JP4053207B2 - 成形充填密封打抜装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、成形充填密封打抜装置に係り、より詳しくは、収容部内に所定の内容物が充填され、さらに収容部の周縁部分に対しシール部材が貼付けられることにより内容物が密封された製品を製造するための成形充填密封打抜装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図5,6に示すように、この種の技術における製品71は、一般に、容器72、内容物8及び密封用フィルム12を備えている。容器72は、凹形状をなす収容部7と、該収容部7の上部周縁部分に一体形成されたフランジ部73とからなっている。収容部7内には所定の内容物8が収容されるとともに、フランジ部73の表面には密封用フィルム12が貼付けられている。つまり、収容部7内の内容物8は、密封用フィルム12で密封されている。
【0003】
このような製品71を製造するに際しては、成形充填密封打抜装置が用いられる。その名の通り、成形充填密封打抜装置では、帯状の容器用フィルム2が連続的に移送されるよう構成されており、移送が一旦停止された状態において、容器用フィルム2は成形工程、充填工程、密封工程及び打抜工程を経る。より詳しくは、図7に示すように、成形工程においては、容器用フィルム2が加熱軟化され、図示しない成形装置によって収容部7が形成される。充填工程においては、前記収容部7内に内容物8が充填される。密封工程においては、前記フランジ部73に相当する部位に対し密封用フィルム12が熱融着され、これにより内容物8が密封用フィルム12で密封される。そして、打抜工程においては、収容部7及びフランジ部73を含むようにして所定数の(図では1つの)容器72単位で打ち抜かれる。このように、一連の工程を経ることで、上述した製品71が得られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記技術では、各装置が独立して駆動制御される構成となっている一方で、容器用フィルム2には熱応力が加わることにより、伸び又は収縮が起こりうる。このため、予め所定のタイミングで容器用フィルム2の移送が停止されるような構成となっていたとしても、容器用フィルム2自体の伸び或いは収縮によって、シール位置や打抜位置にばらつきが生じてしまうおそれがあった。その結果、シール位置にばらつきが生じた場合には密封状態が不十分となるおそれがあり、打抜位置にばらつきが生じた場合には、フランジ部73の幅Wにばらつきが生じ、密封不十分或いは外観不良となってしまうおそれがあった。
【0005】
本発明は、上記各事情に鑑みてなされたものであり、フィルムの位置ずれに起因する不具合を抑制することができる成形充填密封打抜装置を提供することを主たる目的の一つとしている。
【0006】
【課題を解決するための手段及びその効果】
上記目的を達成し得る特徴的手段について以下に説明する。また、各手段につき、特徴的な作用及び効果を必要に応じて記載する。
【0007】
手段1.移送可能な帯状のフィルムを加熱軟化させ所定形状を有する容器の収容部を成形する成形装置と、前記収容部に所定の内容物を充填する充填装置と、前記フィルムのうち少なくとも前記収容部の周縁部分に対し、シール部材を貼付けることにより、該シール部材で内容物を密封する密封装置と、前記収容部及びその周縁部分を含むようにして所定数の容器単位で打ち抜く打抜装置とを備えた成形充填密封打抜装置において、前記成形装置又はその近傍に、前記成形とほぼ同時に位置決め用のマーキングを施すマーキング手段を設けるとともに、前記マーキングを検出するためのマーキング検出手段を前記打抜装置又はその近傍に設け、前記マーキング検出手段の検出結果に基づいて前記打抜装置による打抜位置を調整可能としたことを特徴とする成形充填密封打抜装置。
【0008】
手段1によれば、成形装置により、帯状のフィルムが加熱軟化され所定形状を有する容器の収容部が成形される。また、充填装置により、前記収容部に所定の内容物が充填される。さらに、密封装置により、前記フィルムのうち少なくとも収容部の周縁部分に対し、シール部材が貼付けられる。これにより、収容部内の内容物がシール部材で密封されることとなる。そして、打抜装置により、収容部及びその周縁部分を含むようにして所定数の容器単位で打ち抜かれ、製品が得られる。さて、手段1では、成形装置又はその近傍に設けられたマーキング手段により、前記成形とほぼ同時に位置決め用のマーキングが施される。また、打抜装置又はその近傍に設けられたマーキング検出手段によりマーキングが検出される。そして、その検出結果に基づいて打抜装置による打抜位置が調整される。このため、フィルム自身が熱応力により伸び又は収縮を起こしたとしても適正な位置で打ち抜きを行うことが可能となる。その結果、密封不十分或いは外観不良等の各種不具合の発生が抑制される。
