JPH09217019A - 顔料組成物の製造方法及びその方法による顔料組成物を含有する水性着色液 - Google Patents

顔料組成物の製造方法及びその方法による顔料組成物を含有する水性着色液

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JPH09217019A
JPH09217019A JP8025297A JP2529796A JPH09217019A JP H09217019 A JPH09217019 A JP H09217019A JP 8025297 A JP8025297 A JP 8025297A JP 2529796 A JP2529796 A JP 2529796A JP H09217019 A JPH09217019 A JP H09217019A
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crude
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JP8025297A
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Nagayuki Takao
長幸 鷹尾
Masahiko Asada
匡彦 浅田
Naoto Saito
直人 齊藤
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 微粒子で分散安定性に優れた水性顔料分散液
を安価に製造方法する手法を開発し、水系の顔料分散液
を用いる水性塗料、水性インキや捺染、あるいは自動車
塗料、カラーフィルタやジェットインキ等の微細な粒子
が要求される用途に、安価に提供すること。 【構成】 (1)粗顔料又は粗顔料を乾式粉砕して得
た粉砕粗顔料、カルボキシル基含有アクリル樹脂のア
ルカリ塩及び水及び/又は水性溶媒を混合する第1工
程、(2)第1工程で得た混合物を機械的に分散させる
第2工程、(3)第2工程で得た分散物に酸を加えて、
顔料に樹脂を析出させる第3工程、及び(4)第3工程
で得た析出物にアルカリを加えて再中和する第4工程か
ら成る顔料組成物の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車、塗装鋼
板、建材、缶等の水性塗料、繊維を染色する捺染剤、グ
ラビアインキ、フレキソインキ等の水性インキ、水性ボ
ールペン、万年筆、水性サインペン、水性マーカー等の
筆記具、バブルジェット方式、サーマルジェット方式、
ピエゾ方式等のオンデマンドタイプのインクジェットプ
リンター用の水性記録液、液晶テレビやラップトップ型
のパソコン等に使用されるカラーフィルタ等に使用する
材料として有用なマイクロカプセル化された顔料組成物
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、顔料あるいは顔料に分散改良剤等
の処理を施した顔料組成物を使用するには、顔料が有す
る美しい色彩を表現するために、インキや塗料の媒体で
分散する必要があった。また、インキや塗料に用いられ
るマイクロカプセルやミルベース等の加工顔料は、顔料
を使用して加工を行っている。
【0003】例えば、特開平7−238234号公報に
は、ビスフェノール系化合物中のジオールと多塩基酸の
部分エステル化物を縮合して得られた水溶性樹脂と顔料
と水と中和剤からなる水性顔料分散液、特開平5−43
704号公報には、色素、水不溶性で常温で固体の樹
脂、水溶性の無機塩及び水溶性溶剤を機械的に混練し水
洗した後、乾燥して得た混合物を溶媒に分散してなる顔
料組成物、特開平3−221137号公報には、水に対
する自己分散能を有する樹脂を用いて疎水性物質(有機
顔料等)を微小カプセル化する製造方法が開示されてい
る。
【0004】これらに使用する顔料は、鮮明な色相を得
ること、分散をしやすくすること、あるいは耐候性を良
くすること等のために、粗顔料を合成した後、結晶型を
整えたり、一次粒子径の形や大きさを揃えたりして製造
した、いわゆる顔料化されたものである。このため、従
来の顔料組成物や加工顔料は、顔料合成後の粗顔料を使
用することができないため、労力やエネルギー等がかか
りコストが高かった。
【0005】また、これらの顔料は、再度分散を必要と
したり、塗料やインキに使用した場合、必ずしも要求性
能を満たすとは限らなかった。
【0006】特に、高鮮明、高透明、高精細度等が要求
される自動車塗料、カラーフィルターやジェットインク
等は、塗料やインキ等の一般的に使用される有機顔料に
比べて、一次粒子径が細かい。そのため、それら自動車
塗料、カラーフィルターやジェットインク等を製造する
には多大なエネルギーや労力を要する結果、生産コスト
が高くなる、という問題点があった。また、これらに使
用される顔料は、二次凝集が強いため、一次粒子にまで
分散させるには多大なエネルギーを必要とする、という
問題点があった。さらにまた、顔料を一次粒子まで分散
できたとしても、分散液中の顔料を安定に保つには種々
の工夫が必要であるという問題点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、微粒子で分散安定性に優れた水性顔料分散
液を安価に製造方法する手法を開発し、水系の顔料分散
液を用いる水性塗料、水性インキや捺染、あるいは自動
車塗料、カラーフィルタやジェットインキ等の微細な粒
子が要求される用途に、安価に提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく、鋭意、検討を重ねた結果、 (1)粗顔料又は粗顔料を乾式粉砕して得た粉砕粗顔
料、カルボキシル基含有アクリル樹脂のアルカリ塩及
び水及び/又は水性溶媒を混合する第1工程、 (2)第1工程で得た混合物を機械的に分散させる第2
工程、 (3)第2工程で得た分散物に酸を加えて、顔料に樹脂
を析出させる第3工程、及び (4)第3工程で得た析出物にアルカリを加えて再中和
する第4工程から成る顔料組成物の製造方法が、従来の
顔料水性分散液の製造コスト低減し、また、再分散を必
要としないことから、塗料やインキの製造コストまでも
低減でき、さらに、第1工程で得られた混合物を加熱処
理することで機械的分散時のエネルギーを節約できるこ
とにより微細な分散体が得られることを見い出し、本発
明を完成するに至った。また、この顔料組成物を用いた
水性着色液が、微粒子で、分散安定性に優れ、鮮明性、
透明性、精細性等に優れた塗膜を提供できることを見い
出し、本発明を完成するに至った。
【0009】即ち、本発明は上記課題を解決するため
に、 (1)粗顔料又は粗顔料を乾式粉砕して得た粉砕粗顔
料、カルボキシル基含有アクリル樹脂のアルカリ塩及
び水及び/又は水性溶媒を混合する第1工程、 (2)第1工程で得た混合物を機械的に分散させる第2
工程、 (3)第2工程で得た分散物に酸を加えて、顔料に樹脂
を析出させる第3工程、及び (4)第3工程で得た析出物にアルカリを加えて再中和
する第4工程から成る顔料組成物の製造方法及び当該製
造方法で得られる顔料組成物を含有する水性着色液を提
供する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の製造方法の第1工程で使
用する粗顔料は、顔料合成後の粗顔料であれば特に限定
されない。さらに、粗顔料を乾式粉砕したものであって
もよい。
【0011】本発明の製造方法の第1工程で使用する粗
顔料の種類は特に限定されないが、合成後、何等顔料に
するための処理が施されてない物で十分である。そのよ
うな粗顔料としては、例えば、キナクリドン系粗顔料、
キナクリドンキノン系粗顔料、ジオキサジン系粗顔料、
フタロシアニン系粗顔料、アントラピリミジン系粗顔
料、アンサンスロン系粗顔料、インダンスロン系粗顔
料、フラバンスロン系粗顔料、ペリレン系粗顔料、ジケ
トピロロピロール系粗顔料、ペリノン系粗顔料、キノフ
タロン系粗顔料、アントラキノン系粗顔料、チオインジ
ゴ系粗顔料、ベンツイミダゾロン系粗顔料、イソインド
リノン系粗顔料、アゾメチン系粗顔料又はアゾ系粗顔料
などが挙げられる。
【0012】上記粗顔料の製造方法としては、例えば、
無水フタル酸、尿素、無水塩化第一銅、モリブデン酸ア
ンモニウム及び溶媒として炭素原子数5〜8個のアルキ
ル基を有するアルキルベンゼンの混合物を高温下で反応
させた後、洗浄、乾燥させる銅フタロシアニン粗顔料の
製法;2,5−ジアリールアミノテレフタル酸をポリリ
ン酸又はポリリン酸アルキルエステル溶液で環化反応を
行って得た環化反応液を水中に取り出し、洗浄し、乾燥
させるキナクリドン系粗顔料の製法;78〜80%硫酸
水溶液中でα型インダンスロンをδ型に結晶転換させる
δ型インダンスロン系粗顔料の製法;ペリレンテトラカ
ルボン酸無水物と各種アミンとをイミド化して洗浄、乾
燥させるペリレン系粗顔料の製法;ブロマミン酸を酸触
媒を使用して2量化するジアミノアンスラキノン粗顔料
の製法;2−アミノエチルカルバゾール、クロラニル、
酢酸ソーダをオルソジクロロベンゼン中で45℃で反応
させた後、トルエンスルフォン酸クロライドを加え、1
50℃以上で酸化するカルバゾールジオキサジン粗顔料
の製法;、アミン成分を塩酸酸性下亜硝酸ソーダで低温
下ジアゾ化してカップリング成分とジアゾカップリング
反応をさせるアゾ系粗顔料の製法等が挙げられる。
【0013】粗顔料を乾式粉砕して得た粉砕粗顔料とし
ては、上記粗顔料又は粗顔料と粉砕助剤をアトライター
やボ−ルミル等の乾式粉砕機でボールやロットを用いて
粉砕し、粉砕砕後粉砕助剤等の不純物を水洗する。とり
わけ生産性の点からアトライターを用いる方法がより好
ましい。
【0014】乾式粉砕の条件としては、粉砕温度は室温
〜100℃、粉砕回転数は10〜2000rpmの範
囲、粉砕時間は10分〜5時間で行なうことが好まし
い。
【0015】乾式粉砕の際に使用できる助剤としては、
塩化ナトリウムや硝酸ナトリウム等の無機塩やアクリル
系、ウレタン系やポリエステル系の固形状の樹脂や分散
剤等が挙げられる。
【0016】これら粗顔料や粉砕粗顔料を使用する形態
としては、水を含んだウエットケーキや乾燥した粉体粗
顔料の形態で使用することができる。生産性の上からウ
エットケーキを使用することが好ましい。
【0017】顔料組成物の原料としてこれらの粗顔料や
乾式粉砕粗顔料を使用することにより、顔料化工程を省
け、顔料組成物の製造工程の短縮や製造コストの低減が
図れることは言うまでもない。
【0018】本発明の第1工程における混合物中の粗顔
料及び乾式粉砕粗顔料の含有割合は、1〜60重量%の
範囲が好ましく、5〜50重量%の範囲が特に好まし
い。
【0019】本発明の製造方法で使用するカルボキシル
基含有アクリル樹脂としては、カルボキシル基を有して
いれば特に制限がないが、カプセル膜として、あるいは
着色液の塗膜として充分なるものを得るために、通常、
数平均分子量が1,000〜100,000の範囲のも
のが好ましく、3,000〜50,000の範囲のもの
が特に好ましく、かつ、溶媒に溶解して溶液となるもの
が好ましい。
【0020】カルボキシル基含有アクリル樹脂は、カル
ボキシル基を、エタノールアミン、ジエタノールアミ
ン、トリエタノールアミン、N−メチルエタノールアミ
ン、N−ジメチルエタノールアミン、N−エチルジエタ
ノールアミン、N−ジエチルエタノールアミン、ジイソ
