JP4061927B2 - プラズマディスプレイ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、大画面で、薄型、軽量のディスプレイ装置として知られているプラズマディスプレイ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プラズマディスプレイ装置では、ガス放電により紫外線を発生させ、この紫外線で蛍光体を励起して発光させカラー表示を行っている。
【0003】
プラズマディスプレイ装置には、大別して、駆動的にはAC型とDC型があり、放電形式では面放電型と対向放電型の2種類があるが、高精細化、大画面化および構造の簡素性に伴う製造の簡便性から、現状では、3電極構造の面放電型のプラズマディスプレイ装置が主流である。このプラズマディスプレイ装置のパネル部の一般的な構造を図7に示す。
【0004】
ガラスのような透明且つ絶縁性の基板1上に、走査電極2と維持電極3とが距離MG(以下、主放電ギャップMGと記す)だけ離して対に配設され、さらに、複数の対となった走査電極2と維持電極3とが距離IPG(以下、隣接放電セル間ギャップIPGと記す)だけ離して配設されている。そして走査電極2および維持電極3を覆うように誘電体層4および保護膜5が設けられている。またガラスのような絶縁性の基板6上には複数のデータ電極7が付設され、データ電極7を覆うように誘電体層8が設けられている。そしてデータ電極7間の誘電体層8上にはデータ電極8と平行して隔壁9が設けられている。誘電体層8表面と隔壁9の側面には蛍光体10が設けられている。そして、走査電極2および維持電極3とデータ電極7とが直交するように基板1と基板6とが対向して配置され、対をなす走査電極2および維持電極3がデータ電極7と交差する部分が放電セル11となる。放電セル11には、放電ガスとしてヘリウム、ネオンおよびアルゴンのうち少なくとも1種とキセノンが封入されている。
【0005】
図7に示したパネル部を駆動するための駆動電圧を出力する駆動部の概略構成と、パネル部の各電極との結線状態を図8に示す。パネル部の各電極の配列はm×nのマトリックス構成であり、列方向にはアドレスを行うためのデータ電極7がm列配列されており、行方向には放電を維持するための走査電極2と維持電極3とが対となってn列配列されている。
【0006】
駆動部は、データ書き込み駆動回路12と、走査駆動回路13と、初期化回路14と、維持駆動回路15とを有している。データ書き込み駆動回路12はデータ電極7へ駆動電圧を出力するための回路であり、データ電極7個々に対してm個の出力端子で接続されている。また、走査駆動回路13は走査電極2へ駆動電圧を出力するための回路であり、走査電極2個々に対してn個の出力端子で接続されている。そして、維持駆動回路15は維持電極3へ駆動電圧を出力する回路であり、維持電極3に対して共通に接続されている。初期化回路14は、通電前の電荷の蓄積が全くない各電極に初期電荷を蓄積するための駆動動作である初期化動作を行うための回路である。
【0007】
図9に、この駆動部が出力する駆動電圧の波形を示す。図9に示す駆動電圧の波形は、通電前の電荷の蓄積が全くない各電極に対して初期電荷を蓄積するための初期化期間と、その後の1フィールド期間を示すものである。
【0008】
1フィールド期間は1画面を表示するための波形であり、例えば第1から第8の複数のサブフィールドで構成されている。そして1サブフィールドは壁電圧調整期間、書き込み期間、維持期間および消去期間より構成されている。これら各期間での動作について以下に説明する。
【0009】
