JP4061651B2 - 強誘電体メモリ装置及び電子機器 - Google Patents

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Description

本発明は、強誘電体メモリ装置及び電子機器に関する。
従来の強誘電体メモリ装置として、特開平11−191295号公報(特許文献1)に開示されたものがある。上記特許文献1に開示された強誘電体メモリ装置は、同一のメモリセルに対して2回読み出し動作が行われ、1回目に読み出された電荷をデータとし、2回目に読み出された電荷をリファレンスとして、センスアンプによりメモリセルデータを検出している。
特開平11−191295号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示された従来の強誘電体メモリ装置は、各ビット線ごとにセンスアンプを設けなければならないため、センスアンプの数が大幅に増えてしまう。ひいては、強誘電体メモリ装置の回路面積が増大し、また、消費電力も増大するという問題が生じていた。
よって、本発明は、上記の課題を解決することのできる強誘電体メモリ装置及び電子機器を提供することを目的とする。この目的は特許請求の範囲における独立項に記載の特徴の組み合わせにより達成される。また従属項は本発明の更なる有利な具体例を規定する。
上記課題を解決するため、本発明の第1の形態によれば、所定のデータを記憶する、強誘電体キャパシタを有する複数のメモリセルと、複数のメモリセルにそれぞれ接続された複数のワード線、複数のビット線、及び複数のプレート線と、所定のメモリセルに接続された所定のプレート線の電位を変化させることにより、所定のメモリセルに蓄積され所定のデータを示すデータ蓄積電荷を所定のメモリセルに接続された所定のビット線に放出させて前記所定のメモリセルに記憶された前記所定のデータを読み出し、前記所定のデータが読み出された所定のメモリセルに蓄積されている電荷である参照蓄積電荷を所定のビット線に放出させるプレート線制御部と、第1センスアンプ線及び第2センスアンプ線と、所定のプレート線の電位の変化に基づいて、複数のビット線から所定のビット線を第1センスアンプ線及び第2センスアンプ線に接続するよう選択するビット線選択部と、所定のビット線を第1センスアンプ線に接続することにより、データ蓄積電荷が放出されたときの所定のビット線の電位を第1センスアンプ線に保持させ、所定のビット線を第2センスアンプ線に接続することにより、参照蓄積電荷が放出されたときの所定のビット線の電位を第2センスアンプ線に保持させるビット線接続部と、第1センスアンプ線及び第2センスアンプ線の電位に基づいて、所定のメモリセルに記憶された所定のデータを判定するセンスアンプとを備えたことを特徴とする強誘電体メモリ装置を提供する。
上記構成によれば、ビット線接続部は、プレート線が選択されて強誘電体キャパシタに蓄積された電荷がビット線に放出されたとき、すなわち、強誘電体キャパシタに記憶されたデータが読み出されたときに、当該ビット線を第1センスアンプ線に接続して当該ビット線の電位を第1センスアンプ線に保持させることとなる。すなわち、第1センスアンプ線は、強誘電体キャパシタに記憶されたデータに応じた電位を保持することとなる。
また、ビット線接続部は、データがすでに読み出された強誘電体キャパシタに蓄積された電荷がビット線に放出されたときに、当該ビット線を第2センスアンプ線に接続して当該ビット線の電位を第2センスアンプ線に保持させることとなる。ここで、例えば、第2センスアンプ線に保持させる電位は、強誘電体キャパシタに記憶された“0”データが読み出されたときの当該ビット線の電位と略等しい電位である。
すなわち、1回目の読み出し動作において所定の強誘電体キャパシタに記憶されたデータが読み出され、当該データに対応する蓄積電荷(データ蓄積電荷)が第1センスアンプ線に保持され、2回目の読み出し動作において、当該データが読み出された当該所定の強誘電体キャパシタに記憶されたデータに対応する蓄積電荷(参照蓄積電荷)が第2センスアンプ線に保持される。2回目の読み出し動作において第2センスアンプ線に放出される参照蓄積電荷は、1回目の読み出し動作において強誘電体キャパシタの分極を反転させることにより当該強誘電体キャパシタに書き込まれたデータに対応する電荷、及び1回目の読み出し動作において強誘電体キャパシタの分極を反転させずに当該強誘電体キャパシタに記憶されたデータを読み出すことにより当該強誘電体キャパシタに保持された当該データに対応する電荷を含む。参照蓄積電荷に対応するデータは、“0”データであってもよく、また、“1”データであってもよい。
