JP4058651B2 - 水性顔料分散体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水性塗料、水性インキ、捺染剤、カラーフィルター、ジェットインキ、カラートナーの如き水性着色剤組成物に有用な水性顔料分散体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
公害防止や労働衛生の面から、塗料、インキの如き着色剤を使用する業界では水性化指向が強い。
【0003】
水性着色剤に使用される顔料を水性媒体中に分散させるには、界面活性剤や水溶性樹脂を使用して粉末顔料を分散する方法が一般的であり、現在でも広く行われている。しかしながら、界面活性剤を用いて分散された顔料を含有する塗料は、得られる塗膜の耐水性が極めて悪く、限られた用途にしか使用できない、という問題点がある。また、水溶性樹脂を含有する水性媒体中に顔料を分散させるには、概して、有機溶剤媒体中に顔料を分散させる場合よりも困難であり、顔料を高度なレベルで微細に分散し、かつ、その状態を安定に保つことは難しい。
【0004】
一方、水溶性樹脂を用いて顔料を単に分散させた場合、顔料と樹脂との結合が吸着という弱い結合のみによるものであり、たとえ、製造直後において、微細に分散されていたものであっても、顔料が経時的に凝集するので、貯蔵安定性は良くない、とい問題点がある。
【0005】
易分散性の顔料を得る方法として、塩基で中和されたカルボキシル基を有する樹脂中に分散して成る顔料の水性分散体に、酸を添加して当該樹脂を疎水性化することによって樹脂を顔料に固着する、いわゆる酸析法が知られている。
【0006】
例えば、ロジンを使用して酸析法により顔料に固着して、分散性の良好な粉末顔料を得る手法が知られている。しかしながら、ロジンは、その分子量が小さいために被膜形成性樹脂となり得ず、また、耐候性も極めて劣るため、ロジンの使用量を多くすることができず、その使用量を10重量%程度以下に制限せざるを得ないのが現状である。そのため、ロジンは、顔料の処理剤として粉末顔料に使用されているのが現状で、本発明のように、水性顔料分散体に使用した場合、ロジン単独では安定な水性顔料分散体が得られず、また、得られた塗膜の性能も低いものとなってしまう、という問題点がある。
【0007】
この問題点を解決するために、特開昭50−122528号公報、特公昭61−11979号公報には、比較的高分子量のアクリル系樹脂という限定された樹脂を使用して酸析を行い、粉末または固形顔料を得る方法が開示されている。
【0008】
しかしながら、これらの方法では、いずれも、酸析後に粉末化あるは固形化されるため、その過程でもって顔料が少なからず凝集してしまい、水性塗料や水性インキに使用する際には、再び混練という手間の掛かる工程が必要とならざるをえない、という問題点がある。しかも、これらの方法で得られる粉末または固形顔料は、未処理の粉末顔料よりも易分散性であるとはいえ、一度粉末化あるいは固形化した顔料でもって、水性着色剤において高度な発色性や着色力を発揮する程度に微分散するには、かなりの労力を要する、という問題点もある。
【0009】
一方、米国特許第4,166,811号明細書には、親水性の高い水溶性樹脂を使用し、酸析後に塩基性化合物でもって再中和を行ない、水性媒体に分散し易い顔料を得る方法が開示されている。
【0010】
しかしながら、この方法の基本構成は、塩基性化合物でもって再中和した後に、粉末化または固形化する方法であって、水性媒体中に再分散する際には簡単な撹拌のみで可能であるとされているが、やはり、一度粉末化あるいは固形化されたものは顔料の再凝集の問題を無視することができず、高度なレベルで被塗物の発色性や着色力を発揮するには、簡単な攪拌のみでは不充分である、という問題点がある。また、粉末化または固形化後に水性媒体に再分散し易くするために、この方法において使用できる樹脂は、分子量が低く、かつ、酸価がかなり高いものとなっており、着色剤として塗装された塗膜の強靭性や耐水性が極めて低いものとなってしまう、という問題点もある。
【0011】
水性被覆剤で使用する塗膜形成性樹脂は、被膜の強靭性などの物理的性質や、耐水性などの耐久性が重要であるため、ある程度以上の分子量が必要であり、また、得られた塗膜の耐水性を低下させないために、カルボキシル基などの親水性基や顔料分散に有効な各種官能基の割合も少なく設計されることが多い。従って、このようなレベルに設計された水性の塗膜形成性樹脂を使用して、高度なレベルで顔料を微分散することは極めて困難であった。
【0012】
即ち、従来技術に従うかぎり、顔料の微分散と、被塗物の耐水性などの耐久性とを高度なレベルで両立できる水性顔料分散体を得ることはできなかった。
【0013】
本発明者らは、特開平9−31360号公報において、塩基性化合物を用いて中和されたカルボキシル基を有する樹脂でもって微分散された顔料の水性分散体を、酸性化合物を用いてpHを中性または酸性として樹脂を疎水性化することによって樹脂を顔料に強く固着し(以下、この工程を「酸析」と称する。)、次いで、必要に応じて、濾過および水洗後、再度塩基性化合物を用いてカルボキシル基を中和して水に再分散させることによって、光沢、発色性、着色力を高度に発揮するに充分な程度に微分散され、しかも、貯蔵安定性にも優れた水性顔料分散体を提案し、上記の課題を一応解決してきた。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、本発明者等が提案した上記特許公報に記載の方法であっても、顔料の種類によっては、微分散が困難であり、用途によっては分散体中の顔料粒子径が目的のレベルに達しない場合もあることがわかった。
【0015】