まず、初期化期間における動作について説明する。この初期化期間においては、まず全てのデータ電極D1〜Dmおよび全ての走査電極SCN1〜SCNnを0(V)に保持し、全ての維持電極SUS1〜SUSnには、0(V)から全ての走査電極SCN1〜SCNnに対して放電開始電圧以下となる電位Vpu(V)まで急速に上昇した後、放電開始電圧を越える電位Vru(V)まで緩やかに上昇する正極性の波形の駆動電圧を印加する。この緩やかな上昇過程では、個々の放電セル11において、全ての維持電極SUS1〜SUSnから全てのデータ電極D1〜Dmおよび全ての走査電極SCN1〜SCNnに向けた一回目の微弱な初期化放電が起こり、維持電極SUS1〜SUSn上の保護膜5表面に負の壁電圧が蓄積され、データ電極D1〜Dm上の蛍光体10表面および走査電極SCN1〜SCNn上の保護膜5表面には正の壁電圧が蓄積される。そしてこの状態から、各電極間で放電が発生しない程度の緩やかさで全ての維持電極SUS1〜SUSnの電位を0(V)に向かって下降させる。以上により初期化期間による初期化動作が終了する。
【0010】
次に、壁電圧調整期間における動作について説明する。この壁電圧調整期間においては、全ての維持電極SUS1〜SUSnおよび全てのデータ電極D1〜Dnに0(V)を印加し、全ての走査電極SCN1〜SCNnには0(V)からVrc(V)に向かって緩やかに上昇する正極性の波形の駆動電圧を印加する。この緩やかな上昇過程では、全ての放電セル11において、すべての維持電極SUS1〜SUSnを負、全ての走査電極SCN1〜SCNnを正とした微弱な放電が起こり、全ての走査電極SCN1〜SCNn上の保護膜5表面の正の壁電圧、および維持電極SUSiを上の保護膜5表面の負の壁電圧が、一旦、壁電圧調整期間の後に行われる書き込み期間での書き込み動作に適した壁電圧にまで調整される。続いて更に、全ての走査電極SCN1〜SCNnに0(V)を印加した後、Vns(V)に向かって緩やかに下降する波形の駆動電圧を印加するとともに、全ての維持電極SUS1〜SUSnには0(V)からVe(V)に緩やかに上昇する波形の駆動電圧を印加する。これらの駆動電圧の印加時に、全ての維持電極SUS1〜SUSnおよび全てのデータ電極D1〜Dmを正、全ての走査電極SCNiを負とした微弱な放電が起こり、全てのデータ電極D1〜Dm上の蛍光体10表面の正の壁電圧および全ての維持電極SUS1〜SUSn上の保護膜5表面の負の壁電圧および全ての走査電極SCN1〜SCNn上の保護膜5表面の正の壁電圧が、壁電圧調整期間の後に行われる書き込み期間での書き込み動作に適した壁電圧にまで調整される。以上により、壁電圧調整期間が終了する。
【0011】
次に、書き込み期間における動作について説明する。この書き込み期間においては、全ての走査電極SCN1〜SCNnに電位Vsc(V)を印加し、全ての維持電極SUS1〜SUSnには引き続き電位Veを印加する。また、データ電極D1〜Dmのうち、一行目に表示すべき放電セル11に対応する所定のデータ電極Dj(jは1〜mの整数を表す)に正の電位Vw(V)の書き込みパルス電圧を印加するとともに、一行目の走査電極SCN1には負の極性の電位Vad(V)を印加する。このとき、所定のデータ電極Djと走査電極SCN1との交差部(第一交差部)における蛍光体10表面と走査電極SCN1上の保護膜5表面との間の電位差は、データ波形の電位Vwにデータ電極Dj上の蛍光体10表面の正の壁電圧を加えたものから走査電極SCN1上の保護膜5表面の負の壁電圧を引いたもの(すなわち絶対値で加算したもの)となるため、第一交差部において、所定のデータ電極Djと走査電極SCN1との間で書き込み放電が起こる。同時にこの書き込み放電に誘発され、第一交差部において維持電極SUS1と走査電極SCN1との間でも書き込み放電が起こり、第一交差部の走査電極SCN1上の保護膜5表面に正の壁電圧が蓄積され、第一交差部の維持電極SUS1上の保護膜5表面に負の壁電圧が蓄積される。
【0012】
同様な動作がn行目まで引き続いて行われ、書き込み期間の書き込み動作が終了する。
【0013】
次に、維持期間における動作について説明する。この維持期間においては、全ての走査電極SCN1〜SCNnと全ての維持電極SUS1〜SUSnとに電位Vst(V)の維持波形を交互に印加することにより、書き込み放電を起こした放電セル11において維持放電が継続して行われる。この維持放電により発生する紫外線で励起された蛍光体10からの可視発光を表示に用いる。
