JP4056684B2 - レーザー処理方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本明細書で開示する発明は、大面積にレーザー光を高い均質性で照射することができる技術に関する。またその応用方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ガラス等の絶縁基板上に形成された非晶質半導体膜や結晶性半導体膜(単結晶でない、多結晶、微結晶等の結晶性を有する半導体膜)に対し、レーザーアニールを施して、結晶化させたり、結晶性を向上させる技術が、広く研究されている。上記半導体膜には、珪素膜がよく用いられる。
【0003】
ガラス基板は、従来よく使用されてきた石英基板と比較し、安価で加工性に富んでおり、大面積基板を容易に作成できる利点を持っている。これが上記研究が行われる理由である。また、結晶化に好んでレーザーが使用されるのは、ガラス基板の融点が低いからである。レーザーは基板の温度をあまり変えずに非単結晶膜にのみ高いエネルギーを与えることができる。
【0004】
レーザーアニールを施して形成された結晶性珪素膜は、高い移動度を有するため、この結晶性珪素膜を用いて薄膜トランジスタ(TFT)を形成し、例えば、一枚のガラス基板上に、画素駆動用と駆動回路用のTFTを作製する、モノリシック型の液晶電気光学装置等に盛んに利用されている。該結晶性珪素膜は多くの結晶粒からできているため、多結晶珪素膜、あるいは多結晶半導体膜と呼ばれる。
【0005】
また、出力の大きい、エキシマレーザー等のパルスレーザービームを、被照射面において、数cm角の四角いスポットや、数ミリ幅×数10cmの線状となるように光学系にて加工し、レーザービームを走査させて(レーザービームの照射位置を被照射面に対し相対的に移動させて)、レーザーアニールを行う方法が、量産性が良く、工業的に優れているため、好んで使用される。
【0006】
特に、線状レーザービームを用いると、前後左右の走査が必要なスポット状のレーザービームを用いた場合とは異なり、線状レーザーの線方向に直角な方向だけの走査で被照射面全体にレーザー照射を行うことができるため、高い量産性が得られる。線方向に直角な方向に走査するのは、それが最も効率のよい走査方向であるからである。この高い量産性により、現在レーザーアニールには線状レーザービームを使用することが主流になりつつある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記線状に加工されたパルスレーザービームを走査させて、非単結晶半導体膜に対してレーザーアニールを施すに際し、いくつかの問題が生じている。その中でも特に深刻な問題の1つはレーザーアニールが膜面全体に一様に為されないことにあった。線状レーザーが使われ始めた頃は、ビームとビームの重なりの部分で縞ができてしまう現象が目立ち、これらの縞の一本一本で膜の半導体特性が著しく異なっていた。
【0008】
図1a に示すのは、この縞の状態である。この縞は、レーザーアニール後の珪素膜の表面を観察すると光の反射加減によって現れる。
【0009】
図1aの場合、XeClエキシマレーザーを紙面の左右方向に延長する線状のレーザービームとし、これを紙面上から下方向に走査して照射した場合のものである。
【0010】
図1aの横縞は、パルスレーザーショットの重なり具合に起因するものであると理解される。
【0011】
図1aに示すような縞状の模様が現れてしまう珪素膜を用いて、アクティブマトリクス型の液晶ディスプレイを作製した場合、この縞が画面にそのまま出てしまう不都合が生じた。
【0012】
この問題は、レーザーの照射対象である非単結晶半導体膜の改良や、線状レーザーの走査ピッチ(隣り合う線状レーザービームの間隔。)を細かくすることで、改善されつつある。
【0013】
上記の縞模様が目立たなくなってくると、今度はビーム自身のエネルギー分布の不均一が目立つようになってきた。
【0014】
一般に線状レーザービームを形成する場合、元が長方形状のビームを適当な光学系に通して線状に加工する。前記長方形状のビームはアスペクト比が2から5程度であるが、例えば、図2に示した光学系により、アスペクト比100以上の線状ビームに変形される。その際、エネルギーのビーム内分布も同時に均質化されるように、上記光学系は設計されている。
【0015】
図2に示す装置は、発振器201からのレーザー光(この状態では概略矩形形状を有している)を202、203、204、206、208で示す光学系を介して、線状ビームとして照射する機能を有している。なお、205はスリット、207はミラーである。
【0016】
202はシリンドリカルレンズ群(多シリンドリカルレンズとも称される)と呼ばれ、ビームを多数に分割する機能を有する。この分割された多数のビームは、シリンドリカルレンズ206で合成される。
【0017】
この構成は、ビーム内の強度分布を改善するために必要とされる。また、シリンドリカルレンズ群203とシリンドリカルレンズ204との組み合わせも上述したシリンドリカルレンズ群202とシリンドリカルレンズ206の組み合わせと同様な機能を有する。
【0018】
即ち、シリンドリカルレンズ群202とシリンドリカルレンズ206の組み合わせは、線状レーザービームの長手方向における強度分布を改善する機能を有し、シリンドリカルレンズ群203とシリンドリカルレンズ204の組み合わせは、線状レーザービームの幅方向における強度分布を改善する機能を有している。
【0019】
ビーム内のエネルギー分布を均質化する役割を果たす光学系をビームホモジェナイザーと呼ぶ。図2に示した光学系もビームホモジェナイザーの1つである。エネルギー分布を一様化する方法は、元の長方形のビームを分割後、各々拡大し重ね合わせて均質化するものである。
【0020】
このような方法で分割し再構成されたビームは、一見、分割が細かければ細かいほどエネルギーの分布が均質になるように思える。しかしながら、実際にこのビームを半導体膜に照射すると分割の細かさにかかわらず、図1bに見られるような縞模様が膜にできてしまった。
【0021】
図1bに示す珪素膜に対するレーザー照射も、図1aの場合と同じで紙面の左右方向に延在する線状のXeClエキシマレーザー光を紙面上から下へと走査して照射した場合の例である。ただし、走査条件を工夫して図1aに示すような縞は顕著に現れないようにしてある。
【0022】
この縞模様は、線状レーザービームの長手方向に直交する様に無数に形成される。このような縞模様の形成は、元の長方形ビームのエネルギー分布が縞状であることに起因するか、光学系に起因するかのいずれかである。
【0023】
本明細書で開示する発明は、図1bに示すようなレーザー光の照射ムラを改善することを課題とする。
【0024】
〔発明に至る過程〕
本発明人は、上記いずれに縞形成の原因があるのか、突き止めるべく簡単な実験を行った。本実験は該光学系に長方形状のレーザービームが入射する前に該レーザービームを回転させることにより上記縦縞がどう変化するかを調べるものである。
【0025】
結果は全く変化しなかった。よって、本縞模様の形成に関与しているものは元の長方形ビームではなく、光学系であることが判明した。本光学系は単一波長の位相の揃ったビーム(レーザーは位相を揃えて強度を得るものであるから、レーザー光の位相は揃っている。)を分割再結合させることにより均質化を図るものであるから、該縞は光の干渉縞であると説明できる。
【0026】