したがって、上記構成によれば、例えば、強誘電体キャパシタに記憶された“0”データが読み出されたときの当該ビット線の電位に基づいて、強誘電体キャパシタに記憶されたデータを判定することができる。すなわち、自己読み出しにより強誘電体キャパシタに記憶されたデータを判定するための参照電圧を生成することができるため、強誘電体キャパシタの製造ばらつきや経時変化等があったとしても、強誘電体キャパシタに記憶されたデータを精度よく判定することができる。ひいては、誤動作が極めて少なく、信頼性の高い強誘電体メモリ装置を提供することができる。
また、上記構成によれば、プレート線の電位に基づいて、多数のビット線のうちから、第1のセンスアンプ線及び第2のセンスアンプ線に接続するビット線を選択することにより、ビット線の電位を第1センスアンプ線及び第2センスアンプ線に保持させている。したがって、上記構成によれば、多数の強誘電体キャパシタに記憶されたデータを1つのセンスアンプで読み出すことができるため、センスアンプの数を大幅に低減させることができる。ひいては、消費電力がきわめて少なく、安価な強誘電体メモリ装置を提供することができる。
当該強誘電体メモリ装置は、第2センスアンプ線にオフセット電圧を付加するオフセット電圧生成部をさらに備えることが好ましく、オフセット電圧生成部は、第2センスアンプ線がディスチャージされた所定のビット線の電位を保持しているときに、第2センスアンプ線にオフセット電圧を付加し、センスアンプは、オフセット電圧が付加された第2センスアンプ線の電位に基づいて、所定のデータを判定することが好ましい。
上記構成によれば、強誘電体キャパシタから電荷が放出されたときのビット線の電位にオフセット電圧を付加することにより、センスアンプが強誘電体キャパシタに記憶されたデータを判定するときの参照電圧としている。したがって、上記構成によれば、強誘電体キャパシタから放出された電荷に基づいて参照電圧を生成するため、強誘電体キャパシタの製造ばらつきや経時変化等があったとしても、強誘電体キャパシタに記憶されたデータを精度よく判定することができる。
当該強誘電体メモリ装置において、ビット線選択部は、複数のビット線と第1センスアンプ線との間にそれぞれ設けられ、各ビット線に対応するプレート線がそれぞれゲートに接続された複数の第1MOSトランジスタと、複数のビット線と第2センスアンプ線との間にそれぞれ設けられ、各ビット線に対応するプレート線がそれぞれゲートに接続された複数の第2MOSトランジスタとを有することが好ましい。
上記構成によれば、きわめて簡易な構成で、多数のビット線から第1センスアンプ線及び第2センスアンプ線に接続すべきビット線を容易に選択することができる。
当該強誘電体メモリ装置において、ビット線接続部は、複数のビット線と複数の第1MOSトランジスタとの間にそれぞれ設けられた複数の第3MOSトランジスタと、複数のビット線と複数の第2MOSトランジスタとの間にそれぞれ設けられた複数の第4MOSトランジスタとを有することが好ましい。
センスアンプがデータを判定した判定結果に基づいて、所定のビット線の電位を制御することにより、所定のビット線に接続されたメモリセルに当該データを記憶させる書き込み制御部をさらに備えたことが好ましい。
上記構成によれば、強誘電体キャパシタから読み出されたデータの判定結果に基づいて、当該強誘電体キャパシタに当該データが再書き込みされる。したがって、強誘電体キャパシタからデータが読み出されたときに、例えば、当該データと異なるデータが当該強誘電体キャパシタに書き込まれた場合等の、当該データが破壊されてしまった場合であっても、当該データを確実に再書き込みすることができる。
第1センスアンプ線及び第2センスアンプ線は、ビット線に対して略直角に配置されたが好ましい。