本発明が解決しようとする課題は、上述した従来技術では達し得ない、微細に分散され、貯蔵安定性がよく、しかも、耐水性、耐久性、堅牢性にも優れた塗膜を形成し得る水性顔料分散体の製造方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するために、カルボキシル基に基づく酸価が30〜120の範囲にある樹脂(A)とカーボンブラックまたは有機顔料(B)および有機色素の誘導体である分散剤(F)とを、有機溶剤媒体中で混練する工程(1a)、塩基性化合物(D2)を用いてカルボキシル基の一部またはすべてを中和して水性媒体中に分散する工程(2)、および、酸性化合物(E)を用いてpHを中性または酸性にすることによって樹脂(A)を析出させて顔料に固着する工程(3)とからなる製法によって得られる含水ケーキ(C)を塩基性化合物(D1)を用いてカルボキシル基の一部またはすべてを中和することにより水性媒体中に分散させることを特徴とする体積平均粒子径が10〜500nmの範囲にある水性顔料分散体の製造方法、またはカルボキシル基に基づく酸価が30〜120の範囲にある樹脂(A)のカルボキシル基の一部またはすべてを塩基性化合物(D2)を用いて中和し、カーボンブラックまたは有機顔料(B)および有機色素の誘導体である分散剤(F)を、水性媒体中で混合または混練する工程(1b)、および、酸性化合物(E)を用いてpHを中性または酸性にすることによって樹脂(A)を析出させて顔料に固着する工程(3)とからなる製法によって得られる含水ケーキ(C)を塩基性化合物(D1)を用いてカルボキシル基の一部またはすべてを中和することにより水性媒体中に分散させることを特徴とする体積平均粒子径が10〜500nmの範囲にある水性顔料分散体の製造方法を提供する。
【0017】
なお、本発明の製造方法における酸価は、樹脂(A)固形分1gを中和するのに必要な水酸化カリウムのmg量で表わす。
【0018】
本発明の製造方法は、基本的には次の製造工程からなる。
(1)カルボキシル基に基づく酸価が30〜120の範囲にある樹脂(A)とカーボンブラックまたは有機顔料(B)と分散剤(F)とを混合または混練する。
(2)アルカリ性水性媒体中に分散する。
(3)酸性化合物(E)を用いてpHを中性または酸性にすることによって樹脂(A)を疎水化し、樹脂(A)をカーボンブラックまたは有機顔料に強く固着する。
(4)必要に応じて、濾過および水洗を行う。
(5)塩基性化合物でもってカルボキシル基を中和して、水性媒体中に再分散する。
【0019】
本発明の製造方法において使用する樹脂(A)は、カルボキシル基に基づく酸価が30〜120の範囲にある樹脂で有れば、特に制限なく使用できる。そのような樹脂としては、例えば、ビニル系共重合体、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ロジン変性樹脂などが挙げられる。これらの中でも、カルボキシル基の導入の容易さ、被膜の強靭性などの面から、ビニル系共重合体、ポリエステル樹脂およびポリウレタン樹脂が好ましい。
【0020】
本発明の製造方法において使用するビニル系共重合体としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル樹脂、(メタ)アクリル酸エステル−スチレン共重合体樹脂、スチレン−(無水)マレイン酸共重合体樹脂、含フッ素ビニル系共重合体樹脂などが挙げられる。また、本発明の製造方法において使用するポリエステル樹脂としては、例えば、飽和ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は、適度な水溶性または水分散性を付与するための親水性基としてカルボキシル基を含有することが必須である。
【0021】
カルボキシル基を有するビニル系共重合体は、カルボキシル基を有する重合性モノマーを含有する重合性モノマー組成物を共重合する方法によって容易に製造することができる。カルボキシル基を有する重合性モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、フマル酸、イタコン酸、(無水)マレイン酸、マレイン酸モノブチルの如きマレイン酸モノアルキル類、イタコン酸モノブチルの如きイタコン酸モノアルキル類などが挙げられる。
【0022】
重合性モノマー組成物中に含まれるカルボキシル基を有する重合性ビニルモノマー以外の重合性ビニルモノマーとしては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレンの如き芳香族ビニルモノマー類;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ブトキシメチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートの如き(メタ)アクリル酸エステル類;酢酸ビニル、安息香酸ビニル、バーサチック酸ビニル、プロピオン酸ビニルの如きビニルエステル類;(メタ)アクリロニトリルの如き重合性ニトリル類;フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレンまたはクロロトリフルオロエチレンの如きフッ素原子を有するビニルモノマー類;ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルカルバゾールの如き第3級アミノ基を有するモノマー類;2−(2’−ヒドロキシ−5−メタクリロイルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−ヒドロシ−4−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)ベンゾフェノン、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレートの如き紫外線吸収性または酸化防止性を有するモノマー類;N−ビニルピロリドン、グリシジル(メタ)アクリレート、1,3−ジオキソラン−2−オン−4−イルメチル(メタ)アクリレート、1,3−ジオキソラン−2−オン−4−イルメチルビニルエーテル、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミドの如きN−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミド類などの官能基を有するモノマー類;γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシランの如き加水分解性アルコキシシラン基を有するモノマー類;2−ホスホオキシエチル(メタ)アクリレート、4−ホスホオキシブチル(メタ)アクリレートの如き燐酸基を有するモノマー類;分子末端に重合性不飽和基を1個有するマクロモノマー類などが挙げられる。
【0023】
