JP4450145B2 - 車両用空調装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用空調装置における吹出モードドアと温度制御手段(エアミックスドア、温水弁等)の駆動を1つのアクチュエータにより行うシステムにおいて、特に、吹出モードをマニュアル設定する際の吹出モードパターンに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両用空調装置においては、内外気切替ドア、温度制御手段(エアミックスドア、温水弁等)、および吹出モードドアを備えており、これらの機器を手動操作機構またはアクチュエータ(サーボモータ)によりそれぞれ独立に操作するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
近年、車両用空調装置では乗員による操作性向上のために、スイッチ操作にてアクチュエータを作動させて上記各機器を軽快に操作できるようにしたものが増加している。このようなものでは、内外気切替、温度制御および吹出モード切替のためにそれぞれ専用のアクチュエータを必要とし、コストアップを招く。
【0004】
そこで、本発明者らは、アクチュエータの数を減らすために、温度制御と吹出モードの切替とを1つのアクチュエータにて行うことを検討してみた。すなわち、吹出モードの切替が温度制御手段の操作位置と相関があることに着目して、温度制御手段の操作位置が低温側から高温側へと移行するにつれて、吹出モードをフェイスモード、バイレベルモード、フットモードと順次切り替えることにより、温度制御と吹出モードの切替とを1つのアクチュエータにより行うことを検討してみた。
【0005】
しかし、温度制御と吹出モードの切替とを単純に1つのアクチュエータにて行うと、温度制御手段の操作位置と吹出モードの切替とが常に1対1の関係で固定されてしまう。この結果、次のような不具合が発生する。
【0006】
すなわち、その第1は、各吹出モードでの温度制御範囲が常に所定温度域に固定されてしまうことである。つまり、フェイスモードは低温域、バイレベルモードは中間温度域、フットモードは高温域にそれぞれ固定されてしまうので、例えば、バイレベルモードにおいて低温または高温の空気を車室内上下両側へ吹き出すといった空調状態を設定できず、空調状態の選択範囲が狭められる。
【0007】
また、デフロスタモードは、温度制御手段の操作位置と関係なく、窓ガラスの曇り発生時に随時設定する必要があるが、上記のように温度制御と吹出モードの切替とを単純に連動させる方式であると、デフロスタモードを随時設定することができない。
【0008】
そこで、本発明者らは先に、特願2000−310866号の特許出願にて、温度制御手段の駆動と吹出モードドアの駆動とを1つのアクチュエータにて行うことができるとともに、各吹出モードでの温度制御を温度制御手段の最低温度側から最高温度側の全範囲にわたって行うことができ、更に、温度制御手段の操作位置に連動して複数の吹出モードを自動切替するオートモード機能と、複数の吹出モードを乗員の操作により随時マニュアル設定できるマニュアルモード機能との両立を図ることが可能な車両用空調装置を提案している。
【0009】
上記先願のものでは、1つのアクチュエータの所定の作動角範囲毎に、温度制御手段の位置を最低温度位置と最高温度位置との間で変化させる温度制御パターンを周期的に複数回出現させるリンク機構を備え、この複数回の温度制御パターンのうち、1つの温度制御パターンでは温度制御手段の位置が最低温度位置と最高温度位置との間で変化するに伴って、吹出モードドアにより複数の開口部を開閉して、複数の吹出モードを自動切替するようになっている。
【0010】
更に、複数回の温度制御パターンのうち、他の複数の温度制御パターンでは温度制御手段の位置が最低温度位置と最高温度位置との間で変化しても、吹出モードドアをそれぞれ異なる別の吹出モード位置に固定するようにしている。
【0011】
これにより、上記1つの温度制御パターンでは温度制御手段の操作位置に連動して複数の吹出モードを自動切替するオートモード機能を発揮することができ、乗員の吹出モード切替の操作負担を軽減できる。また、車両用空調装置における吹出温度制御と吹出モードの切替を1つのアクチュエータにて行うことができる。
【0012】
しかも、上記他の複数の温度制御パターンでは、複数の吹出モードを乗員の操作により随時マニュアル設定できるマニュアルモード機能を発揮することができ、従って、乗員の意志に基づいて、吹出温度域とは無関係に所望の吹出モードをマニュアル設定できる。更に、マニュアル設定した所望の吹出モードにおいて、温度制御手段の最低温度位置と最高温度位置の全範囲にわたって吹出空気温度を制御できる。
【0013】
図16は上記先願の作動特性図であり、横軸は上記アクチュエータの作動角であり、縦軸は温度制御手段をなすエアミックスドアの開度(車室内への吹出温度)および吹出モードを示している。
【0014】
上記先願では、アクチュエータの作動角として、▲1▼温度制御手段の操作位置に連動してフェイス、バイレベル、フットの各吹出モードを自動切替するオート域のために、例えば、120°を設定し、▲2▼また、フェイス、バイレベル、フット、フットデフロスタ、およびデフロスタの各吹出モードをマニュアル設定するマニュアル域のために、アクチュエータの作動角として例えば、240°を設定している。
【0015】
このため、上記先願では、アクチュエータの作動角が合計360°以上必要となる。これは次の理由からである。すなわち、エアミックスドアの開度調整により車室内への吹出温度を微細に滑らかに制御するためには、アクチュエータの作動角変化に対するエアミックスドアの開度変化量を小さくして、温度制御の分解能を小さくすることが必要であり、このためには、各吹出モードに割り当てるアクチュエータの作動角をある程度以上大きくする必要がある。図16の例では、マニュアル域の各吹出モードに40°の作動角を与えており、この結果、アクチュエータの作動角が合計360°以上となっている。
【0016】
ところで、アクチュエータとして、実際の作動角をポテンショメータ等により検出して作動角の制御を行うサーボモータを使用する場合には、モータ作動角が360°以上になると、作動角検出部の構成が煩雑となり、アクチュエータのコストアップを招く。
【0017】
また、上記先願では、マニュアル域において吹出モードを切り替えると、図16の矢印a〜eに示すように何度も車室内への吹出温度が変化(上下動)してしまうという不具合が生じる。
【0018】
なお、各吹出モードに割り当てるアクチュエータの作動角を小さくすれば、アクチュエータの合計作動角を減少できるが、その反面、温度制御の分解能が大きくなり、温度制御性が悪化する。また、アクチュエータの作動角減少に伴って、アクチュエータの単位作動角当たりのドア変位量が大きくなるので、アクチュエータの操作トルクが大きくなってしまうという問題も生じる。
【0019】
本発明は上記点に鑑みてなされたもので、温度制御手段の駆動と吹出モードドアの駆動とを1つのアクチュエータにて行うとともに、温度制御手段の操作位置に連動して複数の吹出モードを自動切替するオート機能と、吹出モードを乗員の操作により随時マニュアル設定できるマニュアル機能とを両立させる車両用空調装置において、アクチュエータの作動角の増大の抑制と、吹出モードのマニュアル切替に伴う車室内への吹出温度変化の抑制を図ることを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するための手段を以下の知見に基づいて案出したものである。
