JP4060377B2 - 鼻用アプリケータおよびこれを用いたディスペンサー装置 - Google Patents

鼻用アプリケータおよびこれを用いたディスペンサー装置 Download PDF

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Description

本発明は、鼻用アプリケータ(applicator)および、この鼻用アプリケータを含み、液状または粉状の物質を鼻内部に散布するのに用いられるディスペンサー装置に関する。更に言えば、本発明は、物質を使用者の鼻孔内部に散布する際の方向を定めるのに適した型のアプリケータに関する。
鼻用ディスペンサー装置は様々な用途に広く使用されている。こうした装置はいずれも、物質散布口と一体のヘッドを含み、このヘッドは少なくとも一部分が、物質の散布のために利用者の鼻孔内に挿入できるように設計されている。そして利用者が装置を作動させると、物質が所定の量だけ鼻孔内に噴出させられる。
いくつかの用途、特に薬剤を扱う分野においては、鼻用ディスペンサー装置によって散布される物質は、高価であったり、厳密な計量が必要であったり、あるいはその両方であったりする。そのため、装置の一度の作動で鼻孔内に散布される分量の物質から最大限の効果を得ることが重要となる。
従来、ほとんどの鼻用ディスペンサー装置は、所定分量の物質を鼻中隔に対してほぼ平行に近い方向で、鼻孔の上鼻甲介に向けて噴出するようになっている。
しかしながら、いくつかの物質、特に薬剤に属するものについては、物質の吸収に最も効果的な部位が鼻孔の下鼻甲介に位置している。
こうした問題を解決する試みとして、市販されているディスペンサーの中には、傾斜のついたプッシャー(またはディスペンサーヘッド)を備えるものがある。しかし、残念ながら、そうしたタイプの傾きプッシャーは構造が複雑で製造コストが高くなり、特に成型作業においてそれが顕著である。また、こうしたプッシャーの効果も確実ではない。さらに、傾きプッシャー(または曲がりプッシャー)を用いると、噴出流路をかなり長くする必要が出てきて、内部ノズルを使用することができない。しかし、内部ノズルには利点が多い。とりわけ、(外部ノズルと違って)プッシャーから分離してしまうおそれが無いこと、さらに、使われずにプッシャー内部に残ってしまう量を最小限に抑える効果があることである。
フランス特許2 739 294号の書類には、こうした傾きヘッドが開示されている。同文書には更に、アプリケータのうち鼻の孔に入る部分の長さを所定値に限定するように設計され、それによってアプリケータと鼻孔の粘膜とが激しく接触することを防止する安全アプリケータの使用例が開示されている。
本発明の目的は、上述の問題が発生することのないアプリケータおよび鼻用ディスペンサー装置を提供することである。
さらに言えば、本発明は、前記装置を作動させた場合に、鼻の孔の中で散布物質を最もよく吸収する部位に物質を散布することができる鼻用アプリケータを提供することを目的とする。
また、本発明は、傾きプッシャーまたは曲がりプッシャーの問題点を解消した鼻用ディスペンサー装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、上記のタイプの鼻用ディスペンサー装置であって、しかも構造が簡単で製造および組立てコストが低くてすむ鼻用ディスペンサー装置を提供することを目的とする。この目的については、鼻用ディスペンサー装置が非常に少ない量の物質しか噴出しないように設計されるタイプの特定の用途を対象とする。
そして、本発明は、簡単でどのような利用者でも安心して使える鼻用ディスペンサー装置を提供することを目的とする。
このように、本発明が提供するのは、鼻に液状または粉状の物質を散布するための鼻用ディスペンサー装置のヘッドと組み合わせて用いるのに適した鼻用アプリケータであって、前記ヘッドは前記装置が作動させられた際に少なくとも一部が鼻孔内に挿入されるよう設計されており、前記鼻用アプリケータについては、前記アプリケータがヘッドの先端部と協同して作用することを特徴とし、前記アプリケータは物質が散布される方向にほぼ横断する方向に延びる当接部材(bearing piece)を備え、前記当接部材は鼻孔下で使用者の上唇に押し当てられるのに適していて前記ヘッドが鼻孔に挿入される際の挿入角度を決める、というものである。
なお、本発明の効果的な実施例においては、前記アプリケータはヘッドの先端部の外周に嵌め込むことのできるリングを有し、前記当接部材は前記リングに取着されている。
また、前記アプリケータはヘッドの前記端部の外周に嵌め込まれるように設計された中空の円筒部を有し、前記当接部材は前記円筒部の一端に取着されている、とすれば効果的である。
