JP2003252576A - クレーン - Google Patents

クレーン

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JP2003252576A
JP2003252576A JP2002060837A JP2002060837A JP2003252576A JP 2003252576 A JP2003252576 A JP 2003252576A JP 2002060837 A JP2002060837 A JP 2002060837A JP 2002060837 A JP2002060837 A JP 2002060837A JP 2003252576 A JP2003252576 A JP 2003252576A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 制動装置のドラグトルクを利用して吊りフッ
ク固定状態での巻上ロープのたるみや引っ張りを防止
し、かつ、制動装置のオーバーヒートを防止する。 【解決手段】 主、補両フックを備えたクレーンにおい
て、主フックをブーム先端部に固定して作業を行う場合
に、巻上ウィンチをフリーフォールモードにセットし、
かつ、この状態でのブーム起立時に油圧巻上モータ13
を巻上回転させることにより、湿式制動装置20内での
回転摩擦板21の回転によって作用するドラグトルクに
よる弱い力でウィンチドラム12を回転させるようにし
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は油圧モータを駆動源
とする巻上ウィンチによって吊りフックを上げ下げする
クレーンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】複数の吊りフック(たとえば主、補両フ
ック)を備えたクレーンや、吊りフックによるクレーン
作業とバケットによる掘削作業の双方を行う兼用型のク
レーンにおいて、使用しない吊りフックを、他の吊りフ
ック等による作業の邪魔にならないようにブーム先端部
にブラケットとピンで固定する構成のものが公知であ
る。
【0003】この場合、吊りフック用の巻上ロープを駆
動する巻上ウィンチと、ブーム先端との間の距離がブー
ムの起伏によって変化するため、吊りフックを固定した
状態のままブームを起伏させると、巻上ロープがたるん
だり(ブーム起立時)引っ張られたり(ブーム倒伏時)
し、たるみによって巻上ロープの乱巻、引っ張りによっ
て同ロープの破断が生じるおそれがある。
【0004】そこで従来、吊りフックをブーム先端部に
一定範囲で上下動可能に止め付ける一方、同フックが上
限位置または下限位置に達したことを検出するリミット
スイッチを設け、このリミットスイッチの信号に基づい
て吊りフックを上げ下げして一定の高さ位置に保つよう
にしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この従来の
構成によると、ブーム先端部に対する吊りフックの止め
付け構造が複雑化するとともに、上限用と下限用のフッ
ク位置検出手段とその取付構造及び電気配線が必要とな
るため、設備コストが高くなる。
【0006】しかも、リミットスイッチがブーム先端部
という外部からの衝撃や振動を受け易い位置に設けられ
ているため、その動作不良や破損が起こり易く、これに
電気配線の断線等が加わって故障要因が多くなり、作動
の信頼性に劣る。
【0007】一方、湿式ディスクブレーキとしての制動
装置を備えた油圧ウィンチにおいて、特開2001−1
9368号に示されているように、負荷によってウィン
チドラムを自由回転させるフリーフォールモードでの作
業時に、負荷(バケット、吊荷または吊りフック)が着
床した後のウィンチドラムの慣性回転によって巻上ロー
プがたるむことを防止する手段として、フリーフォール
モードで油圧巻上モータを巻上方向に回転させることに
より、冷却油内での回転摩擦板の回転によるドラグトル
クを発生させ、このドラグトルクにより、負荷着床後の
ウィンチドラムにタグラインのような小さな巻上力を作