プロパノールアミン、2−アミノ−2−メチルプロパノ
ール、2−エチル−2−アミノ−1,3−プロパンジオ
ール、2−(アミノエチル)エタノールアミン、トリス
(ヒドロキシメチル)アミノメタン、アンモニア、トリ
エチルアミン、ピペリジン、モルフォリン等の有機アミ
ン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウ
ム等の如き無機塩基等を用いて中和し、アルカリ塩とし
て用いられる。
【0021】カルボキシル基含有アクリル樹脂中のカル
ボキシル基の量は、酸価が30〜200KOHmg/g
の範囲が好ましく、50〜150となる範囲がより好ま
しい。カルボキシル基含有アクリル樹脂中の酸価が20
0を越えると、親水性が高くなり過ぎるため、着色され
た塗膜の耐水性が著しく低下する傾向にあり、また、酸
価が30よりも低いと、顔料組成物中の顔料の安定性が
損なわれたり分散粒子径が大きくなる傾向にあるので、
好ましくない。
【0022】本発明の製造方法で使用するカルボキシル
基含有アクリル樹脂は、カプセル壁材として充分なる分
子量を有し、特に壁形成化という操作を必要としない
が、カプセル壁の耐溶剤性や耐久性などの特性を一層向
上させるために、あるいは、着色液の膜形成後の膜強度
を高めるために、予め、使用するカルボキシル基含有ア
クリル樹脂それ自体に、グリシジル基、イソシアネート
基、水酸基又はα,β−エチレン性不飽和二重結合(ビ
ニル基)の如き反応性活性基をペンダントさせておくこ
とによって、あるいは、反応性活性基を有する架橋剤、
例えば、メラミン樹脂、ウレタン樹脂エポキシ樹脂、エ
チレン性不飽和モノマーやオリゴマー等の光硬化剤など
を混入させておくことによって、カプセルの形成時又は
形成後、あるいは、着色液の塗膜形成後に、これらの反
応性活性基や官能基などを利用して、カプセル壁材用と
してのカルボキシル基含有アクリル樹脂それ自体の分子
量を増大させたり、架橋しゲル化する性能を付与させて
おくことがより好ましい。
【0023】カルボキシル基含有アクリル樹脂は、例え
ば、カルボキシル基を有するアクリルモノマー(以下、
カルボキシル基含有アクリルモノマーと略す)と、更に
必要に応じてこれらのモノマーと共重合し得る他のモノ
マーを溶媒中で重合して得られる。
【0024】カルボキシキル基含有アクリルモノマーと
しては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン
酸、エタアクリル酸、プロピルアクリル酸、イソプロピ
ルアクリル酸、イタコン酸、フマール酸等が挙げられ
る。これらの中でもアクリル酸及びメタクリル酸が好ま
しい。
【0025】カルボキシル基含有アクリルモノマーと共
重合し得る他のモノマーとしては、例えば、アクリル酸
メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、
アクリル酸−n−プロピル、アクリル酸−n−ブチル、
アクリル酸−t−ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキ
シル、アクリル酸−n−オクチル、アクリル酸ラウリ
ル、アクリル酸ベンジル、メタクリル酸メチル、メタク
リル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル
酸−n−プロピル、メタクリル酸−n−ブチル、メタク
リル酸イソブチル、メタクリル酸−t−ブチル、メタク
リル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸−n−オク
チル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ステアリ
ル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸ベンジル等
の如き(メタ)アクリル酸エステル;ステアリン酸とグ
リシジルメタクリレートの付加反応物等の如き油脂肪酸
とオキシラン構造を有する(メタ)アクリル酸エステル
モノマーとの付加反応物;炭素原子数3以上のアルキル
基を含むオキシラン化合物と(メタ)アクリル酸との付
加反応物;スチレン、α−メチルスチレン、o−メチル
スチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、
p−tert−ブチルスチレン等の如きスチレン系モノ
マー;イタコン酸ベンジル等の如きイタコン酸エステ
ル;マレイン酸ジメチル等の如きマレイン酸エステル;
フマール酸ジメチル等の如きフマール酸エステル;アク
リロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル、アク
リル酸イソボルニル、メタクリル酸イソボルニル、アク
リル酸アミノエチル、アクリル酸アミノプロピル、アク
リル酸メチルアミノエチル、アクリル酸メチルアミノプ
ロピル、アクリル酸エチルアミノエチル、アクリル酸エ
チルアミノプロピル、アクリル酸アミノエチルアミド、
アクリル酸アミノプロピルアミド、アクリル酸メチルア
ミノエチルアミド、アクリル酸メチルアミノプロピルア
ミド、アクリル酸エチルアミノエチルアミド、アクリル
酸エチルアミノプロピルアミド、メタクリル酸アミド、
メタクリル酸アミノエチル、メタクリル酸アミノプロピ
ル、メタクリル酸メチルアミノエチル、メタクリル酸メ
チルアミノプロピル、メタクリル酸エチルアミノエチ
ル、メタクリル酸エチルアミノプロピル、メタクリル酸
アミノエチルアミド、メタクリル酸アミノプロピルアミ
ド、メタクリル酸メチルアミノエチルアミド、メタクリ
ル酸メチルアミノプロピルアミド、メタクリル酸エチル
アミノエチルアミド、メタクリル酸エチルアミノプロピ
ルアミド、アクリル酸ヒドロキシメチル、アクリル酸−
2−ヒドロキシエチル、アクリル酸−2−ヒドロキシプ
ロピル、メタクリル酸ヒドロキシメチル、メタクリル酸
−2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−2−ヒドロキ
シプロピル等が挙げられる。
【0026】グリシジル基、イソシアネート基、水酸基
又はα,β−エチレン性不飽和二重結合(ビニル基)の
如き反応性活性基を有するモノマーとしては、N−ビニ
ルピロリドン、グリシジルアクリレート、グリシジルメ
タクリレート、1,3−ジオキソラン−2−オン−4−
イルメチルアクリレート、1,3−ジオキソラン−2−
オン−4−イルメチルメタクリレート、1,3−ジオキ
ソラン−2−オン−4−イルメチルビニルエーテル、
1,3−ジオキソラン−2−オン−4−イルメチルビニ
ルエーテル、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロー
ルアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミ
ド、N−ブトキシメチルメタクリルアミド等が挙げられ
る。
【0027】重合開始剤としては、例えば、t−ブチル
パーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシ
ド、クメンパーヒドロキシド、アセチルパーオキシド、
ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド等の
如き過酸化物;アゾビスイソブチルニトリル、アゾビス
−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスシクロヘ
キサンカルボニトリル等の如きアゾ化合物などが挙げら
れる。
【0028】カルボキシル基含有アクリルモノマーと、
更に必要に応じて、これらのモノマーと共重合し得る他
のモノマーを重合する際に使用する溶媒としては、例え
ば、ヘキサン、ミネラルスピリット等の如き脂肪族炭化
水素系溶剤;ベンゼン、トルエン、キシレン等の如き芳
香族炭化水素系溶剤;酢酸ブチル等の如きエステル系溶
剤;メチルエチルケトン、イソブチルメチルケトン等の
如きケトン系溶剤;メタノール、ブタノール等の如きア
ルコール系溶剤;ジメチルホルムアミド、ジメチルスル
ホキシド、N−メチルピロリドン、ピリジン等の如き非
プロトン性極性溶剤などが挙げられるが、これらの中で
水溶性溶媒が好ましい。これらの溶剤は2種以上を併用
して用いることもできる。
【0029】これら重合性モノマーの重合方法は、懸濁
重合、乳化重合、塊状重合、溶液重合など公知の重合方
法が利用できるが、溶液重合が簡便なので好ましい。
【0030】本発明の第1工程におけるカルボキシル基
含有アクリル樹脂の使用量は、粗顔料又は乾式粉砕粗顔
料100重量部に対して、10〜200重量部の範囲が
好ましく、20〜150重量部の範囲が特に好ましい。
【0031】本発明の第1工程で使用する水性溶媒とし
ては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、
n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、ter
t−ブチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソ
プロピルアルコール等のアルコール類;ジメチルホルム
アルデヒド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセ
トン、メチルエチルケトン、イソブチルケトン等のケト
ン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリ
コールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエー
テル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレ
ングリコールエチルエーテル、トリエチレングリコール
モノメチルエーテル、トリエチレンエチレングリコール
モノエチルエーテル等のエーテル類;エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリ
エチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオー
ル、チオジグリコール、ジエチレングリコール、ポリエ
チレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセ
リン等の多価アルコール類;N−メチル−ピロリドン、
1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられ
る。これらの水性溶媒の中でも、アルコール類、グリコ
ール類及びケトン類が好ましい。
【0032】また、本発明の第1工程で使用する水は、
顔料組成物の用途によって、イオン交換水、純水、蒸留
水、工業用水等を使用する。
【0033】これらの原料を混合する混合機としては、
ディスパー、ホモミキサー等の簡単な混合機で十分であ
る。
【0034】さらに、この第1工程で得た混合物を第2
工程で直接使用することもできるが、第2工程における
分散エネルギ−や分散時間を短縮できることから、混合
物を加熱処理することが好ましい。
【0035】加熱処理の方法としては、還流管が備え付
けられている加熱処理できる容器に混合物を入れ攪拌し
ながら加熱処理するか、又は、オートクレーブ等の加圧
容器に密閉して加圧下に加熱処理する方法等が挙げられ