図2の光学系を介して形成される線状レーザービーム301 内の光干渉縞の様子302 は図3に示した。図中、I はレーザー強度を表している。このような干渉縞が発生するのは、図2に示す光学系のシリンドリカルレンズ群202及び203で複数に分割されたビームがシリンドリカルレンズ204及び206で合成される際に先に分割されたビーム同士が干渉し、該ビーム内に定常波を形成することに起因する。
【0027】
すなわち、一端分割されたレーザービームが被照射面において、同一領域において重なるようにしていることに周期的な鋭い干渉ピークが発生する原因である。
【0028】
図3において、波の振り幅は周期的に変化している。図2の光学系の場合、線状ビームの長手方向で1周期つき波が3個形成されている。(図3参照)
【0029】
この波の数n(干渉のピークの数といってもよい)とシリンドリカルレンズ群202のレンズ数sとは、以下の関係式を満たしている。
【0030】
n=(s−1)÷2 (sは奇数)
【0031】
n=s÷2 (sは偶数)
【0032】
図2に示す光学系の場合は、シリンドリカルレンズ群202のレンズ数は、s=7(奇数)である。ここでn=3である。
【0033】
この場合、図4aに示すような干渉状態が得られる。図4aに示すのは、コンピューター計算で求めたものであり、ある瞬間の時間の線状レーザービーム内の干渉の様子を表している。図4aの横軸は線状レーザービームの長手方向における位置に対応する。図4aに示す縦軸の値を2乗したものが、実際の干渉状態における光強度に対応する。
【0034】
例えば、図4aに示す干渉状態は、実際には図3に示すような光強度の分布として観察される。
【0035】
また、シリンドリカルレンズ群202のレンズ数がs=8個の場合、干渉のパターンは図4bに示すようなものとなる。
【0036】
なお、図4においては、振幅の2乗の値が干渉の強さ(同位相の光が強め合う度合い)を示す。また、図4において、dが干渉のピークの1周期分の長さと定義する。
【0037】
図4に示すのは、コンピューターシュミレーションによって得られたものであり、実際のレーザーによる干渉縞はこのようにはっきりとした強弱を示さない。これは、微妙な光学系のズレや、光学系を構成する材質や光学系の加工誤差加工誤差に起因する光の分散や屈折や損失、さらには半導体膜中で熱伝導によるエネルギーの分散等に起因するものと推測される。
【0038】
ところで、図2において、シリンドリカルレンズ206を破線210に沿って分割し、紙面に垂直な方向に適当にずらし合うと、該シリンドリカルレンズ206の上半分を通るレーザー光が照射面上で作るビームと、下半分を通るレーザー光が照射面上で作るビームとが、照射面上で適当にずれて重なり合いビームの干渉のパターンを変えることができるようになる。この現象をうまく利用すると、シリンドリカルレンズ206の上下に分割されたレンズのずらし合う程度により、干渉のピークがビーム内で平均的に分散化される現象が起こる。このことは、波の重ね合わせの原理から明らかである。
【0039】
上記のような光学系の図を図5、図6に示した。図5に示したシリンドリカルレンズ501が上記の上下に分割したシリンドリカルレンズ206に対応する。図6は、図5に示した光学系を斜めから描写したものである。なお、図6は、図5のミラー207を省略して示した。
【0040】
本発明では、干渉のピークの分布が最も効率よく分散化される光学系の特徴を開示するものである。図7aに示した干渉縞のパターンは、図2に示す装置において、シリンドリカルレンズ群202のレンズ数が7個の場合のものである。
【0041】
この干渉パターンは、値を2乗することにより光強度の強さとなる。図の左右の方向が線状レーザービームの長手方向に対応する。
【0042】
ここで図7aのパターンの1周期の長さをdと定義する。これが干渉縞のピッチと対応している。
【0043】
この図7aのパターンを複数個たし合わせて、干渉のピークが最も分散化されるパターンをコンピュータにより計算させたところ、該パターン2個を半周期ずらして互いに重ね合わせるとよいことが判った。
【0044】
即ち、図7aのパターンを半周期ずらした図7bのパターンを用意し、aのパターンとbのパターンとを重ね合わせる。こうすると図7cのパターンが得られる。
【0045】
図7cの干渉パターンはaやbのものに比較すれば、干渉の度合いがより分散化されたものとなっている。
【0046】
また、図7hに示した干渉縞のパターンは、シリンドリカルレンズ群202のレンズ数が9個の場合のものである。該パターンの1周期の長さをdと定義する。
【0047】
この図7hに示した干渉縞のパターンを複数個たし合わせて、干渉のピークが最も分散化されるパターンをコンピュータにより計算させたところ、該パターン3個を1/3周期づつずらして互いに重ね合わせるとよいことが判った。(図7k参照)
【0048】
即ち、図2に示す構成において、シリンドリカルレンズ群202のレンズ数が9個の場合に得られる図7hの干渉パターンhを1/3周期づつずらした図7 i及び図7 j を考え、これらを重ね合わせることにより図7kに示す干渉パターンを得ることができる。
【0049】
図7kに示す干渉パターンは、h乃至jに示すものに比較すれば、干渉のピークが非常に分散化されたものとなっている。
【0050】
このようなことを実現するには、例えば、図7aに示す干渉状態を有するレーザービームと、図7bに示す干渉状態を有するレーザービームと、を作製する必要がある。
【0051】
シリンドリカルレンズ群202とシリンドリカルレンズ206との組み合わせを通ってできるレーザービームは、シリンドリカルレンズ群203によって複数個に分割される。
【0052】
よって、シリンドリカルレンズ群203によって分割されたそれぞれのレーザービームが微妙な位置関係でもってずれて重ね合わされるようにすれば、図7cあるいは図7kに示すような干渉ピークがより分散化されたレーザービームを得ることができる。
【0053】
レーザービームをずらす役割は、シリンドリカルレンズ501が果たす。例えば、シリンドリカルレンズ群202のレンズ数が7個の場合、シリンドリカルレンズ501には、上下に2分割されたものを使用すれば、図7cに示したようなレーザービームを得ることができる。このとき、シリンドリカルレンズ群203によって分割されたレーザービームは偶数本あるとよい。そうすれば、図5の下に示したようにレーザービームが上下のレンズにうまく分離して入るので、レーザービームの光路がみだれずに済む。図5の場合、シリンドリカルレンズ群203は4本あるので、シリンドリカルレンズ501の上下レンズに2本ずつビームが入ることになる。
【0054】
また、シリンドリカルレンズ群202のレンズ数が9個の場合、シリンドリカルレンズ501には、上中下に3分割されたものを使用すれば、図7kに示したようなレーザービームを得ることができる。このとき、シリンドリカルレンズ群203によって分割されたレーザービームは3の倍数本あるとよい。そうすれば、レーザービームが上中下のレンズにうまく分離して入るので、レーザービームの光路がみだれずに済む。
【0055】
ただし、3分割以上は、光学系のアライメントが複雑となるので、2分割で済ませてもよい。図7hに示したようなレーザービーム2個を1/2周期づつずらして互いに重ね合わせても干渉のピークは適当に分散化された。このとき、シリンドリカルレンズ501は、上下に2分割されたものを使用し、シリンドリカルレンズ群203よって分割されたレーザービームは2の倍数本あればよい。
【0056】
本明細書で開示する発明は、この点に関して最適な諸パラメータの組み合わせを提供するものである。