【0014】
ここで、維持放電が継続して行われる放電セル11の走査電極SCNiと維持電極SUSiの壁電圧の状態は以下のとおりとなる。まず、走査電極SCNiにVst(V)、維持電極SUSiに0(V)が印加されると、走査電極SCNiから維持電極SUSiに向かって放電が発生し、それに応じて、走査電極SCNiから維持電極SUSiに向かって正イオンが、維持電極SUSiから走査電極SCNiに向かって電子が移動し、その結果、維持電極SUSi上の保護膜5表面の壁電圧は正に、走査電極SCNi上の保護膜5表面の壁電圧は負となる。そして次の瞬間、維持パルス電圧Vst(V)の印加が切り替わり、走査電極SCNiに0(V)が、維持電極SUSiにVh(V)が印加されると、維持電極SUSiから走査電極SCNiに向かって放電が発生し、それに応じて同様な正イオンと電子の移動が起こり、維持電極SUSi上の保護膜5表面の壁電圧は正から負に、走査電極SCNi上の保護膜5表面の壁電圧は正から負に切り替わる。そして以上の動作が繰り返された後、維持電極SUSiにVst(V)が、走査電極SCNiに0(V)が印加された状態で維持放電が終了する。この際、維持電極SUSi上の保護膜5表面の壁電圧は正から負に、走査電極SCNi上の保護膜5の表面の壁電圧は負から正に切り替わった状態となる。以上の状態で維持期間が終了する。
【0015】
次に、消去期間における動作について説明する。この消去期間においては、全ての走査電極SCN1〜SCNnに0(V)から電位Vd(V)まで緩やかに上昇する波形の駆動電圧を印加する。維持放電を起こした放電セル11において、この波形が緩やかに上昇する過程で維持電極SUSi(iは1〜nの整数を表す)と走査電極SCNiとの間で微弱な消去放電を起こし、走査電極SCNi上の保護膜5表面の正の壁電圧および維持電極SUSi上の保護膜5表面の負の壁電圧が弱められて放電が停止する。以上により消去期間の消去動作が終了する。
【0016】
そして、再度、壁電圧調整期間から始まるサブフィールド期間の動作が繰り返されることにより1フィールド期間が構成され、画像表示が行われる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したパネル部および駆動部を備えるプラズマディスプレイ装置においては、図7に示すパネル部でのY方向に対して特に高精細のために放電セルピッチを小さくした場合に誤放電が発生してしまうという問題が生じる。
【0018】
この原因は以下のメカニズムによるものと考えられる。例えば最後の維持放電が印加された後の走査電極SCNi上の保護膜5表面の壁電圧の状態は、前に述べたように、負から正に切り替わった状態となるはずであり、これは保護膜5表面に正イオンが到達することによって実現される。しかしながら正イオンの移動速度μionは電子の移動速度μeに比べて非常に遅いことから、例えば、正イオンの移動距離が短くて済む主放電ギャップMG付近での切り替わりは容易に行われるが、正イオンに対して長い移動距離が必要な走査電極SCNiの外側、つまり隣接放電セル間ギャップIPG付近での切り替わりに際しては正イオン未到達となる確率が高く、その結果、走査電極SCNiの外側、つまり隣接放電セル間ギャップIPG付近には負電荷16が中和されずに残った状態となってしまう。この状態を図10(a)に示す。図10は図7におけるZ−Z断面矢視図であり、「+」「−」は電荷を示すが、あくまでも概念的なものであり、その数などは厳密なものではない。
【0019】
そして、負電荷16が残った状態のまま以降の消去期間および壁電圧調整期間での動作を行うと、前に説明したような壁電圧の調整が行われるのであるが、隣接放電セル間ギャップIPG付近に残存する不要な負電荷16は残ったままである。
【0020】