る。
【0036】加熱する場合の加熱温度は、40〜200
℃の範囲が好ましく、50℃〜150℃の範囲が特に好
ましい。
【0037】圧力は、常圧〜10kg/cm2の範囲が好ま
しく、常圧〜7kg/cm2の範囲がより好ましく、特に常
圧は加圧容器を使用しないで済むので、最も好ましい。
【0038】このような加熱処理を行なうことにより、
粗顔料や粉砕粗顔料の一次粒子の結晶が成長することに
よって、凝集がほぐれる結果、顔料組成物の製造時間が
短縮される。
【0039】第2工程において、第1工程で得た混合物
を機械的に分散させるために用いる機械としては、例え
ば、ボールミル、ビーズミル、ロールミル、コロイドミ
ル、ディスパー、ホモジナイザー、超音波分散機等が挙
げられる。これらの分散機の中でも、生産性や微細な分
散体を製造する上で、細かい分散媒体を使用できるビー
ズミルが特に好ましい。
【0040】そのようなビーズミルとしては、例えば、
横型のダイノーミル(シンマルエンタープライゼス社
製)、スパイクミル(井上製作所社製);縦型のドライ
スミル(ドライスヴェルケ社製)、サンドミル(カンペ
家庭塗料社製)等が挙げられる。
【0041】分散の際に用いる分散媒体としては、例え
ば、ジルコニア、アルミナ等のセラミック製又は鋼製の
分散媒体が挙げられ、これらの中でも、耐摩耗性に優れ
るジルコニア製の分散媒体が特に好ましい。
【0042】また、粉砕媒体の直径は、0.1〜5.0
mmの範囲が好ましく、0.1〜1.0mmの範囲がよ
り好ましく、0.2〜0.5mmの範囲が特に好まし
い。粉砕媒体の直径が0.1mmよりも小さい場合、粉
砕媒介物の分離が困難であったり、分散が過剰となり得
られる分散物中の顔料が再凝集する傾向にあるので好ま
しくない。また、粉砕媒体の直径が5.0mmよりも大
きい場合、分散物中の粗顔料又は粉砕粗顔料の分散粒子
径が大きくなり、得られる分散物に、原料である粗顔料
又は粉砕粗顔料が残留する傾向にあるので好ましくな
い。
【0043】ビーズミルでの分散条件としては、常温〜
100℃の範囲で、24時間以下で分散処理を行なうこ
とが好ましい。処理温度が100℃を越える場合、分散
物中の水の沸点以上となるので、危険を伴い、分散処理
時間が24時間よりも長くなると分散物中の粗顔料が再
凝集を起こし易くなる傾向にあるので、生産性の点から
も好ましくない。
【0044】また、攪拌機外周速度は、分散機の大きさ
や形状、或いは分散媒体の種類や大きさによって分散度
が異なることから特に限定されないが、粗顔料を塗料や
インキ等の最終性能が発揮できる分散度に分散できる適
度な速度であれば十分である。
【0045】この分散物を得るために、分散を補助する
目的に、顔料組成物の耐水性を低下させない範囲で、顔
料分散剤や湿潤剤を使用することもできる。
【0046】また、この分散を行う際、あるいは、分散
後であって顔料に樹脂を析出させる酸析する前に、顔料
以外の物質、例えば、染料、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、被覆剤バインダーの硬化触媒、防錆剤、香料、薬剤
などを添加することもできる。
【0047】本発明の第3工程は、第2工程で得た分散
物に酸を加えて、顔料に樹脂を析出(酸析)させる。こ
の工程は、水性媒体中に微分散された顔料に樹脂を強く
固着化する目的で行われる。
【0048】酸析は、塩基性化合物によって中和された
カルボキシル基含有アクリル樹脂のカルボキシル基を、
酸を加えてpHを中性又は酸性とすることによって、樹
脂を疎水性化し、顔料表面に樹脂を固着化するものであ
る。
【0049】第3工程で使用する酸としては、例えば、
塩酸、硫酸、燐酸、硝酸の如き無機酸類;蟻酸、酢酸、
プロピオン酸の如き有機酸類などが挙げられるが、排水
中の有機物が少なく、かつ、酸析効果も大きい塩酸ある
いは硫酸が好ましい。酸析時のpHは7以下が好まし
く、2〜6の範囲が特に好ましい。しかしながら、顔料
によっては酸によって分解されるものもあり、このよう
な顔料の場合には、pH4〜7の範囲で酸析することが
好ましい。
【0050】酸析後、必要に応じて濾過及び水洗を行っ
て、析出物の含水ケーキを得る。濾過方法としては、吸
引濾過、加圧濾過、遠心分離など公知の方法が採用でき
る。
【0051】第3工程で得た析出物にアルカリを加えて
再中和する第4工程では、析出物の含水ケーキを、乾燥
させることなく、含水した状態のままで、塩基性化合物
でもってカルボキシル基を再中和する。このように処理
することによって、顔料粒子が凝集することなく、微細
な状態を保持したままで、水性媒体中に再分散させるこ
とができる。
【0052】本発明の製造方法の第3工程で使用する塩
基性化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、水酸化リチウムの如き無機塩基;エタノー
ルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミ
ン、N−メチルエタノールアミン、N−ジメチルエタノ
ールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−ジエ
チルエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、2
−アミノ−2−メチルプロパノール、2−エチル−2−
アミノ−1,3−プロパンジオール、2−(アミノエチ
ル)エタノールアミン、トリス(ヒドロキシメチル)ア
ミノメタン、アンモニア、トリエチルアミン、ピペリジ
ン、モルフォリン等の如き有機アミンなどが挙げられ
る。
【0053】この塩基性化合物の添加量は、析出物中の
カルボキシル基含有アクリル樹脂が再分散するだけの量
があれば良く、カルボキシル基含有アクリル樹脂の酸に
対して、中和率200%以下、好ましくは30〜120
%の範囲である。
【0054】再分散させる際には、分散機を用いても良
い。その際に使用する分散機としては、公知一般の分散
機が使用でき、マグネチッククスターラーやディスパー
等の簡単な分散機で十分である。
【0055】このように、本発明の製造方法によって得
られる顔料組成物は、微小粒子の顔料の周囲をカルボキ
シル基含有アクリル樹脂で被覆された状態にあるので、
何ら、乳化剤などのような補助材料を使用せずとも、極
めて簡便に、かつ、安価な粗顔料や粉砕粗顔料を用いて
微小カプセルを調製することができる。
【0056】本発明の製造方法で得られる顔料組成物を
用いた水性着色液としては、例えば、自動車、塗装鋼
板、建材、缶等の水性塗料、繊維を染色する捺染剤、グ
ラビアインキ、フレキソインキ等の水性インキ、水性ボ
ールペン、万年筆、水性サインペン、水性マーカー等の
筆記具、バブルジェット方式、サーマルジェット方式、
ピエゾ方式等のオンデマンドタイプのインクジェットプ
リンター用の水性記録液、液晶テレビ、ラップトップ型
のパソコン等に使用されるカラーフィルタ用の分散液等
が挙げられるが、これらの用途に限定されるものではな
い。
【0057】水性着色液は、本発明の製造方法によって
得られる顔料組成物、塗膜形成性樹脂、その硬化剤、各
種助剤、有機溶剤、水、塩基性物質、各種顔料等がその
用途に応じて便宜選択混合して、調製される。
【0058】水性着色液中の本発明の製造方法によって
得られる顔料組成物の含有割合は、顔料換算で50重量
%以下が好ましく、0.1〜40重量%の範囲が特に好
ましい。水性着色液中の当該顔料組成物の割合が50重
量%を越えると、水性着色液中の粘度が高くなり、被塗
物を着色することができなくなる傾向にあるので好まし
くない。
【0059】水性着色液に混合される上記顔料組成物中
の顔料は、その平均一次粒子径が0.5μm以下にある
ものが好ましく、0.2〜0.005μmの範囲にある
ものが特に好ましい。
【0060】塗膜形成性樹脂としては、例えば、にか
わ、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、アラビアゴム、
フィッシュグリューなどの天然タンパク質やアルギン
酸、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、
ポリエチレンオキシド、ヒドロキシエチルセルロース、
ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、芳香族ア
ミド、ポリアクリル酸、ポリビニルエーテル、ポリビニ
ルピロリドン、アクリル、ポリエステル、アルキド、ウ
レタン、アミド樹脂、メラミン樹脂、エーテル樹脂、フ
ッ素樹脂、スチレンアクリル樹脂、スチレンマレイン酸
樹脂等の合成高分子、感光性樹脂、熱硬化性樹脂、紫外
線硬化樹脂又は電子線硬化樹脂等、公知の一般的なもの
が挙げられるが、特にこれらに限定されない。また、こ
れらは水性着色液の用途によって、選択され使用され
る。
【0061】これらの塗膜形成性樹脂の水性着色液中の
割合は、0〜50重量%の範囲が好ましい。用途によっ
て、顔料組成物中のカルボキシル基含有アクリル樹脂が
塗膜にするための樹脂として作用したり、塗膜化用の樹
脂を必要としない用途(例えば記録液等)があり、水性
着色液中に必ずしも塗膜形成性樹脂を必要とはしない。
【0062】硬化剤としては、例えば、メラミン樹脂、
ベンゾグアナミン樹脂、尿素樹脂等のアミノ樹脂、トリ
メチロールフェノール、その縮合物等のフェノール樹
脂、テトラメチレンジイソシアネート(TDI)、ジフ
ェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ヘキサメチ
レンジイソシアネート(HDI)、ナフタレンジイソシ
アネート(NDI)、イソホロンジイソシアネート(I
PDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、そ
れらの変性イソシアネートやブロックドイソシアネート
等のポリイソシアネート、脂肪族アミン、芳香族アミ
ン、N−メチルピペラジン、トリエタノールアミン、モ
ルホリン、ジアルキルアミノエタノール、ベンジルジメ
チルアミン等のアミン類、ポリカルボン酸、無水フタル
酸、無水マレイン酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水
ピロメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン
酸、エチレングリコールビストリメリテート等の酸無水
物、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノール系エ
ポキシ樹脂、グリシジルメタクリレート共重合体、カル
ボン酸のグリシジルエステル樹脂、脂環式エポキシ等の
エポキシ化合物、ポリエーテルポリオール、ポリブタジ
エングリコール、ポリカプロラクトンポリオール、トリ
スヒドロキシエチルイソシアネート(THEIC)等の
アルコール類、ペルオキシドによるラジカル硬化あるい
はUV硬化や電子線硬化に用いる不飽和基含有化合物と
してのポリビニル化合物、ポリアリル化合物、グリコー
ルやポリオールとアクリル酸又はメタクリル酸の反応物
等のビニル化合物等が挙げられる。
【0063】硬化剤は、用途や適性により適宜選択され
使用されるが、使用されないこともある。硬化剤の使用
割合は、塗膜形成性樹脂100重量%に対して、0〜5
0重量%の範囲が好ましく、0〜40重量%の範囲が特