重合性ビニルモノマー組成物の重合方法は、懸濁重合、乳化重合、塊状重合、溶液重合など公知の各種重合方法が利用できるが、溶液重合が簡便なので好ましい。重合開始剤としては、公知の過酸化物やアゾ系化合物が使用できる。
【0024】
本発明で使用するカルボキシル基を有するポリエステル樹脂は、カルボキシル基を有する化合物と水酸基を有する化合物とを、カルボキシル基が残存するように、溶融法、溶剤法などの公知の方法によって脱水縮合反応を行って製造することができる。
【0025】
ポリエステル樹脂は、一塩基酸、二塩基酸、多塩基酸の如きカルボキシル基を有する化合物と、ジオール、ポリオールの如き水酸基を有する化合物とを適宜選択して脱水縮合させて得られるものであり、さらに、油脂類または脂肪酸類を使用したものがアルキッド樹脂となる。
【0026】
本発明の製造方法で使用するポリエステル樹脂が有するカルボキシル基は、主に、ポリエステル樹脂を構成する二塩基酸または多塩基酸に由来する未反応のカルボキシル基である。
【0027】
二塩基酸または多塩基酸としては、例えば、アジピン酸、(無水)コハク酸、セバシン酸、ダイマー酸、(無水)マレイン酸、(無水)フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロ(無水)フタル酸、ヘキサヒドロ(無水)フタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、(無水)トリメリット酸、(無水)ピロメリット酸などが挙げられる。
【0028】
二塩基酸または多塩基酸以外に使用可能なカルボキシル基を有する化合物としては、例えば、テレフタル酸ジメチルの如き酸の低級アルキルエステル類;安息香酸、p−ターシャリブチル安息香酸、ロジン、水添ロジンの如き一塩基酸類;脂肪酸および油脂類;分子末端に1または2個のカルボキシル基を有するマクロモノマー類;5−ソジウムスルフォイソフタル酸およびそのジメチルエステル類などが挙げられる。
【0029】
水酸基を有する化合物としては、例えば、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,5−ペンタンジオール、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールの如きジオール類;グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ジグリセリン、ペンタエリスリトール、トリスヒドロキシエチルイソシアヌレートの如きポリオール類;「カージュラ E−10」(シェル化学工業株式会社製の合成脂肪酸のグリシジルエステル)などのモノグリシジル化合物類、分子片末端に水酸基を2個有するマクロモノマー類などが挙げられる。
【0030】
また、ポリエステル樹脂を合成する際に、ひまし油、12−ヒドロキシステアリン酸などの水酸基を有する脂肪酸または油脂類;ジメチロールプロピオン酸、p−ヒドロキシ安息香酸、ε−カプロラクトンの如きカルボキシル基と水酸基とを有する化合物なども使用できる。
【0031】
さらに、 二塩基酸の一部をジイソシアネート化合物に代えることもできる。
【0032】
本発明の製造方法で使用するカルボキシル基を有するポリエステル樹脂として、カルボキシル基を有する重合性モノマーをポリエステル樹脂にグラフトした変性ポリエステル樹脂も使用することができる。
【0033】
カルボキシル基を有するポリウレタンは、水酸基を有するセグメントとして、ジメチロールプロピオン酸の如きカルボキシル基および水酸基を有する化合物を使用することにより、容易に製造することができる。
【0034】
本発明の製造方法で使用するカルボキシル基を有するポリウレタン樹脂は、カルボキシル基を導入する成分として、ジメチロールプロピオン酸の如きカルボキシル基および水酸基を有する化合物を含有するポリオール成分と、ポリイソシアネート成分とを反応させることによって、容易に製造することができる。
【0035】
ポリオール成分としては、ポリエステルの製造方法において掲げたジオール成分のほか、必要に応じて、3官能以上のポリオール化合物を使用することもできる。
【0036】
ポリイソシアネート成分には、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネート、水添4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、水添メタキシリレンジイソシアネート、粗製4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートの如きジイソシアネート化合物のほか、ポリメチレンポリフェニルイソシアネートの如きポリイソシアネート化合物も使用できる。
【0037】
ポリウレタン樹脂の製造は、常法に従えばよい。例えば、イソシアネート基と反応しない不活性な有機溶剤溶液中で、室温または40〜100℃程度の温度で付加反応を行なうことが好ましい。その際、ジブチル錫ジラウレート等の公知の触媒を使用しても良い。
【0038】
ポリウレタン樹脂を製造する際の反応系には、ジアミン、ポリアミン、N−メチルジエタノールアミンの如きN−アルキルジアルカノールアミン;ジヒドラジド化合物などの公知の鎖伸長剤も使用できる。
【0039】
また、本発明の製造方法で使用するカルボキシル基を有する樹脂(A)として、水酸基を有するビニル系共重合体またはポリエステル樹脂に、無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水トリメリット酸の如き無水多塩基酸を付加反応せしめる方法によって得られるカルボキシル基を有する樹脂も使用することができる。
【0040】
本発明で使用するカルボキシル基を有する樹脂(A)中のカルボキシル基の量は、酸価が30〜120となる範囲が好ましく、50〜100となる範囲がより好ましい。本発明で使用する樹脂(A)の酸価が120を越えると、親水性が高くなり過ぎるため、被塗物の耐水性が著しく低下する傾向にあり、また、酸価が30よりも低いと、酸析して中和後の水への再分散性が低下する傾向にあるので、好ましくない。
【0041】
