JP4062810B2 - 空気予熱器バイパスダンパの制御方法及び装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気予熱器バイパスダンパの制御方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、事業用、産業用火力発電設備における石炭焚ボイラ等のボイラは、図8に示される如く、火炉1の下流側に形成された後部伝熱部2内に、再熱器3と過熱器4とを配設すると共に、その下流側に節炭器5を配設してなる構成を有しており、前記ボイラの後部伝熱部2の下流側に接続された排ガスライン6の途中には、ボイラから排出される排ガスから窒素酸化物(NOx)を除去するための脱硝装置7と、該脱硝装置7を通過した後の排ガスの熱を利用してボイラの火炉1へ供給される微粉炭搬送用の一次空気と燃焼用の二次空気を加熱するための空気予熱器8とを配設してある。
【0003】
前述の如きボイラにおいては、火炉1内で微粉炭等の燃料の燃焼によって発生した燃焼ガスの熱により、後部伝熱部2内の再熱器3と過熱器4と節炭器5とが加熱され、蒸気が発生され、前記再熱器3と過熱器4と節炭器5とによって熱が奪われて温度降下した排ガスは、排ガスライン6を経て脱硝装置7において窒素酸化物が除去された後、空気予熱器8へ導入され、該空気予熱器8においてボイラの火炉1へ供給される微粉炭搬送用の一次空気と燃焼用の二次空気が前記排ガスの熱によって加熱される。
【0004】
ところで、前述の如きボイラの場合、例えば、冬場のように外気温度が低い時に、二次空気等をそのまま空気予熱器8へ導入すると、該空気予熱器8の出口ガス温度も低下し、該空気予熱器8の出口ガス温度が酸露点以下になると、排ガス中に含まれる硫黄分が結露して空気予熱器8の低温端に付着し腐食が生じるという欠点を有していた。
【0005】
このため、従来においては、空気予熱器8の入側に、図8中、仮想線で示される如く、蒸気で二次空気を加熱するスチームエアヒータ9を設置し、該スチームエアヒータ9によって二次空気を加熱し、空気予熱器8の低温腐食を防止することが行われていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述の如く、空気予熱器8の低温腐食を防止するために、空気予熱器8の入側にスチームエアヒータ9を設置して二次空気を加熱するのでは、その分だけ蒸気が余分に必要になると共に、イニシャルコスト並びにランニングコストのアップにつながるという不具合を有していた。
【0007】
このため、前記スチームエアヒータ9を設ける代りに、図8に示される如く、二次空気の一部を空気予熱器8を通過させずに迂回させるための空気予熱器バイパスライン11を設けると共に、該空気予熱器バイパスライン11の途中に空気予熱器バイパスダンパ12を設け、冬場の外気温度が低く空気予熱器8の出口ガス温度が低くなる場合には、前記空気予熱器バイパスダンパ12を開くことにより、二次空気の一部を空気予熱器8を通過させずに迂回させ、空気予熱器8の出口ガス温度を早期に上昇させ、空気予熱器8の低温腐食を防止することが提案されているが、前記空気予熱器バイパスダンパ12の制御を行う具体的な手段は開発されていないのが現状であった。
【0008】
本発明は、斯かる実情に鑑み、外気温度の変化によらず、空気予熱器平均温度を安定して制御することができ、スチームエアヒータを設置することなく、空気予熱器の低温腐食を防止し得る空気予熱器バイパスダンパの制御方法及び装置を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ボイラへ供給される空気の一部を空気予熱器を通過させずに迂回させる空気予熱器バイパスライン途中に設けられた空気予熱器バイパスダンパの制御方法であって、
ボイラ起動時には、発電機出力指令と空気予熱器入口空気温度とに基づく起動時基本開度指令に対し、燃料/空気比に基づく補正開度を加算した起動時開度指令により空気予熱器バイパスダンパの開度調節を行い、