に好ましい。
【0064】有機溶剤としては、例えば、メチルアルコ
ール、エチルアルコール、n−ブチルアルコール、イソ
ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、n−
プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等のアル
コール類;ジメチルホルムアルデヒド、ジメチルアセト
アミド等のアミド類;アセトン、メチルエチルケトン等
のケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレ
ングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチ
ルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジ
エチレングリコールエチルエーテル、トリエチレングリ
コールモノメチルエーテル、トリエチレンエチレングリ
コールモノエチルエーテル等のエーテル類;エチレング
リコール、プロピレングリコール、ブチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサント
リオール、チオジグリコール、ジエチレングリコール、
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、
グリセリン等の多価アルコール類;N−メチル−ピロリ
ドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙
げられる。これらの水溶性有機溶剤の中でも、多価アル
コール類とエーテル類が好ましい。
【0065】有機溶剤の水性着色液中の含有割合は、5
0重量%以下が好ましく、0〜30重量%の範囲が特に
好ましい。特に、水性着色液の性能が劣ることがなけれ
ば、環境問題から全く含まないものが好ましいのは言う
までもない。
【0066】必要に応じて使用される助剤としては、分
散湿潤剤、皮張り防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、
防腐剤、防かび剤、pH調製剤、粘度調製剤、キレート
剤、界面活性剤等の各種助材や安定剤が挙げられるが、
これらに限定されない。
【0067】塩基性物質としては、例えば、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム等の無機化合物;エタノールア
ミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N
−メチルエタノールアミン、N−エチルジエタノールア
ミン、2−アミノ−2−メチルプロパノール、2−エチ
ル−2−アミノ−1,3−プロパンジオール、2−(ア
ミノエチル)エタノールアミン、トリス(ヒドロキシメ
チル)アミノメタン、アンモニア、ピペリジン、モルフ
ォリン等の有機アミン化合物が挙げられるが、これらに
限定されるものではない。
【0068】これらの水性着色液に本発明の製造方法で
得た顔料組成物を分散させる分散機としては、ディスパ
ーのような簡単な公知の分散機で十分であるが、これら
に限定されるものではない。
【0069】水性着色液を製造する方法としては、上記
顔料組成物、塗膜形成性樹脂、その硬化剤、各種助剤、
有機溶剤、水、各種顔料顔料組成物を添加攪拌混合する
だけで製造できるが、高粘度の樹脂や有機溶剤を添加す
る場合は、顔料組成物を攪拌し、その中に、上記樹脂や
硬化剤、有機溶剤、各種助剤を順次添加する方法がより
好ましい。
【0070】従来の方法により、水性着色液を製造する
場合、有機顔料の分散を必要とし、かなりの手間や労
力、エネルギーを要し、最終製品である塗料、インキ、
記録液、分散液等の製造コスト高となっていたが、本発
明の製造方法によって得られる顔料組成物を使用するこ
とによれば、単に混合するのみで製造できるので、分散
工程を省力化でき、製造コストを低下させることができ
る。
【0071】また、本発明の製造方法によって得られる
顔料組成物を含有する水性着色液は、耐水性、耐候性、
分散安定性、貯蔵安定性、透明性や鮮明性等の諸適性に
優れた塗膜を提供できる。
【0072】
【実施例】以下、実施例及び比較例を用いて、本発明を
更に詳細に説明する。以下において、「部」及び「%」
は、特に断りがない限り、『重量部』及び『重量%』を
夫々表わす。
【0073】《カルボキシル基含有アクリル樹脂の合
成》 <合成例1>n−ブチルメタクリレート175部、n−
ブチルアクリレート10.7部、β−ヒドロキシエチル
メタクリレート37.5部、メタクリル酸26.8部及
び「パーブチル O」(日本油脂(株)製のtert−ブ
チルパーオキシオクトエート)20.0部から成る混合
液を調製した。
【0074】次に、メチルエチルケトン250部をフラ
スコに仕込んで、窒素シール下に、攪拌しながら、75
℃まで昇温させた後、上記の混合液を2時間に亘って滴
下し、更に同温度で15時間反応させて、固形分の酸価
が70、数平均分子量5683のビニル系樹脂の溶液を
得た。この樹脂溶液の不揮発分は49.7%であった。
以下、これを樹脂溶液(A−1)と略記する。
【0075】<合成例2>n−ブチルメタクリレート1
75部、n−ブチルアクリレート10.7部、β−ヒド
ロキシエチルメタクリレート37.5部、メタクリル酸
26.8部及び「パーブチル O」5.0部から成る混
合液を調製した。
【0076】次に、メチルエチルケトン250部をフラ
スコに仕込んで、窒素シール下に、攪拌しながら、75
℃まで昇温させた後、上記の混合液を2時間に亘って滴
下し、更に同温度で15時間反応させて、固形分の酸価
が70、数平均分子量17004のビニル系樹脂の溶液
を得た。この樹脂溶液の不揮発分は50.4%であっ
た。以下、これを樹脂溶液(A−2)と略記する。
【0077】<合成例3>n−ブチルメタクリレート1
53.8部、n−ブチルアクリレート20.4部、β−
ヒドロキシエチルメタクリレート37.5部、メタクリ
ル酸38.3部及び「パーブチル O」5.0部から成
る混合液を調製した。
【0078】次に、メチルエチルケトン250部をフラ
スコに仕込んで、窒素シール下に、攪拌しながら、75
℃まで昇温させた後、上記の混合液を2時間に亘って滴
下し、更に同温度で15時間反応させて、固形分の酸価
が98、数平均分子量12500のビニル系樹脂の溶液
を得た。この樹脂溶液の不揮発分は51%であった。以
下、これを樹脂溶液(A−3)と略記する。
【0079】<合成例4>n−ブチルメタクリレート8
3.8部、n−ブチルアクリレート89.4部、β−ヒ
ドロキシエチルメタクリレート37.5部、メタクリル
酸26.7部、グリシジルメタクリレート12.5部及
び「パーブチル O」20.0部から成る混合液を調製
した。
【0080】次に、メチルエチルケトン250部をフラ
スコに仕込んで、窒素シール下に、攪拌しながら、75
℃まで昇温させた後、上記の混合液を2時間に亘って滴
下し、更に同温度で15時間反応させて、固形分の酸価
が68.9、数平均分子量10420のビニル系樹脂の
溶液を得た。この樹脂溶液の不揮発分は51%であっ
た。以下、これを樹脂溶液(A−4)と略記する。
【0081】《粗顔料の製造》 <製造例1>(銅フタロシアニンブルーの粗顔料の製
造) 無水フタル酸1218部、尿素1540部、無水塩化第
一銅200部、モリブデン酸アンモニウム5部及び溶媒
として炭素原子数5〜8個のアルキル基を有するアルキ
ルベンゼンの混合物4000部を反応器に仕込み、攪拌
しながら加熱して200℃まで昇温させた後、同温度で
2.5時間反応させた。反応終了後、減圧下で溶媒を留
去し、残った反応生成物を2%塩酸8000部中に加
え、70℃で1時間攪拌した後、吸引濾過した。このよ
うにして得たケーキを80℃の温水で充分洗浄した後、
乾燥させて粗製銅フタロシアニンを得た。この粗顔料を
電子顕微鏡で撮影して得た粒子の大きさは、数十ミクロ
ンの大きさであり、とても顔料として使用できる状態で
はなかった。
【0082】<製造例2>(ジメチルキナクリドン粗顔
料の製造) 2,5−ジ(p−トルイジノ)テレフタル酸100部
と、リン酸濃度119.5%のポリリン酸300部と
を、125℃の温度で3時間攪拌することにより、2,
5−ジ(p−トルイジノ)テレフタル酸を縮合環化させ
た。その縮合液を、3000部の水中へ添加し、ジメチ
ルキナクリドンを晶析させた。晶析後、濾過し、ろ液が
中性になるまで水洗し、不揮発分32.0%のジメチル
キナクリドン粗顔料のウエットケーキを得た。この粗顔
料を電子顕微鏡で撮影して得た粒子の形や大きさは、無
定型で非常に強い凝集により大きさを確認できず、とて
も顔料として使用できる状態ではなかった。
【0083】<製造例3>(ペリレン粗顔料の製造) ペリレンテトラカルボン酸無水物(アルドリッチ社製)
100部、40%メチルアミン水溶液(国産化学社製:
試薬特級)79.1部及び水1000部を反応容器に仕
込み、5℃で溶解させた。全てが溶解した後、90℃に
昇温し、同温度で8時間メチル化反応を行なった。反応
終了後、室温に冷却した後、濾過し、残渣を水洗して反
応物を得た。
【0084】さらに、この反応物を1%水酸化カリウム
水溶液2000部中に2時間分散させ、分散液を濾過
し、残渣を水で洗浄し、未反応物を除去し、ペリレン粗
顔料のウエットケーキ(不揮発分20.7%)490部
を得た。この粗顔料を電子顕微鏡で撮影して得た粒子
は、凝集が強く、とても顔料として使用できる状態では
なかった。
【0085】<製造例4>(δ型スレンブルー粗顔料の
製造) α型インダンスレンブルー粗顔料(DM Light
Blue KTクルード:三井東圧化学社製)1000
部を78%硫酸水溶液20000部中で、常温下、4時
間攪拌し結晶転換させた。そのインダンスレンブルーの
スラリーを、濾過し、残渣を水洗し、不揮発分38%の
δ型インダンスレンブルー粗顔料のウエットケーキを得
た。この粗顔料を電子顕微鏡で撮影して得た粒子の大き
さは、数十ミクロンの大きさであり、とても顔料として
使用できる状態ではなかった。
【0086】<製造例5>(ベンツイミダゾロン粗顔料
の製造) 2−アミノベンゾトリフロライド9部、水100部及び
35%塩酸23.1部を反応容器に加え、冷却して0〜
5℃に保持し、攪拌しながら、亜硝酸ソーダ4.2部を
加えてジアゾ化反応を行った。そのまま2時間攪拌を続
けた後、活性炭4部加え、濾過をした。そのろ液に10
%スルファミン酸6部を加え、過剰の亜硝酸ソーダを分
解し、ジアゾ液を調製した。
【0087】次に、水120部、カップラーである5−
アセトアセチルアミノベンツイミダゾロン13.4部及
び20%水酸化ナトリウム25部を反応容器に加え、常
温で溶解し、この溶液に140部の氷を加えて、溶液の
温度を5℃とした後、20%酢酸37.8部を加えて反
応生成物であるアセトアセチルアミノベンツイミダゾロ
ンを析出させた。析出後、反応混合物に20%水酸化ナ
トリウムを加えて反応混合物のpHを4.5〜6に調整
して、カップラー成分を作製した。
【0088】このカップラー成分に、ジアゾ液を約2時
間かけて滴下し、pH4〜6.5、30℃でカップリン
グ反応を行った。カップリング反応終了後、85℃に昇
温し2時間加熱処理を行った後、反応生成物を濾取し、
残渣を水洗し、乾燥させて、粗顔料を得た。この粗顔料