本発明の製造方法で使用するカルボキシル基を有する樹脂(A)は、カルボキシル基に加えて、水酸基を有するものが、より好ましい。樹脂(A)に結合した水酸基は、焼き付け塗料、焼き付けインキ、捺染剤などに使用するとき、硬化剤と反応して、より強固な膜を形成することができる。
【0042】
カルボキシル基および水酸基を有するビニル系共重合体は、カルボキシル基を有するビニル系共重合体を製造する際に使用した重合性モノマーと水酸基を有する重合性モノマーとを共重合する方法により、容易に製造することができる。
【0043】
水酸基を有する重合性モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートの如き水酸基を有するアルキル(メタ)アクリレート;「プラクセル FM−2」、「プラクセル FA−2」(ダイセル化学工業株式会社製)に代表されるラクトン化合物を付加した(メタ)アクリルモノマー類;ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートモノマー類;ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートモノマー類;ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテルの如き水酸基を有するアルキルビニルエーテル等が挙げられる。
【0044】
カルボキシル基および水酸基を有するポリエステル樹脂は、ポリエステル樹脂の脱水縮合反応において、公知の方法に従って、水酸基が残存するように反応すればよい。残存する水酸基は、ジオール化合物、ポリオール化合物またはカルボン酸ポリオール化合物などに由来する未反応基である。
【0045】
本発明の製造方法で使用するカルボキシル基を有するビニル系共重合体およびポリウレタン樹脂は、数平均分子量が5,000〜20,000の範囲にあるものが好ましい。数平均分子量が5,000よりも小さい場合、得られた水性顔料分散体を被覆剤に使用した時に、塗膜が脆くなる傾向にあるので好ましくない。また、数平均分子量が、20,000よりも大きい場合、微細な水性顔料分散体を得にくくなる傾向にあるので好ましくない。
【0046】
本発明の製造方法で使用するポリエステル樹脂は、分岐型であることがほとんどなので、線状のビニル系共重合体などの場合とは異なり、数平均分子量が小さい場合であっても重量平均分子量が大きいので、塗膜として充分なる強靭性を有する。従って、当該ポリエステル樹脂は、数平均分子量が1,000〜20,000の範囲にあるものが好ましく、重量平均分子量では、5,000〜100,000の範囲にあるものが好ましい。
【0047】
本発明の製造方法では、カーボンブラックまたは有機顔料(B)を使用することができる。有機顔料としては、例えば、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ハンザイエロー、パーマネントレッド、アントラキノン、ペリノン、ジオキサジン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系金属錯体、メチン系金属錯体、チオインジゴ、イソインドリノン、スレンブルー、ジアミノアンスラキノリルなどが挙げられる。本発明の製造方法で使用するカーボンブラックまたは有機顔料は、粉末および固形化されたものであっても良く、また、水性スラリーやプレスケーキといった水に分散した状態のカーボンブラックまたは有機顔料であっても良い。
【0048】
本発明の製造法で使用する分散剤(F)は、カーボンブラックまたは有機顔料に特定の官能基を導入した、いわゆる顔料誘導体であり、カーボンブラックまたは有機顔料(B)と同一骨格を有する顔料誘導体が特に好ましい。
【0049】
顔料誘導体に導入する官能基としては、例えば、アミノ基、カルボキシル基、スルホ基、カルボンアミド基、スルホンアミド基、フタルイミド基などが挙げられ、これらの官能基は、アルキレン基など二価の結合基でカーボンブラックまたは有機顔料骨格と間接的に結合されていても良い。さらに、これらの官能基のうち、アミノ基、カルボキシル基、スルホ基などは、塩の形であっても良い。また、顔料誘導体は、二種類以上の官能基を有するものでも良い。
【0050】
分散剤(F)の使用量は、カーボンブラックまたは有機顔料(B)100重量部に対して0.5〜50重量部の範囲が好ましい。しかしながら、顔料誘導体は、多量に用いると色相変化が起きる恐れがあることから、その使用量は、カーボンブラックまたは有機顔料(B)100重量部に対して0.5〜10重量部の範囲が特に好ましく、また、樹脂型分散剤では、同じく5〜25重量部の範囲が特に好ましい。
【0051】
次に、本発明の製造方法をその工程に従って、順次、説明する。
【0052】
カルボキシル基を有する樹脂(A)とカーボンブラックまたは有機顔料(B)と分散剤(F)とを混合または混練する工程では、次の2方法が適当である。
(1)有機溶剤媒体中でカーボンブラックまたは有機顔料(B)と分散剤(F)を混練した後、水性媒体中に分散する。
(2)水性媒体中でカーボンブラックまたは有機顔料(B)と分散剤(F)を混合または混練する。
【0053】
カルボキシル基を有する樹脂(A)とカーボンブラックまたは有機顔料(B)と分散剤(F)とを混合または混練する工程に適用できる第1の方法である有機溶剤中での混練は、まず、カーボンブラックまたは有機顔料(B)と分散剤(F)と、カルボキシル基を有する樹脂(A)の有機溶剤溶液とを、ボールミル、サンドミル、コロイドミルなどの公知の分散機を使用して微細に分散する。
【0054】
この時、使用される有機溶剤は、一般に使用されるものはすべて使用できるが、樹脂に対する溶解性が良く、樹脂の合成上も問題がないもの、蒸気圧が水より高く、脱溶剤し易いもの、さらに、水と混和性のあるものが好ましい。そのような溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、酢酸エチル、テトラヒドロフランなどが特に好ましい。水との混和性は低いが、メチルイソプロピルケトン、メチル−n−プロピルケトン、酢酸イソプロピル、酢酸n−プロピル、塩化メチレン、ベンゼンなども使用できる。
【0055】
