JP4061100B2 - 電気化学蓄電デバイス用電極材料とこれを用いた電気化学蓄電デバイス、および電気化学蓄電デバイス用電極の製造方法 - Google Patents

電気化学蓄電デバイス用電極材料とこれを用いた電気化学蓄電デバイス、および電気化学蓄電デバイス用電極の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高エネルギー密度かつ高出力密度で長寿命な電気化学蓄電デバイスを実現する電気化学蓄電デバイス用電極材料とこれを用いた電気化学蓄電デバイス、および電気化学蓄電デバイス用電極の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、代表的な電気化学蓄電デバイスとして、電気二重層キャパシタや二次電池があり、それぞれの特徴を生かした分野において幅広く使用されている。電気二重層キャパシタは、二次電池に比べて高出力密度かつ寿命が長いのが特徴であり、高い信頼性が要求されるバックアップ電源などに使用されている。一方、二次電池は、最も代表的な電気化学蓄積デバイスであり、電気二重層キャパシタに比べて高エネルギー密度であるが、その寿命は電気二重層キャパシタと比べて短く、一定期間の後に交換する必要がある。これら両者の特徴の差は、それぞれの電気エネルギー蓄積メカニズムの違いによるものである。電気二重層キャパシタでは、電極と電解液との間の電気化学反応ではなく、電解液中に含まれるイオンの移動によって充放電が行われる。従って、電極などデバイスの構成材料が二次電池に比べて劣化しにくく、また、一般にイオンの移動速度は電気化学反応速度に比べると大きいため、長寿命かつ高出力密度の蓄電デバイスとすることができる。一方、二次電池では、電極と電解液との間の電気化学反応を利用して充放電が行われるため、電極などの劣化が発生しやすく(寿命が短く)、出力密度は相対的に小さくなる。しかし、電極自身が化学エネルギーの形でエネルギーを蓄えることができるため、電極と電解液との界面において静電エネルギーの形でしかエネルギーを蓄えることができない電気二重層キャパシタに比べて、高エネルギー密度の蓄電デバイスとすることができる。
【0003】
これに対し、近年、電気二重層キャパシタの特徴である高出力密度、長寿命と、二次電池の特徴である高エネルギー密度とを併せ持った電気化学蓄電デバイスが提案されている。このような電気化学蓄電デバイスでは、電極と電解液との界面において水素イオンが交換されることでエネルギーが蓄えられる。水素イオンの交換反応速度は二次電池における電気化学反応速度に比べると大きく、また、電極上に化学エネルギーの形でエネルギーを蓄えることができるため、高出力密度かつ高エネルギー密度の蓄電デバイスとすることができる。さらに、充放電時に電極材料自体が構造変化を起こさないため電極の劣化が少なく、長寿命も期待できる。このような電気化学蓄電デバイスに用いられる電極材料として、これまで、ルテニウム化合物が用いられてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、電極材料として用いられるルテニウムが非常に高価であるという問題があり、より低コストな電極材料が求められている。
【0005】
また、ルテニウム化合物を用いた従来の電気化学蓄電デバイスでは、二次電池を大きく上回る寿命は報告されていない。原理的には二次電池と比べて長寿命が期待できるはずであるが、実際には水素イオン以外のイオンが交換される副反応が発生したり、ルテニウム化合物の安定度が低く、充放電時に電極材料の溶解や剥離などが発生したりすることで、劣化が促進されていると考えられる。
【0006】
そこで、本発明は、コストを低減した、長寿命を有する電気化学蓄電デバイスと上記電気化学蓄電デバイスに用いる電極材料、および上記電気化学蓄電デバイス用電極の製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の電気化学蓄電デバイス用電極材料は、ルテニウムと、バナジウムと、タングステンとを含むことを特徴としている。上記のような電極材料は、従来のルテニウム化合物からなる電極材料に比べて低いコストで得ることができ、また長寿命とすることができる。
【0008】
