JP4059123B2 - 係合構造およびロックボルト施工方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、地山を補強するためのロックボルト係合構造、およびロックボルト施工方法に関し、とくにロックボルトの引き抜き強度が高いロックボルトの係合構造、およびトンネル掘削工事における切羽面に対して施工されるロックボルト施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、地山を補強する方法として、地山にロックボルトを埋設するロックボルト施工方法が用いられている。このようなロックボルト施工方法では、まず、掘削ビットを先端に装着したケーシングパイプを回転させつつ推進させながら、ケーシングパイプに掘削水を圧送、噴射させて、補強の対象となる地盤に所定長の掘削孔を掘削形成する。つぎに、掘削孔に、ケーシングパイプを介してロックボルトを挿入配置し、その後、掘削孔内からケーシングパイプを引き抜きつつ、セメントミルクやモルタルなどの固結材を注入する。そして、固結材が硬化することによってロックボルトと掘削孔とが締結されて、地山が補強される。(例えば、特許文献1参照。)
【0003】
また、トンネル掘削工事において切羽面(鏡面)の緩みを防止するために、あらかじめ切羽面の掘削進行方向に向けてロックボルト(鏡ボルト)を施工して切羽面を補強する鏡部補強工法が用いられている。このように、ロックボルトによって補強された切羽面をトンネル掘削作業において掘削するので、地山とともに掘削されて容易に除去できるように、炭素繊維やガラス繊維によって強化されたFRP製のロックボルトや、塩化ビニールなどの樹脂製のケーシングパイプが使用されることがある。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−47899号公報(第1図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記ロックボルト施工方法において、固結材が硬化した後であってもロックボルトに引き抜く力が加えられると、ロックボルトの外周面付近において固結材にせん断力による亀裂が生じてしまったり、ロックボルトが引き抜かれてしまったりするという問題があった。つまり、ロックボルトの外周面は掘削孔の内周面より面積が小さいので、掘削孔の内周面付近よりもロックボルトの外周面付近において引き抜き力に対抗する力が弱くなり、上記問題が生じるのである。このように、ロックボルトの引き抜き強度が低下してしまうことで、結果的に地山補強の効果が低くなってしまうという問題があった。
【0006】
本発明は、このような背景の下になされたものであって、先端部に係合部を有するロックボルトが掘削ビットに係合する係合構造と、このように係合させることにより引き抜き強度を向上させることのできるロックボルト施工方法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明に係る係合構造は、地山に削孔された掘削孔内に挿入された状態で固結材が注入されて地山補強に供され、前記掘削孔を削孔した後に該掘削孔の底部に残置されている掘削ビットの係止部と係合可能な係合部をボルト本体の先端部に設けてなるロックボルトを、掘削孔の開口部側から軸線方向に沿って挿入させて前記掘削ビットに係合させる係合構造において、前記係合部に、前記軸線を中心として径方向に所定の長さを有する突起部が設けられ、前記係止部に該突起部が通過可能な切欠き部を有して周方向に断続的な形状で該突起部の外接円より小さい内径を有する小径部と該小径部の挿入方向前方に位置して前記突起部を収容可能な内径を有する大径部とが設けられており、前記係合部を挿入方向に移動させて、前記突起部が前記切欠き部を通過して前記大径部に収容された後に、前記突起部の挿入方向後方を向く後方面と小径部の挿入方向前方を向く前方面とを当接させることにより、前記ロックボルトが前記掘削ビットに係合されることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る係合構造は、地山に削孔された掘削孔内に挿入された状態