JP4060616B2 - エンジンのegr装置 - Google Patents

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  • Exhaust-Gas Circulating Devices (AREA)
  • Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンのEGR装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
今日、エンジンから排出される排気中に含まれる窒素酸化物(NOX )を低減するため、排気の一部をエンジンの吸気側へ還流させるEGR装置が知られている(例えば特開2000−8972号公報)。
図6によりエンジンのEGR装置の一例を説明する。
【0003】
図において、エンジン21の吸気系22と排気系23とはEGR管24を介して連結されている。EGR管24に、該EGR管24を開閉するEGR弁25が介装される。
そして、EGR弁25はコントローラ26によってエンジン負荷状態等に応じて開弁することにより、排気の一部をエンジン21の吸気系22に還流し、もって、窒素酸化物の発生量を低減させる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来のエンジンのEGR装置にあっては、次の問題があった。
上述のように、EGR弁25はコントローラ26により開閉制御されるが、EGR弁25が開いている時、EGR管24は出口端側を開口した開回路となり、EGR管24から騒音(放射音)が発生しないことが確認されている。
【0005】
一方、EGR弁25が閉じている時、EGR管24内に出口端側をEGR弁25で閉じた閉回路が形成され、EGR管24から騒音(放射音)が発生することが確認されている。
特に、図6に示すように、排気系3には排気管23Aの途中に排気シャッタ27が配置されており、排気ブレーキの作動時に排気シャッタ27が駆動されている。この場合、排気シャッタ27により排気管23Aが閉塞されると、EGR管24内の排気ガスの圧力が増大し、EGR管24から発生する騒音(放射音)は顕著になる。
【0006】
本発明は、上述の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、EGR管から発生する騒音を低減することができるエンジンのEGR装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、吸気マニホールドと、前記吸気マニホールドに連続するとともにエアークリーナを途中に介装した吸気管とを有するエンジンの吸気系と、排気マニホールドと、前記排気マニホールドに連続するとともに排気シャッタおよび消音器を途中に介装した排気管とを有するエンジンの排気系とを連結するEGR管と、前記EGR管に装着され該EGR管を開閉するEGR弁とを備え、前記排気シャッタは排気ブレーキ時に前記排気管を閉塞するとともに、前記EGR管内の排気ガスの圧力を増大するエンジンのEGR装置において、前記EGR管に、前記排気系から前記吸気系に向かってEGRクーラ、チャンバー、蛇腹部および前記EGR弁を順に配列して成り、前記チャンバーは、前記排気シャッタが排気ブレーキ時に前記排気管を閉塞するとともに、前記EGR管内の排気ガスの圧力を増大する際に前記EGR管から発生する騒音 ( 放射音)を低減することを特徴とする。
【0008】
(作用)
請求項1記載の発明においては、EGR弁は開閉制御される。
EGR弁が閉じている時、EGR管に閉回路が形成される。この時、チャンバーにより、EGR管から発生する騒音(放射音)が低減されることが確認されている。
【0009】
加えて、蛇腹部はチャンバーより吸気側に位置しているので、騒音(放射音)の低減が顕著であることが確認されている。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面により本発明の実施の形態について説明する。
【0011】
図1ないし図5により、本発明のエンジンのEGR装置の一実施の形態を、エンジンとしてディーゼルエンジンに適用して説明する。
図1ないし図3において、ディーゼルエンジン1はエンジン本体1Aを有している。
エンジン本体1Aの一側に吸気系2が配置されている。吸気系2は吸気マニホールド2Aと、吸気マニホールド2Aに連続する吸気管2Bと、吸気管2Bの途中に介装されたエアークリーナ2Cとを有している。
【0012】
エンジン本体1Aの一側に排気系3が配置されている。排気系3は、排気マニホールド3Aと、排気マニホールド3Aに連続する排気管3Bと、排気管3Bの途中に介装された消音器3Cとで構成されている。