用させて巻上ロープのたるみを防止する技術が提案され
ている。
【0008】そこで、この技術を、上記従来技術におけ
る吊りフック固定状態でのウィンチ制御に利用すれば、
リミットスイッチという新たな設備を付加せずに巻上ロ
ープのたるみや引っ張りを防止することができる。
【0009】しかし、この技術をそのまま用いると、吊
りフック固定状態かつフリーフォールモードで油圧巻上
モータを常時回転させることになるため、冷却油の発熱
による制動装置のオーバーヒートが発生するという弊害
が生じる。
【0010】本発明は上記の問題を解決し、制動装置の
ドラグトルクを利用して吊りフック固定状態での巻上ロ
ープのたるみや引っ張りを防止する構成をとりながら、
制動装置のオーバーヒートを防止することができるクレ
ーンを提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、次の
要件を具備するものである。
【0012】(A)起伏ウィンチによって起伏するブー
ムと、このブームの先端から吊下されて巻上ウィンチに
よって巻上・巻下方向に駆動される巻上ロープと、この
巻上ロープに取付けられ不使用時にはブームに固定され
る吊りフックとを有すること。
【0013】(B)上記巻上ウィンチは、ウィンチドラ
ムと、このウィンチドラムの回転駆動源としての油圧巻
上モータと、制動装置とを具備すること。
【0014】(C)上記制動装置は、制動解除時に上記
油圧巻上モータと連動して回転する回転摩擦板と回転不
能な固定摩擦板が冷却油内で圧接・離間することによ
り、油圧巻上モータの回転力を上記ウィンチドラムに伝
える動力伝達モードと、ウィンチドラムの自由回転を許
容するフリーフォールモードとに切換可能な湿式ディス
クブレーキとして構成されていること。
【0015】(D)上記ブームの起伏作動方向を検出す
るブーム起伏検出手段と、このブーム起伏検出手段から
の信号に基づいて上記油圧巻上モータを制御する制御手
段とを具備すること。
【0016】(E)上記制御手段は、上記吊りフックが
ブームに固定された状態で制動装置をフリーフォールモ
ードにセットし、かつ、この状態で上記ブームの起立作
動時には上記油圧巻上モータを巻上方向に回転させ、ブ
ームの倒伏作動時及び起伏停止時には同モータの回転を
停止させるように構成されていること。
【0017】請求項2の発明は、請求項1の構成におい
て、油圧巻上モータの回転を止めるパーキングブレーキ
と、このパーキングブレーキの作動を制御するパーキン
グブレーキ制御装置とが設けられ、このパーキングブレ
ーキ制御装置は、吊りフック固定状態でのブーム起立作
動時に制御手段からの信号に基づいてパーキングブレー
キを解除するように構成されたものである。
【0018】上記構成によると、吊りフックをブームに
固定し、かつ、フリーフォールモードにセットした状態
でブームが起立方向に作動すると、油圧巻上モータが巻
上方向に回転し、これと連動して制動装置の回転摩擦板
が回転することによりドラグトルクが働くため、所謂タ
グラインと同様のロープ巻取力が作用する。
【0019】この作用により、巻上ロープの余剰分がウ
ィンチドラムに自動的に巻き取られ、たるみが防止され
る。
【0020】しかも、この場合、上記のようにドラグト
ルクによる小さなロープ巻取力しか作用しないため、ロ
ープを過度に引っ張ってロープを破断させたり、ブーム
を後方へ転倒させたりするおそれがない。
【0021】また、クレーンには過負荷防止のための過
負荷防止装置が標準装備され、同装置への荷重情報とし
てロープ荷重が荷重検出器から送られるように構成され
ている。このため、ブームに固定されている巻上ロープ
を過度に引っ張ると、過負荷防止装置の作動に影響を与
えるおそれがある。
【0022】この点、上記のようにブームに固定されて
いる起伏ロープには大きな巻取力が作用しないため、過
負荷防止装置の作動に影響を与えるおそれがない。
【0023】一方、吊りフック固定状態でかつフリーフ
ォールモードでブームが倒伏方向に作動すると、巻上ロ
ープが、ブーム倒伏によって引っ張られる分だけがウィ
ンチドラムから繰り出される。このため、巻上ロープに
