巻上モータと、制動装置とを具備すること。
【0014】
(C)上記制動装置は、制動解除時に上記油圧巻上モータと連動して回転する回転摩擦板と回転不能な固定摩擦板が冷却油内で圧接・離間することにより、油圧巻上モータの回転力を上記ウィンチドラムに伝える動力伝達モードと、ウィンチドラムの自由回転を許容するフリーフォールモードとに切換可能な湿式ディスクブレーキとして構成されていること。
【0015】
(D)上記ブームの起伏作動方向を検出するブーム起伏検出手段と、このブーム起伏検出手段からの信号に基づいて上記油圧巻上モータを制御する制御手段とを具備すること。
【0016】
(E)上記制御手段は、上記吊りフックがブームに固定された状態で制動装置をフリーフォールモードにセットし、かつ、この状態で上記ブームの起立作動時には上記油圧巻上モータを巻上方向に回転させ、ブームの倒伏作動時及び起伏停止時には同モータの回転を停止させるように構成されていること。
【0017】
請求項2の発明は、請求項1の構成において、油圧巻上モータの回転を止めるパーキングブレーキと、このパーキングブレーキの作動を制御するパーキングブレーキ制御装置とが設けられ、このパーキングブレーキ制御装置は、吊りフック固定状態でのブーム起立作動時に制御手段からの信号に基づいてパーキングブレーキを解除するように構成されたものである。
【0018】
上記構成によると、吊りフックをブームに固定し、かつ、フリーフォールモードにセットした状態でブームが起立方向に作動すると、油圧巻上モータが巻上方向に回転し、これと連動して制動装置の回転摩擦板が回転することによりドラグトルクが働くため、所謂タグラインと同様のロープ巻取力が作用する。
【0019】
この作用により、巻上ロープの余剰分がウィンチドラムに自動的に巻き取られ、たるみが防止される。
【0020】
しかも、この場合、上記のようにドラグトルクによる小さなロープ巻取力しか作用しないため、ロープを過度に引っ張ってロープを破断させたり、ブームを後方へ転倒させたりするおそれがない。
【0021】
また、クレーンには過負荷防止のための過負荷防止装置が標準装備され、同装置への荷重情報としてロープ荷重が荷重検出器から送られるように構成されている。このため、ブームに固定されている巻上ロープを過度に引っ張ると、過負荷防止装置の作動に影響を与えるおそれがある。
【0022】
この点、上記のようにブームに固定されている起伏ロープには大きな巻取力が作用しないため、過負荷防止装置の作動に影響を与えるおそれがない。
【0023】
一方、吊りフック固定状態でかつフリーフォールモードでブームが倒伏方向に作動すると、巻上ロープが、ブーム倒伏によって引っ張られる分だけがウィンチドラムから繰り出される。このため、巻上ロープに過度の張力が作用して破断したり、このロープが抵抗となってブームの倒伏作動ができなくなったり、上記のように過負荷防止装置に悪影響を与えたりするおそれがない。
【0024】
しかも、従来のフック位置をリミットスイッチで検出して吊りフックを上げ下げする構成と比較して、フック取付構造を簡略化できるとともに、リミットスイッチとその取付構造及び電気配線が不要となり、かつ、必要な検出手段であるブーム起伏検出手段は元々過負荷監視のために設けられたものを利用できるため、設備コストが安くてすむ。
【0025】
また、ブーム起伏検出手段は、ブーム起伏回路内に設けることができるため、ブーム先端部に設けられるリミットスイッチと比較して動作不良や破損が生じ難く、電気配線の断線等の故障要因も減少することから作動の信頼性を高めることができる。
【0026】
また、フリーフォールモードでブーム起立作動時のみに油圧巻上モータを回転させるため、フリーフォールモードで常に同モータを回転させる場合のように制動装置の冷却油が発熱してオーバーヒートを起こすおそれがない。
【0027】
一方、請求項2の構成によると、吊りフック固定状態でのブーム起立時に巻上モータのパーキングブレーキを自動解除できるため、このパーキングブレーキを別操作する手間も、また操作忘れのおそれもない。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態を図によって説明する。
【0029】
この実施形態では、吊りフックとして主、補両フックを備えたクレーンを適用対象として例にとっている。
【0030】
図1に、このクレーンの巻上及びブーム起伏系の構成を模式的に示している。
【0031】