吸気系2と排気系3とは、EGR管4を介して連結されている。
EGR管4は、EGRクーラ5と、EGRクーラ5に連続するパイプ部6とを有している。パイプ部6は、折曲部6A,6B,6C,6Dが形成された3次元の折曲形状をしている。パイプ部6の途中に、チャンバー7と蛇腹部8とが折曲部6B,6Cの間に位置して設けられている。蛇腹部8はチャンバー7より吸気側に位置している。また、パイプ部6にはブラケット6E,6Fが取り付けられ、ブラケット6E,6Fは図示しないエンジン1の支持部に支持されている。
【0013】
チャンバー7は、円筒形状で、所定の体積以上の体積を必要とし、細長い円筒形状や扁平な円筒形状がある。また、2個以上のチャンバー7を直列に連続または離して設けても良い。
蛇腹部8は、排気系3と吸気系2の組付け誤差を吸収するためのものである。
EGR管4の途中にEGR弁9が装着されている。EGR弁9はパイプ部6の蛇腹部8より吸気側寄りに位置している。
【0014】
そして、EGR弁9に第1配管10の一端が接続され、第1配管10の途中に電磁バルブ10Aが介装されている。
EGR弁9に第2配管11の一端が接続され、第2配管11の途中に電磁バルブ11Aが介装されている。
第1配管10の他端と第2配管11の他端は、第3配管12の一端に接続され、第3配管12の他端はエアータンク13に接続されている。
【0015】
第3配管12の途中部分に第4配管14の一端が接続され、第4配管14の他端は前記排気管3Bに連結されている。この連結部に排気シャッタ15が設けられている。第4配管14の途中に排気ブレーキ用電磁バルブ14Aが介装されている。
前記電磁バルブ10A,11AC,排気ブレーキ用電磁バルブ14Aはコントローラ16の出力側に接続され、コントローラ16の入力側にエンジン回転数センサ(図示せず),燃料噴射ポンプ(図示せず)に装着されたラックセンサ(図示せず)からの信号等が入力されるようになっている。
【0016】
そして、EGR弁9はコントローラ16によってエンジン1の負荷,回転数等に応じて開弁することにより、排気の一部をエンジン1の吸気系2に還流し、もって、窒素酸化物の発生量を低減させる。
しかして、本実施の形態においては、EGR弁9はコントローラ16により開閉制御される。EGR弁9の開閉制御でEGR管4の流路が開閉される。
【0017】
EGR管4が開いている時、開回路が形成される。開回路の場合、EGR管4から放射音は発生しない。
EGR弁9が閉じている時、排気は排気系3から吸気系2へ環流せず、EGR管4に、出口端側をEGR弁9で閉じた閉回路が形成される。この時、チャンバー7により、EGR管4の表面から発生する騒音(放射音)が低減されることが確認された(図4,図5)。
【0018】
図4においては、チャンバー容積V(C)/基準容積V(E)に対する騒音の低減効果がテストの結果として示されている。チャンバー容積V(C)が大きくなるにつれて騒音の低減効果が大きくなる。
ここで、
基準容積V(E)=EGR管(パイプ部)の断面積S(E)×チャンバーの長さL
チャンバー容積V(C)=チャンバーの断面積S(C)×チャンバーの長さLで与えられる。
【0019】
図5において、騒音の周波数(kHZ)に対する騒音レベルの低減効果がテストの結果として示されている。6kHZ付近の周波数にて騒音の低減効果が大きくなっている。
なお、図4,図5において、「dB A」における「A」は、騒音計の周波数補正特性”A”を使用して騒音を測定することを意味する。
【0020】
以下、チャンバー7の作用について説明する。
EGR管4の出口端側(パイプ部6の端部6G)をEGR弁9で閉じた時、出口端側をEGR弁9で閉じた閉回路が形成される。排気は、閉回路であるEGR管4から吐出されることはない。従って、EGR管4から吐出音が発生する余地はなく、EGR管4の表面からEGR管4の振動により放射音が放射される。
【0021】
EGR管4に閉回路が形成されると、EGR管4内にエンジン1から排出される排気の脈動により気柱振動が生成される。気柱振動で排気の回りの構造であるEGR管4は振動する。外力としての気柱振動の振動数がEGR管4の固有振動数に一致する(共振)と、EGR管4の表面から特定周波数の騒音(放射音)が発生する。
【0022】
チャンバー7により、チャンバー7が無い場合に比して、排気の流れ方が変化してEGR管4内に排気圧力変化,流速変化,流量変化が生じ、排気の回りの構造であるEGR管4への圧力分布が変化する。これにより、騒音(放射音)は低減されるが、前記共振現象がくずれることが要因の1つとして挙げられる。
