JP3344457B2 - 釘打機における連続打ちと単発打ちの切換え機構 - Google Patents

釘打機における連続打ちと単発打ちの切換え機構

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JP3344457B2 JP33284996A JP33284996A JP3344457B2 JP 3344457 B2 JP3344457 B2 JP 3344457B2 JP 33284996 A JP33284996 A JP 33284996A JP 33284996 A JP33284996 A JP 33284996A JP 3344457 B2 JP3344457 B2 JP 3344457B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は連続打ちと単発打ち
とを自動的に切り換える釘打機における連続打ちと単発
打ちの切換え機構に関する。
【0002】
【従来技術】釘打機による釘の打ち込みモードには、初
めにコンタクトアームの先端を被打込み材に押し付けた
後にトリガレバーを引くことによってのみ釘の打ち込み
作動をする単発打ちモードと、トリガレバーを引いてお
きコンタクトアームを被打込み材に押し付けることによ
り釘の打ち込み作動をする連続打ちモードとが知られて
いる。単発打ちは釘を正確に狙い打ちする場合に利用さ
れ、連続打ちは釘を迅速に打ち込む場合に利用されるも
ので、釘打機には両者を切換える切換え機構が設けられ
ている。
【0003】両モードの切換え機構としては、コンタク
トアームの位置を変えるものや、コンタクトレバーの位
置を変えるもの、あるいはトリガレバーの引き位置を変
えたり、トリガレバーを移動させるものなどが知られて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
切換え機構によれば、打ち込みモードを切換えるために
は、コンタクトアームやトリガレバーの位置を変えたり
移動させたりするための切換え操作が必要であり、操作
を間違えたり忘れたりする問題があった。
【0005】本発明は上記問題点を解消し、打ち込み操
作に応じて自動的に打ち込みモードを切換えることがで
きる釘打機における連続打ちと単発打ちの切換え機構を
提供することをその課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明に係る釘打機における連続打ちと単発打ちの
切換え機構は、釘打機本体に設けられたトリガバルブの
作動を制御するバルブステムと、釘打機本体に対して釘
打ち込み方向に沿って摺動自在に配置されたコンタクト
アームの基端との間にトリガレバーを揺動自在に配置
し、トリガレバーには、上記バルブステムとコンタクト
アームとに係合可能なコンタクトレバーを回動自在に取
り付け、上記コンタクトアームの基端によるコンタクト
レバーの押し上げ作動と上記トリガレバーの揺動とによ
って上記コンタクトレバーが上記バルブステムを押し込
んで上記トリガバルブを作動させる釘打機において、
上記コンタクトレバーをコンタクトアームの基端上を
横切ってコンタクトアームの基端に深く係合可能な第1
の位置と、浅く係合可能な第2の位置とに移動可能に配
置し、第2の位置ではトリガレバーを引いたときに非作
動状態のコンタクトアームの基端の移動軌跡から退避す
るように配置するとともに、コンタクトレバーを常時第
1の位置側に移動するようにバネ付勢し、上記トリガレ
バーには、トリガレバーを引かない状態でコンタクトア
ームを摺動させたときにその基端に係合して上記コンタ
クトレバーを第2の位置に移動させる作動手段を設け、
上記釘打機本体とトリガレバーとの間には、コンタクト
レバーが第2の位置に移動した状態でトリガレバーを引
いたときにコンタクトレバーを第2の位置に保持させる
保持手段を設けたことを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】図1は通常の釘打機の起動操作部
分の断面図であり、符号1はトリガバルブ、2はコンタ