で固結材が注入されて地山補強に供され、前記掘削孔を削孔した後に該掘削孔の底部に残置されている掘削ビットの係止部と係合可能な係合部をボルト本体の先端部に設けてなるロックボルトを、掘削孔の開口部側から軸線方向に沿って挿入させて前記掘削ビットに係合させる係合構造において、前記係合部に、前記軸線を中心として径方向に縮拡径可能な突起部が設けられ、前記係止部に該突起部が拡径時の外接円より小さい内径を有する小径部と該小径部の挿入方向前方に位置して前記突起部を収容可能な内径を有する大径部とが設けられており、前記係合部を挿入方向に移動させて、前記突起部が縮径することで前記小径部を通過して、前記大径部に収容された後に前記突起部が拡径することで、該突起部の挿入方向後方を向く後方面と小径部の挿入方向前方を向く前方面とを当接させることにより、前記ロックボルトが前記掘削ビットに係合されることを特徴とする。
【0009】
これらの発明のロックボルトでは、ボルト本体の先端部に係合部が設けられており、掘削孔を削孔した後に掘削孔の底部に残置されている掘削ビットの係止部と係合部とが係合可能とされているので、ロックボルトに引き抜き力が加えられた場合に係合部を介して掘削ビットにも引き抜き力が伝達される。たとえば、このようなロックボルトとして、先端にインナービットおよびリングビットからなる掘削ビットを装着した駆動手段による削孔作業によって地山中に掘削孔を形成し、リングビットを掘削孔に残置したままインナービットと駆動手段とを引き抜いた後に、先端付近にリングビットに係合可能な係合部を有するロックボルトを挿入してリングビットとロックボルトとを係合させるロックボルト施工方法に用いられるロックボルトなどがある。このように施工されたロックボルトにおいて、上述したようにロックボルトに加えられる引き抜き力は、ロックボルトの外周面と固結材とのせん断力および掘削ビットが固結材に加える力によって受けられるので、従来より引き抜き強度が向上することになる。つまり、引き抜き力は固結材全体を引き抜くように加えられるので、せん断力がロックボルトの外周面付近に集中することが防止され、引き抜き強度を向上させることができるのである。これにより、ロックボルトが引き抜かれることを防止することができ、良好に地山を補強することができる。
【0010】
そして、前述した発明の係合構造では、たとえば、係合部には掘削孔の軸線を中心として径方向に所定の長さを有する突起部が設けられ、係止部には切欠き部を有する小径部と突起部を収容可能な内径を有する大径部とが設けられており、小径部は突起部の外接円より小さい内径であるが切欠き部を有して周方向に断続的な形状であるので突起部が通過可能とされ、突起部と小径部とを係合させる構造となっている。つまり、掘削孔の底部に残置されている掘削ビットに、掘削孔の開口部側から軸線方向に沿ってロックボルトを挿入する際に、突起部と切欠き部との向きを合わせて小径部の挿入方向前方に係合部を通過させ、大径部に係合部が収容された後にロックボルトを操作して、突起部の挿入方向後方を向く後方面と小径部の挿入方向前方を向く前方面とを当接させるのである。このように突起部と小径部との係合によりロックボルトと掘削ビットとが係合しており、ロックボルトに加えられる引き抜き力が掘削ビットにも伝達され、ロックボルトが引き抜かれることが抑制されることになる。このような構造により、ロックボルトの引き抜き強度を確実に向上させることができる。
【0012】
また、前述した発明の係合構造では、たとえば、係合部には掘削孔の軸線を中心として径方向に縮拡径可能な突起部が設けられ、係止部には突起部が拡径時の外接円より小さい内径を有する小径部と小径部の挿入方向前方に位置して突起部を収容可能な内径を有する大径部とが設けられており、突起部が縮拡径することにより小径部を通過可能とされ、突起部と小径部とを係合させる構造となっている。つまり、掘削孔の底部に残置されている掘削ビットに、掘削孔の開口部側から軸線方向に沿ってロックボルトを挿入する際に、突起部の周方向の位置を気にすることなくロックボルトを挿入させ、突起部が小径部に倣って縮径することにより小径部を通過して、大径部に収容された後に突起部が拡径することにより、突起部の挿入方向後方を向く後方面と小径部の挿入方向前方を向く前方面とを当接させるのである。このように縮拡径可能な突起部と小径部とが係合する係合構造によって、容易にロックボルトと掘削ビットとを係合させることができ、ロックボルトの引き抜き強度を確実に向上させることができる。
