JP4049972B2 - シールド掘進機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シールド掘進機に関するもので、カッタビットの交換回数が多いシールド掘進機に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
シールド掘進機では、カッタヘッドで地山を掘削する過程においてカッタビットが摩耗又は損傷しないようにカッタビットに超硬チップを用いてカッタビットの耐摩耗性を向上させるようにしている。しかしながら、掘進時に硬質の地山に遭遇したり掘進距離が長くなったりすると、摩耗したり破損したりすることがあるため、掘進中にカッタビットの交換をすることが必要になる。そのカッタビットの交換をする場合、通常、地山の崩落や湧水の防止等の安全対策を切羽周辺に施した後、作業員が切羽に出てカッタビットの交換作業を行っていた。こうした方法によるカッタビットの交換作業は、多大の時間と経費を要するだけでなく、シールド掘進機外の切羽で行わなければならないため、必ずしも安全に行えるとは限らない。
【0003】
こうしたことから、従来、円筒形のカッタスポークをその軸心を中心に回動できるように設置し、カッタスポークの背面側に交換用のカッタビット列を予め取り付けておくことにより、カッタビットを交換するときに、その背面側のカッタビット列が切羽側を向くようにカッタスポークを回動させてカッタビットを交換できるようにした技術(1994年(平成6年)1月、(株)土木工学社発行「トンネルと地下」第25巻1号の「超長距離シールド機用カッタビット交換機構の開発」の論文参照)が開発されている。また、別の技術として、カッタビットの上方から下方に向けて複数段の超硬チップを切羽側を向くように予め埋め込んでおき、このカッタビットをジャッキでせり上げ得るようにすることにより、1段目の超硬チップが摩耗したときに、カッタビットをジャッキでせり上げて2段目の超硬チップを1段目の超硬チップの位置までせり上げてカッタビットを交換できるようにした技術(1994年9月9日、日経BP社発行「日経コンストラクション」第95頁の「シールド機のビット交換を不要に」の記事参照)が開発されている。これら従来の技術は、何れも、作業員がシールド掘進機外に出ることなくカッタビットを交換できるようにしたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの従来の技術は、何れも、予備のカッタビットや超硬チップを限られたスペースに予め固着するようにしていて予備のカッタビットを多数段取り付けることができないため、カッタビットの交換回数に制限があり、カッタビットの交換が頻繁に必要な地山を施工するシールド掘進機には不向きであった。また、カッタビットの交換は、作業員が目視できるところで行うものではないため、その交換時にカッタビットの摩耗状況を作業員が直接確認することができず、シールド工法の施工に有用な実地の情報が得られないという問題もあった。
【0005】
本発明は、従来の技術にみられるこうした問題を解決するために創作されたものであって、その技術課題は、カッタビットの交換を作業員が機外に出ることなく行えるだけではなく、カッタビットの交換を何度でも行え、カッタビットの交換時にその摩耗状況を作業員が直接確認することができるシールド掘進機を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のこうした技術課題は、次の1)及び2)のそれぞれの手段により解決される。
【0007】
1)前部にバルクヘッドを有するシールド本体と、放射状に配置した複数本のカッタスポークで構成されバルクヘッドに回転可能に設置されたカッタヘッドとを備え、カッタビットをカッタスポークに交換可能に取り付けるようにしたシールド掘進機において、
開閉可能な開口部をバルクヘッドに設け、カッタスポークを起立状態からバルクヘッド側へ傾動させ得るように設置してカッタスポークを傾動させたときにその外周部側がバルクヘッドの開口部に達するように構成するとともに、カッタスポークを傾動させたり起立させたりするように駆動する油圧シリンダを設ける。
【0008】
2)前部にバルクヘッドを有するシールド本体と、放射状に配置した複数本のカッタスポーク、外周部を形成する外周リング及び掘削土砂を取り込むための開口部を設けた面板で構成されバルクヘッドに回転可能に設置されたカッタヘッドとを備え、カッタビットをカッタスポークに交換可能に取り付けるようにした泥水式のシールド掘進機において、
開閉可能な開口部をバルクヘッドに設け、カッタスポークを起立状態からバルクヘッド側へ傾動させ得るように設置してカッタスポークを傾動させたときにその外周部側がバルクヘッドの開口部に達するように構成するとともに、カッタスポークを傾動させたり起立させたりするように駆動する油圧シリンダと、カッタスポークを起立時に外周リングと一体化して固定状態に保持し傾動させる際にその固定状態を解除することができるカッタスポークの固定手段とを設ける。
【0009】
この出願の第1発明及び第2発明は、それぞれ1)及び2)の手段を採用しているので、シールド掘進機の掘進中にカッタビットを交換をすることが必要になったときには、バルクヘッドの開口部を開放するとともに、油圧シリンダを駆動してカッタヘッドのカッタスポークをバルクヘッド側へ傾動させることにより、カッタスポークを、その外周部側がバルクヘッドの開口部に位置するように変位させることができる。したがって、作業員は、このバルクヘッドの開口部を通じてシールド本体内から手の届く範囲でカッタビットの交換作業を行うことができるため、少なくとも、相対的に摩耗しやすいカッタスポークの外周部側のカッタビットの交換は、機外に出ることなくシールド本体内で安全に行える。また、その際、カッタビットの摩耗状況を直接確認することもできる。こうしたカッタビットの交換は、必要に応じて何度でも行える。