そしてこの状態のまま、書き込み期間での書き込み動作により走査電極SCNiに走査パルス電圧Vad(V)を、データ電極Diに書き込みパルス電圧Vw(V)が印加されると、隣接放電セル間ギャップIPG付近に残留している不要な負電荷16とデータ電極Diとの間に放電17が発生してしまい(図10(b))、その放電17に伴って同時に大量のプライミング効果粒子(準安定原子・イオンなど)が発生する。ここで放電17の発生場所が隣接放電セルギャップIPG付近であることから発生したプライミング効果粒子は隣接放電セルに流入しやすく、これは高精細化のために放電セル11のピッチが狭い場合に顕著となる。そして図7に示すY方向には、X方向での隔壁9に示すような放電領域を物理的に規制するものがないことから、プライミング効果粒子は主にY方向の隣接放電セルに流入し、流入したプライミング効果粒子は放電セル11の壁電圧を変化させてしまうため、その結果、Y方向での誤書き込みや書き込み不良といった誤放電の問題が発生する。
【0021】
本発明は上述したような現状に鑑みなされたもので、高精細な放電セル構造であっても、誤放電を抑制し安定した画像表示が行えるプラズマディスプレイ装置を得ることを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明のプラズマディスプレイ装置は、対となる走査電極と維持電極とを複数形成した基板とデータ電極を形成した基板とを、前記走査電極および維持電極に対してデータ電極が直交するように対向配置しかつ走査電極および維持電極とデータ電極との交差部に放電セルを形成したパネル部と、このパネル部を駆動するための駆動電圧を出力する駆動部とを備えたプラズマディスプレイ装置であって、前記データ電極に書き込みパルス電圧を印加して書き込み放電を起こす書き込み期間と、この書き込み期間の後に表示すべき放電セルにおいて維持放電を行うための維持パルス電圧を前記走査電極と維持電極に対して交互に印加する維持期間と、この維持期間後に引き続いて維持パルス電圧とは極性が異なる傾斜波形電圧を印加する除去期間とを有し、前記除去期間は、最後の維持パルス電圧を印加した電極とは異なる走査電極または維持電極に対して維持パルス電圧とは極性が異なる傾斜波形電圧を印加するとともに、前記データ電極に前記書き込みパルス電圧と同極性方向の電圧を印加する期間であることを特徴とするものである。
【0025】
以上によれば、高精細な放電セル構造であっても、誤放電を抑制し安定した画像表示が行えるプラズマディスプレイ装置を得ることが可能となる。
【0026】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下に、本発明の一実施の形態について図面を用いて説明する。なお、本実施の形態でのパネル部は、図7に示したパネル部と同じであり、このパネル部を駆動するための駆動電圧を出力する駆動部の概略構成と、パネル部の各電極との結線状態は図8に示したものと同じである。従ってそれらの説明は省略する。
【0027】
図1は、本発明の一実施の形態のプラズマディスプレイ装置のパネル部を駆動するために駆動部が出力する駆動電圧の波形を示す図であり、通電前の電荷の蓄積が全くない各電極に対して初期電荷を蓄積するための初期化期間と、その後の1サブフィールド期間とを示すものである。
【0028】
1フィールド期間は1画面を表示するための波形であり、例えば第1から第8の複数のサブフィールドで構成されている。そして1サブフィールドは壁電圧調整期間、書き込み期間、維持期間および除去期間により構成されている。本実施の形態が従来と異なる点は、維持期間終了後、引き続いて、維持パルス電圧とは極性が異なる傾斜波形電圧を最後の維持パルス電圧を印加した電極とは異なる走査電極または維持電極に対して印加するとともに、前記データ電極に前記書き込みパルス電圧と同極性方向の電圧Vrd(V)を印加する除去期間を設けていることである。
【0029】