【0009】
手段2.移送可能な帯状のフィルムを加熱軟化させ所定形状を有する容器の収容部を成形する成形装置と、前記収容部に所定の内容物を充填する充填装置と、前記フィルムのうち少なくとも前記収容部の周縁部分に対し、シール部材を貼付けることにより、該シール部材で内容物を密封する密封装置と、前記収容部及びその周縁部分を含むようにして所定数の容器単位で打ち抜く打抜装置とを備えた成形充填密封打抜装置において、前記成形装置又はその近傍に、前記成形とほぼ同時に位置決め用のマーキングを施すマーキング手段を設けるとともに、前記マーキングを検出するためのマーキング検出手段を前記密封装置又はその近傍に設け、前記マーキング検出手段の検出結果に基づいて前記密封手段による密封位置を調整可能としたことを特徴とする成形充填密封打抜装置。
【0010】
手段2によれば、成形装置により、帯状のフィルムが加熱軟化され所定形状を有する容器の収容部が成形される。また、充填装置により、前記収容部に所定の内容物が充填される。さらに、密封装置により、前記フィルムのうち少なくとも収容部の周縁部分に対し、シール部材が貼付けられる。これにより、収容部内の内容物がシール部材で密封されることとなる。そして、打抜装置により、収容部及びその周縁部分を含むようにして所定数の容器単位で打ち抜かれ、製品が得られる。さて、手段2では、成形装置又はその近傍に設けられたマーキング手段により、前記成形とほぼ同時に位置決め用のマーキングが施される。また、密封装置又はその近傍に設けられたマーキング検出手段によりマーキングが検出される。そして、その検出結果に基づいて密封装置による密封位置が調整される。このため、フィルム自身が熱応力により伸び又は収縮を起こしたとしても適正な位置で密封することが可能となる。その結果、密封不十分等の各種不具合の発生が抑制される。
【0011】
手段3.移送可能な帯状のフィルムを加熱軟化させ所定形状を有する容器の収容部を成形する成形装置と、前記収容部に所定の内容物を充填する充填装置と、前記フィルムのうち少なくとも前記収容部の周縁部分に対し、シール部材を貼付けることにより、該シール部材で内容物を密封する密封装置と、前記収容部及びその周縁部分を含むようにして所定数の容器単位で打ち抜く打抜装置とを備えた成形充填密封打抜装置において、前記成形装置又はその近傍に、前記成形とほぼ同時に位置決め用のマーキングを施すマーキング手段を設けるとともに、前記マーキングを検出するためのマーキング検出手段を前記密封装置又はその近傍及び前記打抜装置又はその近傍にそれぞれ設け、前記各マーキング検出手段の検出結果に基づいて前記密封手段による密封位置及び前記打抜装置による打抜位置を調整可能としたことを特徴とする成形充填密封打抜装置。
【0012】
手段3によれば、成形装置により、帯状のフィルムが加熱軟化され所定形状を有する容器の収容部が成形される。また、充填装置により、前記収容部に所定の内容物が充填される。さらに、密封装置により、前記フィルムのうち少なくとも収容部の周縁部分に対し、シール部材が貼付けられる。これにより、収容部内の内容物がシール部材で密封されることとなる。そして、打抜装置により、収容部及びその周縁部分を含むようにして所定数の容器単位で打ち抜かれ、製品が得られる。さて、手段3では、成形装置又はその近傍に設けられたマーキング手段により、前記成形とほぼ同時に位置決め用のマーキングが施される。また、密封装置又はその近傍に設けられたマーキング検出手段によりマーキングが検出され、その検出結果に基づいて密封装置による密封位置が調整される。さらには、打抜装置又はその近傍に設けられたマーキング検出手段によりマーキングが検出され、その検出結果に基づいて打抜装置による打抜位置が調整される。従って、フィルム自身が熱応力により伸び又は収縮を起こしたとしても適正な位置で密封及び打ち抜きを行うことが可能となる。その結果、密封不十分或いは外観不良等の各種不具合の発生が抑制される。
【0013】
手段4.前記マーキング手段は、前記打抜装置により打抜かれる部分の外側にマーキングを施すものであることを特徴とする手段1乃至3のいずれかに記載の成形充填密封打抜装置。
【0014】
手段4によれば、マーキング手段により施されるマーキングは、打抜装置により打抜かれる部分の外側であるため、得られる製品にマーキングが残存してしまうことがない。
【0015】
手段5.前記マーキングの一部と、前記打抜装置により打抜かれる部分の周縁部の延長線とがほぼ一致するよう構成したことを特徴とする手段4に記載の成形充填密封打抜装置。