【0010】
カッタビットの交換を終了した後は、油圧シリンダを駆動してカッタヘッドのカッタスポークを起立させてその駆動を停止すると、カッタスポークは、起立状態を保持して通常の状態に復帰し、カッタヘッドで地山を掘削することが可能となる。その場合、泥水式のシールド掘進機に関するこの出願の第2発明では、カッタスポークの固定手段により、カッタスポークを、その起立時に外周リングと一体化して固定状態に保持することができて、カッタヘッドの剛性を高めることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、この出願の第1発明及び第2発明が実際上どのように具体化されるのかを示す具体化例を図1及び図12に基づいて説明することにより、各発明の実施の形態を明らかにする。まず、図1乃至図4に基づき、この出願の第1発明の第1具体化例のシールド掘進機について説明する。図1は、この出願の第1発明の第1具体化例のシールド掘進機に関するカッタスポーク起立時の状態を示す正面図、図2は、図1のシールド掘進機の要部の縦断面図、図3は、カッタビットの交換時の状態を示す図1のシールド掘進機の要部の縦断面図、図4は、図3のシールド掘進機の正面図である。
【0012】
1はシールド掘進機の胴体をなすシールド本体、2はこのシールド本体1の前部のバルクヘッド5に回転可能に支承され切羽を掘削するカッタヘッド、3はこのカッタヘッド2を減速して回転駆動するモータ及び減速機構等で構成されたカッタ駆動装置、4はこのカッタ駆動装置3の回転力をカッタヘッド2に伝達するカッタヘッド2のセンターシャフト、5はシールド本体1の前部を機外から遮断する隔壁としてのバルクヘッド、6はこのバルクヘッド5の前方とカッタヘッド2の後方との間に形成され掘削土砂を取り込んで泥水と混合して充満させることにより土圧をたてるためのチャンバ、7はこのチャンバ6内の掘削土砂と泥水とを撹拌混合する撹拌装置、8はチャンバ6内の掘削土砂や泥水がカッタ駆動装置3内に浸入しないようにシールするシールケース、9はカッタ駆動装置3に付設されセンターシャフト4の前方を支持する前方の軸受部である。
【0013】
ここに例示するシールド掘進機は、泥水式のシールド掘進機であり、図示はしていないが、泥水を送るための送水管と泥水と混合した掘削土砂を排出するための排泥管とをシールド本体1内に敷設している。また、シールド本体1内には、周方向に間隔を置いて複数本のシールドジャッキを設置している。シールド掘進機は、これらのシールドジャッキでシールド本体を推進しながらカッタヘッド2で切羽を掘削して地下坑を形成する。カッタ駆動装置3は、カッタヘッド2を回転駆動するモータ3aと、減速機構等を内蔵しモータ3aの回転を減速してセンターシャフト4に伝達する駆動部3bと、センターシャフト4の後方を支持して推力を受ける後方の軸受部3cとで構成されている。以上の技術内容は、通常のシールド掘進機と共通する事項である。
【0014】
センターシャフト4は、後に詳述するカッタビットの交換操作を安全に行えるようにするため、図2及び図3に示すように、カッタ駆動装置3及びこれに付設されたシールケース8や軸受部9に対して前後方向(センターシャフト4の軸方向)に移動できるように設置している。また、図には示されていないが、センターシャフト4を前後方向に移動するための油圧シリンダがシールド本体1内に設置されており、これらの手段により、カッタビットの交換作業の際、カッタヘッド2をシールド本体1の軸方向に移動できるようにしている。バルクヘッド5の上方には、カッタビットの交換作業をシールド本体1内から行えるようにするための開閉可能な開口部としてのマンホール5aを設けている。このマンホール5aは、マンホール蓋5bにより適宜開閉できるようになっており、通常、カッタビットの交換作業を行うとき以外はマンホール蓋5bにより閉じられている。こうしたセンターシャフト4の前後方向に移動可能な構造やマンホール5aに関する構造は、本発明との関連において具体化された独自の構造である。
【0015】
カッタヘッド2の構造について詳述する。20aはカッタヘッド2の中心部の地山を先掘りするフィッシュテールビット、20bはカッタヘッド2の中心部よりも外周側の地山を先掘りする先行ビット、20cは先行カッタビット20bで先掘りした後の地山を掘削するティースビット、21はセンターシャフト4の前端部に設けられカッタヘッド2の中心部を形成するボス部、22はこのボス部21に取り付けられビット20b,20cを取り付けるカッタスポーク、23はカッタヘッド2の外周部を形成するリング状の外周リング、24はこの外周リング23内におけるカッタスポーク22間の開口を遮蔽する面板、25はこの面板24とカッタスポーク22の両側部との間に形成されたスリット状の掘削土砂取り込み用の開口部である。
【0016】
カッタスポーク22は中空状をなし、ボス部21に等間隔に複数本放射状に配置している。先行ビット20bは、これら複数本のカッタスポーク22の前面に交換可能に多数取り付けられ、ティースビット20cは、各カッタスポーク22の両側面に交換可能に多数取り付けられている。また、フィッシュテールビット20aは、ボス部21を跨ぐようにして、対向するカッタスポーク22の前面に取り付けられているが、カッタヘッド2の中心部に位置していてカッタヘッド2の1回転当たりの切削距離がカッタヘッド2の外周側に比べて小さく摩耗しにくいので、交換することを予定していない。外周リング23は、各カッタスポーク22と結合して一体化することにより、カッタヘッド2の全体の剛性を上げてカッタヘッド2を強化する。また、カッタビットを設けてカッタヘッド2の外周側の掘削負担を軽減する。ここに例示するシールド掘進機は、泥水式であるので、面板24及びその取付に必要な外周リング23を設けているが、土圧式のシールド掘進機の場合には、必ずしも外周リング23や面板24を設ける必要がない。掘削土砂取り込み用の開口部25は、各カッタスポーク22ごとにカッタスポーク22の両側面近傍に形成する。
