以下、本発明の第1の実施例にかかる釘打機の起動装置を図1乃至図5に基づいて説明する。図1に示すように釘打機1は後方に向けてグリップ部8が一体に形成されたハウジング2の内部に、下面に釘を打撃するドライバ3を結合したピストン4と該ピストン4を摺動自在に収容しているシリンダ5とにより構成されている打撃機構が収容されており、このハウジング2の先端部にはピストン4に結合されているドライバ3を摺動案内する射出口6が形成されたノーズ部7が取り付けられている。前記ハウジング2に形成されたグリップ部8の内部にはグリップ部8の後端に取り付けられているエアプラグ9を介して圧縮空気源から供給される圧縮空気を貯留させるためのエアチャンバ10が形成されており、このエアチャンバ10内の圧縮空気を前記シリンダ5内に供給することによってピストン4を衝撃的に駆動させて、前記射出口6内に供給された釘をドライバ3によってノーズ部7の先端方向へ打ち出すようにしている。
前記ハウジング2内のシリンダ5の上方には、シリンダ5内へエアチャンバ10内の圧縮空気を供給してピストン4を駆動させ、また、ピストン4を駆動させた後の圧縮空気をシリンダ5内から大気へ排出させてピストン4を復帰作動させるための環状に形成されたメインバルブ11が設けられている。このメインバルブ11は前記ハウジング2の上部に配置されている上部ハウジング12に形成されている環状チャンバ13内にメインバルブ11の上端部が収容されて配置されており、この環状チャンバ13内へ圧縮空気が供給されることによってメインバルブ11が下方向へ作動されてシリンダ5内をエアチャンバ10と遮断させるとともにシリンダ5を大気へ接続させるように作動され、また、環状チャンバ13内の圧縮空気が大気に排気されることによってメインバルブ11の下端部に作用しているエアチャンバ10内の圧縮空気によってメインバルブ11が上方へ作動されて、シリンダ5内を大気と遮断させるとともにエアチャンバ10へ接続させるように作動させられる。
更に前記グリップ部8の基部には前記メインバルブ11が収容されている環状チャンバ13内の圧縮空気を制御してメインバルブ11を作動させて釘打機1を起動させる起動バルブ15が設けられている。図2に示すように起動バルブ15は、下端のピストン部がシリンダ状に形成されているバルブハウジング16内に摺動自在に収容されている中空状のパイロット弁18と、上端部が前記パイロット弁18の中空部内に収容されるとともに下端が前記バルブハウジング16から突出されるように配置されているバルブステム19により構成されている。パイロット弁18の上部には、前記環状チャンバ13に連通しているエア通路17を前記エアチャンバ10と排気チャンバ14間に選択的に接続させるように作動する弁体が一体に形成されている。また、前記バルブステム19は、前記バルブハウジング16内の前記パイロット弁18のピストン部の下方に形成されるバルブチャンバ20内を大気と遮断又は連通状態にさせるとともに、前記パイロット弁18と協働して該バルブチャンバ20内への圧縮空気の流入又は遮断を制御するように作動する。
図3(a)に示すように、前記バルブステム19には、バルブハウジング16内に形成された筒状部21内に嵌合される第一Oリング22と前記パイロット弁18の中空部内に嵌合される第二Oリング23とを備えており、図3(a)に示すように、バルブステム19が下死点に配置されている操作前には第一Oリング22がバルブハウジング16の筒状部21内に嵌合されてバルブチャンバ20内と大気間を連通させている排気口26を遮断させている。バルブチャンバ20内にはパイロット弁18の周壁面に形成された開口24を介してエアチャンバ10内の圧縮空気が供給されており、この圧縮空気の圧力によってパイロット弁18が上方へ移動されて、パイロット弁18の上端が排気弁座25と密着されて前記エア通路17を排気チャンバ14と遮断させるとともにエア通路17をエアチャンバ10と接続させてメインバルブの環状チャンバ13へ圧縮空気を供給してシリンダ5とエアチャンバ10間を遮断させるように作動させている。
バルブステム19が上記下死点位置から上方へ操作されて図3(b)に示すように、バルブステム19が下死点位置からA寸法のオン位置まで作動されると、バルブステム19の第一Oリング22がバルブハウジング16の筒状部21から抜け出され、バルブチャンバ20内の圧縮空気が排気口26から排気されてバルブチャンバ20内の圧力が低下し、これによってパイロット弁18はエアチャンバ10内の圧縮空気がピストン部の上面側に作用することによって下方向に作動されて、パイロット弁18の上部に配置されている第三Oリング27が環状スリーブ28の上端に形成されている給気弁座29と嵌合してエア通路17とエアチャンバ10間を断させるとともにパイロット弁18の上端が排気弁座25から離反されてエア通路17を排気チャンバ14へ連通させて環状チャンバ13内の圧縮空気を大気へ排気させる。これによってメインバルブ11が上方へ作動されてシリンダ5内をエアチャンバ10と連通させエアチャンバ10内の圧縮空気をシリンダ5内へ供給させる。