【0016】
手段5によれば、マーキングの一部と、打抜装置により打抜かれる部分の周縁部の延長線とがほぼ一致するため、打抜装置の設計が容易なものとなり、しかも成形装置の主たる成形部とマーキング手段との間の距離を極力短くすることができ、装置の大型化を回避できる。
【0017】
手段6.前記マーキングは透孔であり、前記マーキング手段は透孔を形成するためのパンチ機構を備えていることを特徴とする手段1乃至5のいずれかに記載の成形充填密封打抜装置。
【0018】
手段6によれば、マーキング手段のパンチ機構により、フィルムに透孔を形成することで、上記手段1乃至5の作用が奏される。すなわち、パンチ機構が成形装置に設けられる場合には、成形装置における成形の動作と同時に透孔が形成される。従って、構造の著しい簡素化を図ることができる。
【0019】
手段7.前記マーキング検出手段は、前記透孔の存在により光の透過を検知可能な光センサであることを特徴とする手段6に記載の成形充填密封打抜装置。
【0020】
手段7によれば、透孔が所定位置にきたときに光の透過が許容され、光センサによって透孔の位置が確実に検出される。また、手段6の作用効果がより確実に奏される。
【0021】
手段8.前記調整は、前記装置を前記フィルムの移送方向と平行に移動させることにより行われるものであることを特徴とする手段1乃至7のいずれかに記載の成形充填密封打抜装置。
【0022】
手段8によれば、打抜装置、或いは、密封装置がフィルムの移送方向と平行に移動させられることにより、打抜位置、或いは、密封位置を調整できる。すなわち、打抜装置、或いは、密封装置を直線的にスライドさせれば手段1乃至7の各作用効果が確実に奏される。従って、位置調整のための構成の複雑化を回避できる。
【0023】
手段9.前記移動は、前記フィルムの移送方向とは逆方向への移動であることを特徴とする手段8に記載の成形充填密封打抜装置。
【0024】
手段9によれば、フィルムの移送方向とは逆方向へ打抜装置、或いは、密封装置をスライドさせることにより位置調整が行われる。このため、通常のフィルムの移送時に一旦マーキングが検出された後、位置調整時に同一のマーキングが再度検出されるということがない。そのため、誤検出を極力抑えることができ、制御の複雑化を防止できる。
【0025】
手段10.前記調整に際し、前記装置が所定量以上移動するのを規制する規制手段を設けたことを特徴とする手段8又は9に記載の成形充填密封打抜装置。
【0026】
手段10によれば、打抜装置、或いは、密封装置が所定量以上移動することによる誤検出、装置の破損といった不具合を防止することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、一実施の形態について、図1乃至図6を参照しつつ説明する。
【0028】
まず、図2に基づいて、本実施の形態にかかる成形充填密封打抜装置1の概略について説明する。
【0029】
帯状の容器用フィルム(以下単に「フィルム」と称する)2は、最上流側(図2の左側)においてロール状に巻回されている。フィルム2はポリプロピレン,PVC等の熱可塑性合成樹脂によって構成されている。
【0030】
ロール状に巻回されたフィルム2の引出し端側は、ガイドロール3に案内されている。フィルム2は、ガイドロール3の下流側において図示しない間欠送りロールに掛装されている。間欠送りロールは、所定間隔を隔てて(例えば後述する各装置間に)複数個設けられており、間欠的に回転するモータに連結され、フィルム2を間欠的に搬送する。なお、フィルム2移送経路の途中に、フィルム2を常時緊張状態に保持するためのテンションロール等を適宜設けることとしてもよい。
【0031】
さて、最上流側の間欠送りロールの下流側において、フィルム2の移送経路に沿って、成形装置4が設けられており、成形装置4は加熱装置5と収容部成形装置6とが順に並設されることにより構成されている。そして、フィルム2が加熱装置5によって加熱されて軟化した状態において、収容部成形装置6によって収容部7が正確に成形されるようになっている。この収容部7の成形は、間欠送りロールによるフィルム2の搬送動作間のインターバルの際に行われる。
【0032】
また、収容部成形装置6の下流側におけるフィルム2移送経路に沿って、前記収容部7に所定の内容物8を自動的に充填する充填装置9が配設されている。充填装置9は、例えばフィルム2の移送動作と同期して、所定間隔毎にシャッタを開くことで内容物8を落下させるものであり、このシャッタ開放動作に伴って各収容部7内に内容物8が投入される。もちろん、充填装置9は、内容物8を把持して投入する機構を有していてもよい。また、充填される内容物8の数量、形状等は何ら限定されるものではなく複数個であってもよいし、場合によっては液状物や紛状物、或いはペースト状物であってもよい。
