JP4051655B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一枚ずつ搬送される用紙をスイッチバックさせる機構を備えた画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一枚ずつ搬送される用紙をスイッチバック反転させることで自動両面印刷が可能なプリンタや複写機等に代表される画像形成装置が実用化されている。
【0003】
従来の画像形成装置における排紙部の構成の一例を図4により説明する。
【0004】
図4において、画像形成装置1に設けられた定着装置9は互いに圧接させた熱ローラ9aと加圧ローラ9bとから構成されており、用紙に転写されたトナー像を定着させる。10はゲートで、搬送される用紙の方向を切り替える機能を有する。定着装置9と画像形成装置1の排出口11を連絡する用紙搬送路12を「送紙路」と呼ぶ。また、13aは「引込み路」と呼ぶこととし、定着装置9に対し用紙搬送方向下流側の送紙路12から分岐して設けられており、ゲート10の切り替え制御により定着装置9から送り出されてきた用紙を選択的に引き込む。また、13bは「反転排紙路」と呼ぶこととし、引込み路13aの途中から分岐し、その終端を画像形成装置1のシート排出口11の上流の送紙路12に合流させて設けられている。 なお、15はゲート10の前段に設けられた搬送ローラ対、16はゲート10の後段に設けられた排出ローラ対、17は引込み路13a及び反転排出路13b上に設けられた搬送ローラ対の駆動ローラ、18は引込み路13a上に設けられた正転/逆転切り替え可能な反転ローラ対である。
【0005】
更に、反転ローラ対18は、反転ローラ対18を離間する為のローラ保持部材19、反転ローラ対18にニップ荷重を与える為のスプリング20、反転ローラ対18を離間させる為のソレノイド21で構成されており反転ローラ対離間時には、ソレノイド21がスプリング20の張力に逆らって反転ローラ対18の可動側ローラ18aを離間させる為のローラ保持部材19を引き上げ、反転ローラ対18を離間させる構成が知られている。
【0006】
また、離間機構の他の例を図5に示す。モータ23を駆動源とする偏心カム22を有し、偏心カム22の回転動作によりスプリング20の張力に逆らい反転ローラ対18を離間させる方法も知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術では、反転ローラ対18の可動側ローラ18aをニップさせるためのスプリング20の張力に逆らった方向にローラ保持部材19を回動する必要が有るため、スプリング20の張力より大きな駆動力が必要となり、その結果ソレノイド21または、駆動モータ23の大型化を招くという課題が生ずる。また、ソレノイド21を用いた方式の場合にはソレノイド21の応答時間のバラツキによる反転ローラ対18の離間動作の信頼性が低くなるという課題が生じていた。
【0008】
また、用紙搬送路において用紙ジャムが発生し、ジャムクリアのために画像形成装置のカバーを開いた時には、安全性の観点から画像形成装置の動力は切断されるのが一般的であり従来技術では反転ローラ対は、駆動源が切断された場合にはニップ荷重付与バネによりニップ状態で保持されるため、ローラ間にニップされたシートを除去することが困難であった。また、これを解決するには反転ローラ対離間機構を含む単位で搬送路を開放する必要が有り、画像形成装置の高コスト化を招くことになる。
【0009】
本発明の目的は、前述したような従来技術の欠点を解消するもので、用紙反転装置の反転ローラ対離間機構を工夫することにより、モータの小型化を図り且つ、反転ローラ対離間動作の信頼性向上を行ない、且つ用紙搬送路のペーパガイド開閉機構を不要とした用紙反転装置を備えた画像形成装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
反転ローラ対のニップ荷重に逆らって反転ローラ対の離間動作をさせるために駆動手段が大型化し、また、駆動力切断時にニップ状態になる点に着目して、反転ローラ保持部材と偏心カムを介して反転ローラ保持部材に対向して当接しながら回動可能に支持されたスプリング保持部材間にニップ荷重付与バネ部材を設けることで、反転ローラ対がニップしていない状態では偏心カム駆動手段にたいしてニップ荷重付与バネ材の力が作用しない構成を採ることにより上記課題を解決する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例を図面にて説明する。