また、好適な形態として、前記円筒部の長さがヘッドの鼻孔に進入する深さを決定するように、すなわち、前記当接部材が鼻孔下で受け台として働いて前記ヘッドがそれ以上深く進入しないようにしてもよい。
また、本発明の第1の変形例においては、前記アプリケータ上の前記当接部材がほぼ矩形の薄いプレートの形であり、そのエッジ部の輪郭は使用者の上唇に押し当てるのに適したものとなっている。
また、第2の変形実施例においては、前記アプリケータ上の前記当接部材がほぼ円板状の形で設けられており、そのエッジ部の輪郭は使用者の上唇に押し当てるのに適したものであり、また、その反対側のエッジ部の輪郭は使用者の鼻に押し当てるのに適したものとなっている。
本発明はまた、鼻の内部に液状または粉状の物質を散布する鼻用ディスペンサー装置を提供するものであり、前記装置は、散布口を備えたヘッドが搭載されたディスペンサー部材を有し、前記ヘッドの先端部は装置が作動させられる際に少なくとも一部が鼻孔内に挿入されるよう設計されており、クレームのいずれかに記載のアプリケータを含むことを特徴とする。
なお、前記ヘッドが散布口を備えた円筒状の先端部を有するとともに、前記アプリケータは、受け肩まで嵌め込まれてヘッドの前記円筒状端部の外周に装着されるような中空の円筒部を有し、前記受け肩は、前記装着された円筒部の先端がほぼ前記散布口のところにくる位置に配設されている、とすると効果的である。
また、本発明の変形実施例において、前記アプリケータは前記ヘッドに対し、一体化しているか、もしくはこれに固着されている。
更に本発明の別の変形実施例において、前記アプリケータは別体となっており、前記ヘッド上に取り付けられている。
そして、前記アプリケータおよび/または前記ヘッドは、前記ヘッドに対する前記アプリケータの角度位置を決定する位置決定手段を備えていることが望ましい。
本発明に関する、上記以外の特徴及び効果は、以下に示す様々の異なる実施例(あくまで例であって発明の範囲を限定するものではない)の詳細な説明を読み添付の図面を参照すれば明らかであり、その図面とは以下の通りである:
図1は、本発明の、ある特定の実施例における、ヘッドおよびアプリケータの概略斜視図であり;そして、
図2乃至5は、本発明のアプリケータの実施例に関する様々な変形例の概略斜視図である。
図1乃至5に示す通り、本発明の鼻用ディスペンサー装置は、ポンプあるいは弁といったディスペンサー部材(図示せず)の上に搭載されたヘッド100(またはプッシャー)を含み、前記ディスペンサー部品自体も、通常、物質を貯蔵する容器(やはり図示せず)上に搭載されている。本発明は、あらゆる鼻用ディスペンサー装置に適用可能である。また、図に示して以下に説明を述べるのは、装置のうち本発明に関連する部分のみである。
本発明において、アプリケータ200は、鼻用ディスペンサー装置のヘッド100の先端部110と協同して働くよう構成されており、前記ヘッドは、装置が作動させられた際には、少なくともその一部が鼻孔内に挿入されるよう設計されている。
各図に示す変形例はすべて、ヘッド100とは別体で、装置の使用に先立って前記ヘッドに取り付けられるように構成されたアプリケータ200を有する。しかしながら、これらの変形例が本発明の好適な実施例に対応するものであることは明らかであろう。また、本発明は、ヘッドの一部として一体化されたアプリケータも対象としており、その場合、ヘッドとアプリケータとは、一体のものとして成型されることとしてもよいし、ディスペンサー装置の組立て時に組み付けられるものであってもよい。
同様に、鼻用アプリケータが別体の場合には、これを着脱可能にヘッドに装着してもよいし、固定的に装着してもよい。したがって、別体型のアプリケータは、必ずしも取り外し可能なアプリケータでなくてもよい。
本発明では、前記アプリケータ200は、当接部材201を備えており、この部材は、前記アプリケータが装置のディスペンサーヘッド100に設定された際には、物質が散布される方向に対してほぼ横断する向きに延びている。更に言えば、図1に示す例では、当接部材201は、ヘッド100の、散布口111を通る長手方向の主軸に対して直交する方向に延びている。
また、前記アプリケータ200は、ヘッド100の先端部110に取り付ける際にはその外周に嵌め合わされるよう設計されていると効果的である。その場合は、前記ヘッド100が受け肩115を備えていると都合がよい。この受け肩115は、前記アプリケータ200が深くはまり込み過ぎないようにするものである。変形例においては、特にヘッドが円錐形をしている変形例においては、受け肩115は必要ない。アプリケータのはまり込みは、前記ヘッド100の外周の直径が大きくなるに従って自動的に規制されるからである。