クトアーム、3はトリガレバーを示す。
【0008】トリガバルブ1はヘッドバルブ4の開閉作
動を制御するもので、バルブステム5を備え、このバル
ブステム5を押し込むことによりヘッドバルブ4が開
き、釘打機本体6のエアチャンバ7内の圧縮空気が打撃
シリンダ8内に供給され、打撃ピストン9とそれに結合
したドライバ10が駆動されて釘打ち込み作動が行なわ
れる。バルブステム5の押込み力を解除するとヘッドバ
ルブ4が閉じ、供給された圧縮空気が排気されて打撃ピ
ストン9が復帰移動し、次の釘打ち込みの準備が行なわ
れる。
【0009】コンタクトアーム2は釘打機本体6に対し
て釘打ち込み方向に沿って摺動自在に配置され、その先
端側は図示しない釘の射出部(ノーズ部)に沿って配置
され、基端2aはトリガバルブ1の近傍に配置されてい
る。そして、コンタクトアーム2の先端が常時射出部か
ら突出するようにバネ付勢されている。
【0010】トリガレバー3はトリガバルブ1のバルブ
ステム5とコンタクトアーム2の基端2aとの間に、支
軸11に支持されて揺動自在に配置されている。トリガ
レバー3にはコンタクトレバー12がピン13によって
回動自在に支持されている。コンタクトレバー12はZ
字形に屈曲された細長の部材で、上記バルブステム5と
コンタクトアーム2とに係合可能に配置されている。な
お、トリガレバー3は釘打機本体6との間に設けられた
バネ14によりコンタクトレバー12がバルブステム5
から離間するように付勢されている。
【0011】上記構成は公知で、これによればコンタク
トアーム2の先端を被打込み材に押込むことによりコン
タクトアーム2は釘打機本体6に沿って摺動し、その基
端2aがコンタクトレバー12を押し上げる。しかし、
これだけではコンタクトレバー12はバルブステム5に
係合できない。同様に、トリガレバー3を引き操作して
揺動させることによってもコンタクトレバー12はバル
ブステム5に接近するが、それだけではバルブステム5
に係合できない。コンタクトアーム2による押し上げ作
動とトリガレバー3の揺動との協働によって初めてコン
タクトレバー12が上記バルブステム5を押し込んで上
記トリガバルブ1を作動させることができるように構成
されている。
【0012】ところで、上記コンタクトレバー12はコ
ンタクトレバーガイド15に設けられたピン13に支持
され、コンタクトレバーガイド15はトリガレバー3に
形成された摺動溝20に沿って(図2参照)その長手方
向に摺動自在に取り付けられ、バネ17によって釘打機
本体6側(図の左側)に位置するように付勢されてい
る。したがって、コンタクトレバーガイド15の移動位
置に応じて上記コンタクトレバー12も移動するが、こ
の場合、コンタクトレバー12はコンタクトアーム2の
基端2a上を横切ってコンタクトアーム2の基端2aに
深く係合可能な第1の位置(図1及び図3〜図5の位
置)と、浅く係合可能な第2の位置(後述の図6〜図9
の位置)とに移動可能に配置されている。しかも、第2
の位置ではトリガレバー3を引いたときにピン13を中
心に回動して非作動状態のコンタクトアーム2の基端2
a上から外れ(後述の図8参照)、その移動軌跡から退
避するように配置されている。そして、コンタクトレバ
ー12は常時上記第1の位置側にバネ付勢されている。
【0013】次に、上記トリガレバー3の略中間部には
ピン18が固定され、ピン18には捩りコイルバネ19
が取り付けられている。捩りコイルバネ19の一端19
aはコンタクトアーム2の基端2aに、また他端19b
はコンタクトレバーガイド15の前端に係合可能に配置
されている。これにより、捩りコイルバネ19の一端1
9aは、トリガレバー3を引かない状態でコンタクトア
ーム2を摺動させたときにその基端2aに係合してピン
18を中心に回動し、捩りコイルバネ19の他端19b
が上記コンタクトレバー12を第2の位置に移動させる
作動手段として作用する。なお、捩りコイルバネ19の
上記一端19aはトリガレバー3の揺動に伴って、コン
タクトアーム2の基端2aの移動軌跡から退避する位置
に移動するように設けられている。
【0014】また、コンタクトレバー12には係合穴2