過度の張力が作用して破断したり、このロープが抵抗と
なってブームの倒伏作動ができなくなったり、上記のよ
うに過負荷防止装置に悪影響を与えたりするおそれがな
い。
【0024】しかも、従来のフック位置をリミットスイ
ッチで検出して吊りフックを上げ下げする構成と比較し
て、フック取付構造を簡略化できるとともに、リミット
スイッチとその取付構造及び電気配線が不要となり、か
つ、必要な検出手段であるブーム起伏検出手段は元々過
負荷監視のために設けられたものを利用できるため、設
備コストが安くてすむ。
【0025】また、ブーム起伏検出手段は、ブーム起伏
回路内に設けることができるため、ブーム先端部に設け
られるリミットスイッチと比較して動作不良や破損が生
じ難く、電気配線の断線等の故障要因も減少することか
ら作動の信頼性を高めることができる。
【0026】また、フリーフォールモードでブーム起立
作動時のみに油圧巻上モータを回転させるため、フリー
フォールモードで常に同モータを回転させる場合のよう
に制動装置の冷却油が発熱してオーバーヒートを起こす
おそれがない。
【0027】一方、請求項2の構成によると、吊りフッ
ク固定状態でのブーム起立時に巻上モータのパーキング
ブレーキを自動解除できるため、このパーキングブレー
キを別操作する手間も、また操作忘れのおそれもない。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態を図によって説
明する。
【0029】この実施形態では、吊りフックとして主、
補両フックを備えたクレーンを適用対象として例にとっ
ている。
【0030】図1に、このクレーンの巻上及びブーム起
伏系の構成を模式的に示している。
【0031】図中、1は上部旋回体の旋回フレームで、
同フレーム1にブーム2がブームフットピン3を中心と
して起伏自在に設けられるとともに、主巻用及び補巻用
の両巻上ウィンチ4,5と、ブーム起伏用のウィンチ6
(以下、主巻ウィンチ、補巻ウィンチ、ブーム起伏ウィ
ンチという)が搭載され、主巻ウィンチ4によって巻取
駆動される主巻ロープL1に主フック7が、補巻ウィン
チ5によって巻取駆動される補巻ロープL2に補フック
8がそれぞれ取付けられている。また、ブーム起伏ウィ
ンチ6によって巻取・巻き戻し駆動される起伏ロープL
3は、図示しないガントリ等を有するブーム起伏装置を
介してブーム2の先端部に連結されている。
【0032】図1では、主フック7をブーム先端部に互
いのブラケット9,10及びピン11によって固定し、
この状態で補フック8によって吊り作業を行う場合を示
している。
【0033】このクレーンの主巻系及びブーム起伏系の
回路構成を図2によって説明する。
【0034】まず、図2左側の主巻系において、12は
主巻ウィンチドラム、13は同ドラム12を駆動する油
圧巻上モータ、14はこの巻上モータ13とウィンチド
ラム12との間で動力伝達を行う遊星歯車機構で、この
遊星歯車機構14のキャリア軸15に多板ディスク16
が設けられ、この多板ディスク16と、同ディスク16
に対して圧接・離間するプレッシャープレート17と、
このプレッシャープレート17を駆動する制動シリンダ
18と、加圧バネ19とにより、ウィンチドラム12を
巻上モータ13の出力軸に対して連結・分離し、かつ、
同ドラム12のフリーフォール回転を制動するクラッチ
兼用の制動装置20が構成されている。
【0035】21は多板ディスク16を構成する複数の
回転摩擦板、22はブレーキケース、23はこのブレー
キケース22に固定された複数の固定摩擦板である。
【0036】また、この制動装置20は、多板ディスク
16のフェード現象を防止するために、図示しない冷却
ポンプからの冷却油を多板ディスク16内に供給し循環
させる湿式ブレーキとして構成されている。
【0037】制動シリンダ18は、プレッシャープレー
ト17をブレーキオン方向に加圧するポジティブ側油室
18aと、同プレート17をブレーキオフ方向に加圧す
るネガティブ側油室18bとを有し、ネガティブ側油室
18bに接続されたネガティブライン24が直接、ブレ
ーキ油圧源25に接続されている。
