JP4058820B2 - 車両用空調装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷風と温風の風量割合の調整により吹出空気温度を制御する、いわゆるエアミックスタイプの車両用空調装置において、特に、バイレベルモード等における車室内への上下吹出温度を独立に制御可能なものに関する。
【0002】
【従来の技術】
本発明者は先に、特願平10−43873号の出願において、車室内への上下吹出温度を独立に制御可能な車両用空調装置を提案している。この先願の装置においては、車室内の上方側へ空調風を吹き出すフェイス吹出開口部およびデフロスタ吹出開口部に対応して第1エアミックスチャンバー部および第1エアミックスドアを設けるとともに、車室内の下方側(乗員足元側)へ空調風を吹き出すフット吹出開口部に対応して第2エアミックスチャンバー部および第2エアミックスドアを設けている。
【0003】
このように、フェイス・デフロスタ側通風路およびフット側通風路で、それぞれ独立にエアミックスチャンバー部およびエアミックスドアを設けることにより、フェイス・デフロスタ側およびフット側の双方の圧損低減を図っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記先願の装置では、フット用の第2エアミックスチャンバー部および第2エアミックスドアの上流側に、フェイス・デフロスタ用の第1エアミックスドアおよび吹出モード切替ドアが配置されているので、これら第1エアミックスドアおよび吹出モード切替ドアの操作位置の影響を受けて、フット側吹出温度の制御が乱れることが分かった。
【0005】
このことを具体例に基づいて説明すると、▲1▼デフロスタ吹出開口部とフット吹出開口部の両方から空調風を吹き出すフットモードは一般に冬季に用いられ、窓ガラスの防曇性と足元の暖房感の両方を確保する必要があるので、上下吹出温度差は小さい方が好ましい。これに対して、フェイス吹出開口部とフット吹出開口部の両方から空調風を吹き出すバイレベルモードは一般に春秋の中間期に用いられ、上下吹出温度差をフットモードより拡大して、頭寒足熱による快適な空調フィーリングを得ることが要求される。
【0006】
しかるに、上記先願の装置では、フェイス・デフロスタ用の第1エアミックスドアおよび吹出モード切替ドアの操作位置の影響を受けて、バイレベルモードで所望の上下吹出温度差が得られないという不具合が生じる。
▲2▼バイレベルモードとして、フェイス側とフット側の風量割合を例えば7:3〜3:7の範囲で多段階に変化させる多段バイレベルモードを設定する場合は、吹出モード切替ドアの操作位置を変化させて上下の風量割合を変化させるのであるが、その場合、吹出モード切替ドアがフット側の第2エアミックスドアの上流側に位置しているので、吹出モード切替ドアの操作位置の変化によりフット側吹出温度が変化し、適正な上下吹出温度差を維持できないという不具合が生じる。
【0007】
▲3▼冬期では日射高度が低いため、暖房域であるにもかかわらず、乗員の上半身に日射が当たって温熱感を感じるときがある。この場合は吹出モードをバイレベルモードとしてフェイス吹出温度を低下させて上半身の温熱感を解消する必要がある。そこで、フェイス・デフロスタ用の第1エアミックスドアの操作位置を低温側に移動させると、加熱用熱交換器で加熱される温風量が減少して、フット側の第2エアミックスチャンバーへの温風供給量が減少するので、フット吹出温度が低下し、足元の暖房感が不足するという不具合が生じる。
【0008】
本発明は上記点に鑑みてなされたもので、車室内への上下吹出温度を独立に制御可能であって、フット用エアミックスドアの上流側に別のドアを配置する車両用空調装置において、所望の上下吹出温度差が得られるようにすることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明では、加熱用熱交換器(16)をバイパスする冷風をフェイス吹出開口部(20、21)およびデフロスタ吹出開口部(19)側へ導く第1バイパス路(17)と、
加熱用熱交換器(16)をバイパスする冷風をフット吹出開口部(22)側へ導く第2バイパス路(18)と、
加熱用熱交換器(16)を通過する温風と第1バイパス路(17)を通過する冷風との風量割合を調整して、フェイス吹出開口部(20、21)およびデフロスタ吹出開口部(19)への空調風の温度を調整するフェイス・デフロスタ用エアミックスドア(26)と、
加熱用熱交換器(16)を通過する温風と第2バイパス路(18)を通過する冷風との風量割合を調整して、フット吹出開口部(22)への空調風の温度を調整するフット用エアミックスドア(37a、37b)とを備え、
フェイス・デフロスタ用エアミックスドア(26)がフット用エアミックスドア(37a、37b)の空気流れ上流側に配置されており、
フェイス吹出開口部(20、21)とフット吹出開口部(22)の両方から同時に空調風を吹き出すバイレベルモードと、デフロスタ吹出開口部(19)とフット吹出開口部(22)の両方から同時に空調風を吹き出すフットモードが設定可能になっており、
バイレベルモードにおける上下吹出温度差がフットモードにおける上下吹出温度差よりも拡大するように、フェイス・デフロスタ用エアミックスドア(26)およびフット用エアミックスドア(37a、37b)の操作位置を決定する制御手段(S170、S190、S210)を有し、
さらに、フェイス吹出開口部(20、21)、デフロスタ吹出開口部(19)およびフット吹出開口部(22)への空調風の流れを制御する吹出モード切替ドア(45)を備え、
吹出モード切替ドア(45)がフット用エアミックスドア(37a、37b)の空気流れ上流側で、かつ、フェイス・デフロスタ用エアミックスドア(26)の空気流れ下流側に配置されていることを特徴としている。
【0010】
これによると、フェイス・デフロスタ用エアミックスドア(26)がフット用エアミックスドア(37a、37b)の空気流れ上流側に配置されていても、上記制御手段によりバイレベルモードの上下吹出温度差を確実にフットモード時よりも拡大でき、頭寒足熱の快適なバイレベルモードを実現できる。
【0011】
また、請求項2記載の発明では、請求項1に記載の車両用空調装置において、バイレベルモード時に、フェイス吹出開口部(20、21)からの吹出風量と、フット吹出開口部(22)からの吹出風量との風量割合を吹出モード切替ドア(45)の操作位置により変更可能になっており、
制御手段(S170、S190、S210)は、バイレベルモードにおけるフェイス吹出開口部(20、21)からの吹出風量の大小に応じてフェイス・デフロスタ用エアミックスドア(26)およびフット用エアミックスドア(37a、37b)の操作位置を決定することを特徴としている。
【0012】
これによると、バイレベルモード時のフェイス吹出開口部(20、21)からの吹出風量の変更に対応して、両エアミックスドア(26)、(37a、37b)の操作位置を補正することにより、フェイス吹出風量の変更にかかわらず、上下の吹出温度差を良好に維持できる。
また、請求項3記載の発明のように、請求項1または2に記載の車両用空調装置において、フェイス・デフロスタ用エアミックスドア(26)および吹出モード切替ドア(45)は具体的には、フィルム状膜状部材で構成し、フット用エアミックスドア(37a、37b)は具体的には、平板状のドアで構成すればよい。
請求項4記載の発明では、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車両用空調装置において、車室内への目標吹出温度(TAO)が低温側から高温側へ上昇するにつれて、フェイス吹出開口部(20、21)から空調風を吹き出すフェイスモード、バイレベルモード、およびフットモードを順次切替可能になっており、