図中、1は上部旋回体の旋回フレームで、同フレーム1にブーム2がブームフットピン3を中心として起伏自在に設けられるとともに、主巻用及び補巻用の両巻上ウィンチ4,5と、ブーム起伏用のウィンチ6(以下、主巻ウィンチ、補巻ウィンチ、ブーム起伏ウィンチという)が搭載され、主巻ウィンチ4によって巻取駆動される主巻ロープL1に主フック7が、補巻ウィンチ5によって巻取駆動される補巻ロープL2に補フック8がそれぞれ取付けられている。また、ブーム起伏ウィンチ6によって巻取・巻き戻し駆動される起伏ロープL3は、図示しないガントリ等を有するブーム起伏装置を介してブーム2の先端部に連結されている。
【0032】
図1では、主フック7をブーム先端部に互いのブラケット9,10及びピン11によって固定し、この状態で補フック8によって吊り作業を行う場合を示している。
【0033】
このクレーンの主巻系及びブーム起伏系の回路構成を図2によって説明する。
【0034】
まず、図2左側の主巻系において、12は主巻ウィンチドラム、13は同ドラム12を駆動する油圧巻上モータ、14はこの巻上モータ13とウィンチドラム12との間で動力伝達を行う遊星歯車機構で、この遊星歯車機構14のキャリア軸15に多板ディスク16が設けられ、この多板ディスク16と、同ディスク16に対して圧接・離間するプレッシャープレート17と、このプレッシャープレート17を駆動する制動シリンダ18と、加圧バネ19とにより、ウィンチドラム12を巻上モータ13の出力軸に対して連結・分離し、かつ、同ドラム12のフリーフォール回転を制動するクラッチ兼用の制動装置20が構成されている。
【0035】
21は多板ディスク16を構成する複数の回転摩擦板、22はブレーキケース、23はこのブレーキケース22に固定された複数の固定摩擦板である。
【0036】
また、この制動装置20は、多板ディスク16のフェード現象を防止するために、図示しない冷却ポンプからの冷却油を多板ディスク16内に供給し循環させる湿式ブレーキとして構成されている。
【0037】
制動シリンダ18は、プレッシャープレート17をブレーキオン方向に加圧するポジティブ側油室18aと、同プレート17をブレーキオフ方向に加圧するネガティブ側油室18bとを有し、ネガティブ側油室18bに接続されたネガティブライン24が直接、ブレーキ油圧源25に接続されている。
【0038】
一方、ポジティブ側油室18aに接続されたポジティブライン26は、電磁切換弁であるモード切換弁27、及びブレーキ弁28を介してブレーキ油圧源25及びタンクTに接続されている。
【0039】
モード切換弁27は、図示しないモード切換スイッチの切換操作、または後述するフックモードスイッチ45の操作により図左側のブレーキ位置aと右側のフリーフォール位置bとの間で切換わり作動し、このモード切換弁27のブレーキ位置aで制動シリンダ18のポジティブ側油室18aが油圧源25に接続される。
【0040】
一方、モード切換弁27がフリーフォール位置bに切換わると、ポジティブ側油室18aが同切換弁27を介してブレーキ弁28の二次側に接続され、ブレーキ弁28の操作量に応じた二次圧がポジティブ側油室18aに供給される。28aはブレーキ弁28の操作ペダルである。
【0041】
29はレバー操作されて巻上モータ13の巻上・巻下回転を制御するリモコン弁、30はこのリモコン弁29の二次圧(リモコン圧)によって中立、巻上、巻下の三位置イ、ロ、ハ間で切換わり制御する主巻用コントロールバルブで、リモコン弁操作時に、巻上ポンプ31からの吐出油がこのコントロールバルブ30を介して巻上モータ13の巻上側管路32または巻下側管路33に供給されて同モータ13が巻上側または巻下側に回転する。34は巻上側管路32に設けられた油圧ブレーキ弁としてのカウンタバランス弁である。
【0042】
また、巻上側管路32には、コントロールバルブ30を有する主巻上ラインとは別の補助巻上ライン35が接続されている。
【0043】
この補助巻上ライン35は、油圧源36及びタンクTと、作業モード選択弁(電磁切換弁)37とパイロットチェック弁38を有し、後述するように主フック固定状態でブーム起立操作が行われたときに、コントローラ39からの信号によって作業モード選択弁37が図示の非作用位置aから左側の作用位置bに切換わることにより、油圧源36からの油が補助巻上ライン35経由で巻上側管路32に供給されて巻上モータ13が巻上回転する。
【0044】
この巻上モータ13の出力軸には、油圧シリンダ式のパーキングブレーキ40が設けられている。
【0045】
このパーキングブレーキ40は、バネ力によってモータ出力軸に制動力を付与し、油室40aに油圧が加えられたときにこの制動力を解除するネガティブブレーキとして構成されている。