また、本発明の電気化学蓄電デバイスは、電極と電解液とセパレーターとを含み、上記電極が、電極母材と上記電極材料とを含むことを特徴としている。上記のような電気化学蓄電デバイスとすることで、エネルギー密度および出力密度を低下させることなく、低コストかつ長寿命とすることができる。
【0009】
本発明の電気化学蓄電デバイス用電極の製造方法は、ルテニウム化合物と、バナジウム化合物と、タングステン化合物とを電極母材に混合する工程と、上記化合物と上記電極母材とを含む混合物を熱処理する工程とを含むことを特徴としている。上記のような製造方法とすることで、低コストかつ長寿命の電気化学蓄電デバイス用電極を得ることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0011】
図1は、本発明における電気化学蓄電デバイスの例を示す断面図である。図1に示す例では、電極母材31および41上に電極材料32および42が配置されてなる電極3および4と、シート状の集電体1および2と、ガスケット5および6と、電極3と電極4とを電気的に分離するセパレーター7とを備えている。電極3および4とセパレーター7は電解液8に含浸した状態となっている。また、ガスケット5および6によって、電極および電解液のデバイス外部への漏出や、外部からの空気、水分などの侵入が防がれている。
【0012】
図1に示す例において、電極3および4に含まれる電極材料32および42と電解液8との間で水素イオンが交換されることで、電気エネルギーの蓄積および解放を行うことができる。従って、電解液として、水素イオンの供給および吸収が可能な電解液を用いる必要がある。水素イオンの供給および吸収が可能な電解液としては、水溶液系の電解液、例えば、硫酸水溶液などの酸性水溶液や、水酸化ナトリウム水溶液などのアルカリ性水溶液を用いることができる。なかでも、安定性に優れている、デバイスを構成する材料に対する腐食性が低い、ハロゲン元素が含まれないなどの理由から、硫酸水溶液が好ましい。
【0013】
なお、電解液として用いる硫酸水溶液の濃度は、0.2〜5mol/lが好ましい。この濃度範囲において、水素イオンを電極材料に十分に供給することができ、また、電解液中のイオン伝導性を確保することができる。
【0014】
電極母材31および41としては、電解液に腐食されない材料であれば任意の材料を用いることができる。例えば、電解液に酸性水溶液を用いた場合の電極母材には、チタンまたはチタンの化合物、あるいは炭素材料などを用いることが好ましい。なかでも、安定度が非常に高くかつ低コストであり、電極母材として十分な表面積を有するものが容易に手に入ることなどから、炭素材料を用いることが特に好ましい。炭素材料としては、活性炭、グラファイトなどを用いることができる。
【0015】
電極3および4は、上記の電極母材上に、ルテニウム、バナジウムおよびタングステンを含む電極材料32および42が配置された構造を有している。このとき、上記各元素は、酸化物および水酸化物から選ばれる少なくとも1種の化合物の状態であることが好ましい。各元素が酸化物または水酸化物の状態のときに、電極材料と電解液との間の水素イオン交換反応を最も効率良く行うことができる。
【0016】
電極材料中に含まれるルテニウム、バナジウムおよびタングステンの比率については、単体換算で、ルテニウムが15〜50mol%、バナジウムが40〜80mol%、タングステンが5〜15mol%の範囲(上記3元素の比率の合計は100mol%)が好ましい。この範囲を満たすように上記3元素を含んだ電極材料を用いることで、コストを低減した長寿命の電気化学蓄電デバイスを安定して得ることができる。
【0017】
なかでも、ルテニウムとバナジウムとの比率については、単体換算で、ほぼ1:1であることがエネルギー密度の観点から特に好ましい。原理的には、ルテニウム化合物と電解液との間で水素イオンを交換することで電気エネルギーが蓄えられているため、従来、ルテニウムの比率が大きいほどエネルギー密度が高くなると考えられていたが、本発明によれば、バナジウムもエネルギー密度に影響を与えている可能性がある。
【0018】
また、タングステンの比率については、単体換算で、10mol%程度が特に好ましい。タングステンはエネルギー密度にはあまり影響を与えないが、電極材料の安定性を高めている可能性があり、添加することで電気化学蓄電デバイスの寿命を長くすることができる。
【0019】
次に、電気化学蓄電デバイス用電極を製造する方法の一例を説明する。