上記構成によれば、メモリセルブロックに配置された多数のビット線を容易に第1センスアンプ線及び第2センスアンプ線に接続させることができる。
本発明の第2の形態によれば、上記強誘電体メモリ装置を備えたことを特徴とする電子機器を提供する。ここで、電子機器とは、本発明に係る強誘電体メモリ装置を備えた一定の機能を奏する機器一般をいい、その構成に特に限定が無いが、例えば、上記強誘電体メモリ装置を備えるコンピュータ装置一般、携帯電話、PHS、PDA、電子手帳、ICカード等、記憶装置を必要とするあらゆる装置が含まれる。
以下、図面を参照しつつ、発明の実施形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせのすべてが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本発明の一実施形態に係る強誘電体メモリ装置100の構成の一例を示す図である。強誘電体メモリ装置100は、メモリセルブロック110と、ワード線ドライバ120と、プレート線制御部の一例であるプレート線ドライバ130と、読み出し制御回路132と、アドレスデコーダ134と、ディスチャージ部140と、書き込み制御部の一例である再書き込み制御部150と、ビット線接続部160と、ビット線選択部170と、第1センスアンプ線SLA及び第2センスアンプ線SLBと、センスアンプ線ディスチャージ部180と、オフセット電圧生成部190と、センスアンプ210とを備えて構成される。
メモリセルブロック110は、強誘電体キャパシタC及びn型MOSトランジスタTRからなる、アレイ状に配置された複数のメモリセルMCを有して構成される。また、メモリセルブロック110には、複数のワード線WL1〜WLm(mは2以上の整数)、複数のビット線BL1〜BLn(nは2以上の整数)、及び複数のプレート線PL1〜PLnが配置されている。各メモリセルMCにおいて、n型MOSトランジスタTRのゲートには所定のワード線WLi(iは1〜mの整数)が接続され、強誘電体キャパシタCの一端にはn型MOSトランジスタTRを介して所定のビット線BLj(jは1〜nの整数)が接続されており、また、強誘電体キャパシタCの他端には所定のプレート線PLj(jは1〜nの整数)が接続されている。
アドレスデコーダ134は、外部から供給されたアドレス信号に基づいて、選択すべきワード線を示すワード線選択信号、及び選択すべきプレート線を示すプレート線選択信号を、それぞれワード線ドライバ120及びプレート線ドライバ130に供給する。また、アドレスデコーダ134は、メモリセルMCに記憶されたデータを読み出す読み出し動作において、ディスチャージ部140、及びビット線接続部160を制御するための制御信号を読み出し制御回路132に供給する。
ワード線ドライバ120及びプレート線ドライバ130は、それぞれ、ワード線選択信号及びプレート線選択信号に基づいて、所定のワード線WLi及び所定のプレート線PLjの電位を変化させることにより、当該所定のワード線WLi及び当該所定のプレート線PLjを選択する。
読み出し制御回路132は、アドレスデコーダ134から供給された制御信号に基づいて、ディスチャージ部140及びビット線接続部160の動作を制御する。具体的には、読み出し制御回路132は、ディスチャージ部140に供給するビット線プリチャージ信号BLP、並びにビット線接続部160に供給するビット線接続制御信号SWA及びSWBの電位を制御することにより、ディスチャージ部140及びビット線接続部160の動作を制御する。
ディスチャージ部140は、BLPの電位に基づいて、各ビット線BLjを接地する。ディスチャージ部140は、ドレインが各ビット線BLjに接続され、ソースが接地されており、また、ゲートにBLPが供給されたn型MOSトランジスタ142を有して構成されている。ディスチャージ部140は、ビット線BLjをディスチャージすることにより、当該ビット線BLjをプリチャージするプリチャージ部としても機能する。