【0021】
複数の吹出モードを自動切替するオートモード機能を持つ車両用空調装置において、乗員がマニュアル操作により吹出モードを特定のモードに固定する理由について、本発明者らが車両ユーザーに対して直接インタビュー等により調査したところ、図17に示すような結果が得られた。なお、デフロスタモードの選択理由は窓ガラスの曇り除去であり、自明であるので、図17には記載してない。
【0022】
図17の調査結果から、窓ガラスの曇り除去用のデフロスタモードが必須であることの他には、車室内上下から同時に空気を吹き出すバイレベルモードおよびフットデフロスタモードがあれば、乗員による吹出モードのマニュアル設定に対する要求をほぼ満足することができ、フェイスモードやフットモードは必ずしも必要ではなく、バイレベルモードで代用できることが判明した。
【0023】
本発明では、上記知見に基づいて、乗員によりマニュアル設定される吹出モードとして、フェイス開口部(22)、フット開口部(24)、およびデフロスタ開口部(19)から同時に空気を吹き出すマルチモードと、デフロスタ開口部(19)から空気を吹き出すデフロスタモードを設定するようにしたものである。
【0024】
具体的には、請求項1に記載の発明では、車室内への吹出温度を制御する温度制御手段(16)と、フェイス開口部(22)、フット開口部(24)、およびデフロスタ開口部(19)を開閉して、車室内への吹出モードを複数の吹出モードに切り替える吹出モードドア(20、23、26)と、温度制御手段(16)及び吹出モードドア(20、23、26)を駆動するための1つのアクチュエータ(27)とを備え、アクチュエータ(27)の作動角の所定範囲に、温度制御手段(16)の位置変化に伴って複数の吹出モードを自動切替するオート域を設定するとともに、アクチュエータ(27)の作動角の他の所定範囲に、温度制御手段(16)の位置変化にかかわらず、吹出モードドア(20、23、26)を特定の吹出モード位置に固定するマニュアル域を設定するようになっており、
マニュアル域における吹出モードとして、フェイス開口部(22)、フット開口部(24)、およびデフロスタ開口部(19)から同時に空気を吹き出すマルチモードと、デフロスタ開口部(19)から空気を吹き出すデフロスタモードを設定し、
更に、マルチモードにおいて、フェイス開口部(22)の開度を40%以下とし、フット開口部(24)の開度を60%以上としたことを特徴とする。
【0025】
これによると、マルチモードの設定によりバイレベルモードおよびフットデフロスタモードに相当する機能を発揮でき、乗員による吹出モードのマニュアル設定に対する要求を満足することができる。この結果、マニュアル域における吹出モードをマルチモードとデフロスタモードの2つのみにして、アクチュエータの全作動角を小さくできる。
【0026】
これと同時に、マニュアル域における吹出モード数の減少に伴って、吹出モードのマニュアル設定に際して、車室内への吹出温度が何度も変化するということがなくなり、乗員に与える違和感を解消できる。
【0027】
ところで、車両用空調装置では、冷房始動時におけるクールダウン性能の確保のために、フェイス開口部(22)側の通風路圧損がフット開口部(24)側の通風路圧損よりも大幅に小さくなるようにしてある。従って、マルチモードにおいて、フェイス吹出風量の割合が過大になってしまう恐れがあるが、請求項1によると、マルチモードにおいて、フェイス開口部(22)の開度を40%以下に制限し、一方、フット開口部(24)の開度は60%以上となるようにしているから、マルチモードにおいてフェイス吹出風量とフット吹出風量との割合を後述の図10に例示するようにバイレベルモードやフットデフロスタモードに適合した適切な風量割合に調整することができる。
【0028】
請求項2に記載の発明のように、請求項1のマルチモードにおいて、デフロスタ開度を50%以下としたことを特徴とする。
【0029】
ところで、車両用空調装置では、デフロスタ開口部(19)の側の通風路圧損は一般にフット開口部(24)側の通風路圧損と同程度、あるいはフット開口部(24)側の通風路圧損よりも小さい。従って、マルチモードにおいて、デフロスタ開度を50%以下に制限することにより、後述の図10に例示するようにマルチモード時にデフロスタ吹出風量を適度に制限して、バイレベルモード機能やフットデフロスタモード機能を良好に発揮できる。
【0030】
請求項3に記載の発明では、請求項1または2において、車室内へ向かって送風される空気を加熱する暖房用熱交換器(13)と、暖房用熱交換器(13)を通過した温風が流れる温風通路(17)と、暖房用熱交換器(13)をバイパスして冷風が流れる冷風バイパス通路(15)と、温風通路(17)からの温風と冷風バイパス通路(15)からの冷風とを混合する空気混合部(18)とを備え、
温度制御手段は、温風と前記冷風との風量割合を調整するエアミックスドア(16)であり、
フット開口部(24)を空気混合部(18)に対してデフロスタ開口部(19)およびフェイス開口部(22)よりも温風通路(17)からの温風が流入しやすい部位に配置するとともに、
デフロスタ開口部(19)およびフェイス開口部(22)を空気混合部(18)に対してフット開口部(24)よりも冷風バイパス通路(15)からの冷風が流入しやすい部位に配置することを特徴とする。
【0031】
これによると、マルチモードにおいてフット開口部(24)には温風が流入しやすくなり、一方、デフロスタ開口部(19)およびフェイス開口部(22)には冷風バイパス通路(15)からの冷風が流入しやすくなる。このため、フット吹出空気温度をデフロスタ吹出空気温度およびフェイス吹出空気温度より高くして(後述の図11、図12参照)、頭寒足熱形の快適な車室内吹出空気温度分布を得ることができる。
【0032】
請求項4に記載の発明では、請求項3において、冷風バイパス通路(15)、空気混合部(18)およびフェイス開口部(22)を、冷風バイパス通路(15)からの冷風が空気混合部(18)を通過してフェイス開口部(22)に向かって略直線状に流れるように配置したことを特徴とする。
【0033】
このように冷風が空気混合部(18)を通過してフェイス開口部(22)に向かって略直線状に流れることによりフェイス開口部(22)側の通風路圧損を十分小さくして冷房始動時のクールダウン性能のための吹出風量を確保できる。しかも、フェイス開口部(22)側の通風路圧損が十分小さくても請求項1のフェイス・フットの開度限定により、マルチモードにおいてバイレベルモード機能やフットデフロスタモード機能に適した風量割合を実現できる。
【0034】
請求項5に記載の発明では、請求項1ないし4のいずれか1つにおいて、車室内の計器盤(70)において車両左右方向の中央部付近に配置され、フェイス開口部(22)を通過した空気を乗員の顔部側へ吹き出すセンタフェイス吹出口(72)を備え、
センタフェイス吹出口(72)に、空気流れを断続可能なシャット機構(72a)を備えることを特徴とする。
【0035】
これにより、マルチモードにおいて、シャット機構(72a)によりセンタフェイス吹出口(72)を開放すると、センタフェイス吹出口(72)から空気を吹き出して、バイレベルモードに近似した機能を発揮できる。
【0036】
また、マルチモードにおいて、シャット機構(72a)によりセンタフェイス吹出口(72)を遮断すると、センタフェイス吹出口(72)からの空気吹出が無くなるので、フットデフロスタモードの機能を発揮できる。
【0037】
