JP4056869B2 - 熱可塑性樹脂組成物および成形品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱可塑性樹脂に関するものである。さらに詳しくは、機械的強度、耐熱性、耐薬品性および誘電特性に優れた熱可塑性樹脂および該熱可塑性樹脂からなる自動車外板成形品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車の外板は、鋼板で作られてきたが、最近、樹脂化が検討されている。外板特性を有する樹脂としては、ポリフェニレンエーテル/ポリアミド系アロイ、ポリフェニレンエーテル/ポリスチレン系アロイ、ポリフェニンレンエーテル/ポリプロピレン系アロイ、ポリカーボネート/ポリブチレンテレフタレート系アロイが提案されている。
【0003】
一方、近年、自動車の外板とアンテナを一体化する試みが行なわれている。樹脂成形品をアンテナ用材料として使用する場合、比誘電率が高く、かつ、誘電正接が低いことが要求される。しかしながら、ポリフェニレンエーテル/ポリアミド系アロイ、ポリカーボネート/ポリブチレンテレフタレート系アロイは、誘電正接が大きいため、アンテナ用材料として使用した場合、受信性能が良くない。また、ポリフェニレンエーテル/ポリスチレン系アロイ、ポリフェニレン/ポリプロピレン系アロイは、誘電正接は十分に小さいが、比誘電率が高くなく、アンテナ用材料としては不十分であった。
【0004】
従来の技術としては、特許文献1〜3を例示することができる。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−1229号公報
【特許文献2】
特開2000−239515号公報
【特許文献3】
特開平3−41242号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
かかる状況の下、本発明が解決しようとする課題は、自動車の外板部品に使用した場合、十分な強度、耐熱性、耐薬品性を有し、また、該外板部品をアンテナと一体化した場合に良好な誘電特性を示す熱可塑性樹脂および該熱可塑性樹脂から得られる自動車外板成形品を提供する点に存する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、下記の(A)、(B)および(C)を含有し、(A)と(B)の含有量の重量比が95/5〜35/65であり、(A)および(B)の合計に対して(C)の重量比が90/10〜30/70であり、かつ(A)成分が連続相を成形する熱可塑性樹脂組成物。
(A):ポリオレフィン樹脂
(B):ポリフェニレンエーテル系樹脂
(C):比誘電率が50以上である充填剤
また、本発明のうち第二の発明は上記の樹脂組成物を用いて得られる自動車外板成形品に係わるものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明における(A)は、ポリオレフィン樹脂である。ポリオレフィン樹脂とは、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、3−メチルブテン−1、4−メチルペンテン−1、オクテン−1、デセン−1、ドデセン−1、テトラデセン−1、ヘキサデセン−1、オクタデセン−1、エイコセン−1等のα−オレフィン;特開平2−115248号公報明細書に記載の環状オレフィン等のオレフィン類の単独重合体又は共重合体である。なお、オレフィン類と少量の他の不飽和単量体を共重合した共重合体、並びに該共重合体及び上記オレフィン類の単独又は共重合体の酸化、スルホン化等による変性物はポリオレフィン樹脂に含まれるものとする。
【0009】
オレフィン類と共重合可能な他の不飽和単量体の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、無水マレイン酸、アリールマレイン酸イミド、アルキルマレイン酸イミド等の不飽和有機酸又はその誘導体;酢酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル;スチレン、メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物;ビニルトリメチルメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン等のビニルシラン;ジシクロペンタジエン、4−エチリデン−2−ノルボルネン、4−メチル1、4−ヘキサジエン、5−メチル−1、4−ヘキサジエン等の非共役ジエン等があげられる。これらの中ではエチレン、プロピレン、ブテン−1、3−メチルブテン−1、4−メチルペンテン−1を過半重量含む共重合体又は単独重合体が好ましく、プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレンブロック、ランダム共重合体及びこれらの混合物等の結晶性プロピレン系重合体が更に好ましい。
【0010】