起動バルブ15のバルブチャンバ20内の圧縮空気が排気されてパイロット弁18が下方に作動して起動バルブ15がオン状態に作動すると、パイロット弁18の中空部内にバルブステム19の第二Oリング23が嵌合されて、開口24を介してバルブチャンバ20内へ供給される圧縮空気を遮断させる。起動バルブ15がオンされた後バルブステム19が下方向へ操作されると、バルブステム19の第一Oリング22がバルブハウジング16の筒状部21に嵌合してバルブハウジング16を大気と遮断させるが、このときには上記のように第二Oリング23がパイロット弁18の中空内へ嵌合されておりバルブチャンバ20内への圧縮空気の流入を遮断させているので起動バルブ15はオン状態を維持している。図3(c)に示すようにバルブステム19が下死点からB寸法のオフ位置まで作動されると、バルブステム19の第二Oリング23がパイロット弁18の中空部から抜け出されて、バルブチャンバ20内へ開口24を介して圧縮空気が供給されてこの圧縮空気によってパイロット弁18が上方へ作動されて起動バルブ15がオフ状態に作動される。
要するに、バルブステム19が下死点位置から図3(b)に示すA寸法分上方に向けたオン位置へ操作されることによって起動バルブ15がオン状態に作動されて打撃機構が駆動され、また、上記オン作動状態からバルブステム19が下方に操作されて図3(c)に示すように下死点位置からB寸法のオフ位置まで作動されたときに起動バルブ15がオフ状態に作動されて打撃機構が初期状態に復帰させられる。
起動バルブ15のバルブハウジング16から下方へ突出されているバルブステム19の下方にはこのバルブステム19を操作するための起動装置30が形成されている。起動装置30は、図1に示すようにグリップ部8を把持した手の指によって操作できるようにグリップ部8の基部に回動可能に支持させて形成されているトリガレバー31と、釘を打ち込み案内する射出口6が形成されたノーズ部7を被打込材へ押し当てることによって操作されるように前記ノーズ部7に摺動可能に支持されるとともに下端部が射出口6の先端方向に突出して配置されているコンタクトアーム32により構成されている。更に、図2に示すように、トリガレバー31は断面U字状に形成され、その一端側がハウジング2に枢着軸33によって回動可能に枢支されており、該トリガレバー31の両側壁の間には前記起動バルブ15のバルブステム19の下端と係合して該バルブステム19を操作するためのコンタクトレバー34が配置されている。コンタクトレバー34の一端側がトリガレバー31の側壁間に回転軸35によって回動自在に支持されて枢支部34bを形成しており、他端側がトリガレバー31の枢着軸33の方向に配置されて操作端34aを形成している。
下端部が射出口6の先端方向に突出して配置されるとともに、ノーズ部7に形成されている射出口6に沿って摺動できるようにノーズ部7に支持されているコンタクトアーム32は、釘打機1によって釘打ちを行う際にノーズ部7の先端を被打込材面へ当接させることによってノーズ部7の射出口6に沿って上方へ摺動操作されるようにされており、このコンタクトアーム32の上端部が前記トリガレバー31の下方に配置されており、このコンタクトアーム32の上端にはL字片37が固定されており、このL字片37にはバネ38が配置されており、このバネ38によってコンタクトアーム32が下方向へ付勢されて下端がノーズ部7の射出口6の先端方向へ突出されている。更に、L字片37には上方に向いた垂直部37aが一体に形成されている。
前記コンタクトアーム32の上端に設けられているL字片37の垂直部37aの先端部には、一端側にコンタクトレバー34の操作端34aと当接してコンタクトレバー34を回動操作させる操作端部41が形成された制御レバー40が回転軸42によって回動可能でかつ、通常時に前記操作端部41が上方に配置されるようにバネ43によって時針回り方向に回動付勢されて設けられている。前記コンタクトアーム32が上方へ作動されるときに制御レバー40の操作端部41がコンタクトレバー34の操作端34aと係合してコンタクトレバー34の操作端34aを上方へ回動させるようにされている。更に前記制御レバー40には前記操作端部41と対称方向に延びた係合部44が一体に形成されており、更に前記トリガレバー31には、前記制御レバー40が作動位置に配置されているときに、トリガレバー31を回動操作することによって前記制御レバー40の前記係合部44と係合して制御レバー40を回動させる係合片45が形成されている。この係合片45は、通常時には制御レバー40の係合部44の移動軌跡の前方側に配置されており、トリガレバー31を引き操作することによって前記移動軌跡を横切って後方側へ作動されるように構成されている。