このようにセンタフェイス吹出口(72)のシャット機構(72a)の操作により、1つのマルチモードを、バイレベルモード機能の発揮とフットデフロスタモード機能の発揮とに切替使用でき、乗員の種々多様な要求に対してより一層対応しやすくなる。
【0038】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0039】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1は第1実施形態による車両用空調装置の空調ユニット部の概要を模式的に示す断面図であり、本実施形態の空調装置はいわゆるセミセンター置きレイアウトのものであって、空調ユニット10を車室内前方の計器盤70(図2)内部のうち車両左右方向の略中央部に空調ユニット10を配置している。図1、図2の矢印は車両の上下、前後、左右方向を示している。
【0040】
そして、この空調ユニット10に空調空気を送風する送風機ユニット(図示せず)が空調ユニット10の側方(助手席側)にオフセット配置されている。この送風機ユニットは、周知のごとく内気または外気を切替導入する内外気切替箱と、この内外気切替箱から吸入した空気(内気または外気)を空調ユニット10に向けて送風する遠心式の電動送風ファンとを備えている。
【0041】
空調ユニット10は樹脂製の空調ケース11を有し、この空調ケース11の内部に、送風空気が蒸発器12、ヒータコア13を通過して車両前方側から車両後方側へ向かって流れる空気通路を形成している。
【0042】
空調ケース11内の空気通路において、車両前方側に蒸発器12が配置され、車両後方側にヒータコア13が配置されている。蒸発器12は周知のごとく冷凍サイクルの冷媒の蒸発潜熱を空調空気から吸熱して空調空気を冷却する冷房用熱交換器である。ヒータコア13は車両エンジンの温水(冷却水)を熱源流体として空調空気を加熱する暖房用熱交換器である。空調ケース11において、最も車両前方側(蒸発器12の前方位置)で、かつ、助手席側の側面部には図示しない送風機ユニットからの送風空気が流入する空気入口部14が形成してある。
【0043】
ヒータコア13の上方部に冷風バイパス通路15を形成し、そして、蒸発器12の直ぐ下流側(車両後方側)には板状のエアミックスドア16が回転軸16aを中心として回転可能に配置されている。このエアミックスドア16は冷風バイパス通路15を通過する冷風とヒータコア13のコア部13aを通過する温風との風量割合を調整して車室内への吹出空気温度を所望温度に制御できるもので、吹出空気温度の温度制御手段を構成する。
【0044】
ヒータコア13直後の部位には上方に向かう温風通路17が形成され、この温風通路17からの温風と冷風バイパス通路15からの冷風が空気混合部18で混合される。
【0045】
空調ケース11の空気通路下流側には複数の吹出開口部が形成されており、この吹出開口部のうち、デフロスタ開口部19は空調ケース11の上面部において車両前後方向の略中央部位で、空調ケース11内部に開口している。そして、このデフロスタ開口部19は図示しないデフロスタダクトを介して計器盤70のデフロスタ吹出口71(図2)に連通し、このデフロスタ吹出口71から車両窓ガラスの内面に向けて空調空気を吹き出すようになっている。デフロスタ開口部19は回転軸20aを中心として回動可能な板状のデフロスタドア20により開閉される。
【0046】
次に、フェイス開口部22は空調ケース11の上面部において、デフロスタ開口部19よりも車両後方側の部位に開口している。このフェイス開口部22は、図示しないフェイスダクトを介して計器盤70のセンタフェイス吹出口72およびサイドフェイス吹出口73に連通し、この両フェイス吹出口72、73から車室内の乗員顔部側へ向けて空気を吹き出すようになっている。フェイス開口部22は回転軸23aを中心として回動可能な板状のフェイスドア23により開閉される。
【0047】
なお、サイドフェイス吹出口73に接続されるサイドフェイスダクトの入口開口部(サイドフェイス開口部)は、フェイス開口部22をフェイスドア23により閉じている時にも、フェイスドア23の切り欠き部により常時開口するようになっている。これにより、サイドフェイス吹出口73からは全吹出モードにおいて常に空気が吹き出すことができる。
【0048】
センタフェイス吹出口72は計器盤70の上方部において車両左右方向の中央部付近に2箇所配置され、また、サイドフェイス吹出口73は計器盤70の上方部において車両左右方向の両端部付近にそれぞれ1箇所ずつ配置されている。そして、センタフェイス吹出口72には空気流れを断続可能なシャット機構72aを備えている。
【0049】
このシャット機構72aは種々な構成が可能であり、例えば、センタフェイス吹出口72の枠体部に回転可能に保持した格子状の風向案内部材によりシャット機構72aを構成できる。具体的には、格子状の風向案内部材の車両左右方向の両端部にそれぞれ回転軸を一体に設け、この回転軸により格子状の風向案内部材をセンタフェイス吹出口72の枠体部に回転可能に保持し、手動操作により格子状の風向案内部材を回転させるようにする。
【0050】
図2(a)は、シャット機構(格子状の風向案内部材)72aによりセンタフェイス吹出口72を開口している状態を示し、図2(a)の状態からシャット機構(格子状の風向案内部材)72aを手動操作して車両上下方向に略90°回転させ、これにより、格子状の風向案内部材の板面によりセンタフェイス吹出口72の空気通路を遮断する。図2(b)はこのシャット機構(格子状の風向案内部材)72aにより空気通路を遮断した状態を示している。なお、格子状の風向案内部材の空気流れ上流部に空気流れを断続可能なドア部材を独立に配置し、このドア部材によりシャット機構72aを構成してもよい。
【0051】
なお、サイドフェイス吹出口73にも、格子状の風向案内部材を設けるとともに、この格子状の風向案内部材を用いたシャット機構、あるいは格子状の風向案内部材とは別体のシャット機構を設けてもよい。
【0052】
次に、フット開口部24は空調ケース11において、フェイス開口部22の下方側に開口しており、フット開口部24の下流側は空調ケース11の左右両側に配置されたフット吹出口25に連通し、このフット吹出口25から乗員の足元部に温風を吹き出すようなっている。フット開口部24は回転軸26aを中心として回動可能な板状のフットドア26により開閉される。
【0053】
また、上記配置関係により、フット開口部24はデフロスタ開口部19とフェイス開口部22よりも温風通路17に近接しているので、フット開口部24には温風通路17からの温風が流入しやすくなっている。
【0054】
一方、冷風バイパス通路15、空気混合部18およびフェイス開口部22を、冷風バイパス通路15からの冷風が空気混合部18を通過してフェイス開口部22に向かって矢印Xのように略直線状に流れるように配置している。これにより、3つの吹出開口部19、22、24のうち、フェイス開口部22へ最も小さい圧損で冷風が流入する。
【0055】
また、デフロスタ開口部19は、温風通路17よりも冷風バイパス通路15に近接して配置されているので、冷風バイパス通路15からの冷風が流入しやすいくなっている。つまり、フェイス開口部22とデフロスタ開口部19はフット開口部24よりも冷風バイパス通路15からの冷風が流入しやすい部位に配置されている。
【0056】