1が形成され、釘打機本体6にはこれに対応して係合ロ
ッド22が設けられ、係合ロッド22はバネ23により
係合穴21に係合する方向に付勢されている。これによ
り、コンタクトレバー12が第2の位置にある状態でト
リガレバー3を引いたときに上記係合ロッド22は係合
穴21に係合してコンタクトレバー12を第2の位置に
保持させる保持手段として作用する。
【0015】ここで、前記構成の釘打機の作動態様につ
いて説明する。まず連続打ちモードにするときは、まず
図1の準備状態から図3のようにトリガレバー3を引き
操作し、その後コンタクトアーム2を被打込み材に押し
付ける。これによりコンタクトアーム2の基端2aはコ
ンタクトレバー12を押し上げる(図4参照)から、コ
ンタクトレバー12がバルブステム5を押し込み、トリ
ガバルブ1が作動し、釘打機が釘打ち込み作動する。釘
打ち込み後、コンタクトアーム2を被打込み材から離反
すると、図5のようにコンタクトアーム2は元の位置に
復帰し、バルブステム5に対する押し上げ力が失われる
ので、コンタクトレバー12も元の位置に戻る。この状
態で再び、コンタクトアーム2を被打込み材に押し付け
ると、コンタクトレバー12が押し上げられてバルブス
テム5を押し込むので、釘打機が再び釘打ち込み作動す
る。したがって、トリガレバー3を引いたままコンタク
トアーム2の押し付け、解除の操作を繰り返せば、連続
的に釘を打込むことができる。トリガレバー3を離すこ
とにより、釘打機は図1の初期状態に戻る。
【0016】なお、連続打ちモードでは、トリガレバー
3を先に引くから、捩りコイルバネ19の上記一端19
aはコンタクトアーム2の基端2aの移動軌跡から退避
する位置に移動するため、コンタクトレバーガイド15
はバネ17によって前方に移動したままであり、コンタ
クトレバー12も第1の位置にある。
【0017】これに対し、単発打ちモードにするとき
は、まず図1の準備状態から図6のようにコンタクトア
ーム2を被打込み材に押し付ける。この場合、押し付け
によってコンタクトアーム2の基端2aがコンタクトレ
バー12を押し上げるとともに、捩りコイルバネ19の
一端19aを押しあげる。このため、捩りコイルバネ1
9がピン18を中心に回動し、他端がコンタクトレバー
ガイド15をバネ17に抗して後退移動させる。このた
め、コンタクトレバー12も第2の位置に移動する。
【0018】この状態でトリガレバー3を引き操作する
と、図7のようにコンタクトレバー12がバルブステム
5を押し込み、トリガバルブ1が作動し、釘打機が釘打
ち込み作動する。ところが、同図のようにコンタクトレ
バー12が第2の位置にあるので、トリガレバー3を引
くことにより係合ロッド22は係合穴21に係合し、コ
ンタクトレバー12は第2の位置に保持されてしまう。
【0019】釘打ち込み後、コンタクトアーム2を被打
込み材から離反すると、図8のようにコンタクトアーム
2は元の位置に復帰し、押し上げ力が失われるので、コ
ンタクトレバー12もピン18を中心に元のように回動
し、非作動状態のコンタクトアーム2の基端2a上から
外れ、その移動軌跡から退避する。したがって、この状
態で再びコンタクトアーム2を被打込み材に押し付けて
も、図9のようにコンタクトアーム2は空作動し、コン
タクトレバー12を押し上げることはできないので、バ
ルブステム5は押し込まれず、釘打機は作動しない。釘
打機を再起動させるためには、いったんトリガレバー3
を解放して元の位置に揺動させなければならない。これ
により、係合ロッド22と係合穴21との係合が解除さ
れるので、コンタクトレバーガイド15がバネ17によ
り前方に移動し、コンタクトレバー12は第1の位置に
移動し、図1の初期状態となる。再びコンタクトアーム
2を押し付け、その後トリガレバー3を引くという操作
順序を踏んだときに次の釘打ち込み作動が行なわれる。
【0020】以上のように、先にトリガレバー3を引い
たときは、コンタクトレバー12はバネ力によって第1
の位置に保持されているから、コンタクトアーム2が摺
動する度毎にコンタクトレバー12はバルブステム5を
