JP2000238526A - 車両用空調装置 - Google Patents

車両用空調装置

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JP2000238526A
JP2000238526A JP11045347A JP4534799A JP2000238526A JP 2000238526 A JP2000238526 A JP 2000238526A JP 11045347 A JP11045347 A JP 11045347A JP 4534799 A JP4534799 A JP 4534799A JP 2000238526 A JP2000238526 A JP 2000238526A
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JP
Japan
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seat
hot water
vehicle
driving
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English (en)
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Tsutomu Maekawa
勉 前川
Yoshinori Kawamura
義則 川村
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 専用の高出力サーボモータを必要とせずに温
水弁を開閉できるようにして、車両用空調装置のコスト
低減を図る。 【解決手段】 前席用エアミックスドア23、24およ
び後席用エアミックスドア50の駆動手段を、入力パル
ス数により回転位置が決定されるステップモータ29、
30、52で構成し、後席用吹き出しモード切替ドア5
6の駆動手段を、ステップモータに比して駆動トルクが
大きいサーボモータ58で構成し、このサーボモータ5
8の出力軸に温水弁60の操作部を連結し、このサーボ
モータ58により温水弁60を開閉駆動する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は特に、前席側への吹
出空気温度と後席側への吹出空気温度とを独立に制御可
能な車両用空調装置において、暖房用熱交換器への温水
流れを断続する温水弁の駆動機構に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、車両用空調装置では、車室内の各
座席の乗員に対する空調機能向上の要求がますます高ま
っており、そのため、前席側の左右の乗員に対する独立
温度制御機能の他に、後席側の乗員に対しても独立に空
調機能(温度制御機能)を果たすものが要求される場合
がある。
【0003】そこで、本発明者らは、このような前席側
の左右の独立温度制御機能および後席側の独立温度制御
機能を、車室内計器盤下方部に設置される1つの共通の
空調ユニットで実現する車両用空調装置を現在開発中で
ある。具体的には、1つの空調ユニットのケース内通風
路を、前席左側の通風路と、前席右側の通風路と、後席
用通風路とに3分割し、この3分割した各通風路にそれ
ぞれ温度調整手段としてのエアミックスドアを独立に設
置する。そして、各通風路のエアミックスドアをそれぞ
れ独立に開度調整することにより、前席左側の吹出空気
温度、前席右側の吹出空気温度および後席側吹出空気温
度をそれぞれ独立に調整するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、エアミック
スドアは吹出空気温度の調整のために、その位置を多段
階に精度よく調整する必要があるので、駆動手段とし
て、停止位置の精度がよいステップモータを使用するこ
とが好ましい。しかし、ステップモータは停止位置の精
度がよい反面、駆動トルク(軸トルク)が小さいので、
通常、0.2Nm以内のトルク範囲で使用しなければな
らないという制約がある。
【0005】一方、暖房用熱交換器への温水流れを断続
する温水弁は、車両エンジンの温水ポンプの温水吐出圧
を受けるので、空気通路内のエアミックスドアに比して
弁の開閉に必要な駆動トルクがはるかに大きい。そのた
め、温水弁の開閉のためには、大きな駆動トルク(1.