ボイラ通常運転時には、空気予熱器入口空気温度と空気予熱器出口ガス温度との空気予熱器平均温度と、発電機出力指令に基づく空気予熱器平均温度設定値との空気予熱器平均温度偏差をなくすための空気予熱器バイパスダンパ開度指令を、発電機出力指令と空気予熱器入口空気温度とに基づく先行開度指令に対して加算した通常運転時開度指令により空気予熱器バイパスダンパの開度調節を行うことを特徴とする空気予熱器バイパスダンパの制御方法にかかるものである。
【0010】
又、本発明は、ボイラへ供給される空気の一部を空気予熱器を通過させずに迂回させる空気予熱器バイパスライン途中に設けられた空気予熱器バイパスダンパの制御装置であって、
空気予熱器入口空気温度を検出する空気予熱器入口空気温度検出器と、
空気予熱器出口ガス温度を検出する空気予熱器出口ガス温度検出器と、
ボイラ起動時には、発電機出力指令と空気予熱器入口空気温度とに基づく起動時基本開度指令に対し、燃料/空気比に基づく補正開度を加算した起動時開度指令を空気予熱器バイパスダンパへ出力し、ボイラ通常運転時には、空気予熱器入口空気温度と空気予熱器出口ガス温度との空気予熱器平均温度と、発電機出力指令に基づく空気予熱器平均温度設定値との空気予熱器平均温度偏差をなくすための空気予熱器バイパスダンパ開度指令を、発電機出力指令と空気予熱器入口空気温度とに基づく先行開度指令に対して加算した通常運転時開度指令を空気予熱器バイパスダンパへ出力する制御器と
を備えたことを特徴とする空気予熱器バイパスダンパの制御装置にかかるものである。
【0011】
上記手段によれば、以下のような作用が得られる。
【0012】
本発明の空気予熱器バイパスダンパの制御方法においては、ボイラ起動時には、発電機出力指令と空気予熱器入口空気温度とに基づく起動時基本開度指令に対し、燃料/空気比に基づく補正開度を加算した起動時開度指令により空気予熱器バイパスダンパの開度調節が行われ、ボイラ通常運転時には、空気予熱器入口空気温度と空気予熱器出口ガス温度との空気予熱器平均温度と、発電機出力指令に基づく空気予熱器平均温度設定値との空気予熱器平均温度偏差をなくすための空気予熱器バイパスダンパ開度指令を、発電機出力指令と空気予熱器入口空気温度とに基づく先行開度指令に対して加算した通常運転時開度指令により空気予熱器バイパスダンパの開度調節が行われる。
【0013】
又、本発明の空気予熱器バイパスダンパの制御装置においては、空気予熱器入口空気温度検出器によって空気予熱器入口空気温度が検出されると共に、空気予熱器出口ガス温度検出器によって空気予熱器出口ガス温度が検出されて制御器へ入力され、ボイラ起動時には、発電機出力指令と空気予熱器入口空気温度とに基づく起動時基本開度指令に対し、燃料/空気比に基づく補正開度を加算した起動時開度指令が制御器から空気予熱器バイパスダンパへ出力され、空気予熱器バイパスダンパの開度調節が行われ、ボイラ通常運転時には、空気予熱器入口空気温度と空気予熱器出口ガス温度との空気予熱器平均温度と、発電機出力指令に基づく空気予熱器平均温度設定値との空気予熱器平均温度偏差をなくすための空気予熱器バイパスダンパ開度指令を、発電機出力指令と空気予熱器入口空気温度とに基づく先行開度指令に対して加算した通常運転時開度指令が制御器から空気予熱器バイパスダンパへ出力され、空気予熱器バイパスダンパの開度調節が行われる。
【0014】
この結果、本発明の空気予熱器バイパスダンパの制御方法及び装置では、冬場のように外気温度が低い時には、空気予熱器入口空気温度並びに空気予熱器出口ガス温度に基づいて空気予熱器バイパスダンパが開かれ、二次空気の一部が空気予熱器を通過せずに迂回するため、空気予熱器の入側にスチームエアヒータを設置しなくても、空気予熱器の出口ガス温度が低下せずに早期に上昇し、空気予熱器の低温腐食が防止される。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
【0016】
図1は本発明を実施する形態の一例であって、図中、図8と同一の符号を付した部分は同一物を表わしており、空気予熱器入口空気温度15を検出する空気予熱器入口空気温度検出器16と、空気予熱器出口ガス温度17を検出する空気予熱器出口ガス温度検出器18とを設けると共に、
前記空気予熱器入口空気温度検出器16で検出された空気予熱器入口空気温度15と、前記空気予熱器出口ガス温度検出器18で検出された空気予熱器出口ガス温度17とに基づき空気予熱器バイパスダンパ12へ空気予熱器バイパスダンパ開度指令19を出力する制御器21を設けてある。