【0020】
まず、電極母材として活性炭を準備する。活性炭は多孔質で表面積が大きいため、より多くの電極材料を配置させることができ、また、電極母材と電極材料との接触性を十分に確保しやすく、電子抵抗を下げることができる。電極母材として用いる活性炭はなるべく表面積が大きいほうが望ましいが、あまりに高比表面積の活性炭は嵩高く、体積あたりの表面積が逆に小さくなる場合もあり、注意が必要である。
【0021】
続いて、準備した活性炭と上記電極材料(ルテニウム、バナジウムおよびタングステン)の前駆体とを混合し、活性炭に前駆体を吸着させる。
【0022】
前駆体として、上記各元素の塩化物、硝酸化合物、硫酸化合物などの溶液または粉末などを用いることができる。なかでも、電極母材との接触性がよく、前駆体としての使用効率が高いことから、溶液を用いることが好ましい。
【0023】
溶液の溶媒としては、水、メタノール、エタノール、エチレングリコールなどを用いることができる。なかでも、上記各元素の化合物の溶解度に優れることから水が好ましい。また、溶媒として水を用いれば、電極母材として活性炭などの多孔質体を用いた場合に、電極母材の微細細孔の奥まで前駆体を浸透させることができる。なお、上記化合物の溶解度を向上させるため、溶媒にさらにシュウ酸や過酸化水素水などを添加することもできる。ただし、バナジウムおよびタングステンについては一般に化合物の溶解性が低く、1mol/l程度の高濃度の溶液を調製する際には、溶媒と化合物の選択に制限がある。
【0024】
ルテニウムについては、塩化ルテニウムを水とエタノールの混合溶媒に溶解させた溶液が、バナジウムについては、バナジン酸アンモニウムを上記混合溶媒に溶解させた溶液が、タングステンについては、三酸化タングステンをアンモニア水に溶解させた溶液が好ましい。前駆体としてこれらの溶液を用いれば、続いて行われる熱処理により、上記各元素の酸化物や水酸化物を電極母材上で容易に得ることができる。
【0025】
電極母材である活性炭に、前駆体である上記溶液を吸着させるためには、溶液中に活性炭を投入、混合し、所定の時間放置すればよい。一回の混合によって吸着される量には制限があるが、繰り返し新しい溶液を活性炭に混合すれば吸着量を増加させることができる。
【0026】
活性炭に溶液を吸着させる際には、例えば、上記3種類の溶液をあらかじめ混合し、その混合溶液に対し活性炭を投入することもできる。また、いずれか2種類の混合溶液と活性炭とを混合した後に、残る1種類の溶液を混合させてもよいし、上記3種類の溶液を個別に活性炭と混合させても構わない。最終的に、全ての前駆体と活性炭とを混合することができれば、どのような手順を用いても構わない。
【0027】
上記のようにして溶液を吸着させた活性炭に対して、乾燥などの方法により不要な溶媒を除去した後、熱処理を行うことで、活性炭上に担持している溶液中の金属化合物を酸化物または水酸化物に変化させればよい。このようにして、ルテニウム、バナジウムおよびタングステンを含む電極材料を電極母材上に配置した電気化学蓄電デバイス用電極を得ることができる。
【0028】
熱処理は、電気炉などの一般に広く用いられている熱処理装置を用いることができる。電極母材として活性炭などの炭素材料を用いた場合、空気中の熱処理では炭素材料が燃焼する可能性があるため、不活性ガスの雰囲気下において行うことが好ましい。また、不活性ガスに、適量の酸素または水蒸気を加えることで、炭素材料を燃焼させることなく、より効率的に上記各元素の酸化物または水酸化物を電極母材上に得ることができる。
【0029】
熱処理の温度は、300〜500℃が好ましい。
【0030】
次に、上記電極を用いて図1に示す電気化学蓄電デバイスを構成する方法の一例について説明する。
【0031】
電気化学蓄電デバイスとする際には、上記のようにして得た電極を単独で電解液と混合して用いることもできるが、蓄電デバイスの電子抵抗を抑制するために、アセチレンブラックやケッチェンブラックなどのカーボンブラック導電材と混合した後に電解液と混合することが好ましい。また、電極としての形態保持性を向上させるために、ポリテトラフルオロエチレンなどからなる結着材を混合させることもできる。
【0032】