目標吹出温度(TAO)が所定値以上で、かつ、日射量が所定値以上であるときは、バイレベルモードを目標吹出温度(TAO)の高温側へ拡大して日射補正領域(Z)を設定するようになっており、
この日射補正領域(Z)を設定したときは、制御手段(S170、S190、S210)により、日射量の増加に応じてフット用エアミックスドア(37a、37b)の操作位置を最大暖房側へ補正し、フェイス・デフロスタ用エアミックスドア(26)の操作位置を最大冷房側へ補正することを特徴としている。
【0013】
これによると、日射補正領域(Z)の設定時に、日射量が増加すると、フェイス側吹出空気温度を低下させて、乗員の上半身の温熱感を解消でき、これと同時に、フット側吹出空気温度を上昇させて、足元の暖房感を充分確保できる。従って、冬季の日射時においても、頭寒足熱による快適な空調フィーリングを得ることができる。
請求項5記載の発明では、加熱用熱交換器(16)をバイパスする冷風をフェイス吹出開口部(20、21)およびデフロスタ吹出開口部(19)側へ導く第1バイパス路(17)と、
加熱用熱交換器(16)をバイパスする冷風をフット吹出開口部(22)側へ導く第2バイパス路(18)と、
加熱用熱交換器(16)を通過する温風と第1バイパス路(17)を通過する冷風との風量割合を調整して、フェイス吹出開口部(20、21)およびデフロスタ吹出開口部(19)への空調風の温度を調整するフェイス・デフロスタ用エアミックスドア(26)と、
加熱用熱交換器(16)を通過する温風と第2バイパス路(18)を通過する冷風との風量割合を調整して、フット吹出開口部(22)への空調風の温度を調整するフット用エアミックスドア(37a、37b)とを備え、
フェイス・デフロスタ用エアミックスドア(26)がフット用エアミックスドア(37a、37b)の空気流れ上流側に配置されており、
フェイス吹出開口部(20、21)とフット吹出開口部(22)の両方から同時に空調風を吹き出すバイレベルモードと、デフロスタ吹出開口部(19)とフット吹出開口部(22)の両方から同時に空調風を吹き出すフットモードが設定可能になっており、
バイレベルモードにおける上下吹出温度差がフットモードにおける上下吹出温度差よりも拡大するように、フェイス・デフロスタ用エアミックスドア(26)およびフット用エアミックスドア(37a、37b)の操作位置を決定する制御手段(S170、S190、S210)を有し、
車室内への目標吹出温度(TAO)が低温側から高温側へ上昇するにつれて、フェイス吹出開口部(20、21)から空調風を吹き出すフェイスモード、バイレベルモード、およびフットモードを順次切替可能になっており、
目標吹出温度(TAO)が所定値以上で、かつ、日射量が所定値以上であるときは、バイレベルモードを目標吹出温度(TAO)の高温側へ拡大して日射補正領域(Z)を設定するようになっており、
この日射補正領域(Z)を設定したときは、制御手段(S170、S190、S210)により、日射量の増加に応じてフット用エアミックスドア(37a、37b)の操作位置を最大暖房側へ補正し、フェイス・デフロスタ用エアミックスドア(26)の操作位置を最大冷房側へ補正することを特徴としている。
請求項5記載の発明によると、請求項1記載の発明と同様に、フェイス・デフロスタ用エアミックスドア(26)がフット用エアミックスドア(37a、37b)の空気流れ上流側に配置されていても、上記制御手段によりバイレベルモードの上下吹出温度差を確実にフットモード時よりも拡大でき、頭寒足熱の快適なバイレベルモードを実現できる。
さらに、請求項5記載の発明では、請求項4記載の発明と同一構成を有しているので、請求項4記載の発明と同様に冬季の日射時においても、頭寒足熱による快適な空調フィーリングを得ることができる。
【0017】
請求項6記載の発明では、請求項1ないし5のいずれか1つに記載の車両用空調装置において、フェイス・デフロスタ用エアミックスドア(26)を駆動する駆動手段(68)と、フット用エアミックスドア(37a、37b)を駆動する駆動手段(69)がそれぞれ独立に構成されていることを特徴とする。
なお、上記括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、請求項1、2、4、5の制御手段は具体的には図11のフローチャートのステップS170、S190、S210にて構成することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図に基づいて説明する。
図1は本発明の一実施形態に基づく車両用空調装置の全体構成を示している。図1の車両用空調装置は、大別して送風機ユニット1と、空調ユニット2との2つの部分から構成されており、図1では図作成上の便宜から、車両前後方向において、空調ユニット2の前方側に送風機ユニット1を配置する状態を示しているが、実際は、空調ユニット2の側方(車両左右方向)に送風機ユニット1をオフセット配置している。
【0019】
すなわち、空調ユニット2は車室内前部の計器盤下方のうち、車両左右方向の中央部に配置するセンター置きレイアウトであり、一方、送風機ユニット1は空調ユニット2の側方である助手席前方の位置にオフセット配置される。
但し、送風機ユニット1を車室内でなく、エンジンルーム内に設置するレイアウトを採用する場合は、図1に示す通り、空調ユニット2の前方側に送風機ユニット1を配置することが可能となる。
【0020】
送風機ユニット1はその上部に内外気切替箱3を有し、この内外気切替箱3には外気導入口4と、内気導入口5、6と、連動操作される2つの内外気切替ドア7、8が備えられている。そして、内外気切替箱3の底部には、上記導入口4〜6から導入された空気の塵埃、悪臭等を除去して清浄化するフィルタ9が配設されている。
【0021】
送風機ユニット1の下部に、送風機10が配置され、この送風機10には遠心多翼ファンからなる送風ファン11と、この送風ファン11を回転駆動するモータ12と、送風ファン11を収容している渦巻き状のスクロールケース13とを有する周知の構成である。スクロールケース13の上部にはフィルタ9を通過した空気を吸入する吸入口13aが開口している。また、スクロールケース13の空気出口部は空調ユニット2の最前部に連通され、空調ユニット2の最前部に空気を送り込むようになっている。
【0022】
次に、空調ユニット2について説明すると、樹脂製の空調ケース14を有し、この空調ケース14は例えば、車両前後方向の面で複数に分割成形された分割体を適宜のクランプ等の締結手段にて一体に連結したものである。この空調ケース14の最前部の開口部に上記スクロールケース13の空気出口部が接続される。従って、送風機ユニット1内の送風ファン11を作動することによって空調ケース14内に空気が流入する。
【0023】
空調ケース14内には、その空気上流側から順に蒸発器15、ヒータコア16が直列に配列されている。この蒸発器15は、図示しない圧縮機、凝縮器、減圧手段とともに周知の冷凍サイクルを構成するもので、空調ケース14内の空気を冷却する冷却用熱交換器である。また、ヒータコア16は、内部を流れる温水(エンジン冷却水)を熱源として空調ケース14内の空気を加熱する加熱用熱交換器であって、周知のごとく温水が流れる偏平チューブとこの偏平チューブに接合されたコルゲートフィンとから構成される熱交換用コア部を有している。
【0024】
ヒータコア16に温水(エンジン冷却水)を循環させる温水回路16aには温水弁16bが設置され、この温水弁16bは前席側の最大冷房時には全閉状態となり、ヒータコア16へのエンジン冷却水の流れを遮断する。