ポリオレフィン樹脂の分子量については、目的によってその好適な範囲が異なるため一概に範囲を定められないが、一般に温度230℃及び荷重21.2Nの条件で測定したメルトフローレート(MFR)で表わして0.01〜400g/10分、好ましくは0.1〜60g/10分である。
【0011】
上記ポリオレフィン樹脂は重合あるいは変性といった従来公知の方法によって製造することができる。また、市販品も広く入手可能であり、適宜これらから選んで使用することができる。
【0012】
本発明の(B)は、ポリフェニレンエーテル系樹脂であり、下記一般式(式中、R1、R2、R3、R4及びR5は、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基もしくは置換炭化水素基から選ばれたものであり、そのうち、必ず1個は水素原子である。)で示されるフェノール化合物の一種又は二種以上を酸化カップリング触媒を用い、酸素又は酸素含有ガスで酸化重合せしめて得られる(共)重合体である。
【0013】
上記一般式におけるR1、R2、R3、R4及びR5の具体例としては、水素、塩素、臭素、フッ素、ヨウ素、メチル、エチル、n−又はiso−プロピル、pri−、sec−又はt−ブチル、クロロエチル、ヒドロキシエチル、フェニルエチル、ベンジル、ヒドロキシメチル、カルボキシエチル、メトキシカルボニルエチル、シアノエチル、フェニル、クロロフェニル、メチルフェニル、ジメチルフェニル、エチルフェニル、アリルなどがあげられる。上記一般式の具体例としては、フェノール、o−、m−又はp−クレゾール、2,6−、2,5−、2,4−又は3,5−ジメチルフェノール、2−メチル−6−フェニルフェノール、2,6−ジフェニルフェノール、2,6−ジエチルフェノール、2−メチル−6−エチルフェノール、2,3,5−、2,3,6−又は2,4,6−トリメチルフェノール、3−メチル−6−t−ブチルフェノール、チモール、2−メチル−6−アリルフェノールなどがあげられる。更に、上記一般式以外のフェノール化合物、例えば、ビスフェノール−A、テトラブロモビスフェノール−A、レゾルシン、ハイドロキノン、ノボラック樹脂のような多価ヒドロキシ芳香族化合物と、上記一般式で示されるフェノール化合物とを共重合体の原料としてもよい。これらの化合物の中では、2,6−ジメチルフェノール、2,6−ジフェニルフェノール、3−メチル−6−t−ブチルフェノール及び2,3,6−トリメチルフェノールが好ましい。
【0014】
フェノール化合物を酸化重合せしめる際に用いる酸化カップリング触媒は、特に限定されるものではなく、重合能を有する如何なる触媒でも使用できる。
【0015】
かかるポリフェニレンエーテル系樹脂の製造法は、例えば米国特許第3306874号公報、同第3306875号公報及び同第3257357号公報並びに特公昭52−17880号公報、特開昭50−51197号公報、特開平1−304119号公報等に記載されている。
【0016】
本発明の(B)の具体例としては、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジエチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−プロピル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジプロピル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−エチル−6−プロピル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ブチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジプロペニル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジラウリル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジフェニル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジメトキシ−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジエトキシ−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メトキシ−6−エトキシ−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−エチル−6−ステアリルオキシ−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−フェニル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−エトキシ−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−クロロ−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(3−メチル−6−t−ブチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジクロロ−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,5−ジブロモ−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジベンジル−1,4−フェニレンエーテル)及びこれらの重合体を構成する繰り返し単位の複数種を含む各種共重合体をあげることができる。