を電子顕微鏡で撮影して得た粒子は、粒子の大きさが数
nm〜300nmの大きさで不揃いでありあり、とても
顔料として使用できる状態ではなかった。
【0089】《顔料の製造例》 <製造例6>(銅フタロシアニン顔料の製造) 製造例1で得た銅フタロシアニン粗顔料300部、食塩
2100部及びエチレングリコール450部をニーダー
で5時間湿式磨砕した後、磨砕物を水中に分散させて洗
浄し、濾過して得た残渣を水洗した。水洗した残渣を乾
燥させた後、粉砕して銅フタロシアニン顔料を得た。こ
の顔料を製造するためには、多くの労力及びエネルギー
を要した。
【0090】<製造例7>(ジメチルキナクリドン顔料
の製造) 製造例2で得たジメチルキナクリドンのウエットケーキ
31.3部、イソブタノール30部及び水48.7部を
オートクレーブに仕込み、130℃で5時間加熱して、
顔料化を行った。常温に冷却した後、内容物を濾過して
得た残渣を水洗し、乾燥させてジメチルキナクリドン顔
料を得た。この顔料を製造するには、高温下に顔料化し
たため、非常に多くのエネルギーを要した。
【0091】<製造例8>(ペリレン顔料の製造) 製造例3で得たペリレン粗顔料300部、食塩2100
部及びエチレングリコール450部をシンプソンミック
スマーラーで5時間湿式磨砕した後、磨砕物を水中に分
散させて洗浄し、濾過して得た残渣を水洗した。水洗し
た残渣を乾燥させた後、粉砕してペリレン顔料を得た。
この顔料を製造するためには、多くの労力及びエネルギ
ーを要した。
【0092】<製造例9>(ジオキサジンバイオレット
顔料の製造) カルバゾールジオキサジンバイオレット粗顔料(住友化
学工業株式会社製「スミトンファストバイオレットRL
−4Rベース」)を、縦方向の軸線を有する円筒形の粉
砕容器と、この軸線に沿って配置された回転軸及びこの
回転軸に固定され、それぞれが粉砕容器の側壁に向かっ
て外向きに対称に延びた一対の腕を2個以上有する攪拌
機とからなり、粉砕媒体として鋼球が充填された特開昭
58−29861号公報に記載のアトライターミル装置
を用いて乾式粉砕して得た粉砕粗顔料10部、イソブタ
ノール30部及び水48.7部をオートクレーブに仕込
み、130℃で5時間加熱して、顔料化を行った。常温
に冷却した後、内容物を濾過して得た残渣を水洗し、乾
燥させてジオキサジンバイオレット顔料を得た。この顔
料を製造するには、多くの労力及びエネルギーを要し
た。
【0093】<製造例10>(ベンツイミダゾロン顔料
の製造) 製造例5で得たベンツイミダゾロン粗顔料100部及び
水2000部を反応容器に仕込み、98℃で5時間、顔
料化を行った。常温に冷却した後、内容物を濾過して得
た残渣を水洗し、乾燥させてベンツイミダゾロン顔料を
得た。この顔料を製造するには、多くのエネルギーを要
した。
【0094】《顔料組成物の製造例》 <実施例1>(粉砕粗顔料を用いたジオキサジンバイオ
レット顔料組成物の製造) 第1工程(混合加熱処理) カルバゾールジオキサジンバイオレット粗顔料(スミト
ンファストバイオレットRL−4Rベース:住友化学工
業社製)を、縦方向の軸線を有する円筒形の粉砕容器
と、この軸線に沿って配置された回転軸、及びこの回転
軸に固定され、それぞれが粉砕容器の側壁に向かって外
向きに対称に延びた一対の腕を2個以上有する攪拌機と
からなり、粉砕媒体として鋼球が充填された特開昭58
−29861号公報に記載のアトライターミル装置を用
いて乾式粉砕して得た粉砕粗顔料800部、合成例1で
得た樹脂(A−1)800部、ジメチルエタノールアミ
ン44.4部及びイオン交換水2355.6部を反応容
器に入れ、攪拌しながら、75℃で5時間保温した後、
反応容器を20℃まで冷却して混合物を得た。
【0095】第2工程(分散) 第1工程で得た混合物を、攪拌式ビーズミル装置(シン
マルエンタープライゼス社製の「ダイノミル」)を用い
て、攪拌機外周速度が14.0m/秒、直径0.25m
mのジルコニアビーズ(昭和シェル石油社製の「ミクロ
ハイカZ250」)充填量が3.5kg、懸濁物分散温
度が31℃の条件で、3時間分散させて、ジオキサジン
バイオレット顔料分散物を得た。
【0096】第3工程(酸析) 第2工程で得た顔料分散物にイオン交換水3800gを
加え、攪拌しながら、内容物のpHが4.9となるまで
1N塩酸を加えて、顔料表面に樹脂を沈着させて懸濁液
を得た。この懸濁液を濾過してウエットケーキ状の懸濁
物を濾別した後、洗浄液のpHが中性付近になるまでウ
エットケーキ状の懸濁物をイオン交換水で洗浄して、不
揮発分18.7%のウエットケーキ状の懸濁物を得た。
【0097】第4工程(再中和) 第3工程で得た析出物300部を容器に取り、ジメチル
エタノールアミン2.1部を加え、ディスパーを用いて
5000rpmで30分間分散させて、水性の顔料組成
物を得た。得られた顔料組成物の不揮発分は20.2%
で、pH9.1、体積平均径159nmであった。
【0098】この顔料組成物は、粗顔料から直接、微細
な水性分散体を製造することができ、粗顔料から顔料に
するための製造工程を短縮することができ、エネルギー
や労力、コストを下げることができた。さらに、第1工
程で加熱処理をすることにより、後述する実施例2の顔
料組成物より分散時間が短く、微細な分散体が得られ
た。
【0099】<実施例2>(粉砕粗顔料を用いたジオキ
サジンバイオレット顔料組成物の製造) 第1工程(混合) 実施例1で用いた粉砕ジオキサジンバイオレット粗顔料
800部、合成例1で得た樹脂(A−1)800部、ジ
メチルエタノールアミン44.4部及びイオン交換水2
355.6部を容器に入れ、攪拌混合して混合物を得
た。
【0100】第2工程(分散) 第1工程で得た混合物を、実施例1で用いた攪拌式ビー
ズミル装置を用いて、実施例1と同じ条件で、4.5時
間分散させて、ジオキサジンバイオレット顔料分散物を
得た。
【0101】第3工程(酸析) 第2工程で得た顔料分散物にイオン交換水3800gを
加え、攪拌しながら、内容物のpHが4.8となるまで
1N塩酸を加えて、顔料表面に樹脂を沈着させて懸濁液
を得た。この懸濁液を濾過してウエットケーキ状の懸濁
物を濾別した後、洗浄液のpHが中性付近になるまでウ
エットケーキ状の懸濁物をイオン交換水で洗浄して、不
揮発分23.8%のウエットケーキ状の懸濁物を得た。
【0102】第4工程(再中和) 第3工程で得た析出物300部を容器に取り、ジメチル
エタノールアミン2.6部を加え、ディスパーを用いて
5000rpmで30分間分散させて、水性の顔料組成
物を得た。得られた顔料組成物の不揮発分は23.6%
で、pH9.0、体積平均径220nmであった。
【0103】この顔料組成物は、粗顔料から直接、微細
な水性分散体を製造することができ、粗顔料から顔料に
するための製造工程を短縮することができ、エネルギー
や労力、コストを下げることができた。
【0104】<実施例3>(粉砕粗顔料を用いた銅フタ
ロシアニン顔料組成物の製造) 第1工程(混合加熱処理) 製造例1で得た銅フタロシアニン粗顔料を、縦方向の軸
線を有する円筒形の粉砕容器と、この軸線に沿って配置
された回転軸、及びこの回転軸に固定され、それぞれが
粉砕容器の側壁に向かって外向きに対称に延びた一対の
腕を2個以上有する攪拌機とからなり、粉砕媒体として
鋼球が充填された特開昭58−29861号公報に記載
のアトライターミル装置を用いて乾式粉砕して得た粉砕
粗顔料800部、合成例3で得た樹脂(A−3)800
部、ジメチルエタノールアミン63.4部及びイオン交
換水2336.6部を反応容器に入れ、攪拌しながら、
75℃で5時間保温した後、反応容器を20℃まで冷却
して混合物を得た。
【0105】第2工程(分散) 第1工程で得た混合物を、攪拌式ビーズミル装置(ドラ
イスヴェルケ社製の「ドライスミル」)を用いて、攪拌
機外周速度11m/秒、直径0.20mmのジルコニア
ビーズ(昭和シェル石油社製の「ミクロハイカZ20
0」)充填量3.5kg、懸濁物分散温度31℃の条件
で、2時間分散させて、銅フタロシアニンブルー顔料分
散物を得た。
【0106】第3工程(酸析) 第2工程で得た顔料分散物にイオン交換水3800gを
加え、攪拌しながら、内容物のpHが5.0となるまで
1N塩酸を加えて、顔料表面に樹脂を沈着させて懸濁液
を得た。この懸濁液を濾過してウエットケーキ状の懸濁
物を濾別した後、洗浄液のpHが中性付近になるまでウ
エットケーキ状の懸濁物をイオン交換水で洗浄して、不
揮発分21.5%のウエットケーキ状の懸濁物を得た。
【0107】第4工程(再中和) 第3工程で得た析出物300部を容器に取り、ジメチル
エタノールアミン2.4部を加え、ディスパーを用いて
5000rpmで30分間分散させて、水性の顔料組成
物を得た。得られた顔料組成物の不揮発分は21.2%
で、pH9.0、体積平均径95nmであった。
【0108】この顔料組成物は、粗顔料から直接、微細
な水性分散体を製造することができ、粗顔料から顔料に
するための製造工程を短縮することができ、エネルギー
や労力、コストを下げることができた。さらに、第1工
程で加熱処理をすることにより、後述する実施例4の顔
料組成物より分散時間が短く、微細な分散体が得られ
た。
【0109】<実施例4>(粗顔料を用いた銅フタロシ
アニン顔料組成物の製造) 第1工程(混合) 製造例1で得た銅フタロシアニン粗顔料800部、合成
例3で得た樹脂(A−3)800部、ジメチルエタノー
ルアミン63.4部及びイオン交換水2336.6部を
反応容器に入れ、攪拌混合し、混合物を得た。
【0110】第2工程(分散) 第1工程で得た混合物を、実施例3で用いた攪拌式ビー
ズミル装置を用いて、実施例3と同じ条件で、3時間分
散させて、銅フタロシアニンブルー顔料分散物を得た。
【0111】第3工程(酸析) 第2工程で得た顔料分散物にイオン交換水3800gを
加え、攪拌しながら、内容物のpHが5.0となるまで
1N塩酸を加えて、顔料表面に樹脂を沈着させて懸濁液
を得た。この懸濁液を濾過してウエットケーキ状の懸濁
物を濾別した後、洗浄液のpHが中性付近になるまでウ
エットケーキ状の懸濁物をイオン交換水で洗浄して、不
揮発分22.5%のウエットケーキ状の懸濁物を得た。
【0112】第4工程(再中和) 第3工程で得た析出物300部を容器に取り、ジメチル
エタノールアミン2.5部を加え、ディスパーを用いて
5000rpmで30分間分散させて、水性の顔料組成
物を得た。得られた顔料組成物の不揮発分は22.8%
で、pH9.1、体積平均径190nmであった。
【0113】この顔料組成物は、粗顔料から直接、微細
な水性分散体を製造することができ、粗顔料から顔料に
するための製造工程を短縮することができ、エネルギー
や労力、コストを下げることができた。
【0114】<実施例5>(粗顔料を用いたゲル化処理
ペリレン顔料組成物の製造) 第1工程(混合) 製造例3で得たペリレン粗顔料のウエットケーキ386
5部、合成例4で得たカルボキシル基含有アクリル樹脂
(A−4)800部及びジメチルエタノールアミン4
4.4部を容器に入れ、攪拌混合し、混合物を得た。
【0115】第2工程(分散) 第1工程で得た混合物を、攪拌式ビーズミル装置(ドラ
イスヴェルケ社製の「ドライスミル」)を用いて、攪拌
機外周速度10.3m/秒、直径0.25mmのジルコ
ニアビーズ(昭和シェル石油社製の「ミクロハイカZ2
50」)充填量3.5kg、懸濁物分散温度32℃の条
件で、2時間分散させて、ペリレン顔料分散物を得た。