有機溶剤媒体中に分散させたカーボンブラックまたは有機顔料(B)と分散剤(F)およびカルボキシル基を有する樹脂(A)から成る分散体を水性媒体中に分散させるには、樹脂(A)のカルボキシル基を塩基性化合物(D2)を用いて中和し、樹脂(A)を親水性化して水に分散させる方法が挙げられる。あるいは、塩基性化合物(D2)を用いて中和したカルボキシル基を有する樹脂(A)およびカーボンブラックまたは有機顔料(B)と分散剤(F)から成る分散体を水に分散させる方法であっても良い。
【0056】
水への分散方法には、次のような方法が適当である。
(a)カルボキシル基を有する樹脂(A)およびカーボンブラックまたは有機顔料(B)と分散剤(F)から成る分散体を塩基性化合物を用いて中和した後、水を滴下する。
(b)塩基性化合物を用いて中和したカルボキシル基を有する樹脂(A)およびカーボンブラックまたは有機顔料(B)と分散剤(F)から成る分散体に、水を滴下する。
(c)カルボキシル基を有する樹脂(A)およびカーボンブラックまたは有機顔料(B)と分散剤(F)から成る分散体に、塩基性化合物を含有する水を滴下する。
(d)カルボキシル基を有する樹脂(A)およびカーボンブラックまたは有機顔料(B)と分散剤(F)から成る分散体を塩基性化合物でもって中和し、水媒体中に添加する。
(e)塩基性化合物を用いて中和したカルボキシル基を有する樹脂(A)およびカーボンブラックまたは有機顔料(B)と分散剤(F)から成る分散体を水性媒体中に添加する。
(f)カルボキシル基を有する樹脂(A)およびカーボンブラックまたは有機顔料(B)と分散剤(F)から成る分散体を、塩基性化合物を含有する水媒体中に添加する。
【0057】
水に分散する際には、通常の低シェアーでの撹拌、ホモジナイザーなどでの高シェアー撹拌、あるいは、超音波などを使用して行ってもよい。また、水性媒体への分散を補助する目的でもって、界面活性剤や保護コロイドなどを、塗膜の耐水性を著しく低下させない範囲で併用することもできる。
【0058】
塩基性化合物(D2)としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムの如き無機塩基;アンモニア、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジメチルエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、モルホリンの如き有機アミンなどが挙げられる。
【0059】
カルボキシル基を有する樹脂(A)とカーボンブラックまたは有機顔料(B)と分散剤(F)とを混合または混練する工程に適用できる第2の方法である水性媒体中で樹脂(A)とカーボンブラックまたは有機顔料(B)と分散剤(F)とを混練する方法は、まず、樹脂(A)のカルボキシル基を前記した塩基性化合物(D2)を用いて中和し、水性媒体中でカーボンブラックまたは有機顔料(B)と分散剤(F)と混合または混練する。この時、水に溶解または分散した樹脂(A)が、有機溶剤を含有していても差し支えないし、脱溶剤を行って実質的に水のみの媒体であってもよい。カーボンブラックまたは有機顔料は、粉末顔料、水性スラリー、プレスケーキのいずれも使用できる。水性媒体中で分散する場合においては、カーボンブラックまたは有機顔料は、製造工程を簡略化するために、および、カーボンブラックまたは有機顔料粒子の2次凝集の少ない、水性スラリーまたはプレスケーキを使用することは好ましい。混練方法、有機溶剤、塩基性化合物(D2)は、有機溶剤媒体中での分散の場合と同じ方法、同じ材料で可能である。
【0060】
有機溶剤系、水性系いずれの混練の場合であっても、顔料分散体に通常使用される添加剤は塗膜の耐水性を低下させない範囲で使用することもできる。
【0061】
また、カーボンブラックまたは有機顔料を混練する際、あるいは、混練後であって酸析する前に、カーボンブラックまたは有機顔料以外の物質、例えば、染料、酸化防止剤、紫外線吸収剤、被覆剤バインダーの硬化触媒、防錆剤、香料、薬剤などを添加することもできる。
【0062】
カルボキシル基を有する樹脂(A)とカーボンブラックまたは有機顔料との割合は、カーボンブラックまたは有機顔料100重量部に対して、樹脂(A)の固形分量で1〜200重量部の範囲が好ましく、5〜100重量部の範囲が特に好ましい。樹脂(A)の使用量が1重量部よりも少ない場合、カーボンブラックまたは有機顔料を充分微細に分散しにくくなる傾向にあり、また、200重量部よりも多い場合、分散体中のカーボンブラックまたは有機顔料の割合が少なくなり、水性顔料分散体を塗装剤などに使用した時に、配合設計上の余裕がなくなる傾向にあるので、好ましくない。
【0063】
水性媒体中に微分散されたカーボンブラックまたは有機顔料に樹脂(A)を強く固着化する目的で行われる酸析は、塩基性化合物(D2)によって中和されたカルボキシル基を、酸性化合物(E)を加えてpHを中性または酸性とすることによって、樹脂(A)を疎水性化するものである。
【0064】
使用される酸性化合物(E)としては、例えば、塩酸、硫酸、燐酸、硝酸の如き無機酸類;蟻酸、酢酸、プロピオン酸の如き有機酸類などが使用できるが、排水中の有機物が少なく、かつ、酸析効果も大きい塩酸が好ましい。酸析時のpHは3〜6の範囲が好ましいが、カーボンブラックまたは有機顔料によっては酸によって分解されるものもあり、このようなカーボンブラックまたは有機顔料の場合には、pH4〜7の範囲で酸析することが好ましい。酸析を行う前に、系に存在する有機溶剤を減圧蒸留などの方法を用いて予め除いておくことが好ましい。
【0065】
酸析後、必要に応じて濾過および水洗を行って、分散カーボンブラックまたは有機顔料の含水ケーキ(C)を得る。濾過方法としては、吸引濾過、加圧濾過、遠心分離など公知の方法が採用できる。
【0066】
この含水ケーキ(C)は、乾燥させることなく、含水した状態のままで塩基性化合物(D1)でもってカルボキシル基を再中和することによって、カーボンブラックまたは有機顔料粒子が凝集することなく、微細な状態を保持したままで、水性媒体中に再分散される。塩基性化合物(D1)としては、塗膜の耐水性などを考慮し、アンモニア、トリエチルアミン、ジメチルエタノールアミンの如き揮発性アミン化合物が好ましい。
【0067】
このようにして得られる水性顔料分散体は、体積平均粒子径が10〜500nmの範囲にあるものが好ましい。体積平均粒子径が500nmよりも大きい場合、塗膜の光沢、発色性、着色力に優れたものが得難くなる傾向にあるので好ましくなく、また、体積平均粒子系が10nmよりも小さいものを得ることは非常に困難で現実的ではない。
