JP2003245707A - 厚板の圧延方法 - Google Patents

厚板の圧延方法

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JP2003245707A JP2002048355A JP2002048355A JP2003245707A JP 2003245707 A JP2003245707 A JP 2003245707A JP 2002048355 A JP2002048355 A JP 2002048355A JP 2002048355 A JP2002048355 A JP 2002048355A JP 2003245707 A JP2003245707 A JP 2003245707A
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Abstract

(57)【要約】 【課 題】 板厚不足による不合格を減少できる厚板の
圧延方法を提案する。 【解決手段】 厚板仕上圧延機近傍の前面および/また
は後面に、板厚、平均圧延長さ、クロップ長、および板
曲がり量を測定できる検出器を設置し、長さ方向に複数
枚の製品板を圧延板の全幅に亘り切断して採取する板組
である場合には、最終パスの1パスまたは数パス前の圧
延後に前記検出器により測定された圧延板の寸法形状か
ら、所望寸法の製品板が採取可能かどうかを検討すると
ともに、製品板切断に要する切断代を予測して、該切断
代が確保できるように、予め設定した目標板厚を許容範
囲内で変更して、その後の圧延を行う。なお、平均圧延
長さ、クロップ長、および板曲がり量を測定できる検出
器を、CCDカメラを搭載した幅長計とすることが好ま
しい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、厚板の圧延方法に
係り、とくに、板厚不足、板長さ不足の発生を抑制でき
る厚板の仕上げ圧延方法に関する。
【0002】
【従来の技術】厚板圧延においては、従来から、圧延開
始前にプロセスコンピュータ(P/C)で決定した圧延
パススケジュールに従って、自動圧延を行ってきたが、
圧延材の温度分布、ゲージメータ板厚精度等の各種外乱
要因により、所望の寸法形状の圧延板とならず、格落ち
となるケースが多かった。従来でも、圧延中の板厚、板
長さといった圧延材の寸法についての情報は、各種セン
サーから入手可能であったが、入手できる情報の精度が
必ずしも十分でなく、圧延板の板厚、板長さの制御が十
分にできていないという問題があった。
【0003】このような問題に対し、例えば、特開昭63
-130203 号公報には、厚板仕上圧延機近傍の前後面ある
いはそのいずれか一方に、圧延中の厚板の平均圧延板長
さ、板厚、板クラウンを実測するための検出器を設置
し、最終パスの1または数パス前の圧延後の前記各検出
器による各実測値にもとづき、あらかじめ設定したパス
スケジュールにおける最終パスの目標板厚を許容公差内
の範囲で変更して、 最終パスの圧延を行う厚板圧延方法
が提案されている。特開昭63-130203 号公報に記載され
た技術では、最終パス前の圧延中の厚板の寸法、形状を
測定して、目標板厚を変更して圧延し、 板長さ不合格
率、板厚不合格率を減少できるとしている。
【0004】
【発明の解決しようとする課題】しかしながら、厚板圧
延においても、スラブの温度分布等の外乱要因により、
圧延中に板曲がりを生じることが比較的多い。特開昭63
-130203 号公報に記載された技術では圧延中に圧延板の
板曲がり量を精度良く測定しておらず、板曲がりが生じ
た場合に、所定寸法の製品板の採取ができずに不合格と
なり格落ちとなる場合があり、歩留りが低下するという
問題があった。とくに、図2に示すような、長さ方向に
複数枚の製品板を圧延板の全幅に亘り切断して採取する
場合(いわゆる、「腹割り」する場合)には、圧延板の
板曲がり量によっては、切断代(いわゆる「腹割り」
代)が大きくなり、予め設定された板組通りに製品板を
切断し、採取できず、不合格となる場合があった。
【0005】本発明は、上記した従来技術の問題を有利
に解決し、厚板の長さ不足、板厚不足による不合格を減
少できる厚板の圧延方法を提案することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記した
課題を達成するために、厚板の長さ不足、板厚不足によ
る不合格をさらに減少する方策について鋭意研究した。
その結果、最終パスの前に、圧延板形状を正確に、しか
も定量的に把握し、その後の目標板厚の調整に反映する
ことが肝要であることを想到した。そして、そのために
は、板厚、平均圧延板長さ、クロップ長さ等の従来から
実測されている項目に加え、板曲がり量を定量的にしか
も精度良く実測する必要があることに思い至った。ま
た、板曲がり量を定量的にしかも精度良く実測できる手