更に、アプリケータ200が前記ヘッドに装着された際の前記ヘッドに対するアプリケータ200の角度位置をあらかじめ決定することができるような、適当な手段(図示せず)を設けることにしておけば効果的である。前記手段は、ヘッド100またはアプリケータ200、あるいはその両方に設置される。こうした角度位置決め手段は、平面部または溝の形で、あるいはそれ以外の適当な形態で設けることができる。
図2から図5に示すのは、アプリケータ200の各種変形例である。そして、図4および図5に示すように、アプリケータはディスペンサーヘッド100の先端部110の外周に嵌め合わせることのできるリング220を備えており、前記当接部材201は前記リング220に取着されている。図2および図3に示す例では、ディスペンサーヘッド100の前記先端部110外周に嵌め合わされるよう設計された中空の円筒部210が前記リング220から延びており、前記中空の円筒部210の長さによって、ヘッド100が鼻孔内に進入する深さが決定されるという利点を有する。当接部201は、鼻孔下で受け台として働き、ヘッドが深く進入しすぎないようする、という効果を有する。
図3および図5に示す変形例は、アプリケータ200に対して薄いプレートの形状の当接部材201が設けられており、この部材はほぼ矩形となっている点が効果的であり、使用者の上唇に押し当てられるものである。そのために、当接部材201は、上唇の形状に合った輪郭を有するエッジ部205を備えることが望ましい。図1、図2および図4に示す例では、前記当接部材は、通常の円形をした円板201として設置されている。この場合、前記円板の一方のエッジ部205が使用者の上唇に押し当てられるのに対し、反対側のエッジ部分206は使用者の鼻に押し当てられることになる。また、前記エッジ部205および/または前記反対側のエッジ部206は、先ず上唇の形状に、次いで鼻の形状に合った輪郭を有するものとすることもできる。
本発明の請求の範囲が示す機能を実現するものとして、上記以外の変形例も考えられる。
そして、本発明の装置は以下の通り動作する。
アプリケータ200がディスペンサーヘッド100から分離している場合、使用者はあらかじめ前記アプリケータ200をヘッド100の端部110に装着する。それによって、鼻用ディスペンサー装置は、前記当接部材201によって形成される放射状の突出部を備えることになる。それから、使用者はヘッド100または少なくとも前記ヘッドの先端部110を鼻孔内に差し入れる。この操作の間に、アプリケータ200の当接部材201が上唇に押し当てられ、それによって、使用者はディスペンサー装置をほぼ水平位置になるまで旋回させることになるので、その結果、鼻孔内への差し入れが可能となる。そうして、使用者はディスペンサーヘッドを水平に近い方向に思い切って差し入れることができる。使用するアプリケータの実施例によっては、当接部材201は受け台となって、上唇のみ、または上唇と鼻の輪郭との両方に押し当てられ、先ずヘッドが鼻孔内に挿入される際の挿入方向を、そして前記ヘッド100が鼻孔内に挿入される際の挿入の深さを決定する。そこで使用者が装置を作動させると、所定量の物質が所望の部位、すなわち鼻孔の下鼻甲介に散布される。
本発明の特筆すべき効果は、装置の製造コストを抑えることができると共に、効果的に物質を散布することが可能であるということである。本発明のアプリケータは、成型が非常に簡単であり、ディスペンサーヘッドに装着できるので、ヘッド自体を傾ける必要が無い。そのため、こうした傾きヘッドが原因となって製造工程が複雑化することを回避できる。
本発明の装置は、上記の効果に加え、更に以下に示す効果をもたらす:
本発明の鼻用ディスペンサー装置は、子供用と成人用とに切り換えて対応することが容易である。切り換えのためには、アプリケータ200の円筒部210の長さを変えるだけでよい。そうすれば、前記円筒部の長さは、鼻孔内に差し入れられる際の適当な深さ(使用者が子供か成人かによって変わってくる)に対応して選択することができる;そして、
アプリケータ200がヘッド100の端部110の外周に嵌め込まれて装着され、しかもアプリケータ200は中空の円筒部210を備えている場合、ヘッドの先端部110は、円筒状にしてもよい。これによって、鼻用プッシャーの頂上部分、特に散布口111の部分の成型が簡単になる。図1に示す例では、ヘッドのうちヘッド外壁と内部構造(特に、内部ノズルが設置されているところ)とがつながっている部分は、散布口から離れていてもよい。例えば、受け肩115のところに位置付けられていてもよい。こうすれば、この接合部における成型上の問題のために、物質の噴射が悪影響を受けることはない。こうした悪影響は散布口で発生するからである。