【0057】
【課題を解決するための手段】
本発明では、干渉のピークの分布が最も効率よく分散化される光学系の特徴を開示するものである。
【0058】
ここで以下、Nを自然数、nを3以上の整数とする。図5に示す光学系においては、N=2、n=3の場合の例である。なぜならば、n=3のときシリンドリカルレンズ群202のレンズ数sは7、シリンドリカルレンズ群203のレンズ数N(n-1)は4であるからである。
【0059】
図4および図7において、dというのは、シリンドリカルレンズ501を構成するレンズの一つを通過したビームが被照射面において形成する干渉パターンの間隔(1周期の長さ)である。
【0060】
dの値を得るには、シリンドリカルレンズ501において、一つのレンズだけを残し、他を覆い隠してしまった場合に得られるレーザービームを観察すればよい。またはそのレーザービームのアニール効果等を観察すれば良い。また、後に実施例で示すように計算で求めることもできる。
【0061】
以下、シリンドリカルレンズ501をどの程度互いにずらし合えば、本発明が開示する効果が得られるかを説明する。
【0062】
まず、シリンドリカルレンズ群202のレンズ数が7個である場合、n=3なので、シリンドリカルレンズ群203は(n-1)の倍数個、すなわち偶数個あればよい。このとき、シリンドリカルレンズ501の上下レンズの互いにずらし合う距離はd/2で定義される値を使えばよい。
【0063】
また、シリンドリカルレンズ群202のレンズ数が9個である場合、n=4なので、シリンドリカルレンズ群203が3(n-1に相当)の倍数個、例えば6個あれば十分に均質性の良いビームが得られる。このとき、シリンドリカルレンズ501は2分割よりも3分割された方がより均質性の優れたビームが得られる。このとき、シリンドリカルレンズ501の上中下レンズの互いにずらし合う距離はd/3で定義される値を使えばよい。
【0064】
しかしながら、3分割以上は光学系の構造上、光学系のアライメントがより困難になってくるので、例えば本来3分割で光学設計したほうがより均質性のよいビームが得られる光学系を2分割ですましてしまう方法をとってもよい。
【0065】
以上の考察及び計算から、シリンドリカルレンズ群202のレンズ数が奇数である場合、シリンドリカルレンズ501を(n′-1)分割のものとし、該(n′-1)分割されたレンズ群を互いにd/(n′-1)ずつずらし合えばよいことが判る。ここで、n′は3≦n′≦nの範囲にある整数である。このとき、シリンドリカルレンズ群203はN(n′-1)個で構成されているとよかった。
【0066】
こうすることで、シリンドリカルレンズ群203で分割されるレーザービームのそれぞれが、図7で示すような状態で重ね合わせられる。そして、図7cや図7kに示すような干渉状態が均一化されたレーザービームを得ることができる。
【0067】
図5や図6に示したレンズ群の構成は、基本的なものであり、さらに他の光学系を配置してもよい。また、同様な作用をする他のレンズに一部を置換してもよい。また、上記構成を全体の一部として利用してもよい。たとえば、図5に示すシリンドリカルレンズ群202、シリンドリカルレンズ群203は凸レンズ群であるが、凹レンズ群もしくは、凹凸混合のレンズ群を用いてもよい。
【0068】
また、シリンドリカルレンズではなく、他の方法でレーザービームを分割してもよい。例えば、図5記載のシリンドリカルレンズ群203とシリンドリカルレンズ204とを、ほぼ同様の作用を持つマルチフェイズレンズ(図11b参照。)に置き換えてもよい。
【0069】
上記の構成は、縦横比があまり大きく無いレーザービームを縦横比が100以上あるような線状のレーザービームにビーム加工する場合に特に有効なものとなる。
【0070】
一方、シリンドリカルレンズ群202のレンズ数が偶数である場合、奇数である場合と比較し著しい効果は得られない。(なお、シリンドリカルレンズ群202のレンズ数が偶数個であっても、レーザー光が実質的に該レンズ群の奇数個分だけ入っていれば、シリンドリカルレンズ群202は奇数個のレンズで構成されていると考えてよいことは言うまでもない。)
【0071】
シリンドリカルレンズ群202のレンズ数が奇数個であると、得られるビーム内の干渉の分布が、図7cや図7kに示したような正弦波状に整形することが可能となり、より干渉のピークがビーム内で分散化されたものが得られる。シリンドリカルレンズ群202のレンズ数が2個または3個の場合は、図2に示すような光学系からでも、正弦波状の干渉をもつビームが得られるが、分割数が不十分で均質なビームが得られにくい。本発明は分割数が充分でかつ正弦波状の干渉をもつビームが得られるので非常に画期的である。
【0072】
シリンドリカルレンズ群202のレンズ数が偶数個ではそのようにきれいに分散化されたビームは得られない。しかしながら、従来の光学系(図2のもの)と比較すれば、格段の効果を得ることができる。即ち、干渉を分散させて、照射のムラを是正する効果は得ることができる。
【0073】
この様な場合も、シリンドリカルレンズ501を(n′-1)分割したものとし、d/(n′-1)ずつ互いにずらし合えば、よく干渉のピークが分散化された。なお、この場合のdは図4bで示されたもので定義される。このとき、シリンドリカルレンズ群203はN(n′-1)個で構成されているとよかった。
【0074】
ところで、dは図4で示すような干渉ピークの周期幅(1周期の長さ)で定義される。即ち、シリンドリカルレンズ501を構成するシリンドリカルレンズの一つが寄与するビーム(線状のレーザービーム)に現れる干渉状態の周期幅として定義される。
【0075】
上記の説明から判るように、干渉縞の間隔dは線状レーザービーム中で一定である方が好ましい。即ち、図4で示すような指定の周期でもって干渉が線状ビームの長手方向に沿って現れるものであることが好ましい。
【0076】
しかしながら、ある特別な場合を除き、図2の光学系で形成される線状レーザービームの干渉のピークの間隔は、一様とはならない。
【0077】
なぜならば、該線状ビームは球面波を線状に合成しているからである。(図8a参照。球面波を直線で切ると、同位相同士の間隔は一定でない)
【0078】
もし、干渉のピーク間隔をほぼ一定にしたいならば、平面波を線状に合成すればよい。(平面波を斜めに直線で切ると、同位相同士の間隔は一定となる)
【0079】
このような光波を形成する光学系を図8bに示す。
【0080】
上記両光学系の異なる点は、ビーム入射側のシリンドリカルレンズ群が分割したレーザービームが、後続のシリンドリカルレンズによりすべて平行光線に加工されることである。
【0081】
このような光学系は、前方のシリンドリカルレンズ群と後方のシリンドリカルレンズとの間の距離を適当に選ぶことにより簡単に得られる。この様にすれば、シリンドリカルレンズ群で分割されたどのビームもシリンドリカルレンズにより平面波に加工される。本光学系により加工されたビームを使用すると該縦縞の間隔はほぼ一定となる。このような配置の光学系が本発明に最も適当である。
【0082】
しかしながら、球面波で合成される線状ビームでも、該球面波の曲率半径は十分大きいので、実際問題としては平行光線と見なすことができ、本発明が適用できる。この場合、干渉縞の間隔dは全体の平均値で定義する。
【0083】
以上述べてきたように、本明細書で開示する発明を利用することで、線状レーザービーム内の干渉縞の分布は飛躍的に均質化される。特に、シリンドリカルレンズ群202を構成するレンズ数が奇数個である場合は、線状レーザービーム内の干渉縞の分布を正弦波状(図7c、図7k、参照)に整形することが可能となり、本発明が最も効果的に機能する。