段として、CCDカメラを搭載した幅長計が好ましく、
厚板仕上圧延機近傍の前面および/または後面に設置し
て、圧延途中の圧延材の寸法形状を実測し、得られた実
測値から最終圧延パスの目標板厚を調整することを思い
付いた。
【0007】本発明は、上記した考えに基づいて、さら
に検討を加えて完成されたものである。すなわち、本発
明の要旨は、以下に示すとおりである。 (1)厚板仕上圧延機近傍の前面および/または後面
に、板厚、平均圧延長さ、クロップ長、および板曲がり
量を測定できる検出器を設置し、最終パスの1パスまた
は数パス前の圧延後に前記検出器により測定された圧延
板の寸法形状から、所望の形状寸法の製品板が採取可能
で、かつ適正歩留まりとなるように、予め設定した目標
板厚を許容範囲内で変更して、その後の圧延を行うこと
を特徴とする厚板の圧延方法。 (2)厚板仕上圧延機近傍の前面および/または後面
に、板厚、平均圧延長さ、クロップ長、および板曲がり
量を測定できる検出器を設置し、予め設定した板組が、
長さ方向に複数枚の製品板を圧延板の全幅に亘り切断し
て採取する板組である、すなわち腹割りする、場合に
は、最終パスの1パスまたは数パス前の圧延後に前記検
出器により測定された圧延板の寸法形状から、所望寸法
の製品板が採取可能かどうかを検討するとともに、実測
した板曲がり量に応じて製品板切断に要する切断代を予
測して、該切断代が確保できるように、予め設定した目
標板厚を許容範囲内で変更して、その後の圧延を行うこ
とを特徴とする厚板の圧延方法。 (3)(1)または(2)において、前記平均圧延長
さ、クロップ長、および板曲がり量を測定できる検出器
が、CCDカメラを搭載した幅長計であることを特徴と
する厚板の圧延方法。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明では、厚板仕上圧延機近傍
の前面および/または後面に、板厚、平均圧延長さ、ク
ロップ長、および板曲がり量を測定できる検出器を設置
する。板厚を測定できる検出器としては、3ヘッド型γ
線厚み計が好ましい。この3ヘッド型γ線厚み計を用い
て、板幅方向両エッジ部、センター部の板厚を実測し、
P/Cの下位のコンピュータで圧延板全体の平均板厚を
計算することができる。
【0009】また、平均圧延長さ、クロップ長、および
板曲がり量を測定できる検出器としては、CCDカメラ
を搭載した幅長計とすることが好ましい。CCDカメラ
を搭載した幅長計は、多数のCCDカメラを圧延ライン
の幅方向に配列した構成とすることが好ましく、幅長計
上を通過する圧延板の幅をmmオーダーの精度で瞬時に測
定することが可能な幅長計とすることが好ましい。この
ようにして測定された圧延板の幅を、 コンピュータ等で
圧延板の長さ方向に合成し、図示することにより、圧延
板の平面形状を容易に視覚化、定量化することができ
る。これにより、クロップ長、圧延板長さ、板曲がり量
等の圧延板の寸法形状を容易に把握できる。
【0010】本発明では、このような検出器を利用し
て、最終パスの1パスまたは数パス前の圧延後に、板
厚、平均圧延長さ、クロップ長、および板曲がり量を実
測し、そのときの圧延板の寸法形状を把握する。そし
て、同時に、P/Cから圧延板(大板)の製品板の板取
りの情報を出力させ、圧延板(大板)の全幅に亘り切断
し、長さ方向に複数枚の製品板を採取する、いわゆる、
「腹割り」の有無を判断する。
【0011】「腹割り」を行わない場合は、実測値から
計算した平均クロップ長と、基準歩留り式で決定してい
る基準クロップ長とを比較し、さらに、板曲がり量を考
慮して、計算により、所望の形状寸法の製品板が採取可
能でかつ最適歩留りとなるように、その後の圧延におけ
る目標板厚を許容範囲内で変更して、圧延する。これに
より、板長さ不足の発生が防止でき、さらに歩留りが向
上する。
【0012】一方、「腹割り」を行う場合には、板曲が
り量を含め把握した圧延板の寸法形状から、計算によ
り、「腹割り」後の各製品板の板曲がり量を予測して所
望寸法の製品板が採取可能かどうかを判断する。可能な
場合には、さらに計算により、所望寸法の製品板の切断
に要する切断代(「腹割り」代、図2参照)を予測し
て、該切断代が確保できるように、予め設定した目標板
厚を許容範囲内で変更して、 その後の圧延を行う。所望
寸法の製品板の採取が不可能な場合は、格落ち、用途変
更となる。
【0013】なお、「計算により」とは、P/Cあるい
は下位のコンピュータ内で予め設定されたプログラムに
したがって行うことは言うまでもない。すなわち、例え
ば、最終パスの1パスまたは数パス前の圧延後の圧延板
が板厚が不足し圧延長さに余裕がある場合には、予め設
定した目標板厚より厚い目標板厚に修正する。一方、最
終パスの1パスまたは数パス前の圧延後の圧延板の板厚
が厚く、圧延板長さに余裕がなく、長さ不足の危険性が