ビット線選択部170は、ビット線BL1〜BLnから、第1センスアンプ線SLA及び第2センスアンプ線SLBに接続すべきビット線BLjを選択する。ビット線選択部170は、ビット線BL1〜BLnと第1センスアンプ線SLA及び第2センスアンプ線SLBとの間にそれぞれ設けられたn型MOSトランジスタ172及び174を有して構成される。ビット線BLjに設けられたn型MOSトランジスタ172及び174のゲートには、プレート線PLjが接続されており、n型MOSトランジスタ172及び174は、プレート線PLjの電位に基づいて、ビット線BLjを第1センスアンプ線SLA及び第2センスアンプ線SLBに接続可能な状態におく。すなわち、ビット線BL1〜BLnのうち、対応するプレート線PLjが選択されているビット線BLjが、第1センスアンプ線SLA及び第2センスアンプ線SLBに接続可能な状態におかれる。
ビット線接続部160は、ビット線BL1〜BLnを、第1センスアンプ線SLA及び第2センスアンプ線SLBのいずれか一方に接続する。ビット線接続部160は、ビット線BL1〜BLnと第1センスアンプ線SLAとの間にそれぞれ設けられたn型MOSトランジスタ162、及びビット線BL1〜BLnと第2センスアンプ線SLBとの間にそれぞれ設けられたn型MOSトランジスタ164を有して構成される。n型MOSトランジスタ162のゲートには制御信号SWAが供給され、また、n型MOSトランジスタ164のゲートには制御信号SWBが供給されており、n型MOSトランジスタ162及び164は、それぞれSWA及びSWBの電位に基づいて、ビット線BL1〜BLnを第1センスアンプ線SLA及び第2センスアンプ線SLBのいずれかに接続する。
本実施形態において、ビット線接続部160は、選択されたビット線BLjと第1センスアンプ線SLAとを接続することにより、強誘電体キャパシタCに記憶されたデータが読み出されたとき、すなわち、強誘電体キャパシタCの蓄積電荷が放出されたときの当該ビット線BLjの電位を第1センスアンプ線SLAに保持させる。また、ビット線接続部160は、当該ビット線BLjと第2センスアンプ線SLBとを接続させることにより、ディスチャージされた当該ビット線BLjの電位を第2センスアンプ線SLBに保持させる。
センスアンプ線ディスチャージ部180は、読み出し制御回路132から供給されたセンスアンプ線プリチャージ信号SLPに基づいて、第1センスアンプ線SLA及び第2センスアンプ線SLBをディスチャージする。センスアンプ線ディスチャージ部180は、n型MOSトランジスタ182、184、及び186を有して構成される。n型MOSトランジスタ182は、第1センスアンプ線SLAと第2センスアンプ線SLBとの間に設けられており、SLPの電位に基づいて、第1センスアンプ線SLA及び第2センスアンプ線SLBを同電位にする。n型MOSトランジスタ182及び184は、それぞれドレインが第1センスアンプ線SLA又は第2センスアンプ線SLBに接続され、ソースが接地されており、SLPの電位に基づいて、第1センスアンプ線SLA及び第2センスアンプ線SLBを接地する。
オフセット電圧生成部190は、第2センスアンプ線SLBにオフセット電圧を付加する。オフセット電圧生成部190は、例えば、一定の電圧を生成する定電圧回路である。
センスアンプ210は、第1センスアンプ線SLA及び第2センスアンプ線SLBに接続されており、第1センスアンプ線SLA及び第2センスアンプ線SLBの電位に基づいて、強誘電体キャパシタCに記憶されたデータを判定する。
本実施形態において、センスアンプ210は、オフセット電圧が付加された第2センスアンプ線SLBの電位を基準として、強誘電体キャパシタCの蓄積電荷が放出されたときのビット線BLjの電位である第1センスアンプ線SLAの電位を検出することにより、当該強誘電体キャパシタCに記憶されたデータを判定する。また、センスアンプ210は、当該データの判定結果を示すセンスアンプ出力信号SAOUTを出力する。
第1センスアンプ線SLA及び第2センスアンプ線SLBは、ビット線BL1〜BLnに対して略直角に配置されている。本実施形態において、第1センスアンプ線SLA及び第2センスアンプ線SLBは、1つのメモリセルブロック110に対して一組、すなわち、1つのメモリセルブロック110に対して1つのセンスアンプ210が設けられているが、他の例では、1つのメモリセルブロック110を複数の領域に分割し、各領域に対して一組の第1センスアンプ線SLA及び第2センスアンプ線SLBが設けられるように構成されてもよい。1つのメモリセルブロック110とは、例えば、1つのワード線ドライバ120及び1つのプレート線ドライバ130により制御される複数のメモリセルMCを含むブロックである。