【0084】
しかしながら、依然として光干渉によるエネルギーの不均質が該線状レーザービーム内に存在する。この不均質はレーザービームの照射条件により、強調される場合もある。
【0085】
この様なときはレーザービームの走査方向を微調整すると改善される。前記微調整は、該線状レーザービームを、該ビームの線方向と直交しかつ該線状レーザービームが形成する面を含む方向より該平面内で角度yだけずれた方向に走査させながらレーザー処理することで行う。この角度yは、|tan y|≦0.1 の範囲で見つけることができる。(但し、|tan y|≠0)
【0086】
本発明記載の光学系を介して半導体膜のレーザーアニールを行い、多結晶半導体膜とし、例えばTFT液晶ディスプレイのようなデバイスを作製すると、個々のTFTの特性のばらつきが抑えられて、高画質なものを得ることができる。
【0087】
また、半導体集積回路の作製に際するレーザーアニールに本明細書で開示する発明を利用すると、同一基体上に形成される素子の特性をそろえることができ、高い性能を有する回路を得ることができる。
【0088】
以下において、本明細書で開示する発明の一つ一つを示す。先に述べたように、dをシリンドリカルレンズ501中任意に選んだ1つのレンズと、図5中シリンドリカルレンズ501以外のレンズ群とを介して形成される線状レーザービーム内に分布する光干渉縞のピッチとする。また、Nは自然数、nは3以上の整数である。ここで、n′は3≦n′≦nの範囲にある整数である。
【0089】
本発明の第一は、
レーザー光を分割し、かつ前記分割されたレーザー光を再結合させることにより、正弦波状の定常波を照射面上に形成させる機能を有することを特徴とするビームホモジェナイザーである。
【0090】
本発明の第二は、
縦方向に光をN(n′-1)分割する役割を果たす光学レンズと、
光を横方向に(2n+1)分割する役割を果たす他の光学レンズと、
前記縦横に分割された光を(n′-1)個に再結合しつつ、前記(n′-1)個の光を横方向に互いにずらしあって重ね合わせる役割を果たす光学レンズと、
前記縦方向に分割された光を再結合させる役割を果たす他の光学レンズと、
を少なくとも有することを特徴とするビームホモジェナイザーである。
【0091】
本発明の第三は、
縦方向に光をN(n-1)分割する役割を果たす光学レンズと、
光を横方向に(2n+1)分割する役割を果たす他の光学レンズと、
前記縦横に分割された光を(n-1)個に再結合しつつ、前記(n-1)個の光を横方向に互いにずらしあって重ね合わせる役割を果たす光学レンズと、
前記縦方向に分割された光を再結合させる役割を果たす他の光学レンズと、
を少なくとも有することを特徴とするビームホモジェナイザーである。
【0092】
本発明の第四は、
縦方向に光をN(n′-1)分割する役割を果たす光学レンズと、
光を横方向に(2n)分割する役割を果たす他の光学レンズと、
前記縦横に分割された光を(n′-1)個に再結合しつつ、前記(n′-1)個の光を横方向に互いにずらしあって重ね合わせる役割を果たす光学レンズと、
前記縦方向に分割された光を再結合させる役割を果たす他の光学レンズと、
を少なくとも有することを特徴とするビームホモジェナイザーである。
【0093】
本発明の第五は、
縦方向に光をN(n-1)分割する役割を果たす光学レンズと、
光を横方向に(2n)分割する役割を果たす他の光学レンズと、
前記縦横に分割された光を(n-1)個に再結合しつつ、前記(n-1)個の光を横方向に互いにずらしあって重ね合わせる役割を果たす光学レンズと、
前記縦方向に分割された光を再結合させる役割を果たす他の光学レンズと、
を少なくとも有することを特徴とするビームホモジェナイザーである。
【0094】
本発明の第六は、
(1)レーザビームを発生させる手段と、
(2)縦方向に光をN(n′-1)分割する役割を果たす光学レンズと、
光を横方向に(2n+1)分割する役割を果たす他のシリンドリカルレンズ群と、
前記横方向に分割された光を再結合させる役割を果たし、かつ、分割された光を横方向にd/(n′-1)ずつ互いにずらして重ね合わせる役割を果たす(n′-1)個のシリンドリカルレンズと、
前記縦方向に分割された光を再結合させる役割を果たす他のシリンドリカルレンズと、
を含む光学系から構成されるビームホモジェナイザーと、
(3)一方向に動く移動テーブルと、
を有し、
前記dは、前記(n′-1)個のシリンドリカルレンズを構成するレンズの一つを通過するビームが照射面において形成する干渉縞のピークの間隔として定義されることを特徴とする。
【0095】
本発明の第七は、
(1)レーザビームを発生させる手段と、
(2)縦方向に光をN(n-1)分割する役割を果たす光学レンズと、
光を横方向に(2n+1)分割する役割を果たす他のシリンドリカルレンズ群と、
前記横方向に分割された光を再結合させる役割を果たし、かつ、分割された光を横方向にd/(n-1)ずつ互いにずらして重ね合わせる役割を果たす(n-1)個のシリンドリカルレンズと、
前記縦方向に分割された光を再結合させる役割を果たす他のシリンドリカルレンズと、
を含む光学系から構成されるビームホモジェナイザーと、
(3)一方向に動く移動テーブルと、
を有し、
前記dは、前記(n-1)個のシリンドリカルレンズを構成するレンズの一つを通過するビームが照射面において形成する干渉縞のピークの間隔として定義されることを特徴とする。
【0096】
本発明の第八は、
(1)レーザビームを発生させる手段と、
(2)縦方向に光をN(n′-1)分割する役割を果たす光学レンズと、
光を横方向に(2n)分割する役割を果たす他のシリンドリカルレンズ群と、
前記横方向に分割された光を再結合させる役割を果たし、かつ、分割された光を横方向にd/(n′-1)ずつ互いにずらして重ね合わせる役割を果たす(n′-1)個のシリンドリカルレンズと、
前記縦方向に分割された光を再結合させる役割を果たす他のシリンドリカルレンズと、
を含む光学系から構成されるビームホモジェナイザーと、
(3)一方向に動く移動テーブルと、
を有し、
前記dは、前記(n′-1)個のシリンドリカルレンズを構成するレンズの一つを通過するビームが照射面において形成する干渉縞のピークの間隔として定義されることを特徴とする。
【0097】
本発明の第九は、
(1)レーザビームを発生させる手段と、
(2)縦方向に光をN(n-1)分割する役割を果たす光学レンズと、
光を横方向に(2n)分割する役割を果たす他のシリンドリカルレンズ群と、
前記横方向に分割された光を再結合させる役割を果たし、かつ、分割された光を横方向にd/(n-1)ずつ互いにずらして重ね合わせる役割を果たす(n-1)個のシリンドリカルレンズと、
前記縦方向に分割された光を再結合させる役割を果たす他のシリンドリカルレンズと、
を含む光学系から構成されるビームホモジェナイザーと、
(3)一方向に動く移動テーブルと、
を有し、
前記dは、前記(n-1)個のシリンドリカルレンズを構成するレンズの一つを通過するビームが照射面において形成する干渉縞のピークの間隔として定義されることを特徴とする。
【0098】
上記発明六乃至九において、
dは、
λをレーザー光の波長、
fを横方向に分割されたレーザービームを再結合させる役割を果たすシリンドリカルレンズの焦点距離、
Lをレーザービームを横方向に分割する役割を果たすシリンドリカルレンズ群を構成する一つのレンズの幅として、
概略d=λf/Lで示される。
すなわち、dは計算より求めることができる。