この維持期間での動作、および考えられる作用は以下のとおりである。除去期間においては、データ電極Diを書き込みパルス電圧と同極性方向の電圧Vrd(V)に、維持電極SUSiを0(V)に保持し、その状態で走査電極SCNiに対してVnr(V)に向かって緩やかに下降する傾斜波形電圧を印加する。すると、この傾斜波形電圧が下降する間に、図2に示すように、データ電極Diを正、走査電極SCNiを負とした微弱な放電18が発生し、走査電極SCNi上の保護膜5上に残存する不要な負電荷16が除去されるので、誤放電の発生を抑制することが可能となるというものである。ここで、図2は図7におけるZ−Z断面矢視図である。
【0030】
以上述べたように、維持パルス電圧とは極性が異なる傾斜波形電圧を最後の維持パルス電圧を印加した電極とは異なる電極に対して印加する除去期間を設けることにより、誤放電の発生を抑制することが可能となる。従って、高精細な放電セル構造であっても安定した画像表示が行えるプラズマディスプレイ装置を得ることができる。
【0031】
なお、以上の説明においては、走査電極をAとし、維持電極をBとした場合、その基板1での配列の繰り返しがABABとなる例を示したが、これ以外の、例えば隣接するセル間に同種類の電極を配置したABBA配列においてでも同様の効果が得られる。ここで、高精細化の際、放電セルの数が増加することにより、ABAB配列ではパネル部での電極間の静電容量が増加し無効電力が増加するのであるが、ABBA配列とすることにより隣接セル間ギャップでの静電容量を減少させ、無効電力の発生を抑え、よってプラズマディスプレイ装置の消費電力を抑制するという効果が得られる。
【0032】
また、除去期間で印加される傾斜波形電圧の最小電圧値Vnr(V)が、データ電極Di−走査電極SCNi間の放電開始電圧値Vf1(V)に対し、−(Vf1−60)≦Vnr≦−30となる関係を有すれば、本実施の形態での効果が更に高まるため好ましい。
【0033】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、本実施の形態でのパネル部は、図7に示したパネル部と同じであり、このパネル部を駆動するための駆動電圧を出力する駆動部の概略構成と、パネル部の各電極との結線状態は図8に示したものと同じである。従ってそれらの説明は省略し、本実施の形態が従来と異なる点について図3を用いて以下に説明する。
【0034】
図3は、本実施の形態のプラズマディスプレイ装置のパネル部を駆動するために駆動部が出力する駆動電圧の波形を示す図であり、維持期間と壁電圧調整期間と書き込み期間を示している。
【0035】
本実施の形態が、従来と異なる点は、維持期間の最後の維持パルスのピーク電圧Vsh(V)を、それ以前の維持パルスのピーク電圧Vst(V)および放電開始電圧Vf(V)に対して、Vst<Vsh<Vfとなる関係としたことである。
【0036】
このことによる作用は以下の通りであると考えられる。最後の維持パルスのピーク電圧Vsh(V)が、それ以前の維持パルスのピーク電圧Vst(V)より大きいことから、維持期間の最後の維持放電時においては正イオンに対する電気的な引力が大きくなるため、正イオンに対して長い移動距離が必要な走査電極SCNiの外側、つまり隣接放電セル間ギャップIPG付近にも正イオンが到達できるようになる。その結果、最後の維持放電が印加された後の走査電極SCNi上の保護膜5表面の壁電圧の負から正への切り替わりが十分に行われるようになり、不要な負電荷が残留することがなくなるため、誤放電の発生がなくなるというものである。
【0037】
以上述べたように、最後の維持パルス電圧の電圧値Vsh(V)が、それ以前の維持パルス電圧の電圧値Vst(V)および走査電極と維持電極との間の放電開始電圧値Vf2(V)に対して、Vst≦Vsh<Vf2となる関係とすることにより誤放電を抑制することが可能となる。したがって、高精細な放電セル構造においても安定した画像表示が行えるプラズマディスプレイ装置を得ることができる。
【0038】
