JP4056265B2 - メダル貸し出し機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技場においてメダルを遊技媒体とする遊技機の側方に設置して使用され、付加価値媒体が投入されることに応じてメダルを所定枚数払い出すメダル貸し出し機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
遊技場において、スロットマシンと呼ばれる遊技機の側方には、付加価値媒体が投入されることに応じてスロットマシンの遊技媒体であるメダルを貸し出す、いわゆるメダル貸し出し機が設置されている。付加価値媒体とは、紙幣・硬貨・プリペイドカード・ICカード・クレジットカードなどであり、遊技者がメダルを借り受けるために必要な価値媒体である。なお、遊技者が付加価値媒体によってメダルを購入することも可能であるが、現在の遊技場においてはメダルを借り受けることが一般的であるので、以下の説明ではメダルは貸し出されるものとして説明を行う。また、現在の遊技場において用いられる付加価値媒体としては紙幣が一般的であるので、以下の説明では付加価値媒体の例として紙幣を用いて説明を行う。
【0003】
現在、スロットマシンを設置する多くの遊技場において、遊技者が遊技に用いるメダルを借り受けるために、スロットマシンの側方に設置されたメダル貸し出し機の紙幣投入口に所定の金額の紙幣を投入すると、これに応じて所定枚数のメダルがメダル貸し出し機の本体前面に設けられたメダル払い出し口より払い出される。メダルを貸し出すメダル貸し出し機がスロットマシンの側方に設置されることで、遊技者は席を立たなくても、メダル貸し出し機から払い出されたメダルを用いてスロットマシンで遊技を行うことができるようになるので、遊技者は遊技を中断する時間を短くできる。また、遊技場の運営者にとっては、メダル貸し出し機をスロットマシンの側方に設置することによって、遊技者の時間当たりの遊技回数が増加することは収益の増加につながる。
【0004】
メダル貸し出し機の多くは、メダル貸し出し機の本体に内蔵されたホッパー装置にメダルを供給するために、メダルを本体内に多量に貯蔵するメダル供給箱を備えている。この場合、メダル貸し出し機内のメダルが少なくなったときには、遊技場の係員などによって、メダルの補給がメダル供給箱に対して行われる。したがって、遊技場の係員などによるメダル供給箱へのメダルの補給がメダル貸し出し機の本体前面からできるよう、メダル補給扉がメダル貸し出し機の本体前面に設けられ、ここから容易に補給ができるようになっている。また、メダル貸し出し機の本体に内蔵されたホッパー装置にメダルが詰まった際などには、ホッパー装置前方を遮蔽するパネル扉を本体から取り外すことによって、容易にメンテナンスが行えるようになっている。しかし、メダル補給扉及びパネル扉は遊技者などによって容易に開閉されてはならないため、メダル補給扉及びパネル扉のそれぞれは施錠できるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、錠は比較的高価なものであり、上記のようにメダル補給扉及びパネル扉の両方に錠を設けた場合には、製造コストが上がってしまうという問題があった。
【0006】
本発明は、上記従来技術の問題を解決するためになされたものであり、メダル補給扉とパネル扉を連結し、一方のみを施錠することによって、両方の扉が開かないようにできるメダル貸し出し機を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のメダル貸し出し機は、投入された付加価値媒体に応じた枚数のメダルを払い出すホッパー装置と、当該ホッパー装置にメダルを供給するメダル供給箱と、これらホッパー装置及びメダル供給箱が収納される外枠とを有するものであって、前記ホッパー装置の前面に位置するように、前記外枠に取り付けられるパネル扉と、前記パネル扉に対して回動可能となるように前記パネル扉の上端部に連結され、前記メダル供給箱にメダルを補給するときに開放されるメダル補給扉と、前記メダル補給扉の上部に配置され、前記外枠の上端部に係止されることで前記メダル補給扉と前記外枠との施錠を行う錠と、前記パネル扉の背面に設けられ、その先端が下方に延出されたL字状の係止片と、前記パネル扉の背面に設けられた係止片に対応するように、前記外枠の内側に設けられた係合棒とを備え、前記パネル扉は、前記係止片を前記係合棒に係合させた後、前記錠による前記メダル補給扉と前記外枠との施錠を行うことで前記外枠から取り外すことが不能となり、前記錠による施錠を解錠したメダル補給扉を開放した後、前記パネル扉を上方に移動させることで前記係止片と前記係合棒との係合が解除され、前記パネル扉及び前記メダル補給扉を前記外枠から取り外すことが可能になるものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明を用いたメダル貸し出し機2は、図1に示すようにスロットマシン3の側方に設置されて使用される。