JP4056695B2 - 精製過酸化水素水の製造方法 - Google Patents

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    • C01B15/0135Purification by solid ion-exchangers or solid chelating agents

Description

【0001】
【発明の技術分野】
本発明は精製過酸化水素水の製造方法、特に、過酸化水素水中に不純物として含まれる金属およびカチオン不純物(金属イオン不純物)を、精度よく、pptオーダー(1012分の1)ないしサブpptまで除去することが可能な高純度過酸化水素水の製造方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
過酸化水素水は、紙、パルプの漂白、化学研磨液等の多くの分野で広く利用されているが、近年、シリコンウエハの洗浄剤や半導体工程の洗浄剤などの電子工業分野における利用が増大し、これにともない、過酸化水素水中の種々の不純物を極力低減した高純度な品質が要求されている。
【0003】
ところで一般に、過酸化水素は、現在では、主にアントラキノン法により製造されている。その製造方法は、まず、2−アルキルアントラキノンなどのアントラキノン誘導体を、水不溶性の溶媒中で水素化触媒の存在下で水素化してアントラヒドロキノンとし、触媒を除去した後、空気により酸化することによって2−アルキルアントラキノンを再生するとともに、このとき生成する過酸化水素を水で抽出することによって過酸化水素含有水溶液を得る方法である。この方法をアントラキノン自動酸化法という。
【0004】
この方法によって製造された過酸化水素水中には、装置材質などに起因するAl、Fe、Crなどの金属イオン不純物が混入し、通常、過酸化水素濃度10〜70重量%の過酸化水素水中には、このような金属イオン不純物が数十mg〜数μg/リットルの量で含まれている。
このような金属イオン不純物が含まれて過酸化水素水を半導体製造分野に使用すると、得られる半導体の信頼性を著しく低下させることがある。とくに、近年、半導体の信頼性に対する要求水準は、一層高度なものとなり、そのために各金属イオン成分の濃度が一層低い水準、具体的にはpptオーダー程度まで、過酸化水素水を精製する必要がある。
【0005】
従来、過酸化水素水に含まれるこれらの金属イオン不純物を除去し、精製する方法として、スルホン酸基を有するH+型強酸性カチオン交換樹脂に過酸化水素水を接触させることが提案されている。しかしながら、単に強酸性カチオン交換樹脂に過酸化水素水を接触させるだけでは、Naなどの金属イオン不純物は除去されるものの、過酸化水素水中に完全には溶解していなかったり、あるいは水酸化物イオンと錯体を形成し易い金属イオン、たとえばAl、Fe、Crなどに由来する金属イオン不純物を除去することは困難であった。さらに、カチオン交換樹脂が過酸化水素水との接触によって劣化し、カチオン交換樹脂のSO3H基に由来する多量の硫酸根が生じてしまう問題点がある。
【0006】
このため、カチオン交換樹脂と過酸化水素水とを接触させたのち、さらに4級アンモニウム基を有する強塩基性アニオン交換樹脂をOH-型とし、これに過酸化水素水を接触させることによって、強酸性カチオン交換樹脂では除去できないこれらの不純物を除去する方法も知られている。
しかしながら、OH-型強塩基性アニオン交換樹脂を用いると、過酸化水素水がアニオン交換樹脂中の水酸化物イオン(OH-)との接触により分解することがあり、しかもこの分解は過酸化水素水中のFe、Crなどの金属イオン不純物の存在によってさらに促進されてしまうことがあった。
【0007】
ところで、過酸化水素水の分解を抑制しながら、金属イオン不純物を除去する方法として、たとえば、特公昭35−16677号公報ではアニオン交換樹脂中のイオンの形を水酸化物イオン型から炭酸イオン型、あるいは炭酸水素イオン型に変え、塩基度を低下させることによりアニオン交換樹脂の使用を可能にすることが示されており、また特開平5−17105号公報では過酸化水素水をアニオン交換樹脂に接触させる際に酸を添加する方法が開示されている。
【0008】
しかしながらこれらの場合でも溶解していない金属イオン不純物、水酸化物イオンと錯形成し易い金属イオン不純物は充分に除去されずに残存し、高純度の過酸化水素水を得ることはできなかった。水酸化物イオンと錯形成し易い金属イオン不純物さらにこれら残存している金属イオン不純物の影響のため、完全に過酸化水素の分解を抑えることが難しく、その結果、安全に過酸化水素水を精製することは困難であった。
【0009】
このような金属イオン不純物、特にAl、Fe、Crが低濃度にまで除去された高純度の過酸化水素水を、安全に、かつ効率よく製造する方法として、たとえば、特開平8-73205号公報では、過酸化水素水を精製するに際して、過酸化水素水に酸解離指数(pKa)が5以下の酸を過酸化水素水1リットルに対し0.005〜5ミリ当量添加した後、スルホン酸基を有するH+型の強酸性カチオン交換樹脂またはスルホン酸基を有するH+型の強酸性カチオン交換樹脂と強塩基性アニオン交換樹脂の混合床に接触させることが提案されている。
【0010】
また、特開平7-187616号公報では、架橋度が5以下の強酸性アニオン交換樹脂を使用する方法が開示されている。特開平7-172805号公報では、炭酸アンモニウムまたは炭酸水素アンモニウムを使用して炭酸イオン型または炭酸水素イオン型にしたアニオン交換樹脂を使用することが開示されている。この特開平7-172805号公報には、必要に応じて、カチオン交換樹脂と組み合わせて使用してもよいことが開示されている。
【0011】
さらに、特開平8-337405号公報には、イオン交換樹脂として、金属イオン成分が0.1重量ppb以下の高純度無機酸水溶液と接触させたのち、金属イオン成分濃度が0.1重量ppb以下の超純水と接触させることによって前処理したものを使用して金属イオン不純物を除去することが開示され、特開平9-12306号公報では金属イオン成分濃度が20ppt以下である過酸化水素水と接触させたイオン交換樹脂を使用することによって金属イオン不純物を除去することが開示されている。