共重合体の中には2,3,6−トリメチルフェノール、2,3,5,6−テトラメチルフェノール等の多置換フェノールと2,6−ジメチルフェノールとの共重合体等も含む。これらポリフェニレンエーテル系樹脂のうちで好ましいものはポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)及び2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体である。
【0017】
本発明に使用することができる(B)の分子量は、目的によってその好適な範囲が異なるため一概にその範囲は定められないが、一般に30℃のクロロホルム中で測定した極限粘度で表わして0.1〜0.7dl/g、好ましくは0.3〜0.6dl/gである。
【0018】
本発明の(B)は、上記重合体、共重合体に対し、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン及びクロルスチレン等のスチレン系化合物をグラフトさせて変性した共重合体でもよい。
【0019】
本発明で用いる(C)成分は比誘電率が50以上ある充填剤である。充填剤の比誘電率が50未満の場合、熱可塑性樹脂組成物の比誘電率が不十分となる。また、充填剤の誘電正接は0.01以下であることが好ましい。誘電正接が0.01を超える場合、樹脂組成物の誘電正接が増大し、アンテナ特性が悪化する場合がある。
【0020】
(C)成分としては、例えば、酸化チタンやチタン酸金属塩が挙げられる。チタン酸金属塩の具体例としては、例えば、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウムストロンチウム、チタン酸バリウムカルシウム、チタン酸バリウムマグネシウム、チタン酸カルシウムマグネシウム等のアルカリ土類金属塩、チタン酸バリウムビスマス、チタン酸バリウムネオジム等のアルカリ土類金属原子の一部が他の金属に置換したチタン酸金属塩、チタン酸ジルコン酸鉛、チタン酸ニオブ酸鉛マグネシウム等のチタン酸の一部が他の金属に置換したチタン酸金属塩等を挙げることができ、1種単独で又は2種以上を併用して使用できる。
【0021】
金属酸化物の粒子径は特に制限されないが、好ましくは中心粒径が10μm未満、更に好ましくは1μm未満がよい。粒径が10μm以上の場合、衝撃強度が低下することがある。
【0022】
上記の成分(C)には、該充填材と樹脂との界面接着性を高める目的で、表面処理剤による処理を施してもよい。表面処理剤としては公知のものが使用でき、例えば、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤等のカップリング剤を挙げることができる。また、表面処理剤の使用量は特に制限されないが、通常、本発明組成物の誘電特性及び物理的特性を損なわれない範囲とすればよい。
【0023】
本発明の(D)は、アルケニル芳香族化合物―共役ジエン化合物ブロック共重合体である。アルケニル芳香族化合物―共役ジエン化合物ブロック共重合体におけるアルケニル芳香族化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−tert―ブチルスチレン、ジフェニルスチレン等のうちから1種または2種以上が選択でき、とくにスチレンが好ましい。また、共役ジエン化合物としては、たとえば、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等のうちから一種または2種以上が選ばれ特にブタジエン、イソプレンおよびこれらの組み合わせが好ましい。
【0024】
(D)成分のアルケニル芳香族ブロックAとジエンブロックBとの組み合わせに関しては特に制限はないが、とりわけ、A−B−Aのトリブロック構造を有するものが、耐衝撃性改良の観点から好ましい。
【0025】
ブロック共重合体のジエンブロックは、溶融混練時に起こるブロック共重合体の熱劣化の防止や耐衝撃強度の観点から、ジエンの50%以上、好ましくは90%以上が水素添加されていることが好ましい。
【0026】
ブロック共重合体において、アルケニル芳香族ブロックの分率は、ブロック共重合体とポリオレフィン樹脂とポリフェニレンエーテル樹脂との相容性や射出成形等の成形時に層剥離現象が発生することを防止する観点から、10重量%以上80重量%以下、好ましくは、35重量%以上70重量%以下、さらに好ましくは、48重量%以上70重量%以下である。