ここで、駆動電圧の波形としては、図4に示すように、本実施の形態での駆動電圧の波形に、第1の実施の形態で示したような除去期間での駆動電圧の波形を印加する構成であり、隣接放電セル間ギャップIPG付近に残存する不要な負電荷を除去することができ、不要な負電荷の除去効果が更に高まる
【0039】
また、最後の維持パルス電圧の電圧値Vsh(V)が、走査電極と維持電極との間の放電開始電圧値Vf2(V)に対して、Vst≦Vsh<Vf2、好ましくは(Vf2−50)≦Vsh<(Vf2−30)となる関係を有すれば、本実施の効果が更に高まると考えられるため好ましい。
【0040】
(第3の実施の形態)
以下に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、本実施の形態で用いるパネル部は、図7に示したパネル部と同じであり、このパネル部を駆動するための駆動電圧を出力する駆動部の概略構成と、パネル部の各電極との結線状態は図8に示したものと同じである。従ってそれらの説明は省略し、本実施の形態が従来と異なる点について図5を用いて以下に説明する。
【0041】
図5は本実施の形態のプラズマディスプレイ装置のパネル部を駆動するために駆動部が出力する駆動電圧の波形を示す図であり、維持期間と壁電圧調整期間と書き込み期間を示している。本実施の形態が、従来と異なる点は、本実施の形態が、従来と異なる点は、維持期間の最後の維持パルスのパルス幅ts2(μs)をそれ以前の維持パルスのパルス幅ts1(μs)よりも広くしたことである。
【0042】
このことによる作用は以下の通りであると考えられる。最後の維持パルス電圧のパルス幅ts2がそれ以前の維持パルス電圧のパルス幅ts1より大きいことから、維持期間の最後の維持放電時においては正イオンの移動時間が長くなるため、正イオンに対して長い移動距離が必要な走査電極SCNiの外側、つまり隣接放電セル間ギャップIPG付近にも正イオンが到達できるようになり、従って、走査電極:SCNi上の保護膜5表面の壁電圧の負から正への切り替わりが十分に行われるようになり、不要な負電荷が残留することがなくなるため、誤放電の発生がなくなるというものである。
【0043】
以上述べたように、最後の維持パルス電圧のパルス幅ts2が、それ以前の維持パルス電圧のパルス幅ts1より大きいとすることにより誤放電を抑制することが可能となる。したがって、高精細な放電セル構造においても安定した画像表示が行えるプラズマディスプレイ装置を得ることができる。
【0044】
ここで、駆動電圧の波形としては、図6に示すように、本実施の形態での駆動電圧の波形に、第1の実施の形態で示したような除去期間での駆動電圧の波形を印加しており、隣接放電セル間ギャップIPG付近に残存する不要な負電荷を除去することができ、不要な負電荷の除去効果が更に高まる
【0045】
また、維持期間の最後の維持パルスのパルス幅ts2(μs)をそれ以前の維持パルス幅ts1(μs)に対して、(ts1+2)≦ts2≦20となる関係とすれば、本実施の形態での効果が更に高まると考えられるため好ましい。
【0046】
また、以上の説明では維持期間の最後の維持パルスのパルス幅を、それ以前の維持パルスのパルス幅よりも拡大した駆動方法を用いているが、これに限定されるものではなく、維持期間の最後から2番目以降、または3番目以降の維持パルスのパルス幅を、それ以前の維持パルスのパルス幅よりも拡大した駆動方法を用いても同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0047】
また、第1から第3の実施の形態において、壁電圧調整期間で走査電極に印加される傾斜波形電圧の最大電圧値Vrc(V)が、データ電極Di−走査電極SCNi間の放電開始電圧値Vf1(V)に対し、(Vf1−50)≦Vrc<Vf1となる関係を有すれば好ましい。
【0048】
なお、第1から第3の実施の形態における、消去期間および壁電圧調整期間での各傾斜波形電圧の勾配は、早急な切り替わりが求められると同時に不要な放電を発生させない程度の緩やかさが求められており、そのような観点から、0.5V/μs以上、20V/μs以下の範囲とすることが好ましい。