【0013】
また、本発明に係る係合構造は、上述した係合構造であって、前記係止部は削孔の際に前記掘削ビットに駆動力を伝達する駆動手段が係合可能であることを特徴とする。
この発明の係合構造では、削孔の際に掘削ビットに駆動力を伝達する駆動手段が係止部に係合可能であるので、駆動手段の係合とロックボルトの係合とにおいて係止部が共用可能とされている。これにより、係止部を別々に設けるより構成を簡略化することができる。
【0014】
また、本発明に係るロックボルト施工方法は、先端に掘削ビットを装着した駆動手段による削孔作業によって地山中に掘削孔を形成し、該掘削孔内にロックボルトを挿入する挿入作業の後に、固結材を注入して地山補強を行うロックボルト施工方法において、前記削孔作業における削孔の後に前記掘削ビットの少なくとも一部を該掘削孔の底部に残置して前記駆動手段を引き抜き、前記挿入作業で前記ロックボルトの先端に設けられている係合部と前記残置された掘削ビットの係止部とを前記係合構造によって係合させることを特徴とする。
【0015】
この発明のロックボルト施工方法では、まず、削孔作業において掘削ビットによって掘削孔を形成した後に掘削ビットの少なくとも一部を掘削孔の底部に残置して駆動手段を引き抜き、つぎに、挿入作業においてロックボルトの先端に設けられている係合部と掘削ビットの係止部とを係合させるので、施工後においてロックボルトに加えられる引き抜き力は、ロックボルトと掘削ビットとで受けることになる。このようなロックボルト施工方法により、高いロックボルトの引き抜き強度を得ることができ、確実に地山を補強することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照し、この発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態であるロックボルト1がリングビット2と係合している状態を示す部分断面図である。図は、軸線Oを中心とした掘削孔3の内部で、図の右側に掘削孔3の開口部が設けられており、右側から左側に向かってロックボルト1が挿入され、図の左側が先端側とされている。
ロックボルト1は、先端が突起状に形成されているボルト本体4と、ボルト本体4の先端部付近に設けられている係合部5とを有して構成されており、軸線Oと略同軸となるようにロックボルト1とリングビット2とが係合している。ボルト本体4は、外周面4aの全面に雄ネジが螺設されており、ボルト本体4の外周面4aに係合部5が設けられている。図2に示す先端視図のように、係合部5は略環状の部材で、軸線Oを中心として径方向に向かって所定の長さを有する突起部6が等間隔に3方向に設けられている。また、突起部6の基端側を向く面が係合面(後方面)6aとされている。
【0017】
リングビット2は、中央をロックボルト1が貫通可能とされ、内周に係止部7が設けられた環状部材で、外周面2aが先端側に向かって拡径しており、先端面の3箇所に掘削チップ8が植設されている。係止部7には、突起部6の外接円より小さい内径を有する小径部9と、小径部9より先端側に位置して突起部6を収容可能な内径を有する大径部10とが形成されている。小径部9は、突起部6を通過可能な切欠き部11が3箇所に等間隔に形成されていて周方向に断続的な形状とされており、小径部9の先端側を向く面が係止面(前方面)9aとされている。大径部10には、小径部9と略同一の内径を有する凸部12が3箇所に等間隔に形成されており、掘削チップ8は凸部12の先端側に設けられている。また、凸部12の時計回りの反対方向を向く面が、掘削時の回転駆動力が伝達される伝達面12aとなる。
【0018】