【0012】
しかしながら、これらの方法では、いずれも金属イオン成分不純物は1ppbオーダー程度にしか除去できず、このため、従来の方法で精製された過酸化水素水は、電子工業分野のように高純度な品質が要求される分野には、使用することが困難であった。しかも、上記した従来の精製方法のなかには、高純度無機酸水溶液を使用したり、また、金属イオン成分濃度が20ppt以下である過酸化水素水を使用するなど、生産コストがかかり、実用的ではないという問題があった。
【0013】
このような情況のもと、本発明者らは、前記問題点を解決すべく鋭意検討したところ、過酸化水素水を、H+型カチオン交換樹脂と接触させた後、炭酸イオン(CO3 2-)型または炭酸水素イオン(HCO3 -)型アニオン交換樹脂、および必要に応じてフッ化物イオン型アニオン交換樹脂と接触させ、さらに、再度H+型カチオン交換樹脂と接触させることによって、過酸化水素水中の金属イオン不純物をpptオーダー(1012分の1)まで除去することが可能であり、しかも、この精製方法は、金属イオン不純物除去レベルの再現性が非常に高いことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0014】
なお、従来より、過酸化水素水を精製するに際して、過酸化水素水をカチオン交換樹脂と接触させた後にアニオン交換樹脂と接触させる精製方法やカチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂の混合床を使用する精製方法は知られていた(たとえば、特開平8-73205号公報参照)。しかしながら、これらの方法では、最終的に使用されるアニオン交換樹脂に起因するNa、K、Alなどの金属イオン不純物が過酸化水素水中に溶出してしまい、金属イオン不純物成分として存在してしまうことを本発明者らは見出した。そして、このアニオン交換樹脂に起因するNa、K、Alなどの金属イオン不純物を、再度、カチオン交換樹脂で除去すれば、極めて高い純度まで金属イオン不純物を除去することができるとともに、除去レベルの再現性を高くすることが可能であることを見出した。
【0015】
【発明の目的】
本発明は、金属イオン不純物を含む過酸化水素水を精製して金属イオン不純物が極力除去された高純度な過酸化水素水を製造する方法を提供することを目的としている。
【0016】
【発明の概要】
本発明の構成は以下の通りである。
【0017】
また、本発明に係る精製過酸化水素水の製造方法は、
金属イオン不純物が含まれた過酸化水素水を
+型カチオン交換樹脂と接触させた後、
フッ化物イオン(F-)型アニオン交換樹脂と接触させ、
次いで、炭酸イオン(CO3 2-)型または炭酸水素イオン(HCO3 -)型アニオン交換樹脂と接触させ、
さらに、H+型カチオン交換樹脂と接触させることを特徴としている。
【0018】
このように3段階または4段階のイオン交換樹脂で処理することによって、金属イオン不純物が極力除去された高純度な過酸化水素水を製造することができる。
前記精製過酸化水素水の製造方法では、過酸化水素水を第1段目のH+型カチオン交換樹脂と接触させる前に、過酸化水素水と吸着樹脂とを接触させることが望ましい。
【0019】
前記H+型カチオン交換樹脂は、カチオン交換処理を、無機酸水溶液で処理したのち、超純水で洗浄する操作を一工程とし、その工程を2回以上繰り返すことによって再生されたものが好ましい。
また、前記炭酸イオン(CO3 2-)型または炭酸水素イオン(HCO3 -)型アニオン交換樹脂は、アニオン交換樹脂を炭酸ナトリウムまたは炭酸水素ナトリウム水溶液で処理したのち、超純水で洗浄する操作を一工程とし、その工程を2回以上繰り返すことによって再生されたものが好ましい。
【0020】
フッ化物イオン(F-)型アニオン交換樹脂は、アニオン交換樹脂をフッ化ナトリウム、フッ化カリウムおよびフッ化アンモニウムからなる群から選ばれる少なくとも一種のフッ素化合物水溶液で処理したのち、超純水で洗浄する操作を一工程とし、その工程を2回以上繰り返すことによって再生されたものが好ましい。
【0021】
吸着樹脂は、アルコール水溶液を再生剤として処理されたのち、超純水で洗浄再生されたものが好ましい。
過酸化水素水中の過酸化水素の濃度は、40〜70重量%好ましくは45〜65重量%の範囲にあることが望ましく、このような過酸化水素濃度のものを用いると、特に不純物を効率よく除去することができる。
【0022】
前記過酸化水素水は、予め、凝集化剤が添加され、過酸化水素水に含まれる固形分不純物が精密フィルターで濾過されたものが好ましい。このように、予め過酸化水素水に、凝集化剤を添加して、精密フィルターで濾過しておくことによって、イオン交換処理によって除去できない不溶性金属イオン不純物成分が除去されるので、その結果、過酸化水素水中の金属イオン不純物をpptないしサブpptオーダー(1012分の1)まで除去することが可能となる。しかもこのように濾過しておくと、後述するイオン交換樹脂によって処理したときに達成される金属イオン不純物除去レベルの再現性も高い。
【0023】
凝集化剤としては、リン酸、ポリリン酸、酸性ピロリン酸ナトリウム、アミノトリ(メチレンホスホン酸)およびその塩、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)およびその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種のリン系化合物が好ましい。このようなリン系化合物は、リン原子換算で、過酸化水素中に含まれるAlイオン不純物(金属原子Al換算)に対し、Al/P原子比が0.045以下となるように添加されることが好ましい。この濾過操作によって、不溶性金属イオン不純物成分とともに酸化ケイ素系不純物も効率よく除去される。
【0024】
本発明で使用される精密フィルターの平均孔径は、0.2μm以下であることが好ましい。
【0025】
【発明の具体的説明】
以下、本発明に係る精製過酸化水素水の精製方法について具体的に説明する。なお、本明細書中において、%、ppm、ppbおよびpptは、いずれも重量%、重量ppm、重量ppbおよび重量pptを示す。
