JP4060937B2 - 鋼板切断制御装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、製造ラインを走行する鋼板の切断点を定める切断制御装置に関し、例えば、圧延機,連続鋳造機から連続的に送り出される鋼板を、設定長又は設定重量分毎に切断する場合の、切断位置の決定に用いられる。
【0002】
【従来の技術】
従来は、ユーザが指定した鋼板注文重量を元に、後工程での処理の容易さ等を考慮して、予め切断予定重量を設定値とし、製造ライン上で鋼板の走行長を計測して対応の重量すなわち走行重量を算出し、それが設定値に達すると、そこを切断点に定めて、切断機へ切断指示を与える。鋼板注文重量では、ユーザが許容できる最小および最大重量が、重量判定基準として指定されており、その重量範囲内であれば重量基準を満たし、ユーザへ出荷できる。その重量判定基準を満足する条件内で、切断予定重量すなわち設定値は決定され、切断機へ切断指示される。 一方、鋼板の品質要求もあり、品質の要素に、板厚,板形状、あるいは板温度などがある。これらは、センサーで測定され、一部でも品質判定基準を満足しない場合は、後工程での再処理が必要となったり、あるいは、品質不良としてユーザへ出荷できずスクラップとなるので、大幅な生産効率低下や生産歩留り低下が生じる。
【0003】
その対策の一つとして、例えば、健全部と不良部先端の境界点を切断し、また、不良部後端と健全部先端との境界点を切断して不良部を分離することにより、不良部を確実に取り除く方法が提案されている(例えば特開平9−85315号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の方法では不良部重量が小さい場合、あるいは、不良部が頻繁に発生したため、良部重量が小さい場合には、巻取機へ正常に巻き取れなかったり、その後の搬送工程で、搬送できなかったりすることがある。その場合には大きく作業性を損い、最悪の場合にはライン運転停止といったトラブルも生じる。
【0005】
本発明は、たとえ不良部が発生しても、後処理機例えば巻取機で処理しうる切断長を設定することを第1の目的とする。具体的には、不良部があることによって健全部や不良部が、後処理機でトラブルを生じ易い長さに切断されるのを防止し、かつ量不足の健全部および不良部は、確実に分断することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明の鋼板切断制御装置は、製造ラインを走行する鋼板の不良部を検出する手段(13h),先行切断点から鋼板の走行量を計測する手段(17),先行切断点から不良部後端までの走行量が設定値(La)以上のとき該不良部後端を切断点に定め(図3の11-12-21-22-15)、設定値(La)未満のときは先行切断点からの走行量が設定値(La)以上となる位置を切断点に定める切断点設定手段(17:図3の11-12-21-22-10-11-12-21-22-10・・・22-15)、を備える。
【0007】
【発明の実施の形態】
(2)製造ラインを走行する鋼板の不良部を検出する手段(13h),先行切断点からの鋼板の走行量を計測する手段(17)、および、不良部先端においてそこまでの走行量が第1設定値(Lb)以上のとき該不良部先端を切断点に定め(図3の11-17-18-19-15)、第1設定値(Lb)未満のときは、走行量が第2設定値(La)以上のとき不良部後端を切断点に定め、第2設定値(La)未満のときは走行量が第2設定値(La)以上となる位置を切断点に定める(図3の11-17-21-22-15)切断点設定手段(17)、を備える鋼板切断制御装置。
(3)切断点設定手段(17)は、健全部の走行量が目標値(Lt)になる位置を切断点に定める(図3の11-12-13-14-15)、上記(1)又は(2)に記載の鋼板切断制御装置。
(4)切断点設定手段(17)が切断点を設定する度に、計測手段(17)がそこからの走行量の計測を開始する(図3の15-16-5)、上記(3)に記載の鋼板切断制御装置。
【0008】
なお、理解を容易にするためにカッコ内には、図面に示し後述する実施例の対応要素又は対応事項の記号を、参考までに付記した。
【0009】
【実施例】