再書き込み制御部150は、強誘電体キャパシタCから読み出されたデータを当該強誘電体キャパシタCに再書き込みすべく、ビット線BL1〜BLnの電位を制御する。ビット線BL1〜BLnには、それぞれ、ソースにVCCが供給されたp型MOSトランジスタ152及びソースが接地されたn型MOSトランジスタ154のドレインが接続されている。そして、再書き込み制御部150は、入力として受け取ったSAOUT及び再書き込み制御信号RWの電位に基づいて、データが読み出されたメモリセルMCが接続されたビット線BLjの電位を制御することにより、当該メモリセルMC(強誘電体キャパシタC)に当該データを再書き込みする。
図2は、本実施形態の強誘電体メモリ装置100の動作を示すタイミングチャートである。図1及び図2を参照して、強誘電体メモリ装置100の動作について説明する。図2では、実線と点線の双方が存在する期間において、実線は、強誘電体キャパシタCに記憶されたデータが“1”である場合を示し、点線は、当該データが“0”である場合を示す。
まず、サイクルIにおいて、読み出し制御回路132が、BLP及びSLPの電位をVCCに変化させることにより、ビット線BL1〜BLn並びに第1センスアンプ線SLA及び第2センスアンプ線SLBをディスチャージする。読み出し制御回路132は、ビット線BL1〜BLn並びに第1センスアンプ線SLA及び第2センスアンプ線SLBをディスチャージした後、BLP及びSLPの電位を0Vとし、ビット線BL1〜BLn並びに第1センスアンプ線SLA及び第2センスアンプ線SLBを浮遊状態とする。
次に、サイクルIIにおいて、プレート線ドライバ130が、ビット線BL1の電位を0VからVCCに変化させる。これにより、強誘電体キャパシタCに記憶されたデータに基づいて、当該強誘電体キャパシタCから蓄積電荷がビット線BL1に放出され、当該データに基づいてビット線BL1の電位が変化する。
具体的には、強誘電体キャパシタCに“1”が記憶されている場合、強誘電体キャパシタCの分極が反転するため、当該反転に伴う分極量の変化は大きい。したがって、強誘電体キャパシタCからビット線BL1に多くの蓄積電荷が放出されるため、ビット線BL1の電位は大きく上昇する。
一方、強誘電体キャパシタCに“0”が記憶されている場合、強誘電体キャパシタCの分極は反転しないため、分極量の変化は小さい。したがって、強誘電体キャパシタCからビット線BL1に放出される蓄積電荷は、強誘電体キャパシタCに記憶されたデータが“1”の場合と比して少ないため、ビット線BL1の電位はあまり上昇しない。
また、プレート線PL1の電位が0VからVCCに変化すると、n型MOSトランジスタ172及び174が導通するため、ビット線BL1が第1センスアンプ線SLA及び第2センスアンプ線SLBに接続可能な状態におかれる。
次に、読み出し制御回路132が、SWAの電位を0VからVCCに変化させることにより、ビット線BL1と第1センスアンプ線SLAとを接続する。これにより、浮遊状態であった第1センスアンプ線SLAの電位がビット線BL1の電位と略同電位となる。そして、読み出し制御回路132は、SWAの電位をVCCから0Vに変化させることにより、ビット線BL1と第1センスアンプ線SLAとを電気的に切り離し、強誘電体キャパシタCに記憶されたデータが読み出されたときのビット線BL1の電位を第1センスアンプ線SLAに保持させる。
次に、プレート線ドライバ130がプレート線PL1の電位をVCCから0Vに変化させることにより、プレート線PL1の電位を0Vとする。また、読み出し制御回路132がBLPの電位を0VからVCCに変化させることにより、強誘電体キャパシタCに“0”データとして参照蓄積電荷を記憶させる。
次に、サイクルIIIにおいて、読み出し制御回路132がビット線BL1を再度浮遊状態とした後、プレート線ドライバ130がプレート線PL1の電位を0VからVCCに変化させることにより、強誘電体キャパシタCの蓄積電荷をビット線BL1に放出させる。このとき、強誘電体キャパシタCには“0”が記憶されているため、強誘電体キャパシタCの分極量の変化は小さく、当該強誘電体キャパシタCからビット線BL1に放出された蓄積電荷は少ない。したがって、ビット線BL1の電位は、サイクルIIにおいて当該強誘電体キャパシタCから“0”データに基づく蓄積電荷が放出された場合のビット線BL1の電位と略同電位に上昇する。