【0046】
このパーキングブレーキ40の油室40aは、高圧選択弁41、油圧パイロット式の第1及び第2両パーキングブレーキ制御弁42,43を介してブレーキ油圧源25及びタンクTに接続されている。
【0047】
第1パーキングブレーキ制御弁42は、リモコン弁29の非操作時(中立時)には図示のブレーキ位置aにセットされ、操作時に高圧選択弁44を介してリモコン圧を供給されることにより図右側のブレーキ解除位置bに切換えられる。
【0048】
すなわち、巻上・巻下操作されたときにパーキングブレーキ40が解除されてウィンチドラム12が巻上・巻下回転し、非操作時に同ブレーキ40が作用してウィンチドラム12が制動停止する。
【0049】
また、第2パーキングブレーキ制御弁43のパイロットポートは、補助巻上ライン35に接続され、同ライン35からの給油作用によって巻上モータ13が巻上回転し始めると同時に、この第2パーキングブレーキ制御弁43がブレーキ位置aからブレーキ解除位置bに切換わってパーキングブレーキ40がブレーキ解除作動するように構成されている。
【0050】
一方、コントローラ39にはフックモードスイッチ45が接続され、同スイッチ45がオン操作されたときに、コントローラ39からモード切換弁27に切換信号が送られて同切換弁27がフリーフォール位置bに切換わり、ウィンチが前記フリーフォールモードに切換えられる。
【0051】
次に、図2右側のブーム起伏系は、ブーム起伏用ウィンチドラム46と、同ドラム46を駆動する油圧起伏モータ47と、同モータ47に対する圧油の給排を制御するブーム起伏用コントロールバルブ48と、ブーム起伏用油圧ポンプ49と、ブーム起伏用リモコン弁50と、パーキングブレーキ51と、リモコン弁50の操作時に同ブレーキ51を解除するブレーキ制御弁52とを有し、リモコン弁50の操作に基づく起伏モータ47の回転によりウィンチドラム46が回転して図1のブーム起伏ロープL3が巻取・巻き戻し駆動され、ブーム2が起伏する。
【0052】
53はカウンタバランス弁、54はリモコン弁50のリモコン圧を取り出してパーキングブレーキ制御弁52にパイロット圧として導く高圧選択弁、55はリリーフ弁である。
【0053】
また、リモコン弁50のリモコン圧は、ブーム起伏検出手段としての圧力スイッチ56,57により電気信号に変換されてコントローラ39に入力され、この信号に基づいてコントローラ39から作業モード選択弁37に作用位置bへの切換信号が送られる。
【0054】
以上の構成において、このクレーンの作用を説明する。
【0055】
A.図1の主フック7をブーム2に固定しない状態での主巻系の作用
A−1 通常巻上・巻下作用
モード切換弁27がブレーキ位置aにセットされた状態では、制動シリンダ18の両側油室18a,18bがともに油圧源25に接続されて同圧となるため、同シリンダ18そのものには推力は発生せず、加圧バネ19のバネ力によりプレッシャープレート17が多板ディスク16側に押されてブレーキ(クラッチ)オンとなる。
【0056】
これにより、巻上モータ13の回転力が遊星歯車機構14を介してウィンチドラム12に伝達され、リモコン弁29の操作に応じてウィンチドラム12が巻上または巻下回転し、図1の主フック7が上げ下げされる。
【0057】
A−2 フリーフォール作用
モード切換弁27がフリーフォール位置bにセットされると、制動シリンダ18のポジティブ側油室18aがブレーキ弁28を介してタンクTに連通してネガティブ側油室18bとの間に圧力差が生じ、その差圧が加圧バネ19のバネ力を超えることにより、同シリンダ18が多板ディスク16と反対側に押されてブレーキ(クラッチ)オフとなる。
【0058】
これにより、フリーフォール状態、すなわちウィンチドラム12が負荷によって巻下方向に自由回転し得る状態となる。
【0059】
そして、このときブレーキ弁28がペダル操作されることにより、そのペダル操作ストロークに応じた圧力によって多板ディスク16がオンとなり、ウィンチドラム12にブレーキ力が作用する。
【0060】
この場合、ブレーキ弁28のペダル操作ストロークを少なくしていくに従って多板ディスク16における回転、固定両摩擦板21,23の圧接力が低下し、多板ディスク16の保持力が負荷よりも小さくなった時点から回転摩擦板21及びキャリア軸15が回転し始めてフリーフォールが開始される。
【0061】
さらに、ブレーキ弁28のペダル操作ストロークを所定量まで減らすと、多板ディスク16の両摩擦板21,23間にクリアランスが生じる。