このようなロックボルト1の係合部5とリングビット2の係止部7とによって係合構造が構成されており、以下に、ロックボルト1をリングビット2に係合させる係合手順について説明する。まず、図2(a)に示すように係合部5の突起部6と小径部9の切欠き部11との向きを合わせてロックボルト1を挿入する。つぎに、切欠き部11に突起部6を通過させて、係合部5を小径部9より先端側に位置させることで、大径部10に係合部5が収容される。その後、ロックボルト1を時計回りに回転させて、図2(b)に示すように、軸線O方向視して突起部6と小径部9とが重なるような状態とする。この状態でロックボルト1を若干引き戻すと、係止面9aと係合面6aとが互いに当接し、ロックボルト1とリングビット2とが係合することになる。
【0019】
また、図3を用いて、このような係合構造を利用したロックボルト施工方法について説明する。図は、垂直な地盤に対して水平方向へ向けてロックボルト1を施工する状態を示しており、図3(a)は削孔作業の後のロックボルト1が挿入された状態で、図3(b)は固結材の注入作業後の状態である。削孔には、先端にセンタービットを装着した掘削ロッド(駆動手段)と、センタービットの外周に配置されたリングビット2と、掘削ロッドと同軸でその外側に配置されたケーシングパイプ13とを備えた掘削工具が用いられる。センタービットはリングビット2の係止部7に係合可能とされており、センタービットとリングビット2とによって掘削ビットが構成され、掘削ロッドの回転力がセンタービットを介してリングビット2の伝達面12aに伝達される。
【0020】
まず、削孔作業において、上記掘削工具によって地盤に所定の深さの掘削孔3が形成された後に、センタービットとリングビット2との係合が解除され、リングビット2とケーシングパイプ13とを掘削孔3に残置させてセンタービットと掘削ロッドとが引き抜かれる。
つぎに、挿入作業において、ケーシングパイプ13内にロックボルト1を挿入して、上述したような係合機構の係合手順に従ってロックボルト1とリングビット2とを係合させる。(図3(a)の状態)
この後、掘削孔3の内部からケーシングパイプ13を引き抜きつつ、セメントミルクやモルタルなどの固結材を注入する。そして、固結材14が硬化することによってロックボルト1と掘削孔3とが締結される。(図3(b)の状態)
【0021】
このようなロックボルト施工方法が、ロックボルト1によって地山を補強した後に地山とともにロックボルト1を破壊して掘削するような工法に用いられる場合、たとえばトンネル掘削工事における鏡部補強工法に用いられる鏡ボルトとしてロックボルト1が用いられる場合には、容易に破断可能なロックボルト1を使用することが好ましく、炭素繊維やガラス繊維によって強化されたFRP製のロックボルト1が使用される。また、ケーシングパイプ13を引き抜かずに地山中に残地させた状態で固結材(モルタルなど)を注入する場合には、同様に容易に破断可能な塩化ビニールなどの樹脂製のケーシングパイプ13が使用される。
【0022】
上述したように、ロックボルト1の先端部にリングビット2に係合可能な係合部5が設けられているので、ロックボルト1とリングビット2とを係合させることによって、ロックボルト1に加えられる引き抜き力をロックボルト1と掘削ビット2とによって受けることができ、引き抜き強度を高くすることができる。つまり、引き抜き力は、リングビット2によって固結材14全体を引き抜くように加えられるので、従来より引き抜き強度を向上させることができるのである。また、リングビット2と掘削孔3との摩擦力も引き抜き力に対する抵抗力となる。
【0023】
また、リングビット2の係止部7は、センタービットが係合可能であるとともに、ロックボルト1の係合部5が係合可能であるので、リングビット2の構成をシンプルにすることができる。また、従来よりセンタービットとリングビット2とに分離可能な掘削ビットを用いていた場合には、ロックボルト1に係合部5を設けるだけで容易に上記効果を得ることができる。
【0024】
そして、このようなロックボルト1を用いて上記係合構造を利用したロックボルト施工方法によれば、高いロックボルト1の引き抜き強度を得ることができるので、ロックボルト1が引き抜かれることを抑制することができ、確実に地山を補強することができる。
【0025】