押し込んでトリガバルブ1が作動し、釘打機を連続的に
釘打ち込み作動させることができる。
【0021】これに対し、先にコンタクトアーム2を押
し付け操作したときは、作動手段(捩りコイルバネ1
9)がコンタクトアーム2の基端2aに係合してコンタ
クトレバー12は第2の位置に移動するが、さらにトリ
ガレバー3を引くことにより釘打ち込み作動が行われ
る。しかし、このときコンタクトレバー12が保持手段
(係合穴21と係合ロッド22)により第2の位置に保
持されているから、コンタクトアーム2を被打込み材か
ら離反させて非作動状態にすると、コンタクトレバー1
2はコンタクトアーム2の基端2aの移動軌跡から退避
する。したがって、再びコンタクトアーム2を被打込み
材に押し付けて摺動させても空作動し、釘打機は起動し
ない。いったん、トリガレバー3から指を離して上記保
持手段による保持を解放することによりコンタクトレバ
ー12を第1の位置に移動させなければ、初期状態に戻
らない。
【0022】このように、最初にトリガレバー3を引く
かコンタクトアーム2を押し付けるかという打ち込み操
作に応じて自動的に連続打ちモードと単発打ちモードに
切り換わるので、切り換えのための操作を省くことがで
き、操作を間違えたり失念したりすることもないから、
操作性を大幅に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】非作動状態における連続打ちと単発打ちの切換
え機構の要部の断面図
【図2】図1のXーX線上の断面図
【図3】先にトリガレバーを引いた状態の作動態様説明
【図4】次にコンタクトアームを押し付け操作した状態
の作動態様説明図
【図5】さらにコンタクトアームを被打込み材から離反
した状態の作動態様説明図
【図6】先にコンタクトアームを押し付け操作した状態
の作動態様説明図
【図7】次にトリガレバーを引いた状態の作動態様説明
【図8】さらにコンタクトアームを被打込み材から離反
した状態の作動態様説明図
【図9】再度コンタクトアームを押し付け操作した状態
の作動態様説明図
【符号の説明】
1 トリガバルブ 2 コンタクトアーム 2a 基端 3 トリガレバー 5 バルブステム 6 釘打機本体 12 コンタクトレバー

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 釘打機本体に設けられたトリガバルブの
    作動を制御するバルブステムと、釘打機本体に対して釘
    打ち込み方向に沿って摺動自在に配置されたコンタクト
    アームの基端との間にトリガレバーを揺動自在に配置
    し、トリガレバーには、上記バルブステムとコンタクト
    アームとに係合可能なコンタクトレバーを回動自在に取
    り付け、上記コンタクトアームの基端によるコンタクト
    レバーの押し上げ作動と上記トリガレバーの揺動とによ
    って上記コンタクトレバーが上記バルブステムを押し込
    んで上記トリガバルブを作動させる釘打機において、 上記コンタクトレバーをコンタクトアームの基端上を横
    切ってコンタクトアームの基端に深く係合可能な第1の
    位置と、浅く係合可能な第2の位置とに移動可能に配置
    し、第2の位置ではトリガレバーを引いたときに非作動
    状態のコンタクトアームの基端の移動軌跡から退避する
    ように配置するとともに、コンタクトレバーを常時第1
    の位置側に移動するようにバネ付勢し、 上記トリガレバーには、トリガレバーを引かない状態で
    コンタクトアームを摺動させたときにその基端に係合し
    て上記コンタクトレバーを第2の位置に移動させる作動
    手段を設け、 上記釘打機本体とトリガレバーとの間には、コンタクト
    レバーが第2の位置に移動した状態でトリガレバーを引
    いたときにコンタクトレバーを第2の位置に保持させる
    保持手段を設けたことを特徴とする釘打機における連続
    打ちと単発打ちの切換え機構。
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