【0068】
このようにして得られる水性顔料分散体は、水性塗料、水性インキ、捺染剤などに配合して使用される。
【0069】
【実施例】
以下、実施例を用いて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。以下の実施例において、「部」および「%」は、特に断りのない限り、すべて重量基準であるものとする。
【0070】
また、以下の実施例における分子量は、GPC(ゲルパーミッションクロマトグラフィー)により測定したものであり、体積平均粒子径は、「UPA−150」(日揮装社製のレーザードップラー式粒度分布計)により測定したものである。
【0071】
<合成例1>(ビニル系共重合体の合成)
滴下装置、温度計、窒素ガス導入管、撹拌装置および還流冷却管を備えた容量3リットルの四つ口フラスコに、メチルエチルケトン1,000部を仕込み、液温を78℃まで昇温させた後、n−ブチルメタクリレート700部、n−ブチルアクリレート42部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート150部、メタクリル酸108部およびターシャリブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート80部とから成る混合液を4時間掛けて滴下した。更に、同温度で8時間反応を続けた。反応混合物を室温まで放冷した後、不揮発分が50%となるようにメチルエチルケトンを加えて希釈して、酸価が70、数平均分子量が6,000の樹脂溶液Aを得た。
【0072】
<合成例2>(ビニル系共重合体の合成)
滴下装置、温度計、窒素ガス導入管、撹拌装置および還流冷却管を備えた容量3リットルの四つ口フラスコに、メチルエチルケトン1,000部を仕込み、液温を78℃まで昇温させた後、スチレン146部、n−ブチルメタクリレート551部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート150部、メタクリル酸153部およびターシャリブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート20部とから成る混合液を4時間掛けて滴下した。更に、同温度で8時間反応を続けた。反応混合物を室温まで放冷した後、不揮発分が50%となるようにメチルエチルケトンを加えて希釈して、酸価が100、数平均分子量が16,000の樹脂溶液Bを得た。
【0073】
<合成例3>(ポリエステル樹脂の合成)
脱水管、温度計、窒素ガス導入管および撹拌装置を備えた容量2リットルの四つ口フラスコに、「カージュラ E−10」(シェル化学工業株式会社製の合成脂肪酸のグリシジルエステル)100部、アジピン酸241部、ヘキサヒドロ無水フタル酸376部、ネオペンチルグリコール195部、トリメチロールプロパン165部およびジブチル錫ジオキサイド0.5部とを仕込み、脱水しながら5時間を掛けて190℃まで昇温し、同温度にて脱水縮合反応を行った。サンプリングを行って酸価を測定し、目標酸価が60となるように反応を終了した。反応混合物を放冷した後、不揮発分が65%と成るようにメチルエチルケトンを加えて希釈して、酸価が61、数平均分子量が2,200、重量平均分子量が30,000、樹脂固形分当たりの水酸基価が60である樹脂溶液Cを得た。
【0074】
<合成例4>(ポリウレタン樹脂の合成)
温度計、窒素ガス導入管、撹拌装置および還流冷却管を備えた容量3リットルの四つ口フラスコに、メチルエチルケトン900部、ジメチロールプロピオン酸129部、「プラクセル 212」(ダイセル化学工業株式会社製のポリラクトンジオール)521部およびイソホロンジイソシアネート350部とを仕込み、78℃で2時間反応させた後、ジブチル錫ジラウレート0.1部を加えて、更に同温度にて4時間反応させた。反応混合物を30℃まで放冷した後、エチレンジアミン5.8部をメチルエチルケトン106部に溶解した溶液を仕込んで、1時間反応させて、酸価が54、数平均分子量が12,000である樹脂溶液Dを得た。
【0075】
<実施例1>(有機顔料の水性分散体の調製例)
(1)有機顔料混練工程
合成例1で得た樹脂溶液A中のカルボキシル基を有する樹脂を、ジメチルエタノールアミンを用いて100%中和した。容量250ccのガラスビンに、中和した樹脂を固形分換算で8部、「ファストーゲン・スーパー・マゼンタ・RTS」(以下、RTSと略称する。)7.6部および分散剤として3,10−ジクロルキナクリドンのジメチルアミノメチル基置換体(キナクリドン1分子中あたりジメチルアミノメチル基が約1個置換したもの)0.4部を加え、イオン交換水を加えて総量が60部となるようにした後、平均径が1.5mmのガラスビーズ130部を加えた後、ペイントシェーカーにより4時間混練を行った。混練終了後、ガラスビーズを濾過して除いて、塩基で中和されたカルボキシル基を有する樹脂と有機顔料から成る分散体を水に分散したものを得た。
【0076】
(2)酸析
塩基で中和されたカルボキシル基を有する樹脂と有機顔料から成る分散体を水に分散したものに水を加えて倍に希釈した後、ディスパーで撹拌しながら、1規定塩酸を樹脂が不溶化して有機顔料に固着するまで加えた。この時のpHは3〜5であった。
【0077】
(3)濾過および水洗
樹脂が固着した有機顔料を含有する水性媒体を吸引濾過し、残渣を洗液のpHが6を越えるようになるまで水洗して、含水ケーキを得た。
【0078】
(4)中和、および、水性媒体への再分散
含水ケーキに、含水ケーキが流動するようになるまで水を加えた後、ディスパーで撹拌しながら、分散体のpHが8.5〜9.5になるまでジメチルエタノールアミンの10%水溶液を加えた。更に、1時間撹拌を続けた後、水を加えて、不揮発分が20%になるように調整して、水性顔料分散体A−1を得た。
【0079】
<比較例1>実施例1において、RTSを8部とし、分散剤を用いずに有機顔料混練工程を実施した以外は、実施例1と同様にして水性顔料分散体a−1を得た。
【0080】
<比較例2>
比較例1において、酸析を行わずに減圧によって脱溶剤を行なった後、水を加えて、不揮発分が20%になるように調整して、水性顔料分散体a−2を得た。
【0081】