次に、読み出し制御回路132が、SWBの電位を0VからVCCに変化させることにより、ビット線BL1と第2センスアンプ線SLBとを接続する。これにより、浮遊状態であった第2センスアンプ線SLBの電位がビット線BL1の電位と略同電位となる。そして、読み出し制御回路132は、SWBの電位をVCCから0Vに変化させることにより、ビット線BL1と第2センスアンプ線SLBとを電気的に切り離し、強誘電体キャパシタCから“0”データが読み出されたときと略同電位であるビット線BL1の電位を第2センスアンプ線SLBに保持させる。
また、オフセット電圧生成部190は、オフセット電圧Vpを生成し、第2センスアンプ線SLBに付加する。すなわち、第2センスアンプ線SLBの電位は、ビット線BL1の電位にオフセット電圧Vpを加えた電位に上昇する。オフセット電圧Vpは、当該オフセット電圧Vpが第2センスアンプ線SLBの電位に付加されたときに、付加後の第2センスアンプ線SLBの電位が、強誘電体キャパシタCから“1”データが読み出されたときの第1センスアンプ線SLAの電位と、“0”データが読み出されたときの第2センスアンプ線SLBの電位との間の電位となるように設定される。
ここで、上記に説明したように、参照蓄積電荷は、”0”データを記憶して用いるように限定されるものではなく、”1”データを用いるように構成してもよい。その場合には、オフセット電圧Vpは負電圧としてVpを減じた電圧が参照電位となるように構成する。また、参照蓄積電荷に“0”データを用いる場合は、前記サイクルIIにおいて
強誘電体キャパシタCに記憶されたデータが"0"である場合、その読み出された電荷を参照蓄積電荷として用いてもよい。
次に、サイクルIVにおいて、強誘電体キャパシタCに記憶されたデータを判定する。まず、SAEの電位が0VからVCCに変化し、センスアンプ210が動作可能な状態となる。センスアンプ210が動作可能な状態になると、センスアンプ210は、第1センスアンプ線SLAと第2センスアンプ線SLBとを比較して、当該比較結果であるSAOUTを、強誘電体キャパシタCに記憶されたデータを判定した判定結果として出力する。
本実施形態において、第1センスアンプ線SLAは、強誘電体キャパシタCに記憶されたデータが読み出されたときのビット線BL1の電位を保持している。また、第2センスアンプ線SLBは、強誘電体キャパシタCに記憶されたデータが読み出され、ビット線BL1がディスチャージされた後に、再度当該強誘電体キャパシタCからデータを読み出したときのビット線BL1の電位にオフセット電圧Vpを付加した電位を保持している。そして、センスアンプ210は、第2センスアンプ線SLBに保持された電位を参照電圧として、第1センスアンプ線SLAの電位と比較することにより、強誘電体キャパシタCに記憶されたデータを判定する。
具体的には、センスアンプ210は、第1センスアンプ線SLAの電位が第2センスアンプ線SLBの電位より高い場合、強誘電体キャパシタCに記憶されていたデータが“1”であると判定し、SAOUTとしてH論理(電圧VCC)を出力する。一方、センスアンプ210は、第1センスアンプ線SLAの電位が第2センスアンプ線SLBの電位より低い場合、強誘電体キャパシタCに記憶されていたデータが“0”であると判定し、SAOUTとしてL論理(電圧0V)を出力する。
次に、再書き込み制御部150が、SAOUT及び再書き込み制御信号RWに基づいて、データが読み出された強誘電体キャパシタCに当該データを再書き込みする。具体的には、再書き込み制御部150は、SAOUTがH論理を示す場合、すなわち、強誘電体キャパシタCに記憶されていたデータが“1”であると判定された場合、RWがH論理を示す期間において、RWAの電位を0Vとすることによりビット線BL1の電位をVCC上昇させる。また、プレート線ドライバ130は、プレート線PL1の電位をVCCから0Vに変化させる。これにより、強誘電体キャパシタCには、プレート線PL1を基準として+VCCの電圧がかかるため、データ“1”が再度書き込まれる。