【0062】
このときから、多板ディスク16の回転抵抗は摩擦板同士の圧接による固定摩擦力から冷却油による流体摩擦力に変わり、回転抵抗が小さくなるため、フリーフォール降下速度が増していく。
【0063】
そして、ペダル操作量が0になると、制動シリンダ18のストロークは最小値となって多板ディスク16のプレート間のクリアランスが最大(フリーフォール抵抗が最小)となり、降下速度が最高となる。
【0064】
B.図1の主フック7をブーム先端部に固定した状態での主巻系の作用
主フック固定状態で、オペレータによってフックモードスイッチ45がオン操作されると、コントローラ39からの信号によってモード切換弁27がフリーフォール位置bに切換わり、これによって巻上ウィンチがフリーフォールモードにセットされる。
【0065】
この状態で、ブーム起伏用リモコン弁50がブーム起立方向に操作されると、リモコン圧信号(起立信号)に基づくコントローラ39からの切換信号によって作業モード選択弁37が作用位置bに切換わる。
【0066】
こうなると、前記のように主巻系のパーキングブレーキ40がブレーキ解除されると同時に巻上モータ13が巻上方向に回転する。
【0067】
こうして、フリーフォールモードで巻上モータ13が巻上回転すると、この回転力が遊星歯車機構14を介して多板ディスク16の回転摩擦板21に伝えられ、この回転摩擦板21と固定摩擦板23との間の流体摩擦(ドラグトルク)によってウィンチドラム12に弱い巻上方向の回転力が働く。
【0068】
この弱いドラム回転力によって主巻ロープL1を巻き取る所謂タグライン作用が働くため、主巻ロープL1のたるみを防止することができる。
【0069】
一方、リモコン弁50がブーム倒伏方向に操作されたとき、及び非操作時にはコントローラ39から作業モード選択弁37に切換信号が送られず、同選択弁37は非作用位置aのままとなるため、巻上モータ13は回転しないしパーキングブレーキ40も解除されない。
【0070】
従って、このときには、フリーフォールモードによるウィンチドラム12の自由回転作用のみが働くため、ブーム倒伏操作時には主巻ロープL1に作用する引っ張り力に応じてウィンチドラム12から同ロープL1が繰り出され、ブーム停止時にはロープ巻取・繰り出しいずれの作用も行われない。
【0071】
図3に示すフローチャートは、上記作用においてコントローラ39によるモード切換弁27及び作業モード選択弁37の切換状況を示すもので、制御開始とともにモード切換スイッチからの信号に基づいてフリーフォールモードか否かが判断され(ステップS1)、YES(フリーフォールモード)の場合はステップS2でモード切換弁27にフリーフォール位置bへの切換信号が出力された後、ステップS1に戻る。
【0072】
NOの場合(フリーフォールモードでない)は、フックモードスイッチ45からの信号に基づいて主フック7が固定されているか否かが判別され(ステップS3)、ここでNO(固定されていない)となると、ステップS4でモード切換弁27への切換信号が停止し、動力巻下作用が行われる。
【0073】
一方、ステップS3でYES(主フック7が固定されている)の場合は、ステップS5でモード切換弁27への切換信号が出力された後、ステップS6で、圧力スイッチ56,57からの信号に基づいてブーム起立操作が行われた否かが判断される。
【0074】
ここでNO(ブーム倒伏または停止)の場合は、ステップS7で作業モード選択弁37への切換信号が停止し、YES(ブーム起立)の場合はステップS8で作業モード選択弁37への切換信号が出力されてステップS1に戻る。
【0075】
このように、主フック固定状態でのブーム起立操作時には主巻ロープL1を余った分だけ巻取り、ブーム倒伏操作時には同ロープL1を必要な分だけ繰り出すため、ブーム起立動作時のロープL1のたるみ、及びブーム倒伏動作時のロープL1の破断を確実に防止することができる。
【0076】
また、ブーム起立動作時には、上記のようにドラグトルクによる小さなロープ巻取力しか作用しないため、ロープL1を過度に引っ張ってロープL1を破断したり、過負荷防止装置の作動に悪影響を与えたりするおそれがない。
【0077】
さらに、フリーフォールモードでブーム起立作動時のみに巻上モータ13を回転させるため、フリーフォールモードで常に同モータ13を回転させる場合のように制動装置20の冷却油が発熱してオーバーヒートを起こすおそれがない。
【0078】