【0017】
前記制御器21は、図2に示す如く、
発電機出力指令22と前記空気予熱器入口空気温度検出器16で検出された空気予熱器入口空気温度15とに基づき空気予熱器バイパスダンパ12の起動時基本開度指令23を求めて出力する第一補間演算器24と、
燃料流量指令25を空気流量指令26で割り、燃料/空気比27を求めて出力する除算器28と、
該除算器28から出力される燃料/空気比27に基づき空気予熱器バイパスダンパ12の補正開度29を求めて出力する第一関数発生器30と、
該第一関数発生器30から出力される空気予熱器バイパスダンパ12の補正開度29が変化した場合にその変化率を設定値以下に制限する処理を行い、補正開度31として出力する変化率制限器32と、
前記第一補間演算器24から出力される空気予熱器バイパスダンパ12の起動時基本開度指令23に対し前記変化率制限器32から出力される補正開度31を加算し、起動時開度指令33を出力する加算器34と、
前記空気予熱器入口空気温度検出器16で検出された空気予熱器入口空気温度15と前記空気予熱器出口ガス温度検出器18で検出された空気予熱器出口ガス温度17との和を2で割り空気予熱器平均温度35を求めて出力する平均演算器36と、
発電機出力指令22に基づき空気予熱器平均温度設定値37を求めて出力する第二関数発生器38と、
該第二関数発生器38から出力される空気予熱器平均温度設定値37に対して操作員が必要に応じてバイアス39を付加するための操作ステーション40と、
該操作ステーション40から出力されるバイアス39を前記第二関数発生器38から出力される空気予熱器平均温度設定値37に対して加算し、空気予熱器平均温度設定値41として出力する加算器42と、
該加算器42から出力される空気予熱器平均温度設定値41が変化した場合にその変化率を設定値以下に制限する処理を行い、空気予熱器平均温度設定値43として出力する変化率制限器44と、
該変化率制限器44から出力される空気予熱器平均温度設定値43と前記平均演算器36から出力される空気予熱器平均温度35との差を求め、空気予熱器平均温度偏差45を出力する減算器46と、
空気予熱器バイパスダンパ12の実際の開度49に基づきダンパ特性補正用の補正係数50を求めて出力する第三関数発生器51と、
前記減算器46から出力される空気予熱器平均温度偏差45に対し前記第三関数発生器51から出力される補正係数50を掛け、空気予熱器バイパスダンパ開度特性補正後の空気予熱器平均温度偏差47として出力する乗算器48と、
該乗算器48から出力される空気予熱器バイパスダンパ開度特性補正後の空気予熱器平均温度偏差47を比例積分処理し、該空気予熱器バイパスダンパ開度特性補正後の空気予熱器平均温度偏差47をなくすための空気予熱器バイパスダンパ開度指令52を求めて出力する比例積分調節器53と、
発電機出力指令22と前記空気予熱器入口空気温度検出器16で検出された空気予熱器入口空気温度15とに基づき空気予熱器バイパスダンパ12の先行開度指令54を求めて出力する第二補間演算器55と、
該第二補間演算器55から出力される空気予熱器バイパスダンパ12の先行開度指令54に対し前記乗算器53から出力される空気予熱器バイパスダンパ開度指令52を加算し、通常運転時開度指令56を出力する加算器57と、
ボイラ起動時には、図2中a側に切り換えられ、前記加算器34から出力される起動時開度指令33を空気予熱器バイパスダンパ開度指令58として出力する一方、ボイラ通常運転時には、図2中b側に切り換えられ、前記加算器57から出力される通常運転時開度指令56を空気予熱器バイパスダンパ開度指令58として出力する切換器59と、
操作員が空気予熱器バイパスダンパ12を手動操作する場合にその開度60を設定するための操作ステーション61と、
自動時には、図2中a側に切り換えられ、前記切換器59から出力される空気予熱器バイパスダンパ開度指令58を空気予熱器バイパスダンパ開度指令19として空気予熱器バイパスダンパ12へ出力する一方、手動時には、図2中b側に切り換えられ、前記操作ステーション61で設定された開度60を空気予熱器バイパスダンパ開度指令19として空気予熱器バイパスダンパ12へ出力する切換器62と
を備えてなる構成を有している。
【0018】