前記コンタクトレバー34とトリガレバー31との間にはバネ46が介在されており、このバネ46によってコンタクトレバー34が回転軸35を中心として操作端34aが常時上方へ向くように回動付勢され、コンタクトレバー34の上面側が起動バルブ15のバルブステム19と係合されている。このバネ46の付勢力は極弱く設定されており、トリガレバー31を操作してコンタクトレバー34の枢支部34b側を上方へ回動させたときに、コンタクトレバー34の上面がバルブステム19に当接しても前記バネ46力によってバルブステム19が操作されずコンタクトレバー34が枢支部34b側を中心として回動されるように設定されている。
上記構成の釘打機1の起動装置30による連続打ちモードと単発打ちモードの各作動態様を説明する。連続打ちモードを選択する場合は、図4(a)に示すように、まずグリップ部8を把持している手の指によってトリガレバー31を引き操作して、トリガレバー31を最大引き操作位置まで回動させる。このようにトリガレバー31を引き操作することによりコンタクトレバー34の枢支部34b側が上方へ移動されるとともにコンタクトレバー34の背面がバルブステム19と係合されて、コンタクトレバー34の操作端34aが下方向へ回動されて前記制御レバー40の上方に向いた操作端部41の上方位置に配置される。この状態では起動バルブ15のバルブステム19がオン位置まで操作されることがなく釘打機1は起動されない。なお、このトリガレバー31の回動操作によって、トリガレバー31に形成されている係合片45が制御レバー40の係合部44の移動軌跡の後方側に配置される。
次に、釘打機1のノーズ部7を上方から被打込材面へ向けて振り下ろししてノーズ部7の先端を被打込材の表面に打ち当てるようにしてコンタクトアーム32を操作する。このコンタクトアーム32の操作によってL字片37とこのL字片37に回動自在に支持されている制御レバー40が上方へ移動作動される。制御レバー40の操作端部41が上方へ移動することによって操作端部41が前記コンタクトレバー34の操作端34aを上方へ押し上げてコンタクトレバー34を枢支端34b側を中心として回動させ、回動されるコンタクトレバー34の背面によりバルブステム19を押し上げ操作して、バルブステム19が前述の図3(b)に示すオン位置まで操作されたときに起動バルブ15がオン作動されて打撃機構を作動させ、被打込材に対して釘が打ち込まれる。
上記操作によって最初の釘打ちが終了した後に、トリガレバー31を引き操作したままで釘打機1のノーズ部7を被打込材面から離反させるとコンタクトアーム32がバネ38によって下方に復帰移動させられ、再び、図4(a)に示すように、コンタクトアーム32の下降に伴って制御レバー40が下降して、コンタクトレバー34によってオン位置に作動されていたバルブステム19がコンタクトレバー34をバネ46の付勢力に抗して回動させて下死点位置まで作動されて起動バルブをオフさせて打撃機構が初期状態に復帰する。この状態から再び釘打機1を振り下ろししてコンタクトアーム32を操作すると、コンタクトアーム32とともに制御レバー40が上動してコンタクトレバー34の操作端34a側を上方へ回動させてバルブステム19を上死点まで押し上げるので、再度起動バルブ15がオン作動し打撃機構が駆動される。
このように、トリガレバー31を引き操作したまま釘打機1のノーズ部7を被打込材に押し付け、また離反させる操作を繰り返して行うことによってコンタクトアーム32を操作する度に起動バルブ15がオン、及びオフ作動されて打撃機構が連続的に駆動されるから、連続打ちを行なうことができる。また、一連の連続した釘打ち作動が終了した後にトリガレバー31を解放操作すれば、図2に示す初期状態に復帰し、コンタクトアーム32を操作してもバルブステム19がオンすることがない。上記のように単にトリガレバー31を引き操作してこの状態を保持することによって連続打ちモードの設定ができ、トリガレバー31を保持したままでコンタクトアーム32を連続して操作させることによって釘を連続して打ち込むことが可能となる。