メダル貸し出し機2の本体4の前面上部において樋状のノズル5が略水平方向に回動自在に支持されている。ノズル5は本体4で払い出されたメダルをメダル投入口6まで案内するものであり、樋の内側をメダルが転動または滑落できるように斜め下方向に充分な斜度をもっている。なお、本発明におけるメダル貸し出し機はノズルを備えていなくとも良い。ノズルを備えずに、例えば、本体前面に受け皿を設けて、払い出されたメダルが受け皿に貯留されるようにしても良い。
【0009】
図2に、メダル貸し出し機2の本体4の外観および内部構造の概略を示す。本体4の前面下部には、所定の紙幣、例えば千円札を投入する紙幣投入口11が設けられた開閉扉12が設けられている。開閉扉12は、錠13によって施錠され、容易に開閉がなされないようになっている。本体4の内部であって、紙幣投入口11の後部には、紙幣投入口11より投入された紙幣を収納するスペースを備えた紙幣識別装置14が配設されている。紙幣識別装置14では、投入された紙幣の真偽の判別や金種の判別を行い、有効な紙幣を識別したときには、紙幣を内部に取り込んで収納し、有効な紙幣の投入があったことを本体4内部下方に配設されている制御装置15に電気信号として入力する。無効な紙幣を識別したときにはその紙幣を紙幣投入口11から返却する。紙幣識別装置14に収納された紙幣は、開閉扉12を開くことによって取り出すことができる。なお、本体4の外部から紙幣の自動回収装置を接続した場合には、紙幣識別装置14に取り込まれた紙幣は外部に運び出されて、外部にて収納されるので、開閉扉12を開いて紙幣を取り出さなくとも良い。
【0010】
なお、付加価値媒体として紙幣ではないものを用いる場合は、紙幣識別装置14の変わりに、価値媒体に合わせた識別装置を適宜設ければ良い。例えば、ICカードを用いる場合は、ICカードが有効であるか否かを識別し、ICカード内の記録情報を適宜書き換える装置をメダル貸し出し機の本体内に設ければ良い。
【0011】
本体4の前面上部には、回動孔16及びノズル5が設けられた、パネル扉17が着脱自在に設けられている。本体4の内部であってパネル扉17の後部には、ホッパー装置19に供給するためのメダルを貯蔵するメダル供給箱18と、メダルの払い出しを行うホッパー装置19が配設されている。ホッパー装置19に制御装置15から電気信号によるメダル払い出しの指示があったとき、ホッパー装置19はメダルをノズル5の上端部に払い出す。制御装置15は紙幣投入口11に投入された紙幣に応じて所定枚数のメダルが払い出されるようにホッパー装置19にメダル払い出しの指示を出す。投入された紙幣と払い出すメダルの枚数との対応は、例えば千円札1枚の投入に応じてメダル50枚を払い出すというように適宜決めて良い。メダル補給扉21はパネル扉17に上下方向に回動自在に連結されており、この回動により開閉が行われる。ホッパー装置19のメンテナンスなどを行う際には、錠20の施錠を解除して、メダル補給扉21と共にパネル扉17を本体から取り外して行うことができる。
【0012】
制御装置15の前面には、表示部22が設けられている。表示部22には、制御装置15の表示動作制御によってメダル貸し出しの可否やメダルの払い出し枚数などが表示される。
【0013】
メダル補給扉21が閉じられて施錠されている場合の、パネル扉17及びメダル補給扉21付近の正面図を図3、側面図を図4に示す。本体4の外枠25は前面を開放された箱体であって、パネル扉17やメダル供給扉21は外枠25の前面を遮蔽して、内部のメダル供給箱18やホッパー装置19に遊技者などが不正に触ることができないようにしている。パネル扉17の後背面の上部には鉤状の上部係止片26が突設されており、パネル扉17の後背面の下部には鉤状の下部係止片27が突設されている。外枠25の内側であってパネル扉17が取り付く位置には、上部係止片26及び下部係止片27と係合する棒が外枠25の左右側面に梁渡されており、上方の上部係合棒28に上部係止片26を、下方の下部係合棒29に下部係止片27をそれぞれ係合させることでパネル扉17は外枠25の前面に固定される。
【0014】