【0116】第3工程(酸析) 第2工程で得た顔料分散物にイオン交換水2300部を
加え、攪拌しながら、内容物のpHが4.9となるまで
1N塩酸を加えて、顔料表面に樹脂を沈着させて懸濁液
を得た。この懸濁液を濾過してウエットケーキ状の懸濁
物を濾別した後、洗浄液のpHが中性付近になるまでウ
エットケーキ状の懸濁物をイオン交換水で洗浄して、不
揮発分23.3%のウエットケーキ状の懸濁物を得た。
【0117】第4工程(再中和) 第3工程で得た析出物300部を容器に取り、ジメチル
エタノールアミン2.6部を加え、ディスパーを用いて
5000rpmで30分間分散させて、さらに、90℃
で3時間加熱処理を行ない、吸着した樹脂のゲル化処理
を行なって、水性の顔料組成物を得た。得られた顔料組
成物の不揮発分は22.7%で、pH9.2、体積平均
径134nmであった。
【0118】この顔料組成物は、粗顔料から直接微細な
水性分散体を製造することができ、粗顔料から顔料にす
るための製造工程を短縮し、エネルギーや労力、コスト
を下げることができた。
【0119】<実施例6>(粗顔料を用いたゲル化処理
ペリレン顔料組成物) 第1工程(混合) 実施例5と同様にしてペリレン粗顔料の混合物を得た。
【0120】第2工程(分散) 第1工程で得た混合物を、ダイノーミル装置(シンマル
エンタープライゼス社製の「ダイノーミル」)を用い
て、攪拌機外周速度14.0m/秒、直径0.3mmの
ジルコニアビーズ(昭和シェル石油社製の「ミクロハイ
カZ250」)充填量1.75kg、懸濁物分散温度2
8℃の条件で、3時間分散させて、ペリレン顔料分散物
を得た。
【0121】第3工程(酸析) 第2工程で得た顔料分散物にイオン交換水2300部を
加え、攪拌しながら、内容物のpHが4.9となるまで
1N塩酸を加えて、顔料表面に樹脂を沈着させて懸濁液
を得た。この懸濁液を濾過してウエットケーキ状の懸濁
物を濾別した後、洗浄液のpHが中性付近になるまでウ
エットケーキ状の懸濁物をイオン交換水で洗浄して、不
揮発分23.8%のウエットケーキ状の懸濁物を得た。
【0122】第4工程(再中和) この顔料組成物は、粗顔料から直接微細な水性分散体を
製造することができ、粗顔料から顔料にするための製造
工程を短縮し、エネルギーや労力、コストを下げること
ができた。
【0123】<比較例3>(ゲル化処理をしないペリレ
ン顔料組成物) 第1工程〜第3工程 実施例5において、製造例3で得たペリレン粗顔料、合
成例4で得たカルボキシル基含有アクリル樹脂(A−
1)及びジメチルエタノールアミンに代えて、製造例8
で得たペリレン顔料800部、合成例1で得たカルボキ
シル基含有アクリル樹脂(A−1)800部、イオン交
換水3100部を用いた以外は、実施例5と同様に、第
1工程から第3工程を得て、不揮発分26.2%のウエ
ットケーキ状の懸濁物を得た。
【0124】第4工程(再中和) 第3工程で得た析出物300部を容器に取り、ジメチル
エタノールアミン2.9部を加え、ディスパーを用いて
5000rpmで30分間分散させて、水性の顔料組成
物を得た。得られた顔料組成物の不揮発分は26.4%
で、pH8.9、体積平均径145nmであった。
【0125】この顔料組成物は、顔料を使用したために
顔料化工程の短縮が不可能で、エネルギー、労力及びコ
ストを下げることはできなかった。
【0126】<実施例7>(粗顔料を用いたδ型インダ
ンスロン顔料組成物の製造) 第1工程(混合) 製造例4で得たδ型インダンスロンブルー粗顔料のウエ
ットケーキ2105部、合成例2で得たカルボキシル基
含有アクリル樹脂(A−2)800部、ジメチルエタノ
ールアミン44.4部及び水1055.6部を容器に入
れ、攪拌混合し、混合物を得た。
【0127】第2工程(分散) 第1工程で得た混合物を、攪拌式ビーズミル装置(ドラ
イスヴェルケ社製の「ドライスヴェルケPM―DCP―
S.F.12」)を用いて、攪拌機外周速度10.3m
/秒、直径0.25mmのジルコニアビーズ(昭和シェ
ル石油社製の「ミクロハイカZ250」)充填量3.5
kg、懸濁物分散温度35℃の条件で、3時間分散させ
て、δ型インダンスロンブルー顔料分散物を得た。
【0128】第3工程(酸析) 第2工程で得た顔料分散物にイオン交換水3800部を
加え、攪拌しながら、内容物のpHが5.5となるまで
1N塩酸を加えて、顔料表面に樹脂を沈着させて懸濁液
を得た。この懸濁液を濾過してウエットケーキ状の懸濁
物を濾別した後、洗浄液のpHが中性付近になるまでウ
エットケーキ状の懸濁物をイオン交換水で洗浄して、不
揮発分21.3%のウエットケーキ状の懸濁物を得た。
【0129】第4工程(再中和) 第3工程で得た析出物300部を容器に取り、ジメチル
エタノールアミン2.4部を加え、ディスパーを用いて
5000rpmで30分間分散させて、水性の顔料組成
物を得た。得られた顔料組成物の不揮発分は23.2%
で、pH9.2、体積平均径92nmであった。
【0130】この顔料組成物は、粗顔料から直接微細な
水性分散体を製造することができ、粗顔料から顔料にす
るための製造工程を短縮し、エネルギーや労力、コスト
を下げることができた。
【0131】<実施例8>(粗顔料を用いたジメチルキ
ナクリドン顔料組成物の製造) 第1工程(混合) 製造例2で得たジメチルキナクリドン粗顔料のウエット
ケーキ250部、合成例1で得たカルボキシル基含有ア
クリル樹脂(A−1)80部、ジメチルエタノールアミ
ン4.4部及び水65.6部を容器に入れ、攪拌混合
し、混合物を得た。
【0132】第2工程(分散) 第2工程で得た混合物を、攪拌式ビーズミル装置(カン
ペ家庭塗料社製の「サンドミル」)を用いて、攪拌機外
周速度7.9m/秒、直径0.5mmのジルコニアビー
ズ(昭和シェル石油社製の「ミクロハイカZ500」)
充填量1.5kg、懸濁物分散温度32℃の条件で、5
時間分散させて、ジメチルキナクリドン顔料分散物を得
た。
【0133】第3工程(酸析) 第2工程で得た顔料分散物にイオン交換水380部を加
え、攪拌しながら、内容物のpHが4.8となるまで1
N塩酸を加えて、顔料表面に樹脂を沈着させて懸濁液を
得た。この懸濁液を濾過してウエットケーキ状の懸濁物
を濾別した後、洗浄液のpHが中性付近になるまでウエ
ットケーキ状の懸濁物をイオン交換水で洗浄して、不揮
発分17.8%のウエットケーキ状の懸濁物を得た。
【0134】第4工程(再中和) 第3工程で得た析出物300部を容器に取り、ジメチル
エタノールアミン2.0部を加え、ディスパーを用いて
5000rpmで30分間分散させて、水性の顔料組成
物を得た。得られた顔料組成物の不揮発分は18.9%
で、pH9.1、体積平均径162nmであった。
【0135】この顔料組成物は、粗顔料から直接微細な
水性分散体を製造することができ、粗顔料から顔料にす
るための製造工程を短縮し、エネルギーや労力、コスト
を下げることができた。
【0136】<実施例9>(粗顔料を用いたベンツイミ
ダゾロン顔料組成物の製造) 第1工程(混合) 製造例5で得たベンツイミダゾロン粗顔料のウエットケ
ーキ3265部、合成例1で得たカルボキシル基含有ア
クリル樹脂(A−1)800部及びジメチルエタノール
アミン44.4部を容器に入れ、攪拌混合し、混合物を
得た。
【0137】第2工程(分散) 第1工程で得た混合物を、攪拌式ビーズミル装置(ドラ
イスヴェルケ社製の「ドライスヴェルケPM―DCP―
S.F.12」)を用いて、攪拌機外周速度11m/
秒、直径0.25mmのジルコニアビーズ(昭和シェル
石油社製の「ミクロハイカZ250」)充填量3.5k
g、懸濁物分散温度31℃の条件で、2時間分散させ
て、ベンツイミダゾロン顔料分散物を得た。
【0138】第3工程(酸析) 第2工程で得た顔料分散物にイオン交換水3600部を
加え、攪拌しながら、内容物のpHが4.2となるまで
1N塩酸を加えて、顔料表面に樹脂を沈着させて懸濁液
を得た。この懸濁液を濾過してウエットケーキ状の懸濁
物を濾別した後、洗浄液のpHが中性付近になるまでウ
エットケーキ状の懸濁物をイオン交換水で洗浄して、不
揮発分24.6%のウエットケーキ状の懸濁物を得た。
【0139】第4工程(再中和) 第3工程で得た析出物300部を容器に取り、ジメチル
エタノールアミン2.7部を加え、ディスパーを用いて
5000rpmで30分間分散させて、水性の顔料組成
物を得た。得られた顔料組成物の不揮発分は23.1%
で、pH8.9、体積平均径95nmであった。
【0140】この顔料組成物は、粗顔料から直接微細な
水性分散体を製造することができ、粗顔料から顔料にす
るための製造工程を短縮し、エネルギーや労力、コスト
を下げることができた。
【0141】上記実施例及び比較例における製造方法な
らびに得られた顔料粗製物の不揮発分、pH及び体積平
均径を下記表1にまとめて示した。
【0142】
【表1】
【0143】 <応用例1>(本発明の製造方法による顔料組成物を用いた捺染剤) 「リュウダイW Reducer Conc 500」 50部 (大日本インキ化学工業社製の捺染剤) ミネラルターペン 650部 イオン交換水 300部 をビーカーに取り、ホモミキサーを用いて30分攪拌混
合して、捺染糊を調製した。
【0144】 実施例1で得た顔料組成物(顔料分13.5%) 7.4部 イオン交換水 12.6部 上記捺染糊 160.0部 「リュウダイW Fixer 756K−1」 20.0部 (大日本インキ化学工業社製の捺染用添加剤) をビーカーに取り、ディスパーを用いて攪拌混合して、
捺染剤を調製した。
【0145】この捺染剤を調製するに当たっては、強力
な分散を必要としないため、労力エネルギーの省力化す
ることができた。
【0146】上記カラー糊を、90メッシュスクリーン
とドクターを用いて、綿サテン上に展色し、100℃で
5分間乾燥させて、試験布とした。
【0147】<応用例2>(本発明の製造方法による顔
料組成物を用いた捺染剤) 応用例1において、実施例1で得た顔料組成物に代え
て、実施例2で得た顔料組成物6.4部を使用し、ま
た、イオン交換水の使用量を12.6部から13.6部
に変更した以外は、応用例1と同様にして捺染剤を作製
し、試験布を作製した。
【0148】この捺染剤を調製するに当たっては、強力
な分散を必要としないため、労力エネルギーの省力化す
ることができた。
【0149】 <比較応用例1>(ジオキサジンバイオレット顔料を使用した捺染剤) 製造例9で得たジオキサジンバイオレット顔料 15.0部 エマルゲン911(花王社製のノニオン系界面活性剤) 7.2部 イオン交換水 77.8部 3mmφガラスビーズ 100.0部 をガラスビンに取り、ペイントコンディショナーを用い
て3時間分散させて、カラーベースを作製した。このカ
ラーベースの体積平均径は、195nmであった。
【0150】次に、 上記カラーベース 6.7部 イオン交換水 13.3部 応用例1で使用した捺染糊 160.0部 「リュウダイW Fixer 756K−1」 20.0部 (大日本インキ化学工業社製の捺染用添加剤) をビーカーに取り、応用例1と同様にして、カラー糊を
調整した。
【0151】比較応用例1の捺染剤は、その調製に際
し、ペイントコンディショナーで3時間も強力な分散を
必要とし、相当量のエネルギー及び労力を要した。
【0152】上記カラー糊を、90メッシュスクリーン
とドクターを用いて、綿サテン上に展色し、100℃で
5分間乾燥させて、試験布とした。
【0153】<捺染剤の評価>応用例1、応用例2及び