次に、単発打ちモードで釘打ちを行う場合は、まず図5(a)に示すように釘打機1のノーズ部7を被打込材に押し当ててコンタクトアーム32を上方に作動させる。これにより、コンタクトアーム32の上端に固定されているL字片37とともに制御レバー40が上方へ移動操作されて、制御レバー40の操作端部41がコンタクトレバー34の操作端34aの下面に近接して配置される。この後、トリガレバー31を引き操作することによってトリガレバー31が枢着軸33を中心として回動されてコンタクトレバー34の枢支端34b側が上方へ押し上げられ、図5(b)に示すように、コンタクトレバー34の操作端34a側が前記制御レバー40の操作端部41と係合されることによって、コンタクトレバー34が前記操作端34aを中心として回動され、このコンタクトレバー34の背面によってバルブステム19が図3(b)に示すオン位置まで押し上げ作動されたときに起動バルブ15がオン作動されて打撃機構が駆動され釘打ち作動が行なわれる。
単発打ちモードの操作時では、前述のようにコンタクトアーム32を操作した後にトリガレバー31を回動操作することによって、トリガレバー31に形成されている係合片45が制御レバー40の係合部44と係合して制御レバー40を図中反時針回り方向に回動させる。図5(b)に示すように起動バルブ15がオンとされる位置までトリガレバー31が回動した状態では、この制御レバー40の操作端部41によってコンタクトレバー34の操作端34aを下面側から支持しているが、この状態から更にトリガレバー31を回動操作して図5(c)に示すように、最大引き操作位置までトリガレバー31を操作させた状態では、制御レバー40が更に反時針回り方向に回動されて制御レバー40の操作端部41がコンタクトレバー34の操作端34aの下面から離脱されて、これによってコンタクトレバー34の操作端34a側が下方向に回動されてバルブステム19を下死点位置まで作動させて起動バルブ15をオフ作動させるようにしている。
上記のように、コンタクトアーム32を操作した後でトリガレバー31を操作する単発打ちモード時では、トリガレバー31の引き操作の途中で起動バルブ15をオン作動させて、更にトリガレバー31を最大引き操作した状態でコンタクトアーム32とコンタクトレバー34との係合を離脱させて起動バルブ15をオフ作動させるように設定している。更に、トリガレバー31を最大引き操作した状態ではトリガレバー31の係合片45と制御レバー40の係合部44とが互いに係合して、制御レバー40が下降することを阻止させている。これによって、上記単発打ちモード時の反動によって釘打機1が上方へ跳ね上がることが発生しても、コンタクトアーム32が下方へ作動することがなく反動によって上動した釘打機1が再度被打込材へ着地することによって発生するドリブル打ちが防止できる。
以上のように、この実施例においては、コンタクトアーム32の上端に回転自在に制御レバー40を設け、この制御レバー40とコンタクトレバー34の操作端34aを係合させることによってバルブステム19をオン操作させるようにし、更に最大回動位置に回動操作されたトリガレバー31によって制御レバー40を回動させて制御レバー40とコンタクトレバー34との係合を離脱させてバルブステム19をオフ操作させるようにしているので、連続打ちモード時の釘打ち時の反動を減少させるために、コンタクトアーム32の操作ストロークの早いタイミングで釘打機1を起動させるように起動バルブ15のオン位置とオフ位置とを設定した場合でも、単発打ち込み時のドリブル打ちの発生が防止できる。
また、トリガレバー31を最大に引き操作した状態では起動バルブ15のバルブステム19が常にオフの状態にされているので、コンタクトアーム32を操作した後にトリガレバー31を操作して起動装置30を単発打ちモードに保持した状態で、その後に釘打機1をエア供給源へ接続したときの誤作動を防止することができる。
次に、図6乃至図8に示す本発明の起動装置の他の実施例を説明する。図6に示すように、この実施例における起動装置50では、前述の実施例と同様にコンタクトアーム32の上端に連結したL字片37に、水平方向に屈曲された操作端部52が上端に形成されている制御レバー51が回動可能に且つバネ53によって操作端部52が上方へ向くように時針回り方向に回動付勢されて設けられている。制御レバー51は下端部が回転軸54によってL字片37に支持されており、この下端部と前記操作端部52の間に係合部55が形成されている。更に、前記トリガレバー31には、トリガレバー31を回動操作ストロークの終端部まで回動操作したときに、作動位置に配置されている制御レバー51の前記係合部55と係合して制御レバー51を回動させる係合片56が形成されている。この係合片56は、通常時には制御レバー51の係合部55の移動軌跡の前方側に配置されており、トリガレバー31を引き操作することによって移動軌跡を横切って後方側へ移動されるように構成されている。制御レバー51が操作位置に配置されているときに前記係合片56が制御レバー51の係合部55と係合して制御レバー51を時針回り方向に回動させる。