一方、吊りフック固定状態でのブーム起立時にパーキングブレーキ40を自動解除できるため、このパーキングブレーキ40を別に操作する手間も、また操作忘れのおそれもない。
【0079】
ところで、上記実施形態では、主巻系にみについて説明したが、補巻系についても同様の構成を適用でき、これによって上記同様の作用を得ることができる。
【0080】
また、本発明はクレーン専用機に限らず、吊りフックとバケットを併備した兼用機にも適用することができる。
【0081】
【発明の効果】
上記のように本発明によると、吊りフックをブームに固定して作業を行う場合に、巻上ウィンチをフリーフォールモードにセットし、かつ、この状態でのブーム起立時には油圧巻上モータを巻上回転させてウィンチドラムをドラグトルクによる弱い力で回転させるようにしたから、ブーム起立時の巻上ロープのたるみ、及びブーム倒伏時の同ロープの破断のいずれをも防止することができる。
【0082】
また、上記巻上モータの回転によってロープが過度に引っ張られて破断したり、過負荷防止装置に悪影響を与えたりするおそれがない。
【0083】
しかも、従来のフック位置をリミットスイッチで検出して吊りフックを上げ下げする構成と比較して、フック固定構造を簡略化できるとともに、設備コストを安くでき、かつ、作動の信頼性を高めることができる。
【0084】
また、フリーフォールモードでブーム起立作動時のみに油圧巻上モータを回転させるため、フリーフォールモードで常に同モータを回転させる場合のように制動装置の冷却油が発熱してオーバーヒートを起こすおそれがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態にかかるクレーンの模式図である。
【図2】同実施形態にかかる主巻系及びブーム起伏系の回路図である。
【図3】同実施形態の作用を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
2 ブーム
4 主巻ウィンチ
5 補巻ウィンチ
6 ブーム起伏ウィンチ
L1 主巻ロープ
L2 補巻ロープ
7 主フック
8 補フック
12 主巻ウィンチのウィンチドラム
13 同巻上モータ
20 制動装置
16 制動装置の多板ディスク
21 多板ディスクを構成する回転摩擦板
23 同固定摩擦板
39 制御手段を構成するコントローラ
27 同モード切換弁
38 同チェック弁
45 同フックモードスイッチ
37 制御手段とパーキングブレーキブレーキ制御装置を構成する作業モード選択弁
56,57 ブーム起伏検出手段としての圧力スイッチ
40 パーキングブレーキブレーキ
43 パーキングブレーキ制御装置を構成する第2パーキングブレーキ制御弁

Claims (2)

  1. 次の要件を具備することを特徴とするクレーン。
    (A)起伏ウィンチによって起伏するブームと、このブームの先端から吊下されて巻上ウィンチによって巻上・巻下方向に駆動される巻上ロープと、この巻上ロープに取付けられ不使用時にはブームに固定される吊りフックとを有すること。
    (B)上記巻上ウィンチは、ウィンチドラムと、このウィンチドラムの回転駆動源としての油圧巻上モータと、制動装置とを具備すること。
    (C)上記制動装置は、制動解除時に上記油圧巻上モータと連動して回転する回転摩擦板と回転不能な固定摩擦板が冷却油内で圧接・離間することにより、油圧巻上モータの回転力を上記ウィンチドラムに伝える動力伝達モードと、ウィンチドラムの自由回転を許容するフリーフォールモードとに切換可能な湿式ディスクブレーキとして構成されていること。
    (D)上記ブームの起伏作動方向を検出するブーム起伏検出手段と、このブーム起伏検出手段からの信号に基づいて上記油圧巻上モータを制御する制御手段とを具備すること。
    (E)上記制御手段は、上記吊りフックがブームに固定された状態で制動装置をフリーフォールモードにセットし、かつ、この状態で上記ブームの起立作動時には上記油圧巻上モータを巻上方向に回転させ、ブームの倒伏作動時及び起伏停止時には同モータの回転を停止させるように構成されていること。
  2. 請求項1記載のクレーンにおいて、油圧巻上モータの回転を止めるパーキングブレーキと、このパーキングブレーキの作動を制御するパーキングブレーキ制御装置とが設けられ、このパーキングブレーキ制御装置は、吊りフック固定状態でのブーム起立作動時に制御手段からの信号に基づいてパーキングブレーキを解除するように構成されたことを特徴とするクレーン。
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