【0033】
充填装置9の下流側におけるフィルム2移送経路に沿って、密封装置11が設けられている。また、密封装置11の上方には帯状に形成されたシール部材としての密封用フィルム12がロール状に巻回されている。密封用フィルム12は、いかなる素材により構成されていてもよいが、本実施の形態では前記フィルム2に対し熱融着されうるフィルム素材を使用している。ロール状に巻回された密封用フィルム12の引出し端は、ガイドロール13に案内されている。ガイドロール13は密封用フィルム12を前記フィルム2に対し当接した状態で密封装置11に送り込むためのものである。
【0034】
密封装置11においては、フィルム2のうちの前記収容部7の外周縁部に対し、密封用フィルム12が熱融着され、これにより内容物8が密封用フィルム12で密封される。
【0035】
なお、上記充填装置9の下流側におけるフィルム2移送経路に沿って、内容物8が各収容部7に確実に充填されているか否か、また内容物8の異常の有無、異物混入の有無等の検査を行うための検査装置(図示しない)を配設することとしてもよい。また、フィルム2又は密封用フィルム12の一部に印刷を施すための刻印装置(図示しない)を適宜配設することとしてもよい。
【0036】
さて、密封装置11の下流側におけるフィルム2移送経路に沿って、打抜装置14が配設されている。打抜装置14は、密封用フィルム12の貼付けられたフィルム2の収容部7及びその周縁部分を含むようにして所定数の(本実施の形態では1つの)容器72単位で打ち抜く機能を有する。
【0037】
打抜装置14によって打抜かれた容器(製品)は、取出しコンベア15によって搬送され、図示しない完成品貯留部に一旦貯留される。
【0038】
前記打抜装置14の下流側には、ガイドロール16及び巻取ロール17が配設されている。そして、打抜装置14による打抜き後に帯状に残った残材部18は、ガイドロール16に案内された後、巻取ロール17にて巻回される。巻取ロール17も、間欠送りロールによって構成され、間欠的に回転するモータに連結され、残材部18を間欠的に巻取る。なお、残材部18を図示しない裁断装置によって所定寸法に裁断した後、別途廃棄処理、或いは再利用処理に供することとしてもよい。
【0039】
成形充填密封打抜装置1の概略は以上のとおりであるが、以下においては、収容部成形装置6、密封装置11及び打抜装置14について、より具体的に説明する。
【0040】
まず、収容部成形装置6について説明する。図3に示すように、収容部成形装置6は、固定型21と可動型22とを備えている。固定型21は一対の支持ガイド23を介して基台24に連結固定されている。支持ガイド23は固定型21の上方にも延びており、その上端は天板20に連結固定されている。また、可動型22は挿通孔25に支持ガイド23が挿通された状態で固定型21及び基台24間に上下動可能に配設されている。
【0041】
基台24上にはシリンダ26Aが設けられており、該シリンダ26Aにはロッド27Aが出没可能に設けられている。ロッド27Aの先端は前記可動型22に連結されている。従って、ロッド27Aが没入した状態にあっては、可動型22は固定型21から離間した待機位置に維持され、ロッド27Aが突出した状態にあっては、可動型22は固定型21に近接又は当接した作業位置に維持される。
【0042】
前記天板20には、シリンダ26Bが設けられており、該シリンダ26Bにはロッド27Bが出没可能に設けられている。ロッド26Bの先端には前記収容部7を成形するための成形突部28が連結されている。該成形突部28は、固定型21に設けられた挿通孔21a内を挿通可能となっている。一方、可動型22には前記成形突部28に相対する成形凹部32が形成されている。従って、前記可動型22が作業位置に維持されており、ロッド27Bが突出した状態にあっては、成形突部28が成形凹部32に嵌め込まれ、これにより、フィルム2に収容部7が形成されるようになっている。
【0043】