【0017】
以上述べたカッタヘッド2の構造は通常のカッタヘッドが有する一般的な構造であるが、次に、本発明との関連において具体化された独自の構造について述べる。21aはボス部21の外周部に固着されカッタスポーク22を傾動可能に枢着するスポーク枢着用のブラケット、26はこのブラケット21aに枢着されたカッタスポーク22を傾動させて折り曲げるように駆動する油圧シリンダによるスポーク折り曲げジャッキ、27はロッド部の先端部にシェアーピース27aが設けられカッタスポーク22を起立時に固定状態に保持する油圧シリンダによる外周リング固定ジャッキ、28は面板24に開閉可能に設けられて掘削土砂取り込み用の開口部25を適宜遮蔽できる遮蔽板としてのスリット板である。
【0018】
前述したように、本来、カッタスポーク22は、環状の外周リング23と一体構成してカッタヘッド2の剛性を高めるようにしているが、本発明では、ビット20b,20cの交換の便のため、各カッタスポーク22を図4の実線及び2点鎖線による仮想線の個所で分離して傾動させることができるように、カッタヘッド2を分割構成している。すなわち、外周リング23をカッタスポーク22と一体化した上で、図4の実線で示すように、外周リング23をカッタスポーク22の両側付近の個所でその周辺の面板24の外周部分と共に分割構成している。その代わり、これらカッタスポーク22の両側付近の外周リング23の部分とその周辺の面板24の外周部分とで、カッタスポーク22を面板24にピンで一体的に固定できるようにするための固定部23aを形成して、固定部23aを面板24に固定することにより、カッタスポーク22を、面板24を介して外周リング23と一体化できるようにしている。
【0019】
カッタスポーク22は、通常の状態である起立状態からバルクヘッド5側へ傾動させ得るように、内周側端部がスポーク枢着用のブラケット21aに枢着軸22aで傾動可能に枢着されており、図3に鎖線で示すように、傾動させたときに外周部側がバルクヘッド5のマンホール5aに達するように構成されている。スポーク折り曲げジャッキ26は、カッタスポーク22の内部の中空部に納められて、内周側端部のロッド部がスポーク枢着用のブラケット21aにピン26aで枢着されているとともに外周側端部のシリンダ部がカッタスポーク22の両側壁にピン26bで枢着されている。したがって、スポーク折り曲げジャッキ26を伸縮すると、カッタスポーク22を枢着軸22aを支点に正常な位置に起立させたり、ビット20b,20cの交換作業をシールド本体1内から行えるようにバルクヘッド5側へ傾動させたりすることができる。ここに示す例では、こうしたカッタスポーク22の傾動機構を全てのカッタスポーク22に設けている。
【0020】
前記固定部23aを面板24に固定するための手段として、外周リング固定ジャッキ27を各固定部23aに対応して面板24に設置するとともに、外周リング固定ジャッキ27のシェアーピース27aを嵌入するための嵌入穴を固定部23aに形成している。したがって、カッタスポーク22を起立させた状態で外周リング固定ジャッキ27を伸ばすと、シェアーピース27aを固定部23aの嵌入穴に嵌入させてカッタスポーク22を面板24に一体的に固定することができる。その結果、カッタスポークは、起立時に面板24を介して外周リングと一体化して固定状態に保持することができる。また、同ジャッキ27を縮めると、このシェアーピース27aによる固定状態が解除されてカッタスポーク22を傾動させることが可能となる。面板24は、内部空間を有するように前後2枚の板で形成され外周リング23と同程度の厚さを有するボックス構造をなしているが、外周リング固定ジャッキ27は、掘削土砂に触れないようにその面板24の内部空間内に納めれて面板24に固定的に取り付けられている。
【0021】
スリット板28は、図1に示すように当接面28sを有する略台形状をなし、内周側端部が面板24にピン28aで回動可能に枢着されている。そして、こうした構造のスリット板28がカッタスポーク22の側面を挟むようにして一対設けられており、ピン28aを支点に両スリット板28を接近させるように回動させたときには掘削土砂取り込み用の開口部25を遮蔽し、離すように回動させたときには図1に示すように掘削土砂取り込み用の開口部25を開放するように設けている。すなわち、一対のスリット板28は、面板24に枢着されて、開放時にその大部分が面板24の内部空間内に納めれるように配置されており、カッタスポーク22を傾動させた後、面板24の内部空間内から突出させるように回動させると、当接面28s同士を当接して掘削土砂取り込み用の開口部25を遮蔽できるようになっている。スリット板28へ回動力の付与は、図示されていないスリットジャッキ(後に詳述するスリットジャッキ29と同様のジャッキ)により行われる。図1には、上部の掘削土砂取り込み用の開口部25を遮蔽するするスリット板28しか図示されていないが、実際は、こうした構造のスリット板28を全ての開口部25に設けている。
【0022】