空調ユニット2内において車両前方側の部位に、蒸発器15は空気が車両後方へ向かって流れるように配置されている。ここで、蒸発器15は空調ケース14内の通風路の全領域を横切るように車両前後方向寸法の小さい形態で配置されている。これに対し、ヒータコア16は蒸発器15の車両後方側の部位において空気が車両後方へ向かって流れるように車両前後方向寸法の小さい形態で配置されている。
【0025】
ここで、ヒータコア16は空調ケース14内の通風路の下方側の所定部位のみを横切るように配置され、ヒータコア16の上部および下部にはそれぞれヒータコア16をバイパスして冷風を流す第1バイパス路17および第2バイパス路18が形成されている。
空調ケース14の空気下流端には複数の吹出開口部19〜23が形成されており、この各吹出開口部19〜23の下流側に、さらに、空調風を車室内の所定場所に向けて吹き出させるための吹出ダクト(図示せず)が接続される。
【0026】
このうち、デフロスタ吹出開口部19は空調ケース14の上面部に設けられ、デフロスタダクト(図示せず)を介して空調風を車両フロント窓ガラス内面に向けて吹き出すためのデフロスタ吹出口(図示せず)に連通する。また、フェイス吹出開口部20とサイドフェイス吹出開口部21は、空調ケース14の後面部の上方側に設置されるもので、フェイス吹出開口部20は図1の紙面垂直方向(車両左右方向)において中央部に配置され、サイドフェイス吹出開口部21はこのフェイス吹出開口部20の左右両側にオフセット配置される。
【0027】
フェイス吹出開口部20は、フェイスダクト(図示せず)を介して、空調風を前席中央の乗員上半身に向けて吹き出すセンターフェイス吹出口に連通する。また、サイドフェイス吹出開口部21は、サイドフェイスダクト(図示せず)を介して、空調風を前席サイドガラスまたは前席乗員の左右両サイドの上半身に向けて吹き出すサイドフェイス吹出口に連通する。
【0028】
また、フット吹出開口部22は、空調ケース14の後面部の下側寄りの左右両側に設置されるもので、フットダクト(図示せず)を介して、空調風を運転席側乗員の足元部に向けて吹き出す運転席側フット吹出口(図示せず)、および空調風を助手席側乗員の足元部に向けて吹き出すため助手席側フット吹出口(図示せず)に連通する。
【0029】
また、後席用吹出開口部23は、後席用ダクト(図示せず)を介して、空調風を後席乗員足元に向けて吹き出すための後席フット吹出口(図示せず)および空調風を後席乗員の上半身に向けて吹き出すための後席フェイス吹出口(図示せず)に連通する。
一方、空調ケース14内には、第1駆動軸24と第1従動軸25が空調ケース14に対して回転自在に支持されている。この第1駆動軸24および第1従動軸25にはフィルム状の膜状部材からなるフェイス・デフロスタ用の第1エアミックスドア26の両端が固定および巻回されている。このエアミックスドア26の膜状部材は、具体的には、ポリエチレン樹脂のごとく可撓性、強度に優れた樹脂製フィルム部材にて構成されている。
【0030】
そして、このエアミックスドア26は、第1駆動軸24とヒータコア16の側面と中間ガイド軸27と第1従動軸25とによって、ヒータコア16を通る温風通路28と、ヒータコア16をバイパスする第1バイパス路17とをそれぞれ横切るようにして、一定の張力が付与された状態で空調ケース14内の上下方向に摺動可能に配置されている。
【0031】
上記第1駆動軸24はステップモータ等の駆動手段によって駆動され、この第1駆動軸24の回転は図示しない回転伝達機構を介して第1従動軸25にも伝達される。なお、この回転伝達機構は、周知の機構であるので、その説明は省略する。
また、エアミックスドア26を構成する膜状部材には空気を通過させるための複数の開口部(図示せず)が形成されており、上記駆動手段により第1駆動軸24を正逆両方向に回転させて上記開口部を任意の位置で停止させることによって、上記各通路17、28を通る空気量が調節される。
【0032】
また、空調ケース14には、ヒータコア16の空気下流側に下方から斜め上方に立ち上がる壁面29が形成されており、この壁面29によりヒータコア16の空気下流側から上方へ向かう温風通路30が形成されている。そして、空調ケース14内部で、ヒータコア16の上方部位に、第1バイパス路17を通過した冷風と温風通路28、30を通過した温風とを混合する第1エアミックスチャンバー部31が形成されている。この第1エアミックスチャンバー部31で冷温風が混合されて、所定温度の空調風となり、この空調風はデフロスタ吹出開口部19またはフェイス吹出開口部20、21に向かう。
【0033】
ところで、ヒータコア16の空気下流側に形成された壁面29のうち、ヒータコア16の直後に位置する部位(ヒータコア16の熱交換用コア部の領域内の直後の部位)には、フット用温風開口部32a、32bと後席用温風開口部33が開口している。このフット用温風開口部32a、32bと後席用温風開口部33は図1の紙面垂直方向にオフセット配置されるもので、具体的には図2(a)(図1のA矢視図)に示すように、空調ケース14の車両左右方向の中心側に後席用温風開口部33を配置し、この開口部33の左右両側にフット用温風開口部32a、32bを配置している。
【0034】
従って、フット用温風開口部32a、32bと後席用温風開口部33は空調ケース14の車両左右方向の中心線Bに対して左右対称の配置となっている。なお、図2(a)の2点鎖線160は、ヒータコア16の熱交換用コア部の左右方向(車両幅方向)の端部を示している。
図2(b)は図1のC矢視図で、車両左右方向において上記した2つのフット用温風開口部32a、32bと同一位置に2つのフット用冷風開口部34a、34bが設けてある。この2つのフット用冷風開口部34a、34bはともに第2バイパス路18に連通し、この第2バイパス路18からの冷風を後述の第2エアミックスチャンバー部36a、36bに導入するものである。
【0035】
2つのフット用冷風開口部34a、34bの中間部位の上方には後席用温風開口部33からの温風が流れる後席用温風通路35が区画形成されている。この後席用温風通路35の左側には、左側フット用温風開口部32aからの温風と左側フット用冷風開口部34aからの冷風とを混合する左側の第2エアミックスチャンバー部36aが形成され、後席用温風通路35の右側には、右側フット用温風開口部32bからの温風と右側フット用冷風開口部34bからの冷風とを混合する右側の第2エアミックスチャンバー部36bが形成されている。
【0036】
そして、フット用温風開口部32a、32bとフット用冷風開口部34a、34bとの間には、それぞれフット用の第2エアミックスドア37a、37bが配置されている。この2枚のフット用エアミックスドア37a、37bは平板状のドアであって、回転軸38を中心として一体に回動して、フット用第2エアミックスチャンバー部36a、36bに流入する冷風と温風の風量割合を調整するものである。
【0037】
左右の第2エアミックスチャンバー部36a、36bにおいて冷温風が混合されて所定温度の空調風となり、この空調風が空調ケース14の左右両側に配置された左右2つのフット吹出開口部22に流れる。
フット用第2エアミックスドア37a、37bとフェイス・デフロスタ用の第1エアミックスドア26はともに吹出空気温度の制御手段をなすものであるが、デフロスタ吹出開口部19、フェイス吹出開口部20、およびサイドフェイス吹出開口部21からの吹出空気温度(すなわち車室内上方側吹出空気温度)と、フット吹出開口部22からの吹出空気温度(すなわち車室内下方側吹出空気温度)とを独立に制御可能とするために、フット用の第2エアミックスドア37a、37bをフェイス・デフロスタ用の第1エアミックスドア26と独立に操作可能にしてある。
【0038】