図1に本発明の一実施例の構成概要を示す。鋼帯である鋼板11は、鋼板加工プロセスの1つである圧延機12により、所定の鋼板厚となるように圧延される。圧延された鋼板11は、センサー13にて測定され、測定デ−タ(実績データ)が計算機17へ送信される。センサー13は、この実施例では板厚計13hと板幅計13wであり、圧延機12で圧延された鋼板11の鋼板厚を板厚計13hが、鋼板幅を板幅計13wが測定する。
【0010】
測長ロール14にはパルス発生器PLGが結合されており、測長ロ−ル14の所定角度の回転につき1パルスの電気パルスを発生し計算機17に与える。計算機17は、電気パルスを計数して鋼板長を計算し、また鋼板11上に設定した切断点の位置を監視(トラッキング)する。鋼板11は巻取機16により巻き取られる。計算機17は、鋼板11の先端(先行切断点:測長ロ−ル14より右側)から、測長ロ−ル14までの鋼板重量を下記の(1)式にて演算する。
【0011】
また、計算機17は、品質判定基準値を予め保持し、そして演算,判定&トラッキング機能(プログラム)18でもって、センサー13で測定された実績データ(ここでは板厚計13hで計測する鋼板厚)が、その品質判定基準範囲内に入っているならば健全部と、外れているならば不良部と判断する。計算機17は、走行中の鋼板の位置と、健全部あるいは不良部の位置をトラッキングして対応させ、例えば鋼板1m毎に健全部か不良部かの情報をメモリーへ保持する。さらに、計算機17は健全部と不良部の境界点を検出し、トラッキングすると同時に、健全部重量、あるいは、不良部重量を(1)式にて演算する。計算機17は圧延機12で不良部が発生していないならば、予め設定され、計算機17で保持している予定切断重量に到達した時点で、切断機15へ切断指示する。巻取機16に巻き取られている鋼板11は、切断機15により切断される。最終的には、鋼板11は鋼板切断後に巻取機16から払い出され、次工程へ搬送される。
【0012】
ここで、鋼板重量(単位:kg)は以下の式で求められる。
【0013】
鋼板重量=H×W×L×ρ ・・・(1)
H:鋼板厚(単位:m)
W:鋼板幅(単位:m)
L:鋼板長(単位:m)
ρ:鋼板密度(単位:kg/m3)
上記(1)式の鋼板厚Hと鋼板幅Wは、板厚計13hと板幅計13wで測定されるものであり、計算機17は、先行切断点から、PLGが設定数分パルスを発生する毎に、その間の鋼板移動量ΔTw=H×W×ΔL×ρを算出してこれを積算し、積算値を上記鋼板重量とする。ΔLは、PLGが設定数分パルスを発生する間の鋼板の移動量である。
【0014】
板幅計13wを設置していなければ、Wは目標値を使用する。また、板厚Hも目標値を用いてもよい。更には、上述の積算計算に代えて、測長ロール14に結合したパルス発生器PLGの発生パルス数をカウントしてそれを鋼板移動量Lに換算し、H,Wをlの間の測定値の平均値又は目標値として、直接に(1)式で鋼板重量を算出してもよい。鋼板密度ρは、鋼板材料種別に予め設定され、計算機17にて保持された値を使用する。
【0015】
図2および図3に、計算機17の演算,判定&トラッキング機能18が実行する切断点の設定処理の内容を示す。圧延機12から出た鋼板11の先端が測長ロ−ル14に達するとセンサ13(板厚計13hおよび板幅計13w)が、鋼板ありを検出し、測長ロ−ル14に結合されたパルス発生器PLGが電気パルスを発生し始める。計算機17の機能18は、この鋼板ありの検出および電気パルスの到来に応答して、到来する電気パルスのカウントを開始し、センサ13による板厚および板幅の計測を開始する(ステップ1〜3)。
【0016】
次に計算機17は、コイルNo.iに1を与えて(ステップ4)、すなわち第1番コイルと指標を定めて、健全部切断目標値Ltを設定し(ステップ5)、不良部検出/非検出を示すデ−タを格納するためのレジスタFABをクリアしてそのデ−タを0(健全部)とし(ステップ6)、健全部重量レジスタおよび鋼板重量レジスタをクリアする(ステップ7,8)。そして長さ計測iを開始し、鋼板重量の積算計算を開始する(ステップ9)。
【0017】