2〜2Nm程度)が得られるサーボモータを使用してい
る。このサーボモータとして、具体的には、実際のモー
タ回転位置を位置検出手段(ポテンショメータ、多段階
の位置検出スイッチ等)によりモータ駆動回路にフィー
ドバックして目標回転位置を得る直流モータが通常用い
られる。
【0006】このように、従来では温水弁の開閉のため
に、専用のサーボモータを追加設定しているので、コス
トアップを招くという不具合がある。本発明は上記点に
鑑みて 専用のサーボモータを必要とせずに温水弁を開
閉できるようにして、車両用空調装置のコスト低減を図
ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】最初に、本発明による課
題解決の着眼点について述べると、車両用空調装置にお
いて後席用の吹き出しモード切替手段は、通常、フッ
ト、フェイスの2つのモード位置に切り替えるだけでよ
く、そのため、後席用吹き出しモード切替手段の駆動手
段として、停止位置精度のよいステップモータを使用す
る必要がない。
【0008】一方、サーボモータは構造の比較的簡単な
直流モータで構成できるので、ステップモータより高出
力でありながら安価である。そのため、後席用吹き出し
モード切替手段の駆動手段としてはサーボモータが好適
である。そして、温水弁の開閉と後席吹き出しモードと
の間には、後席フットモード側で温水弁が開弁し、後席
フェイスモード側で温水弁が閉弁するという相関関係が
あるので、このことに着目して、本発明では、後席用吹
き出しモード切替手段の駆動手段としてサーボモータを
用いるとともに、このサーボモータを利用して温水弁の
駆動機構を構成することにより、上記目的を達成しよう
とするものである。
【0009】すなわち、請求項1に記載の発明では、前
席用エアミックス手段(23、24)および後席用エア
ミックス手段(50)の駆動手段を、入力パルス数によ
り回転位置が決定されるステップモータ(29、30、
52)で構成し、一方、後席用吹き出しモード切替手段
(56)の駆動手段は、ステップモータ(29、30、
52)に比して駆動トルクが大きいサーボモータ(5
8)で構成し、このサーボモータ(58)の出力軸(6
1)に温水弁(60)の操作部を連結し、このサーボモ
ータ(58)により温水弁(60)を開閉駆動するよう
にしたことを特徴としている。
【0010】これによると、後席用吹き出しモード切替
用のサーボモータ(58)を利用して、温水弁(60)
を開閉駆動できる。そのため、温水弁の開閉のために専
用のサーボモータを必要とせず、車両用空調装置のコス
ト低減を図ることができる。しかも、後席用吹き出しモ
ード切替手段(56)によるフット、フェイスのモード
切替作用と温水弁(60)の開閉との相関関係をうまく
利用して、温水弁(60)の駆動機構を構成するから、
前席側および後席側の吹き出し温度制御に支障を来すこ
とはない。
【0011】具体的には、請求項2に記載の発明のよう
に、後席用吹き出しモード切替用サーボモータ(58)
の回転位置として、少なくとも後席用吹き出しモード切
替手段(56)をフットモード位置に駆動する第1駆動
位置と、前席用エアミックス手段(23、24)の最大
冷房以外の位置において、後席用吹き出しモード切替手
段(56)をフェイスモード位置に駆動する第2駆動位
置と、前席用エアミックス手段(23、24)の最大冷
房位置において、後席用吹き出しモード切替手段(5
6)をフェイスモード位置に駆動する第3駆動位置とを
設定し、温水弁(60)をサーボモータ(58)の第1
駆動位置および第2駆動位置において開弁し、温水弁
(60)をサーボモータ(58)の第3駆動位置におい
て閉弁することにより、請求項1の作用効果を良好に発
揮できる。
【0012】また、請求項3に記載の発明のように、後
席用吹き出しモード切替用サーボモータ(58)の回転
位置が第1駆動位置ないし第3駆動位置の間で変化する
につれて、所定の関係でサーボモータ(58)の回転を
後席用吹き出しモード切替手段(56)および温水弁
(60)に伝達するリンク機構(62〜65)を備える
ことにより、1つのサーボモータ(58)と、後席用吹
き出しモード切替手段(56)および温水弁(60)と
の間の連動操作を良好に達成できる。
【0013】また、請求項4に記載の発明のように、前
席用通風路として、車両左右方向の左側に位置する左側
通風路(14)と、車両左右方向の右側に位置する右側
通風路(15)とを備え、前席用エアミックス手段とし
て、左側通風路(14)に配置される左側の前席用エア
ミックス手段(23)と、右側通風路(15)に配置さ
れる右側の前席用エアミックス手段(24)とを備えれ