【0012】
図3に示すように、画像形成装置システムは、画像形成装置1および用紙取扱装置2によって構成される。本実施例において、画像形成装置1では、感光体を用い、周知の電子写真プロセスにより用紙上にトナー像を記録形成するレーザプリンタが例示されている。また、用紙取扱装置2としては、画像形成装置1から排出された用紙をトレイ上に積み重ねて保持するスタッカが例示されている。
【0013】
画像形成装置1において、3,4,5は用紙収容部であり、用紙を収容している。6は感光ドラムで、コントローラ(図示せず)からの信号に基づいて矢印の方向へ回転を始める。感光ドラム6が回転を開始すると、コロナ帯電器(図示せず)によって感光ドラム6の表面は均一に帯電される。帯電した感光ドラム6には露光装置(図示せず)から出射されたレーザビームによって静電潜像が形成される。静電潜像は現像装置7の位置に到達するとトナーが付着して現像され、感光ドラム6上にトナー像として可視化される。こうして周知の電子写真プロセスにより形成されたトナー像は転写器8により用紙収容部3,4,5または後述する戻し路14から送り出されてきた用紙に転写される。9は定着装置であり、本実施例において定着装置は、互いに圧接させた熱ローラ9aと加圧ローラ9bとから構成されており、用紙に転写されたトナー像を定着させる。10aと10bはゲートで、搬送される用紙の方向を切り替える機能を有する。13は排出する用紙をスイッチバック反転させる用紙反転装置で用紙の排出方向を変換する機能を有する。
【0014】
なお、画像形成装置1内に構成された用紙搬送路に関し、以下の説明においては、便宜上、用紙収容部3,4,5―画像形成手段6,7,8―プリンタ1の用紙排出口11を連絡する用紙搬送路12を「送紙路」と呼ぶ。また、13aは「引込み路」と呼ぶこととし、画像形成手段6,7,8に対し用紙搬送方向下流側の送紙路12からゲート10bにより分岐して設けられており、ゲート10bの切り替え制御により定着装置9から送り出されてきた用紙を選択的に引き込む。また、13bは「反転排紙路」と呼ぶこととし、引込み路13aの途中から分岐し、その終端を画像形成装置1の用紙排出口11の上流の送紙路12に合流させて設けられている。14は「戻し路」と呼ぶこととし、引込み路13aに対し用紙搬送方向上流側の送紙路12からゲート10aにより分岐し、その終端を画像形成手段6,7,8に対し用紙搬送方向上流側の送紙路12に合流させて設けられている。
【0015】
なお、図3において、15はゲート10aと10bの前段に設けられた搬送ローラ対、17は正逆転切り替え可能に構成されて、引込み路13a,反転排出路13b及び用紙排出口11の直前の送紙路12上に設けられた排出ローラ対の搬送駆動ローラ17aは、駆動ローラ17と圧接して、搬送駆動ローラ17の回転に応じて連れまわり可能に構成されて、引込み路13aの導入ローラ 対を構成するピンチローラ、17bは搬送駆動ローラ17と圧接して、駆動ローラ17の回転に応じて連れまわり可能に構成されて、反転排出路13bの送り出しローラ対を構成するピンチローラ、17cは搬送駆動ローラ17と圧接して、搬送駆動ローラ17の回転に応じて連れまわり可能に構成されて、用紙排出口11の直前の送紙路12上に設けられた排出ローラ対を構成するピンチローラ、18は引込み路13a上で且つ、サンプルトレイ25直前に設けられた正逆転切り替え可能な反転ローラ対である。
【0016】
次に排出される用紙をスイッチバック反転させる用紙反転装置における反転ローラ対を離間させた状態を図1に、反転ローラ対をニップさせた状態を図2にて説明する。
【0017】
図1において、反転ローラ対18の可動側ローラ18aは回転中心をP部とする回転自在のローラ支持部材19aに保持されており、モータ23aによって駆動されるX部を中心として回転する偏心カム22aが図示状態位置にある場合、偏心カム22aによってローラ支持部材19aが反時計方向に回動し反転ローラ対18の可動側ローラ18aは駆動側ローラ18bより離間される。尚、この際ローラ支持部材19aはスプリング保持部材24にスプリング20aによって引張られる構成となっているが、スプリング20aの張力は図1に示す離間状態においては偏心カム22aの回転軸X部まわりのトルクとしては作用しない構成となる。
【0018】