本発明で使用される原料過酸化水素水としては、アントラキノン自動酸化法、水素と酸素を直接反応させる直接合成法など、公知の製造法によって製造されたものが使用される。
【0026】
この過酸化水素水中には、通常、金属イオン不純物が、数ppbから数十ppmのオーダーで含まれている。不純物としては、Ag、Al、As、Au、B、Ba、Be、Bi、Ca、Cd、Co、Cr、Fe、Ga、Ge、In、K、Li、Mg、Mo、Na、Nb、Ni、Pb、Pd、Pt、Sb、Sr、Ta、Ti、Tl、V、Zn、Zrなどの金属イオン不純物、酸化ケイ素系不純物、有機不純物が挙げられる。この不純物は、たとえばアントラキノン法により過酸化水素水を製造する際に使用される触媒などの残渣、アントラキノン分解物、過酸化水素水製造に使用される溶媒、製造時(抽出、蒸留、希釈)に使用される水、空気中に浮遊している成分、製造設備の材質などに由来する。
【0027】
過酸化水素水中の過酸化水素の濃度は、40〜70重量%好ましくは45〜65重量%の範囲にあることが望ましく、このような過酸化水素濃度のものを用いると、特に酸化ケイ素系不純物を効率よく除去することができる。
[吸着樹脂処理]
本発明に係る精製過酸化水素水の製造方法では、後述するイオン交換樹脂と過酸化水素水とを接触させる前に、吸着樹脂と過酸化水素水とを接触させることが望ましい。
【0028】
吸着樹脂としてはイオン交換能を有していない多孔質樹脂が使用される。このような多孔質樹脂としては、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体からなり交換基を有していないものが使用される。多孔質樹脂は、約200〜約900m2/g、より好ましくは400〜900m2/g(乾燥樹脂基準)の比表面積(BHT法(N2)を有するものが望ましく、また連続した多孔として、水銀圧入法による測定評価で、約0.6〜1.2ml/g、好ましくは約0.1〜1.1ml/gの細孔容積(乾燥樹脂基準)を有するものが望ましい。このような多孔質樹脂としては、スチレンを重合し、ジビニルベンゼンで架橋して網目状分子構造を持つような樹脂が使用される。このような吸着樹脂としてはRohm & Haas社のアンバーライトXAD-2、XAD-4など、また三菱化学社のHP10、HP20、HP21、HP30、HP40、HP50、SP800、SP900などが挙げられる。
【0029】
また吸着樹脂としては、ハロゲンを含有する多孔性樹脂も使用することができる。ハロゲン含有多孔性樹脂としては、たとえば、スチレン、ビニルトルエン等の芳香族モノビニルモノマーとジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン等の芳香族ポリビニルモノマーとの架橋重合体のハロゲン化物、モノクロルスチレン、モノブロムスチレン等のハロゲン化芳香族モノビニルモノマーと芳香族ポリビニルモノマーとの架橋重合体、ハロゲン化芳香族モノビルモノマー、芳香族モノビニルモノマーおよび芳香族ポリビニルモノマーの架橋重合体が好適に用いられる。このようなハロゲン含有多孔性樹脂としては、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体のハロゲン化物が特に好適に使用され、例えば商品名『セパビーズ SP207』(臭素化されたスチレン−ジビニルベンゼンの共重合体であり比重約1.2を示す)などが挙げられる。また、吸着樹脂として、芳香族モノビニルモノマーと芳香族ポリビニルモノマーとの架橋重合体に、水酸基、クロルアルキル基あるいは水酸化アルキル基などの親水性基を導入したものも用いることができる。クロルアルキル基は−(CH2)nClで表され、水酸化アルキル基は、−(CH2)nOHで表される。直鎖が長くなると親水性が弱くなるため、実際にはn=1〜5のものが好ましい。これらの樹脂は市販品として入手が可能である。例えば商品名「ボファチット EP63」(バイエル社製)などが知られている。
【0030】
このような処理工程を行うことによって、過酸化水素水中に含まれる有機不純物などの不純物(TOC)をより高度に除去することができる。
このような吸着樹脂としては、アルコール水溶液を再生剤として処理されたものが望ましく、さらにアルコール水溶液を再生剤として処理されたのち、超純水で洗浄する操作により再生されたものが望ましい。
【0031】
アルコールとしてはメタノール、エタノール、2−プロパノールなどが使用される。
アルコール水溶液の濃度は10〜60重量%、好ましくは25〜45重量%の範囲にあるものが好適に使用される。
このような再生剤の使用量は、処理する吸着樹脂量と同等以上、好ましくは2〜4倍の範囲にあることが望ましい。吸着樹脂と再生剤との接触方法は連続通液方式で、吸着樹脂を充填したカラムに再生剤をSV(空間速度)=3〜6Hr-1、BV(Bed Volume イオン交換樹脂の体積の何倍量を処理したかを表す。単位はL/L-R)=2〜4L/L-Rで上昇流通液する。また、再生剤通液後、さらに超純水の下降流および超純水の上昇流の通液を一工程とする超純水洗浄を、4回〜9回繰り返し行い、再生後のイオン交換樹脂をさらに洗浄する。超純水の上昇流通液は、SV=10〜30Hr-1、BV=3〜5L/L-Rで行い、下降流通液は、SV=10〜30Hr-1、BV=3〜5L/L-Rで行うことが望ましく、樹脂量に対し、30〜60倍の体積の超純水で洗浄することが望ましい。
[H+型カチオン交換樹脂処理(1段目)]
本発明に係る精製過酸化水素水の製造方法では、必要に応じて上記のような吸着樹脂で処理したのち、過酸化水素水をH+型カチオン交換樹脂と接触させる。
【0032】
本発明で使用されるH+型カチオン交換樹脂は、強酸性カチオン交換樹脂として公知のものが使用される。強酸性カチオン交換樹脂の種類としては、一般にはスチレン−ジビニルベンゼン架橋共重合体にスルホン酸基を導入した網目状分子構造からなる強酸性カチオン交換樹脂が好ましい。このようなカチオン交換樹脂の架橋度は、通常6〜10、好ましくは7〜9の範囲にあることが望ましい。
【0033】