一方、再書き込み制御部150は、SAOUTがL論理を示す場合、すなわち、強誘電体キャパシタCに記憶されていたデータが“0”であると判定された場合、RWがH論理を示す期間において、RWBの電位をVCCとすることによりビット線BL1の電位を0Vとする。これにより、強誘電体キャパシタCには、プレート線PL1を基準として−VCCの電圧がかかるため、データ“0”が再度書き込まれる。また、プレート線ドライバ130がプレート線PL1の電位をVCCから0Vに変化させた後に、強誘電体キャパシタCにかかる電圧は略ゼロであるため、強誘電体キャパシタCは再度書き込まれたデータ“0”を保持する。以上の動作により、強誘電体キャパシタCに記憶されたデータを読み出し、読み出された当該データを当該強誘電体キャパシタCに再書き込みすることができる。
本実施形態によれば、例えば、強誘電体キャパシタCに記憶された“0”データが読み出されたときのビット線BLjの電位に基づいて、強誘電体キャパシタCに記憶されたデータを判定することができる。すなわち、図3に示すように、強誘電体キャパシタに記憶されたデータを判定するための参照電圧を自己読み出しにより生成することができるため、強誘電体キャパシタの製造ばらつきや経時変化等があったとしても、強誘電体キャパシタに記憶されたデータを精度よく判定することができる。ひいては、誤動作が極めて少なく、信頼性の高い強誘電体メモリ装置を提供することができる。
また、本実施形態によれば、プレート線PLjの電位に基づいて、多数のビット線、例えばビット線BL1〜BLnのうちから、第1のセンスアンプ線SLA及び第2のセンスアンプ線SLBに接続するビット線BLjを選択することにより、当該ビット線BLjの電位を第1センスアンプ線SLA及び第2センスアンプ線SLBに保持させている。したがって、本実施形態によれば、多数の強誘電体キャパシタCに記憶されたデータを1つのセンスアンプ210で読み出すことができるため、センスアンプ210の数を大幅に低減させることができる。ひいては、消費電力がきわめて少なく、安価な強誘電体メモリ装置を提供することができる。
図4は、本発明の電子機器の一例であるパーソナルコンピュータ1000の構成を示す斜視図である。図4において、パーソナルコンピュータ1000は、表示パネル1002と、キーボード1004を有する本体部1006とを備えて構成されている。当該パーソナルコンピュータ1000の本体部1004の記憶媒体、特に不揮発性メモリとして、本発明の記憶回路を備えた半導体装置が利用されている。
上記発明の実施形態を通じて説明された実施例や応用例は、用途に応じて適宜に組み合わせて、又は変更若しくは改良を加えて用いることができ、本発明は上述した実施形態の記載に限定されるものではない。そのような組み合わせ又は変更若しくは改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
本発明の一実施形態に係る強誘電体メモリ装置100の構成の一例を示す図である。 本実施形態の強誘電体メモリ装置100の動作を示すタイミングチャートである。 強誘電体キャパシタからデータが読み出されたときのビット線の電位と参照電圧との関係を示す図である。 本発明の電子機器の一例であるパーソナルコンピュータ1000の構成を示す斜視図である。
符号の説明
100・・・強誘電体メモリ装置、110・・・メモリセルブロック、120・・・ワード線ドライバ、130・・・プレート線ドライバ、132・・・読み出し制御回路、134・・・アドレスデコーダ、140・・・ディスチャージ部、150・・・再書き込み制御部、160・・・ビット線接続部、170・・・ビット線選択部、180・・・センスアンプ線ディスチャージ部、190・・・オフセット電圧生成部、210・・・センスアンプ、RW・・・再書き込み制御信号、SAOUT・・・センスアンプ出力信号、SLA・・・センスアンプ線、SLB・・・センスアンプ線、SLP・・・センスアンプ線プリチャージ信号、SWA、SWB・・・ビット線接続制御信号

Claims (8)

  1. 所定のデータを記憶する、強誘電体キャパシタを有する複数のメモリセルと、