以上のような構造を備えたシールド掘進機の作用及び効果について説明する。シールド掘進機の掘進中にカッタヘッド2のビット20b,20cを交換をすることが必要になったときには、まず、図3に示すようにセンターシャフト4を前方に移動することにより、カッタスポーク22を倒すための間隙をシールド本体1の前端とカッタヘッド2との間に形成するとともに、マンホール蓋5bを開くことによりマンホール5aの開口部を開放する。また、外周リング固定ジャッキ27を縮めることにより、そのシェアーピース27aを固定部23aの嵌入穴から離脱させてカッタスポーク22の固定状態を解除する。次いで、スポーク折り曲げジャッキ26を縮めて、上方に位置するカッタスポーク22を図3の鎖線で示すようにバルクヘッド5側へ傾動させると、カッタスポーク22を、その外周部側がマンホール5aの開口部に位置するように変位させることができる。
【0023】
しかる後、これまで掘削土砂取り込み用の開口部25を開放していた全てのスリット板28を回動して同開口部25を遮蔽する。その場合、他のカッタスポーク22もバルクヘッド5側へ若干傾動させておき、各スリット板28がその回動時にカッタスポーク22と干渉しないようにする。また、センターシャフト4を後方に移動することによりシールド本体1の前端とカッタヘッド2の間の間隙をなくすようにする。こうした準備作業を行うことにより、切羽周辺の掘削土砂が掘削土砂取り込み用の開口部25や前記の間隙からバルクヘッド5を経由してシールド本体1内へ浸入するのを予防することができる。
【0024】
ビット交換のための以上の準備作業を終了した後、作業員は、開放されたマンホール5aの開口部を通じて、カッタスポーク22に取り付けられたビット20b,20cの交換作業をシールド本体1内から行う。ビット20b,20cの交換は、シールド本体1内から手の届く範囲で行われるが、カッタヘッド2の径が大きくない場合には、交換を予定している全てのビット20b,20cを交換をすることができる。また、同一カッタスポーク22のビット20b,20cを一連のものとしてカセット状に構成して、カッタスポーク22の端部から軸方向にまとめて抜き出したり装着したりすることができるようにすれば(こうしたカセット状のビットは従来公知である。)、カッタヘッド2の径が大きい場合でも、交換を予定している全てのビット20b,20cを交換をすることができる。ところで、カッタビットは、カッタヘッドの外周側のものが内周側のもの比べてカッタヘッドの1回転当たりの切削距離が大きく摩耗しやすいので、外周側のカッタビットを交換できるようにすることが最も重要である。こうしたことから、カッタヘッド2の径が大きい場合には、ビット20b,20cの交換作業をシールド本体1内から手の届く範囲だけに留めて、カッタヘッド2の内周側のもの交換を省略するようにしても、実用上有意義である。
【0025】
このように、ビット20b,20cの交換作業を、バルクヘッド5のマンホール5aの開口部を通じてシールド本体1内から行うことができるため、ビット20b,20cの交換を、機外に出ることなくシールド本体1内で安全に行える。また、その際、カッタビットの摩耗状況を直接確認することもできる。こうしたカッタビットの交換は、必要に応じて何度でも行える。ここに示す例では、掘削土砂取り込み用の開口部25を遮蔽できるスリット板28を設けたり、カッタヘッド2をシールド本体1の軸方向に移動できるようにするカッタヘッドの移動手段を設けたりしているので、こうした効果を奏することに加え、ビットの交換作業時に切羽や切羽周辺の掘削土砂がシールド本体1内へ浸入することも予防することができて、シールド本体1内に掘削土砂が浸入する危惧のある条件下でも、ビット20b,20cの交換をシールド本体1内で安全に行うことができる。
【0026】
ビット20b,20cの交換を終了した後は、カッタヘッド2を前方に移動するとともにスリット板28を回動して掘削土砂取り込み用の開口部25を開放する。次いで、スポーク折り曲げジャッキ26を伸ばして各カッタスポーク22を起立させるとともにマンホール5aの開口部を遮蔽する。カッタスポーク22を起立させた後、スポーク折り曲げジャッキ26の駆動を停止すると、カッタスポーク22は、起立状態を保持して通常の状態に復帰し、カッタヘッド2で地山を掘削することが可能となる。この状態で外周リング固定ジャッキ27のシェアピース27aを固定部23aの嵌入穴に差し込むとカッタスポーク22を面板24に一体的に固定することができる。その結果、カッタスポーク22を起立時に面板24を介して外周リングと一体化して固定状態に保持することができるので、カッタヘッド2の剛性を高めることができる。
【0027】
以上、上方に位置するカッタスポーク22のビット20b,20cを交換する手順を述べたが、左右及び下方に位置するカッタスポーク22のビット20b,20cを交換するときには、カッタヘッド2を回転してこれらのカッタスポーク22を順次上方に移動し、以上述べたのと同様の手順により各カッタスポーク22のビット20b,20cを交換することができる。
【0028】
次に、図5乃至図8に基づき、この出願の第2発明の具体化例のシールド掘進機について説明する。図5は、この出願の第2発明の具体化例のシールド掘進機に関する掘進停止時の状態を示す図で、(a)は正面図、(b)は要部の縦断面図、図6は、この出願の第2発明の具体化例のシールド掘進機に関するカッタビットの交換作業の準備開始時の状態を示す図で、(a)は正面図、(b)は要部の縦断面図、図7は、この出願の第2発明の具体化例のシールド掘進機に関するカッタビットの交換作業の準備途中の状態を示す図で、(a)は正面図、(b)は要部の縦断面図、図8は、この出願の第2発明の具体化例のシールド掘進機に関するカッタビットの交換作業の準備終了時の状態を示す図で、(a)は正面図、(b)は要部の縦断面図ある。これらの図において図1乃至図4と同一の符号を付けた部分は、図1乃至図4と同等の部分を表すので、詳述しない。