このように、本発明は、単純で製造(特に成型)および組立てコストの低い鼻用ディスペンサー装置を提供することができる。本装置は更に、誰にとっても簡単にしかも安心して使えるものである。アプリケータに備えられた当接部材201は、使用者を促し、あるいは強いて、アプリケータのヘッドを鼻孔内の所望の方向に差し入れさせ、鼻孔内の所望の部位に所定量の物質を散布させる。これは、特に医薬の分野では効果が大きい。なぜなら、この分野では、散布される物質の値段が高いことが多いため、物質の量の計測には高度な正確さが求められるとともに、少ない物質から最大限の効果を引き出すことが求められるからである。

Claims (10)

  1. 鼻の中に液状または粉状の物質を散布するための鼻用ディスペンサー装置のヘッド(100)に組み合わせて用いるのに適した鼻用アプリケータであって、前記ヘッド(100)は前記装置が作動させられた際に少なくとも一部が鼻孔内に挿入されるよう設計されており、前記鼻用アプリケータについては、前記アプリケータ(200)がヘッド(100)の先端部(110)と協同して作用することを特徴とし、前記アプリケータ(200)は物質が散布される方向にほぼ横断する方向に延びる当接部材(201)を備え、前記当接部材(201)は、内側に湾曲する形状のエッジ部(205)を有し、そのエッジ部が鼻孔下で使用者の上唇に押し当てられて、前記ヘッド(100)が鼻孔に挿入される際の挿入角度を決める、鼻用アプリケータ。
  2. クレーム1に記載の鼻用アプリケータであって、前記アプリケータ(200)はヘッド(100)の先端部(110)の外周に嵌め合わせることのできるリング(220)を有し、前記当接部材(201)は前記リング(220)に取着されている、鼻用アプリケータ。
  3. クレーム1または2に記載の鼻用アプリケータであって、前記アプリケータ(200)はヘッド(100)の前記先端部(110)の外周に嵌め合わされるように設計された中空の円筒部(210)を有し、前記当接部材(201)は前記円筒部(210)の一端に取着されている、鼻用アプリケータ。
  4. クレーム3に記載の鼻用アプリケータであって、前記円筒部(210)の長さがヘッド(100)の鼻孔に進入する深さを決定し、前記当接部材(201)は鼻孔下で受け台として働いて前記ヘッドがそれ以上深く進入しないようにする、鼻用アプリケータ。
  5. クレーム1乃至4のいずれかに記載の鼻用アプリケータであって、前記アプリケータ(200)の前記当接部材(201)は、ほぼ矩形の薄いプレートの形で設けられており、使用者の上唇に押し当てるのに適した輪郭を有するエッジ部(205)を有する、鼻用アプリケータ。
  6. クレーム1乃至4のいずれかに記載の鼻用アプリケータであって、前記アプリケータ(200)の前記当接部材(201)が、使用者の上唇に押し当てるのに適した輪郭を有するエッジ部(205)を有するほぼ円板状の形で設けられており、反対側のエッジ部(206)は使用者の鼻に押し当てるのに適した輪郭を有している、鼻用アプリケータ。
  7. 鼻の中に液状または粉状の物質を散布する鼻用ディスペンサー装置であって、前記装置は散布口(111)を備えたヘッド(100)が搭載されたディスペンサー部材を有し、前記ヘッド(100)の先端部(110)は装置が作動させられる際に少なくとも一部が鼻孔内に挿入されるよう設計されており、前記装置はクレーム1乃至6のいずれかに記載のアプリケータ(200)を有することを特徴とする、鼻用ディスペンサー装置。
  8. クレーム7に記載の装置であって、前記ヘッド(100)が散布口(111)を備えた円筒状の先端部(110)を有するとともに、前記アプリケータ(200)は、受け肩(115)まで嵌め込まれてヘッドの前記円筒状端部(110)の外周に装着されるような中空の円筒部(210)を有し、前記受け肩(115)は、前記装着された円筒部(210)の先端がほぼ前記散布口(111)のところにくる位置に配設されている、鼻用ディスペンサー装置。
  9. クレーム7または8に記載の装置であって、前記アプリケータ(200)は前記ヘッド(100)に対し、一体化されているか、もしくは固着されている、鼻用ディスペンサー装置。
  10. クレーム7または8に記載の装置であって、前記アプリケータ(200)は別体となっており、前記ヘッド(100)に取り付けられる、鼻用ディスペンサー装置。
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