ば、前席側の左右で独立温度制御するものにおいて請求
項1の作用効果を発揮できる。
【0014】なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述
する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すも
のである。
【0015】
【発明の実施の形態】図1〜図6は本発明の一実施形態
であり、図1〜図3における上下、前後、左右の矢印
は、車両での搭載方向を示す。図1は、本実施形態にお
ける車両用空調装置の通風系の全体配置の概要を示す平
面図で、図2、3は前席側通風路部分および後席側通風
路部分の断面図である。
【0016】車両用空調装置の通風系は、大別して、送
風機ユニット1と、空調ユニット10との2つの部分に
分かれている。図1は左ハンドル車の場合を例示してお
り、送風機ユニット1は車室内の計器盤下方部のうち、
中央部から助手席側(すなわち、左ハンドル車では右
側)へオフセットして配置されている。これに対し、空
調ユニット10は車室内の計器盤下方部のうち、車両左
右方向の略中央部に配置されている。
【0017】送風機ユニット1は周知のごとく上側に配
置された内外気切替箱2とこの内外気切替箱2の下側に
配置された送風機3とから構成されている。内外気切替
箱2は図示しない切替ドアにより外気(車室外空気)と
内気(車室内空気)を切替導入するものであって、送風
機3は、内外気切替箱2を通して吸入した空気を送風す
る遠心式ファン4を有し、この遠心式ファン4の送風空
気をスクロールケース5により車両右側から左側へ送風
するようになっている。
【0018】空調ユニット10部は、1つの共通の空調
ケース11内に蒸発器(冷房用熱交換器)12とヒータ
コア(暖房用熱交換器)13を両方とも一体的に内蔵す
るタイプのものである。そして、空調ケース11内の通
風路は、車両左右方向(幅方向)に3つの通風路14、
15、16とに仕切られている。すなわち、空調ケース
11内部に2つの仕切り壁11a、11bが配置されて
おり、そして、この2つの仕切り壁11a、11bによ
り、ケース内通風路が前席左側通風路(運転席側通風
路)14と、前席右側通風路(助手席側通風路)15
と、この両通風路14、15の中央に位置する後席用通
風路16とに3分割されている。仕切り壁11a、11
bは、空調ケース11の入口部では車両右側から左側へ
延びて蒸発器12上流側の部位から空気流れ下流端部に
わたって車両前後方向に平行に延びるように形成されて
いる。
【0019】上記空調ケース11はポリプロピレンのよ
うな、ある程度の弾性を有し、強度的にも優れた樹脂の
成形品からなり、具体的には複数の分割ケースからな
り、この複数の分割ケースは、上記熱交換器12、1
3、後述のドア等の機器を収納した後に、金属バネクリ
ップ、ネジ等の締結手段により一体に結合されて空調ユ
ニット10を構成する。なお、上記した仕切り壁11
a、11bは空調ケース11の分割ケースに一体成形さ
れた壁で構成することができる。
【0020】空調ケース11内において空気流れ上流側
(車両前方側)の部位に蒸発器12が車両左右方向と平
行に配置されている。ここで、蒸発器12は各通風路1
4、15、16の全面積を横断するように配置されてい
るので、送風機3の送風空気の全量が蒸発器12を通過
する。この蒸発器12は周知のごとく冷媒が通過する偏
平チューブとこれに接合されたコルゲートフィンとから
なる熱交換用コア部を有し、この熱交換用コア部の通風
路は仕切り壁11a、11bにより3つの通風路14、
15、16により仕切られ、各通風路14、15、16
において冷凍サイクルの冷媒の蒸発潜熱を空調空気から
吸熱して、空調空気を冷却するようになっている。
【0021】そして、蒸発器12の空気流れ下流側(車
両後方側)に、所定の間隔を開けてヒータコア13が配
置されている。このヒータコア13は車両左右方向に対
しては蒸発器12と同様に空調ケース11の幅寸法と同
等に設計されて3つの通風路14、15、16を横断す
るように配置されている。ここで、ヒータコア13は周
知のごとく温水が通過する偏平チューブとこれに接合さ
れたコルゲートフィンとからなる熱交換用コア部を有
し、この熱交換用コア部の通風路は上記した仕切り壁1
1a、11bにより3つの通風路14〜16に仕切られ
ている。ヒータコア13は、各通風路14、15、16
において蒸発器12を通過した冷風を再加熱するもので
あって、その内部に高温の温水(エンジン冷却水)が流
れ、この温水を熱源として空気を加熱するものである。