【0049】
また、以上の説明から明らかなように、走査電極SCN1〜SCNnと維持電極SUS1〜SUSnとはパネル部においては全く同じものであり、印加される駆動電圧によって区別されるものである。従って、第1から第3の実施の形態において示した走査電極SCN1〜SCNnへ印加される駆動電圧の波形と維持電極SUS1〜SUSnへ印加される駆動電圧の波形とは、双方が入れ替わったとしても同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0050】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によるプラズマディスプレイ装置によれば、その駆動部が出力する駆動電圧の波形が、維持パルス電圧とは極性が異なる傾斜波形電圧を最後の維持パルス電圧を印加した電極とは異なる電極に対して印加する除去期間を有しており、これにより誤放電の原因となる隣接放電セル間付近に残存する不要な残留電荷が消去されると考えられ、結果、誤放電が抑制される。
【0051】
したがって、高精細な放電セル構造においても安定した画像表示が行えるプラズマディスプレイ装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態のプラズマディスプレイ装置の駆動部が出力する駆動電圧の波形のタイミングチャート
【図2】本発明の一実施の形態のプラズマディスプレイ装置のパネル部内部での電荷状態を示す断面図
【図3】本発明の他の実施の形態のプラズマディスプレイ装置の駆動部が出力する駆動電圧の波形のタイミングチャート
【図4】同じく、本発明の他の実施の形態のプラズマディスプレイ装置の駆動部が出力する駆動電圧の波形のタイミングチャート
【図5】同じく、本発明の他の実施の形態のプラズマディスプレイ装置の駆動部が出力する駆動電圧の波形のタイミングチャート
【図6】同じく、本発明の他の実施の形態のプラズマディスプレイ装置の駆動部が出力する駆動電圧の波形のタイミングチャート
【図7】一般的なプラズマディスプレイ装置のパネル部の構造を示す断面斜視図
【図8】一般的なプラズマディスプレイ装置の駆動部の概略構成とパネル部の各電極との結線状態を示す図
【図9】従来のプラズマディスプレイ装置の駆動部が出力する駆動電圧の波形のタイミングチャート
【図10】従来のプラズマディスプレイ装置のパネル部内部での電荷状態を示す断面図
【符号の説明】
2 走査電極
3 維持電極
7 データ電極
11 放電セル
12 データ書き込み駆動回路
13 走査駆動回路
14 初期化回路
15 維持駆動回路

Claims (1)

  1. 対となる走査電極と維持電極とを複数形成した基板とデータ電極を形成した基板とを、前記走査電極および維持電極に対してデータ電極が直交するように対向配置しかつ走査電極および維持電極とデータ電極との交差部に放電セルを形成したパネル部と、このパネル部を駆動するための駆動電圧を出力する駆動部とを備えたプラズマディスプレイ装置であって、前記データ電極に書き込みパルス電圧を印加して書き込み放電を起こす書き込み期間と、この書き込み期間の後に表示すべき放電セルにおいて維持放電を行うための維持パルス電圧を前記走査電極と維持電極に対して交互に印加する維持期間と、この維持期間後に引き続いて維持パルス電圧とは極性が異なる傾斜波形電圧を印加する除去期間とを有し、前記除去期間は、最後の維持パルス電圧を印加した電極とは異なる走査電極または維持電極に対して維持パルス電圧とは極性が異なる傾斜波形電圧を印加するとともに、前記データ電極に前記書き込みパルス電圧と同極性方向の電圧を印加する期間であることを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
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