そのため、フット用の第2エアミックスドア37a、37bの回転軸38は適宜のリンク機構等を介して独立の駆動手段(ステップモータ等)に連結され、この駆動手段(ステップモータ等)によって駆動される。
また、第2バイパス路18の最も下流側(車両後方側)の部位には後席用冷風通路39が連通しており、この後席用冷風通路39と前記した後席用温風通路35の下流側(車両後方側)の合流部に後席用エアミックスチャンバー部40が形成されている。ここで、後席用エアミックスチャンバー部40は、ヒータコア16を通過する温風流れ方向の延長方向に後席用温風通路35を介して位置している。
【0039】
そして、上記両通路35、36の合流部には後席用エアミックスチャンバー部40に流入する冷風と温風の風量割合を調整する1枚の後席用エアミックスドア41が配置されている。この後席用エアミックスドア41も平板状のドアであって、回転軸42を中心として回動するものである。
この後席用エアミックスドア41は、フェイス・デフロスタ用の第1エアミックスドア26およびフット用第2エアミックスドア37a、37bとは別の駆動手段(ステップモータ等)によって独立に回動操作される。後席用エアミックスチャンバー部40において冷温風が混合されて所定温度の空調風となり、この空調風が後席用吹出開口部23に流れる。
【0040】
さらに、空調ケース14内には、第2駆動軸43と第2従動軸44が、空調ケース14に対して回転自在に支持されている。この第2駆動軸43および第2従動軸44には、フィルム状の膜状部材からなる吹出モード切替ドア45の両端が固定および巻回されている。ここで、吹出モード切替ドア45もエアミックスドア26と同様に可撓性に富んだ樹脂フィルム部材からなる。
【0041】
第2駆動軸43および第2従動軸44との間の中間部位には中間ガイド軸46、47が配置されており、この中間ガイド軸46、47は、空調ケース14の内壁面に沿って吹出モード切替ドア45を屈曲させて、吹出モード切替ドア45の移動をガイドする。この中間ガイド軸46、47および前述の中間ガイド軸27は、膜状部材からなるドア45、26の移動を円滑にするために回転自在な構成としてもよいが、中間ガイド軸46、47、27を樹脂製の空調ケース14と一体成形して(すなわち、回転不能な構成として)もよい。
【0042】
そして、吹出モード切替ドア45は、第2駆動軸43と中間ガイド軸46、47と第2従動軸44とによって、前記各吹出開口部19、20、21、フット用温風開口部32a、32bおよび後席用温風開口部33の空気上流側壁面と対向するようにして一定の張力が付与された状態で配置され、この壁面に沿って移動するようになっている。
【0043】
上記第2駆動軸43はステップモータ等の独立の駆動手段によって駆動され、この第2駆動軸43の回転は図示しない回転伝達機構を介して第2従動軸44にも伝達される。
また、吹出モード切替ドア45を構成する膜状部材には、空気を通過させるための開口部(図示せず)が複数形成されており、上記駆動手段により第2駆動軸43を正逆両方向に回転させて複数の開口部を任意の位置で停止させることによって、この開口部と前記各吹出開口部19、20、21、フット用温風開口部32a、32bおよび後席用温風開口部33との連通、遮断を切り替えることにより、吹出モードが切替えられる。
【0044】
なお、第2バイパス路18はヒータコア16の下方部に形成されるため、蒸発器15で発生するドレーン水(凝縮水)を排出する排水路を兼ねている。すなわち、空調ケース14の底面の最も低い部位に排水パイプ48を形成し、この排水パイプ48に向かって徐々に下がる傾斜面49を蒸発器15の空気出口側の底部と排水パイプ48との間に形成し、この傾斜面49上をドレーン水が流れるようにするとともに、この傾斜面49、排水パイプ48上方の空間を第2バイパス路18として形成している。
【0045】
次に、上記構成において本実施形態の作動を説明する。図3〜図6は前席側の吹出モード別の空気流れを示すもので、図中、白抜き矢印は冷風を示し、細点付きの矢印は温風を示す。
「フェイス(FACE)モード」
図3はフェイスモードを示し、吹出モード切替ドア45の開口部によってフェイス吹出開口部20とサイドフェイス吹出開口部21が開口されるが、デフロスタ吹出開口部19およびフット用温風開口部32a、32bはともに吹出モード切替ドア45の膜部によって閉塞される。
【0046】
また、フェイスモードでは吹出空気温度の設定が低温側になっているので、フット用の第2エアミックスドア37a、37bがフット用冷風開口部34a、34bを全閉する位置に操作されている。従って、フット吹出開口部22は空調ケース14内の通風路に対して遮断した状態となり、閉塞状態にある。
この状態で、送風機ユニット1の送風ファン11を作動させると、内外気切替箱3を通して吸入された空気(内気または外気)がまず蒸発器15において冷却除湿されて、冷風となり、この冷風は次にフェイス・デフロスタ用第1エアミックスドア26の開口部位置に応じて、ヒータコア16をバイパスする第1バイパス路17とヒータコア16を通る温風通路28とに分岐される。
【0047】
但し、最大冷房時には第1エアミックスドア26が第1バイパス路17を全開して、温風通路28を全閉するので、冷風の全量が第1バイパス路17および第1エアミックスチャンバー部31を通過してフェイス吹出開口部20およびサイドフェイス吹出開口部21を経て、さらにフェイス吹出口およびサイドフェイス吹出口から車室内の乗員上半身に向かって吹き出す。また、最大冷房時には温水弁16bが全閉状態となり、ヒータコア16への温水流入を阻止する。
【0048】
このとき、図3の白抜き矢印に示すように、蒸発器15の下流側から第1バイパス路17、第1エアミックスチャンバー部31を経てフェイス吹出開口部20およびサイドフェイス吹出開口部21に向かって冷風がほぼ直線的に最短距離を流れるので、曲がりによる圧損がほとんどなく、空調ケース14内での圧損が小さくなる。また、フェイス吹出開口部20、21をフット吹出開口部22から離れて形成できるので、フェイス吹出開口部20、21の開口面積をフット吹出開口部22によって妨げられることなく大きく設計できる。これにより、フェイスモード時の圧損を低減して冷風の風量を増大でき、冷房能力を向上できる。
【0049】
車室内への冷風吹出温度を調整する温度制御時には、第1エアミックスドア26が第1バイパス路17を開くと同時に、温風通路28も一部開放する位置に操作される。そのため、図3に示すように、温風通路28を通過した温風が温風通路30を上昇して第1エアミックスチャンバー部31に至る。ここで、温風が第1バイパス路17を通過した冷風と混合して所定温度の冷風となり、この温度調整された冷風がフェイス吹出開口部20およびサイドフェイス吹出開口部21を経て車室内の乗員上半身に向かって吹き出す。
【0050】
「バイレベル(B/L)モード」
図4はバイレベルモードを示しており、吹出モード切替ドア45の開口部によってフェイス吹出開口部20とサイドフェイス吹出開口部21が開口されると同時に、フット用温風開口部32a、32bが開口される。しかし、デフロスタ吹出開口部19は吹出モード切替ドア45の膜部によって閉塞される。
【0051】
従って、フェイス吹出開口部20とサイドフェイス吹出開口部21から車室内の車室内の乗員上半身に向かって空調風を吹き出すと同時にフット吹出開口部22から前席側の乗員足元に向かって空調風を吹き出すことができる。
つまり、第1エアミックスチャンバー部31にて温風と冷風とを混合して所定温度の空調風とし、この空調風をフェイス吹出開口部20とサイドフェイス吹出開口部21から吹き出させることができる。
【0052】