【0029】
本シールド掘進機は、すでに述べたシールド掘進機と同様、前部にバルクヘッド5を有するシールド本体1と、複数本のカッタスポーク22、外周リング23及び掘削土砂取り込み用の開口部25を設けた面板24で構成されたカッタヘッド2とを備え、ビット20b,20cをカッタスポーク22に交換可能に取り付けるようにした泥水式のシールド掘進機に関するものであり、開閉できるマンホール5aをバルクヘッド5に設け、カッタスポーク22を起立状態からバルクヘッド5側へ傾動させ得るようにスポーク枢着用のブラケット21aに傾動可能に枢着して、カッタスポーク22を傾動させたときにその外周部側がマンホール5aの開口部に達するように構成するとともに、カッタスポーク22を傾動及び起立させるように駆動するスポーク折り曲げジャッキ26と、カッタスポーク22を起立時に固定状態に保持し、傾動させる際にその固定状態を解除できるカッタスポークの固定手段とを設けている。また、掘削土砂取り込み用の開口部25を遮蔽できるスリット板28を面板24に設けており、基本的な構造は、すでに述べたシールド掘進機と変わらない。
【0030】
そこで、本シールド掘進機の特徴的な技術内容について説明する。本シールド掘進機では、カッタスポーク22を傾動させ得るように分離して構成する場合、前述の例とは異なり、カッタスポーク22の外周端部を外周リング23と分離できるように構成している。そして、スポーク折り曲げジャッキ26は、すでに述べた例と同様の方法でカッタスポーク22内の空間に設置している。また、カッタスポーク22を起立時に外周リング23と一体化して固定状態に保持したりその固定状態を解除したりするカッタスポークの固定手段として、ロッド部の先端部にシェアピン27’aを設けたスポーク位置決めジャッキ27’を設置するとともに、そのシェアピン27’aを嵌入するための嵌入穴を外周リング23に形成している。
【0031】
その場合、スポーク位置決めジャッキ27’は、外周リング固定ジャッキ27と異なり、面板24ではなくカッタスポーク22内の空間に納めて取り付け、カッタスポーク22の内部から外周リング23の嵌入穴に対してシェアピン27’aを出没させることができるようにしている。前記したように、カッタスポーク22は、その外周端部を外周リング23と分離できるように構成しているため、図7に示すように、シールド本体1の前端とカッタヘッド2との間に間隙を形成しなくても、カッタスポーク22をシールド本体1と干渉しないように傾動させることができる。そのため、カッタヘッド2をシールド本体1の軸方向に移動できるようにするためのカッタヘッドの移動手段は設けていない。
【0032】
本シールド掘進機では、図5(a)における上下のカッタスポーク22のビット20b,20cだけを交換し、左右のカッタスポーク22のビット20b,20cは、交換することを予定していない。すなわち、左右のカッタスポーク22のビット20b,20cは、上下のカッタスポーク22のビット20b,20cに後続して切羽を掘削してその掘り残し部を掘削するので、摩耗量が相対的に少ないからである。このように上下のカッタスポーク22のビット20b,20cだけを交換するため、カッタスポーク22は、上下のものだけを傾動できるように構成して、左右のものは、外周リング23に固定的に取り付けられている。そのため、左右のカッタスポーク22には、スポーク折り曲げジャッキ26やスポーク位置決めジャッキ27’を設置していないが、上下のカッタスポーク22のビット20b,20cの交換時に全ての掘削土砂取り込み用の開口部25を遮蔽しないと、シールド本体1内への掘削土砂の浸入を予防できないため、上下左右全てのカッタスポーク22に対応してスリット板28,28’を設けている。
【0033】
これらのスリット板28のうち、上下のカッタスポーク22に対応するスリット板28は、図1で述べたのと同様の構造のものが図1で述べたのと同様の態様で設置されており、油圧駆動のスリットジャッキ29により回動させられるように構成されている。このスリットジャッキ29は、ボックス構造の面板24内に納められ、シリンダ部が面板24に枢着されているとともにロッド部がスリット板28に枢着されている。
【0034】
一方、左右のカッタスポーク22に対応するスリット板28’は、カッタスポーク22と面板24との間を遮蔽できるように略矩形状をなしており、回動して水平の姿勢や垂直の姿勢を採れるように、面板24にヒンジ28’aで枢着している。すなわち、スリット板28’は、掘削土砂取り込み用の開口部25を開放しているときには、図5に示すように、面板24に設けたヒンジ28’aを支点に後方に出っ張るようにして板面が水平状態になり、掘削土砂取り込み用の開口部25を遮蔽するときには、ヒンジ28’aを支点に回動して、図6に示すように板面が垂直状態になるようにしている。こうした回動動作をさせるため、小型のスリットジャッキ29’を面板24内に設置して、シリンダ部を面板24に枢着するとともにロッド部をスリット板28の後部に枢着し、スリットジャッキ29’を伸ばしたときに掘削土砂取り込み用の開口部25を遮蔽でき、縮めたときに開口部25を開放できるようにしている。
【0035】
本シールド掘進機の作用及び効果について説明する。シールド掘進機の掘進中にビット20b,20cを交換をすることが必要になったときには、図5に示すような状態でカッタヘッド2を停止させた後、図6に示すように、各スリットジャッキ29’を伸ばして掘削土砂取り込み用の開口部25をスリット板28’で遮蔽するとともにスポーク位置決めジャッキ27’のシェアピン27’aを外周リング23の嵌入穴から離脱させてカッタスポーク22の固定状態を解除する。次いで、図7に示すように、マンホール5aの開口部を開放して、上方に位置するカッタスポーク22をバルクヘッド5側へスポーク折り曲げジャッキ26により傾動させ、カッタスポーク22を、その外周部側がマンホール5aの開口部に位置するように変位させる。