このようなH+型強酸性カチオン交換樹脂としては、たとえばPK216、SK1B、IR−120Bなどが使用される。
+型カチオン交換樹脂は、カチオン交換樹脂を下降流の無機酸水溶液(再生剤)で処理したのち、上昇流の超純水で洗浄する操作を一工程とし、その工程を2回以上、好ましくは2〜12回繰り返すことによって再生されたものが好ましい。
【0034】
通常、カチオン交換樹脂と再生剤水溶液との接触は、再生剤水溶液を通液したのち、押出し、超純水で水洗することによって行われるが、本発明では、特に2回以上、再生剤通液・超純水水洗のサイクルを繰り返すことが望ましい。このように無機酸水溶液-超純水通液を繰り返すことで、効率よく均一に再生でき、さらにカチオン交換樹脂が収縮・膨潤するため、交換樹脂の内部まで洗浄できる。
【0035】
無機酸としては、硫酸、塩酸などの公知の無機酸が使用される。
再生剤水溶液中の無機酸濃度としては、5〜15重量%好ましくは5〜12重量%の範囲にあるものが好適に使用される。このような再生剤の使用量は、処理するカチオン交換樹脂の樹脂量(体積)の3倍以上、好ましくは4〜12倍の範囲にあることが望ましい。
【0036】
このような再生剤の通液は、通常SV(空間速度)=1〜5Hr-1、BV=0.5〜1L/L-Rの下降流で行い、次いでSV=10〜30Hr-1、BV=0.1〜0.5L/L-Rの超純水上昇流を通液して洗浄する。
また、再生剤および超純水通液後、さらに超純水の下降流および超純水の上昇流の通液を一工程とする超純水洗浄を、4回〜9回繰り返し行い、再生後のイオン交換樹脂をさらに洗浄する。超純水の上昇流通液は、SV=10〜30Hr-1、BV=3〜5L/L-Rで行い、下降流通液は、SV=10〜30Hr-1、BV=3〜5L/L-Rで行うことが望ましい。また樹脂量に対し、30〜60倍の体積の超純水で洗浄することが望ましい。
【0037】
本発明において、不純物を含む原料過酸化水素水をH+型カチオン交換樹脂と接触させる方法は、通常、連続通液方式が採用され、過酸化水素水のカチオン交換樹脂層を通液は、空間速度(SV)が、5〜40Hr-1、好ましくは10〜30Hr-1の範囲で行うことが望ましい。
こうしてH+型カチオン交換樹脂で処理することによって、過酸化水素水中のカチオン性の金属イオン不純物が除去される。
[アニオン交換樹脂処理]
炭酸イオン (CO 3 2- ) 型または炭酸水素イオン (HCO 3 - ) 型アニオン交換樹脂
次に、本発明では、過酸化水素水をアニオン交換樹脂と接触させる。
【0038】
アニオン交換樹脂としては、炭酸イオン(CO3 2-)型または炭酸水素イオン(HCO3 -)型アニオン交換樹脂が使用される。
炭酸イオン(CO3 2-)型または炭酸水素イオン(HCO3 -)型アニオン交換樹脂は、公知のアニオン交換樹脂を、炭酸イオン(CO3 2-)型または炭酸水素イオン(HCO3 -)型アニオン交換樹脂に再生したものである。
【0039】
公知のアニオン交換樹脂としては、一般にはスチレン−ジビニルベンゼン架橋共重合体をクロロメチル化後、アミノ化をトリメチルアミン、ジメチルエタノールアミンで行い4級化して得られる強塩基性樹脂(交換基は第4級アンモニウム基)、スチレン−ジビニルベンゼン架橋共重合体で第1ないし第3級アミンを交換基とする弱塩基性樹脂、アクリル酸系架橋重合体で第3級アミンを交換基とする樹脂、ピリジル基または置換ピリジル基を有するポリマーからなるピリジン系アニオン交換樹脂などが知られている。このうち、本発明では交換基として第4級アンモニウム基を有する強塩基性アニオン交換樹脂が好ましく使用される。
【0040】
このような第4級アンモニウム基を交換基として有するアニオン交換樹脂としては、多くの種類のものが市販されている。たとえばダイヤイオンのPAシリーズ(たとえばPA316、PA416)、SAシリーズ(たとえばSA10A、SA20A)、アンバーライトのIRAシリーズ(たとえばIRA−400、IRA−410、IRA−900、IRA−904)が代表例として挙げられる。これらの樹脂は一般に塩化物イオン型で上市されている。
【0041】
本発明で使用される炭酸イオン(CO3 2-)型または炭酸水素イオン(HCO3 -)型アニオン交換樹脂は、前記した塩化物イオン型などのアニオン交換樹脂を、炭酸イオン(CO3 2-)型または炭酸水素イオン(HCO3 -)型に変換して使用する。なお、炭酸イオン(CO3 2-)型または炭酸水素イオン(HCO3 -)型に変換する前のアニオン交換樹脂は、塩化物イオン型に限らず、水酸化物イオン型、フッ化物イオン型等であってもよい。
【0042】
本発明で使用される炭酸イオン(CO3 2-)型または炭酸水素イオン(HCO3 -)型アニオン交換樹脂の再生は、塩化物イオン型のアニオン交換樹脂を、水酸化物イオン型にアニオン交換樹脂を変換したのち、炭酸イオン型または炭酸水素イオン型に変換することによって行われる。
また、いったん使用した炭酸イオン(CO3 2-)型または炭酸水素イオン(HCO3 -)型アニオン交換樹脂の再生も、同様に水酸化物イオン型にアニオン交換樹脂を変換したのち、炭酸イオン型または炭酸水素イオン型に変換することによって行われる。
【0043】
水酸化物イオン型アニオン交換樹脂への変換は、アニオン交換樹脂を下降流の強アルカリ水溶液(再生剤)で処理したのち、上昇流の超純水で処理する操作を一工程とし、その工程を2回以上繰り返すことによって再生されたものが好ましい。通常、アニオン交換樹脂と再生剤水溶液との接触は、再生剤水溶液を通液したのち、押し出し超純水で水洗することによって行われるが、本発明では特に2回以上、再生剤通液・超純水水洗のサイクルを繰り返すことが望ましい。このように強アルカリ水溶液-超純水通液を繰り返すことで、効率よく均一に再生でき、さらにアニオン交換樹脂が収縮・膨潤するため、交換樹脂の内部まで洗浄できる。
【0044】
強アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの公知のアルカリが使用される。
再生剤水溶液中の強アルカリ濃度としては、2〜10重量%好ましくは2〜8重量%の範囲にあるものが好適である。このような再生剤の使用量は、処理するアニオン交換樹脂の樹脂量(体積)の3倍以上、好ましくは4〜12倍の範囲にあることが望ましい。