また、フット吹出開口部22側においては、フット用冷風開口部34a、34bから第2エアミックスチャンバー部36a、36bに流入する冷風と、フット用温風開口部32a、32bから第2エアミックスチャンバー部36a、36bに流入する温風との風量割合を、2枚のフット用エアミックスドア37a、37bの開度により調整することにより、左右の第2エアミックスチャンバー部36a、36bにおいて冷温風が混合されて所定温度の空調風となり、この空調風がフット吹出開口部22から前席側の乗員足元に向かって吹き出す。
【0053】
ここで、フェイス側の温度調整手段である第1エアミックスドア26の開口部位置と、フット用第2エアミックスドア37a、37bの開度とをそれぞれ専用の駆動手段にて独立に調整することにより、バイレベルモード時の上下の吹出温度を乗員の好みに応じた温度に独立に設定できる。
「フット(FOOT)モード」
図5はフットモードを示しており、吹出モード切替ドア45の開口部によってデフロスタ吹出開口部19とサイドフェイス吹出開口部21が小開度だけ開口されると同時に、フット用温風開口部32a、32bが大開度で開口される。しかし、フェイス吹出開口部20は吹出モード切替ドア45の膜部によって閉塞される。
【0054】
ここで、第1エアミックスチャンバー部31にて温風と冷風とを混合して所定温度となった空調風がデフロスタ吹出開口部19とサイドフェイス吹出開口部21から吹き出す。また、フット用エアミックスドア37a、37bの開度により第2エアミックスチャンバー部36a、36bにおいて冷温風が混合されて所定温度となった空調風がフット吹出開口部22から前席側の乗員足元に向かって吹き出す。
【0055】
フットモード時に最大暖房状態を設定するときは、エアミックスドア26によって第1バイパス路17が全閉され、温風通路28が全開となる。これと同時に、フット用エアミックスドア37a、37bがフット用冷風開口部34a、34bを全閉するので、フット吹出開口部22には温風通路28からの温風のみがフット用温風開口部32a、32b、および第2エアミックスチャンバー部36a、36bを通過して流入する。
【0056】
このとき、ヒータコア16直後からフット用温風開口部32a、32b、および第2エアミックスチャンバー部36a、36bを通過して温風がほぼ直線的に最短距離を流れるので、曲がりによる圧損がほとんどなく、空調ケース14内での圧損が小さくなる。また、フット吹出開口部22の開口面積もフェイス吹出開口部20、21によって妨げられることなく大きく設計できる。これにより、フットモード時の圧損を低減して温風の風量を増大でき、暖房能力を向上できる。
【0057】
なお、フットモードでは、デフロスタ吹出開口部19とサイドフェイス吹出開口部21から吹き出す空調風の風量は約20%程度であり、一方、フット吹出開口部22から吹き出す空調風の風量は約80%程度である。
ここで、デフロスタ吹出開口部19とサイドフェイス吹出開口部21から吹き出す空調風の風量を約50%程度まで増大し、一方、フット吹出開口部22から吹き出す空調風の風量は約50%程度まで減少させるフット・デフロスタモード(F/D)モードをフットモードとは別に設定してもよい。
【0058】
「デフロスタ(DEF)モード」
図6はデフロスタモードを示しており、吹出モード切替ドア45の開口部によってデフロスタ吹出開口部19とサイドフェイス吹出開口部21が開口されるが、フット用温風開口部32a、32bおよびフェイス吹出開口部20はともに吹出モード切替ドア45の膜部によって閉塞される。また、フット用エアミックスドア37a、37bがフット用冷風開口部34a、34bを全閉するので、フット吹出開口部22は空調ケース14内の通風路に対して遮断した状態となり、閉塞状態にある。
【0059】
従って、第1エアミックスチャンバー部31にて温風と冷風とを混合して所定温度となった空調風がデフロスタ吹出開口部19とサイドフェイス吹出開口部21のみから吹き出す。
次に、図7〜図9は後席用吹出開口部23への空調風の温度調整作用を説明するものであって、前席側の吹出モードが上述の図3〜図6のいずれのモードにあっても、吹出モード切替ドア45はその開口部によって後席用温風開口部33を常に全開している。従って、この後席用温風開口部33を通じて後席用温風通路35は常にヒータコア16直後の部位に連通している。
【0060】
一方、後席用冷風通路39は第2バイパス路18に直接連通しているので、後席用温風通路35からの温風量と、後席用冷風通路39からの冷風量との割合を後席用エアミックスドア41の開度により調整することにより、後席用エアミックスチャンバー部40において所定温度の空調風を得ることができる。
図7は最大冷房(MAX COOL)モードであり、後席用エアミックスドア41が後席用温風通路35を全閉し、後席用冷風通路39を全開している状態である。従って、後席用吹出開口部23には後席用冷風通路39からの冷風のみが流れ、最大冷房能力を発揮できる。
【0061】
図8は冷風と温風を混合するエアミックス(A/M)モード、すなわち中間温度制御状態であり、後席用エアミックスドア41が後席用温風通路35および後席用冷風通路39の両方をともに開口する中間開度の位置に操作されて、中間温度の空調風を得る状態にある。
図9は最大暖房(MAX HOT)モードであり、後席用エアミックスドア41が後席用温風通路35を全開し、後席用冷風通路39を全閉している状態である。従って、後席用吹出開口部23には後席用温風通路35からの温風のみが流れ、最大暖房能力を発揮できる。
【0062】
後席用吹出開口部23に流れる空調風の温度を制御する後席用エアミックスドア41は、前席側のフェイス・デフロスタ用の第1エアミックスドア26およびフット用第2エアミックスドア37a、37bと独立に開度を調整するようになっているので、車室内の前後に吹き出す空調風の温度を独立に制御できる。
ところで、本実施形態による上記の作動は、具体的には、図10に示す空調用電子制御装置(ECU)50により各種空調機器を自動制御することにより行われる。図10の電気制御ブロック図において、ECU50はマイクロコンピュータ等から構成されるもので、送風機ユニット1および空調ユニット2に装備される各種空調機器を予め設定されたプログラムに従って制御するものである。なお、ECU50は、自動車のエンジンのイグニッションスイッチ(図示せず)がオンされたときに、車載バッテリー(図示せず)から電源が供給される。
【0063】
ECU50には周知のセンサ群51からのセンサ信号、車室内前方の計器盤部に設置される空調用の前席側操作パネル52、および車室内後席側に設置される空調用の後席側操作パネル53からの操作信号が入力される。センサ群51としては、周知のごとく車室外温度(外気温)を検出する外気温センサ54、車室内温度(内気温)を検出する内気温センサ55、車室内への日射量を検出する日射センサ56、蒸発器15吹出空気温度を検出する蒸発器後温度センサ57、ヒータコア16への温水温度を検出する水温センサ58等が設けられる。
【0064】
前席側操作パネル52には、前席側温度設定器59、前席側風量設定器60、前席側吹出モード設定器61、内外気モード設定器62等が設けられ、一方、後席側操作パネル53には後席側温度設定器63、後席側吹出モード設定器64等が設けられる。
次に、ECU50により制御される各種空調機器の駆動手段として、内外気切替ドア7、8の駆動用モータ66、送風ファン11の駆動用モータ12、フェイス・デフロスタ用第1エアミックスドア26を移動させる第1駆動軸24の駆動用モータ68、フット用第2エアミックスドア37a、37bの駆動用モータ69、後席用エアミックスドア41の駆動用モータ70、吹出モード切替ドア45を移動させる第2駆動軸43の駆動用モータ71、温水弁16bの駆動用モータ72等が設けられている。