また、前記天板20には、別のシリンダ26Cが設けられているとともに、該シリンダ26Cには、フィルム2に対しマーキングとしての透孔29(図1参照)を形成するための打抜パンチ31が出没可能に設けられている。一方、可動型22には打抜パンチ31に対応するパンチ穴33が可動型22の表裏に貫通するように形成されている。なお、打抜パンチ31はパンチ穴33にぴったり嵌まる形状となっており、これら打抜パンチ31及びパンチ穴33によりマーキング手段及びパンチ機構が構成されている。打抜パンチ31の断面形状及びパンチ穴33の平面形状は、共に矩形状になっている。また、打抜パンチ31は、固定型22の厚さよりも長く形成されている。そして、可動型22が作業位置に配置された状態にあり、かつ、シリンダ26Cが駆動されて打抜パンチ31が突出させられることにより、フィルム2が打ち抜かれ、可動型22の裏面から更に突出するように構成されている。これにより、パンチ後の屑を可動型22の裏面側から排出することができ、排出された屑は、基台24上の図示しない屑受けに貯留されるようになっている。さらに、前記打抜パンチ31は、前記成形突部28から所定距離隔てた所定位置に設けられている。これにより、透孔29は、収容部7から所定距離隔てた所定位置に形成されるようになっている。
【0044】
次に、密封装置11及び打抜装置14について説明する。両装置11,14は、機能の相違こそあれ、特徴的な構成は酷似している。ここでは密封装置11を代表例として詳しく説明することとする。図4に示すように、密封装置11は、固定型41と可動型42とを備えている。可動型42の下側には駆動機構43が備えられており、該駆動機構43により、可動型42は、固定型41に近接又は当接した作業位置と、固定型41から離間した待機位置とに切換駆動される。すなわち、固定型41は一対のマスト44を介して基台45に連結固定されている。また、可動型42は挿通孔46を有しており、該挿通孔46にマスト44が挿通されている。基台45上にはシリンダ47が設けられており、該シリンダ47にはロッド48が出没可能に設けられている。ロッド48の先端は可動型42に連結されている。従って、ロッド48が没入した状態にあっては可動型42は待機位置に、ロッド48が突出した状態にあっては可動型42は作業位置に維持される。
【0045】
固定型41には、収容部7を収容可能なホルダ49が形成されている。これにより、可動型42が作業位置にまで移動させられたとしても、収容部7が潰れてしまったりすることが回避されるようになっている。
【0046】
また、固定型41及び可動型42には、前記透孔29を検出するためのマーキング検出手段としての光ファイバセンサ51(投光部52及び受光部53)が設けられている。このため、フィルム2に形成された透孔29と密封装置11との相対位置関係が所定の位置関係となったときに、光の透過が許容され、光ファイバセンサ51によって透孔の位置が確実に検出される。
【0047】
さらに、前記駆動機構43には、可動型42を固定型41に対し接離可能に駆動する以外にも、基台45等をフィルム2の移送方向と平行にスライド移動可能に駆動する機能(位置調整機能)が設けられている。すなわち、一対の固定ブロック54,55には、ボールねじ56が回転可能に支持されており、該ボールねじ56の基端部は図示しない減速装置を介してサーボモータ57に連結されている。該ボールねじ56には、ボールナット58が螺合されている。ボールナット58の端部(図では上端部)は前記基台45から延びる連結棒59に固定されている。また、前記基台45には一対のガイドブロック61が突設されており、該ガイドブロック61がフィルム2の移送方向と平行に配設されたガイドレール62上をスライド可能に係合されている。従って、サーボモータ57が駆動された場合には、ボールねじ56が回転し、これに伴い、ボールナット58がボールねじ56の長手方向に移動する。そのため、基台45、固定型41及び可動型42は、ガイドレール62に案内されながら、フィルム2の移送方向と平行にスライドするようになっている。
【0048】
ボールねじ56の先端側の固定ブロック54の内側面には、近接スイッチよりなる原点センサ63が設けられている。該原点センサ63により、ボールナット58の原点復帰位置が検出されるようになっている。すなわち、原点センサ58がオン状態となることで、ボールナット58、ひいては基台45、固定型41及び可動型42が原点位置(図の右側位置)にあることが検出される。また、ボールねじ56の基端側の固定ブロック55には、同じく近接スイッチよりなるセフティセンサ64が設けられている。該セフティセンサ64により、ボールナット58の所定量以上(図の左方向へ)移動したことが検出されるようになっている。すなわち、セフティセンサ64がオン状態となることで、ボールナット58、ひいては基台45、固定型41及び可動型42が予定量よりも大幅に移動し過ぎてしまったことが検出される。セフティセンサ64がオン状態となった場合には、それ以上のサーボモータ57の作動が強制的に停止され、それまでとは逆方向へのモータリング動作が行われるようになっている。なお、ボールナット58の両側部には、ストッパ66が設けられ、これらストッパ66の存在により、ボールナット58の所定量以上の移動が機械的に規制され、前記両センサ63,64等の破損が防止されるようになっている。