つぎに、図4,5を用いて本発明の第2の実施形態であるロックボルト20について説明する。ロックボルト20は係合部21がロックボルト1とは異なっており、係合部21以外においては第1の実施形態と同様の構成であるので、共通する構成部品には同一の符号を付して説明を省略する。
【0026】
ロックボルト20の係合部21は、径方向に弾性変形による縮拡径可能な突起部22が3箇所に等間隔に配置されて構成されている。突起部22は、薄板状の部材に屈曲部が形成された形状で、ボルト本体4に固定される固定部22aと、固定部22aから屈曲部22bを介して基端側に向けて外径側に緩やかに傾斜する傾斜部22cと、傾斜部22cから屈曲部22dを介して内径側に傾斜する端部22eとを有している。端部22eの基端側を向く面が係合面23(後方面)とされており、屈曲部22bを中心とする弾性変形によって、端部22eが径方向に移動可能とされている。つまり、通常の状態において係合部21の外接円は小径部9より大きく設定されているが、突起部22が弾性変形することによって係合部21の外接円が縮径されて(図の下方に示されている仮想線の突起部22の状態)、係合部21が小径部9を通過可能となるのである。
【0027】
このように構成されているロックボルト20をリングビット2に係合させる場合には、突起部22の周方向の位置を気にすることなくロックボルト20を挿入し、傾斜部22が小径部9に当接してさらに進行させると、傾斜部22cが小径部9に倣って弾性変形することで突起部22が縮径し(図5(a)の状態)、端部22eが大径部10に入った瞬間に突起部22が拡径する(図5(b)の状態)。そして、係合面23と係止面9aとが当接することで、ロックボルト20とリングビット2とが係合することになる。また、リングビット2の基端部に内側へ傾斜する傾斜面24を設けているので、このような弾性変形をよりスムーズに行うことができる。なお、突起部22の周方向の位置が切欠き部11と同じ位置になった場合には、このような縮拡径が行われないが、第1の実施形態と同様にロックボルト20を回転させる操作によって、係合させることができる。また、突起部22の周方向の位置が凸部12と同じ位置になった場合においても、回転させることによって係合可能となる。
【0028】
このような係合部21を有するロックボルト20を用いることで、ロックボルト20を挿入する際の向きを気にすることなく容易にロックボルト20とリングビット2とを係合させることができ、ロックボルト20の引き抜き強度を向上させることができる。また、切欠き部11が形成されているリングビット2を用いているが、突起部22は縮拡径可能であるので、切欠き部が形成されていない小径部を有したリングビットであってもロックボルト20を係合させることができる。
【0029】
なお、ロックボルト1に大径部10と小径部9とを有する係止部が設けられ、リングビット2に突起部6を有する係合部が設けられて係合構造が構成されていてもよい。また、ロックボルト施工方法においてケーシングパイプ13を引き抜かずに、ケーシングパイプ13を埋設するロックボルト施工方法に本発明を適用してもよい。また、外周面4aの全面に雄ネジが螺設されているボルト本体4を用いているが、リングビット2を利用して引き抜き強度を得ているので、雄ネジの螺設されていないボルト本体を使用してもよい。また、掘削ロッドがセンタービットを介してリングビット2に係合する構成とされているが、掘削ロッドが直接リングビット2に係合する構成としてもよい。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るロックボルトによれば、ボルト本体の先端部の係合部が掘削ビットに係合可能であるので、ロックボルトに加えられる引き抜き力が固結材全体を引き抜くように加えられ、引き抜き強度を向上させることができる。
本発明に係る係合構造によれば、係合部の突起部と係止部の小径部とを係合させる構造となっているので、確実にロックボルトと掘削ビットとを係合させることができる。また、突起部を縮拡径可能とすることにより、容易に係合させることができる。また、ロックボルトと駆動手段とが掘削ビットの係止部に係合可能であるので、構成を簡略化することができる。