【0027】
本発明の成分(E)は、非芳香族性の炭素−炭素多重結合、オキシラン基及び誘導カルボキシル基からなる群から選ばれる結合又は官能基の少なくとも一を有する官能性化合物である。
【0028】
本発明における非芳香族の炭素−炭素二重結合又は三重結合のみを有する官能性化合物は下記に示すオレフィン類、液状ジエンポリマー及びキノン類である。
【0029】
すなわち、かかる官能性化合物の具体例としては、ドデセン−1、オクタデセン−1等で例示されるオレフィン類;液状ポリブタジエンで例示される液状ジエンポリマー;並びに1,2−及び1,4−ベンゾキノン、2,6−ジメチルベンゾキノン、2,6−ジフェニルベンゾキノン、テトラメチルベンゾキノン、2−クロロ−1,4−ベンゾキノン、2,2′−及び4,4′−ジフェノキノン、1,2―ナフトキノン、1,4―ナフトキノン及び2,6−ナフトキノン、9,10−アントラキノン等で例示されるキノン類をあげることができる。
【0030】
また、本発明におけるオキシラン基のみを有する官能性化合物の具体例としては、多価フェノール、多価アルコール及びアミン類からなる群から選ばれる化合物とエピクロロヒドリンとを縮合させることによって製造されるエポキシ樹脂、上記液状ジエンポリマーのエポキシ化物、酸化ポリオレフィンワックス、オクタデシルグリシジルエーテル、1−ヘキサデセンオキシド等で例示されるエポキシ化合物があげられる。
【0031】
本発明における誘導カルボキシル基のみを有する官能性化合物の例としては下記に示す化合物があげられるが、ここに、誘導カルボキシル基とは一般式
−COOR6、
−COY、
−CONR7、R8又は
−CO−Z−CO−
[式中、R6は水素原子又は不活性な置換基を有していてもよい炭素原子数が1乃至20個のアルキル基もしくはアリール基を表わし、Yはハロゲン原子を表わし、R7とR8はそれぞれ水素原子又は不活性な置換基を有していてもよい炭素原子数が1乃至10個のアルキル基もしくはアリール基を表わし、Yは酸素原子又はNHを表わす。]で表わされるカルボキシル基から派生する基のことである。
【0032】
かかる官能性化合物の具体例は無水コハク酸、スチレン−無水マレイン酸共重合体等の無水マレイン酸重合体、p−ニトロ安息香酸メチル、p−シアノフェニルアセトアミド等で例示されるカルボン酸誘導体である。
【0033】
本発明における官能性化合物(E)としては、(i)非芳香族の炭素−炭素二重結合、オキシラン基及び誘導カルボキシル基からなる群から選ばれる結合又は官能基の少なくとも一と(ii)誘導カルボキシル基、誘導水酸基、誘導アミノ基、誘導シリル基、誘導メルカプト基、誘導スルホン酸基及びオイシラン基からなる群から選ばれる官能基であって上記(i)の官能基とは異なる官能基の少なくとも一とを同時に有する官能性化合物が好ましい。
【0034】
ここに、誘導水酸基とは、一般式
―OR9―、
―OCOR10―、又は、
―OSi(R11)3―
[式中、R9及びR10は水素原子又は不活性な置換基を有していてもよい炭酸原子数が1乃至10個のアルキル基もしくはアリール基を表わし、3個のR11は互いに同じか又は異なる不活性な置換基を有していてもよい炭素原子数が1乃至10個のアルキル基、アリール基もしくはアルコキシ基を表わす。]で表わされる水酸基から派生する基のことである。
【0035】
誘導アミノ酸基とは、一般式
―NHR12―、又は
―NHCOR13―
[式中、R12は水素原子、シアノ基又は不活性な置換基を有していてもよい炭素原子数が1乃至10個のアルキル基もしくはアリール基を表わし、R13は水素原子又は不活性な置換基を有していてもよい炭素原子数が1乃至20個のアルキル基もしくはアリール基を表わす。]で表わされるアミノ基から派生する基のことである。
【0036】
誘導シリル基とは、一般式
−Si(R14)3
[式中、3個のR14は互いに同じか又は異なる水素原子、アミノ基又はメルカプト基を有していてもよい炭素原子数が1乃至10個のアルキル基、アリール基もしくはアルコキシ基を表わす。]で表わされるシリル基から派生する基のことである。
【0037】
誘導メルカプト基とは、一般式
―SR15、又は
―SCOR16
[式中、R15及びR16は水素原子又は不活性な置換基を有していてもよい炭素原子数が1乃至10個のアルキル基もしくはアリール基を表わす。]で表わされるメルカプト基から派生する基のことである。
【0038】
誘導スルホン酸基とは、一般式
−SO3R17、
−SO2Y又は
−SO2NR18R19
[式中、R17は水素原子又は不活性な置換基を有していてもよい炭素原子数が1乃至20個のアルキル基もしくはアリール基を表わし、Yはハロゲン原子をわし、R18とR19はそれぞれ水素原子又は不活性な置換基を有していてもよい炭素原子数が1乃至10個のアルキル基もしくはアリール基を表わす。]で表わされるスルホン酸基から派生する基のことである。
