JP4056627B2 - 着色層付き透明樹脂板と金属との接合構造 - Google Patents

着色層付き透明樹脂板と金属との接合構造 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両用窓材の一部に着色層を有する透明樹脂板、さらに詳しくは自動車、建設機械等のウインドガラス、サンルーフ、ラトカバーや、車両用窓等に代用される、ハードコート処理されかつ周縁部に着色層を有する透明樹脂板と、金属枠体との接合構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、透明性の高いアクリル系樹脂やポリカ−ボネ−ト樹脂等からなる透明樹脂板は、耐衝撃性、軽量性、易加工性等の点から、広範な分野でガラスの代替材料として用いられており、しかもこれら透明樹脂板は、多くの場合、本来の表面硬さの不足を補う目的で、シリコーン系樹脂等によるハードコート処理が施されており、耐擦傷性の向上がなされているとともに、耐候性、耐汚染性等にも優れたものとされている。
【0003】
一方、上記のようにハードコート処理をされた透明樹脂板を、ガラスの代替材料として、例えば自動車のウインドに用いる場合には、ガラス材料と同様に、材料の周縁部をウインドの金属枠体に直接接合する手段がしばしば採用され、当該接合部を外部から隠す目的で、殆どの場合前記周縁部を黒色塗料等によって塗装が施されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記のようにハードコート処理をされた透明樹脂板の表面は、親水性に乏しく化学的に安定であるから、金属製の窓枠に接着剤で直接接合することは容易ではなかった。
【0005】
そこで、この点を改良するために、例えば特公平7−106613号公報には、接着剤としてウレタン系接着剤を用い、前記透明樹脂体を前記窓枠に接合する手段が提案されている。この場合、前記透明樹脂体のハードコート面とウレタン系接着剤との間にはシラン系ないしはポリイソシアネート系プライマー層が介在される。
【0006】
しかし、上記の接合手段によれば、ハードコート処理をされた透明樹脂板と金属製の枠体とはある程度までの接着強度(4.0〜4.5MPa)は確保できるのであるが、実用上はまだ十分な接着強度に達しているとまではいえない。とくに、近年においては、より広範囲の用途に適用され、使用形態も大型化するとともに、厳しい使用環境(急激な温度変化、高荷重、激しい振動、繰返し負荷等に置かれた環境)で使用されるケースが増えてきている。因みに、JASO規格M338−89には、凝集破壊は1.5MPa以上であることが規定されているが、実用上からは、この基準をより大きく上回る接着強度が要求されるのが実情である。
【0007】
また、上記提案のものでは、一方において、ハードコート処理に先立ち、適用する自動車等の窓枠に合わせて透明樹脂板を平板のまま、窓枠の周縁相当部分に、スクリーン印刷を適用して黒色インクを印刷できるという工程上の利点がある反面、ハードコート処理に際し必要となるプライマー処理液が、黒色インクにより汚染され易く、かかる工程を採用すれば、製品の透明部分や、透明部分と黒色インクとの境界部分に汚れが除去されずに残り、外観品質の低下を招くおれがあるという欠点がある。なお、この提案における黒色インクの印刷手段は、既に特公平7−25910号公報に開示されているものであり、透明樹脂成形体の上にビニル・アクリル樹脂系、ビニル・メタクリル樹脂系、変性ポリエステル樹脂系のうちから選ばれた少なくとも1種の着色層を設け、この着色層とハードコート層との間にポリメチルメタクリレート系プライマー層を介在させるものである。
【0008】
これに対し、予めハードコート処理が施された透明樹脂板に、爾後に黒色塗料を塗装するという手段が、特開平9−47721号公報等により開示されている。この塗装手段は、着色層としてシリコーン変性アクリル樹脂を用いこれを直接ハードコート層に塗装する手段である。この塗装手段によれば、既にハードコート処理を施された透明樹脂板の上に、着色層を直接設けるのであるから、透明樹脂板とハードコート層との間に介在されるプライマー層を形成する処理液は、黒色塗料に直接接触することがないから汚染されることがなく、その結果、汚れによる製品の外観品質の低下を招くなどというおそれは全くない。