【0099】
また、被照射面におけるレーザービームは、横方向に長手形状を有する線状ビームである場合に上記発明は特に有効となる。
【0100】
また、レーザービームとしては、一般的にエキシマレーザーが利用される。
【0101】
また、移動テーブルの移動方向が可変であることが好ましい。
【0102】
なお、誤解を避けるため、本明細書中、横方向といえば、線状レーザービームの線方向をさし、縦方向といえば、線状レーザービームの幅方向を指すものとする。
【0103】
本発明の第十は、
本発明の第一記載のビームホモジェナイザーを介したレーザ光により、レーザーアニールされた半導体膜を使用し作製されることを特徴とする半導体デバイスである。
【0104】
本発明の第十一は、
本発明の第二記載のビームホモジェナイザーを介したレーザ光により、レーザーアニールされた半導体膜を使用し作製されることを特徴とする半導体デバイスである。
【0105】
本発明の第十二は、
本発明の第四記載のビームホモジェナイザーを介したレーザ光により、レーザーアニールされた半導体膜を使用し作製されることを特徴とする半導体デバイスである。
【0106】
また、上記の構成において、
dは、
λをレーザー光の波長、
fを横方向に分割されたレーザービームを再結合させる役割を果たすシリンドリカルレンズ501の焦点距離、
Lをレーザービームを横方向に分割する役割を果たすシリンドリカルレンズ群202を構成する一つのレンズの幅として、
概略d=λf/Lで示される。
この場合、dは計算より求めることができる。
【0107】
また、被照射面におけるレーザービームは、横方向に長手形状を有する線状ビームである場合に上記発明は特に有効となる。
【0108】
また、レーザービームとしては、一般的にエキシマレーザーが利用される。
【0109】
また、移動テーブルの移動方向が可変であることが好ましい。
【0110】
【作用】
本発明は、非単結晶半導体膜にレーザー光線を分割後再構成し線状に加工されたレーザービームを使用してレーザーアニールを施し結晶化また結晶性を向上させるに際し、該線状レーザービーム内に形成される光干渉によるエネルギーの周期的不均一を、前記非単結晶半導体膜に反映させないものである。
【0111】
例えば、図2に示される光学系により形成される線状レーザービームのエネルギーは、その線方向に、図4で示されるようなエネルギーの強弱の周期的繰り返しが見られる。
【0112】
このようなエネルギー分布を持つ線状レーザービームを、半導体膜に対し照射すると、線状レーザービーム内のエネルギーの分布が該膜にそのまま反映されてしまう。
【0113】
本発明では、本発明のビームホモジェナイザーを使って線状レーザービーム内の干渉の分布を従来のものより飛躍的に分散化(図7参照。)させ、線状レーザービーム内のエネルギー分布を均質化する。このようにすれば、より一様にレーザーアニールを行うことができる。
【0114】
【実施例】
〔実施例1〕
実施例の作製工程で、まず、レーザー照射される膜の作製方法を示す。レーザー照射される膜は、本明細書中で3種類である。いずれの膜に対しても、本発明は効果的である。
【0115】
まず、3種類いずれの膜も、基板として、127mm角のコーニング1737ガラス基板上に、下地膜としての酸化珪素膜を200nmの厚さに、その上に非晶質珪素膜を50nmの厚さに共にプラズマCVD法にて成膜する。この膜を今後、出発膜と呼ぶ。
【0116】
(膜Aの作製手順)
出発膜を、450℃の熱浴に1時間さらす。本工程は非晶質珪素膜中の水素濃度を減らすための工程である。膜中の水素が多すぎると膜がレーザーエネルギーに対して耐えきれないので本工程が必要とされる。
【0117】
膜内の水素の密度は1020atoms/cm3 オーダーが適当であある。この膜を非単結晶珪素膜Aと呼ぶ。
【0118】
(膜Bの作製手順)
10ppmの酢酸ニッケル水溶液が、スピンコート法により、出発膜上に塗布され、酢酸ニッケル層が形成される。酢酸ニッケル水溶液には、界面活性剤を添加するとより好ましい。酢酸ニッケル層は、極めて薄いので、膜状となっているとは限らないが、以後の工程において問題はない。
【0119】
次に、上記のようにして各膜が積層された基板に、600℃で4時間の熱アニールを施す。すると、非晶質珪素膜が結晶化し、非単結晶珪素膜である結晶性珪素膜Bが形成される。
【0120】
このとき、触媒元素であるニッケルが結晶成長の核の役割を果たし、結晶化が促進される。600℃、4時間という低温、短時間で結晶化を行うことができるのは、ニッケルの機能による。詳細については、特開平6−244104号に記載されている。
【0121】
触媒元素の濃度は、1×1015〜1019原子/cm3 であると好ましい。1×1019原子/cm3 以上の高濃度では、結晶性珪素膜に金属的性質が現れ、半導体としての特性が消滅する。本実施例において、結晶性珪素膜中の触媒元素の濃度は、膜中のおける最小値で、1×1017〜5×1018原子/cm3 である。これらの値は、2次イオン質量分析法(SIMS)により分析、測定したものである。
【0122】
(膜Cの作製手順)
出発膜の上からさらに酸化珪素膜を700Åの厚さに成膜する。成膜方法はプラズマCVD法を用いる。
【0123】
次に該酸化珪素膜の一部をフォトリソパターニング工程によって完全に開孔する。
【0124】
さらに、該開孔部に薄い酸化膜を形成するために酸素雰囲気中でUV光を5分間照射する。この薄い酸化膜は、後に導入するニッケル水溶液に対する上記開孔部の濡れ性改善のために形成されるものである。
【0125】
次に100ppmの酢酸ニッケル水溶液が、スピンコート法により、該膜上に塗布され、酢酸ニッケルが上記開孔部分に入る。酢酸ニッケル水溶液には、界面活性剤を添加するとより好ましい。
【0126】
次に、600℃で8時間の熱アニールが施され、ニッケル導入部分から横方向に結晶が成長してゆく。このとき、ニッケルが果たす役割は膜Bと同様のものである。今回の条件では横成長量として40μm程度が得られる。
【0127】
このようにして非晶質珪素膜が結晶化し、非単結晶珪素膜である結晶性珪素膜Cが形成される。その後、結晶性珪素膜上の酸化珪素膜をバッファーフッ酸を用い剥離除去する。
【0128】
このようにして得られる非単結晶珪素膜A、B、Cを結晶化させる。
【0129】
次に結晶性をさらに高めるために、エキシマレーザーを用いてレーザーアニールを行う。
【0130】
図9に、実施例におけるレーザー照射システムを示す。図9は、レーザー照射システムの概観である。
【0131】
図9において、レーザー照射システムは、レーザー発振装置201から照射され、2対の反射ミラー901によりレーザーの進行方向を調整後、本発明が開示する光学系902により、断面形状が線状に加工されたパルスレーザービームを、ミラー207で反射させ、シリンドリカルレンズ208にて集光しつつ、被処理基板904に照射させる機能を有している。2対の反射ミラー901の間には、レーザービームの広がり角を抑え、かつ、ビームの大きさを調整できるビームエキスパンダーを挿入してもよい。
【0132】
光学系902、ミラー207、及びシリンドリカルレンズ208は図5に示した構造に準じている。
【0133】
本実施例で使用する光学系は、本発明の第三で明記したものとする。また、シリンドリカルレンズ群202のレンズ数を本実施例では7(2n+1にあたる。)個とするので、図5に示す構造においてシリンドリカルレンズ501のレンズは2(n-1にあたる)分割となる。
【0134】