【0039】
かかる好ましい官能性化合物の例としては、マレイン酸、フマル酸、クロロマレイン酸、ハイミック酸、シトラコン酸、イタコン酸等で例示される不飽和ジカルボン酸;アクリル酸、ブタン酸、クロトン酸、ビニル酢酸、メタクリル酸、ペンテン酸、ドデセン酸、リノール酸、アンゲリカ酸、けい皮酸等で例示される不飽和モノカルボン酸;無水マレイン酸、無水ハイミック酸、アクリル酸無水物等で例示される前記α、β−不飽和ジカルボン酸又は不飽和モノカルボン酸の酸無水物;マレイン酸アミド、マレインヒドラジド、アクリルアミド、N−(ヒドロキシメチル)アクリルアミド等で例示される前記α、β−不飽和ジカルボン酸又は不飽和モノカルボン酸の酸アミド;エチルマレイン酸等で例示される前記α、β−不飽和ジカルボン酸又は不飽和モノカルボン酸のエステル;マレイミド等で例示されるα、β−不飽和ジカルボン酸又は不飽和モノカルボン酸のイミド;アリルグリシジルエーテル、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等で例示される不飽和エポキシ化合物;アリルアミン、p−アミノスチレン、N−ビニルアニリン等で例示される不飽和アミン;アリルアルコール、3−ブテン−2−オール、プロパギルアルコール等で例示される不飽和アルコール;p−ビニルフェノール、2−プロペニルフェノール等で例示されるアルケニルフェノール;2−(3−シクロヘキセニル)エチルトリメトキシシラン、1,3−ジビニルテトラエトキシシラン、ビニルトリス−(2−メトキシエトキシ)シラン、5−(ビシクロヘプテニル)トリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のオルガノシラン化合物;3−メルカプトプロピオン酸、2−メルカプトベンズイミダゾール等のメルカプト化合物;2−ヒドロキシイソ酪酸、DL−酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、アガリシン酸、クエン酸二アンモニウム、クエン酸三アンモニウム、クエン酸カルシウム、リング酸カルシウム、クエン酸カリウム、リンゴ酸カリウム、アセチルシトレート、ステアリルシトレート、ジステアリルシトレート、アセチルマリエート、ステアリルマリエート、N、N′−ジエチルクエン酸アミド、N、N′−ジプロピルクエン酸アミド、N−フェニルクエン酸アミド、N−ドデシルクエン酸アミド、N、N′−ジドデシルクエン酸アミド、N−ドデシルリンゴ酸アミド等のオキシカルボン酸誘導体;トリメリト酸無水物酸ハロゲン化物、クロロホルミルコハク酸、クロロホルミルコハク酸無水物、クロロホルミルグルタル酸、クロロホルミルグルタル酸無水物、クロロアセチルコハク酸無水物等の酸塩化物等があげられる。
【0040】
より好ましい官能性化合物は、(i)非芳香族性の炭素−炭素多重結合と(ii)上記誘導カルボキシル基、誘導水酸基、誘導アミノ基、誘導シリル基、誘導メルカプト基及びオキシシラン基からなる群から選ばれる官能基の少なくとも一とを同時に有する化合物、及び上記オキシカルボン酸誘導体である。これらの中で更に好ましい官能性化合物はマレイン酸、フマル酸、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、ハイミック酸無水物、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、アクリルアミド、マレイミド、アリルマミン、アリルアルコール及びプロパルギルアルコール、クエン酸及びリンゴ酸であり、最も好ましい官能性化合物は無水マレイン酸及びフマル酸である。
【0041】
なお、本発明の官能性化合物(E)は、スチレン、α−メチルスチレン等のアルケニル芳香族炭化水素と一緒に用いた方が更に好ましい場合がある。
【0042】
本発明の成分(F)は、一般式
RINH−X−NHRII
で表わされる有機化合物である。式中のRI及びRIIは同じでも異なってもよく、それぞれ水素原子又は不活性な置換基を有していてもよいアルキル基を表わし、Xは不活性な置換基を有していてもよい炭素数4乃至30のアルキレン基を表わす。ここに、RI、RII及びXにおける不活性な置換基とはアリール基、ハロゲン基、シアノ基、ニトロ基、カルボニル基、スルホニル基、エーテル基、スルフィド基、エステル基、アミド基等の熱的に安定な基のことである。
【0043】
かかるジアミノ化合物(F)の具体例としては、1,6―ジアミノヘキサン、1,6−ジアミノ−2−エチルヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカン、1,12−ビス(N、N′−ジメチルアミノ)ドデカン、1,13−ジアミノトリデカン、1,14−ジアミノテトラデカン、1,15−ジアミノペンタデカン、1,16−ジアミノヘキサデカン、1,17−ジアミノヘプタデカン、1,18−ジアミノオクタデカン、1,24−ジアミノテトラコサン、1,16−ジアミノ−2、2−ジメチル−4−メチルヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、2,2′−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス−ヘキサメチレントリアミン等があげられる。