【0038】一方、ポジティブ側油室18aに接続され
たポジティブライン26は、電磁切換弁であるモード切
換弁27、及びブレーキ弁28を介してブレーキ油圧源
25及びタンクTに接続されている。
【0039】モード切換弁27は、図示しないモード切
換スイッチの切換操作、または後述するフックモードス
イッチ45の操作により図左側のブレーキ位置aと右側
のフリーフォール位置bとの間で切換わり作動し、この
モード切換弁27のブレーキ位置aで制動シリンダ18
のポジティブ側油室18aが油圧源25に接続される。
【0040】一方、モード切換弁27がフリーフォール
位置bに切換わると、ポジティブ側油室18aが同切換
弁27を介してブレーキ弁28の二次側に接続され、ブ
レーキ弁28の操作量に応じた二次圧がポジティブ側油
室18aに供給される。28aはブレーキ弁28の操作
ペダルである。
【0041】29はレバー操作されて巻上モータ13の
巻上・巻下回転を制御するリモコン弁、30はこのリモ
コン弁29の二次圧(リモコン圧)によって中立、巻
上、巻下の三位置イ、ロ、ハ間で切換わり制御する主巻
用コントロールバルブで、リモコン弁操作時に、巻上ポ
ンプ31からの吐出油がこのコントロールバルブ30を
介して巻上モータ13の巻上側管路32または巻下側管
路33に供給されて同モータ13が巻上側または巻下側
に回転する。34は巻上側管路32に設けられた油圧ブ
レーキ弁としてのカウンタバランス弁である。
【0042】また、巻上側管路32には、コントロール
バルブ30を有する主巻上ラインとは別の補助巻上ライ
ン35が接続されている。
【0043】この補助巻上ライン35は、油圧源36及
びタンクTと、作業モード選択弁(電磁切換弁)37と
パイロットチェック弁38を有し、後述するように主フ
ック固定状態でブーム起立操作が行われたときに、コン
トローラ39からの信号によって作業モード選択弁37
が図示の非作用位置aから左側の作用位置bに切換わる
ことにより、油圧源36からの油が補助巻上ライン35
経由で巻上側管路32に供給されて巻上モータ13が巻
上回転する。
【0044】この巻上モータ13の出力軸には、油圧シ
リンダ式のパーキングブレーキ40が設けられている。
【0045】このパーキングブレーキ40は、バネ力に
よってモータ出力軸に制動力を付与し、油室40aに油
圧が加えられたときにこの制動力を解除するネガティブ
ブレーキとして構成されている。
【0046】このパーキングブレーキ40の油室40a
は、高圧選択弁41、油圧パイロット式の第1及び第2
両パーキングブレーキ制御弁42,43を介してブレー
キ油圧源25及びタンクTに接続されている。
【0047】第1パーキングブレーキ制御弁42は、リ
モコン弁29の非操作時(中立時)には図示のブレーキ
位置aにセットされ、操作時に高圧選択弁44を介して
リモコン圧を供給されることにより図右側のブレーキ解
除位置bに切換えられる。
【0048】すなわち、巻上・巻下操作されたときにパ
ーキングブレーキ40が解除されてウィンチドラム12
が巻上・巻下回転し、非操作時に同ブレーキ40が作用
してウィンチドラム12が制動停止する。
【0049】また、第2パーキングブレーキ制御弁43
のパイロットポートは、補助巻上ライン35に接続さ
れ、同ライン35からの給油作用によって巻上モータ1
3が巻上回転し始めると同時に、この第2パーキングブ
レーキ制御弁43がブレーキ位置aからブレーキ解除位
置bに切換わってパーキングブレーキ40がブレーキ解
除作動するように構成されている。
【0050】一方、コントローラ39にはフックモード
スイッチ45が接続され、同スイッチ45がオン操作さ
れたときに、コントローラ39からモード切換弁27に
切換信号が送られて同切換弁27がフリーフォール位置
bに切換わり、ウィンチが前記フリーフォールモードに
切換えられる。
【0051】次に、図2右側のブーム起伏系は、ブーム
起伏用ウィンチドラム46と、同ドラム46を駆動する
油圧起伏モータ47と、同モータ47に対する圧油の給
排を制御するブーム起伏用コントロールバルブ48と、
ブーム起伏用油圧ポンプ49と、ブーム起伏用リモコン