【0065】
次に、上記したECU50による具体的制御例を図11のフローチャートに基づいて説明する。なお、図11のフローチャートでは説明の簡略化のために、空調制御の主要部である前席側の制御についてのみ説明し、後席側の制御の説明は省略している。
図11の制御ルーチンは、前席側操作パネル52の前席側風量設定器(風量スイッチ)60の投入あるいは空調オートスイッチの投入により起動し、ステップS100でタイマー、フラグ等の初期化を行ってから、ステップS110で図10のセンサ群51からのセンサ信号および操作パネル52、53からの操作信号等を読み込む。
【0066】
次に、ステップS120で目標吹出空気温度TAOを算出する。この目標吹出空気温度TAOは、車室内を前席側温度設定器59により設定された前席側設定温度に維持するために必要な目標温度であって、外気温、内気温、車室内への日射量および前席側設定温度に基づいて算出される。TAOの具体的な算出式は周知であるので、説明を省略する。
【0067】
次に、ステップS130で目標送風機電圧を図12のマップにより目標吹出空気温度TAOに基づいて決定する。この目標送風機電圧は送風機10の駆動用モータ12への印加電圧であり、この目標送風機電圧のレベルを上下させることにより、送風機10の回転数、すなわち、送風機10の風量を調整できる。なお、図12のマップは予め設定され、ECU50のマイクロコンピュータのROMに記憶されているものであり、以下の図13〜図16のマップも同様にROMに記憶されている。
【0068】
次に、ステップS140で吹出モードを図13のマップにより目標吹出空気温度TAOに基づいて決定する。なお、デフロスタ(DEF)モードは、図13のマップによらず、前席側操作パネル52に設けられた前席側吹出モード設定器61の手動操作にて設定される。
図13のマップにおいて、日射補正必要領域Zとは、TAOの高温領域(すなわち冬期の暖房領域)で、かつ、日射があるときに、吹出モードとしてバイレベル(B/L)モードの設定範囲を拡大する領域である。すなわち、TAOの高温領域であっても日射がないときは、バイレベルモードの上限をTAO=TAO1 としているが、TAOの高温領域で、かつ、日射があるときは、バイレベルモードの上限をTAO=TAO2 まで拡大しており、このバイレベルモードの設定範囲の拡大領域が日射補正必要領域Zである。
【0069】
この日射補正必要領域ZはTAOの高温領域であるため、フット(FOOT)吹出温度を高める必要があるが、その反面、冬期の低高度の日射によって乗員が上半身に温熱感を感じるので、フェイス(FACE)側の吹出空気温度を低下させないと、乗員に対して快適な空調フィーリングを与えることができない。そこで、TAOの高温領域で、かつ、日射があるときは、バイレベルモードを上記日射補正必要領域Zの範囲まで拡大するように図13のマップを補正する。
【0070】
次に、ステップS150で仮のエアミックス(A/M)ドア開度SWを次の数式1にて決定する。
【0071】
【数1】
SW=(TAO−TE)/(TW−TE)
但し、TEは蒸発器15直後の吹出空気温度であり、TWはヒータコア16に流入する温水の温度である。
次に、ステップS160で、吹出モードがフェイス(FACE)モードまたはデフロスタ(DEF)モードであるか判定する。吹出モードがフェイス(FACE)モードまたはデフロスタ(DEF)モードであるときは、先に図3、6で作動説明したように、フット用の第2エアミックスドア37a、37bは作動せず、フット用冷風開口部34a、34bを全閉する位置に操作されたままで、フット吹出開口部22からの空気吹出はない。
【0072】
従って、フェイス(FACE)モードまたはデフロスタ(DEF)モードであるときは、フット用第2エアミックスドア37a、37bの開度制御を行う必要がないので、ステップS160から直接ステップS220に進み、ステップS130で算出した目標送風機電圧の制御出力を送風機駆動用モータ12に加える。次に、ステップS230に進み、ステップS150で決定した、仮のエアミックス(A/M)ドア開度SWに対応した制御出力をそのまま、フェイス・デフロスタ用第1エアミックスドア26の駆動用モータ68に加える。
【0073】
次に、ステップS240に進み、ステップS140で決定した吹出モードに対応した制御出力を吹出モード切替ドア45の駆動用モータ71に加える。
以上のように、フェイス(FACE)モードまたはデフロスタ(DEF)モードであるときは、通常通りの空調自動制御が行われる。
一方、吹出モードがバイレベル(B/L)モード、フット(FOOT)モードあるいはフットデフロスタ(F/D)モードであるときはステップS160からステップS170に進み、図14のマップによりフェイス・デフロスタ用第1エアミックスドア26の開度SWFAおよびフット用第2エアミックスドア37a、37bの開度SWFOを決定する。
【0074】
すなわち、図14の破線▲1▼は仮のエアミックスドア開度SWであり、これに対し、▲2▼はバイレベル(B/L)モード時のドア開度を決定する特性であり、また▲3▼はフット(FOOT)モードおよびフットデフロスタ(F/D)モード時のドア開度を決定する特性である。このドア開度特性▲2▼、▲3▼に基づくドア開度決定の一例を述べると、いま、仮のエアミックスドア開度SW=SW1 であるとすると、バイレベルモードであれば、SWFA=SW1 、SWFO=SW2 (SW2 >SW1 )と決定する。また、フット(あるいはフットデフロスタ)モードであれば、SWFA=SW1 、SWFO=SW3 (SW3 <SW1 )と決定する。
【0075】
ここで、バイレベルモード時のドア開度特性▲2▼は、仮のエアミックスドア開度SWの特性▲1▼よりも急峻に立ち上がる特性であるので、基準となる仮のエアミックスドア開度SWに対してフット用ドア開度SWFOを最大暖房側(HOT側)に補正(開度増加)することができ、これにより、フット吹出空気への温風量を増加してバイレベルモード時での上下吹出温度差を拡大できる。
【0076】
なお、バイレベルモード時にフット用ドア開度SWFOを基準となる仮のエアミックスドア開度SWと同一値に固定し、その代わりに、フェイス・デフロスタ用ドア開度SWFAを最大冷房側(COOL側)に補正(開度減少)するようにしてもよい。これによっても、フェイス吹出空気への冷風量を増加して、バイレベルモード時での上下吹出温度差を拡大できる。
【0077】
一方、フットモード(あるいはフット・デフロスタモード)時のドア開度特性▲3▼は、仮のエアミックスドア開度SWの特性▲1▼よりも緩やかに立ち上がる特性であるので、基準となる仮のエアミックスドア開度SWに対してフット用ドア開度SWFOを最大冷房側(COOL側)に補正(開度減少)することができ、これにより、フット吹出空気への温風量を減少させる。従って、フットモード(フット・デフロスタモード)時はバイレベルモード時に比して上下吹出温度差を縮小できる。
【0078】
なお、フットモード(フット・デフロスタモード)時において、フット用ドア開度SWFOを基準となる仮のエアミックスドア開度SWと同一値に固定し、その代わりに、フェイス・デフロスタ用ドア開度SWFAを最大暖房側(HOT側)に補正(開度増加)するようにしてもよい。これによれば、デフロスタ吹出空気への温風量を増加して、フットモード(フット・デフロスタモード)時での上下吹出温度差をバイレベルモード時より縮小できる。
【0079】
以上のように、図14のマップによるエアミックスドア開度SWFO、SWFAの補正により、バイレベルモード時での上下吹出温度差をフットモード(あるいはフット・デフロスタモード)時よりも拡大でき、バイレベルモード時の空調フィーリングを向上できる。