【0009】
この発明は、上述のような技術背景の下になされたものであって、予めハードコート処理された透明樹脂板に、特定の樹脂系着色層を設ける公知の技術を利用しつつ、前記着色層が形成されてた部分において、透明樹脂板と金属とを、弾性接着剤により高い接着強度を発現させ、同時に隠蔽機能を付与させ得る、着色層付き透明樹脂板と金属との接合構造を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、予め表面にシリコ−ン系ハ−ドコ−ト層が形成された透明樹脂板の一部に、シリコーン変性アクリル樹脂を主原料とする着色塗料を用いて所定の着色層を形成し、その着色層形成部分において、前記透明樹脂板と金属とを弾性接着剤を介して接合すれば、接着強度が高く、かつ汚れのない外観品質の高い透明樹脂板と金属との接合構造が得られることを見出だし、完成した。
【0011】
すなわち、この発明は、表面にシリコ−ン系ハ−ドコ−ト層が形成され、該ハードコート層の表面の一部にシリコーン変性アクリル樹脂系着色層が形成されてなる着色層を有する透明樹脂板と、金属とが、前記着色層が形成された部分において弾性接着剤を介して接着されてなることを特徴とする着色層付き透明樹脂板と金属との接合構造を要旨とする。
【0012】
すなわち、この発明の構成上の要点は、
第1に予め表面にシリコ−ン系ハ−ドコ−ト層が形成された透明樹脂板を用いること、
第2にハ−ドコ−ト層を有する前記透明樹脂板の表面の一部に形成される着色層がシリコーン変性アクリル樹脂からなる着色塗料からなるものであること、
第3に前記着色層が形成された部分において弾性接着剤を介して前記透明樹脂板と金属とが接合されること、
に集約される着色層付き透明樹脂板と金属との接合構造である。
【0013】
この発明において用いられる透明樹脂板は、アクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂より選ばれた単一の樹脂によって板状に成形されたものである。
【0014】
また、前記透明樹脂板の表面に形成されるシリコーン系ハードコート層は、RSi(OH)3 (Rは炭素数1乃至3のアルキル基、ビニル基、3・3−トリフルオロプロピル基、γ−アミノプロピル基、γ−メタクリロキシプロピル基、及びγ−グリシドキシプロピル基からなる群より選ばれる基)の部分縮合物とコロイダルシリカとを含むコート層より構成される。
【0015】
さらに、ハ−ドコ−ト層が形成された前記透明樹脂板の、該ハードコート層の表面の一部に形成されるシリコーン変性アクリル樹脂系着色層の厚さは、10μm乃至100μmの範囲を好適範囲とする。
【0016】
さらにまた、前記透明樹脂板と前記ハ−ドコ−ト層との間にプライマー層を介在させる場合は、プライマー層は、例えばアクリル系溶剤型プライマー処理液からなるものが適している。
【0017】
つぎに、この発明の好適な実施態様について述べると、前記弾性接着剤がウレタン系弾性接着剤であり、かつ前記着色層との間にウレタン系プライマーまたはシラン系プライマーを介して接着されてなる着色層付き透明樹脂板と金属との接合構造である。
【0018】
前記弾性接着剤は、一般に車両用窓材の金属枠体と透明樹脂板を接合させる際に使用される接着剤であり、ウレタン系接着剤のほかポリサルファイド系接着剤等も適用可能である。
【0019】
また、上述のように、着色層が形成された部分において弾性接着剤を介して透明樹脂板と金属とを接合する際には、接着強度をさらに高めるためにプライマーを塗布することが望ましい。プライマーとしては、ウレタン系プライマーやシラン系プライマーが好適である。
【0020】
上述のように、この発明においては、従来の接合構造のように、透明樹脂板をハードコート処理をする前に黒色塗料を塗装し、ついでハードコート処理液を該塗装面を含めて塗布することによりハードコート層の内側に着色層を封じ込むようにハードコート処理を施すものとは異なり、予めハードコート処理が施された透明樹脂板のシリコーン系ハードコート層の上面に、該ハードコート層との接着性及び弾性接着剤との接着性の高い、シリコーン変性アクリル樹脂からなる黒色塗料を塗装するものであるから、シリコーン系ハードコート層の上面に黒色塗料を強固に形成させ得るとともに、前記黒色塗料と弾性接着剤及び弾性接着剤と金属が、それぞれ強固に接合された構造となる。また、この構成によればハードコート処理液を汚染することも全くない。