上記実施例による起動装置50を使用した釘打機における連続打ちモードでの作動は前述の実施例と全く同様に行われる。まず、図7(a)に示すように、トリガレバー31を引き操作した状態を保持したまま釘打機1のノーズ部7を被打込材に打ち当てるように釘打機1を振り下ろし操作する。この操作によって図7(b)に示すように、コンタクトアーム32が上方へ操作されて、コンタクトアーム32の上端に取り付けたL字片37を介して制御レバー51が上方へ操作されて、制御レバー51の操作端部52によってコンタクトレバー34の操作端34aが上方へ押し上げられて回動してバルブステム19が起動バルブ15をオン作動させる位置まで作動されて釘打機1が起動される。トリガレバー31を起動操作したままの状態で釘打機1のノーズ部7を被打込材から離反させてコンタクトアーム32を解放操作すると、再び、図7(a)に示すように、コンタクトアーム32上端のL字片37が下方に移動し、これに伴ってコンタクトレバー34が回動してバルブステム19が下死点位置まで作動して起動バルブ15をオフ作動させる状態に復帰する。この後、再度釘打機のノーズ部7を被打込材へ打ち当ててコンタクトアーム32を操作すると、コンタクトレバー34が再度回動されてバルブステム19が再度押し込まれて起動バルブ15がオン作動し、釘打機1が起動する。すなわち、トリガレバー31を引き操作している限り、コンタクトアーム32の操作を繰り返すだけで釘打機1を連続的に起動させることができる。
次に、単発打ちモードの場合には、釘打機1のノーズ部7を被打込材の釘打ち箇所へ押し付け操作してコンタクトアーム32を操作すると、図8(a)に示すように、コンタクトアーム32の上端に形成されているL字片37を介して制御レバー51が上方へ移動操作され、これによってコンタクトレバー34の操作端34aが制御レバー51の操作端部52によって上方へ押し上げられてコンタクトレバー34が枢支部34b側を中心として回動される。この状態ではトリガレバー31が未だ回動操作されていないので上記のコンタクトレバー34の回動によってはコンタクトレバー34はバルブステム19と係合されず、起動バルブ15のバルブステム19は作動されない。
この状態からトリガレバー31を引き操作して、図8(b)に示すように、トリガレバー31の最大引き操作位置のやや手前の位置までトリガレバー31を回動操作したときに、トリガレバー31の回動によってコンタクトレバー34の枢支部34b側が上方側へ移動されて、コンタクトレバー34の背面側がバルブステム19と係合されてコンタクトレバー34が操作端34aを下方向に移動させるように回動しようとするが、コンタクトレバー34の操作端34a側が制御レバー51の操作端部52と係合して下面側から支持されることによってコンタクトレバー34が操作端34a側を中心として回動され、これによって起動バルブ15のバルブステム19が起動バルブ15をオン作動させる位置まで押し上げられて起動バルブ15がオン作動して釘打機1が起動される。
上記の単発打ちモードの操作時に、トリガレバー31の回動操作によってトリガレバー31に形成されている係合片56が制御レバー51の係合部55と係合して制御レバー51を図中時針回り方向に回動させ、トリガレバー31が図5(c)に示すように、最大引き操作位置まで回動操作させたときに、制御レバー51の操作端部52がコンタクトレバー34の操作端34aの下面から離脱されて、これによってコンタクトレバー34の操作端側34aが下方向に回動されて起動バルブ15のバルブステム19を下死点位置まで作動させて起動バルブ15をオフ作動させる。
以上のように、この実施例においては、コンタクトアーム32の先端に回転自在に制御レバー51を設け、この制御レバー51とコンタクトレバー34の操作端34aを係合させることによってバルブステム19をオン操作させるようにし、更に最大回動位置に回動操作されたトリガレバー31によって前記制御レバー51を回動させて制御レバー51とコンタクトレバー34との係合を離脱させてバルブステム19をオフ操作させるようにしているので、連続打ちモード時の釘打ち時の反動を減少させるように、コンタクトアーム32の操作ストロークの早いタイミングで釘打機1を起動させるように設定した場合でも、単発打ち込み時のドリブル打ちの発生が防止できる。また、トリガレバー31を最大に引き操作した状態では起動バルブ15のバルブステム19が常にオフの状態にされているので、コンタクトアーム32を操作した後にトリガレバー31を操作して単発打ちモードに起動装置30を保持した状態で、その後に釘打機1をエア供給源へ接続したときの誤作動を防止することができる。