なお、図1の例では、上記各開口部19、22、24をそれぞれ専用の計3枚のドア20、23、26により開閉する構成としているが、周知のごとくデフロスタ開口部19とフェイス開口部22を共通の1枚のドアにより切替開閉したり、フェイス開口部22とフット開口部24を共通の1枚のドアにより切替開閉するようにしても良い。
【0057】
空調ユニット10において、エアミックスドア16の回転軸16a、デフロスタドア20の回転軸20a、フェイスドア23の回転軸23a、およびフットドア26の回転軸26aの一端部は空調ケース11の外部に突出させ、後述するリンク機構等を介して1つのアクチュエータ27に連結し、この1つのアクチュエータ27により温度制御用のエアミックスドア16と、吹出モード切替用ドア20、23、26の両方を開閉駆動するようなっている。
【0058】
ここで、アクチュエータ27として、本例では、モータ回転位置を検出する位置検出部を持ち、モータ回転位置を所定の回転位置に制御できるとともに、正逆両方向に回転可能な直流モータ(サーボモータ)を用いている。アクチュエータ27として、入力パルス数によりモータ回転位置を所定の回転位置に制御できるステップモータ等を用いてもよい。
【0059】
次に、1つのアクチュエータ27による、エアミックスドア16と吹出モード切替用ドア20、23、26の駆動システムを図3〜図5基づいて説明する。図3は第1実施形態による上記駆動システム(機械的機構部)の構成概要図で、図4は空調ケース11の外表面(運転席側の側面)における上記駆動システムの具体的搭載例を示すものである。
【0060】
図3、4に示すように空調ケース11の外表面の所定部位に、サーボモータからなるアクチュエータ27を配置し、このアクチュエータ27の出力軸28に分配リンク29を一体に連結している。この分配リンク29は概略円板状の部材であって、その一方の面、すなわち、裏面側に温度制御用係合溝30と吹出モード切替用係合溝31の両方が設けてある。この両溝30、31は図4に示すようにともに概略C状の形状であり、そして、概略C状の湾曲形状が互いに逆方向に向くように組み合わせてある。
【0061】
温度制御用係合溝30には接続レバー32に一体に設けたピン33が摺動可能に嵌合している。接続レバー32は回転軸34により空調ケース11に回転可能に支持されている。更に、接続レバー32は接続ロッド35を介してエアミックスドアレバー36に連結されている。
【0062】
このエアミックスドアレバー36はエアミックスドア16の回転軸16aに一体に連結されて、エアミックスドア16と一体に回転するようにしてある。従って、分配リンク29の回転により係合溝30の形状に沿ってピン33が変位し、これにより、接続レバー32、接続ロッド35およびエアミックスドアレバー36を介してエアミックスドア16が回転軸16aを中心として回転する。
【0063】
ここで、エアミックスドア16は図1の実線位置で示す最大冷房位置(ヒータコア13の通風路の全閉位置)と図1の2点鎖線位置で示す最大暖房位置(冷風バイパス通路15の全閉位置)との間で回転するもので、エアミックスドア16の開度は、最大冷房位置を0%とし、最大暖房位置を100%とする。従って、エアミックスドア16の最大冷房位置は吹出空気の最低温度位置に相当し、最大暖房位置は吹出空気の最高温度位置に相当する。
【0064】
分配リンク29の吹出モード切替用係合溝31には接続レバー37に一体に設けたピン38が摺動可能に嵌合している。接続レバー37は回転軸39(図3)により空調ケース11に回転可能に支持されている。
【0065】
更に、接続レバー37は接続ロッド40を介して吹出モードリンク41に連結されている。吹出モードリンク41は回転軸42により空調ケース11に回転可能に支持されている。
【0066】
吹出モードリンク41には3つの係合溝、すなわち、デフロスタ用係合溝41a、フェイス用係合溝41b、フット用係合溝41cが形成されている。デフロスタ用係合溝41a内にはピン43が摺動可能に嵌入されており、このピン43の変位に応じて中間レバー44が回転し、更に、中間レバー44を介してデフロスタドア20の駆動レバー45がデフロスタドア20の回転軸20aを中心として回転することによりデフロスタドア20を回転させることができる。
【0067】
また、フェイス用係合溝41bにはフェイスドア23の駆動レバー46のピン47が摺動可能に嵌入されている。同様に、フット用係合溝41cにはフットドア26の駆動レバー48のピン49が摺動可能に嵌入されている。このピン47、49の変位に応じて駆動レバー46、48を介してフェイスドア23、フットドア26を回転軸23a、26aを中心として回転させることができる。
【0068】
図5は第1実施形態の作動特性図で、アクチュエータ(サーボモータ)27の作動角の変化に対するエアミックスドア16の開度変化および吹出モードの変化を示す。この図5から分かるように、アクチュエータ27の作動角:288°の変化に対して、エアミックスドア16の開度を、0%(最大冷房位置)〜100%(最大暖房位置)との間で変化させる温度制御パターンを3回変化させるようになっている。
【0069】
すなわち、アクチュエータ27の作動角=0°〜θ5(本例では125°)の範囲にて、エアミックスドア16の開度が0%〜100%に変化し、このエアミックスドア開度の増加に連動して吹出モードをフェイスモード→バイレベルモード→フットモードと順次、自動的に切り替える。すなわち、アクチュエータ27の作動角=0°〜θ5の範囲は吹出モードを自動切替するオート域である。
【0070】
一方、アクチュエータ27の作動角=θ5〜θ9(本例では288°)の範囲は吹出モードをマニュアル設定するマニュアル域であり、先ず、アクチュエータ27の作動角=θ6〜θ7の範囲は、吹出モードとしてマルチモードをマニュアル設定する領域であり、この作動角=θ6〜θ7の範囲ではマルチモードを固定したまま、エアミックスドア16の開度を100%〜0%の全域にわたって変化させる。
【0071】
また、アクチュエータ27の作動角=θ8〜θ9の範囲は、吹出モードとしてデフロスタモード、すなわち、デフロスタ開口部19をデフロスタドア20により開口するモードをマニュアル設定する領域であり、この作動角=θ8〜θ9の範囲ではデフロスタモードを固定したまま、エアミックスドア16の開度を0%〜100%の全域にわたって変化させる。
【0072】
なお、マルチモードとは、デフロスタ開口部19とフェイス開口部22とフット開口部24の三者を同時に開口して、デフロスタ吹出口71、フェイス吹出口72、73およびフット吹出口25から同時に空気を車室内へ吹き出すことが可能となるフルオープンモードである。
【0073】
図5から分かるように、アクチュエータ27の作動角変化に対してエアミックスドア16の開度が変化する細点部と、吹出モードドア20、23、26を駆動して吹出モードを切り替える白抜き部とが交互に設定してある。これにより、エアミックスドア16と吹出モードドア20、23、26とを同時駆動する場合に比較して、アクチュエータ27の必要作動トルクを低減して、アクチュエータ27を小型化、低コスト化できる。
【0074】
このような交互駆動を実現するために、分配リンク29の温度制御用係合溝30と吹出モード切替用係合溝31には、それぞれピン33、38を駆動する駆動溝部と、ピン33、38の駆動を停止するアイドル溝部が溝延長方向に交互に形成されている。ここで、アイドル溝部は分配リンク29の回転中心、すなわち、モータ出力軸28を中心とする円弧状の溝部であって、分配リンク29が回転しても所定作動角の範囲にわたってピン33、38の駆動を停止する。
【0075】