【0021】
【発明の実施の形態】
まず、この発明の着色層付き透明樹脂板と金属との接合構造における基本的な実施形態を、図面に従って説明する。図1において、(1)は透明樹脂板であり、その両面にシリコーン系ハードコート層(2)(2)が形成されているとともに、片面側のハードコート層(2)の表面の一部にシリコーン変性アクリル樹脂系着色層(3)が形成されている。(4)は金属であり、前記透明樹脂板(1)の片側上面に形成されたシリコーン変性アクリル樹脂系着色層(3)に対面した位置で、ウレタン系プライマー層(5)とウレタン系接着剤(5A)を介して前記透明樹脂板(1)と接合された構造とされている。
【0022】
図1に示す基本的な実施形態を、具体例に基づいて説明すると、例えば自動車のフロントウインドやリヤウインドに適用される場合では、図2に示すように、所定形状にトリミングされた、両面にハードコート層(2)(2)を有する透明樹脂板(1)の周縁部に沿って、一定幅の黒色のシリコーン変性アクリル樹脂系着色層(3)が塗装される。(4)は前記ウインドを一体的に接合する金属製の枠体で、例えばメラミンアルキッド系、メラミンアクリル系、ポリエステルメラミン系等の樹脂塗料が塗装されたものであり、該枠体(4)と透明樹脂板(1)の周縁部に形成された着色層(3)との間に、ウレタン系プライマー(5)とウレタン系接着剤(5A)を介在させ、かつ該接着剤(5A)が前記着色層(3)からはみ出ることなく隠された状態で介在されることにより接合された構造とするのである。
【0023】
なお、自動車用ウインド等の実際の接合構造においては、上述の基本的な実施形態に加え、さらに前記弾性接着剤の側面を覆う態様で、ダムラバーやモールが配置された構造(図示省略)とされるのが一般的である。
【0024】
ここで、透明樹脂板(1)の樹脂材料としては、前述のようにアクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂より選ばれた単一の樹脂によって板状に成形されたものであり、その厚さは用途によって任意に決定されるが、一般に2mm乃至8mm程度のものである。
【0025】
また、この発明において、前記透明樹脂板(1)と、その両面に形成するハードコート層(2)(2)との間には、通常プライマー層を介在させるが、それにはとくに制約はなく、樹脂材料(1)とシリコーン系ハードコート層(2)に適合するものであればどのような種類のものであってもよい。例えば、透明樹脂板(1)がポリカーボネート樹脂からなる場合は、アクリル系溶剤型プライマーが好適である。なお、該プライマー中には必要に応じて架橋剤、紫外線吸収剤等の添加剤を適宜配合してもよい。
【0026】
さらに、前記ハードコート層(2)(2)の厚さは、1μm乃至5μm程度とされたものがよく、薄過ぎては耐擦傷性の効果が得られず、また厚過ぎてもさらなる効果は得られず不経済である。
【0027】
つぎに、シリコーン変性アクリル樹脂系着色層(3)としては、該樹脂系塗料の好適な市販品として、例えばトウペ社製の商品名「シリコンワイド#500上塗り」を用いることができる。
【0028】
前記シリコーン変性アクリル樹脂系着色層(3)に配合される着色剤としては、カーボンブラック、その他の無機顔料、及び有機顔料で、シリコーン変性アクリル樹脂との分散性、湿潤性のあるものを用いることができ、その配合量はシリコーン変性アクリル樹脂100重量部に対して5重量部乃至200重量部程度とする。
【0029】
また、シリコーン変性アクリル樹脂系着色層(3)の厚さは10μm乃至100μm程度、特に好ましくは15μm乃至30μmの範囲であり、薄過ぎては隠蔽力に乏しく、厚過ぎても不経済である。
【0030】
この発明のシリコーン系ハードコート層(2)(2)を有する透明樹脂板(1)を製造するには、透明樹脂板(1)の両面に、要すればプライマー処理液を塗布し乾燥してプライマー層を形成した上に、シリコーン系ハードコート液を塗布し、熱風乾燥等によって硬化させることにより前記ハードコート層(2)(2)を形成する。
【0031】