【0036】
しかる後、図8に示すように、上方のスリットジャッキ29を伸ばして掘削土砂取り込み用の開口部25をスリット板28で遮蔽する。また、図示はしていないが、下方のカッタスポーク22をバルクヘッド5側へ若干傾動させてから下方のスリットジャッキ29を伸ばして下方の掘削土砂取り込み用の開口部25もスリット板28で遮蔽する。こうしてビット交換のための準備作業を終了した後、作業員は、開放されたマンホール5aの開口部を通じて、カッタスポーク22に取り付けられたビット20b,20cの交換作業をシールド本体1内から行う。したがって、本シールド掘進機も、すでに述べた例と同様、ビット20b,20cの交換を作業員が機外に出ることなく行えるだけではなく、ビット20b,20cの交換を何度でも行え、ビット20b,20cの交換時にその摩耗状況を作業員が直接確認することができる。
【0037】
ここに示す例では、掘削土砂取り込み用の開口部25を遮蔽できるスリット板28,28’を設けているので、カッタビットの交換作業時に切羽の掘削土砂がシールド本体1内へ浸入するのを予防できる。しかも、シールド本体1の前端とカッタヘッド2の間に間隙を形成しなくてもカッタスポーク22を傾動させ得るので、切羽周辺の掘削土砂がカッタビットの交換作業時やその準備作業時にバルクヘッド6の周囲からシールド本体1内へ浸入するのも確実に予防できる。したがって、シールド本体1内に掘削土砂が浸入する危惧のある条件下でも、ビット20b,20cの交換がシールド本体1内で安全に行える。
【0038】
ビット20b,20cの交換を終了した後は、スリットジャッキ29を縮めてスリット板28を回動することにより掘削土砂取り込み用の開口部25を開放した後、上方のカッタスポーク22をスポーク折り曲げジャッキ26で起立させるとともにマンホール5aの開口部を遮蔽する。また、上方のカッタスポーク22に対応する掘削土砂取り込み用の開口部25以外の開口部25もスリットジャッキ29,29’を縮めて開放する。カッタスポーク22を起立させた後は、スポーク折り曲げジャッキ26の駆動を停止してカッタスポーク22を起立状態を保持し、次いで、スポーク位置決めジャッキ27’のシェアピン27’aを外周リング23の嵌入穴に差し込むと、カッタスポーク22は、外周リング23と一体化して固定状態に保持される。その結果、すでに述べた例と同様、カッタヘッド2の剛性を高めることができる。
【0039】
図1乃至図4で述べたシールド掘進機に部分変更を加えたこの出願の第1発明の第2具体化例のシールド掘進機を、図9乃至図11に基づいて説明する。図9は、この出願の第1発明の第2具体化例のシールド掘進機に関する掘進停止時の状態を示す図で、(a)は正面図、(b)は要部の縦断面図、図10は、この出願の第1発明の第2具体化例のシールド掘進機に関するカッタビットの交換作業の準備開始時の状態を示す図で、(a)は正面図、(b)は要部の縦断面図、図11は、この出願の第1発明の第2具体化例のシールド掘進機に関するカッタビットの交換作業の準備終了時の状態を示す図で、(a)は正面図、(b)は要部の縦断面図ある。
【0040】
本シールド掘進機は、ビット20b,20cの交換の際にシールド本体内に掘削土砂が浸入するのを予防するため、図1乃至図4のシールド掘進機において、カッタヘッド2をシールド本体1の軸方向に移動するためのカッタヘッドの移動手段を設ける代わりに、シールド本体1の前端とカッタヘッド2との間に間隙が生じるようにしてその間隙を覆うフードを設け、このフードの上部を可動フード10としたものであり、その他の点では、図1乃至図4のシールド掘進機と構造上基本的に変わらない。
【0041】
図9乃至図11において、10はシールド本体1の上部内周面に沿って摺動可能に設置した可動フード、11はこの可動フード10を前後方向に移動させるように駆動する油圧駆動のフード摺動ジャッキである。フードは、シールド本体1とカッタヘッド2の外周リング23との間隔を極力狭めて開口部を小さくするものであるが、可動フード10は、カッタスポーク22の傾動時にフードがカッタスポーク22に干渉しないようフードの一部を前後方向に移動させることができるように構成したものである。ここに示す例では、ビット20b,20cを交換するカッタスポーク22をビット20b,20cの交換時に上部にもってきて傾動させるため、可動フード10は、シールド本体1の上部に設置している。フード摺動ジャッキ11は、シリンダ部をシールド本体1内に取り付け、ロッド部を可動フード10に取り付けている。
【0042】
本シールド掘進機の作用及び効果について説明する。シールド掘進機の掘進中にビット20b,20cを交換をすることが必要になったときには、図9に示すような状態でカッタヘッド2を停止させた後、図10に示すように、フード摺動ジャッキ11を縮めて可動フード10を若干後退させることにより、カッタスポーク22を倒すための間隙をシールド本体1の前端とカッタヘッド2との間に形成するとともに、外周リング固定ジャッキ27のシェアーピース27aを固定部23aの嵌入穴から離脱させてカッタスポーク22の固定状態を解除する。次いで、図11に示すように、マンホール5aの開口部を開放して、上方に位置するカッタスポーク22をバルクヘッド5側へ傾動させ、カッタスポーク22を、その外周部側がマンホール5aの開口部に位置するように変位させる。
【0043】