次に、ステップS180にてバイレベル(B/L)モードか判定し、バイレベル(B/L)モードであれば、ステップS190にて図15のマップによりフェイス・デフロスタ用エアミックスドア開度SWFAおよびフット用エアミックスドア開度SWFOをさらに補正する。
【0080】
図15のマップにおいて、破線▲2▼は図14のマップにおけるバイレベル(B/L)モード時のドア開度を決定する特性であり、そして、実線▲4▼はバイレベル(B/L)モードの中で、フェイス吹出開口部20、21からの風量大のモードAにおけるドア開度特性であり、実線▲5▼はバイレベル(B/L)モードの中で、フェイス吹出開口部20、21からの風量小のモードBにおけるドア開度特性である。従って、モードAの風量>モードBの風量の関係になっている。
【0081】
次に、図15のマップによる開度補正の技術的意義を具体的に説明すると、本実施形態では、バイレベル(B/L)モード時に、吹出モード切替ドア45の操作位置を段階的あるいは連続的に変更して、フェイス吹出開口部20、21の開口面積とフット吹出開口部22への温風開口部32a、32bの開口面積とを段階的(あるいは連続的)に変更することより、上下の吹出風量の割合を多段階(あるいは連続的)に変更するようになっている。
【0082】
ここで、フェイス吹出開口部20、21の開口面積を大にしてフェイス吹出空気の風量を増大したモードAの場合は、フット吹出開口部22への温風開口部32a、32bの開口面積が絞られ、フット吹出空気への温度調整用温風量が減少して、上下吹出温度差が縮小しようとする。
そこで、フェイス吹出空気の風量大のモードAの場合は、図15の▲4▼の特性により、フェイス吹出空気の風量小のモードBの場合に比して、フット用エアミックスドア開度SWFOを、例えば、SWFO=SW4 →SW5 へ最大暖房側(HOT側)へ補正(開度増加)することにより、フット吹出空気温度を必要温度まで上昇させて、所定の上下吹出温度差を確保することができる。
【0083】
ここで、SWFO=SW4 に固定し、その代わりに、フェイス・デフロスタ用エアミックスドア開度SWFAを、最大冷房側(COOL側)へ補正(開度減少)することにより、フェイス吹出温度を引き下げて、所定の上下吹出温度差を確保するようにしてもよい。
一方、フェイス吹出空気の風量小のモードBの場合は、フット吹出開口部22への温風開口部32a、32bの開口面積が増大してフット吹出空気への温度調整用温風量が増大するので、上下吹出温度差が拡大しようとする。
【0084】
そこで、フェイス吹出空気の風量小のモードBの場合は、図15の▲5▼の特性により、フット用エアミックスドア開度SWFOを、例えば、SWFO=SW4 →SW6 へ最大冷房側(COOL側)へ補正(開度減少)することにより、フット吹出空気温度の過度な上昇を抑制して所定の上下吹出温度差を維持することができる。ここで、フット用エアミックスドア開度SWFOをSW4 に固定し、その代わりに、フェイス・デフロスタ用エアミックスドア開度SWFAを最大暖房側(HOT側)へ補正(開度増加)することにより、フェイス吹出温度を引き上げて、所定の上下吹出温度差を確保するようにしてもよい。
【0085】
次に、ステップS200にてバイレベルモードが日射補正領域Zにあるか判定する。この判定は前述の図13に示すように、TAOが所定値TAO1 以上であって、かつ、車室内への日射量が所定値以上であるかによって判定する。
そして、バイレベルモードが日射補正領域ZにあるときはステップS210に進み、図16のマップによりフェイス・デフロスタ用エアミックスドア開度SWFAおよびフット用エアミックスドア開度SWFOをさらに補正する。
【0086】
この図16のマップによるドア開度の補正は、冬期日射時における上下独立温度制御の補正を行うためである。すなわち、冬期に、車室内の乗員の上半身に日射が当たるとき、その日射量の増加に応じてフェイス・デフロスタ用のエアミックスドア開度SWFAを最大冷房側(COOL側)へ補正するとともに、フット用エアミックスドア37a、37bの操作位置を最大暖房側(HOT側)へ補正する。
【0087】
ここで、フェイス・デフロスタ用エアミックスドア26の操作位置を最大冷房側に変更すると、フット吹出開口部22への温風開口部32a、32bの開口面積が絞られ、フット吹出空気への温度調整用温風量が減少するが、本実施形態によれば、フット用エアミックスドア37a、37bの操作位置を最大暖房側に補正することにより、フット吹出空気温度の低下を防止できる。
【0088】
従って、冬期日射時に上部側の吹出温度のみを低下させて乗員頭部側の火照り感を解消しつつ、足元の暖房感を確保でき、空調フィーリングを向上できる。
(他の実施形態)
なお、上記の実施形態では、前席側のフェイス・デフロスタ用第1エアミックス手段として、フィルム状膜状部材からなるエアミックスドア26を用い、また、前席側の吹出モード切替手段として、フィルム状膜状部材からなる吹出モード切替ドア45を用いているが、これらの膜状部材からなるドア26、45の代わりに、1枚あるいは複数枚の板状のドアを使用することができる。
【0089】
また、逆に、板状のフット用エアミックスドア37a、37bおよび後席用エアミックスドア41をフィルム状膜状部材からなるドアに置換することも可能である。
また、上記の実施形態では、前席側のフェイス・デフロスタ用第1エアミックスドア26およびフット用エアミックスドア37a、37bに対して、後席用エアミックスドア41の開度を独立に調整できるようにして、空調風の温度を車室前後でも独立に制御できるようにしているが、後席用吹出開口部23、後席用エアミックスドア41等の後席側機構をすべて廃止し、前席側機構のみを備える車両用空調装置に本発明を適用してもよいことはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における全体構成を示す概要断面図である。
【図2】(a)は図1のA矢視図、(b)は図1のC矢視図である。
【図3】図1の空調ユニットのフェイスモードの説明図である。
【図4】図1の空調ユニットのバイレベルモードの説明図である。
【図5】図1の空調ユニットのフットモードの説明図である。
【図6】図1の空調ユニットのデフロスタモードの説明図である。
【図7】図1の空調ユニットの後席側最大冷房モードの説明図である。
【図8】図1の空調ユニットの後席側エアミックスモードの説明図である。
【図9】図1の空調ユニットの後席側最大暖房モードの説明図である。
【図10】本発明の一実施形態における電気制御部のブロック図である。
【図11】本発明の一実施形態における電気制御部の作動を示すフローチャートである。
【図12】本発明の一実施形態における目標送風機電圧の制御マップの説明図である。
【図13】本発明の一実施形態における吹出モードの制御マップの説明図である。
【図14】本発明の一実施形態におけるフット用エアミックスドアおよびフェイスデフロスタ用エアミックスドアの開度補正のための制御マップの説明図である。
【図15】同エアミックスドアの開度補正のための制御マップの説明図である。
【図16】同エアミックスドアの開度補正のための制御マップの説明図である。
【符号の説明】
14…空調ケース、15…蒸発器(冷却用熱交換器)、
16…ヒータコア(加熱用熱交換器)、17…第1バイパス路、
18…第2バイパス路、19…デフロスタ吹出開口部、
20、21…フェイス吹出開口部、22…フット吹出開口部、
26…フェイス・デフロスタ用エアミックスドア、
32a、32b…フット用温風開口部、
37a、37b…フット用エアミックスドア、45…吹出モード切替ドア。
Claims (6)