より具体的には、アクチュエータ27の作動角の変化に対して、温度制御用係合溝30では、合計5つの細点部の区間において駆動溝部によりピン33を駆動してエアミックスドア16を駆動し、これに対して、合計4つの白抜き部の区間ではピン33がアイドル溝部内に位置するので、ピン33の駆動が停止され、エアミックスドア16の開度が一定値に固定される。
【0076】
また、吹出モード切替用係合溝31においては、合計5つの細点部の区間においてピン38がアイドル溝部内に位置するので、ピン38の駆動が停止され、吹出モードドア20、23、26の位置が一定に保持され、その結果、吹出モードを所定モードに固定できる。これに対して、合計4つの白抜き部の区間ではピン38が駆動溝部内に位置するので、ピン38が駆動され、吹出モードドア20、23、26の位置を変更して、吹出モードを切り替える。
【0077】
図6は図5の作動パターンを実現するためのアミックスドア16の作動角変化および吹出モードドア20、23、26の作動角変化の具体例を示すものである。図6の例では、アミックスドア16は90°付近の作動角で開度100%の全開状態となる。吹出モードドアのうち、フェイスドア23はオート域のフェイスモードにて作動角が最大となり、フェイス開口部22を全開する。また、フェイスドア23はオート域のバイレベルモードおよびマニュアル域のマルチモードにおいてそれぞれ所定の作動角でもってフェイス開口部22を所定開度開く。
【0078】
フットドア26はオート域のフットモードにて作動角が最大となり、フット開口部24を全開する。また、フットドア26はマニュアル域のマルチモードにて最大作動角より若干小さい作動角となり、フット開口部24を所定開度開く。更に、フットドア26はオート域のバイレベルモードにおいてもマルチモードより若干小さい作動角となり、フット開口部24を所定開度開く。
【0079】
デフロスタドア20はマニュアル域のデフロスタモードにて作動角が最大となり、デフロスタ開口部19を全開する。また、デフロスタドア20はマニュアル域のマルチモードおよびオート域のフットモードにて所定の作動角でもってデフロスタ開口部19を所定開度開く。
【0080】
図7は第1実施形態の空調操作パネル50の具体例であり、吹出モードノブ51は吹出モード操作部材を構成するものであり、マルチ(Multi)モードをマニュアル設定するための信号を出す押しボタン式のマルチモードスイッチ51aと、デフロスタ(Def)モードをマニュアル設定するための信号を出す押しボタン式のデフロスタスイッチ51bとを有している。この両スイッチ51a、51bはその一方がオンされると、他方がオフされるように連動している。また、この両スイッチ51a、51bはそのオン状態にて再度押圧操作すると、オン状態が解除されるようになっている。
【0081】
空調操作パネル50には、吹出モードノブ51の他に、回転式ノブを持つ温度設定器52、押しボタン式のエアコンスイッチ53、押しボタン式の内外気スイッチ54、押しボタン式のオートスイッチ55等が設けられている。周知のごとく温度設定器52は温度設定信号、エアコンスイッチ53は空調用圧縮機(図示せず)の作動の断続信号、内外気スイッチ54は送風機ユニットの内気・外気の切替導入信号を出す。
【0082】
また、オートスイッチ55は送風機の作動指令等を含む空調自動制御の作動指令信号を出す役割と、図5のオート域による吹出モードの自動切替状態を設定する信号を出す役割とを兼ねる。
【0083】
次に、第1実施形態における電気制御部の概要を図8により説明すると、空調用電子制御装置60には、空調制御のために、内気温TR、外気温TAM、日射量TS、蒸発器吹出温度(蒸発器冷却度合)TE、温水温度TW等を検出する周知のセンサ群61から検出信号が入力される。
【0084】
また、空調操作パネル50の吹出モードノブ51のスイッチ操作信号、温度設定器52から車室内の設定温度信号Tset、エアコンスイッチ53から空調用冷凍サイクルの圧縮機作動の断続信号(ON,OFF信号)、内外気スイッチ54から内外気切替信号、およびオートスイッチ55の操作信号が入力される。
【0085】
また、アクチュエータ27の回転位置センサ(ポテンショメータ)62からアクチュエータ27の作動角信号が入力される。
【0086】
空調用電子制御装置60はCPU、ROM、RAM等からなる周知のマイクロコンピュータと、その周辺回路にて構成されるもので、予め設定されたプログラムに従って所定の演算処理を行って、前述のアクチュエータ27、内外気切替ドア(図示せず)の駆動用アクチュエータ(サーボモータ)63、送風機(図示せず)の駆動用モータ64、圧縮機作動断続用の電磁クラッチ65等の通電制御を行うようになっている。
【0087】
次に、上記構成において本実施形態の作動を説明する。図9のフローチャートは空調用電子制御装置60のマイクロコンピュータにより実行される制御処理の概要を示し、図9の制御ルーチンは、車両エンジンのイグニッションスイッチがオンされて制御装置60に電源が供給された状態において、空調操作パネル50のオートスイッチ55が投入されるとスタートする。
【0088】
先ず、ステップS100ではフラグ、タイマー等の初期化がなされ、次のステップS110で、センサ群61からの検出信号、空調操作パネル50からの操作信号等を読み込む。
【0089】
続いて、ステップS120にて、下記数式1に基づいて、車室内へ吹き出される空調風の目標吹出温度(TAO)を算出する。この目標吹出温度(TAO)は車室内を温度設定器52の設定温度Tset に維持するために必要な吹出温度である。
【0090】
【数1】
TAO=Kset ×Tset −Kr ×TR−Kam×TAM−Ks ×TS+C
但し、TR:内気温、TAM:外気温、TS:日射量、Tset:設定温度信号
Kset 、Kr 、Kam、Ks :制御ゲイン
C :補正用の定数
次に、ステップS130に進み、エアミックスドア16の目標開度SWを次の数式2により算出する。
【0091】
【数2】
SW={(TAO−TE)/(TW−TE)}×100(%)
数式2によると、目標開度SWは、ヒータコア13の通風路を全閉する最大冷房位置を0%とし、冷風バイパス通路15を全閉する最大暖房位置を100%とする百分率で算出される。
【0092】
次に、ステップS140にてアクチュエータ27の目標作動角θを算出する。この目標作動角θは、図5の下段に示す特性を予めマップとしてROMに記憶しておくことにより、上記のエアミックスドア目標開度SWと、オートスイッチ55および吹出モードノブ51のスイッチ信号とにより算出できる。
【0093】
すなわち、オートスイッチ55のみが投入され、吹出モードノブ51のマルチモードスイッチ51aとデフロスタスイッチ51bがともに投入されていないときは、図5においてオート域が選択されていると判定して、アクチュエータ27の目標作動角θを、エアミックスドア目標開度SWに基づいて図5の0°〜θ5の範囲内で算出する。これにより、エアミックスドア目標開度SWの変化に対応して吹出モードをフェイスモード、バイレベルモード、フットモードの中から自動的に選択する。
【0094】
ここで、フェイスモードでは、フェイス開口部22を開口して両フェイス吹出口72、73から乗員顔部側へ空気を吹き出す。また、バイレベルモードでは、フェイス開口部22とフット開口部24の両方を開口して、両フェイス吹出口72、73とフット吹出口25の両方から乗員顔部側と乗員足元側へ空気を同時に吹き出す。
【0095】