導電性ブチルゴムなどからなるシート状の集電体1および2の一方の面に、あらかじめ電解液を混合してペースト状にした電極3および4を塗布した後、未加硫のブチルゴムなどからなる筒状のガスケット5および6を嵌めあわせる。次に、それぞれの電極に電解液を含浸させた後、電解液を含浸させたセパレーター7を挟んで組み合わせ、加熱によりガスケット5、6を加硫し固着させる。このようにして、本発明の電気化学蓄電デバイスを得ることができる。セパレーターとしては、電解液を含浸し、かつ電解液に腐食されない材料、例えば、多孔質ポリプロピレンなどを用いることができる。
【0033】
なお、本発明の電気化学蓄電デバイスの集電体、ガスケットおよびセパレーターの材料について、電解液によって腐食しないものであれば、特に上記の例で用いられている材料に限定されずに用いることができる。また、電極と電解液とを恒常的に保持し、電極に蓄積されたエネルギーを効率よく取り出せる構造であれば、上記例に示す構造に限定されるものではない。
【0034】
【実施例】
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明する。
【0035】
(実施例)
まず、前駆体となる、ルテニウム、バナジウムおよびタングステン化合物を含む溶液を調製した。
【0036】
水とエタノールとを体積比1:1で混合した溶媒Aに、塩化ルテニウム(RuCl3・nH2O)を溶解し、ルテニウム単体換算で濃度0.1mol/lの溶液を調製した(以下、0.1Mルテニウム溶液、と表記)。また、溶媒Aに、バナジン酸アンモニウム(NH4VO3)を若干加熱しながら溶解し、バナジウム単体換算で濃度0.1mol/lの溶液を調製した(以下、0.1Mバナジウム溶液、と表記)。さらに、三酸化タングステン(WO3)を28vol%アンモニア水に溶解し、溶媒Aで希釈して、タングステン単体換算で濃度0.1mol/lの溶液を調製した(以下、0.1Mタングステン溶液、と表記)。上記溶液のうち0.1Mタングステン溶液は調製後、時間とともに分解するため、使用する直前に調製した。
【0037】
次に、電極母材となる活性炭(武田薬品工業製、LPK424、比表面積約1500m2/g)の表面に、ルテニウム、バナジウムおよびタングステンの化合物を、以下の方法で担持させた。
【0038】
活性炭5gにメタノール20mlを加え15分間放置した後に、めのう乳鉢を用いて数分間混合し、ペースト状とした。これに、0.1Mルテニウム溶液15ml、0.1Mバナジウム溶液15mlおよび0.1Mタングステン溶液3mlを混合した混合溶液を加え、直ちにホモジナイザー(IKA LABORTECHNIC製、T25basic)を用いて、回転速度9000rpmで5分間攪拌を行った。上記混合溶液中に含有されるルテニウム、バナジウムおよびタングステンの量は、単体換算で、それぞれ1.5mmol、1.5mmolおよび0.3mmolとなる。
【0039】
その後、上記のようにして得た混合物を真空デシケーター中に置き、ロータリーポンプを用いて1kPa以下にまで減圧し、1時間保持することで、含浸させた。続いて、上記混合物を、回転速度6000rpmで15分遠心分離した後に上澄みを除去し、残ったペースト状の活性炭を、あらかじめ120℃に保持しておいた恒温槽中で乾燥させることで、上記各金属の化合物を担持した乾燥粉末体を得ることができた。また、得られた乾燥粉末体に対し、上記した担持操作をもう一度(計2回)行った。
【0040】
次に、上記のようにして得た乾燥粉末体を石英の皿に移し、内径100mmのアルミナ製管状電気炉に入れ、熱処理を行った。熱処理の雰囲気ガスとして窒素を用い、また、窒素には、電気炉の炉芯管に導入する前に40℃に保った水の入ったガス洗浄瓶を通すことによって水蒸気を含有させた。窒素の流量は200ml/minとした。雰囲気ガス導入管内での結露を防ぐため、導入管はすべてバンドヒータを用いて40℃以上に保った状態で行った。熱処理の加熱プロファイルは、常温から400℃まで200℃/hrで昇温し、400℃に到達後ただちに200℃/hrで常温まで降温する設定とした。
【0041】
上記のようにして、ルテニウム、バナジウムおよびタングステンが含まれる電極材料を活性炭表面に配置した電極を得ることができた。
【0042】