高い場合には、許容範囲内で可能な限り薄く目標板厚を
設定することが好ましい。これにより、板長さ不足の発
生が防止でき、歩留りが向上する。
【0014】このような本発明方法の手順をまとめて、
図1に示す。なお、この手順における計算、判断はいず
れもP/Cあるいは下位のコンピュータ内で処理するの
はいうまでもない。
【0015】
【実施例】板厚を測定できる検出器として3ヘッド型γ
線厚み計、および平均圧延長さ、クロップ長、および板
曲がり量を測定できる検出器としてCCDカメラを搭載
した幅長計を、それぞれ圧延機近傍の後面に設置した厚
板仕上圧延機により、連鋳製スラブに仕上圧延を施し、
各種板組の大板とした。本発明例では、仕上圧延に際
し、最終パスの1または2パス前に、板厚、平均圧延長
さ、クロップ長、および板曲がり量を実測して、圧延板
(大板)の寸法形状を把握した。
【0016】ついで、P/Cから入力した大板の板組み
情報から、「腹割り」の有無を判断した。「腹割り」が
必要な場合(図3)には、大板の寸法形状実測値に基づ
き、「腹割り」後の板曲がり量を予測し、所望の形状寸
法の製品板が採取可能かどうか検討した(図3
(a))。採取可能な場合には、「腹割り」代を予測し
て、製品板が採取できるように(図3(b))、その後
の目標板厚を許容範囲内で変更して圧延した。一方、
「腹割り」が不要の場合(図4)には、板曲がり量を考
慮して製品板が採取でき、かつ最適な歩留りとなるよう
に、その後の目標板厚を許容範囲内で変更して圧延し
た。
【0017】得られた製品板の寸法(板厚、板長さ)を
測定し、合格、 不合格を判定した。その結果、本発明の
方法を適用した場合には、長さ不足の発生率は、0.2 %
(対象厚板製品重量(15万ton 中、300ton))と低減し
た。なお、比較例として、板曲がり量を実測しない従来
の方法(特開昭63-130203 号公報に記載の方法)では、
長さ不足の発生率は0.3 %(対象厚板製品重量(16万to
n 中、480ton))であった。
【0018】
【発明の効果】本発明によれば、厚板製品の板厚不足、
板長さ不足の発生を抑制することができ、厚板製品の歩
留り向上に有効に寄与し、産業上格段の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の手順を示す説明図である。
【図2】板曲がりのある場合の腹割り代を説明する模式
図である。
【図3】腹割りが必要な場合の、本発明方法における製
品採取方法を説明する模式図である。
【図4】腹割りが不要な場合の、本発明方法における製
品採取方法を説明する模式図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 厚板仕上圧延機近傍の前面および/また
    は後面に、板厚、平均圧延長さ、クロップ長、および板
    曲がり量を測定できる検出器を設置し、最終パスの1パ
    スまたは数パス前の圧延後に前記検出器により測定され
    た圧延板の寸法形状から、所望の形状寸法の製品板が採
    取可能で、かつ適正歩留まりとなるように、予め設定し
    た目標板厚を許容範囲内で変更して、その後の圧延を行
    うことを特徴とする厚板の圧延方法。
  2. 【請求項2】 厚板仕上圧延機近傍の前面および/また
    は後面に、板厚、平均圧延長さ、クロップ長、および板
    曲がり量を測定できる検出器を設置し、予め設定した板
    組が長さ方向に複数枚の製品板を採取する板組である場
    合には、最終パスの1パスまたは数パス前の圧延後に前
    記検出器により測定された圧延板の寸法形状から、所望
    寸法の製品板が採取可能かどうかを検討するとともに、
    実測した板曲がり量に応じて製品板切断に要する切断代
    を予測して、該切断代が確保できるように、予め設定し
    た目標板厚を許容範囲内で変更して、その後の圧延を行
    うことを特徴とする厚板の圧延方法。
  3. 【請求項3】 前記平均圧延長さ、クロップ長、および
    板曲がり量を測定できる検出器が、CCDカメラを搭載
    した幅長計であることを特徴とする請求項1または2に
    記載の厚板の圧延方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010110789A (ja) * 2008-11-06 2010-05-20 Nippon Steel Corp 鋼板採取可否判断方法
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KR20210075639A (ko) * 2019-12-13 2021-06-23 주식회사 포스코 강판의 두께 제어 장치

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