しかる後、全ての掘削土砂取り込み用の開口部25をスリット板28で遮蔽する。これと前後して、フード摺動ジャッキ11を縮めて可動フード10を若干前進させることによりシールド本体1の前端とカッタヘッド2の間の間隙をなくすようにする。こうした可動フード10の操作を行うことにより、カッタヘッドの移動手段を設けた場合と同様、カッタビットの交換作業時に切羽周辺の掘削土砂がバルクヘッド5を経由してシールド本体1内へ浸入するのを予防することができる。特に、シールド本体1の前端とカッタヘッド2の間に間隙を形成するときでも、可動フード10の後退により上部にだけしか間隙を形成せずカッタスポーク22の傾動に必要な必要最小限の間隙しか形成しないので、カッタビット交換の準備作業時に切羽周辺の掘削土砂がシールド本体1内へ浸入するのを予防することもできる。本シールド掘進機は、図1乃至図4に示した前述の例と構造が基本的に変わらないので、その他の点でも前述の例と同様の効果を奏する。
【0044】
図1乃至図4で述べたシールド掘進機に部分変更を加えたこの出願の第1発明の第3具体化例のシールド掘進機を、図12に基づいて説明する。図12は、この出願の第1発明の第3具体化例のシールド掘進機に関する要部の縦断面図であり、(a)は掘進停止時の状態を示す図、(b)はカッタビットの交換作業の準備開始時の状態を示す図、(c)はカッタビットの交換作業の準備終了時の状態を示す図である。
【0045】
本シールド掘進機は、図1乃至図4のシールド掘進機と比べ、カッタヘッド2をシールド本体1の軸方向に移動するためのカッタヘッドの移動手段に差があるだけで、その他の点では、図1乃至図4の例と構造に基本的な差はない。本シールド掘進機で採用されているカッタヘッドの移動手段は、カッタ駆動装置3の駆動部3bを設置するバルクヘッド5の開口に、その内周部を縁取るようにフランジ状の金属性摺動部材12を設けて、この摺動部材12を介して駆動部3bをバルクヘッド5の開口に設置し、駆動部3bをメタルタッチで前後方向に摺動できるようにしたものである。駆動部3bは、ビット20b,20cの交換時以外は摺動部材12にボルトで固定しておき、交換時にそのボルトを取り外すことにより、カッタ駆動装置3を、これに付設したシールケース8や軸受部9と共に前後に移動してカッタヘッド2を移動できるようにする。図示はされていないが、カッタ駆動装置3を前後に移動するための油圧シリンダがシールド本体1内に設置されており、これらの手段により、カッタビットの交換作業の際、カッタヘッド2をシールド本体1の軸方向に移動できるようにしている。
【0046】
その作用及び効果について説明すると、シールド掘進機の掘進中にビット20b,20cを交換をすることが必要になったときには、図12(a)に示すような状態でカッタヘッド2を停止させた後、図12(b)に示すように、カッタ駆動装置3を前進させることにより、カッタスポーク22を倒すための間隙をシールド本体1の前端とカッタヘッド2との間に形成するとともに、外周リング固定ジャッキ27のシェアーピース27aを固定部23aの嵌入穴から離脱させてカッタスポーク22の固定状態を解除する。次いで、図12(c)に示すように、マンホール5aの開口部を開放して、上方に位置するカッタスポーク22をバルクヘッド5側へ傾動させ、カッタスポーク22を、その外周部側がマンホール5aの開口部に位置するように変位させる。以後、図1乃至図4の例と比べてカッタヘッド2を前後に移動する場合に、センターシャフト4を移動させることに代えてカッタ駆動装置3を移動させる点が異なるだけで、図1乃至図4の例と同様の操作を行う。本シールド掘進機は、図1乃至図4の例と構造が基本的に変わらないので、図1乃至図4の例と同様の効果を奏する。
【0047】
以上、カッタヘッド2をボス部21やカッタスポーク22のほか外周リング23や面板24を設けて構成した泥水式のシールド掘進機の例を述べたが、こうしたカッタヘッド2は、土圧式のシールド掘進機にも使用されるので、以上述べた種々の例の技術内容は、土圧式のシールド掘進機にも適用できる。また、土圧式のシールド掘進機では、外周リング23や面板24を設けないカッタスポーク22によるカッタヘッド2も使用されるが、以上述べた種々の技術内容は、こうしたカッタヘッド2を用いた土圧式のシールド掘進機にも適用できる。その場合、カッタヘッド2に外周リング23を設けていないので、カッタスポーク22の起立時にシェアーピース27aやシェアピン27’aでカッタスポーク22を固定状態に保持することはできないが、カッタスポーク22の起立状態は、スポーク折り曲げジャッキ26で保持される。
【0048】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、特許請求の範囲の請求項1及び請求項2に係るこの出願の第1発明及びこの出願の第2発明は、それぞれ、「課題を解決するための手段」に示した1)及び2)の手段を採用しているので、これらの各発明によれば、カッタビットの交換を作業員が機外に出ることなく行えるだけではなく、カッタビットの交換を何度でも行え、カッタビットの交換時にその摩耗状況を作業員が直接確認することができるシールド掘進機が得られる。特に、この出願の第2発明では、カッタスポークの固定手段により、カッタスポークを起立時に外周リングと一体化して固定状態に保持することができて、カッタヘッドの剛性を高めることができる。
【0049】