次に計算機17は、鋼板11の尾端が測長ロ−ル14を通過した(検出板厚&板幅が、尾端判定値未満となった)かをチェックして(ステップ10)、そうでないと、検出板厚が、健全部の値であるか(健全部とする設定範囲内か)をチェックする(ステップ11,12)。健全部の値であると、健全部重量積算を行なう(ステップ13)。そして健全部積算重量が、切断目標値Lt以上になったかをチェックして(ステップ14)、そうであると、切断長LCに、そのときの長さ計測iの計測値(先行切断点から測長ロ−ル14までの距離)にDc(測長ロ−ル14/切断機15間距離)を加えた値を設定し、該切断長LCでの切断を設定する(ステップ15)。なお、この設定により計算機17は、それから切断長LC分鋼板が移動した時に、切断機15に切断指示を与える。
【0018】
そして計算機17は、コイルNo.iを1インクレメントして(ステップ16)、すなわちコイル番号iを次の番号値に更新して、次の相断目標値Ltを設定し(ステップ5)、次の計測を開始する(ステップ6〜9)。
【0019】
以上の、ステップ5〜16−5の繰返しにより、健全部が連続している間、鋼板11は、切断目標値Ltで切断される。
【0020】
途中で、不良部(の先端)を検出すると、計算機17は、ステップ11から17を経て、ステップ18で、不良部を検出したことを示す1をレジスタFABに書込む。ここでの鋼板重量(不良部先端までの健全部の量)が、予定切断重量Lbに達しているかをチェックして(ステップ19)、達していたときには、切断長LCに、そのときの長さ計測iの計測値(先行切断点から測長ロ−ル14までの距離)にDc(測長ロ−ル14/切断機15間距離)を加えた値を設定し、該切断長LCでの切断を設定する(ステップ15)。これにより、所定切断重量Lbを満す健全部が切断され、この切断後の鋼板の先端は、不良部である。
【0021】
所定切断重量Lb未満であったときは、ステップ20で健全部重量レジスタをクリアしステップ10,11に進んで、そこ(不良部先端)を切断点に定めず、不良部後端を切断点に定める(ステップ11−12−21−22−15)。この場合も、該不良部後端までの鋼板重量(健全部+不良部)が切断判定基準値Laに達しないときには、達するのを待って、達した点を切断点に定める(ステップ22−10−11−12−21−22)。
【0022】
なお、不良部が続いている間は、ステップ11−12−21−22とめぐり、健全部になるのを待つ。そして健全部になると、ステップ11−12−21−22と進んで、鋼板重量が切断判定基準値La以上のときに、そこを切断点に定める(22−15)。
【0023】
センサ13が鋼板11の尾端を検出すると、計算機17は、これをステップ10で認知して、「板エンド処理」23を行なう。ここでは、自動搬出ではトラブルが発生するため、アラ−ム警報を出力し、オペレ−タによる搬出へと切替える。
【0024】
以上を要約すると、計算機17は、不良部先端が測長ロ−ル14に到達したときに、鋼板重量が切断判定基準値Lb以上かを判定する(ステップ18)。切断判定基準値Lbは、ユーザ毎の要求や後工程での処理の容易さ等を考慮して、生産スケジューリング時に決定され、鋼板毎に予め設定され、計算機17に保持している。ステップ19を満足する場合、不良部を混入させないように、ステップ15で不良部先端にて切断する。また、ステップ19を満足しない場合は、不良部先端にて切断しない(ステップ19−20−10)。
【0025】
不良部から健全部へ変化した境界点すなわち不良部後端を検出すると、ステップ22で巻取機16で巻き取られている鋼板重量が切断判定基準値La以上かを、判定する。切断判定基準値Laは、巻取機16やその後工程の搬送設備にてトラブルが生じない値であり、予め設定され、計算機17に保持している。鋼板重量が切断判定基準値La未満で切断すると、トラブルが生じるため、その場合は切断しない(ステップ22−10)。切断判定基準値La以上である場合に、不良部を取り除くため、不良部後端にて切断する(ステップ22−15)。
【0026】
なお、本実施例では、重量を切断判定基準とする例としたが、長さを切断判定基準としても同様に実現できる。また、鋼板11は連続鋳造設備におけるスラブに置き換えても適用できる。この場合は、巻取機16の代わりに搬送設備となる。また、プロセス12を圧延機としたが、これに限るものではなく、鋼板に処理を加える設備ならば、如何なるプロセスでもよい(例えば、表面処理設備,焼鈍設備、冷却設備など)。また、健全部,不良部を識別するためのセンサを板厚計13hとしたが、これに限るものではなく、鋼板の品質不良部を検出するためのものであれば、如何なる検出器でもよい(例えば、板幅計13w,形状計,温度計,疵検出器など)。