【0022】ところで、ヒータコア13は図2、3に示
すように車両上下方向寸法を空調ケース11の上下方向
寸法より小さくして、車両上下方向に対しては空調ケー
ス11の内壁面との間に空隙を持つように配置されて冷
風バイパス通路を形成する。すなわち、前席側の左右の
通風路14、15においては、ヒータコア13の上下に
温度制御用の第1冷風バイパス通路17、18、第2冷
風バイパス通路19、20を形成し、さらに、空調ケー
ス11内で、第1冷風バイパス通路17の上方側に最大
冷房時の通風抵抗低減を目的とした第3冷風バイパス通
路21、22を形成している。ここで、符号17、1
9、21は左側通風路14の冷風バイパス通路を示し、
符号18、20、22は右側通風路15の冷風バイパス
通路を示し、以下の符号も同様の関係を示す。
【0023】そして、前席側の左右の通風路14、15
には、それぞれ、エアミックス用フィルムドア(エアミ
ックス手段)23、24が独立に摺動可能に配置されて
いる。このフィルムドア23、24は周知の構成であ
り、その一端部は駆動軸25、26に連結され、他端部
は従動軸27、28に連結されている。駆動軸25、2
6にはそれぞれ駆動手段としてのステップモータ29、
30の出力軸が連結されている。このステップモータ2
9、30は入力パルス数により回転位置が決定されるも
ので、その駆動トルク(軸トルク)が小さいので、通
常、0.2Nm程度以内のトルク範囲で使用される。
【0024】フィルムドア23、24は空気の通過する
開口部(図示せず)を有し、駆動軸25、26と従動軸
27、28との間でフィルムドア23、24が巻き取
り、巻き戻しされることによりフィルムドア23、24
の開口部位置が変位して、ヒータコア13の熱交換用コ
ア部で加熱される温風と、第1冷風バイパス通路17、
18および第2冷風バイパス通路19、20を通る冷風
との風量割合を調整して、前席側の左右の通風路14、
15における車室内への吹出空気温度を調整する。
【0025】また、前席側の左右の通風路14、15に
おいて、第3冷風バイパス通路21、22には、板状
(バタフライ状)の冷風バイパスドア31、32が回動
可能に配置され、第3冷風バイパス通路21、22を開
閉する。そして、空調ケース11の上面部において、第
3冷風バイパス通路21、22の上方部位にデフロスタ
開口部33、34およびフェイス開口部35、36が前
席側の左右の通風路14、15にそれぞれ対応して開口
している。このデフロスタ開口部33、34は、図示し
ないデフロスタダクトを介してデフロスタ吹出口に接続
され、このデフロスタ吹出口から車両前面窓ガラスの内
面に向けて風を吹き出す。
【0026】また、フェイス開口部35、36は空調ケ
ース11の上面部において、デフロスタ開口部33、3
4よりも車両後方側(乗員寄り)の部位に配置され、そ
して、フェイス開口部35、36は図示しないフェイス
ダクトを介して、計器盤上方側に配置されている前席用
左側および前席用右側のフェイス吹出口に接続され、こ
のフェイス吹出口から車室内の前席乗員の頭部に向けて
風を吹き出す。
【0027】また、空調ケース11の車両後方側(乗員
寄り)の壁面部にフット開口部37、38が前席側の左
右の通風路14、15にそれぞれ対応して開口してい
る。このフット開口部37、38は、図1に示す左右の
フットダクト39、40に接続され、このフットダクト
39、40の先端部のフット吹出口から乗員足元部へ風
を吹き出す。
【0028】上記開口部33、34と、35、36と、
37、38とを切替開閉するために、前席吹出モード切
替用のフィルムドア(吹出モード切替手段)41、42
が前席側の左右の通風路14、15にそれぞれ対応して
独立に摺動可能に配置されている。このフィルムドア4
1、42は上記エアミックス用フィルムドア23、24
と同様の構成であり、その一端部は駆動軸43、44に
連結され、他端部は従動軸45、46に連結されてい
る。駆動軸43、44にはそれぞれ駆動手段としてのス
テップモータ47、48の出力軸が連結されている。
【0029】フィルムドア41、42が摺動して、その
開口部(図示せず)位置が変位することにより、上記開
口部33、34、35、36、37、38を切替開閉で
きる。次に、車両左右方向の中央部に位置する後席用通
風路16について説明すると、ヒータコア13の上方部
位に冷風バイパス通路49が形成されており、そして、
ヒータコア13の空気流れ下流側に板状の後席用エアミ
ックスドア(エアミックス手段)50が駆動軸51を中
心として回動可能に配置されている。この後席用エアミ
ックスドア50はヒータコア13の熱交換用コア部で加
熱された温風と、冷風バイパス通路49を通る冷風との