<実施例2>容量250ccガラスビンに、合成例2で得た樹脂溶液B、16部(固形分で8部)、「ファストーゲン・ブルー・TGR」(以下、TGRと略称する。)7.7部および分散剤として銅フタロシアニンのN,N−ジメチルアミノプロピルスルホンアミド基置換体(フタロシアニン1分子中あたりN,N−ジメチルアミノプロピルスルホンアミド基が約1個置換したもの)0.3部、メチルエチルケトン40部および平均径が1.5mmのガラスビーズ130部を仕込み、ペイントシェーカーにより4時間混練した。混練物にメチルエチルケトン24部を加えた後、濾過によりガラスビーズを除いた。このようにして得たカルボキシル基を有する樹脂および有機顔料から成る混練物88部を、ジメチルエタノールアミン1.4部および水100部から成る水溶液中に、ホモミキサーで撹拌しながら投入した。次いで、メチルエチルケトンの約8割を減圧蒸留により除き、酸析工程に移った。
【0082】
酸析工程以後は、実施例1と同様にして水性顔料分散体B−1を得た。
【0083】
<比較例3>実施例2において、TGRを8部とし、分散剤を用いずに有機顔料混練工程を実施した以外は、実施例2と同様にして水性顔料分散体b−1を得た。
【0084】
<比較例4>
比較例3において、酸析を行わずに減圧によって脱溶剤を行なった後、水を加えて、不揮発分が20%になるように調整して、水性顔料分散体b−2を得た。
【0085】
<実施例3>
実施例1において、合成例1で得た樹脂溶液Aに代えて合成例3で得た樹脂溶液Cを使用し、「ファストーゲン・スーパー・マゼンタ・RTS」に代えて、「シムラーファスト・イエロー・8GTF」(以下、8GTFと略称する。)6.4部および分散剤として、ベースに3,3’−ジクロルベンジジンを、カップリング成分の50%をアセトアセト−4−カルボキシアニリド、50%をアセトアセト−2−メトキシアニリドを用いて合成したジスアゾ化合物1.6部(以下、ジスアゾ化合物Aと略称する。)を用いた以外は、実施例1と同様にして水性顔料分散体C−1を得た。
【0086】
<比較例5>実施例3において、8GTFを8部とし、分散剤を用いずに有機顔料混練工程を実施した以外は、実施例3と同様にして水性顔料分散体c−1を得た。
【0087】
<比較例6>
比較例5において、酸析を行わずに減圧によって脱溶剤を行なった後、水を加えて、不揮発分が20%になるように調整して、水性顔料分散体c−2を得た。
【0088】
<実施例4>
実施例1において、合成例1で得た樹脂溶液Aに代えて、合成例4で得た樹脂溶液Dを固形分換算で4重量部を使用し、「ファストーゲン・スーパー・マゼンタ・RTS」に代えて、「ファストーゲン・ブルー・FGF」(以下、FGFと略称する。)7.6部および分散剤として銅フタロシアニンのフタルイミドメチル基置換体(フタロシアニン1分子中あたりフタルイミドメチル基が約1個置換したもの)0.4部を用い、更に、酸析後の中和に用いるジメチルエタノールアミンの10%水溶液に代えて10%アンモニア水を用いた以外は、実施例1と同様にして水性顔料分散体D−1を得た。
【0089】
<比較例7>実施例4において、FGFを8部とし、分散剤を用いずに有機顔料混練工程を実施した以外は、実施例4と同様にして水性顔料分散体d−1を得た。
【0090】
<比較例8>
比較例7において、酸析を行わずに減圧によって脱溶剤を行なった後、水を加えて、不揮発分が20%になるように調整して、水性顔料分散体d−2を得た。
【0091】
<実施例5、6>(水溶性焼き付けアクリル樹脂塗料)
「ウオーターゾール S−751」(大日本インキ化学工業株式会社製の水溶性焼き付け塗料用アクリル樹脂;不揮発分=50%)、「サイメル 303」(三井サイアナミッド社製のメラミン樹脂;有効成分含有率=98%)および実施例1または2で得た水性顔料分散体(不揮発分=20%)を、固形分量で、
「ウオーターゾール S−751」 28部
「サイメル 303」 12部
顔料分散用樹脂 10部
有機顔料 10部
の割合となるように配合し、水を加えて希釈して不揮発分が24%の水溶性焼き付けアクリル樹脂塗料を各々調製した。
【0092】
このようにして得た塗料を、「BT−144処理鋼板」(日本パーカーライジング社製の燐酸亜鉛処理鋼板)上に膜厚が20±2μmになるようにバーコーターを用いて塗装し、10分セッティング後、150℃にて20分間焼き付けを行って、実施例の試験片を作製した。また、各塗料を、コロナ放電処理PETフィルム上に膜厚が10±1μmになるように、バーコーターにて塗装し、10分セッティング後、150℃にて20分間焼き付けを行って、実施例の試験片を作製した。
【0093】
<比較例9〜12>
実施例5において、実施例1で得た水性顔料分散体に代えて、比較例1〜4で得た各水性顔料分散体を使用した以外は、実施例5と同様にして、水溶性焼き付けアクリル樹脂塗料を各々調製した。
【0094】
実施例5と同様にして、「BT−144処理鋼板」上およびコロナ放電処理PETフィルム上に、各比較例で得た塗料を塗装して比較例の試験片を作成した。
【0095】
<実施例7>(水溶性焼き付けポリエステル樹脂塗料)
実施例5において、「ウオーターゾール S−751」に代えて、「ウオーターゾール S−212」(大日本インキ化学工業株式会社製の水溶性焼き付け塗料用ポリエステル樹脂;不揮発分=65%)を使用し、実施例1で得た水性顔料分散体に代えて、実施例3で得た水性顔料分散体を使用した以外は、実施例5の水溶性焼き付けアクリル樹脂塗料の場合と同様にして、水溶性焼き付けポリエステル樹脂塗料を調製した。
【0096】
実施例5と同様にして、「BT−144処理鋼板」上およびコロナ放電処理PETフィルム上に、実施例7で得た塗料を塗装して実施例の試験片を作成した。
【0097】
<比較例13、14>
実施例7において、実施例5で得た水性顔料分散体に代えて、比較例5、6で得た各水性顔料分散体を使用した以外は、実施例7と同様にして、水溶性焼き付けポリエステル樹脂塗料を調製した。
【0098】
実施例7と同様にして、「BT−144処理鋼板」上およびコロナ放電処理PETフィルム上に、比較例で得た各塗料を塗装して比較例の試験片を作成した。
【0099】
<実施例8>(ウレタン系水性インキ)
「ハイドラン AP−40」(大日本インキ化学工業株式会社製の水性ウレタン樹脂で、不揮発分が22.5%)と、実施例4で得た水性顔料分散体とを、固形分重量でもって、