弁50と、パーキングブレーキ51と、リモコン弁50
の操作時に同ブレーキ51を解除するブレーキ制御弁5
2とを有し、リモコン弁50の操作に基づく起伏モータ
47の回転によりウィンチドラム46が回転して図1の
ブーム起伏ロープL3が巻取・巻き戻し駆動され、ブー
ム2が起伏する。
【0052】53はカウンタバランス弁、54はリモコ
ン弁50のリモコン圧を取り出してパーキングブレーキ
制御弁52にパイロット圧として導く高圧選択弁、55
はリリーフ弁である。
【0053】また、リモコン弁50のリモコン圧は、ブ
ーム起伏検出手段としての圧力スイッチ56,57によ
り電気信号に変換されてコントローラ39に入力され、
この信号に基づいてコントローラ39から作業モード選
択弁37に作用位置bへの切換信号が送られる。
【0054】以上の構成において、このクレーンの作用
を説明する。
【0055】A.図1の主フック7をブーム2に固定し
ない状態での主巻系の作用 A−1 通常巻上・巻下作用 モード切換弁27がブレーキ位置aにセットされた状態
では、制動シリンダ18の両側油室18a,18bがと
もに油圧源25に接続されて同圧となるため、同シリン
ダ18そのものには推力は発生せず、加圧バネ19のバ
ネ力によりプレッシャープレート17が多板ディスク1
6側に押されてブレーキ(クラッチ)オンとなる。
【0056】これにより、巻上モータ13の回転力が遊
星歯車機構14を介してウィンチドラム12に伝達さ
れ、リモコン弁29の操作に応じてウィンチドラム12
が巻上または巻下回転し、図1の主フック7が上げ下げ
される。
【0057】A−2 フリーフォール作用 モード切換弁27がフリーフォール位置bにセットされ
ると、制動シリンダ18のポジティブ側油室18aがブ
レーキ弁28を介してタンクTに連通してネガティブ側
油室18bとの間に圧力差が生じ、その差圧が加圧バネ
19のバネ力を超えることにより、同シリンダ18が多
板ディスク16と反対側に押されてブレーキ(クラッ
チ)オフとなる。
【0058】これにより、フリーフォール状態、すなわ
ちウィンチドラム12が負荷によって巻下方向に自由回
転し得る状態となる。
【0059】そして、このときブレーキ弁28がペダル
操作されることにより、そのペダル操作ストロークに応
じた圧力によって多板ディスク16がオンとなり、ウィ
ンチドラム12にブレーキ力が作用する。
【0060】この場合、ブレーキ弁28のペダル操作ス
トロークを少なくしていくに従って多板ディスク16に
おける回転、固定両摩擦板21,23の圧接力が低下
し、多板ディスク16の保持力が負荷よりも小さくなっ
た時点から回転摩擦板21及びキャリア軸15が回転し
始めてフリーフォールが開始される。
【0061】さらに、ブレーキ弁28のペダル操作スト
ロークを所定量まで減らすと、多板ディスク16の両摩
擦板21,23間にクリアランスが生じる。
【0062】このときから、多板ディスク16の回転抵
抗は摩擦板同士の圧接による固定摩擦力から冷却油によ
る流体摩擦力に変わり、回転抵抗が小さくなるため、フ
リーフォール降下速度が増していく。
【0063】そして、ペダル操作量が0になると、制動
シリンダ18のストロークは最小値となって多板ディス
ク16のプレート間のクリアランスが最大(フリーフォ
ール抵抗が最小)となり、降下速度が最高となる。
【0064】B.図1の主フック7をブーム先端部に固
定した状態での主巻系の作用 主フック固定状態で、オペレータによってフックモード
スイッチ45がオン操作されると、コントローラ39か
らの信号によってモード切換弁27がフリーフォール位
置bに切換わり、これによって巻上ウィンチがフリーフ
ォールモードにセットされる。
【0065】この状態で、ブーム起伏用リモコン弁50
がブーム起立方向に操作されると、リモコン圧信号(起
立信号)に基づくコントローラ39からの切換信号によ
って作業モード選択弁37が作用位置bに切換わる。
【0066】こうなると、前記のように主巻系のパーキ
ングブレーキ40がブレーキ解除されると同時に巻上モ
ータ13が巻上方向に回転する。
【0067】こうして、フリーフォールモードで巻上モ