【0049】
固定型41及び可動型42の少なくとも一方には、図示しないヒートシール手段が設けられている。該ヒートシール手段が加熱されることで、可動型42が作業位置に維持された場合に、フィルム2のうちの収容部7の外周縁部に対し密封用フィルム12が熱融着され、これにより内容物8が密封用フィルム12で密封される。
【0050】
次に、打抜装置14について説明する。この打抜装置14も、前記密封装置11と同様、固定型と可動型とを備えており、可動型の下側には上記同様の駆動機構が備えられている。また、固定型及び可動型にはマーキング検出手段を構成する光ファイバセンサが設けられている。
【0051】
打抜装置14において、可動型には、図示しない環状の打抜刃が突設されている。打抜刃は容器72(フランジ部73:図5参照)の外形に沿った略矩形状に形成されている。一方、固定型には、打抜刃と対応して打抜孔が貫通形成されている。そして、可動型の作業位置への移動に伴って打抜刃によって密封用フィルム12の貼付けられたフィルム2を容器72単位に打抜くようになっている。
【0052】
さて、以上のように構成された成形充填密封打抜装置1によって図5,6に示した製品71を製造する手順について、特に、成形工程と、内容物8が収容部7に充填された後の密封工程及び打抜工程とを中心として説明する。
【0053】
図1,2に示すように、フィルム2は、まず、成形装置4において成形工程を経る(図1(a)参照)。成形工程では上述した加熱装置5及び収容部成形装置6が使用される。すなわち、フィルム2は、まず加熱装置5を通過することにより加熱され、軟化させられる。その後、収容部成形装置6へと案内され、所定のタイミングで停止される。
【0054】
該収容部成形装置6においては、図3に示すように、まず、ロッド27Aが突出状態とされ、これにより固定型21に対し可動型22が接触する方向(待機位置から作業位置)へと移動させられる。次に、該作業位置に維持された状態において、ロッド27Bが突出状態とされる。これにより、成形凹部32に対し成形突部28が相対的に係合させられることとなり、軟化状態にあるフィルム2は上記係合によって延伸させられ、もって収容部7が形成される。
【0055】
続いて、シリンダ26Cが駆動させられ、打抜パンチ31がパンチ穴33に嵌め込まれる。そして、フィルム2には、透孔29が形成されることとなる。なお、この透孔29は、上述したように収容部7から所定距離隔てた所定位置に形成され、その一側縁は後の打抜により形成されるフランジ部73の延長線L上に一致するものである(図5参照)。
【0056】
また、その後、打抜パンチ31がシリンダ26C内に没入され、次いでロッド27Bがシリンダ26B内に没入される。そして、ロッド27Aがシリンダ26A内に没入されることにより、可動型22は固定型21から離間する方向(図の下方)へと移動させられ、待機位置に維持される。上記一連の工程を経ることにより、成形工程が終了する。
【0057】
成形工程が終了すると、今度は充填工程へ移行する(図1(b)参照)。
【0058】
充填工程が終了すると、今度は密封工程へ移行する(図1(c)参照)。かかる密封工程では、上述した密封装置11が使用される。すなわち、収容部7に内容物8が充填されたフィルム2が密封用フィルム12とともに密封装置11へと案内され、所定のタイミング(収容部7がホルダ49のほぼ上部に位置し、透孔29が光ファイバセンサ51の位置に到達する幾分手前のタイミング)で移送が停止される。
【0059】
該密封装置11においては、まず、図4に示すように、駆動機構43によって、密封装置11の位置調整が実行される。すなわち、サーボモータ57が所定回転方向に駆動され、これにより、ボールねじ56が回転し、ボールナット58が原点位置(図の右側位置)からフィルム2の移送方向とは逆の方向にボールねじ56に沿って移動する。そのため、基台45、固定型41及び可動型42は、ガイドレール62に案内されながら、フィルム2の移送方向と平行に、図の左方向へスライドする。そして、所定量移動した時点で、光ファイバセンサ51の位置が透孔29の位置と合致することとなり、光ファイバセンサ51がオン状態となる。この時点でサーボモータ57の作動が停止され、基台45、固定型41及び可動型42が所定の位置に位置合わせされ、位置調整が完了する。
【0060】
次に、この状態でシリンダ47が駆動制御され、固定型41に対し可動型42が接触する方向(待機位置から作業位置)へと移動させられる。すると、固定型41及び可動型42がほぼ当接状態となり、加熱状態にあるヒートシール手段からの熱がフィルム2及び密封用フィルム12に伝達され、フィルム2のうちの収容部7の外周縁部(フランジ部73に相当する部分)に対し密封用フィルム12が熱融着され、これにより内容物8が密封用フィルム12で密封される。