ついで、透明樹脂板(1)の片面のシリコーン系ハードコート層(2)の表面にシリコーン変性アクリル樹脂系着色層(3)を形成するが、その手段は、透明樹脂板(1)を予め所定の形状にトリミングするか、またはトリミングすることなく、前記シリコーン系ハードコート層(2)の表面の塗装不要部分をマスキングした後、前記着色塗料を、主にスプレー塗装、刷毛塗り、ローラー塗装、フローコータ塗装等により塗装し常温放置または加熱処理して硬化させる手段を採用することができるが、さらに必要に応じスクリーン印刷も適用可能である。
【0032】
【実施例】
つぎに、この発明の実施例を比較例とともに説明する。なお、以下の実施例1〜8及び比較例1〜4において対象とした着色層付き透明樹脂板と金属との接合構造は、その構造形態が概ね図2に示した自動車のリヤウインドないしはサンルーフ等の着色層付き透明樹脂板と金属との接合構造体を想定して作成した試験試料により、接着強度を測定して接合力を評価し、また目視検査により汚染の有無を観察して外観品質を評価した。なお、各測定試料として用いる使用材料については以下に説明する。
【0033】
<透明樹脂板>
S1:両面にシリコーン系ハードコート層を形成した厚さ5mmのポリカーボネート樹脂板の片面に黒色のシリコーン変性アクリル樹脂系着色層(トウペ製、「シリコンワイド#500上塗り」、厚さ20μm)を一部に形成した樹脂板。
S2:両面にシリコーン系ハードコート層を形成した厚さ5mmのポリメチルメタクリル樹脂板の片面に黒色のシリコーン変性アクリル樹脂系着色層(トウペ製、「シリコンワイド#500上塗り」、厚さ20μm)を一部に形成した樹脂板。
S3:両面にシリコーン系ハードコート層を形成した厚さ5mmのポリカーボネート樹脂板状体。但し、この透明樹脂板は、従来構造の樹脂板状成形体とハードコート層との間に、着色層が形成されたものを想定したものであるが、接着強度測定用材料には着色層を形成しないものを、また目視検査用材料には実際に着色層(東洋インキ製造社製、塩ビ酢ビ・アクリル樹脂系「SS8−コンク911墨」、厚さ10μm)を形成したものを用いた。
【0034】
<金属>
M1:厚さ35μmのメラミンアルキッド系塗装膜が表面に形成された厚さ1mmの鋼板(SS41)。
M2:厚さ20μmのアクリルメラミン系塗装膜が表面に形成された厚さ1mmの鋼板(SS41)。
【0035】
<接着剤>
D1:ウレタン系接着剤[サンライズMSI社製「SRシールU90」]
D2:ウレタン系接着剤[横浜ゴム社製「ウレタンシーラントWS−55−CX」]
D3:ウレタン系接着剤[サンスター技研社製「ベターシール551」]
【0036】
<プライマー>
P1:[サンライズMSI社製「プライマー65」]
−ウレタン系プライマー
P2:[サンライズMSI社製「プライマー35」]
−シラン系プライマー
P3:[横浜ゴム社製「プライマーRS−2」]
−ポリイソシアネート系プライマー
P4:[横浜ゴム社製「プライマーGC−20」]
−シラン系プライマー
P5:[横浜ゴム社製「プライマーGS−8」]
−ポリイソシアネート系プライマー
P6:[サンスター技研社製「プライマー435−95」]
−ポリイソシアネート系プライマー
P7:[サンスター技研社製「プライマー435−40」]
−シラン系プライマー
【0037】
[接着強度試験]
試験試料の作成について述べると、図3に示すように、透明樹脂板(1)と金属板(4)とを、大きさ120mm×25mmの長方形の切片とし、両切片の短辺側端部より内方15mmから25mmまでの10mm幅部分に、短辺に平行な厚さ5mmの接着剤(5A)の層を介在させ両切片を接合することにより作成した。この場合、実施例における透明樹脂板(1)側の接着剤(5A)面と、シリコーン変性アクリル樹脂系着色層(3)との間にはウレタン系プライマーまたはシラン系プライマー(5)が介在される。
【0038】
上記各試験試料の使用材料は、実施例別及び比較例別にして表1に示した。なお、プライマーは、透明樹脂板(1)側に塗布する場合はS面、金属板(4)側に塗布する場合はM面、両者に塗布する場合はS、M両面と記載し、またプライマーを混合して用いる場合は例えばP4+P5のように記載した。
【0039】
【表1】
Figure 0004056627
【0040】
また、試験方法及び試験条件は、下記のとおりとした。
【0041】
<試験方法>
前記試験試料の接着強度の測定を、剪断強度の測定により求めるものとし、島津製作所社製の定クロスヘッド速度短軸引張試験機(オートグラフAG−5000C)を使用し、引張速度200mm/minの測定条件で試験し、試料数5個の測定値の平均の値を採用した。