【0045】
このような再生剤の通液は、通常SV(空間速度)=1〜5Hr-1、BV=0.5〜1L/L-Rの下降流で行い、次いでSV=10〜30Hr-1、BV=0.1〜0.5L/L-Rの超純水上昇流を通液して洗浄する。
また、再生剤および超純水通液後、さらに超純水の下降流および超純水の上昇流の通液を一工程とする超純水洗浄を、4回〜9回繰り返し行い、再生後のイオン交換樹脂をさらに洗浄する。超純水の上昇流通液は、SV=10〜30Hr-1、BV=3〜5L/L-Rで行い、下降流通液は、SV=10〜30Hr-1、BV=3〜5L/L-Rで行うことが望ましい。また、樹脂量に対し、30〜60倍の体積の超純水で洗浄することが望ましい。
【0046】
次ぎに、こうして水酸化物イオン型にしたアニオン交換樹脂を炭酸塩または炭酸水素塩水溶液(再生剤)で処理して炭酸イオン型または炭酸水素イオン型アニオン交換樹脂に変換(再生)する。
本発明で使用される炭酸イオン型または炭酸水素イオン型アニオン交換樹脂は、上記で処理した水酸化物イオン型アニオン交換樹脂を下降流の炭酸塩または炭酸水素塩水溶液(再生剤)で処理したのち、上昇流の超純水で処理する操作を一工程とし、この工程を2回以上繰り返すことによって再生されたものが好ましい。
【0047】
炭酸塩および炭酸水素塩としては、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウムなどの公知の炭酸塩または炭酸水素塩が使用される。このように炭酸塩または炭酸水素塩水溶液-超純水通液を繰り返すことで、前記したように効率よく均一に再生でき、さらにアニオン交換樹脂が収縮・膨潤するため、交換樹脂の内部まで洗浄できる。
【0048】
再生剤水溶液中の炭酸塩または炭酸水素イオン濃度としては、5〜15重量%好ましくは5〜12重量%の範囲にあるものが好適に使用される。このような再生剤の使用量は、処理するアニオン交換樹脂の樹脂量(体積)の3倍以上、好ましくは4〜12倍の範囲にあることが望ましい。
このような再生剤の通液は、通常SV(空間速度)=1〜5Hr-1、BV=0.5〜1L/L-Rの下降流で行い、次いでSV=10〜30Hr-1、BV=0.1〜0.5L/L-Rの超純水上昇流を通液して洗浄する。
【0049】
また、再生剤および超純水通液後、さらに超純水の下降流および超純水の上昇流の通液を一工程とする超純水洗浄を、4回〜9回繰り返し行い、再生後のイオン交換樹脂をさらに洗浄する。超純水の上昇流通液は、SV=10〜30Hr-1、BV=3〜5L/L-Rで行い、下降流通液は、SV=10〜30Hr-1、BV=3〜5L/L-Rで行うことが望ましい。また、樹脂量に対し、30〜60倍の体積の超純水で洗浄することが望ましい。
【0050】
本発明において、過酸化水素水を炭酸イオン型または炭酸水素イオン型アニオン交換樹脂と接触させる方法は、通常、連続通液方式が採用され、アニオン交換樹脂層を通過させる過酸化水素水の通液は、空間速度(SV)が、5〜40Hr-1、好ましくは10〜30Hr-1の範囲で行うことが望ましい。
このようなアニオン交換樹脂と過酸化水素水との接触は、樹脂の酸化劣化防止、接触時の分解ガスの発生防止および分解発熱などの安全上の面から、低温で行うことが好ましい。特に、H+型カチオン交換樹脂で処理された過酸化水素水中には、過酸化水素の解離によって生じる以上のH+が含まれていることがあり、このH+とアニオン交換基のCO3 2-またはHCO3 -とが中和反応して、発熱することがある。また、炭酸イオン型または炭酸水素イオン型アニオン交換樹脂と過酸化水素水とを接触させる場合、過酸化水素水の分解によって分解ガスが発生し、さらには分解発熱することもある。このため、アニオン交換樹脂で過酸化水素水を処理する場合には、過酸化水素水を5℃以下の低温に冷却しておくことが望ましい。
フッ化物イオン ( - ) 型アニオン交換樹脂
本発明に係る精製過酸化水素水の製造方法では、過酸化水素水を、H+型カチオン交換樹脂と接触させた後、上記炭酸イオン(CO3 2-)型または炭酸水素イオン(HCO3 -)型アニオン交換樹脂を接触させる前に、フッ化物イオン型アニオン交換樹脂と接触させてもよい。
【0051】
フッ化物イオン型にしたアニオン交換樹脂と過酸化水素水とを接触させることにより、過酸化水素水中に溶解している溶解性シリカが、アニオン交換樹脂に捕捉され、除去される。
フッ化物イオン(F-)型アニオン交換樹脂は、公知のアニオン交換樹脂を、フッ化物イオン型に再生したものである。
【0052】
公知のアニオン交換樹脂としては、前記したものと同様のものが挙げられる。
本発明で使用されるフッ化物イオン型アニオン交換樹脂は、塩化物イオン型のアニオン交換樹脂、水酸化物イオン型、炭酸イオン型、炭酸水素イオン型等のいずれかを、フッ化物イオン型に変換することによって行われる。
フッ化物イオン型アニオン交換樹脂に変換するために使用される再生剤としては、フッ化ナトリウム、フッ化カリウムおよびフッ化アンモニウムからなる群から選ばれる少なくとも一種のフッ素化合物が挙げられる。
【0053】
アニオン交換樹脂のフッ化物イオン型への変換は、アニオン交換樹脂に前記した再生剤を含む水溶液と接触させることにより行うことができる。アニオン交換樹脂と再生剤水溶液との接触方法は、連続通液方式でカラムにアニオン交換樹脂を充填し再生剤を含む水溶液を通液した後、超純水を通液して、アニオン交換樹脂を充分に水洗する方法が効果的である。再生剤濃度は通常1〜4重量%、望ましくは2〜4量%であり、通液させる再生剤水溶液量は、樹脂量(体積)の3倍以上、好ましくは4〜12倍の範囲にあることが望ましい。
【0054】
本発明では、アニオン交換樹脂をフッ化物イオン型に変換する際に、このような再生剤水溶液の通液と超純水の通液を2回以上繰り返すことが望ましく、具体的には、再生剤水溶液の下降流通液と超純水の上昇流通液を2回以上繰り返すことが望ましい。
このようにフッ素化合物水溶液-超純水通液を繰り返すことで、効率よく均一に再生でき、さらにアニオン交換樹脂が収縮・膨潤するため、交換樹脂の内部まで洗浄できる。
【0055】