「ハイドラン AP−40」 40部
顔料分散用樹脂 20部
顔料 40部
となるように配合し、エタノール10部を加えて、不揮発分が20%の実施例の水性インキを調製した。
【0100】
このインキを、コロナ放電処理PETフィルム上にNo.7のバーコーターでもって塗装し、60℃で1分間乾燥させて実施例の試料を作製した。
【0101】
<比較例15、16>
実施例8において、実施例4で得た水性顔料分散体に代えて、比較例7、8で得た水性顔料分散体を使用した以外は、実施例8と同様にして、不揮発分が20%の比較例の水性インキを調製した。
【0102】
実施例8と同様にして、比較例15、16のインキを、コロナ放電処理PETフィルム上にNo.7のバーコーターでもって塗装し、60℃で1分間乾燥させて比較例の試料を作製した。
【0103】
<評価>
(1)体積平均粒子径
各実施例および各比較例で得た水性顔料分散体の調製直後、および、室温で30日放置後の体積平均粒子径を、「UPA−150」(日揮装社製のレーザードップラー式粒度分布計)を用いて測定した。その結果を表1にまとめて示した。
【0104】
【表1】
【0105】
表1の顔料の欄において、RTSは「ファストーゲン・スーパー・マゼンタ・RTS」を、TGRは「ファストーゲン・ブルー・TGR」を、8GTFは「シムラーファスト・イエロー・8GTF」、FGFは「ファストーゲン・ブルー・FGF」をそれぞれ表わす。
【0106】
表1に示した結果から、本発明の製造方法で得た水性顔料分散体は、製造直後および製造後30日経過後において、粒子径の大きさがほぼ一定であるから分散安定性に優れていることが理解できる。一方、比較例1、3、5および7で得た水性分散体は、分散剤を使用していないので比較的粒子径が大きく、また、安定性も良くないことが、比較例2、4、6および8で得た水性顔料分散体は、分散剤を使用せず、また、酸析を行っていないので、粒子径が大きく、かなり安定性が悪いことがわかる。
【0107】
(2)焼き付け塗料における評価
実施5〜8および比較例9〜16で得た塗料について、以下の評価を行なった。水溶性アクリル樹脂焼き付け塗料の結果を表2に、水溶性ポリエステル樹脂焼き付け塗料の結果を表3にまとめて示した。
【0108】
・光沢:「BT−144処理鋼板」に塗装したものを、60°鏡面光沢で測定した。
【0109】
・発色性:PETフィルムに塗装したものを、目視で判定した。
評価基準
◎:色の濃度、隠蔽性が高い。
【0110】
○:色の濃度、隠蔽性がやや劣る。
△:色の濃度、隠蔽性がかなり劣る。
×:色の濃度、隠蔽性がかなり劣り、鮮鋭性も低い。
【0111】
・耐水性:「BT−144処理鋼板」に塗装したものを、温度50℃の水に浸漬し、48時間後にブリスターの発生具合を目視にて判定した。
評価基準
◎:全く異常なし。
【0112】
○:わずかにブリスターの発生が認められた。
△:かなりのブリスターの発生が認められた。
×:試験片の全面にブリスターが発生した。
【0113】
【表2】
【0114】
【表3】
【0115】
表2および表3に示した結果から、本発明の製造方法で得た水性顔料分散体を用いた塗料は、光沢、発色性および耐水性に優れていることが理解できる。
【0116】
(3)水性インキにおける評価
実施例8および比較例15、16で得た水性インキについて、以下の評価を行ない、その結果を表4にまとめて示した。
・光沢:60°鏡面光沢
・発色性:焼き付け塗料の場合と同じ評価
【0117】
【表4】
【0118】
表4に示した結果から、本発明の製造方法で得た水性顔料分散体を用いた水性インキは、光沢および発色性に優れていることが理解できる。
【0119】
【発明の効果】
本発明の製造方法に従って得られる水性顔料分散体は、分散剤を使用し、かつ、酸析することにより、カーボンブラックまたは有機顔料粒子が微細に分散され、貯蔵安定性に優れ、また、水性塗料、水性インキ等に使用した時、光沢、発色性および着色力にも優れ、さらに、耐水性にも優れるという、極めて実用性の高いものである。
Claims (7)
- カルボキシル基に基づく酸価が30〜120の範囲にある樹脂(A)とカーボンブラックまたは有機顔料(B)、および有機色素の誘導体である分散剤(F)とを、有機溶剤媒体中で混練する工程(1a)、塩基性化合物(D2)を用いてカルボキシル基の一部またはすべてを中和して水性媒体中に分散する工程(2)、および、酸性化合物(E)を用いてpHを中性または酸性にすることによって樹脂(A)を析出させて顔料に固着する工程(3)とからなる製法によって得られる含水ケーキ(C)を塩基性化合物(D1)を用いてカルボキシル基の一部またはすべてを中和することにより水性媒体中に分散させることを特徴とする体積平均粒子径が10〜500nmの範囲にある水性顔料分散体の製造方法。
- カルボキシル基に基づく酸価が30〜120の範囲にある樹脂(A)のカルボキシル基の一部またはすべてを塩基性化合物(D2)を用いて中和し、カーボンブラックまたは有機顔料(B)および有機色素の誘導体である分散剤(F)を、水性媒体中で混合または混練する工程(1b)、および、酸性化合物(E)を用いてpHを中性または酸性にすることによって樹脂(A)を析出させて顔料に固着する工程(3)とからなる製法によって得られる含水ケーキ(C)を塩基性化合物(D1)を用いてカルボキシル基の一部またはすべてを中和することにより水性媒体中に分散させることを特徴とする体積平均粒子径が10〜500nmの範囲にある水性顔料分散体の製造方法。
- 樹脂(A)がビニル系共重合体である請求項1または2記載の水性顔料分散体の製造方法。
- 数平均分子量が5,000〜20,000の範囲にあるビニル系共重合体を使用する請求項3記載の水性顔料分散体の製造方法。
- 樹脂(A)が、ポリエステル樹脂およびポリウレタン樹脂である請求項1または2記載の水性顔料分散体の製造方法。
- 樹脂(A)が、水酸基を有する樹脂である請求項1、2、3または4記載の水性顔料分散体の製造方法。
- カーボンブラックまたは有機顔料(B)が、有機顔料の水性スラリーまたはプレスケーキである請求項2記載の水性顔料分散体の製造方法。
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