【0027】
切断判定基準値は、例えば、熱延設備では、La=3ton、Lb=18tonにて実施した。切断判定基準Laは、巻取機の設備仕様、板幅等によって異なるが、La=3ton〜5tonとなる。また、切断判定基準値Lbは、成品鋼板毎に異なり、例えば、鋼板重量目標値の−10%であり、鋼板重量目標値が20tonであると、18tonとなる。一方、連続鋳造設備では、La=2m,Lb=13.5mにて実施した。切断判定基準Laは、搬送設備の搬送ロール間隔等によって異なるが、La=2m〜5mとなる。また、切断判定基準値Lbは、成品鋼板毎に異なり、例えば、鋼板長目標値の−10%であり、鋼板長目標値が15mであると、13.5mとなる。
【0028】
【発明の効果】
本発明では、たとえ不良部が発生しても、巻取トラブル、あるいは、搬送トラブルを未然に防ぐことができた。また、できる限り不良部を混入させないことができるので後工程を含め生産性および歩留りが向上した。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例の構成概要を示すブロック図である。
【図2】 図1に示す計算機17の切断点設定処理の内容の一部を示すフローチャートである。
【図3】 図1に示す計算機17の切断点設定処理の内容の残部を示すフローチャートである。
【符号の説明】
11:鋼板 12:圧延機
13:センサ 14:測長ロール
15:切断機 16:巻取機
17:計算機 18:演算,判定&トラッキング機能
【発明の属する技術分野】
本発明は、製造ラインを走行する鋼板の切断点を定める切断制御装置に関し、例えば、圧延機,連続鋳造機から連続的に送り出される鋼板を、設定長又は設定重量分毎に切断する場合の、切断位置の決定に用いられる。
【0002】
【従来の技術】
従来は、ユーザが指定した鋼板注文重量を元に、後工程での処理の容易さ等を考慮して、予め切断予定重量を設定値とし、製造ライン上で鋼板の走行長を計測して対応の重量すなわち走行重量を算出し、それが設定値に達すると、そこを切断点に定めて、切断機へ切断指示を与える。鋼板注文重量では、ユーザが許容できる最小および最大重量が、重量判定基準として指定されており、その重量範囲内であれば重量基準を満たし、ユーザへ出荷できる。その重量判定基準を満足する条件内で、切断予定重量すなわち設定値は決定され、切断機へ切断指示される。 一方、鋼板の品質要求もあり、品質の要素に、板厚,板形状、あるいは板温度などがある。これらは、センサーで測定され、一部でも品質判定基準を満足しない場合は、後工程での再処理が必要となったり、あるいは、品質不良としてユーザへ出荷できずスクラップとなるので、大幅な生産効率低下や生産歩留り低下が生じる。
【0003】
その対策の一つとして、例えば、健全部と不良部先端の境界点を切断し、また、不良部後端と健全部先端との境界点を切断して不良部を分離することにより、不良部を確実に取り除く方法が提案されている(例えば特開平9−85315号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の方法では不良部重量が小さい場合、あるいは、不良部が頻繁に発生したため、良部重量が小さい場合には、巻取機へ正常に巻き取れなかったり、その後の搬送工程で、搬送できなかったりすることがある。その場合には大きく作業性を損い、最悪の場合にはライン運転停止といったトラブルも生じる。
【0005】
本発明は、たとえ不良部が発生しても、後処理機例えば巻取機で処理しうる切断長を設定することを第1の目的とする。具体的には、不良部があることによって健全部や不良部が、後処理機でトラブルを生じ易い長さに切断されるのを防止し、かつ量不足の健全部および不良部は、確実に分断することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明の鋼板切断制御装置は、製造ラインを走行する鋼板の不良部を検出する手段(13h),先行切断点から鋼板の走行量を計測する手段(17),先行切断点から不良部後端までの走行量が設定値(La)以上のとき該不良部後端を切断点に定め(図3の11-12-21-22-15)、設定値(La)未満のときは先行切断点からの走行量が設定値(La)以上となる位置を切断点に定める切断点設定手段(17:図3の11-12-21-22-10-11-12-21-22-10・・・22-15)、を備える。