また、フットモードではフット開口部24を全開するとともにデフロスタ開口部19を少量開口して、フット吹出口25から乗員足元側へ空気を吹き出すと同時に、デフロスタ吹出口71から少量の空気を吹き出す。なお、フットモードにおいて、フット開口部24のみを開口して、フット吹出口25から乗員足元側のみへ空気を吹き出すようにしてもよい。
【0096】
これに対して、吹出モードノブ51のマルチモードスイッチ51aが投入されたときは、アクチュエータ27の目標作動角θを、図5のθ6〜θ7の範囲内でエアミックスドア目標開度SWに基づいて算出する。これにより、吹出モードをマルチモードにマニュアル設定できるとともに、マルチモードにおける車室内吹出温度をエアミックスドア16の最大冷房位置と最大暖房位置との間の全域にわたって制御できる。
【0097】
また、吹出モードノブ51のデフロスタモードスイッチ51bが投入されたときは、アクチュエータ27の目標作動角θを、図5のθ8〜θ9の範囲内でエアミックスドア目標開度SWに基づいて算出する。これにより、吹出モードをデフロスタモードにマニュアル設定できるとともに、デフロスタモードにおける車室内吹出温度をエアミックスドア16の最大冷房位置と最大暖房位置との間の全域にわたって制御できる。
【0098】
次に、ステップS150にて送風機ユニットの送風ファンにより送風される空気の目標送風量BLWを上記TAOに基づいて算出する。この目標送風量BLWの算出方法は周知であり、上記TAOの高温側(最大暖房側)および低温側(最大冷房側)で目標風量を大きくし、上記TAOの中間温度域で目標風量を小さくする。
【0099】
次に、ステップS160にて上記TAOに応じて内外気モードを決定する。この内外気モードは周知のごとくTAOが低温側から高温側へ上昇するにつれて、内気モード→外気モードと切替設定するか、あるいは全内気モード→内外気混入モード→全外気モードと切替設定する。なお、内外気スイッチ54により内気モードあるいは外気モードがマニュアル設定されている場合には、そのマニュアル設定された内外気モードを決定する。
【0100】
次に、ステップS170にて圧縮機のON−OFFを決定する。具体的には、上記TAOと外気温TAMに基づいて目標蒸発器吹出温度TEOを算出し、実際の蒸発器吹出温度TEと目標蒸発器吹出温度TEOとを比較して、TE>TEOのときは圧縮機ONとし、TE≦TEOのときは圧縮機OFFとする。
【0101】
次に、ステップS180にて上記各ステップS140〜S170で演算された各種制御値をアクチュエータ27、63、送風機モータ64、および電磁クラッチ65に出力して空調制御を行う。
【0102】
すなわち、アクチュエータ27は、位置検出センサ62により検出される実際の作動角がステップS140の目標作動角θと一致するように制御される。より具体的には、アクチュエータ27の実際の作動角が目標作動角θと一致していないときは制御装置60によりアクチュエータ27へ電源が供給され、アクチュエータ27が作動する。
【0103】
ここで、アクチュエータ27のモータへの電源供給の正負の極性を切り替えることにより、アクチュエータ27を正逆両方向に回転させることができる。そして、アクチュエータ27の作動により実際の作動角が目標作動角θと一致すると、制御装置60によりアクチュエータ27への電源供給が停止され、アクチュエータ27が停止する。
【0104】
また、送風機モータ64はステップS150の目標風量BLWが得られるように印加電圧が制御されて回転数が制御される。また、内外気用モータ63はステップS160の内外気モードが得られるように内外気ドア(図示せず)の操作位置を制御する。電磁クラッチ65は実際の蒸発器吹出温度TEが目標蒸発器吹出温度TEOとなるように圧縮機作動をON−OFF制御する。
【0105】
次に、第1実施形態による特徴点について述べると、
エアミックスドア16と吹出モードドア20、23、26を1つのアクチュエータ27により駆動する車両用空調装置において、アクチュエータ27の作動角のオート域では、エアミックスドア16の開度変化に対応してフェイスモード、バイレベルモード、フットモードを自動切替することができるようにし、一方、アクチュエータ27の作動角のマニュアル域では、吹出モードノブ51の2つのモードスイッチ51a、51bを選択することにより、マルチモード(フルオープンモード)とデフロスタモードのみをマニュアル設定するようにしている。
【0106】
後者のマニュアル域における吹出モード設定の考え方は、前述した図17の調査結果による知見に基づくものであって、マルチモード(フルオープンモード)に、バイレベルモードやフットデフロスタモードの役割を持たせることにより、図17に示す車両ユーザー(乗員)の要求をほぼ満足することができる。
【0107】
このことをより具体的に説明すると、図2(a)はマルチモードにおいてバイレベルモード機能を発揮する場合を示しており、センタフェイス吹出口72をシャット機構(格子状の風向案内部材)72aにより開口しているので、センタフェイス吹出口72およびサイドフェイス吹出口73から矢印Aのように乗員顔部側(車室内上部側)へ空気を吹き出すと同時にフット吹出口25から矢印Bのように乗員足元側(車室内下部側)へ空気を吹き出す。
【0108】
このとき、デフロスタ吹出口71からも矢印Cのように空気を吹き出すが、デフロスタ吹出口71側のダクト通風抵抗、デフロスタドア20の開度の絞り等により、デフロスタ吹出口71側の吹出風量が少量となるようにしてある。
【0109】
従って、センタフェイス吹出口72をシャット機構72aにより開口しているマルチモードは実質上、バイレベルモードの機能を果たすことができ、図17中のバイレベルモードを選択する際の乗員の要求を満足できる。
【0110】
また、図2(b)はマルチモードにおいてフットデフロスタモード機能を発揮する場合を示しており、センタフェイス吹出口72をシャット機構72aにより閉塞しているので、センタフェイス吹出口72からの空気吹出が停止される。従って、サイドフェイス吹出口73から矢印Aのように乗員顔部側あるいは車両側面窓ガラス側(車室内上部側)へ空気を吹き出すと同時に、フット吹出口25から矢印Bのように乗員足元側(車室内下部側)へ空気を吹き出し、また、デフロスタ吹出口71から矢印Cのように空気を吹き出す。
【0111】
この場合、各種吹出口のうち、最も通風抵抗の小さいセンタフェイス吹出口72からの空気吹出が停止されるので、図2(a)の状態に比較してデフロスタ吹出口71からの吹出風量が増加して、フットデフロスタモード機能を発揮することができる。
【0112】
このように、アクチュエータ27の作動角のマニュアル域では、吹出モードとして、マルチモードとデフロスタモードのみをマニュアル設定するようにしているため、吹出モードのマニュアル設定のために必要となるアクチュエータ27の作動角を小さくできる。具体的に、図5の例では、吹出モードのマニュアル設定のためのアクチュエータ作動角が288°−120°=168°ですむ。因みに、図16の先願では、吹出モードのマニュアル設定のためのアクチュエータ作動角が360°−120°=240°になっている。
【0113】
また、マニュアル設定する吹出モードが、マルチモードとデフロスタモードのみであるから、図16の先願のように、マニュアル域での吹出モードの切替に際して車室内への吹出温度が何度も変化するという不具合が生じない。
【0114】