ここでシリンドリカルレンズ501の上下のレンズの互いにずらす距離を決定する方法を記載する。
【0135】
本実施例の場合、シリンドリカルレンズ501中任意に選んだ1つのレンズと、図5中シリンドリカルレンズ501以外のレンズ群とを介して形成される線状レーザービーム内に分布する光干渉縞のピッチが0.1 mmであった。この値が発明で利用されるパラメータdにあたる。
【0136】
先に示したように、d/(n−1)で算出される距離が、最も干渉のピークを線状レーザービーム内で分散化できる距離である。
【0137】
ここで該式にd、nの値を代入する。本実施例ではn=3なので、求める距離は0.05mmとなる。波の重ね合わせの原理により、前記距離は、0.15mm、0.25mm、0.35mm、・・・と0.1mm間隔で変えても効果は同様であることは、言うまでもないが、この間隔を広くとればとるほど線状ビームの長手方向の有効に使える長さは短くなることになる。
【0138】
すなわち、シリンドリカルレンズ501の上下のレンズを互いにずらし合うと、線状レーザービームの長手方向の両端はずらし合う距離分ぼけてしまう。しかしながら、幅方向の両端は全くぼけることがない。線状レーザービームの長手方向の両端は、素子領域外にもっていけるので多少のぼけは全く加工に影響しない。一方、幅方向の両端は全くぼけていないので、素子領域にうたれても悪影響はない。
【0139】
本実施例ではn=3なので、これにより、レーザービームを縦方向(線状ビームの幅方向)に分割する数は(3-1)の倍数で決まる。本明細書の場合は、N=4とし、8分割とした。また、レーザービームを横方向(線状ビームの長手方向)に分割する数は(2×3+1)=7個である。
【0140】
図2や図5で示したような光学系を用いるのは、光学系に入射する前のビームのエネルギー不均質を分割後重ね合わせることにより平均化しつつ、ビーム形状を線状に加工することが出来るからである。
【0141】
本発明で使用する線状レーザービームはすべて図5記載の光学系に準じたものを使用している。図5のようなタイプのレンズ群の役割を以下に記述する。
【0142】
シリンドリカルレンズ群202、203はビームを縦横に分割する役割を果たしている。該分割された光束をシリンドリカルレンズ204、501がその分割されたレーザービームを重ね合わせる役割を果たしている。
【0143】
本実施例では、元のビームを縦方向(線状レーザービームの幅方向)に8分割、横方向(線状レーザービームの長手方向)に7分割している。
【0144】
都合上、レーザービームは、56分割されたビームを一つに合成したものとなっている。このようにすることにより、ビームのエネルギー分布を平均化している。
【0145】
ビームの縦横の長さの比はレンズ群の構造上、可変であるが、レンズの大きさ、焦点距離の組合せにより、造りやすいビーム形状は制限される。なお、本光学系においてビームの長辺の長さを変えることはできない。
【0146】
本実施例は、図8a、あるいは図8b、何れの記載の配置のレンズ群を用いても効果がある。しかしながら、図8b記載の配置がより効果的である。
【0147】
なお、図5に示すシリンドリカルレンズ群202、シリンドリカルレンズ群203は凸レンズ群であるが、凹レンズ群もしくは、凹凸混合のレンズ群を用いてもよい。また、シリンドリカルレンズではなく、他の方法でレーザービームを分割してもよい。
【0148】
図5記載のシリンドリカルレンズ群202を、ほぼ同様の作用を持つ凹凸混合のレンズ群に置き換えると、例えば図11aに示すもののようになる。あるいは、図5記載のシリンドリカルレンズ群203とシリンドリカルレンズ204とを、ほぼ同様の作用を持つマルチフェイズレンズ(図11b参照。)に置き換えてもよい。マルチフェイズレンズ1401を図14のように配置すると、図6に示したレンズ群が作り出すビームと同様のものを形成することができる。また、シリンドリカルレンズ208をマルチフェイズレンズや複数のシリンドリカルレンズで構成されたものに置き換えてもよい。
【0149】
ただし、凹凸混合レンズ群に代表されるような、互いに合同でないレンズ群を使用する場合は、それらのレンズで加工される平行光線の、加工後の拡がりの角度が同じであるレンズ群で構成されたほうがよい。
【0150】
さもなければ、分割したビームが再結合されるとき、個々のビームが異なる大きさや形で重なり合い、ビームの輪郭が不明瞭となる。
【0151】
レーザー発振装置201は、ここでは、XeClエキシマレーザー(波長308nm)を発振するものを用いる。他に、KrFエキシマレーザー(波長248nm)等を用いてもよい。
【0152】
被処理基板904は、台905上に配置される。そして、台905は、移動機構903によって、線状レーザービームの線幅方向に対して直角方向(線状レーザービームを含む平面を含む。)に真っ直ぐに移動され、被処理基板904上面に対しレーザービームを走査しながら照射することを可能とする。
【0153】
図10に示す装置の説明をする。ロード/アンロード室1005に、被処理基板904が多数枚、例えば20枚収納されたカセット1003が配置される。ロボットアーム1005により、カセット1003から一枚の基板がアライメント室に移動される。
【0154】
アライメント室1002には、被処理基板904とロボットアーム1004との位置関係を修正するための、アライメント機構が配置されている。アライメント室1002は、ロード/アンロード室1005と接続されている。
【0155】
基板は、ロボットアーム1004によって基板搬送室1001に運ばれ、さらにロボットアーム1004によって、レーザー照射室1006に移送される。
図9において、被処理基板904上に照射される線状レーザービームは、幅0.4mm×長さ135mmとする。本ビームは図5記載のレンズ配置で形成されている。ただし、シリンドリカルレンズ群203のレンズ数は8である。
【0156】
被照射面におけるレーザービームのエネルギー密度は、100mJ/cm2 〜500mJ/cm2 の範囲で、例えば300mJ/cm2 とする。台905を1.2mm/sで一方向に移動させながら行うことで、線状レーザービームを走査させる。レーザーの発振周波数は30Hzとし、被照射物の一点に注目すると、10ショットのレーザービームが照射される。前記ショット数は5ショットから50ショットの範囲で適当に選ぶ。
【0157】
レーザー照射終了後、被処理基板904はロボットアーム1004によって基板搬送室1002に引き戻される。
【0158】
被処理基板904は、ロボットアーム1004によって、ロード/アンロード室1005に移送され、カセット1003に収納される。
【0159】
こうして、レーザーアニール工程が終了する。このようにして、上記工程を繰り返すことにより、多数の基板に対して、連続的に一枚づつ処理できる。
【0160】
本実施例は線状レーザーを用いたが、線状から正方形状にいたるまでいずれのビーム形状を本発明に使用しても本発明が特徴とする効果がある。
【0161】
上記レーザーアニールされた半導体膜を活性層とするTFTを作製すると、Nチャネル型、Pチャネル型、いずれも作製できる。
【0162】
また、Nチャネル型とPチャネル型とを組み合わせた構造も得ることが可能である。また、多数のTFTを集積化して電子回路を構成することもできる。
【0163】
以上のことは、他の実施例で示した光学系を介してレーザーアニールされた半導体膜についてもいえる。本発明の光学系を介してレーザーアニールされた半導体膜を利用して、TFTで構成される液晶ディスプレイを作製した場合、個々のTFT特性のバラツキの少ない高画質なものが得られる。