- 空調風を冷却する冷却用熱交換器(15)と、
前記冷却用熱交換器(15)の下流側に設置され、空調風を加熱する加熱用熱交換器(16)と、
空調風を車室内乗員の上半身側に向かって吹き出すフェイス吹出開口部(20、21)と、
空調風を車室内乗員の足元部に向かって吹き出すフット吹出開口部(22)と、
空調風を車両窓ガラス内面に向かって吹き出すデフロスタ吹出開口部(19)と、
前記加熱用熱交換器(16)をバイパスする冷風を前記フェイス吹出開口部(20、21)および前記デフロスタ吹出開口部(19)側へ導く第1バイパス路(17)と、
前記加熱用熱交換器(16)をバイパスする冷風を前記フット吹出開口部(22)側へ導く第2バイパス路(18)と、
前記加熱用熱交換器(16)を通過する温風と前記第1バイパス路(17)を通過する冷風との風量割合を調整して、前記フェイス吹出開口部(20、21)および前記デフロスタ吹出開口部(19)への空調風の温度を調整するフェイス・デフロスタ用エアミックスドア(26)と、
前記加熱用熱交換器(16)を通過する温風と前記第2バイパス路(18)を通過する冷風との風量割合を調整して、前記フット吹出開口部(22)への空調風の温度を調整するフット用エアミックスドア(37a、37b)とを備え、
前記フェイス・デフロスタ用エアミックスドア(26)が前記フット用エアミックスドア(37a、37b)の空気流れ上流側に配置されており、
前記フェイス吹出開口部(20、21)と前記フット吹出開口部(22)の両方から同時に空調風を吹き出すバイレベルモードと、前記デフロスタ吹出開口部(19)と前記フット吹出開口部(22)の両方から同時に空調風を吹き出すフットモードが設定可能になっており、
前記バイレベルモードにおける上下吹出温度差が前記フットモードにおける上下吹出温度差よりも拡大するように、前記フェイス・デフロスタ用エアミックスドア(26)および前記フット用エアミックスドア(37a、37b)の操作位置を決定する制御手段(S170、S190、S210)を有し、
さらに、前記フェイス吹出開口部(20、21)、前記デフロスタ吹出開口部(19)および前記フット吹出開口部(22)への空調風の流れを制御する吹出モード切替ドア(45)を備え、
前記吹出モード切替ドア(45)が前記フット用エアミックスドア(37a、37b)の空気流れ上流側で、かつ、前記フェイス・デフロスタ用エアミックスドア(26)の空気流れ下流側に配置されていることを特徴とする車両用空調装置。 - 前記バイレベルモードにおいて、前記フェイス吹出開口部(20、21)からの吹出風量と、前記フット吹出開口部(22)からの吹出風量との風量割合を前記吹出モード切替ドア(45)の操作位置により変更可能になっており、
前記制御手段(S170、S190、S210)は、前記バイレベルモードにおける前記フェイス吹出開口部(20、21)からの吹出風量の大小に応じて前記フェイス・デフロスタ用エアミックスドア(26)および前記フット用エアミックスドア(37a、37b)の操作位置を決定することを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。 - 前記フェイス・デフロスタ用エアミックスドア(26)および前記吹出モード切替ドア(45)はフィルム状膜状部材で構成され、
前記フット用エアミックスドア(37a、37b)は平板状のドアで構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用空調装置。 - 車室内への目標吹出温度(TAO)が低温側から高温側へ上昇するにつれて、前記フェイス吹出開口部(20、21)から空調風を吹き出すフェイスモード、前記バイレベルモード、および前記フットモードを順次切替可能になっており、
前記目標吹出温度(TAO)が所定値以上で、かつ、日射量が所定値以上であるときは、前記バイレベルモードを前記目標吹出温度(TAO)の高温側へ拡大して日射補正領域(Z)を設定するようになっており、
前記日射補正領域(Z)を設定したときは、前記制御手段(S170、S190、S210)により、日射量の増加に応じて前記フット用エアミックスドア(37a、37b)の操作位置を最大暖房側へ補正し、前記フェイス・デフロスタ用エアミックスドア(26)の操作位置を最大冷房側へ補正することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車両用空調装置。 - 空調風を冷却する冷却用熱交換器(15)と、
前記冷却用熱交換器(15)の下流側に設置され、空調風を加熱する加熱用熱交換器(16)と、
空調風を車室内乗員の上半身側に向かって吹き出すフェイス吹出開口部(20、21)と、
空調風を車室内乗員の足元部に向かって吹き出すフット吹出開口部(22)と、
空調風を車両窓ガラス内面に向かって吹き出すデフロスタ吹出開口部(19)と、
前記加熱用熱交換器(16)をバイパスする冷風を前記フェイス吹出開口部(20、21)および前記デフロスタ吹出開口部(19)側へ導く第1バイパス路(17)と、
前記加熱用熱交換器(16)をバイパスする冷風を前記フット吹出開口部(22)側へ導く第2バイパス路(18)と、
前記加熱用熱交換器(16)を通過する温風と前記第1バイパス路(17)を通過する冷風との風量割合を調整して、前記フェイス吹出開口部(20、21)および前記デフロスタ吹出開口部(19)への空調風の温度を調整するフェイス・デフロスタ用エアミックスドア(26)と、
前記加熱用熱交換器(16)を通過する温風と前記第2バイパス路(18)を通過する冷風との風量割合を調整して、前記フット吹出開口部(22)への空調風の温度を調整するフット用エアミックスドア(37a、37b)とを備え、
前記フェイス・デフロスタ用エアミックスドア(26)が前記フット用エアミックスドア(37a、37b)の空気流れ上流側に配置されており、
前記フェイス吹出開口部(20、21)と前記フット吹出開口部(22)の両方から同時に空調風を吹き出すバイレベルモードと、前記デフロスタ吹出開口部(19)と前記フット吹出開口部(22)の両方から同時に空調風を吹き出すフットモードが設定可能になっており、
前記バイレベルモードにおける上下吹出温度差が前記フットモードにおける上下吹出温度差よりも拡大するように、前記フェイス・デフロスタ用エアミックスドア(26)および前記フット用エアミックスドア(37a、37b)の操作位置を決定する制御手段(S170、S190、S210)を有し、
車室内への目標吹出温度(TAO)が低温側から高温側へ上昇するにつれて、前記フェイス吹出開口部(20、21)から空調風を吹き出すフェイスモード、前記バイレベルモード、および前記フットモードを順次切替可能になっており、
前記目標吹出温度(TAO)が所定値以上で、かつ、日射量が所定値以上であるときは、前記バイレベルモードを前記目標吹出温度(TAO)の高温側へ拡大して日射補正領域(Z)を設定するようになっており、
前記日射補正領域(Z)を設定したときは、前記制御手段(S170、S190、S210)により、日射量の増加に応じて前記フット用エアミックスドア(37a、37b)の操作位置を最大暖房側へ補正し、前記フェイス・デフロスタ用エアミックスドア(26)の操作位置を最大冷房側へ補正することを特徴とする車両用空調装置。 - 前記フェイス・デフロスタ用エアミックスドア(26)を駆動する駆動手段(68)と、前記フット用エアミックスドア(37a、37b)を駆動する駆動手段(69)がそれぞれ独立に構成されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
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