放射音の一般的な低減対策として、EGR管4(パイプ部6)自体の制振,2重管構造等を採用すること等により、EGR管4自体の振動を低減し、その結果、放射音を低減することが考えられるが、本実施の形態では吐出騒音低減対策として通常採用される消音器の拡張室を、放射音低減対策として用いていることが特徴である。
【0023】
なお、消音器3Cの拡張室は、一端が音源で末端を開口した開回路である排気管の途中に装着され、排気管の末端開口から吐き出される排気の吐出音の低減のために使用するもので、拡張室内の入射波と反射波の相互作用によって、特定の周波数成分を低減するものである。
また、チャンバー7により、EGR管4(パイプ部6)自体の剛性も高くなるので、制振作用により放射音が低くなる。
【0024】
さらに、従来、排気の温度が高い時EGR管4から騒音が大きく、排気の温度が低い時EGR管4から騒音が小さい傾向があるが、この騒音はチャンバー7により低減される。
以上の如き構成によれば、次の効果を奏する。
第1に、チャンバー7により、EGR弁9が閉じている時、EGR管4から発生する騒音(放射音)を低減することができる。
【0025】
特に、排気系3には、排気ブレーキの作動時に駆動される排気シャッタ15により、排気管3Aが閉塞され、EGR管4内の排気ガスの圧力が増大し、EGR管4から発生する騒音(放射音)は顕著になるが、この状況で大きな消音効果がある。
また、EGR管4は蛇腹部8の形成で振動が顕著になり、放射音を発生させ易くしているが、EGR管4はチャンバー7を有しているので、剛性が高くなり、制振作用を大きくできる。従って、蛇腹部8の形成に起因するEGR管4の振動を少なくし、消音効果がある。
【0026】
第2に、蛇腹部8はチャンバー7より吸気側に位置しているので、騒音(放射音)の低減を顕著にすることができる。
なお、本実施の形態においては、EGR管4の途中にEGR弁9が装着されている例について説明したが、EGR管4と吸気系2の連結部にEGR弁9を装着することもでき、EGR管4と排気系2の連結部にEGR弁9を装着することもできる。
【0027】
また、本実施の形態においては、EGR管4に蛇腹部8を形成した例について説明したが、蛇腹部8が無くても適用することができる。
さらに、本実施の形態においては、エンジンとしてディーゼルエンジンに適用した例を挙げて説明したが、ガソリンエンジンに適用することができる。
【0028】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、チャンバーにより、EGR弁が閉じている時、EGR管から発生する騒音(放射音)を低減することができる。
【0029】
加えて、蛇腹部はチャンバーより吸気側に位置しているので、騒音(放射音)の低減を顕著にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態のエンジンのEGR装置を示す配管構成図である。
【図2】図1のEGR管及び排気マニホールドを示す斜視図である。
【図3】図1のEGR管のパイプ部を示す一部断面正面図である。
【図4】チャンバーの容積と騒音の低減効果との関連を示す説明図である。
【図5】チャンバーによる消音効果の説明図である。
【図6】従来のエンジンのEGR装置を示す配管構成図である。
【符号の説明】
1 ディーゼルエンジン(エンジン)
2 吸気系
3 排気系
4 EGR管
6 パイプ部
7 チャンバー
8 蛇腹部
9 EGR弁

Claims (1)

  1. 吸気マニホールドと、前記吸気マニホールドに連続するとともにエアークリーナを途中に介装した吸気管とを有するエンジンの吸気系と、排気マニホールドと、前記排気マニホールドに連続するとともに排気シャッタおよび消音器を途中に介装した排気管とを有するエンジンの排気系とを連結するEGR管と、
    前記EGR管に装着され該EGR管を開閉するEGR弁とを備え
    前記排気シャッタは排気ブレーキ時に前記排気管を閉塞するとともに、前記EGR管内の排気ガスの圧力を増大するエンジンのEGR装置において、
    前記EGR管に、前記排気系から前記吸気系に向かってEGRクーラ、チャンバー、蛇腹部および前記EGR弁を順に配列して成り、
    前記チャンバーは、前記排気シャッタが排気ブレーキ時に前記排気管を閉塞するとともに、前記EGR管内の排気ガスの圧力を増大する際に前記EGR管から発生する騒音 ( 放射音)を低減する
    ことを特徴とするエンジンのEGR装置。
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