この出願の第2発明を具体化する場合、特に、特許請求の範囲の請求項3に記載のように具体化した場合には、切羽の掘削土砂がシールド本体内へ浸入するのを予防できて、シールド本体内に掘削土砂が浸入する危惧のある条件下でも、カッタビットの交換がシールド本体内で安全に行える。この出願の第1発明又は第2発明を具体化する場合、特に、特許請求の範囲の請求項5に記載のように具体化した場合には、カッタビットの交換作業時に切羽周辺の掘削土砂がシールド本体内へ浸入するのを予防できる。また、特許請求の範囲の請求項4に記載のように具体化した場合には、シールド本体の前端とカッタヘッドの間に間隙を形成するときでも、フードの一部だけを移動してカッタビットの傾動に必要な必要最小限の間隙しか形成しないので、カッタビットの交換作業時だけではなくカッタビット交換の準備作業時にも、切羽周辺の掘削土砂がシールド本体内へ浸入するのを予防することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この出願の第1発明の第1具体化例のシールド掘進機に関するカッタスポーク起立時の状態を示す正面図である。
【図2】図1のシールド掘進機の要部の縦断面図である。
【図3】カッタビットの交換時の状態を示す図1のシールド掘進機の要部の縦断面図である。
【図4】図3のシールド掘進機の正面図である。
【図5】この出願の第2発明の具体化例のシールド掘進機に関する掘進停止時の状態を示す図で、(a)は正面図、(b)は要部の縦断面図である。
【図6】この出願の第2発明の具体化例のシールド掘進機に関するカッタビットの交換作業の準備開始時の状態を示す図で、(a)は正面図、(b)は要部の縦断面図である。
【図7】この出願の第2発明の具体化例のシールド掘進機に関するカッタビットの交換作業の準備途中の状態を示す図で、(a)は正面図、(b)は要部の縦断面図である。
【図8】この出願の第2発明の具体化例のシールド掘進機に関するカッタビットの交換作業の準備終了時の状態を示す図で、(a)は正面図、(b)は要部の縦断面図である。
【図9】この出願の第1発明の第2具体化例のシールド掘進機に関する掘進停止時の状態を示す図で、(a)は正面図、(b)は要部の縦断面図である。
【図10】この出願の第1発明の第2具体化例のシールド掘進機に関するカッタビットの交換作業の準備開始時の状態を示す図で、(a)は正面図、(b)は要部の縦断面図である。
【図11】この出願の第1発明の第2具体化例のシールド掘進機に関するカッタビットの交換作業の準備終了時の状態を示す図で、(a)は正面図、(b)は要部の縦断面図である。
【図12】この出願の第1発明の第3具体化例のシールド掘進機に関する要部の縦断面図であり、(a)は掘進停止時の状態を示す図、(b)はカッタビットの交換作業の準備開始時の状態を示す図、(c)はカッタビットの交換作業の準備終了時の状態を示す図である。
【符号の説明】
1 シールド本体
2 カッタヘッド
3 カッタ駆動装置
3b 駆動部
4 センターシャフト
5 バルクヘッド
6 チャンバ
10 フード
11 フード摺動ジャッキ
12 駆動部の摺動部材
20b 先行ビット
20c ティースビット
21 ボス部
21a スポーク枢着用のブラケット
22 カッタスポーク
23 外周リング
23a 固定部
24 面板
25 掘削土砂取り込み用の開口部
26 スポーク折り曲げジャッキ
27 外周リング固定ジャッキ
27a シェアピース
27’ スポーク位置決めジャッキ
27’a シェアピン
28,28’ スリット板
29,29’ スリットジャッキ

Claims (5)

  1. 前部にバルクヘッドを有するシールド本体と、放射状に配置した複数本のカッタスポークで構成されバルクヘッドに回転可能に設置されたカッタヘッドとを備え、カッタビットをカッタスポークに交換可能に取り付けるようにしたシールド掘進機において、開閉可能な開口部をバルクヘッドに設け、カッタスポークを起立状態からバルクヘッド側へ傾動させ得るように設置してカッタスポークを傾動させたときにその外周部側がバルクヘッドの開口部に達するように構成するとともに、カッタスポークを傾動させたり起立させたりするように駆動する油圧シリンダを設けたことを特徴とするシールド掘進機。
  2. 前部にバルクヘッドを有するシールド本体と、放射状に配置した複数本のカッタスポーク、外周部を形成する外周リング及び掘削土砂を取り込むための開口部を設けた面板で構成されバルクヘッドに回転可能に設置されたカッタヘッドとを備え、カッタビットをカッタスポークに交換可能に取り付けるようにした泥水式のシールド掘進機において、開閉可能な開口部をバルクヘッドに設け、カッタスポークを起立状態からバルクヘッド側へ傾動させ得るように設置してカッタスポークを傾動させたときにその外周部側がバルクヘッドの開口部に達するように構成するとともに、カッタスポークを傾動させたり起立させたりするように駆動する油圧シリンダと、カッタスポークを起立時に外周リングと一体化して固定状態に保持し傾動させる際にその固定状態を解除することができるカッタスポークの固定手段とを設けたことを特徴とするシールド掘進機。
  3. 掘削土砂を取り込むための開口部を遮蔽できる遮蔽板を面板に開閉可能に設けたことを特徴とする請求項2に記載のシールド掘進機。
  4. シールド本体に、チャンバ周囲の開口を遮蔽するフードを設け、カッタスポークの傾動時にフードがカッタスポークに干渉しないようフードの一部を移動させることができるように構成したことを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3に記載のシールド掘進機。
  5. カッタヘッドをシールド本体と接近及び隔離させるようにシールド本体の軸方向に移動できるようにするカッタヘッドの移動手段を設けたことを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3に記載のシールド掘進機。
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