ータ13が巻上回転すると、この回転力が遊星歯車機構
14を介して多板ディスク16の回転摩擦板21に伝え
られ、この回転摩擦板21と固定摩擦板23との間の流
体摩擦(ドラグトルク)によってウィンチドラム12に
弱い巻上方向の回転力が働く。
【0068】この弱いドラム回転力によって主巻ロープ
L1を巻き取る所謂タグライン作用が働くため、主巻ロ
ープL1のたるみを防止することができる。
【0069】一方、リモコン弁50がブーム倒伏方向に
操作されたとき、及び非操作時にはコントローラ39か
ら作業モード選択弁37に切換信号が送られず、同選択
弁37は非作用位置aのままとなるため、巻上モータ1
3は回転しないしパーキングブレーキ40も解除されな
い。
【0070】従って、このときには、フリーフォールモ
ードによるウィンチドラム12の自由回転作用のみが働
くため、ブーム倒伏操作時には主巻ロープL1に作用す
る引っ張り力に応じてウィンチドラム12から同ロープ
L1が繰り出され、ブーム停止時にはロープ巻取・繰り
出しいずれの作用も行われない。
【0071】図3に示すフローチャートは、上記作用に
おいてコントローラ39によるモード切換弁27及び作
業モード選択弁37の切換状況を示すもので、制御開始
とともにモード切換スイッチからの信号に基づいてフリ
ーフォールモードか否かが判断され(ステップS1)、
YES(フリーフォールモード)の場合はステップS2
でモード切換弁27にフリーフォール位置bへの切換信
号が出力された後、ステップS1に戻る。
【0072】NOの場合(フリーフォールモードでな
い)は、フックモードスイッチ45からの信号に基づい
て主フック7が固定されているか否かが判別され(ステ
ップS3)、ここでNO(固定されていない)となる
と、ステップS4でモード切換弁27への切換信号が停
止し、動力巻下作用が行われる。
【0073】一方、ステップS3でYES(主フック7
が固定されている)の場合は、ステップS5でモード切
換弁27への切換信号が出力された後、ステップS6
で、圧力スイッチ56,57からの信号に基づいてブー
ム起立操作が行われた否かが判断される。
【0074】ここでNO(ブーム倒伏または停止)の場
合は、ステップS7で作業モード選択弁37への切換信
号が停止し、YES(ブーム起立)の場合はステップS
8で作業モード選択弁37への切換信号が出力されてス
テップS1に戻る。
【0075】このように、主フック固定状態でのブーム
起立操作時には主巻ロープL1を余った分だけ巻取り、
ブーム倒伏操作時には同ロープL1を必要な分だけ繰り
出すため、ブーム起立動作時のロープL1のたるみ、及
びブーム倒伏動作時のロープL1の破断を確実に防止す
ることができる。
【0076】また、ブーム起立動作時には、上記のよう
にドラグトルクによる小さなロープ巻取力しか作用しな
いため、ロープL1を過度に引っ張ってロープL1を破
断したり、過負荷防止装置の作動に悪影響を与えたりす
るおそれがない。
【0077】さらに、フリーフォールモードでブーム起
立作動時のみに巻上モータ13を回転させるため、フリ
ーフォールモードで常に同モータ13を回転させる場合
のように制動装置20の冷却油が発熱してオーバーヒー
トを起こすおそれがない。
【0078】一方、吊りフック固定状態でのブーム起立
時にパーキングブレーキ40を自動解除できるため、こ
のパーキングブレーキ40を別に操作する手間も、また
操作忘れのおそれもない。
【0079】ところで、上記実施形態では、主巻系にみ
について説明したが、補巻系についても同様の構成を適
用でき、これによって上記同様の作用を得ることができ
る。
【0080】また、本発明はクレーン専用機に限らず、
吊りフックとバケットを併備した兼用機にも適用するこ
とができる。
【0081】
【発明の効果】上記のように本発明によると、吊りフッ
クをブームに固定して作業を行う場合に、巻上ウィンチ
をフリーフォールモードにセットし、かつ、この状態で
のブーム起立時には油圧巻上モータを巻上回転させてウ
ィンチドラムをドラグトルクによる弱い力で回転させる
ようにしたから、ブーム起立時の巻上ロープのたるみ、