    前記複数のメモリセルにそれぞれ接続された複数のワード線、複数のビット線、及び複数のプレート線と、
    所定のメモリセルに接続された所定のプレート線の電位を変化させることにより、前記所定のメモリセルに蓄積された前記所定のデータを示すデータ蓄積電荷を前記所定のメモリセルに接続された所定のビット線に放出させて前記所定のメモリセルに記憶された前記所定のデータを読み出し、前記所定のデータが読み出された前記所定のメモリセルに蓄積されている電荷である参照蓄積電荷を前記所定のビット線に放出させるプレート線制御部と、
    第1センスアンプ線及び第2センスアンプ線と、
    前記所定のプレート線の電位の変化に基づいて、前記複数のビット線から前記所定のビット線を前記第1センスアンプ線及び前記第2センスアンプ線に接続するよう選択するビット線選択部と、
    前記所定のビット線を前記第1センスアンプ線に接続することにより、前記データ蓄積電荷が放出されたときの前記所定のビット線の電位を前記第1センスアンプ線に保持させ、前記所定のビット線を前記第2センスアンプ線に接続することにより、前記参照蓄積電荷が放出されたときの前記所定のビット線の電位を前記第2センスアンプ線に保持させるビット線接続部と、
    前記第1センスアンプ線及び前記第2センスアンプ線の電位に基づいて、前記所定のメモリセルに記憶された前記所定のデータを判定するセンスアンプと
    を備えたことを特徴とする強誘電体メモリ装置。
  2. 前記第2センスアンプにオフセット電圧を付加するオフセット電圧生成部をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の強誘電体メモリ装置。
  3. 前記オフセット電圧生成部は、前記第2センスアンプ線が前記ディスチャージされた前記所定のビット線の電位を保持しているときに、前記第2センスアンプ線に前記オフセット電圧を付加し、
    前記センスアンプは、前記オフセット電圧が付加された前記第2センスアンプ線の電位に基づいて、前記所定のデータを判定することを特徴とする請求項2に記載の強誘電体メモリ装置。
  4. 前記ビット線選択部は、
    前記複数のビット線と前記第1センスアンプ線との間にそれぞれ設けられ、各前記ビット線に対応する前記プレート線がそれぞれゲートに接続された複数の第1MOSトランジスタと、
    前記複数のビット線と前記第2センスアンプ線との間にそれぞれ設けられ、各前記ビット線に対応する前記プレート線がそれぞれゲートに接続された複数の第2MOSトランジスタと
    を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の強誘電体メモリ装置。
  5. 前記ビット線接続部は、
    前記複数のビット線と前記複数の第1MOSトランジスタとの間にそれぞれ設けられた複数の第3MOSトランジスタと、
    前記複数のビット線と前記複数の第2MOSトランジスタとの間にそれぞれ設けられた複数の第4MOSトランジスタと
    を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の強誘電体メモリ装置。
  6. 前記センスアンプが前記データを判定した判定結果に基づいて、前記所定のビット線の電位を制御することにより、前記所定のビット線に接続された前記メモリセルに当該データを記憶させる書き込み制御部をさらに備えたことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の強誘電体メモリ装置。
  7. 前記第1センスアンプ線及び前記第2センスアンプ線は、前記ビット線に対して略直角に配置されたことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の強誘電体メモリ装置。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載の強誘電体メモリ装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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