【0164】
〔実施例2〕
実施例1にて、縞模様が上手く消えない場合は、光学系の配置が適当でない為であるか、線状レーザービームの重ね合わさり様が不適当かである。このときは、走査方向変更装置906により基板の走査方向を微調整し、干渉縞がより目立たない走査方向を選べばよい。
【0165】
即ち、線状レーザー光の幅方向に対して、少し角度をもたせて、レーザー光が走査されて照射されるようにするとよい。
【0166】
〔実施例3〕
実施例1にて、図8b記載の光学系の配置を採用したときの、干渉縞のピッチdは計算で容易に導出できる。本実施例ではその計算方法を示す。まず、シリンドリカルレンズ501の分割されたレンズを互いにずらさない状態を想定し、以下の考察をする。なお、ここでは前記の状態にあるシリンドリカルレンズ501をシリンドリカルレンズ1206と呼ぶことにする。
【0167】
図8に示す光学系は、図5に示すシリンドリカルレンズ群202とシリンドリカルレンズ1206の断面を示したものと考えて良い。
【0168】
図8bの光学系の配置を採用した場合、シリンドリカルレンズ1206によって合成されるビームはそれぞれ平面波といってよい。
【0169】
この場合、図12において、シリンドリカルレンズ群202を構成するレンズ中、中央のレンズに隣接する2つのレンズ1201を介してシリンドリカルレンズ1206に入射したレーザー光の光束は、照射面1204に角度αで交差する。
【0170】
ここでレーザーの波面1205は直線であるから、該波面の波長λ間隔で引かれた直線は照射面1204を間隔βで切る。(図13参照。)
【0171】
前記角度αと間隔βとの関係式は波長λを使って表現できる。すなわち、β=λ/ sin αと表現できる。
【0172】
2つのレンズ1201は間隔βの定常波を照射面1204に形成する。また、2つのレンズ1202は間隔β/2の定常波を照射面1204に形成する。さらに、2つのレンズ1203は間隔β/3の定常波を照射面1204に形成する。これらの定常波が、照射面1204で合成され、図4aに示したような定常波が形成される。よって、βは、図4、図7で示す干渉のピークの間隔dに一致する。このことは簡単な計算により解る。
【0173】
また、シリンドリカルレンズ1206の位置を、シリンドリカルレンズ群202に対して矢印1207の方向に左右に動かしても間隔dはほとんど全く変化しないことも簡単な計算によりわかる。このことは、シリンドリカルレンズ1206をシリンドリカルレンズ501の状態に戻すときに、シリンドリカルレンズ1206の個々のレンズをそれぞれ左右に動かすことが本発明の本質に全く影響を及ぼさないことを示唆する。
【0174】
またこの場合、シリンドリカルレンズ1206の焦点距離f、シリンドリカルレンズ群202のレンズ1つ当たりの幅Lとすると、tan α=L/fが成立する。
【0175】
また、αの角度は十分に小さいから、tan α≒sin αが成立する。よって、β≒λf/Lが成立する。
【0176】
上述したように一般にβ=dであるからdは概略λf/Lで示されることになる。
【0177】
こうして、実測しなくてもシリンドリカルレンズ1206の焦点距離f、シリンドリカルレンズ群202のレンズ1つ当たりの幅L、レーザー光の波長λが判れば、図5に示したシリンドリカルレンズ501の一つのレンズを通過したビームに現れる干渉ピークの1周期の長さdを求めることができる。
【0178】
なお、図8aに示す配置の光学系を採用した場合、シリンドリカルレンズ501を通過したビームは球面波となり、上述した数式は完全には成立しない。
【0179】
この場合は、計算機を用いた数値計算により、dを値を算出することになる。
【0180】
しかし、シリンドリカルレンズ501の焦点距離fとシリンドリカルレンズ群202の焦点距離との和がシリンドリカルレンズ501とシリンドリカルレンズ群202との間隔に近ければ、上述した数式により求めたdを利用することができる。
【0181】
〔実施例4〕
本実施例では、上記方法により得られた多結晶珪素膜を利用してTFTを作製する例を示す。
【0182】
上記の多結晶珪素膜をパターニングすることで、TFTの活性層パターンを形成する。この活性層パターンには、チャネル形成領域高抵抗領域が形成される。活性層を形成後、ゲイト絶縁膜として酸化珪素膜をプラズマCVD法により100nmの厚さに成膜する。
【0183】
次にチタン膜をスパッタ法により400 nm の厚さに成膜する。そして、このチタン膜をパターニングすることにより、ゲイト電極を得る。さらに、陽極酸化法により、チタン膜パターンの露呈した表面に陽極酸化膜を200nmの厚さで形成する。
【0184】
この陽極酸化膜はゲイト電極の表面を電気的及び物理的に保護する機能を有している。また、後の工程において、チャネル領域に隣接してオフセット領域と称される高抵抗領域を形成するために機能する。
【0185】
次に、ゲイト電極、及び、その周囲の陽極酸化膜をマスクとして燐のドーピングを行う。この燐は、ソース、ドレイン領域を決定する為のドーパントとしての役割をになう。
【0186】
燐のドーピングを行うことで、ソース、ドレイン領域が自己整合的に形成される。リンのドーズ量は本実施例では、5×1014ions/cm2 のドーズをイオンドーピング装置を用いて導入した。次にレーザーにより、燐を活性化させる。レーザーは実施例1で示した方法で照射した。レーザービームのエネルギー密度は、200mJ/cm2 程度とした。なお、本工程における適当なエネルギー密度は、レーザーの種類や照射の方法、半導体膜の状態により異なるので、それに合わせて調整する。レーザーの照射により、ソースドレイン領域のシート抵抗は1KΩ/□まで下がった。
【0187】
次に、層間絶縁膜として、窒化珪素膜をプラズマCVD法によって150nmの厚さに成膜し、更にアクリル樹脂膜を成膜する。アクリル樹脂膜の膜厚は、最少の部分で700nmとなるようにする。ここで樹脂膜を用いるのは、表面を平坦化する為である。
【0188】
アクリル以外には、ポリイミド、ポリアミド、ポリイミドアミド、エポキシ等の材料を用いることができる。この樹脂膜は多層膜として構成しても良い。
【0189】
次に、コンタクトホールの形成を行い、ソース電極、ドレイン電極を形成する。こうして、Nチャネル型TFTが完成する。本実施例では燐をソースドレイン領域に導入したのでNチャネル型TFTが作製されたが、Pチャネル型を作製するのであれば、燐に変えてボロンをドーピングすればよい。
【0190】
本発明を利用して作製されたTFTを使って、例えば、液晶ディスプレイを作製した場合、従来と比較してレーザーの加工あとが目立たないものができた。
【0191】
【発明の効果】
本発明により、分割再結合によりレーザービームを均質化したレーザービームによるレーザーアニールの効果の面内均質性を大幅に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 線状レーザーによりレーザー結晶化された珪素膜の写真。
【図2】 従来例における線状レーザーを形成する光学系と光路図。
【図3】 従来例の光学系が形成する線状レーザービーム内の光干渉の図解。
【図4】 従来例の光学系が形成する線状レーザービーム内の光干渉の様子を示す図。
【図5】 実施例における線状レーザーを形成する光学系と光路図。
【図6】 実施例における線状レーザーを形成する光学系と光路図。
【図7】 光干渉を目立たなくするする干渉縞の重ね合わせ方を示す図。
【図8】 平面波をつくる光学系配置と球面波をつくる光学系配置の違いを示す図。