【0007】
【発明の実施の形態】
(2)製造ラインを走行する鋼板の不良部を検出する手段(13h),先行切断点からの鋼板の走行量を計測する手段(17)、および、不良部先端においてそこまでの走行量が第1設定値(Lb)以上のとき該不良部先端を切断点に定め(図3の11-17-18-19-15)、第1設定値(Lb)未満のときは、走行量が第2設定値(La)以上のとき不良部後端を切断点に定め、第2設定値(La)未満のときは走行量が第2設定値(La)以上となる位置を切断点に定める(図3の11-17-21-22-15)切断点設定手段(17)、を備える鋼板切断制御装置。
(3)切断点設定手段(17)は、健全部の走行量が目標値(Lt)になる位置を切断点に定める(図3の11-12-13-14-15)、上記(1)又は(2)に記載の鋼板切断制御装置。
(4)切断点設定手段(17)が切断点を設定する度に、計測手段(17)がそこからの走行量の計測を開始する(図3の15-16-5)、上記(3)に記載の鋼板切断制御装置。
【0008】
なお、理解を容易にするためにカッコ内には、図面に示し後述する実施例の対応要素又は対応事項の記号を、参考までに付記した。
【0009】
【実施例】
図1に本発明の一実施例の構成概要を示す。鋼帯である鋼板11は、鋼板加工プロセスの1つである圧延機12により、所定の鋼板厚となるように圧延される。圧延された鋼板11は、センサー13にて測定され、測定デ−タ(実績データ)が計算機17へ送信される。センサー13は、この実施例では板厚計13hと板幅計13wであり、圧延機12で圧延された鋼板11の鋼板厚を板厚計13hが、鋼板幅を板幅計13wが測定する。
【0010】
測長ロール14にはパルス発生器PLGが結合されており、測長ロ−ル14の所定角度の回転につき1パルスの電気パルスを発生し計算機17に与える。計算機17は、電気パルスを計数して鋼板長を計算し、また鋼板11上に設定した切断点の位置を監視(トラッキング)する。鋼板11は巻取機16により巻き取られる。計算機17は、鋼板11の先端(先行切断点:測長ロ−ル14より右側)から、測長ロ−ル14までの鋼板重量を下記の(1)式にて演算する。
【0011】
また、計算機17は、品質判定基準値を予め保持し、そして演算,判定&トラッキング機能(プログラム)18でもって、センサー13で測定された実績データ(ここでは板厚計13hで計測する鋼板厚)が、その品質判定基準範囲内に入っているならば健全部と、外れているならば不良部と判断する。計算機17は、走行中の鋼板の位置と、健全部あるいは不良部の位置をトラッキングして対応させ、例えば鋼板1m毎に健全部か不良部かの情報をメモリーへ保持する。さらに、計算機17は健全部と不良部の境界点を検出し、トラッキングすると同時に、健全部重量、あるいは、不良部重量を(1)式にて演算する。計算機17は圧延機12で不良部が発生していないならば、予め設定され、計算機17で保持している予定切断重量に到達した時点で、切断機15へ切断指示する。巻取機16に巻き取られている鋼板11は、切断機15により切断される。最終的には、鋼板11は鋼板切断後に巻取機16から払い出され、次工程へ搬送される。
【0012】
ここで、鋼板重量(単位:kg)は以下の式で求められる。
【0013】
鋼板重量=H×W×L×ρ ・・・(1)
H:鋼板厚(単位:m)
W:鋼板幅(単位:m)
L:鋼板長(単位:m)
ρ:鋼板密度(単位:kg/m3)
上記(1)式の鋼板厚Hと鋼板幅Wは、板厚計13hと板幅計13wで測定されるものであり、計算機17は、先行切断点から、PLGが設定数分パルスを発生する毎に、その間の鋼板移動量ΔTw=H×W×ΔL×ρを算出してこれを積算し、積算値を上記鋼板重量とする。ΔLは、PLGが設定数分パルスを発生する間の鋼板の移動量である。
【0014】
板幅計13wを設置していなければ、Wは目標値を使用する。また、板厚Hも目標値を用いてもよい。更には、上述の積算計算に代えて、測長ロール14に結合したパルス発生器PLGの発生パルス数をカウントしてそれを鋼板移動量Lに換算し、H,Wをlの間の測定値の平均値又は目標値として、直接に(1)式で鋼板重量を算出してもよい。鋼板密度ρは、鋼板材料種別に予め設定され、計算機17にて保持された値を使用する。