このような再生剤の通液は、通常SV(空間速度)=1〜5Hr-1、BV=0.5〜1L/L-Rの下降流で行い、次いでSV=10〜30Hr-1、BV=0.1〜0.5L/L-Rの超純水上昇流を通液して洗浄する。
また、再生剤および超純水通液後、さらに超純水の下降流および超純水の上昇流の通液を一工程とする超純水洗浄を、4回〜9回繰り返し行い、再生後のイオン交換樹脂をさらに洗浄する。超純水の上昇流通液は、SV=10〜30Hr-1、BV=3〜5L/L-Rで行い、下降流通液は、SV=10〜30Hr-1、BV=3〜5L/L-Rで行うことが望ましい。また、樹脂量に対し、30〜60倍の体積の超純水で洗浄することが望ましい。
【0056】
なお、フッ化物イオン型のアニオン交換樹脂で処理する場合、過酸化水素水は分解しないため、炭酸塩型または重炭酸塩型アニオン交換樹脂のように、過酸化水素水と接触させる際に、冷却する必要はない。
本発明において、過酸化水素水をフッ化物イオン型アニオン交換樹脂と接触させる方法は、通常、連続通液方式が採用され、アニオン交換樹脂層を通過させる過酸化水素水の通液は、空間速度(SV)が、5〜40Hr-1、好ましくは10〜30Hr-1の範囲で行うことが望ましい。
【0057】
フッ化物イオン型アニオン交換樹脂で処理された精製過酸化水素水中には、イオン交換によって生じたフッ化物イオンが含まれているが、このフッ化物イオンは、前記炭酸塩または重炭酸塩型などのアニオン交換樹脂と接触させることによって除去することができる。
以上のように、アニオン交換樹脂と過酸化水素水とを接触させることによって、溶解性シリカおよびアニオン性の金属錯体不純物や他のアニオン類および使用したH+型カチオン交換樹脂に起因する硫酸イオンなどが除去される。
+ 型カチオン交換樹脂処理(2段目)
本発明では、こうしてアニオン交換樹脂と過酸化水素水とを接触させたのち、再度、H+型カチオン交換樹脂と過酸化水素水とを接触させる。H+型カチオン交換樹脂としては、前記したものと同様のものが使用される。過酸化水素水をカチオン交換樹脂と接触させる方法は、前記したように連続通液方式で行われ、H+型カチオン交換樹脂層を通過させる過酸化水素水は、空間速度(SV)が、5〜40、好ましくは10〜30Hr-1の範囲で行うことが望ましい。
【0058】
このように、再度H+型カチオン交換樹脂で処理することによって、アニオン交換樹脂中に不純物として含まれる微量のNa+、K+、Al3+などが除去できるので、極めて高レベル(pptないしサブpptオーダー)まで金属イオン不純物を除去できる。なお、除去されるべきNa+、K+、Al3+などのカウンターイオンは炭酸イオンまたは炭酸水素イオンであり、これらはカチオン交換後に二酸化炭素となって揮散し、過酸化水素水中には残存しない。なお、2段目のH+型カチオン交換樹脂で過酸化水素水の処理を行わないと、不純物として含まれる微量の金属イオンを除去できないことがある。
[濾過処理]
本発明に係る精製過酸化水素の製造方法では、上記のような3段階または4段階のイオン交換樹脂による処理に先立ち、過酸化水素水に凝集化剤を添加したのち、精密フィルターで濾過し、過酸化水素水中に含まれる不溶性金属イオン不純物を固形分不純物として除去しておくことが望ましい。
【0059】
このような不溶性金属イオン不純物も、溶解性の金属イオン不純物と同様に製造時に使用される水、空気中に浮遊している成分、製造設備の材質に由来する。凝集化剤は、過酸化水素水中の不溶性金属イオン不純物を凝集させて濾過可能とするために添加されるものであり、通常、リン系化合物が使用される。リン系化合物としては、リン酸、ポリリン酸、酸性ピロリン酸ナトリウム、アミノトリ(メチレンホスホン酸)およびその塩、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)およびその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種のリン系化合物が好適に使用される。
【0060】
このようなリン系化合物は、特に過酸化水素水中にAlイオン不純物が含まれている場合に、リン原子換算で、過酸化水素水中に含まれるAlイオン不純物(金属原子換算:Al)に対し、Al/P原子比が0.045以下、好ましくは、0.005〜0.045となるように添加されることが望ましい。
リン系化合物を添加したのち、通常、1日以上、好ましくは1日〜5日間熟成することが望ましい。熟成は撹拌条件下であっても非撹拌条件下であってもよい。この熟成によって、過酸化水素水中に含まれる不溶性金属イオン不純物が濾過可能な程度まで凝集・成長する。
【0061】
本発明で使用される精密フィルターの平均孔径は0.2μm以下好ましくは0.1μm以下であることが望ましい。このような精密フィルターを構成する材質としては、過酸化水素水に溶出する成分が含まれていなければ特に制限されるものではないが、フッ素樹脂、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂などからなるものが使用される。このうち特に、フッ素樹脂からなるものが好ましい。
【0062】
以上のような本発明に係る方法で得られた過酸化水素水は、さらに必要に応じて、超純水を加えて過酸化水素濃度を調製してもよい。使用される超純水としては、不純物が高度に除去されたものが好適に使用される。
以上のような操作によって、金属イオン不純物の濃度がpptオーダーないしサブpptオーダーまで除去された高純度精製過酸化水素水を製造することができる。
【0063】
また、本発明では、公知の方法により、予め有機不純物や酸化ケイ素化合物などの他の不純物を高度に除去する精製した過酸化水素水を用いてもよく、また本発明による製造方法によって得られた高純度過酸化水素水をさらに、公知の方法を用いて、有機不純物や酸化ケイ素化合物などの他の不純物を除去してもよい。有機不純物や酸化ケイ素化合物などの他の不純物を除去する公知の方法としては、蒸留、限外濾過膜、キレート樹脂等を使用する方法が挙げられる。これらの方法と本発明の方法とを組み合わせることで、金属イオン不純物のみならず、他の不純物等を高度に除去することができる。