また、マルチモードとデフロスタモードとを比較すると、マルチモードは乗員の種々な要求に対応できるモードであるので、使用頻度がデフロスタモードよりも高い。そこで、第1実施形態では、図5に示すように、アクチュエータ27の作動角変化に対して、オート域(具体的にはオート域のフットモード)に隣接してマルチモードを設定している。このため、オート域からマルチモードへの移行に際してアクチュエータ27の作動角変化量を小さくでき、オート域からマルチモードへの移行時間を減少できる。
【0115】
同時に、オート域からマルチモードへの移行に伴う車室内への吹出温度の変化量も減少できる。すなわち、図5に示すように、アクチュエータ作動角=θ5〜θ6の最大暖房域を1回通過するだけで、オート域からマルチモードへ移行できる。
【0116】
更に、第1実施形態においては、マニュアル域におけるマルチモードの空調機能をより良好に発揮するために、吹出モードドア20、23、26(吹出開口部19、22、24)の開度パターンを以下のごとく工夫している。
【0117】
最初に、車両用空調装置における各吹出口からの吹出風量設定の考え方について説明すると、フェイス開口部22(フェイス吹出口72、73)からのフェイス吹出風量は、夏期高温時におけるクールダウン性能の確保のために大風量が得られるようにする必要がある。そのため、フェイス開口部22側の通風路圧損はフット開口部24側の通風路圧損に比較して大幅に小さくなるよう設計してある。
【0118】
つまり、フェイスモード時に蒸発器通過後の冷風は、図1の矢印Xのように冷風バイパス通路15および空気混合部18を通過してフェイス開口部22に向かって略直線状に流れるようになっている。これに反し、フットモード時にヒータコア17通過後の温風は図1の矢印Yのように温風通路17および空気混合部18を通過してフット開口部24、フット吹出口25に向かってUターン状に流れる。
【0119】
これにより、フェイス開口部22側の通風路圧損をフット開口部24側の通風路圧損より大幅に小さくできる。なお、デフロスタ開口部19は図示しないデフロスタダクトを介してデフロスタ吹出口71に接続されるので、このデフロスタダクトによる圧損が必然的に発生する。そのため、デフロスタ開口部19側の通風路圧損は図1の矢印YのようなUターン流れがなくてもフット開口部24側の通風路圧損と同程度、あるいはフット開口部24側の通風路圧損より若干小さい程度である。以上の結果、フェイス開口部22側の通風路圧損がフット開口部24側の通風路圧損およびデフロスタ開口部19側の通風路圧損より大幅に小さくなっている。
【0120】
図10(a)は、上記通風路圧損の差異を考慮して設計したマルチモード時における吹出モードドア20、23、26(吹出開口部19、22、24)の開度パターンであり、フェイスドア23(フェイス開口部22)の開度を16%、フットドア26(フット開口部24)の開度を91%、デフロスタドア20(デフロスタ開口部19)の開度を34%に設定している。
【0121】
そして、図10(b)は、センタフェイス吹出口72を開状態にしてマルチモードをバイレベルモードとして使用する場合(図2(a)参照)における各吹出口からの吹出風量の目標割合と、図10(a)のドア開度パターンにて設定したマルチモードによる実際の吹出風量割合の評価結果を示す。
【0122】
バイレベルモードでは、フェイス吹出空気による気流感を乗員が顔部付近で感じることができるようにすることが要求されるため、フェイス吹出風量(センタフェイスおよびサイドフェイスの合計風量)の割合をフット吹出風量の割合より多くすることが好ましい。そのため、フェイス吹出風量とフット吹出風量の割合の目標値は、55±10%:45±10%程度の範囲である。
【0123】
このような目標値に対して、車両搭載状態における各吹出口からの実際の吹出風量を測定し、その吹出風量割合を評価してみると、フェイス吹出風量とフット吹出風量の割合は52%:48%となり、上記目標値を満足できることが分かった。
【0124】
なお、図10(b)の評価欄の括弧内は、デフロスタ吹出風量を含む全体の風量割合を示している。
【0125】
次に、図10(c)は、センタフェイス吹出口72をシャット機構72aにより閉状態にしてマルチモードをフットデフロスタモードとして使用する場合(図2(b)参照)における各吹出口からの吹出風量の目標割合と、図10(a)の開度パターンにて設定したマルチモードによる実際の吹出風量割合の評価結果を示す。
【0126】
フットデフロスタモードでは、フット吹出空気(温風)による乗員足元部の暖房効果を確保しつつ、窓ガラスの防曇性能を発揮することが要求されるため、フット吹出風量の割合をデフロスタ吹出風量およびサイドフェイス吹出風量の割合より多くすることが好ましい。そのため、フット吹出風量とデフロスタ吹出風量とサイドフェイス吹出風量の割合の目標値は、40±10%:30±10%:30±10%程度の範囲である。
【0127】
このような目標値に対して、車両搭載状態における各吹出口からの実際の吹出風量を測定し、その吹出風量割合を評価してみると、フット吹出風量とデフロスタ吹出風量とサイドフェイス吹出風量との割合は、36%:32%:32%となり、上記目標値を満足できることが分かった。
【0128】
図10(a)のドア開度(吹出開口部の開度)パターンは、本発明者による好ましい具体的設計例であるが、図10(b)(c)の評価結果に付随した実験検討等から、上記した風量割合の目標値を達成するには、マルチモードにおいてフェイスドア23(フェイス開口部22)の開度を40%以下、フットドア26(フット開口部24)の開度を60%以上にすればよいことを確認している。なお、デフロスタドア20(デフロスタ開口部19)の開度については50%以下にすればよいことを確認している。
【0129】
次に、図11、図12はマルチモードにおける吹出空気の温度制御結果を示すものであり、図11はセンタフェイス吹出口72を開状態にしてマルチモードをバイレベルモードとして使用する場合における各吹出口からの吹出温度をエアミックスドア開度をパラメータとして測定した結果を示すものである。
【0130】
この測定結果から、エアミックスドア開度=40%付近の中間開度域(温度制御域)において、フット吹出温度をフェイス吹出温度およびデフロスタ吹出温度に比較して19℃程度高くすることができ、これにより、頭寒足熱型の快適な車室内吹出温度分布を得ることができることが分かった。
【0131】
これは、図1にて説明したように、温風通路17からの温風がフェイス開口部22およびデフロスタ開口部19よりもフット開口部24に流入しやすくなっているからである。
【0132】
図12は、センタフェイス吹出口72をシャット機構72aにより閉状態にしてマルチモードをフットデフロスタモードとして使用する場合における各吹出口からの吹出温度をエアミックスドア開度をパラメータとして測定した結果を示すものである。
【0133】
この場合も、エアミックスドア開度=40%付近の中間開度域(温度制御域)において、フット吹出温度をフェイス吹出温度およびデフロスタ吹出温度に比較して16℃程度高くすることができ、頭寒足熱型の快適な車室内吹出温度分布を得ることができることが分かった。
【0134】
(第2実施形態)
第1実施形態では、オート域に隣接してマルチモードを設定しているが、第2実施形態では、図13に示すようにオート域(具体的にはオート域のフットモード)に隣接してデフロスタモードを設定している。
【0135】
デフロスタモードは、窓ガラスの曇り時、あるいは窓ガラスの曇りやすい条件の時にマニュアル設定されるモードであって、窓ガラスの曇り除去は車両の安全運転のための視界確保という点で極めて重要であり、その意味から緊急性を要求される。
【0136】