【0015】
図2および図3に、計算機17の演算,判定&トラッキング機能18が実行する切断点の設定処理の内容を示す。圧延機12から出た鋼板11の先端が測長ロ−ル14に達するとセンサ13(板厚計13hおよび板幅計13w)が、鋼板ありを検出し、測長ロ−ル14に結合されたパルス発生器PLGが電気パルスを発生し始める。計算機17の機能18は、この鋼板ありの検出および電気パルスの到来に応答して、到来する電気パルスのカウントを開始し、センサ13による板厚および板幅の計測を開始する(ステップ1〜3)。
【0016】
次に計算機17は、コイルNo.iに1を与えて(ステップ4)、すなわち第1番コイルと指標を定めて、健全部切断目標値Ltを設定し(ステップ5)、不良部検出/非検出を示すデ−タを格納するためのレジスタFABをクリアしてそのデ−タを0(健全部)とし(ステップ6)、健全部重量レジスタおよび鋼板重量レジスタをクリアする(ステップ7,8)。そして長さ計測iを開始し、鋼板重量の積算計算を開始する(ステップ9)。
【0017】
次に計算機17は、鋼板11の尾端が測長ロ−ル14を通過した(検出板厚&板幅が、尾端判定値未満となった)かをチェックして(ステップ10)、そうでないと、検出板厚が、健全部の値であるか(健全部とする設定範囲内か)をチェックする(ステップ11,12)。健全部の値であると、健全部重量積算を行なう(ステップ13)。そして健全部積算重量が、切断目標値Lt以上になったかをチェックして(ステップ14)、そうであると、切断長LCに、そのときの長さ計測iの計測値(先行切断点から測長ロ−ル14までの距離)にDc(測長ロ−ル14/切断機15間距離)を加えた値を設定し、該切断長LCでの切断を設定する(ステップ15)。なお、この設定により計算機17は、それから切断長LC分鋼板が移動した時に、切断機15に切断指示を与える。
【0018】
そして計算機17は、コイルNo.iを1インクレメントして(ステップ16)、すなわちコイル番号iを次の番号値に更新して、次の相断目標値Ltを設定し(ステップ5)、次の計測を開始する(ステップ6〜9)。
【0019】
以上の、ステップ5〜16−5の繰返しにより、健全部が連続している間、鋼板11は、切断目標値Ltで切断される。
【0020】
途中で、不良部(の先端)を検出すると、計算機17は、ステップ11から17を経て、ステップ18で、不良部を検出したことを示す1をレジスタFABに書込む。ここでの鋼板重量(不良部先端までの健全部の量)が、予定切断重量Lbに達しているかをチェックして(ステップ19)、達していたときには、切断長LCに、そのときの長さ計測iの計測値(先行切断点から測長ロ−ル14までの距離)にDc(測長ロ−ル14/切断機15間距離)を加えた値を設定し、該切断長LCでの切断を設定する(ステップ15)。これにより、所定切断重量Lbを満す健全部が切断され、この切断後の鋼板の先端は、不良部である。
【0021】
所定切断重量Lb未満であったときは、ステップ20で健全部重量レジスタをクリアしステップ10,11に進んで、そこ(不良部先端)を切断点に定めず、不良部後端を切断点に定める(ステップ11−12−21−22−15)。この場合も、該不良部後端までの鋼板重量(健全部+不良部)が切断判定基準値Laに達しないときには、達するのを待って、達した点を切断点に定める(ステップ22−10−11−12−21−22)。
【0022】
なお、不良部が続いている間は、ステップ11−12−21−22とめぐり、健全部になるのを待つ。そして健全部になると、ステップ11−12−21−22と進んで、鋼板重量が切断判定基準値La以上のときに、そこを切断点に定める(22−15)。
【0023】
センサ13が鋼板11の尾端を検出すると、計算機17は、これをステップ10で認知して、「板エンド処理」23を行なう。ここでは、自動搬出ではトラブルが発生するため、アラ−ム警報を出力し、オペレ−タによる搬出へと切替える。
【0024】