風量割合を調整して、後席用通風路16から車室内後席
側へ吹出す空気の温度を調整する。
【0030】上記した前席および後席用エアミックス手
段としてのドア23、24、50の最大冷房位置とは、
冷風量が100%で、温風量が0%となる操作位置であ
り、最大暖房位置とは、逆に冷風量が0%で、温風量が
100%となる操作位置である。後席用エアミックスド
ア50の駆動軸51には駆動手段としてのステップモー
タ52の出力軸が連結されている。後席用エアミックス
ドア50の空気流れ下流側に温風と冷風の混合部53が
形成され、この混合部53の空気流れ下流側に後席用の
フェイス開口部54とフット開口部55が配置されてい
る。より具体的には、後席用のフェイス開口部54とフ
ット開口部55は、空調ケース11において、最も車両
後方側部位で、かつ、下方側の中央部位に配置され、か
つ、フェイス開口部54が上側に、フット開口部55が
下側に隣接して配置されている。
【0031】そして、このフェイス開口部54とフット
開口部55を切り替え開閉するために、後席用吹出モー
ド切替手段をなすドア56が、混合部53の空気流れ下
流側に設けられている。このドア56は本例ではV字状
に形成した板状ドアからなるものであって、駆動軸57
を中心として回動可能になっている。後席用吹出モード
切替用ドア56の駆動手段はサーボモータ58であり、
このサーボモータ58の出力軸に駆動軸57が連結され
ている。ここで、サーボモータ58はステップモータよ
りも十分大きな駆動トルク(1.2〜2Nm程度)が得
られるものであって、このようなサーボモータ58は、
前述のごとく位置検出手段によりモータ回転位置をモー
タ駆動回路にフィードバックして目標回転位置を得る直
流モータで構成できる。
【0032】後席用のフェイス開口部54とフット開口
部55には、それぞれ、図示しない後席用フェイス吹出
ダクトおよび後席用フット吹出ダクトが接続され、この
両吹出ダクトの先端部は後席側まで延長されている。そ
して、後席用フェイス吹出ダクトの先端に設けた後席用
フェイス吹出口から後席乗員の頭部に向けて風を吹き出
すようになっており、また、後席用フット吹出ダクトの
先端に設けた後席用フット吹出口から後席乗員の足元部
に向けて風を吹き出すようになっている。
【0033】図2(b)、図3(b)において、ヒータ
コア13の入口温水配管59には温水弁60を設置し
て、この温水弁60によりヒータコア13への温水流れ
を断続するようにしてある。上記温水弁60は、後席用
吹出モード切替用ドア56の駆動用サーボモータ58を
利用して開閉駆動するようになっている。次に、この温
水弁60と後席用吹出モード切替用ドア56の連動駆動
機構を図4〜図6により具体的に説明する。なお、図4
は後席側のフットモード時を示し、図5は前席側のエア
ミックス用フィルムドア23、24が最大冷房以外の位
置、すなわち、温度制御領域および最大暖房の位置にあ
るときに後席側でフェイスモードを選択したときを示し
ている。さらに、図6は前席側のエアミックス用フィル
ムドア23、24が最大冷房位置にあるときに、後席側
でフェイスモードを選択したときを示している。
【0034】空調ケース11の車両左右方向の側面部に
駆動用サーボモータ58が固定してあり、このサーボモ
ータ58の出力軸61に第1リンク62を連結してい
る。この第1リンク62は出力軸61を中心として回動
する2つのリンク片62a、62bを有し、一方のリン
ク片62aのピン62cが第2リンク63のカム溝63
a内に摺動可能に嵌合している。
【0035】第2リンク63は支点軸63bを中心とし
て回動可能であり、カム溝63aと反対側の部位にピン
63cを有しており、このピン63cにケーブル64の
一端部を連結している。そして、このケーブル64の他
端部を温水弁60の操作部に連結している。また、第1
リンク62の他方のリンク片62bの先端部に設けたピ
ン62dを第3リンク65のカム溝65a内に摺動可能
に嵌合している。第3リンク65はカム溝65aと反対
側の部位にて後席用吹出モード切替用ドア56の駆動軸
57に連結され、このドア56を回動操作する。本実施
形態では、第1リンク62、第2リンク63、第3リン
ク65およびケーブル64により請求項3のリンク機構
を構成している。
【0036】次に、本実施形態による電気制御部の概要
を図7により説明すると、空調用電子制御装置(以下E
CUと略称する)70はマイクロコンピュータ等から構
成されるもので、送風機ユニット1および空調ユニット
10に装備される各種空調機器を予め設定されたプログ
ラムに従って制御するものである。なお、ECU70
