JP4050831B2 - ショックアブソーバーブラケット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、トラックのショックアブソーバーをシャーシフレームに取り付けて支持するためのショックアブソーバーブラケットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図5に示すように、一般にトラックの車軸aは、シャーシフレームfの両側にそれぞれ取り付けられた板バネbとショックアブソーバーsを介してシャーシフレームf側に支持されるようになっている。
【0003】
このうち、ショックアブソーバーsは、いわゆるピストンとシリンダからなるダンパーの一種であり、その下端部が車軸a側に連結され、上端部がシャーシフレームfの側面に取り付けられたショックアブソーバーブラケットcを介してシャーシフレームf側に支持されるようになっている。
【0004】
このショックアブソーバーブラケットcは、従来、図6に示すようにシャーシフレームfの側面(内側)からコ字状に突出したブラケット本体gと、このブラケット本体gを図示しないボルト等によってシャーシフレームf側に取り付けるフランジ部h,hと、ブラケット本体gの突出面iに取付ボルトjを貫通させてその端部をブラケット本体g内側に支持連結する支持板kとからなるものであり、この取付ボルトjの先端に上記ショックアブソーバーsを連結することで、ショックアブソーバーsに加わった荷重が取付ボルトj及び支持板kを介してブラケット本体g側に伝わり、さらに、このブラケット本体gを取り付けるフランジ部h,hを介してシャーシフレームf側に伝達するようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような構造をした従来のショックアブソーバーブラケットcはそれぞれブラケット本体gと支持板kとを別々に加工した後、図示したように本体gと支持板kを溶接して製作されるような構造となっていることから、製作に際しては先ずそれぞれの部品を別々に加工するためにそれぞれ単独にて材料の購入及び管理を行い、且つ単独にてブランク素形材や成形のプレス加工を行わなければならず、相当の工数、工程を要していた。また成形加工後の次工程として本体gと支持板kの溶接作業が必要となるが、複数部品の溶接作業は、組み付ける部品の相互位置精度を向上させ、且つ安定させるために組み付け治具を必要とし、治具製作及び摩耗による修正などに多大な費用と時間を要し、製品開発期間の長期化の要因となったり、治具修正のための生産調整など、生産性悪化の要因ともなっていた。このように従来のような複数部品からなる構造においては多くの問題があり、生産効率の向上及び製作コストの削減を達成することが困難であった。
【0006】
また、このようなショックアブソーバーブラケットcにおける荷重は、特にブラケット本体gのフランジ部h,h付近に集中しやすく、この部分の強度を高めるために本体g全体の板厚を厚くする方法が採られている。しかしながら、本体g全体の板厚を厚くすると、ショックアブソーバーブラケットc全体の重量が増大する上に材料コストが高くなってしまうといった問題があった。
【0007】
そこで、本発明はこのような課題を有効に解決するために案出されたものであり、その主な目的は、軽量且つ充分な強度を有すると共に、生産性等を悪化させる溶接作業や別部品の加工作業を省略して生産性を大幅に向上させることができる新規なショックアブソーバーブラケットを提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、シャーシフレーム側に取り付けられる取付面と、この取付面と略平行に対向する突出面と、この突出面と上記取付面間をボックス状に接続する連結面とを備えたショックアブソーバーブラケットにおいて、上記取付面と突出面と連結面とを一枚の板材を折り畳むことにより一体成形すると共に、その連結面の取付面側を折り曲げてその取付面側に重ね合わせて補強したものである。
【0009】
すなわち、一枚の板材を折り畳んで取付面と突出面と連結面とを一体成形することにより、従来のような複数部品の製作や組立のための溶接作業が不要となるため、生産性を大幅に向上させることができる。
【0010】
また、この板材を折り畳む際に、連結面の取付面側を折り曲げてその取付面側に重ね合わせることにより、その部分が板厚が倍となって強度が向上する。
【0011】
従って、この補強させた部分(重ね合わせ部)を利用してボルトやリベット等によって取付面をシャーシフレーム側に取り付けるようにすれば、応力が集中し易い取付面側の強度を簡単に向上させることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、本発明を実施する好適一形態を添付図面を参照しながら説明する。
【0013】
図1は本発明に係るショックアブソーバーブラケット1の実施の一形態を示す斜視図、図2は、その使用状態を示す概念図である。尚、図1は本発明のショックアブソーバーブラケット1の構成を分かりやすくするために、使用時の上下を逆さにした状態を示す。
【0014】
図示するように、このショックアブソーバーブラケット1は、シャーシフレームf側に取り付けられる略矩形状の取付面2と、この取付面2と略平行に対向する略矩形状の突出面3と、この突出面3の周縁部と上記取付面2間をボックス状に接続する3つの連結面4a,4b,4cと、取付面2の両側に位置するフランジ部5,5とから主に構成されている。
【0015】
また、これら取付面2,突出面3,連結面4a,4b,4c,フランジ部5,5は一枚の板材9を立体的に折り畳んで一体成形されたものであり、いずれも相互に連続した構成となっている。
【0016】
具体的に説明すると、取付面2と突出面3はそれらの上端部間を接続する一つの連結面4aによって連続的に形成され、また、突出面3の両サイドに位置する連結面4b,4cもこの連結面4aの両サイドから連続的に形成されている。また、フランジ部5,5はこれら両連結面4b,4cから連続的に形成されており、取付面2の両サイドに重ね合わされるように構成されている。
【0017】
また、この両連結面4b,4cの先端部は突出面3の裏面側にそれぞれ溶接されており、突出面3の両サイドと取付面2間を連結面4aと共に断面コ字形に連結支持するようになっている。
【0018】