前記第一補間演算器24には、試運転時のデータに基づいて、例えば、図3に示す如く、空気予熱器入口空気温度15がT1(例えば、20[℃])の場合の発電機出力指令22に対する空気予熱器バイパスダンパ12の起動時基本開度指令23を求める関数と、空気予熱器入口空気温度15がT2(例えば、60[℃])の場合の発電機出力指令22に対する空気予熱器バイパスダンパ12の起動時基本開度指令23を求める関数とが予め設定入力されており、空気予熱器入口空気温度15がT1からT2の間の温度の場合には、自動的に補間演算が行われ、その温度での発電機出力指令22に対する空気予熱器バイパスダンパ12の起動時基本開度指令23が求められるようになっている。
【0019】
前記第二補間演算器55には、試運転時のデータに基づいて、例えば、図4に示す如く、空気予熱器入口空気温度15がT1(例えば、20[℃])の場合の発電機出力指令22に対する空気予熱器バイパスダンパ12の先行開度指令54を求める関数と、空気予熱器入口空気温度15がT2(例えば、60[℃])の場合の発電機出力指令22に対する空気予熱器バイパスダンパ12の先行開度指令54を求める関数とが予め設定入力されており、空気予熱器入口空気温度15がT1からT2の間の温度の場合には、自動的に補間演算が行われ、その温度での発電機出力指令22に対する空気予熱器バイパスダンパ12の先行開度指令54が求められるようになっている。
【0020】
前記第一関数発生器30には、試運転時のデータに基づいて、例えば、図5に示す如く、燃料/空気比27に対し空気予熱器バイパスダンパ12の補正開度29を求める関数が予め設定入力されており、これは、ボイラ起動時において、燃料/空気比27が小さくなっている場合には、ボイラの火炉1から排出される排ガスの温度が低く、空気予熱器8が暖まりにくくなるため、空気予熱器バイパスダンパ12の補正開度29が開かれる方向に設定される一方、燃料/空気比27が大きくなっている場合には、ボイラの火炉1から排出される排ガスの温度が高く、空気予熱器8が暖まりやすくなるため、空気予熱器バイパスダンパ12の補正開度29が絞られる方向に設定されることを表わしている。
【0021】
前記第二関数発生器38には、試運転時のデータに基づいて、例えば、図6に示す如く、発電機出力指令22に対し空気予熱器平均温度設定値37を略一定とするような関数が予め設定入力されている。
【0022】
前記第三関数発生器51には、試運転時のデータに基づいて、例えば、図7に示す如く、空気予熱器バイパスダンパ12の実際の開度49に対しダンパ特性補正用の補正係数50を求める関数が予め設定入力されており、これは、空気予熱器バイパスダンパ12の開度の増減に対して略比例する形で空気流量が増減して行くようにするためのものである。
【0023】
次に、上記図示例の作動を説明する。
【0024】
ボイラ起動時には、空気予熱器入口空気温度検出器16によって空気予熱器入口空気温度15が検出され、空気予熱器出口ガス温度検出器18によって空気予熱器出口ガス温度17が検出され、前記空気予熱器入口空気温度検出器16で検出された空気予熱器入口空気温度15と、前記空気予熱器出口ガス温度検出器18で検出された空気予熱器出口ガス温度17とが制御器21へ入力される。
【0025】
前記空気予熱器入口空気温度検出器16で検出された空気予熱器入口空気温度15と、前記空気予熱器出口ガス温度検出器18で検出された空気予熱器出口ガス温度17とが制御器21へ入力されると、該制御器21の第一補間演算器24において、発電機出力指令22と前記空気予熱器入口空気温度検出器16で検出された空気予熱器入口空気温度15とに基づき空気予熱器バイパスダンパ12の起動時基本開度指令23が求められて加算器34へ出力される一方、除算器28において、燃料流量指令25が空気流量指令26で割られ、燃料/空気比27がを求められて第一関数発生器30へ出力され、該第一関数発生器30において、前記除算器28から出力される燃料/空気比27に基づき空気予熱器バイパスダンパ12の補正開度29が求められて変化率制限器32へ出力され、該変化率制限器32において、前記第一関数発生器30から出力される空気予熱器バイパスダンパ12の補正開度29の変化率を設定値以下に制限する処理が行われ、補正開度31として前記加算器34へ出力され、該加算器34において、前記第一補間演算器24から出力される空気予熱器バイパスダンパ12の起動時基本開度指令23に対し前記変化率制限器32から出力される補正開度31が加算され、起動時開度指令33が切換器59へ出力される。