は、自動車のエンジンのイグニッションスイッチ(図示
せず)がオンされたときに、車載バッテリー(図示せ
ず)から電源が供給される。
【0037】ECU70には周知のセンサ群71からの
センサ信号、車室内前方の計器盤部に設置される空調用
の前席側操作パネル72、および車室内後席側に設置さ
れる空調用の後席側操作パネル73からの操作信号が入
力される。センサ群71としては、周知のごとく車室外
温度(外気温)を検出する外気温センサ74、車室内温
度(内気温)を検出する内気温センサ75、車室内への
日射量を検出する日射センサ76、蒸発器12の吹出空
気温度を検出する蒸発器後温度センサ77、ヒータコア
13への温水温度を検出する水温センサ78等が設けら
れる。
【0038】前席側操作パネル72には、前席左側温度
設定器79a、前席右側温度設定器79b、内外気モー
ド設定器80、送風機3の風量設定器81、前席左側吹
出モード設定器82a、前席右側吹出モード設定器82
b、後席側温度設定器83、後席側吹出モード設定器8
4等が設けられている。一方、後席側操作パネル73に
も、後席側温度設定器85および後席側吹出モード設定
器86が設けられており、後席側の温度設定と吹出モー
ド設定は前後両方の操作パネル72、73で行うことが
できる。。
【0039】次に、ECU70により制御される各種空
調機器の駆動手段として内外気切替箱2内の内外気切替
ドア駆動用サーボモータ87、送風ファン4の駆動用モ
ータ88、前席左側のエアミックス用フィルムドア23
を駆動するステップモータ29、前席右側のエアミック
ス用フィルムドア24を駆動するステップモータ30、
前席左側の吹出モード切替用フィルムドア41を駆動す
るステップモータ47、前席右側の吹出モード切替用フ
ィルムドア42を駆動するステップモータ48、後席用
板状エアミックスドア50の駆動用ステップモータ5
2、後席用吹出モード切替ドア56の駆動用サーボモー
タ58等が設けられている。
【0040】次に、上記構成において本実施形態の作動
を説明する。まず最初に、空調装置全体の作動の概要を
述べる。前席側の左右の車室内吹出空気温度は、ステッ
プモータ29、30により前席左右のエアミックス用フ
ィルムドア23、24の操作位置を調整して、前席側の
左右の通風路14、15における温風と冷風との風量割
合を制御することにより調整できる。
【0041】また、前席側の左右の吹出モードは、ステ
ップモータ47、48により前席左右の吹出モード切替
用フィルムドア41、42の操作位置を調整して、左右
のデフロスタ開口部33、34、左右の前席用フェイス
開口部35、36、および左右の前席用フット開口部3
7、38を開閉することにより、フェイスモード、バイ
レベル、フットモード、フットデフロスタモード、デフ
ロスタモードを選択できる。
【0042】一方、後席側の車室内吹出空気温度は、ス
テップモータ52により後席側の板状エアミックスドア
50の操作位置を調整して、後席側通風路16における
温風と冷風との風量割合を制御することにより調整でき
る。また、後席側の吹出モードは、サーボモータ58に
より後席側の吹出モード切替用ドア56の操作位置を調
整して、後席側のフェイス開口部54とフット開口部5
5を切替開閉することにより、フェイスモードとフット
モードを選択できる。なお、後席側の吹出モード切替用
ドア56を後席側のフェイス開口部54とフット開口部
55の中間位置に操作することにより、後席側の吹出モ
ードとしてバイレベルモードを設定してもよい。
【0043】次に、本発明の要部である後席側の吹出モ
ード切替用ドア56と温水弁60との連動操作機構につ
いて詳述する。図4は後席側の吹出モード切替用ドア5
6を駆動するサーボモータ58の出力軸61の回転位置
が第1駆動位置に設定された状態を示している。図4の
状態では、出力軸61の回転位置にしたがって第1リン
ク62および第3リンク65を介して駆動軸57が後席
用吹き出しモードドア56をフットモード位置に駆動す
る。
【0044】すなわち、モードドア56を後席用フェイ
ス開口部54が閉塞され、フット開口部55が開放され
る位置に操作して後席側のフットモードを実行する。こ
のフットモード位置においては第2リンク63のピン6
3cの操作位置が後述の図6の位置よりも上方にあり、
これに伴って、ケーブル64が上方に移行して、温水弁
60を開弁する。
【0045】次に、図5はサーボモータ58の出力軸6
1の回転位置が図4の第1駆動位置から所定角度だけ時
計方向に回動した第2駆動位置を示しており、これに伴
って、第1リンク62が所定角度だけ時計方向に回動す
る。しかし、図4から図5への移動では、第1リンク6