さらに、この取付面2の略中央部には、突出面3方向に突出した凸部6が形成されており、突出面3の貫通孔7を貫通して延びる取付けボルト8の端部を支持連結するようになっている。そして、上述したようにこの取付けボルト8の突出端側には、ショックアブソーバーsの上端部が連結支持されるようになっている。
【0019】
また、フランジ部5,5には、その高さ方向にボルト孔10がそれぞれ上下三段に一組ずつ,計6個穿孔されており、これら各ボルト孔10,10…を利用してフランジ部5,5及び取付面2をシャーシフレームfの側面側に取り付け、固定するようになっている。尚、このボルト孔7は上下三段に限定されるものでなく、必要に応じて増加させても良い。
【0020】
このように構成された本発明のショックアブソーバーブラケット1にあっては、取付けボルト8が取付面2(凸部6)と突出面3との二ヶ所で支持されるようになるため、この取付けボルト8の上下方向に加わった荷重が特に突出面3側から各連結面4a,4b,4cを介して取付面2側へ加わり、図示しない取付ボルトを介してシャーシフレームf側に伝えられることになる。
【0021】
この際、最も荷重が集中しやすいボルト取付孔10,10…の部位は取付面2とフランジ部5,5の重ね合わせとなり、ボルト取付孔10,10…の孔縁部における荷重の集中による亀裂や変形等を招くことなく確実にショックアブソーバーsを支持することができる。
【0022】
次に、このような構造をしたショックアブソーバーブラケット1の成形方法について説明する。
【0023】
先ず、板厚が均一な鋼板を用意し、打ち抜き機によって図3に示すような形状をした板材9を形成する。
【0024】
図示するように、この板材9は、略矩形状をした取付面2の図中上方側に略台形状の連結面4aが連続的に形成され、さらにこの連結面4aの図中方向に矩形状の突出面3が連続して形成されている。また、この連結面4aの左右にはそれぞれ矩形状の連結面4b,4cが形成されると共に、これら連結面4b,4cの取付面3側には短冊状をしたフランジ部5,5が取付面2と連続して形成された構成をしている。
【0025】
そして、このような板材9をプレス機に設置し、各部材の仮想境界線Sをそれぞれ谷折り及び山折りして図4に示すように立体的に変形させる。この際、取付面2側に取付ボルト8支持用の凸部6を形成しておき、その後さらに、これら各部の仮想境界線Sをプレス機によって折り畳むことで図1に示すような本発明のショックアブソーバーブラケット1が得られることになる。
【0026】
具体的には、図3中、取付面2と連結面4aとの境界線S1と、連結面4aと突出面3との境界線を合計で180°となるように、すなわち、取付面2に対して突出面3が並行に対峙するようにそれぞれ山折りすると共に、連結面4aの両側に位置する連結面4b,4cとの境界線S3,S3をそれぞれ90°山折りし、さらに、この連結面4b,4cと各フランジ部5,5との境界線S4,S4をそれぞれ90°谷折りすると共に、各フランジ部5,5と取付面2との境界線S5,S5をそれぞれ180°山折りするようにプレス成形することになる。
【0027】
その後、あるいは型抜き時にこの突出面3に貫通孔7を穿孔すると共に、フランジ5,5部にボルト孔10,10…を穿孔した後、貫通孔7内に取付けボルト8を挿入してその端部を取付面2側の凸部6に溶接して取り付けることで本発明のショックアブソーバーブラケット1が容易に得られることになる。
【0028】
従って、従来のように別部材をそれぞれ製造した後、個々の部材を溶接等によって組み立てる作業が不要となって生産効率が向上すると共に、強度が要求されるボルト孔10,10…周囲を容易に補強することが可能となって信頼性の高いショックアブソーバーブラケット1を得ることができる。
【0029】
【発明の効果】
以上要するに本発明によれば、以下に示すような優れた効果を発揮することができる。
【0030】
(1)一枚の板材を折り畳んで形成するようになっていることから、各部材が強固に連結されるため、全体の強度が大幅に向上する。
【0031】
(2)板材を折り畳み成形時に、強度が必要な部分を二枚重ねするようにしたことから、容易に強度を向上させることができると同時に、成形後に補強板等を付け加える等の作業が不要となり、生産効率が向上する。
【0032】
(3)比較的簡単な折り畳み成形によって得られるため、形状の自由度が確保される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るショックアブソーバーブラケットの実施の一形態を示す斜視図である。
【図2】本発明に係るショックアブソーバーブラケットの取り付け状態を示す概念図である。
【図3】本発明に係るショックアブソーバーブラケットの展開図である。
【図4】本発明に係るショックアブソーバーブラケットを折り畳み成形する際の状態を示す斜視図である。
【図5】従来のショックアブソーバーブラケットの取り付け状態を示す概念図である。
【図6】従来のショックアブソーバーブラケットの一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 ショックアブソーバーブラケット
2 取付面
3 突出面
4a,4b,4c 連結面
5 フランジ部
9 板材
f シャーシフレーム
Claims (1)
- シャーシフレーム側に取り付けられる取付面と、この取付面と略平行に対向する突出面と、この突出面と上記取付面間をボックス状に接続する連結面とを備えたショックアブソーバーブラケットにおいて、上記取付面と突出面と連結面とを一枚の板材を折り畳むことにより一体成形すると共に、その連結面の取付面側を折り曲げてその取付面側に重ね合わせて補強したことを特徴とするシャーシ用ブラケット。
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JP26963998A JP4050831B2 (ja) | 1998-09-24 | 1998-09-24 | ショックアブソーバーブラケット |
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JP26963998A Expired - Lifetime JP4050831B2 (ja) | 1998-09-24 | 1998-09-24 | ショックアブソーバーブラケット |
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