【0064】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、過酸化水素水中に含まれる金属イオン不純物を効果的に除去することができ、金属イオン不純物含有量が数pptないしサブpptオーダーと極めて高品質の過酸化水素水を製造することができる。また、本発明の方法で精製された過酸化水素水は、金属イオン不純物含有量の再現性も良く安定している。
【0065】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものでない。
ここで、金属イオン不純物の測定はフレームレス原子吸光法、ICP−AES法、ICP−MS法、有機不純物の測定は燃焼酸化−赤外線式TOC分析法により行なった。なお、ppb、pptは、重量ppb、重量pptである。
【0066】
【実施例1】
下記表1に示される金属イオン不純物を含有する60.1重量%過酸化水素水に、酸性ピロリン酸ナトリウムを、0.070g/リットルとなるように添加したのち、3日間放置して熟成したのち、0.1μmの平均孔径のフィルターにて濾過した。添加した酸性ピロリン酸ナトリウム中のP原子と、金属イオン不純物中の金属原子Alとの比(Al/P原子比)は、0.039であった。
【0067】
こうして濾過された過酸化水素水を、H+型カチオン樹脂が充填されたカラム内に、空間速度SV=15Hr-1で連続的に通液して、一段目のH+型カチオン交換樹脂と接触させたのち、炭酸水素イオン型アニオン交換樹脂が充填されたカラム内に、−3℃に冷却しながら空間速度SV=15Hr-1で連続的に通液して炭酸水素イオン型アニオン交換樹脂と接触させ、続いてH+型カチオン樹脂が充填されたカラム内に、空間速度SV=15Hr-1で連続的に通液して二段目のH+型カチオン交換樹脂と接触させた。
【0068】
なお、上記イオン交換樹脂の再生は過酸化水素水精製塔とは別のイオン交換塔(再生塔)で行った。
一段目および二段目のH+型カチオン交換樹脂としては、使用済みSK1Bを再生して使用した。再生剤としては10重量%塩酸水溶液を用いた。カチオン交換樹脂の再生は、精製とは別の再生塔にカチオン交換樹脂を充填し、再生剤を含む水溶液をSV=2.25Hr-1、BV=0.75L/L-Rで下降流通液したのち、再生剤通液を止め、超純水をSV=13.2Hr-1、BV=0.3L/L-Rで上昇流通液する操作を一工程とし、この工程を10回繰り返し、次に超純水を、SV=13.2Hr-1、BV=3.3L/L-Rで下降流通液したのち、同SV、BVで上昇流通液する操作を一工程とし、この工程を6回繰り返し超純水水洗することによって行った。
【0069】
また、炭酸水素イオン型アニオン交換樹脂としては、使用済みSA20Aを再生して使用した。まず使用済みアニオン交換樹脂は、最初に水酸化ナトリウムで再生した。再生剤としては5重量%水酸化ナトリウム水溶液を用いた。まず、精製とは別の再生塔にアニオン交換樹脂を充填し、再生剤を含む水溶液をSV=2.25Hr-1、BV=0.75L/L-Rで下降流通液したのち、再生剤通液を止め、超純水をSV=13.2Hr-1、BV=0.3L/L-Rで上昇流通液する操作を一工程とし、この工程を6回繰り返し、次に超純水を、SV=13.2Hr-1、BV=3.3L/L-Rで下降流通液したのち、同SV、BVで上昇流通液する操作を一工程とし、この工程を5回繰り返し超純水水洗することによって、OH-型アニオン交換樹脂を調製した。
【0070】
次に、このOH-型のアニオン交換樹脂を炭酸水素ナトリウムで再生した。再生剤としては8重量%炭酸水素ナトリウム水溶液を用いた。炭酸水素ナトリウムで再生する際にも、精製とは別の再生塔にアニオン交換樹脂を充填し、再生剤を含む水溶液をSV=2.25Hr-1、BV=0.75L/L-Rで下降流通液したのち、再生剤通液を止め、超純水をSV=13.2Hr-1、BV=0.3L/L-Rで上昇流通液する操作を一工程とし、この工程を12回繰り返した。次に超純水をSV=13.2Hr-1、BV=3.3L/L-Rで下降流通液したのち、同SV、BVで上昇流通液する操作を一工程とし、この工程を6回繰り返し超純水水洗することでHCO3 -型アニオン交換樹脂を調製した。
【0071】
こうして再生された各々のイオン交換樹脂は、スラリー状で各々の精製カラムに充填して使用した。
過酸化水素水を各イオン交換樹脂カラムに通液した後、最終のH+カチオン交換樹脂カラムから排出された精製過酸化水素水を、不純物が高度に除去された超純水で希釈して、過酸化水素濃度を31重量%に調整した。
【0072】
得られた精製過酸化水素水中の金属イオン不純物濃度をフレームレス原子吸光法、ICP−MS法により測定した。また、原料過酸化水素水中の金属イオン不純物はフレームレス原子吸光法、ICP−AES法により測定した。有機不純物は燃焼酸化−赤外線式TOC分析法により測定した。
その結果を表2に示す。
【0073】
【表1】
Figure 0004056695
【0074】
【表2】
Figure 0004056695
【0075】
【実施例2】
Alイオン濃度が0.9ppmである以外、表1に示される金属イオン不純物を同等に含有する60.1重量%過酸化水素水に、酸性ピロリン酸ナトリウムを0.062g/リットルとなるように添加したのち、3日間放置して熟成したのち、0.1μmの平均孔径のフィルターにて濾過した。添加した酸性ピロリン酸ナトリウム中のP原子と、Al原子との比(Al/P原子比)は、0.052であった。
【0076】
この過酸化水素水を、実施例1と同じように、イオン交換樹脂と接触させて精製した。得られた過酸化水素水の金属イオン不純物濃度は、Alイオン濃度が81pptであり、他の金属イオン不純物は実施例1と同様に除去されていた。
【0077】
【実施例3】
実施例1において、濾過した過酸化水素水を吸着樹脂XAD−4で処理し、一段目のH+型カチオン交換樹脂と接触させたのち、かつ炭酸水素イオン型アニオン交換樹脂と接触させる前に、フッ化物イオン型アニオン交換樹脂と接触させ、そののち炭酸水素イオン型アニオン交換樹脂と接触させ、二段目のH+型カチオン交換樹脂と接触させる以外は、実施例1と同様の方法で過酸化水素水の精製を行った。
【0078】