2のピン62cが第2リンク63のカム溝63c内を摺
動するアイドル状態にあるので、第2リンク63の操作
位置は変化しない。そのため、温水弁60は開弁状態を
維持する。
【0046】一方、第1リンク62のリンク片62bが
時計方向へ所定角度、回動することにより第3リンク6
5と駆動軸57が反時計方向へ所定角度、回動して、後
席用吹き出しモードドア56をフェイスモード位置に駆
動する。すなわち、モードドア56をフット開口部55
が閉塞され、後席用フェイス開口部54が開放される位
置に操作して後席側のフェイスモードを実行する。この
図5の第2駆動位置は前席左右のエアミックス用フィル
ムドア23、24のいずれか1つが最大冷房以外の位置
にある時に設定されるのであって、温水弁60を開弁状
態に維持することにより、前席側および後席側の吹き出
し温度制御を可能とする。。
【0047】次に、図6はサーボモータ58の出力軸6
1の回転位置が図5の第2駆動位置からさらに所定角度
だけ時計方向に回動した第3駆動位置を示しており、図
5から図6への移動では、第1リンク62のピン62c
の時計方向への回動により第2リンク63が反時計方向
に回動する。これにより、第2リンク63のピン63c
の位置が上述の図4、5の位置よりも下方に移行して、
ケーブル64の位置も下方に移行して、温水弁60を閉
弁する。
【0048】一方、第1リンク62のリンク片62bの
ピン62dが第3リンク65のカム溝65aの開口端部
から抜け出るので、第3リンク65の操作位置は図5の
状態を維持しており、従って、後席用吹き出しモードド
ア56はフェイスモード位置を維持する。この図6の第
3駆動位置は前席側の左右のエアミックス用フィルムド
ア23、24がともに最大冷房位置にある時設定され
る。この第3駆動位置では温水弁60を閉弁することに
より、ヒータコア13への温水流れを遮断するので、前
席側通風路14、15での最大冷房能力を良好に発揮で
きる。しかし、温水弁60の閉弁により後席側の通風路
16においても、必然的に最大冷房状態となるので、吹
き出し温度の制御はできない。
【0049】図8は上記した後席側の吹出モード切替用
ドア56と温水弁60との連動操作機構の作動を示す特
性図であり、縦軸にドア56の操作位置と温水弁60の
開度をとり、横軸にサーボモータ58の回転位置をとっ
ている。図8において、横軸の回転位置R1は上記第1
駆動位置であり、回転位置R2は上記第2駆動位置であ
り、回転位置R3は上記第3駆動位置である。以上の説
明から理解されるように、サーボモータ58の回転位置
は後席側の吹出モード信号と前席側のエアミックス用フ
ィルムドア23、24が最大冷房位置にあるかそれ以外
の位置にあるかを示す信号とに基づいてECU70によ
り決定すればよい。なお、前席側のエアミックス用フィ
ルムドア23、24の最大冷房位置信号はECU70の
内部で算出されるドア開度信号、あるいはドア23、2
4の最大冷房位置を検出するスイッチの信号のいずれで
もよい。
【0050】(他の実施形態)なお、上記の一実施形態
では、前席側の左右独立温度制御のために、前席側の通
風路として左右の独立した2つの通風路14、15を空
調ユニット10に備えているが、前席側の左右独立温度
制御を行わない空調ユニット10に対して本発明を適用
してもよく、この場合は前席側の通風路を1つ設けるだ
けでよい。
【0051】また、上記の一実施形態では、前席側のエ
アミックス手段をフィルムドア23、24により構成し
ているが、前席側のエアミックス手段を後席用エアミッ
クスドア50のような板状ドアにより構成してもよい。
また、逆に、後席用エアミックスドア50を板状ドアで
なく、フィルムドアにより構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用する車両用空調装置の概略平面図
である。
【図2】本発明の一実施形態においてフェイスモードの
最大冷房状態を示す断面図である。
【図3】本発明の一実施形態においてフットモードの最
大暖房状態を示す断面図である。
【図4】本発明の一実施形態による後席側吹出モード切
替用ドアと温水弁との連動操作機構を示す要部側面図で
あり、後席側フットモードの状態を示す。
【図5】上記連動操作機構を示す要部側面図で、前席側
が最大冷房以外の状態にあって、後席側がフェイスモー
ドの状態を示す。
【図6】上記連動操作機構を示す要部側面図で、前席側
が最大冷房状態にあって、後席側がフェイスモードの状
態を示す。
【図7】本発明の一実施形態による電気制御部のブロッ
ク図である。
【図8】上記連動操作機構の作動特性図である。