図2において可動側ローラ18aが駆動ローラ18bにニップされる際は、まずモータ23aによって駆動されるX部を中心として回転する偏心カム22aが図示状態位置(上側)に回転するとまず、ローラ支持部材19aとスプリング支持部材24によって保持されているスプリング20aの張力によりローラ支持部材19aがP部を中心に時計方向に回転し可動側ローラ18aを駆動ローラ18bにニップさせる。その後偏心カム22aが図示状態位置に回転することにより偏心カム22aはローラ支持部材19aが可動側ローラ18aをニップ状態に押し付けている為、ローラ支持部材19aから離れスプリング支持部材24を上方に持ち上げることによりスプリング20aの張力により、可動側ローラ18aに適正なニップ荷重を与え保持される。
【0019】
以上のように、反転ローラ対の離間機構を構成することにより以下の効果が得られる。
【0020】
第1に、反転ローラ対を接離させるために必要な動力は、反転ローラ対のニップ荷重に対応した動力以下となるため、偏心カム駆動用のモータの小型化が図れ、画像形成装置の低コスト化につながる。第2に、用紙ジャム発生時に反転ローラ対を離間させた状態では、偏心カムの回転軸回りに回転力が作用しないため、偏心カムの駆動モータへの通電が切断された状態でもその位置の保持が可能で反転ローラ対の離間状態が維持できるため、従来行なっていた反転ローラ離間機構を含む単位での用紙搬送路の開放なしにジャム用紙の除去が容易となる。また、反転ローラ対18を図3に示すように反転ローラ対18につづくサンプルトレイ25の直前の排紙ローラとした場合にはジャムクリア時に偏心カム駆動モータの通電を切断する必要がなく確実にニップ解除した状態でジャム用紙除去が可能である。
【0021】
【発明の効果】
本発明に係る反転ローラ対離間機構を備える用紙反転装置は上述の通りの構成であるので、ソレノイドや大型のモータを用いることなく信頼性の高い安価な反転ローラ対離間機構の構成が可能となる。また用紙ジャム時の反転ローラ離間機構を含む単位での用紙搬送路の開放をを必要としない為、ジャムクリアが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置における反転ローラ対離間状態を示す模式図である。
【図2】本発明の画像形成装置における反転ローラ対ニップ状態を示す模式図である。
【図3】本発明の画像形成装置の全体構成図である。
【図4】従来技術における排紙部の構成を示す説明する模式図である。
【図5】従来技術における反転ローラ対周辺の模式図である。
【符号の説明】
1…画像形成装置、2…用紙取扱装置(スタッカ)、9…定着装置、9a…熱ローラ、9b…加圧ローラ、10a,10b…ゲート、11…排出口、12…送紙路、13…反転機、13a…引込み路、13b…反転排出路、14…戻し路、15…搬送ローラ対、17…搬送駆動ローラ、17a…導入ローラ対のピンチローラ、17b…送り出しローラ対のピンチローラ、17c…排紙ローラ対のピンチローラ、18…反転ローラ対。

Claims (3)

  1. 用紙の搬送方向を反転させる反転部へ用紙を送入する一対の送入ローラと、前記反転部に設けられて回転方向を反転することにより前記一対の送入ローラによって送入された用紙の搬送方向を反転する一対の反転ローラと、搬送方向を反転させられた用紙を前記反転部から送出する一対の送出ローラと、前記一対の反転ローラを離間させる機構を備えた用紙反転装置において、
    前記反転ローラの離間機構として、
    偏心カムと、
    前記偏心カムの回転軸を回転させる偏心カム駆動手段と、
    前記偏心カムの回転位置により移動する機構で構成された前記一対の反転ローラの可動側のローラ支持部材と、
    前記偏心カムを介して前記ローラ支持部材に対向して当接しながら回動可能に支持されたスプリング保持部材と、
    前記スプリング保持部材と前記ローラ支持部材間にバネ性部材を設け、
    前記バネ性部材は、前記一対の反転ローラがニップしていない状態では前記偏心カム駆動手段に対してバネ性部材の弾性力を作用させない構成としたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 用紙反転装置用紙ジャムが発生した後、前記偏心カム駆動手段を動作させて前記一対の反転ローラニップ解除する制御手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記一対の反転ローラを、前記一対の反転ローラ正時転時下流に設けられた排紙トレイ直前の最終段の排出ローラとすることを特徴とする請求項1乃至2記載の画像形成装置。
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