【図9】 実施例におけるレーザー照射システムを示す図。
【図10】実施例におけるレーザーアニール装置の上面図。
【図11】凹凸混合シリンドリカルレンズとマルチフェイズレンズの例を示す図。
【図12】干渉縞のピッチdを計算で求めるために必要なパラメータを示す図。
【図13】干渉縞のピッチdを計算で求めるために必要なパラメータを示す図。
【図14】実施例における線状レーザーを形成する光学系と光路図。
【符号の説明】
201 レーザー発振装置
202 レーザー光分割のためのシリンドリカルレンズ群
203 レーザー光分割のためのシリンドリカルレンズ群
204 レーザー光、再結合のためのシリンドリカルレンズ
205 スリット
206 レーザー光、再結合のためのシリンドリカルレンズ
207 ミラー
208 線状ビームを集光するためのシリンドリカルレンズ
209 従来の線状レーザービーム
301 従来の線状レーザービーム
302 光干渉の強度ピーク
501 レーザー光、再結合のためのシリンドリカルレンズ
502 光干渉のピークがビーム内で分散化した線状レーザービーム
901 光学系902に入射するレーザー光の方向を調整するミラー
902 光学系
903 移動機構
904 基板
905 台
906 走査方向変更装置
1001 基板搬送室
1002 アライメント室
1003 カセット
1004 ロボットアーム
1005 ロード/アンロード室
1006 レーザー照射室
1201 シリンドリカルレンズ群202を構成するレンズ中、中央のレンズに隣接する2つのレンズ
1202 シリンドリカルレンズ群202を構成するレンズ中、線対称な位置にある2つのレンズ
1203 シリンドリカルレンズ群202を構成するレンズ中、線対称な位置にある2つのレンズ
1204 照射面
1205 レーザー光の波面の1つ
1206 シリンドリカルレンズ501の個々のレンズを互いにずらし合っていない状態にあるシリンドリカルレンズ。
1207 シリンドリカルレンズ1206の個々のレンズを互いにずらし合う方向を示す矢印。
1401 マルチフェイズレンズ

Claims (8)

  1. 縦方向に光をN(n′−1)分割するための第1のシリンドリカルレンズ群、光を横方向に(2n+1)分割するための第2のシリンドリカルレンズ群、前記横方向に分割された光を(n′−1)個に結合し、かつ前記(n′−1)個の光を横方向にd/(n′−1)ずつ互いにずらして重ね合わせるための(n′−1)個の第1のシリンドリカルレンズ、及び前記縦方向に分割された光を結合させるための第2のシリンドリカルレンズを少なくとも有する光学系を通して、レーザー発振器からのレーザービームを前記横方向に長手形状を有する線状のビームにし、
    前記線状のビームを走査しながら被照射物に照射するレーザー処理方法であって、
    前記線状のビームを、前記線状のビームの幅方向に対して斜めに走査し、
    前記Nは自然数であり、
    前記nおよびn′は、3≦n′≦nの範囲にある整数であり、
    前記dは、前記(n′−1)個の第1のシリンドリカルレンズを構成するレンズの一つを通過するビームが照射面において形成する干渉縞のピークの間隔として定義されることを特徴とするレーザー処理方法。
  2. 縦方向に光をN(n′−1)分割するための第1のシリンドリカルレンズ群、光を横方向に(2n+1)分割するための第2のシリンドリカルレンズ群、前記横方向に分割された光を(n′−1)個に結合し、かつ前記(n′−1)個の光を横方向にd/(n′−1)ずつ互いにずらして重ね合わせるための(n′−1)個の第1のシリンドリカルレンズ、及び前記縦方向に分割された光を結合させるための第2のシリンドリカルレンズを少なくとも有する光学系を通して、レーザー発振器からのレーザービームを前記横方向に長手形状を有する線状のビームにし、
    前記線状のビームを走査しながら被照射物に照射するレーザー処理方法であって、
    前記線状のビームを、前記線状のビームの幅方向に対して斜めに走査し、
    前記Nは自然数であり、
    前記nおよびn′は、3≦n′≦nの範囲にある整数であり、
    前記dは、λを前記レーザービームの波長とし、fを前記第1のシリンドリカルレンズの焦点距離とし、Lを前記第2のシリンドリカルレンズ群を構成する一つのレンズの幅として、d=λf/Lで示されることを特徴とするレーザー処理方法。
  3. 縦方向に光をN(n′−1)分割するための第1のシリンドリカルレンズ群、光を横方向に(2n)分割するための第2のシリンドリカルレンズ群、前記横方向に分割された光を(n′−1)個に結合し、かつ前記(n′−1)個の光を横方向にd/(n′−1)ずつ互いにずらして重ね合わせるための(n′−1)個の第1のシリンドリカルレンズ、及び前記縦方向に分割された光を結合させるための第2のシリンドリカルレンズを少なくとも有する光学系を通して、レーザー発振器からのレーザービームを前記横方向に長手形状を有する線状のビームにし、
    前記線状のビームを走査しながら被照射物に照射するレーザー処理方法であって、
    前記線状のビームを、前記線状のビームの幅方向に対して斜めに走査し、
    前記Nは自然数であり、
    前記nおよびn′は、3≦n′≦nの範囲にある整数であり、
    前記dは、前記(n′−1)個の第1のシリンドリカルレンズを構成するレンズの一つを通過するビームが照射面において形成する干渉縞のピークの間隔として定義されることを特徴とするレーザー処理方法。
  4. 縦方向に光をN(n′−1)分割するための第1のシリンドリカルレンズ群、光を横方向に(2n)分割するための第2のシリンドリカルレンズ群、前記横方向に分割された光を(n′−1)個に結合し、かつ前記(n′−1)個の光を横方向にd/(n′−1)ずつ互いにずらして重ね合わせるための(n′−1)個の第1のシリンドリカルレンズ、及び前記縦方向に分割された光を結合させるための第2のシリンドリカルレンズを少なくとも有する光学系を通して、レーザー発振器からのレーザービームを前記横方向に長手形状を有する線状のビームにし、
    前記線状のビームを走査しながら被照射物に照射するレーザー処理方法であって、
    前記線状のビームを、前記線状のビームの幅方向に対して斜めに走査し、
    前記Nは自然数であり、
    前記nおよびn′は、3≦n′≦nの範囲にある整数であり、
    前記dは、λを前記レーザービームの波長とし、fを前記第1のシリンドリカルレンズの焦点距離とし、Lを前記第2のシリンドリカルレンズ群を構成する一つのレンズの幅として、d=λf/Lで示されることを特徴とするレーザー処理方法。
  5. 請求項1乃至請求項のいずれか1項において、
    前記被処理物は半導体膜であることを特徴とするレーザー処理方法。
  6. 請求項1乃至請求項のいずれか1項において、
    前記被処理物は非晶質珪素膜であり、前記線状のビームを照射することにより、前記非晶質珪素膜を結晶化させることを特徴とするレーザー処理方法。
  7. 請求項1乃至請求項のいずれか1項において、
    前記被処理物はドーパントが添加された珪素膜であり、前記線状のビームを照射することにより、前記添加されたドーパントを活性化することを特徴とするレーザー処理方法。
  8. 請求項1乃至請求項のいずれか1項において、
    前記レーザービームはエキシマレーザービームであることを特徴とするレーザー処理方法。
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