吸着樹脂XAD−4は、再生剤としては、2−プロパノールの39%をSV=4.8Hr-1、BV=3L/L-Rで上昇流通液したのち、次に超純水を、SV=13.2Hr-1、BV=3.3L/L-Rで下降流通液したのち、同SV、BVで上昇流通液する操作を一工程とし、この工程を6回繰り返し超純水水洗したものを使用した。
【0079】
フッ化物イオン型アニオン交換樹脂としては、使用済みSA20Aを使用した。再生剤としては3重量%フッ化ナトリウム(SiF6量が100ppm以下)水溶液を用いた。フッ化物イオン型アニオン交換樹脂の再生は、精製とは別の再生塔に使用済みアニオン交換樹脂を充填し、再生剤(フッ化ナトリウム)を含む水溶液をSV=2.25Hr-1、BV=0.75L/L-Rで下降流通液したのち、再生剤通液を止め、超純水をSV=13.2Hr-1、BV=0.3L/L-Rで上昇流通液する操作を一工程とし、この工程を6回繰り返し、次に超純水をSV=13.2Hr-1、BV=3.3L/L-Rで下降流通液したのち、同SV、BVで上昇流通液する操作を一工程とし、この工程を6回繰り返して、超純水水洗することによって行った。
【0080】
その結果、実施例1と同レベルまで、不純物を除去することができた。また、表2の不純物に加えて、Siイオンおよび有機不純物(TOC)も除去され、Siイオンは50ppt以下(精製前の60%過酸化水素水のSiイオンは2.4ppb)、TOCは3ppm程度(精製前の60%過酸化水素水のTOCは55ppm)にまで除去されていた。
【0081】
【比較例1】
実施例1において、H+型カチオン交換樹脂処理を行い、さらに炭酸水素イオン型アニオン交換樹脂に通液した後の出口から過酸化水素水を取り出し、不純物が高度に除去された超純水で希釈して31重量%の過酸化水素水を調製した。
得られた過酸化水素水の金属イオン不純物濃度は、Naイオン濃度が21ppt、Kイオン濃度が14ppt、Alイオン濃度が38pptと高くなっていた。
【0082】
【比較例2】
実施例3において、H+型カチオン交換樹脂処理を行い、次いでフッ化物イオン型アニオン交換樹脂で処理し、さらに炭酸水素イオン型アニオン交換樹脂に通液した後の出口から過酸化水素水を取り出し、超純水で希釈して31重量%の過酸化水素水を調製した。
【0083】
得られた過酸化水素水の金属イオン不純物濃度は、Naイオン濃度が250ppt、Kイオン濃度が10ppt、Alイオン濃度が20ppt、Tiイオン濃度が25pptと高くなっていた。

Claims (11)

  1. 金属イオン不純物が含まれた過酸化水素水をH+型カチオン交換樹脂と接触させた後、
    フッ化物イオン(F-)型アニオン交換樹脂と接触させ、次いで、炭酸イオン(CO3 2-)型または炭酸水素イオン(HCO3 -)型アニオン交換樹脂と接触させ、さらに、H+型カチオン交換樹脂と接触させることを特徴とする精製過酸化水素水の製造方法。
  2. 過酸化水素水を、H+型カチオン交換樹脂と接触させる前に、吸着樹脂と接触させることを特徴とする請求項1に記載の精製過酸化水素水の製造方法。
  3. 前記H+型カチオン交換樹脂が、カチオン交換樹脂を下降流の無機酸水溶液で処理したのち、超純水で洗浄する操作を一工程とし、その工程を2回以上繰り返すことによって再生されたものであることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の精製過酸化水素水の製造方法。
  4. 炭酸イオン(CO3 2-)型または炭酸水素(HCO3 -)型アニオン交換樹脂が、アニオン交換樹脂を炭酸ナトリウムまたは炭酸水素ナトリウム水溶液で処理したのち、超純水で洗浄する操作を一工程とし、その工程を2回以上繰り返すことによって再生されたものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の精製過酸化水素水の製造方法。
  5. フッ化物イオン(F-)型アニオン交換樹脂が、アニオン交換樹脂をフッ化ナトリウム、フッ化カリウムおよびフッ化アンモニウムからなる群から選ばれる少なくとも一種のフッ素化合物水溶液で処理したのち、超純水で洗浄する操作を一工程とし、その工程を2回以上繰り返すことによって再生されたものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の精製過酸化水素水の製造方法。
  6. 吸着樹脂が、アルコール水溶液を再生剤として処理されたのち、超純水で洗浄再生されたものであることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の精製過酸化水素水の製造方法。
  7. 過酸化水素水中の過酸化水素の濃度が40〜70重量%である請求項1〜6のいずれかに記載の精製過酸化水素水の製造方法。
  8. 前記過酸化水素水が、予め、凝集化剤が添加され、過酸化水素水に含まれる固形不純物を精密フィルターで濾過して得られたものであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の精製過酸化水素水の製造方法。
  9. 前記凝集化剤が、リン酸、ポリリン酸、酸性ピロリン酸ナトリウム、アミノトリ(メチレンホスホン酸)およびその塩、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)およびその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種のリン系化合物であること特徴とする請求項8に記載の精製過酸化水素水の製造方法。
  10. 前記リン系化合物は、リン原子換算で、過酸化水素中に含まれるAlイオン不純物(金属原子Alに換算)に対し、Al/P原子比が0.045以下となるように添加されることを特徴とする請求項9に記載の精製過酸化水素水の製造方法。
  11. 精密フィルターの平均孔径が0.2μm以下であることを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載の精製過酸化水素水の製造方法。
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