<試験条件>
試験試料は下記の4水準の状態調節を行い、各状態別に測定した。
条件1=常態強度:試料作成後、室温で168時間放置後測定。
条件2=耐熱強度:試料作成後、室温で168時間、ついで90℃の条件下で336時間放置し、さらに常温下で1時間放置後測定。
条件3=耐水強度:試料作成後、室温で168時間、ついで40℃の水中に336時間浸漬した後、常温下で1時間放置後測定。
条件4=促進耐候強度:試料作成後、室温で168時間放置し、ついでサンシャインウエザーメータにより2000時間の耐候劣化促進テストを負荷したのち、常温下で1時間放置後測定。
【0042】
各試験片の剪断強度の測定値は、表2に示すとおりであり、各測定値による評価基準を、5.5MPa以上は良好とし、5.5MPa未満は不良として評価すると、実施例8を除く全ての実施例は良好であり、比較例は全て不良であった。なお、実施例8については、プライマーを用いないものであったが、同じくプライマーを用いない比較例4に比べて、各段に強度の高いものであった。
【0043】
【表2】
Figure 0004056627
【0044】
[目視検査]
主として、実施例1の試験試料と同様の材料構成としたこの発明の実施例による試料と、透明樹脂板の上に設けた塩ビ酢ビ・アクリル樹脂系着色層と、さらに該着色層の上のハードコート層との間にポリメチルメタクリレート系プライマー層を介在させて得た透明樹脂板を用いる以外は比較例の試験材料と全く同様の材料構成による比較例の試料とを、図2に示す自動車用ウインドに形成し、透明樹脂板の着色層と非着色層の境界付近において着色層の塗料に起因する汚染が内在するか否かを目視検査した。
【0045】
その結果、この発明の実施例1に準じたものは、ハードコート層に全く汚染が内在せず、外観品質が良好なものであったが、比較例1に準じたものは、着色層と非着色層の境界付近のハードコート層に僅かに汚染が認められ、外観品質が劣るものであった。
【0046】
【発明の効果】
以上のように、この発明の着色層付き透明樹脂板と金属との接合構造は、表面にシリコ−ン系ハ−ドコ−ト層が形成され、該ハードコート層の表面の一部にシリコーン変性アクリル樹脂系着色層が形成されてなる着色層を有する透明樹脂板と、金属とが、前記着色層が形成された部分において弾性接着剤を介して接着されてなる接合構造としたから、着色層付き透明樹脂板と金属との接合力、とりわけ着色層付き透明樹脂板と弾性接着剤との界面の剪断強度が向上するという効果がある。
【0047】
また、この発明においては、前記弾性接着剤がウレタン系弾性接着剤であり、かつ前記着色層との間にウレタン系プライマーを介して接着されてなる接合構造としたから、着色層付き透明樹脂板と弾性接着剤との界面の剪断強度の向上をさらに高めることができるという利点がある。
【0048】
さらに、この発明によれば、透明樹脂板の透明部分において、特に着色層と非着色層の境界付近のハードコート層において汚染を内在しない、外観品質に優れた着色層付き透明樹脂板と金属との接合構造が得られるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の着色層付き透明樹脂板と金属との基本的な接合構造の実施形態を示す部分断面図である。
【図2】 この発明の実施形態の具体例を示す部分断面斜視図である。
【図3】 実施例における剪断試験測定用の試験試料を示す斜視図である。
【符号の説明】
1…透明樹脂板
2…ハードコート層
3…シリコーン変性アクリル樹脂系着色層
4…金属
5…ウレタン系プライマー
5A…ウレタン系接着剤

Claims (1)

  1. 表面にシリコーン系ハードコート層が形成され、該ハードコート層の表面の一部にシリコーン変性アクリル樹脂系着色層が形成されてなる着色層を有する透明樹脂板と、金属とが、前記着色層が形成された部分においてウレタン系弾性接着剤を介して接着されてなり、
    前記ウレタン系弾性接着剤は、前記着色層との間にウレタン系プライマーまたはシラン系プライマーを介して接着されてなることを特徴とする着色層付き透明樹脂板と金属との接合構造。
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