本発明に係るロックボルト施工方法によれば、削孔作業において掘削ビットの少なくとも一部を掘削孔の底部に残置させ、挿入作業においてロックボルトと掘削ビットとを係合させるので、高いロックボルトの引き抜き強度を得ることができ、確実に地山を補強することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態におけるロックボルトの係合状態を示す部分断面図である。
【図2】 図1のロックボルトを先端側から見た図で、(a)が突起部の通過状態で、(b)が係合状態である。
【図3】 ロックボルト施工方法を示す説明図で、(a)がロックボルト挿入後の状態で、(b)が固結材の注入後の状態である。
【図4】 本発明の第2の実施形態におけるロックボルトの係合状態を示す部分断面図である。
【図5】 図4のロックボルトを先端側から見た図で、(a)が突起部の縮径状態で、(b)が拡径状態である。
【符号の説明】
1,20 ロックボルト
2 リングビット(掘削ビット)
3 掘削孔
4 ボルト本体
5,21 係合部
6,22 突起部
6a,23 係合面(後方面)
7 係止部
9 小径部
9a 係止面 (前方面)
10 大径部
11 切欠き部
14 固結材
O 軸線

Claims (4)

  1. 地山に削孔された掘削孔内に挿入された状態で固結材が注入されて地山補強に供され、前記掘削孔を削孔した後に該掘削孔の底部に残置されている掘削ビットの係止部と係合可能な係合部をボルト本体の先端部に設けてなるロックボルトを、掘削孔の開口部側から軸線方向に沿って挿入させて前記掘削ビットに係合させる係合構造において、
    前記係合部に、前記軸線を中心として径方向に所定の長さを有する突起部が設けられ、前記係止部に該突起部が通過可能な切欠き部を有して周方向に断続的な形状で該突起部の外接円より小さい内径を有する小径部と該小径部の挿入方向前方に位置して前記突起部を収容可能な内径を有する大径部とが設けられており、
    前記係合部を挿入方向に移動させて、前記突起部が前記切欠き部を通過して前記大径部に収容された後に、前記突起部の挿入方向後方を向く後方面と小径部の挿入方向前方を向く前方面とを当接させることにより、前記ロックボルトが前記掘削ビットに係合されることを特徴とする係合構造。
  2. 地山に削孔された掘削孔内に挿入された状態で固結材が注入されて地山補強に供され、前記掘削孔を削孔した後に該掘削孔の底部に残置されている掘削ビットの係止部と係合可能な係合部をボルト本体の先端部に設けてなるロックボルトを、掘削孔の開口部側から軸線方向に沿って挿入させて前記掘削ビットに係合させる係合構造において、
    前記係合部に、前記軸線を中心として径方向に縮拡径可能な突起部が設けられ、前記係止部に該突起部が拡径時の外接円より小さい内径を有する小径部と該小径部の挿入方向前方に位置して前記突起部を収容可能な内径を有する大径部とが設けられており、
    前記係合部を挿入方向に移動させて、前記突起部が縮径することで前記小径部を通過して、前記大径部に収容された後に前記突起部が拡径することで、該突起部の挿入方向後方を向く後方面と小径部の挿入方向前方を向く前方面とを当接させることにより、前記ロックボルトが前記掘削ビットに係合されることを特徴とする係合構造。
  3. 請求項1または請求項2に記載の係合構造であって、
    前記係止部は、削孔の際に前記掘削ビットに駆動力を伝達する駆動手段が係合可能であることを特徴とする係合構造。
  4. 先端に掘削ビットを装着した駆動手段による削孔作業によって地山中に掘削孔を形成し、該掘削孔内にロックボルトを挿入する挿入作業の後に、固結材を注入して地山補強を行うロックボルト施工方法において、
    前記削孔作業における削孔の後に前記掘削ビットの少なくとも一部を該掘削孔の底部に残置して前記駆動手段を引き抜き、前記挿入作業で前記ロックボルトの先端に設けられている係合部と前記残置された掘削ビットの係止部とを請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の係合構造によって係合させることを特徴とするロックボルト施工方法。
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