以上を要約すると、計算機17は、不良部先端が測長ロ−ル14に到達したときに、鋼板重量が切断判定基準値Lb以上かを判定する(ステップ18)。切断判定基準値Lbは、ユーザ毎の要求や後工程での処理の容易さ等を考慮して、生産スケジューリング時に決定され、鋼板毎に予め設定され、計算機17に保持している。ステップ19を満足する場合、不良部を混入させないように、ステップ15で不良部先端にて切断する。また、ステップ19を満足しない場合は、不良部先端にて切断しない(ステップ19−20−10)。
【0025】
不良部から健全部へ変化した境界点すなわち不良部後端を検出すると、ステップ22で巻取機16で巻き取られている鋼板重量が切断判定基準値La以上かを、判定する。切断判定基準値Laは、巻取機16やその後工程の搬送設備にてトラブルが生じない値であり、予め設定され、計算機17に保持している。鋼板重量が切断判定基準値La未満で切断すると、トラブルが生じるため、その場合は切断しない(ステップ22−10)。切断判定基準値La以上である場合に、不良部を取り除くため、不良部後端にて切断する(ステップ22−15)。
【0026】
なお、本実施例では、重量を切断判定基準とする例としたが、長さを切断判定基準としても同様に実現できる。また、鋼板11は連続鋳造設備におけるスラブに置き換えても適用できる。この場合は、巻取機16の代わりに搬送設備となる。また、プロセス12を圧延機としたが、これに限るものではなく、鋼板に処理を加える設備ならば、如何なるプロセスでもよい(例えば、表面処理設備,焼鈍設備、冷却設備など)。また、健全部,不良部を識別するためのセンサを板厚計13hとしたが、これに限るものではなく、鋼板の品質不良部を検出するためのものであれば、如何なる検出器でもよい(例えば、板幅計13w,形状計,温度計,疵検出器など)。
【0027】
切断判定基準値は、例えば、熱延設備では、La=3ton、Lb=18tonにて実施した。切断判定基準Laは、巻取機の設備仕様、板幅等によって異なるが、La=3ton〜5tonとなる。また、切断判定基準値Lbは、成品鋼板毎に異なり、例えば、鋼板重量目標値の−10%であり、鋼板重量目標値が20tonであると、18tonとなる。一方、連続鋳造設備では、La=2m,Lb=13.5mにて実施した。切断判定基準Laは、搬送設備の搬送ロール間隔等によって異なるが、La=2m〜5mとなる。また、切断判定基準値Lbは、成品鋼板毎に異なり、例えば、鋼板長目標値の−10%であり、鋼板長目標値が15mであると、13.5mとなる。
【0028】
【発明の効果】
本発明では、たとえ不良部が発生しても、巻取トラブル、あるいは、搬送トラブルを未然に防ぐことができた。また、できる限り不良部を混入させないことができるので後工程を含め生産性および歩留りが向上した。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例の構成概要を示すブロック図である。
【図2】 図1に示す計算機17の切断点設定処理の内容の一部を示すフローチャートである。
【図3】 図1に示す計算機17の切断点設定処理の内容の残部を示すフローチャートである。
【符号の説明】
11:鋼板 12:圧延機
13:センサ 14:測長ロール
15:切断機 16:巻取機
17:計算機 18:演算,判定&トラッキング機能
Claims (4)
- 製造ラインを走行する鋼板の不良部を検出する手段,先行切断点から鋼板の走行量を計測する手段,先行切断点から不良部後端までの走行量が設定値La以上のとき該不良部後端を切断点に定め、設定値La未満のときは先行切断点からの走行量が設定値La以上となる位置を切断点に定める切断点設定手段、を備える鋼板切断制御装置。
- 製造ラインを走行する鋼板の不良部を検出する手段,先行切断点からの鋼板の走行量を計測する手段、および、不良部先端において健全部の走行量が第1設定値Lb以上のとき該不良部先端を切断点に定め、第1設定値Lb未満のときは、走行量が第2設定値La以上のとき不良部後端を切断点に定め、第2設定値La未満のときは走行量が第2設定値La以上となる位置を切断点に定める切断点設定手段、を備える鋼板切断制御装置。
- 切断点設定手段は、健全部の走行量が目標値になる位置を切断点に定める、請求項1又は請求項2記載の鋼板切断制御装置。
- 切断点設定手段が切断点を設定する度に、計測手段がそこからの走行量の計測を開始する、請求項3記載の鋼板切断制御装置。
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