次に、上記電極を用いて図1に示すような電気化学蓄電デバイスを作製した。集電体として、シート状の導電性ブチルゴム(導電材となるアセチレンブラックの添加割合が80wt%、厚さ約0.2mm)を1組準備し、この上に、上記電極と、電解液である濃度0.5mol/lのH2SO4(以下、0.5M H2SO4溶液、と表記)とを混合してペースト化したものを、それぞれ約1mmの厚さで塗布した。続いて、非導電性ブチルゴムからなる筒状のガスケットを嵌めあわせた。その後、多孔質ポリプロピレンからなるセパレーターを挟んで組み合わせ、最後に、電解液として0.5M H2SO4溶液を加えた。
【0043】
(従来例)
従来例として、タングステンを含まない電極材料を活性炭表面に配置した電極を作製した。
【0044】
まず、実施例と同様にして、0.1Mルテニウム溶液および0.1Mバナジウム溶液を調製した。
【0045】
次に、実施例と同様に、活性炭表面に、ルテニウムおよびバナジウムの化合物を担持させた。活性炭は実施例と同じ物を用いた。活性炭には、0.1Mルテニウム溶液15mlと0.1Mバナジウム溶液15mlとを混合した混合溶液を加えた。上記混合溶液中に含有されるルテニウムおよびバナジウムの量は、単体換算で、それぞれ1.5mmolおよび1.5mmolとなる。従来例においてもこの担持操作を、計2回実施した。
【0046】
次に、実施例と同様に、熱処理を行い、図1に示すような電気化学蓄電デバイスを作製した。
【0047】
上記のようにして作製した実施例および従来例における電気化学蓄電デバイスについて、充放電を繰り返した場合のエネルギー密度の変化を調べた。
【0048】
エネルギー密度は、それぞれの電気化学蓄電デバイスを1.1Vで30分充電した後、使用した活性炭の乾燥重量1gあたり50mAの電流となるように定電流放電を行い、そのときの放電カーブの電圧が0.5Vから0.25Vに落ちる時間から算出した。これは、活性炭の乾燥重量1gあたりのエネルギー密度となる。
【0049】
充放電は、0Vから1Vまで、活性炭乾燥重量1gあたり500mAの定電流で充電、放電を繰り返すことで行った。なお、充放電は、60℃の恒温槽中で実施した。
【0050】
以上の方法により、実施例および従来例の初期状態のエネルギー密度と、100、1000、5000サイクル充放電を繰り返した後のエネルギー密度を測定した。
【0051】
結果を下記の表1に示す。
【0052】
Figure 0004061100
【0053】
表1に示すように、実施例のエネルギー密度は従来例に対していずれも大きく、充放電サイクルに対する耐久性に優れていることがわかる。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、コストを低減した、寿命の長い電気化学蓄電デバイス、および上記電気化学蓄電デバイスを実現する電気化学蓄電デバイス用電極材料を提供できる。また、上記電気化学蓄電デバイスに用いる電極の製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明における電気化学蓄電デバイスの例を示す断面図である。
【符号の説明】
1、2 集電体
3、4 電極
31、41 電極母材
32、42 電極材料
5、6 ガスケット
7 セパレーター
8 電解液

Claims (4)

  1. ルテニウム化合物、バナジウム化合物、およびタングステン化合物を含む金属化合物を活性炭を含む電極母材に吸着させる工程と、
    前記工程で得られた電極母材を水蒸気を含む窒素ガスの雰囲気下で熱処理し、活性炭に吸着している前記金属化合物を酸化物または水酸化物とする工程とを含む、電気化学蓄電デバイス用電極の製造方法。
  2. 前記金属化合物を電極母材に吸着させる工程が、塩化ルテニウムを水とエタノールの混合溶媒に溶解させた溶液、バナジン酸アンモニウムを前記混合溶媒に溶解させた溶液、および三酸化タングステンをアンモニア水に溶解させた溶液を活性炭を含む電極母材に吸着させることを含む工程である、請求項1記載の電気化学蓄電デバイス用電極の製造方法。
  3. さらに、窒素ガスをガス洗浄瓶を通すことにより前記窒素ガスに水蒸気を含ませる工程を含む、請求項2記載の電気化学蓄電デバイス用電極の製造方法。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の電気化学蓄電デバイス用電極の製造方法により電極を製造する工程を含む、電気化学蓄電デバイスの製造方法。
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