【0061】
シール完了後、ロッド27が没入させられ、可動型42は固定型41から離間する方向へと移動させられ、待機位置に維持される。上記一連の工程を経ることにより、密封工程が終了する。
【0062】
密封工程が終了すると、今度は打抜工程へ移行する(図1(d)参照)。かかる打抜工程では、上述した打抜装置14が使用される。すなわち、フィルム2が熱融着された密封用フィルム12とともに打抜装置14へと案内され、上記密封装置と同様の所定のタイミングで移送が停止される。
【0063】
該打抜装置14においても、まず、駆動機構によって、打抜装置14自身の位置調整が実行される。すなわち、固定型及び可動型等がフィルム2の移送方向と平行に、移動方向とは逆方向へスライドさせられ、光ファイバセンサがオン状態となった時点でサーボモータの作動が停止され、位置調整が完了する。
【0064】
次に、この状態でシリンダが駆動制御され、固定型に対し可動型が接触する方向(待機位置から作業位置)へと移動させられる。すると、容器72の外形に沿った形成をなす打抜刃が、固定型の打抜孔に嵌め込まれる格好となり、密封用フィルム12の貼付けられたフィルム2が容器72単位に打抜かれる。打抜完了後、可動型は固定型から離間する方向へと移動させられ、待機位置に維持される。上記一連の工程を経ることにより、打抜工程が終了する。
【0065】
以上のようにして、図5,6に示したとおりの製品71を得ることができる。このように、本実施の形態によれば、収容部成形装置6に設けられた打抜パンチ31及びパンチ穴33により収容部7の成形とほぼ同時に位置決め用の透孔29が形成される。そして、密封工程及び打抜工程に際しては、それぞれ光ファイバセンサ51により透孔29を検出することで密封位置及び打抜位置が調整される。このため、フィルム自身が熱応力により伸び又は収縮を起こしたとしても適正な位置で密封及び打抜を行うことができる。その結果、密封不十分或いは外観不良等の各種不具合の発生を抑制することができる。
【0066】
特に、透孔29は、打抜装置14により打抜かれる部分の外側であるため、得られる製品に透孔29が残存してしまうことがなく、該透孔29の残存による外観不良が起こることがない。従って、マーキングの痕跡が製品に残らないことから、本実施の形態の成形充填密封打抜装置1は、無模様或いは無地の製品の製造に特に適しているといえる。
【0067】
また、透孔29の一側縁は後の打抜により形成されるフランジ部73の延長線L上に一致するため、打抜装置14の設計が容易なものとなり、成形突部28と打抜パンチ31との間の距離を極力短くすることができ、収容部成形装置6全体の大型化を回避できる。
【0068】
なお、上記例では、透孔29の形成に際し、収容突部28の移動よりも若干遅れて打抜パンチ31が移動させられるようになっていたが、上記順序を逆にしてもよいし、収容突部28及び打抜パンチ31の移動を同時に行うこととしてもよい。
【0069】
また、上記実施の形態では、1つの容器72を有するタイプの製品71を製造することとしたが、1つの製品に対し複数の容器が設けられるように構成してもよい。
【0070】
さらに、透孔29の代わりに、印刷を施したり、ラベルを貼付する等して、マーキングを施すこととしてもよい。そして、マーキング検出手段においては、上記印刷やラベルを検出するような構成としてもよい。但し、この場合においても、成形と同時又はほぼ同時にマーキングを施す必要がある。
【0071】
さらに、光ファイバセンサ51等のマーキング検出手段を、密封装置11や打抜装置14とは離れた近傍位置に設ける構成としてもよい。
【0072】
併せて、製品71をフィルム2の幅方向に2つ、或いはそれ以上同時に製造するようにしてもよい。
【0073】
加えて、収容部7、フランジ部73の形状等は上記例に何ら限定されるものではなく、例えば平面円形状や正方形状をなす収容部或いはフランジ部であってもよい。
【0074】
また、密封用フィルム12を貼付ける際には、上記実施の形態のような熱融着に代えて、接着剤を用いた接着を行うこととしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一実施の形態に係る成形充填密封打抜の各過程を示し、フィルムの変化を説明するための概略斜視図である。
【図2】 成形充填密封打抜装置を示す概略斜視図である。
【図3】 収容部成形装置の構成を示す正面概略図である。
【図4】 密封装置の主要部の構成を示す正面概略図である。
【図5】 製品を示す斜視図である。
【図6】 製品の断面図である。