【0044】
これらの化合物のうちで好ましいジアミノ化合物は上記一般式におけるRI及びRIIが共に水素原子であり、Xが炭素数8乃至20の直鎖アルキレン基であるジアミノ化合物であり、最も好ましいのは1,12−ジアミノドデカンである。
【0045】
また、より均一な樹脂組成物を得るうえで混練をラジカル発生剤の存在下に行なうことが好ましい場合がある。かかるラジカル発生剤の例としては、N−ブロモコハク酸イミド酸のハロゲン化イミド類;過酸化ベンゾイル、ジクミールパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(パーオキシベンゾエート)ヘキシン−3,1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、過酸化ラウロイル、t−ブチルパーアセテート等の有機過酸化物類;過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩類;アゾビソイソブチロニトリル、1,1′−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)等のジアゾ化合物類等があげられる。ラジカル発生剤が使用される場合のその使用量は(A)と(B)の合計量100重量部に対して一般に10重量部以下、好ましくは0.001乃至5重量部である。
【0046】
本発明の樹脂組成物における(A)と(B)の重量比は、95/5〜35/65の範囲である。(A)が過少の場合((B)が過多の場合))、流動性と耐薬品性が悪化する。一方、(A)が過多の場合((B)が過少の場合))、成形収縮率、衝撃強度が悪化する。
【0047】
また、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、(A)が連続相を形成する必要がある。(A)が連続相を形成しない場合、耐薬品性が悪化する。
【0048】
本発明の樹脂組成物における(A)および(B)の合計に対して(C)の重量比が90/10〜30/70の範囲である。
(C)が過少の場合、比誘電率が不十分となる。一方、(C)が過多の場合、耐衝撃強度、流動性、造粒性が悪化する。
【0049】
本発明の樹脂組成物における(D)の添加量は、(A)及び(B)の合計量
100重量部に対して、1〜30重量部である。(D)が過少の場合、(A)と(B)との相容性が悪化し、衝撃強度が悪くなる場合がある。一方、(D)が過多の場合、耐熱性、耐薬品性、剛性の低下が著しい。
【0050】
本発明の樹脂組成物における上記官能性化合物(E)の添加量は、(A)及び(B)の合計量100重量部に対して、0.1〜30重量部であり、好ましくは0.2〜20重量部である。(E)が過少の場合、衝撃強度が悪化する。一方(E)が過多の場合、剛性が悪化する。
【0051】
本発明の樹脂組成物における(F)の添加量は、(A)及び(B)の合計量100重量部に対して、0.001〜20重量部であり、好ましくは0.02〜10重量部である。(F)が過少の場合、衝撃強度が悪化する。一方(F)が過多の場合、耐熱性が悪化する。
【0052】
本発明の樹脂組成物は上記の(A)〜(C)または(A)〜(D)または(A)〜(F)の成分を溶融混練して得られる。溶融混練方法の一例としては押出機等を用いて溶融混練する方法があげられるが、一般に行われている混練方法であれば特に制限を受けない。押出機への添加方法は、材料を一括で投入する方法、材料の一部をサイドフィードする方法、予備混練物をフィードする方法が考えられる。
【0053】
例えば、(A)〜(D)を溶融混練する場合は複数のフィード口を有する2軸押出機を用い、(B)、(D)を溶融混練した後にそれよりも下流のフィード口から(A)をフィードして溶融混練する方法が好ましい。(C)についてはいずれのフィード口から投入してもかまわない。
【0054】
また例えば、(A)〜(C)、(E)及び(F)を溶融混練する場合は、複数のフィード口を有する2軸押出機を用い、(A)、(B)及び(F)を溶融混練した後に下流側のフィード口から(E)を添加し溶融混練する方法、あるいは、(B)及び(E)の一部を溶融混練し、下流側のフィード口から(A)及び(E)の残りを添加し溶融混練し、さらに下流側のフィード口から(F)を添加し溶融混練する方法が好ましい。(C)についてはいずれのフィード口から投入してもかまわない。
【0055】
混練温度はPPEのガラス転移点(約210℃)以上であればよいが、好ましくは220〜400℃、より好ましくは230〜350℃の範囲である。
【0056】