【符号の説明】
13…暖房用熱交換器、14、15…前席用通風路、1
6…後席用通風路、23、24…前席用エアミックス手
段、29、30、52…ステップモータ、50…後席用
エアミックス手段、54…フェイス開口部、55…フッ
ト開口部、56…後席用吹き出しモード切替手段、58
…サーボモータ、60…温水弁。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車室内の前席側へ吹き出される空気が流
    れる前席用通風路(14、15)と、 前記前席用通風路(14、15)と並列に形成され、車
    室内の後席側へ吹き出される空気が流れる後席用通風路
    (16)と、 前記前席用通風路(14、15)および前記後席用通風
    路(16)を流れる空気を温水を熱源として加熱する暖
    房用熱交換器(13)と、 前記前席用通風路(14、15)において前記暖房用熱
    交換器(13)を通過する温風と前記暖房用熱交換器
    (13)をバイパスする冷風との風量割合を調整して、
    車室内の前席側へ吹き出す空気の温度を調整する前席用
    エアミックス手段(23、24)と、 前記後席用通風路(16)において前記暖房用熱交換器
    (13)を通過する温風と前記暖房用熱交換器(13)
    をバイパスする冷風との風量割合を調整して、車室内の
    後席側へ吹き出す空気の温度を調整する後席用エアミッ
    クス手段(50)と、 前記暖房用熱交換器(13)に流れる温水を断続する温
    水弁(60)と、 前記後席用通風路(16)に設けられ、前記後席用通風
    路(16)のフェイス開口部(54)およびフット開口
    部(55)への空気流れを切り替える後席用吹き出しモ
    ード切替手段(56)とを備える車両用空調装置におい
    て、 前記前席用エアミックス手段(23、24)および前記
    後席用エアミックス手段(50)の駆動手段を、入力パ
    ルス数により回転位置が決定されるステップモータ(2
    9、30、52)で構成し、 前記後席用吹き出しモード切替手段(56)の駆動手段
    を、前記ステップモータ(29、30、52)に比して
    駆動トルクが大きいサーボモータ(58)で構成し、 前記サーボモータ(58)の出力軸(61)に前記温水
    弁(60)の操作部を連結し、前記温水弁(60)を前
    記サーボモータ(58)により開閉駆動するようにした
    ことを特徴とする車両用空調装置。
  2. 【請求項2】 前記サーボモータ(58)の回転位置と
    して、少なくとも前記後席用吹き出しモード切替手段
    (56)をフットモード位置に駆動する第1駆動位置
    と、前記前席用エアミックス手段(23、24)の最大
    冷房以外の位置において、前記後席用吹き出しモード切
    替手段(56)をフェイスモード位置に駆動する第2駆
    動位置と、前記前席用エアミックス手段(23、24)
    の最大冷房位置において、前記後席用吹き出しモード切
    替手段(56)をフェイスモード位置に駆動する第3駆
    動位置とを設定し、 前記温水弁(60)を前記サーボモータ(58)の第1
    駆動位置および第2駆動位置において開弁し、前記温水
    弁(60)を前記サーボモータ(58)の第3駆動位置
    において閉弁することを特徴とする請求項1に記載の車
    両用空調装置。
  3. 【請求項3】 前記サーボモータ(58)の回転位置が
    前記第1駆動位置ないし前記第3駆動位置の間で変化す
    るにつれて、所定の関係で前記サーボモータ(58)の
    回転を前記後席用吹き出しモード切替手段(56)およ
    び前記温水弁(60)に伝達するリンク機構(62〜6
    5)を備えていることを特徴とする請求項2に記載の車
    両用空調装置。
  4. 【請求項4】 前記前席用通風路として、車両左右方向
    の左側に位置する左側通風路(14)と、車両左右方向
    の右側に位置する右側通風路(15)とを備え、 前記前席用エアミックス手段として、前記左側通風路
    (14)に配置される左側の前席用エアミックス手段
    (23)と、前記右側通風路(15)に配置される右側
    の前席用エアミックス手段(24)とを備えることを特
    徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車両
    用空調装置。
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