比較応用例1で得た試験布について、比較例1の試験布
をスタンダード布として分光光度計を用いて測定した着
色力を100%とした相対着色力を表2に示した。
【0154】
【表2】
【0155】応用例1及び応用例2で得た捺染剤を用い
て作製した試験布の着色力は、比較応用例1で得た捺染
剤を用いて得た試験布の着色力を100%とした場合
に、それぞれ118%及び104%と高い着色力を示し
た。一方、比較応用例1の捺染剤は、その調製に際し、
ペイントコンディショナーで3時間も強力な分散を必要
とし、相当量のエネルギー及び労力を要した割には、応
用例1の捺染剤と比較して着色力に劣ることが理解でき
る。
【0156】《インクジェットプリンター用記録液》 <応用例3>(本発明の製造方法による顔料組成物を用
いたインクジェットプリンター用記録液) 実施例3で得たフタロシアニンブルーの顔料組成物5
3.1部に、エチレングリコール7.5部、グリセリン
5.0部、ジエチレングリコールモノブチルエーテル
0.5部、エチレングリコールモノメチルエーテル1
5.0部、イソプロピルアルコール3.0部、ジエタノ
ールアミン3.0部及びイオン交換水12.9部を混合
して顔料分7.5%のシアン色のインクジェットプリン
ター用記録液を調製した。
【0157】この記録液を調製するに当たっては、特に
ビーズミルやロール等の分散機を必要とせず、単に混合
するのみで調製できたので、分散設備が不要で、分散工
程や労力を短縮でき、製造時間の短縮あるいは分散エネ
ルギーの省力化ができ、生産性を大きく上げるとともに
製造コストを削減することができた。
【0158】上記記録液を用いて、市販のピエゾ方式の
プリンターを用いて、シアン色のカラー記録画像を、O
HPシート及びコピー紙に記録した。この記録画像は、
精細度や色濃度が高く、演色性や透明性に優れていた。
また、OHPシートに記録した画像は、透明性に優れて
いるためにカラフルな投影図を示していた。OHPシー
ト上の記録画像を水をつけて擦っても消えることはな
く、耐水性に優れていた。また、繰り返し使用しても、
インクを吐出させるノズルが詰まることもなかった。
【0159】次に、このシアンの記録液中の顔料の体積
平均粒子径及び30日間室温で貯蔵した後の体積平均粒
子径及び粒子の沈降性を下記表3に示した。
【0160】下記表3に示した結果から応用例3の記録
液中の顔料の体積平均粒子径は、貯蔵前後でほぼ同等の
値を示し、さらに粒子の沈降が見られず、従来の分散で
得た顔料に比べ、貯蔵安定性及び耐沈降性に非常に優れ
ていることが明らかである。
【0161】<応用例4>(本発明の製造方法による顔
料組成物を用いたインクジェットプリンター用記録液) 応用例3において、実施例3で得たフタロシアニンブル
ーの顔料組成物及びイオン交換水に代えて、実施例4で
得た顔料組成物49.1部及びイオン交換水16.6部
を使用した以外は、応用例3と同様にして顔料分7.5
%のシアン色のインクジェットプリンター用記録液を調
製した。
【0162】この記録液を調製するに当たっては、特に
ビーズミルやロール等の分散機を必要とせず、単に混合
するのみで調製できたので、分散設備が不要で、分散工
程や労力を短縮でき、製造時間の短縮あるいは分散エネ
ルギーの省力化ができ、生産性を大きく上げるとともに
製造コストを削減することができた。
【0163】上記記録液を用いて、市販のピエゾ方式の
プリンターを用いて、シアン色のカラー記録画像を、O
HPシート及びコピー紙に記録した。この記録画像は、
精細度や色濃度が高く、演色性や透明性に優れていた。
また、OHPシートに記録した画像は、透明性に優れて
いるためにカラフルな投影図を示していた。OHPシー
ト上の記録画像を水をつけて擦っても消えることはな
く、耐水性に優れていた。また、繰り返し使用しても、
インクを吐出させるノズルが詰まることもなかった。
【0164】次に、このシアンの記録液中の顔料の体積
平均粒子径及び30日間室温で貯蔵した後の体積平均粒
子径及び粒子の沈降性を下記表3に示した。
【0165】下記表3に示した結果から、応用例4の記
録液中の顔料の体積平均粒子径は、貯蔵前後でほぼ同等
の値を示し、さらに粒子の沈降が見られず、従来の分散
で得た顔料に比べ、貯蔵安定性及び耐沈降性に非常に優
れていることが明らかである。
【0166】 <比較応用例2>(銅フタロシアニン顔料を使用したインクジェットプリンター 用記録液) 製造例6で得た銅フタロシアニン顔料 4.0部 「ウオーターゾール S−744」 5.0部 (大日本インキ化学工業社製の水溶性アクリル樹脂) イオン交換水 21.0部 3mmφガラスビーズ 80.0部 をガラスビンに取り、ペイントコンディショナーを用い
て2時間分散させて、カラーベースを作製した。このカ
ラーベースの体積平均径は、210nmであった。
【0167】次に、応用例3において、実施例3で得た
顔料組成物及びイオン交換水に代えて、上記で得たカラ
ーベース56.3部及びイオン交換水9.7部を使用し
た以外は、応用例3と同様にして、シアン色のインクジ
ェットプリンター用記録液を調製した。
【0168】この記録液を調製するに当たっては、ペイ
ントコンディショナーで2時間分散させるために、分散
設備が必要で、分散させるための労力やエネルギーを必
要とし、製造コストがかかった。
【0169】上記記録液を用いて、市販のピエゾ方式の
ジェットプリンターを用いて、シアンのカラー記録画像
を、OHPシート、コピー紙に記録した。この記録画像
は、精細度や色濃度が低く、演色性や透明性に欠けてい
た。また、OHPシートに記録した画像は、不透明でカ
ラフルな投影図を示さなかった。また、繰り返し使用す
ると、インクを吐出させるノズルが詰まってしまった。
【0170】これらシアンの記録液中のマイクロカプセ
ル化顔料の体積平均粒子径及び30日間室温で貯蔵した
後の体積平均粒子径及び粒子の沈降性を下記表3に示し
た。
【0171】下記表3に示した結果から、比較応用例2
の記録液中の顔料の体積平均粒子径は、貯蔵前後でほぼ
同等の値を示したが、粒子の沈降が見られ、耐沈降性が
悪かった。
【0172】
【表3】
【0173】《自動車用水性塗料》 <応用例5>(本発明の製造方法による顔料組成物を使
用した自動車用水性塗料) 実施例5で得たペリレン顔料組成物33.0部、イオン
交換水27.0部、「ウオーターゾール S−751」
(大日本インキ化学工業社製の水溶性アクリル樹脂)8
0.0部及び「サイメル303」(三井サイアナミド社
製の水溶性メラミン樹脂)10.0部を攪拌混合し、自
動車塗料用の水性メタリックベース塗料を作製した。
【0174】この水性メタリックベース塗料を調製する
に当たっては、特にビーズミルやロール等の分散機を必
要とせず、単に混合するのみで調製できたので、分散設
備が不要で、分散工程や労力を短縮でき、製造時間の短
縮あるいは分散エネルギーの省力化ができ、生産性を大
きく上げるとともに製造コストを削減することができ
た。
【0175】上記水性メタリックベース塗料に「ラセッ
トマイカ」(マール社製の赤色マイカ顔料)5.0部を
加え、中塗水研済ダル鋼板(日本ルートサービス社製)
にスプレー塗装し、80℃で10分間予備加熱した。予
備加熱後、「アクリディックA−310」(大日本イン
キ化学工業社製のアクリル樹脂)80部及び「スーパー
ベッカミンL−117−60」(大日本インキ化学工業
社製のメラミン樹脂)16.7部を混合して得たトップ
コート用クリヤー塗料をスプレーし、140℃で20分
間焼き付け乾燥させて、2コート1ベークのレッドマル
ーン色のメタリック塗装板を得た。
【0176】この塗装板は、鮮映性が高く、深み感があ
り、フリップフロップ性に優れていた。また、湿度10
0%、50℃で7日間、耐水性試験を行ったところ、吸
着した樹脂のゲル化処理を行ったことで、ブリスター等
の発生がみられず、さらにクロスカット試験を行っても
剥がれが認められず、耐水性に優れていた。
【0177】この水性メタリックベース塗料中の顔料の
体積平均粒子径及び30日間室温で貯蔵した後の体積平
均粒子径を下記表4に示した。
【0178】下記表4に示した結果から、応用例5の塗
料中の顔料の体積平均粒子径は、貯蔵前後でほぼ同等の
値を示し、貯蔵安定性に非常に優れていることが明らか
である。
【0179】<応用例6>(本発明の製造方法による顔
料組成物を使用した自動車用水性塗料) 応用例5において、実施例5で得た顔料組成物に代え
て、実施例6で得たペリレン顔料組成物31.4部を使
用し、イオン交換水の使用量を28.6部とした以外
は、応用例5と同様にして、自動車塗料用の水性メタリ
ックベース塗料を作製した。
【0180】この水性メタリックベース塗料を調製する
に当たっては、特にビーズミルやロール等の分散機を必
要とせず、単に混合するのみで調製できたので、分散設
備が不要で、分散工程や労力を短縮でき、製造時間の短
縮あるいは分散エネルギーの省力化ができ、生産性を大
きく上げるとともに製造コストを削減することができ
た。
【0181】上記水性メタリックベース塗料に「ラセッ
トマイカ」(マール社製の赤色マイカ顔料)5.0部を
加えた後、応用例5と同様にして、2コート1ベークの
レッドマルーン色のメタリック塗装板を得た。
【0182】この塗装板は、鮮映性が高く、深み感があ
り、フリップフロップ性に優れていた。また、湿度10
0%、50℃で7日間、耐水性試験を行ったところ、吸
着した樹脂のゲル化処理を行ったことで、ブリスター等
の発生がみられず、さらにクロスカット試験を行っても
剥がれが認められず、耐水性に優れていた。
【0183】この水性メタリックベース塗料中の顔料の
体積平均粒子径及び30日間室温で貯蔵した後の体積平
均粒子径を下記表4に示した。
【0184】下記表4に示した結果から、応用例6の塗
料中の顔料の体積平均粒子径は、貯蔵前後でほぼ同等の
値を示し、貯蔵安定性に非常に優れていることが明らか
である。
【0185】<比較応用例3>(ペリレン顔料を用いた
自動車用水性塗料) 応用例5において、実施例5で得たペリレン顔料組成物
に代えて、比較例3で得たペリレン顔料組成物28.1
部を使用し、イオン交換水の使用量を31.9部とした
以外は、応用例5と同様にして自動車塗料用の水性メタ
リックベース塗料を作製した。
【0186】上記水性メタリックベース塗料に「ラセッ
トマイカ」(マール社製の赤色マイカ顔料)5.0部を
加えた後、応用例5と同様にして、2コート1ベークの
レッドマルーン色のメタリック塗装板を得た。
【0187】この塗装板は、鮮映性が高く、深み感があ
り、フリップフロップ性に優れていた。また、湿度10
0%、50℃で7日間、耐水性試験を行ったところ、ブ
リスター等の発生が認められなかったが、クロスカット
試験を行ったところ、剥がれが認められ、耐水性に劣っ
ていた。
【0188】この水性メタリックベース塗料中の顔料の
体積平均粒子径及び30日間室温で貯蔵した後の体積平
均粒子径を下記表4に示した。
【0189】下記表4に示した結果から、比較応用例3
の塗料中の顔料の体積平均粒子径は、貯蔵前後でほぼ同
等の値を示し、貯蔵安定性に非常に優れていることが明
らかである。
【0190】<応用例7>(本発明の製造方法によるδ
型インダンスロン顔料組成物を使用した自動車用水性塗
料) 応用例5において、実施例5で得た顔料組成物に代え
て、実施例7で得たδ型インダンスロンブルー顔料組成
物32.3部を使用し、イオン交換水の使用量を27.