そこで、デフロスタモードの緊急性を満たすための対応を設計上優先するという見地に立つ場合は、第2実施形態のようにオート域に隣接してデフロスタモードを設定する。これにより、オート域からデフロスタモードへの移行に際してアクチュエータ27の小さな作動角変化量でもって短時間にて、オート域からデフロスタモードへ移行できる。従って、乗員がデフロスタモードをマニュアル設定した後、短時間にて窓ガラスの曇り除去を開始できる。
【0137】
(第3実施形態)
第1実施形態では、吹出モードノブ51として図7に示す押しボタン式操作部材を用いているが、図14に示す第3実施形態のように、案内溝56に沿ってスライド操作されるレバー式操作部材からなる吹出モードノブ51を用いてもよい。
【0138】
(第4実施形態)
第1実施形態では、吹出モードノブ51として図7に示す押しボタン式操作部材を用いているが、図15に示す第4実施形態のように、回転操作される回転式操作部材からなる吹出モードノブ51を用いてもよい。
【0139】
なお、第3実施形態および第4実施形態では、吹出モードノブ51のマルチモードの操作位置、デフロスタモードの操作位置がそのまま目視されるので、これらのマルチモード位置、デフロスタモード位置の他に、吹出モードのオート域を設定するオート域の操作位置を設けて、オート域の設定状態と吹出モードノブ51の操作位置とが対応するようにしている。
【0140】
(他の実施形態)
なお、上述の実施形態では、車室内への吹出空気温度を制御する温度制御手段として、冷風バイパス通路15を通過する冷風とヒータコア13を通過する温風との風量割合を調整するエアミックスドア16を用いているが、ヒータコア13を通過する温水流量を調整する温水弁等を温度制御手段として用いてもよい。
【0141】
また、上述の実施形態では、吹出モードドアとして3枚の板状のドア20、23、26を用いる場合について説明したが、公知の半円筒状のロータリドア、あるいは可撓性のある樹脂フィルム部材から構成されるフィルムドア等を吹出モードドアとして用いれば、吹出モードドアを1つの一体ドア部品で構成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の車両用空調装置の要部の概略断面図である。
【図2】第1実施形態の車両用空調装置の吹出口の配置を示す計器盤部の斜視図である。
【図3】第1実施形態で用いるドア駆動システムのリンク機構の概略構成図である。
【図4】第1実施形態で用いるドア駆動システムの空調ユニット部への搭載図である。
【図5】第1実施形態の吹出モードとエアミックス開度の作動特性説明図である。
【図6】第1実施形態の吹出モードドアとエアミックスドアの作動角説明図である。
【図7】第1実施形態で用いる空調操作パネルの一例の正面図である。
【図8】第1実施形態の電気制御ブロック図である。
【図9】第1実施形態の空調制御の概略を示すフローチャートである。
【図10】第1実施形態のマルチモードにおける吹出モードドアの作動角の具体的設計例と、マルチモードにおける吹出風量割合の評価結果を示す図表である。
【図11】第1実施形態のマルチモードにおいてセンタフェイス吹出口を開放した時の吹出空気温度の評価結果を示すグラフである。
【図12】第1実施形態のマルチモードにおいてセンタフェイス吹出口をシャットした時の吹出空気温度の評価結果を示すグラフである。
【図13】第2実施形態の作動特性の説明図である。
【図14】第3実施形態で用いる空調操作パネルの正面図である。
【図15】第4実施形態で用いる空調操作パネルの正面図である。
【図16】本発明の先願に係る車両用空調装置の作動特性の説明図である。
【図17】本発明者らによる吹出モードマニュアル設定の理由の調査結果を示す図表である。
【符号の説明】
16…エアミックスドア(温度制御手段)、19、22、24…開口部、
20、23、26…吹出モードドア、27…アクチュエータ、
29…分配リンク、30…温度制御用係合溝、
31…吹出モード切替用係合溝。
Claims (5)
- 車室内の乗員顔部側へ空気を吹き出すフェイス開口部(22)と、
車室内の乗員足元側へ空気を吹き出すフット開口部(24)と、
車両窓ガラス側へ空気を吹き出すデフロスタ開口部(19)と、
車室内への吹出温度を制御する温度制御手段(16)と、
前記フェイス開口部(22)、前記フット開口部(24)、および前記デフロスタ開口部(19)を開閉して、車室内への吹出モードを複数の吹出モードに切り替える吹出モードドア(20、23、26)と、
前記温度制御手段(16)及び前記吹出モードドア(20、23、26)を駆動するための1つのアクチュエータ(27)とを備え、
前記アクチュエータ(27)の作動角の所定範囲に、前記温度制御手段(16)の位置変化に伴って前記複数の吹出モードを自動切替するオート域を設定するとともに、
前記アクチュエータ(27)の作動角の他の所定範囲に、前記温度制御手段(16)の位置変化にかかわらず、前記吹出モードドア(20、23、26)を特定の吹出モード位置に固定するマニュアル域を設定するようになっており、
前記マニュアル域における吹出モードとして、前記フェイス開口部(22)、前記フット開口部(24)、および前記デフロスタ開口部(19)から同時に空気を吹き出すマルチモードと、前記デフロスタ開口部(19)から空気を吹き出すデフロスタモードを設定し、
更に、前記マルチモードにおいて、前記フェイス開口部(22)の開度を40%以下とし、前記フット開口部(24)の開度を60%以上としたことを特徴とする車両用空調装置。 - 前記マルチモードにおいて、前記デフロスタ開口部(19)の開度を50%以下としたことを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
- 車室内へ向かって送風される空気を加熱する暖房用熱交換器(13)と、
前記暖房用熱交換器(13)を通過した温風が流れる温風通路(17)と、
前記暖房用熱交換器(13)をバイパスして冷風が流れる冷風バイパス通路(15)と、
前記温風通路(17)からの温風と前記冷風バイパス通路(15)からの冷風とを混合する空気混合部(18)とを備え、
前記温度制御手段は、前記温風と前記冷風との風量割合を調整するエアミックスドア(16)であり、
前記フット開口部(24)を前記空気混合部(18)に対して前記デフロスタ開口部(19)および前記フェイス開口部(22)よりも前記温風通路(17)からの温風が流入しやすい部位に配置するとともに、
前記デフロスタ開口部(19)および前記フェイス開口部(22)を前記空気混合部(18)に対して前記フット開口部(24)よりも前記冷風バイパス通路(15)からの冷風が流入しやすい部位に配置することを特徴とする請求項1または2に記載の車両用空調装置。 - 前記冷風バイパス通路(15)、前記空気混合部(18)および前記フェイス開口部(22)を、前記冷風バイパス通路(15)からの冷風が前記空気混合部(18)を通過して前記フェイス開口部(22)に向かって略直線状に流れるように配置したことを特徴とする請求項3に記載の車両用空調装置。
- 車室内の計器盤(70)において車両左右方向の中央部付近に配置され、前記フェイス開口部(22)を通過した空気を乗員の顔部側へ吹き出すセンタフェイス吹出口(72)を備え、
前記センタフェイス吹出口(72)に、空気流れを断続可能なシャット機構(72a)を備えることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
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