【0026】
ボイラ起動時には、前記切換器59は、図2中a側に切り換えられており、前記加算器34から出力される起動時開度指令33が空気予熱器バイパスダンパ開度指令58として切換器62へ出力され、該切換器62が自動時に、図2中a側に切り換えられていれば、前記切換器59から出力される空気予熱器バイパスダンパ開度指令58が空気予熱器バイパスダンパ開度指令19として空気予熱器バイパスダンパ12へ出力され、該空気予熱器バイパスダンパ12の開度調整が行われる。
【0027】
ボイラの起動が完了し通常運転に移行すると、前記切換器59が図2中b側に切り換えられると共に、平均演算器36において、前記空気予熱器入口空気温度検出器16で検出された空気予熱器入口空気温度15と前記空気予熱器出口ガス温度検出器18で検出された空気予熱器出口ガス温度17との和が2で割られ空気予熱器平均温度35が求められて減算器46へ出力される一方、第二関数発生器38において、発電機出力指令22に基づき空気予熱器平均温度設定値37が求められて加算器42へ出力され、該加算器42において、前記第二関数発生器38から出力される空気予熱器平均温度設定値37に対し、操作員による操作ステーション40の操作により、必要に応じてバイアス39が付加され、空気予熱器平均温度設定値41として変化率制限器44へ出力され、該変化率制限器44において、前記加算器42から出力される空気予熱器平均温度設定値41の変化率を設定値以下に制限する処理が行われ、空気予熱器平均温度設定値43として減算器46へ出力され、該減算器46において、前記変化率制限器44から出力される空気予熱器平均温度設定値43と前記平均演算器36から出力される空気予熱器平均温度35との差が求められ、空気予熱器平均温度偏差45が乗算器48へ出力され、該乗算器48において、前記減算器46から出力される空気予熱器平均温度偏差45に対し、第三関数発生器51から出力される空気予熱器バイパスダンパ12の実際の開度49に基づくダンパ特性補正用の補正係数50が掛けられ、空気予熱器バイパスダンパ開度補正後の空気予熱器平均温度偏差47として比例積分調節器53へ出力され、該比例積分調節器53において、前記乗算器48から出力される空気予熱器バイパスダンパ開度補正後の空気予熱器平均温度偏差47が比例積分処理され、該空気予熱器バイパスダンパ開度補正後の空気予熱器平均温度偏差47をなくすための空気予熱器バイパスダンパ開度指令52が求められて加算器57へ出力され、これと同時に、第二補間演算器55において、発電機出力指令22と前記空気予熱器入口空気温度検出器16で検出された空気予熱器入口空気温度15とに基づき空気予熱器バイパスダンパ12の先行開度指令54が求められて前記加算器57へ出力され、該加算器57において、前記第二補間演算器55から出力される空気予熱器バイパスダンパ12の先行開度指令54に対し前記乗算器53から出力される空気予熱器バイパスダンパ開度指令52が加算され、通常運転時開度指令56が前記切換器59と切換器62を介し空気予熱器バイパスダンパ開度指令19として空気予熱器バイパスダンパ12へ出力され、該空気予熱器バイパスダンパ12の開度調整が行われる。
【0028】
この結果、冬場のように外気温度が低い時には、空気予熱器入口空気温度15並びに空気予熱器出口ガス温度17に基づいて制御器21から出力される空気予熱器バイパスダンパ開度指令19により空気予熱器バイパスダンパ12が開かれ、二次空気の一部が空気予熱器8を通過せずに迂回するため、空気予熱器8の入側にスチームエアヒータ9を設置しなくても、空気予熱器8の出口ガス温度が低下せずに早期に上昇し、空気予熱器8の低温腐食が防止される。
【0029】
こうして、外気温度の変化によらず、空気予熱器平均温度35を安定して制御することができ、スチームエアヒータ9を設置することなく、空気予熱器8の低温腐食を防止し得る。
【0030】