パネル扉17の連結部分には、第1軸受部17aが設けてあり、メダル補給扉21の連結部分には第2軸受部21a及び第3軸受部21bが設けてある。第1軸受部17a及び第2軸受部21a及び第3軸受部21bを同軸上に配置し、第1軸受部17a及び第2軸受部21a及び第3軸受部21bにピン30を貫入することで、パネル扉17とメダル補給扉21との連結がなされる。さらに、第1軸受部17aにおけるピン30とのはめ合いをスキマバメとし、第2軸受部21a及び第3軸受部21bにおけるピン30とのはめ合いをシマリバメとすることで、パネル扉17とメダル補給扉21との連結部分は容易に外れることなく、且つ回動自在となる。なお。パネル扉17とメダル補給扉21との連結部分を容易に外れることなく、且つ、回動自在とするには、第1軸受部17aまたは第2軸受部21aまたは第3軸受部21bのいずれか一つにおけるピン30とのはめ合いをシマリバメとし、他の二つにおけるピン30とのはめ合いをスキマバメとしても良い。
【0015】
メダル補給扉21上部には錠20が貫設されている。メダル補給扉21を閉じて錠20を施錠すると、メダル補給扉21と共にパネル扉17も開かなくなる。錠20を開錠すると、メダル補給扉21は、図5に示すようにパネル扉17とメダル補給扉21との連結部分で回動して開かれ、ここからメダル供給箱18にメダルを補給することができるようになる。さらに、図6に示すように、メダル補給扉21が開かれている状態で、上部係止片26と上部係合棒28との係合を外し、下部係止片27と下部係合棒29との係合を外すと、メダル補給扉21と共にパネル扉17を外枠25の前面から取り外すことができる。
【0016】
上記実施形態においては、パネル扉17を外枠25の前面に固定する方法として上部係止片26及び下部係止片27と、上部係合棒28及び下部係合棒29とをそれぞれ係合する方法を用いたが、外枠に着脱自在であり、且つメダル補給扉を閉じているときにはパネル扉が開かれないものであれば、パネル扉を固定する方法はこれに限られない。
【0017】
【発明の効果】
以上のように、本発明のメダル貸し出し機によれば、メダル補給扉をパネル扉に回動自在に連結したので、錠をメダル補給扉のみに設ければパネル扉も開かないようにすることができ、したがって、パネル扉に錠を設けなくても良いので製造コストを下げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を用いたメダル貸し出し機をスロットマシンの側方に設置した際の外観斜視図である。
【図2】本発明を用いたメダル貸し出し機の外観斜視図である。
【図3】メダル補給扉が閉じられて施錠されている場合の、パネル扉及びメダル補給扉付近の正面図である。
【図4】メダル補給扉が閉じられて施錠されている場合の、パネル扉及びメダル補給扉付近の側面図である。
【図5】メダル補給扉が開かれている場合の、パネル扉及びメダル補給扉付近の側面図である。
【図6】メダル補給扉が開かれ、且つパネル扉が外枠から取り外されている場合の、パネル扉及びメダル補給扉付近の側面図である。
【符号の説明】
2 メダル貸し出し機
3 スロットマシン
4 本体
5 ノズル
11 紙幣投入口
14 紙幣識別装置
15 制御装置
17 パネル扉
18 メダル補給箱
19 ホッパー装置
20 錠
21 メダル補給扉
25 外枠
26 上部係止片
27 下部係止片
28 上部係合棒
29 下部係合棒
30 ピン
Claims (1)
- 投入された付加価値媒体に応じた枚数のメダルを払い出すホッパー装置と、ホッパー装置にメダルを供給するメダル供給箱と、これらホッパー装置及びメダル供給箱が収納される外枠とを有するメダル貸し出し機において、
前記ホッパー装置の前面に位置するように、前記外枠に取り付けられるパネル扉と、
前記パネル扉に対して回動可能となるように前記パネル扉の上端部に連結され、前記メダル供給箱にメダルを補給するときに開放されるメダル補給扉と、
前記メダル補給扉の上部に配置され、前記外枠の上端部に係止されることで前記メダル補給扉と前記外枠との施錠を行う錠と、
前記パネル扉の背面に設けられ、その先端が下方に延出されたL字状の係止片と、
前記パネル扉の背面に設けられた係止片に対応するように、前記外枠の内側に設けられた係合棒とを備え、
前記パネル扉は、前記係止片を前記係合棒に係合させた後、前記錠による前記メダル補給扉と前記外枠との施錠を行うことで前記外枠から取り外すことが不能となり、前記錠による施錠を解錠したメダル補給扉を開放した後、前記パネル扉を上方に移動させることで前記係止片と前記係合棒との係合が解除され、前記パネル扉及び前記メダル補給扉を前記外枠から取り外すことが可能になることを特徴とするメダル貸し出し機。
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2002
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