【図7】 従来技術における成形充填密封打抜の各過程を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
1…成形充填密封打抜装置、2…容器用フィルム、4…成形装置、6…収容部成形装置、7…収容部、8…内容物、9…充填装置、11…密封装置、12…シール部材としての密封用フィルム、14…打抜装置、29…マーキングとしての透孔、31…マーキング手段を構成する打抜パンチ、33…マーキング手段を構成するパンチ穴、43…駆動機構、51…マーキング検出手段としての光ファイバセンサ、71…製品、72…容器、73…フランジ部。

Claims (9)

  1. 移送可能な帯状のフィルムを加熱軟化させ所定形状を有する容器の収容部を成形する成形装置と、
    前記収容部に所定の内容物を充填する充填装置と、
    前記フィルムのうち少なくとも前記収容部の周縁部分に対し、シール部材を貼付けることにより、該シール部材で内容物を密封する密封装置と、
    前記収容部及びその周縁部分を含むようにして所定数の容器単位で打ち抜く打抜装置とを備えた成形充填密封打抜装置において、
    前記成形装置に、前記成形とほぼ同時に位置決め用のマーキングを施すマーキング手段を設けるとともに、
    前記マーキングを検出するためのマーキング検出手段を前記打抜装置又はその近傍に設け、前記マーキング検出手段の検出結果に基づいて前記打抜装置による打抜位置を調整可能としたことを特徴とする成形充填密封打抜装置。
  2. 移送可能な帯状のフィルムを加熱軟化させ所定形状を有する容器の収容部を成形する成形装置と、
    前記収容部に所定の内容物を充填する充填装置と、
    前記フィルムのうち少なくとも前記収容部の周縁部分に対し、シール部材を貼付けることにより、該シール部材で内容物を密封する密封装置と、
    前記収容部及びその周縁部分を含むようにして所定数の容器単位で打ち抜く打抜装置とを備えた成形充填密封打抜装置において、
    前記成形装置に、前記成形とほぼ同時に位置決め用のマーキングを施すマーキング手段を設けるとともに、
    前記マーキングを検出するためのマーキング検出手段を前記密封装置又はその近傍に設け、前記マーキング検出手段の検出結果に基づいて前記密封手段による密封位置を調整可能としたことを特徴とする成形充填密封打抜装置。
  3. 移送可能な帯状のフィルムを加熱軟化させ所定形状を有する容器の収容部を成形する成形装置と、
    前記収容部に所定の内容物を充填する充填装置と、
    前記フィルムのうち少なくとも前記収容部の周縁部分に対し、シール部材を貼付けることにより、該シール部材で内容物を密封する密封装置と、
    前記収容部及びその周縁部分を含むようにして所定数の容器単位で打ち抜く打抜装置とを備えた成形充填密封打抜装置において、
    前記成形装置に、前記成形とほぼ同時に位置決め用のマーキングを施すマーキング手段を設けるとともに、
    前記マーキングを検出するためのマーキング検出手段を前記密封装置又はその近傍及び前記打抜装置又はその近傍にそれぞれ設け、前記各マーキング検出手段の検出結果に基づいて前記密封手段による密封位置及び前記打抜装置による打抜位置を調整可能としたことを特徴とする成形充填密封打抜装置。
  4. 前記マーキング手段は、前記打抜装置により打抜かれる部分の外側にマーキングを施すものであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の成形充填密封打抜装置。
  5. 前記マーキングの一部と、前記打抜装置により打抜かれる部分の周縁部の延長線とがほぼ一致するよう構成したことを特徴とする請求項4に記載の成形充填密封打抜装置。
  6. 前記マーキングは透孔であり、前記マーキング手段は透孔を形成するためのパンチ機構を備えていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の成形充填密封打抜装置。
  7. 前記マーキング検出手段は、前記透孔の存在により光の透過を検知可能な光センサであることを特徴とする請求項6に記載の成形充填密封打抜装置。
  8. 前記調整は、前記装置を前記フィルムの移送方向と平行に移動させることにより行われるものであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の成形充填密封打抜装置。
  9. 前記移動は、前記フィルムの移送方向とは逆方向への移動であることを特徴とする請求項8に記載の成形充填密封打抜装置。
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