本発明の樹脂組成物は所望により上記した物質以外の他の物質も含むことができる。特定の目的のために含有せしめることが好ましいかかる他の物質の例としては、他の樹脂、造核剤、難燃剤、安定剤、可塑剤、滑剤、顔料、(C)以外の充填剤等があげられる。
【0057】
本発明の樹脂組成物は、射出成形、押出成形、圧縮成形、中空成形など、一般に行われている成形方法により、自動車の外板部品に成形される。
【0058】
本発明の樹脂組成物より得られる成形品は、十分な強度、耐熱性、耐薬品性を有し、また、アンテナと一本化した場合に優れた誘電特性を示す自動車外板部品として好適に使用される。
【0059】
【実施例】
以下に実施例をあげて本発明を詳しく説明するが、これは単なる例示であり、本発明はこれに限定されるものではない。
【0060】
実施例及び比較例で使用された成分は以下のとおりである。
1.ポリオレフィン樹脂成分(成分(A))
PP:ポリプロピレン樹脂 商標:HD100G2(住友化学工業(株)製)
2.ポリフェニレンエーテル系樹脂(成分(B))
PPE:2,6−ジメチルフェノールを単独重合することによって得られたクロロホルム溶液(濃度:0.50g/dl),30℃での固有粘度が0.40のポリフェニレンエーテル
3.比誘電率が50以上である充填剤(成分(C))
▲1▼BaTiO3:チタン酸バリウム 商標:BT−07(堺化学社製) 粒径0.7μm、比誘電率 2000
▲2▼TiO2:ルチル型酸化チタン 商標:R−FC5(タイオキサイドジャパン社製) 粒径 0.18μm、比誘電率 114
4.アルケニル芳香族―共役ジエン化合物ブロック共重合体(成分(D))
SEPS:セプトン2104(クラレ社製)スチレン分率65重量%
5.その他
NA:造核剤 商標:アデカスタブNA―11(旭電化社製)
CAST:カルシウムステアレート(共同薬品社製)
IRG:イルガノックス1010 (日本チバガイギー社製)
ULT:ウルトラノックス626(ボーグワーナ社製)
【0061】
参考例1
シリンダー温度280℃、スクリュー回転数300rpmに設定した2個の投入口を有する連続二軸押出機(東芝機械製TEM−50A型)を用い、PPE20重量%、SEPS10重量%の混合物を上流側の投入口より供給して溶融混練し、続けて、下流側の投入口より、PP70重量%、NA0.2重量部、CAST0.05重量部、IRG0.1重量部、ULT0.1重量部の混合物を供給して溶融混練してペレット状の樹脂組成物を得た。ここで重量部は、PP、PPE、SEPS、BaTiO3およびTiO2の合計量100重量部に対する量を示す。
【0062】
参考例2
参考例1で得られたペレット60重量%、BaTiO340重量%を混合し、シリンダー温度280℃、スクリュー回転数70rpmに設定した二軸押出機(東洋精機製20mmφ押出機)のホッパーから投入した後、これらの成分を溶融混練してペレット状の樹脂組成物を得た。
【0063】
参考例3
PP42重量%、PPE12重量%、TiO240重量%、SEPS6重量%、NA0.12重量部、CAST0.03重量部、IRG0.06重量部およびULT0.06重量部を混合し、シリンダー温度280℃、スクリュー回転数70rpmに設定した二軸押出機(東洋精機製20mmφ押出機)のホッパーから投入した後、これらの成分を溶融混練してペレット状の樹脂組成物を得た。
【0064】
参考例4
PP60重量%、BaTiO340重量%、NA0.17重量部、CAST0.04重量部、IRG0.08重量部およびULT0.08重量部を混合し、シリンダー温度280℃、スクリュー回転数70rpmに設定した二軸押出機(東洋精機製20mmφ押出機)のホッパーから投入した後、これらの成分を溶融混練してペレット状の樹脂組成物を得た。
【0065】
参考例5
PP12重量%、PPE42重量%、BaTiO340重量%、SEPS6重量%、NA0.04重量部、CAST0.01重量部、IRG0.02重量部、ULT0.02重量部を混合し、シリンダー温度280℃、スクリュー回転数70rpmに設定した二軸押出機(東洋精機製20mmφ押出機)のホッパーから投入した後、これらの成分を溶融混練してペレット状の樹脂組成物を得た。
【0066】
下記の方法により評価を行った。
[比誘電率、誘電正接]
射出成形によって得られた厚さ2mmの平板の比誘電率、誘電正接を(株)日本ヒューレットパッカード社製インピーダンスアナライザー4291Aにて測定した。
【0067】
[メルトフローレイト(MRF)の測定]
ASTM D−1238に準拠して測定した。但し、荷重は98N、設定温度は260℃で行った。
【0068】
[引張降伏強度及び引張伸び]
ASTM D638に準拠して、23℃における引張降伏点強度及び引張伸びを測定した。
【0069】
[アイゾッド衝撃強度の測定]
ASTM D256に準拠して、ノッチを入れ23℃でアイゾッド衝撃強度を測定した。
【0070】
[熱変形温度]
ASTM D648に準拠して、6.4mm厚の試験片を使用して、荷重0.45MPaでの熱変形温度を測定した。
【0071】
[成形収縮率]