及びブーム倒伏時の同ロープの破断のいずれをも防止す
ることができる。
【0082】また、上記巻上モータの回転によってロー
プが過度に引っ張られて破断したり、過負荷防止装置に
悪影響を与えたりするおそれがない。
【0083】しかも、従来のフック位置をリミットスイ
ッチで検出して吊りフックを上げ下げする構成と比較し
て、フック固定構造を簡略化できるとともに、設備コス
トを安くでき、かつ、作動の信頼性を高めることができ
る。
【0084】また、フリーフォールモードでブーム起立
作動時のみに油圧巻上モータを回転させるため、フリー
フォールモードで常に同モータを回転させる場合のよう
に制動装置の冷却油が発熱してオーバーヒートを起こす
おそれがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態にかかるクレーンの模式図で
ある。
【図2】同実施形態にかかる主巻系及びブーム起伏系の
回路図である。
【図3】同実施形態の作用を説明するためのフローチャ
ートである。
【符号の説明】
2 ブーム 4 主巻ウィンチ 5 補巻ウィンチ 6 ブーム起伏ウィンチ L1 主巻ロープ L2 補巻ロープ 7 主フック 8 補フック 12 主巻ウィンチのウィンチドラム 13 同巻上モータ 20 制動装置 16 制動装置の多板ディスク 21 多板ディスクを構成する回転摩擦板 23 同固定摩擦板 39 制御手段を構成するコントローラ 27 同モード切換弁 38 同チェック弁 45 同フックモードスイッチ 37 制御手段とパーキングブレーキブレーキ制御装置
を構成する作業モード選択弁 56,57 ブーム起伏検出手段としての圧力スイッチ 40 パーキングブレーキブレーキ 43 パーキングブレーキ制御装置を構成する第2パー
キングブレーキ制御弁

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の要件を具備することを特徴とするク
    レーン。 (A)起伏ウィンチによって起伏するブームと、このブ
    ームの先端から吊下されて巻上ウィンチによって巻上・
    巻下方向に駆動される巻上ロープと、この巻上ロープに
    取付けられ不使用時にはブームに固定される吊りフック
    とを有すること。 (B)上記巻上ウィンチは、ウィンチドラムと、このウ
    ィンチドラムの回転駆動源としての油圧巻上モータと、
    制動装置とを具備すること。 (C)上記制動装置は、制動解除時に上記油圧巻上モー
    タと連動して回転する回転摩擦板と回転不能な固定摩擦
    板が冷却油内で圧接・離間することにより、油圧巻上モ
    ータの回転力を上記ウィンチドラムに伝える動力伝達モ
    ードと、ウィンチドラムの自由回転を許容するフリーフ
    ォールモードとに切換可能な湿式ディスクブレーキとし
    て構成されていること。 (D)上記ブームの起伏作動方向を検出するブーム起伏
    検出手段と、このブーム起伏検出手段からの信号に基づ
    いて上記油圧巻上モータを制御する制御手段とを具備す
    ること。 (E)上記制御手段は、上記吊りフックがブームに固定
    された状態で制動装置をフリーフォールモードにセット
    し、かつ、この状態で上記ブームの起立作動時には上記
    油圧巻上モータを巻上方向に回転させ、ブームの倒伏作
    動時及び起伏停止時には同モータの回転を停止させるよ
    うに構成されていること。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のクレーンにおいて、油圧
    巻上モータの回転を止めるパーキングブレーキと、この
    パーキングブレーキの作動を制御するパーキングブレー
    キ制御装置とが設けられ、このパーキングブレーキ制御
    装置は、吊りフック固定状態でのブーム起立作動時に制
    御手段からの信号に基づいてパーキングブレーキを解除
    するように構成されたことを特徴とするクレーン。
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