7部とした以外は、応用例5と同様にして、自動車塗料
用の水性メタリックベース塗料を作製した。
【0191】この水性メタリックベース塗料を調製する
に当たっては、特にビーズミルやロール等の分散機を必
要とせず、単に混合するのみで調製できたので、分散設
備が不要で、分散工程や労力を短縮でき、製造時間の短
縮あるいは分散エネルギーの省力化ができ、生産性を大
きく上げるとともに製造コストを削減することができ
た。
【0192】上記水性メタリックベース塗料に「ラセッ
トマイカ」(マール社製の赤色マイカ顔料)5.0部を
加えた後、応用例5と同様にして、2コート1ベークの
レッドマルーン色のメタリック塗装板を得た。
【0193】この塗装板は、鮮映性が高く、深み感があ
り、フリップフロップ性に優れていた。また、湿度10
0%、50℃で7日間、耐水性試験を行ったところ、ブ
リスター等の発生がみられなかったが、さらにクロスカ
ット試験を行なった結果、ゲル化処理した顔料組成物と
比較して若干剥がれが認められ、耐水性に劣っていた。
【0194】この水性メタリックベース塗料中の顔料の
体積平均粒子径及び30日間室温で貯蔵した後の体積平
均粒子径を下記表4に示した。
【0195】下記表4に示した結果から、応用例7の塗
料中の顔料の体積平均粒子径は、貯蔵前後でほぼ同等の
値を示し、貯蔵安定性に非常に優れていることが明らか
である。
【0196】
【表4】 沈降性 ○:ブリスターの発生が確認できない。 ×:ブリスターの発生が確認できる。
【0197】<応用例8>(本発明によるジメチルキナ
クリドン顔料組成物を使用した水性インキ) 実施例8で得たジメチルキナクリドン顔料組成物59.
5部、イオン交換水12.2部、イソプロピルアルコー
ル2.0部及び「ジョンクリル J74」(ジョンソン
ワックス社製のスチレンアクリル樹脂)26.3部を混
合し、水性フレキソインキを作製した。
【0198】この水性フレキソインキを調製するに当た
っては、特にビーズミルやロール等の分散機を必要とせ
ず、単に混合するのみで調製できたので、分散設備が不
要で、分散工程や労力を短縮でき、製造時間の短縮ある
いは分散エネルギーの省力化ができた。
【0199】上記フレキソインキを用いて、厚さ0.0
5mmのアセテートフィルム上に、0.15mmの(N
o. 6)バーコーダーを用いて塗布展色した。得られた
展色フィルムの光沢や透明性は、下記比較応用例4の顔
料を用いたフレキソインキを用いた場合よりも非常に優
れていた。
【0200】この水性フレキソインキ中の顔料の体積平
均粒子径及び30日間室温で貯蔵した後の体積平均粒子
径を下記表5に示した。
【0201】下記表5に示した結果から、応用例8のフ
レキソインキ中の顔料の体積平均粒子径は、貯蔵前後で
ほぼ同等の値を示し、貯蔵安定性に非常に優れているこ
とが明らかである。
【0202】 <比較応用例4>(ジメチルキナクリドン顔料を使用したフレキソインキ) 製造例7で得たジメチルキナクリドン顔料 15.0部 「ジョンクリル J61」 23.0部 (ジョンソンワックス社製のスチレンアクリル樹脂) イオン交換水 23.0部 3mmφガラスビーズ 120.0部 をポリエチレン製ビンに取り、ペイントコンディショナ
ーを用いて2時間分散させた後、「ジョンクリル J7
4」(ジョンソンワックス社製のスチレンアクリル樹
脂)70.0部及びイオン交換水65.0部を追加し、
ペイントコンディショナーを用いて10分間分散させ
て、フレキソインキを作製した。
【0203】このフレキソインキを調製するに当たって
は、ペイントコンディショナーで2時間分散させるため
に、分散設備が必要で、分散させるための労力やエネル
ギーを必要とし、製造コストがかかった。
【0204】上記フレキソインキを用いて、厚さ0.0
5mmのアセテートフィルム上に、0.15mmの(N
o. 6)バーコーダーを用いて塗布展色した。得られた
展色フィルムの光沢や透明性は、実施例8のフレキソイ
ンキを用いた場合よりも劣っていた。
【0205】このフレキソインキの顔料の体積平均粒子
径及び30日間室温で貯蔵した後の体積平均粒子径及び
粒子の沈降性を表5に示した。比較応用例4のフレキソ
インキ中の顔料の体積平均粒子径は、貯蔵後大きくなり
凝集傾向を示し安定性が悪かった。
【0206】<応用例9>(本発明の製造方法によるベ
ンツイミダゾロン顔料組成物を使用した水性インキ) 実施例9で得たベンツイミダゾロン顔料組成物48.7
部、イオン交換水23.0部、イソプロピルアルコール
2.0部及び「ジョンクリル J74」(ジョンソンワ
ックス社製のスチレンアクリル樹脂)26.3部をガラ
ス棒で混合して、水性フレキソインキを作製した。
【0207】この水性フレキソインキを調製するに当た
っては、特にビーズミルやロール等の分散機を必要とせ
ず、単に混合するのみで調製できたので、分散設備が不
要で、分散工程や労力を短縮でき、製造時間の短縮ある
いは分散エネルギーの省力化ができた。
【0208】上記フレキソインキを用いて、厚さ0.0
5mmのアセテートフィルム上に、0.15mmの(N
o. 6)バーコーダーを用いて塗布展色した。得られた
展色フィルムの光沢や透明性は、比較応用例5の顔料を
用いたフレキソインキを用いた場合より非常に優れてい
た。
【0209】この水性フレキソインキ中の顔料の体積平
均粒子径及び30日間室温で貯蔵した後の体積平均粒子
径を下記表5に示した。
【0210】下記表5に示した結果から、応用例9のフ
レキソインキ中の顔料の体積平均粒子径は、貯蔵前後で
ほぼ同等の値を示し、従来の分散法で得た顔料に比べ、
貯蔵安定性に非常に優れていることが明らかである。
【0211】 <比較応用例5>(ベンツイミダゾロン顔料を使用したフレキソインキ) 製造例10で得たベンツイミダゾロン顔料 15.0部 「ジョンクリル J61」 23.0部 (ジョンソンワックス社製のスチレンアクリル樹脂) イオン交換水 23.0部 3mmφガラスビーズ 120.0部 を、ポリエチレン製ビンに計り取り、ペイントコンディ
ショナーを用いて2時間分散させた後、「ジョンクリル
J74」(ジョンソンワックス社製のスチレンアクリ
ル樹脂)70.0部及びイオン交換水65.0部を追加
し、ペイントコンディショナーを用いて10分間分散さ
せて、フレキソインキを作製した。
【0212】このフレキソインキを調製するに当たって
は、ペイントコンディショナーで2時間分散させるため
に、分散設備が必要で、分散させるための労力やエネル
ギーを必要とし、製造コストがかかる。
【0213】上記フレキソインキを用いて、厚さ0.0
5mmのアセテートフィルム上に、0.15mmの(N
o. 6)バーコーダーを用いて塗布展色した。得られた
展色フィルムの光沢や透明性は、応用例9のフレキソイ
ンキを用いた場合よりも劣っていた。
【0214】このフレキソインキの顔料の体積平均粒子
径及び30日間室温で貯蔵した後の体積平均粒子径を下
記表5に示した。
【0215】下記表5に示した結果から、比較応用例5
のフレキソインキ中の顔料の体積平均粒子径は、貯蔵後
大きくなり凝集の傾向を示し、さらにニス分かれが見ら
れ、安定性が悪かった。
【0216】
【表5】
【0217】
【発明の効果】本発明の顔料組成物は、粗顔料から直接
微細な水性分散体を製造することができ、粗顔料から顔
料にするための製造工程を短縮し、エネルギーや労力、
コストを下げることができる。
【0218】また、本発明の顔料組成物を用いた水性着
色液を調製するに当たっては、特にビーズミルやロール
等の分散機を必要とせず、単に混合するのみで調製でき
たので、分散設備が不要で、分散工程や労力を短縮で
き、製造時間の短縮あるいは分散エネルギーの省力化が
できる。
【0219】さらに、本発明の水性着色液を用いた場
合、貯蔵安定性や耐水性に非常に優れ、精細度や色濃度
が高く、演色性や透明性、鮮映性、光沢等に優れた塗膜
を提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09B 67/46 C09B 67/46 B C09C 3/00 PBQ C09C 3/00 PBQ 3/10 PBZ 3/10 PBZ C09D 11/00 PTF C09D 11/00 PTF PTZ PTZ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)粗顔料又は粗顔料を乾式粉砕し
    て得た粉砕粗顔料、カルボキシル基含有アクリル樹脂
    のアルカリ塩及び水及び/又は水性溶媒を混合する第
    1工程、 (2)第1工程で得た混合物を機械的に分散させる第2
    工程、 (3)第2工程で得た分散物に酸を加えて、顔料に樹脂
    を析出させる第3工程、及び (4)第3工程で得た析出物にアルカリを加えて再中和
    する第4工程から成る顔料組成物の製造方法。
  2. 【請求項2】 第1工程において使用する粉砕粗顔料が
    粗顔料をアトライターを用いて乾式粉砕して得たもので
    ある請求項1記載の顔料組成物の製造方法。
  3. 【請求項3】 第1工程で得た混合物を加熱処理した
    後、第2工程に移行する請求項1又は2記載の顔料組成
    物の製造方法。
  4. 【請求項4】 第2工程が、第1工程で得た混合物をビ
    ーズミルを用いて分散させる工程である請求項1、2又
    は3記載の顔料組成物の製造方法。
  5. 【請求項5】 第1工程で使用するカルボキシル基含有
    アクリル樹脂の酸価が30〜200KOHmg/gの範
    囲にある請求項1、2、3又は4記載の顔料組成物の製
    造方法。
  6. 【請求項6】 得られた顔料組成物が顔料の周囲をカル
    ボキシル基含有アクリル樹脂で被覆された状態にある請
    求項1、2、3、4又は5記載の顔料組成物の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 請求項1、2、3、4、5又は6記載の
    製造方法で得られる顔料組成物を含有する水性着色液。
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