尚、本発明の空気予熱器バイパスダンパの制御方法及び装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0031】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明の空気予熱器バイパスダンパの制御方法及び装置によれば、外気温度の変化によらず、空気予熱器平均温度を安定して制御することができ、スチームエアヒータを設置することなく、空気予熱器の低温腐食を防止し得るという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する形態の一例の全体概要構成図である。
【図2】本発明を実施する形態の一例における制御器の制御ブロック図である。
【図3】図2に示される第一補間演算器に設定入力された関数を表わす線図である。
【図4】図2に示される第二補間演算器に設定入力された関数を表わす線図である。
【図5】図2に示される第一関数発生器に設定入力された関数を表わす線図である。
【図6】図2に示される第二関数発生器に設定入力された関数を表わす線図である。
【図7】図2に示される第三関数発生器に設定入力された関数を表わす線図である。
【図8】従来例の全体概要構成図である。
【符号の説明】
8 空気予熱器
11 空気予熱器バイパスライン
12 空気予熱器バイパスダンパ
15 空気予熱器入口空気温度
16 空気予熱器入口空気温度検出器
17 空気予熱器出口ガス温度
18 空気予熱器出口ガス温度検出器
21 制御器
22 発電機出力指令
23 起動時基本開度指令
24 第一補間演算器
27 燃料/空気比
30 第一関数発生器
31 補正開度
33 起動時開度指令
35 空気予熱器平均温度
38 第二関数発生器
43 空気予熱器平均温度設定値
45 空気予熱器平均温度偏差
52 空気予熱器バイパスダンパ開度指令
54 先行開度指令
55 第二補間演算器
56 通常運転時開度指令
Claims (2)
- ボイラへ供給される空気の一部を空気予熱器を通過させずに迂回させる空気予熱器バイパスライン途中に設けられた空気予熱器バイパスダンパの制御方法であって、
ボイラ起動時には、発電機出力指令と空気予熱器入口空気温度とに基づく起動時基本開度指令に対し、燃料/空気比に基づく補正開度を加算した起動時開度指令により空気予熱器バイパスダンパの開度調節を行い、
ボイラ通常運転時には、空気予熱器入口空気温度と空気予熱器出口ガス温度との空気予熱器平均温度と、発電機出力指令に基づく空気予熱器平均温度設定値との空気予熱器平均温度偏差をなくすための空気予熱器バイパスダンパ開度指令を、発電機出力指令と空気予熱器入口空気温度とに基づく先行開度指令に対して加算した通常運転時開度指令により空気予熱器バイパスダンパの開度調節を行うことを特徴とする空気予熱器バイパスダンパの制御方法。 - ボイラへ供給される空気の一部を空気予熱器を通過させずに迂回させる空気予熱器バイパスライン途中に設けられた空気予熱器バイパスダンパの制御装置であって、
空気予熱器入口空気温度を検出する空気予熱器入口空気温度検出器と、
空気予熱器出口ガス温度を検出する空気予熱器出口ガス温度検出器と、
ボイラ起動時には、発電機出力指令と空気予熱器入口空気温度とに基づく起動時基本開度指令に対し、燃料/空気比に基づく補正開度を加算した起動時開度指令を空気予熱器バイパスダンパへ出力し、ボイラ通常運転時には、空気予熱器入口空気温度と空気予熱器出口ガス温度との空気予熱器平均温度と、発電機出力指令に基づく空気予熱器平均温度設定値との空気予熱器平均温度偏差をなくすための空気予熱器バイパスダンパ開度指令を、発電機出力指令と空気予熱器入口空気温度とに基づく先行開度指令に対して加算した通常運転時開度指令を空気予熱器バイパスダンパへ出力する制御器と
を備えたことを特徴とする空気予熱器バイパスダンパの制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06127899A JP4062810B2 (ja) | 1999-03-09 | 1999-03-09 | 空気予熱器バイパスダンパの制御方法及び装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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