射出成形で得られた引張り試験片を23℃で1日以上放置した試験片の引張り方向の長さを測定し、下記式に従い成形収縮率を計算した。
成形収縮率(%)=(試験片の長さ)/(50℃の試験片金型の長さ)×100
【0072】
[耐薬品性1]
射出成形で得られた試験片の中央部に、トルエンをしみ込ませた20mm×12mmのガーゼを置き、23℃にて20分間放置した。その後、試験片の外観を目視で観察した。試験片が処理後と処理前で外観の変化がない場合は○、変化がある場合は×として評価した。
【0073】
[耐薬品性2]
射出成形で得られた6.4mm厚のアイゾッド試験片を使用して中央部に、グリセリンをしみ込ませた20×12mmのガーゼを置き、23℃にて12時間放置した。その後、試験片にノッチを入れ、ASTM D256に準拠して23℃でアイゾッド衝撃強度を測定した。下記式に従い耐薬品試験後の衝撃強度の保持率を求めた。保持率が高いほど耐薬品性が良好である。
アイゾッド衝撃強度の保持率(%)=(耐薬品試験後の衝撃強度)/(耐薬品試験前の衝撃強度)×100
【0074】
[連続相の観察]
連続相がポリオレフィン樹脂であるかポリフェニレンエーテル樹脂であるかを、以下の手順からなる方法で判定した。
手順1 射出成形で得られた引張り試験片の中央部から7mm×7mm×7mmの試料を切り出し、観察面を回転研磨機で研磨した。
手順2 研磨した観察面をクロロホルムでエッジングしてポリフェニレンエーテル部分を取り除いた。
手順3 観察面を走査型電子顕微鏡で観察し、連続層がポリオレフィン樹脂からなる相であるか、ポリフェニレンエーテル樹脂からなる相であるかを判定した。
【0075】
実施例1
参考例2で得られたペレットを用いて100℃で2時間熱風乾燥した後、射出成形機(東芝機械製 IS100EN)によりシリンダー温度260℃、金型温度50℃の条件で各テストピースおよび平板(150mm×150mm、厚み2mm)を成形し、引張降伏点強度、引張伸び、耐衝撃強度、熱変形温度、耐薬品性、成形収縮率、比誘電率および誘電正接を測定した。
【0076】
実施例2
参考例1で得られたペレットと参考例2で得られたペレットを重量比が1/1なる配合で混合したペレットを用いた以外は実施例1と同様に実施した。
【0077】
参考例6
参考例3で得られたペレットを用いた以外は実施例1と同様に実施した。
【0078】
参考例7
参考例1で得られたペレットと参考例3で得られたペレットを重量比が1/1なる配合で混合したペレットを用いた以外は実施例1と同様に実施した。
【0079】
比較例1
参考例1で得られたペレットを用いた以外は実施例1と同様に実施した。
【0080】
比較例2
参考例4で得られたペレットを用いた以外は実施例1と同様に実施した。
【0081】
比較例3
参考例5で得られたペレットを用いた以外は実施例1と同様に実施した。
【0082】
比較例4
PP14重量%、PPE4重量%、BaTiO380重量%、SEPS2重量%、NA0.04重量部、CAST0.01重量部、IRG0.02重量部、ULT0.02重量部を混合し、シリンダー温度280℃、スクリュー回転数70rpmに設定した二軸混練機(東洋精機製20mmφ押出機)のホッパーに入れた。ホッパーから押出機へ供給されず、造粒不可能であった。
【0083】
結果から次のことがわかる。本発明の条件を充足する実施例は全ての評価項目において満足すべき結果をしめしている。一方、(C)を含まない比較例1は、比誘電率が低い。(B)成分を含まない比較例2は成形収縮率が大きい。連続相が(B)である比較例3は耐薬品性に劣る。(C)成分が過多である比較例4は、造粒性に劣る。
【0084】
【表1】
【0085】
【表2】
【0086】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明により、機械的強度、耐熱性、耐薬品性に優れ、また、誘電特性に優れた樹脂組成物および該熱可塑性樹脂からなる自動車外板成形品を提供することができた。
Claims (4)
- 下記の(A)、(B)および(C)を含有し、
(A)と(B)の含有量の重量比が95/5〜35/65であり、
(A)および(B)の合計に対して(C)の重量比が90/10〜30/70であり、
かつ(A)成分が連続相を形成し、
かつ(C)成分がチタン酸バリウムであることを特徴とする
熱可塑性樹脂組成物。
(A):ポリオレフィン樹脂
(B):ポリフェニレンエーテル系樹脂
(C):比誘電率が50以上である充填剤 - (A)〜(D)を含有し、(A)と(B)の合計100重量部あたりの(D)の含有量が1〜30重量部である請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
(D)アルケニル芳香族−共役ジエン化合物ブロック共重合体 - 請求項1または2に記載の樹脂組成物を用いて得られる自動車外板成形品。
- アンテナと一体化した請求項3に記載の自動車外板成形品。
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