JP4049535B2 - 折りたたみ式屋根を備えた転換式乗物のロールバー - Google Patents

Description

発明の詳細な説明

本発明は、乗物が転覆した場合に、乗客を守るため、折りたたみ式屋根を備えた転換式乗物のロールバーに関するものである。

乗物本体と一体となった（integral）保護用ロールバーであって、乗物上に取り付けられた折りたたみ式屋根と共存可能な引っ込み位置と、屋根が開いているとき、乗物の後部棚板の上の方に、乗物が転覆した場合に、乗客を守るため、ロールバーが十分に突出する位置との間において可動である、保護用ロールバーを有する転換式乗物が知られている。

上記乗物の機能性を最適化するには、特に、非常に短い乗物に対して、後ろの乗客はできるかぎり後ろに着席しなければならず、折りたたみ式屋根は、できるかぎりトランクの中において前のほうに出さなければならない。屋根の傾斜と後部棚板の前方への回転との組み合わせにおける、これら２つの要求は、ロールバーの取付けをパッケージ棚板の前にある領域に制限する。

このロールバーは、屋根が閉められるときは屋根によって拘束されており、屋根が後ろのトランクで折りたたまれているときは、乗物が転覆した場合に乗客を十分に守るため、乗客の頭の上に位置する場所まで上げなければならない。

そのうえ、ロールバーが取り付けられる場所は、ロールバーとフレームとの間の剛直な接合を提供するために、乗物のフレーム、つまり縁の部分上に、接続しなければならない。

本発明の一つの目的は、上記目的を達成する保護用ロールバーを提供することにある。

本発明によれば、この保護用ロールバーは、ロールバーの頂部において相互に関節結合した二つのロールバーの要素からなり、各ロールバーの要素の下端部は、乗物の後部棚板に平行で、かつ、上記棚板の真下に定められた直線にそって、関節部が上記直線に近づくにつれて、両ロールバーの要素の２つの下端部が相互に遠ざかる第一の位置と、関節部が上記直線から遠ざかるにつれて、両ロールバーの要素の２つの下端部が相互に近づく第２の位置との間をスライドすることができることを特徴とする。

この構成をとることにより、ロールバーが第１の位置にあるとき、ロールバーはトランクの中の利用できる場所を侵害しないし、トランクと乗客の客室との間における使用可能な場所を侵害しない。

実際に、両方の位置において、ロールバーの２つの下端部は、折りたたみ式屋根が通過して、トランクの内側にしまわれるために、引込み式の後部棚板の前方に配置され得る直線上に位置している。

好ましくは、保護用ロールバーは、上記直線にそって、間隔をあけて、一直線に並んだ、２つのロールバーからなる。

また、好ましくは、それぞれの１つのロールバーの要素の下端部は、上記直線に沿って延びたレールにはめ込まれた（fitted）車輪に備え付けられている。

本発明の有利な実施の形態によると、ロールバーの要素の下端部を、ともに近づけること、または、遠ざけることは、ネジを切った１本の連接棒の回転によって制御される。ネジを切った連接棒は、それぞれのロールバーの要素の下端部と一体となった（integral）、それぞれの対応するネジ部（threadings）と噛み合う。ネジを切った連接棒のねじやまのピッチは、他方のネジ部（threading）に比較すると、一方のネジ部（threading）にとっては逆回転された状態となっている。

１つのネジを切った連接棒の回転は、モータによって制御される、または、この屋根が乗物の上に取り付けている位置と屋根が乗物のトランクの中にしまわれている位置との間における、折りたたみ式屋根の旋回動作によって制御される。

本発明の他の特徴と利点とは、以下の記述から、さらに明確に理解することができるであろう。

非制限的な具体例として添えられた図面において、
図１は、本発明による保護用ロールバーを備えた転換式乗物の概要の一部分の縦断面図である。

図２は、ロールバーの両方の位置を詳細に示した、拡大された縦断面図である。

図３は、両ロールバーとそれらの制御付属品とを示したパース図である。

図４は、図３の詳細を示す。

図５は、１つのロールバーとスライディングレールとの平面図を示す。

図６は、図５の平面ＶＩ−ＶＩ上でえられる断面図である。

図７は、両ロールバーの要素の下端部の動きを制御するネジを切った連接棒を示すパース図である。

図１および図２は、屋根１の後部の窓４の真下にある後部棚板３を前方に傾けたのち、後部トランク２の中にしまうことができる折りたたみ式屋根１を備えた１つの転換式乗物を示す。

この後部棚板３の前には、フレームに接続された部品６と一体となる（integral）１つのロールバー５がある。このロールバー５は、乗物に取り付けられる折りたたみ式屋根１と共存する引っ込み位置と、屋根が開いているとき、乗物が転覆した場合に乗客Ｐを守るため、乗物の後部棚板３の上にロールバーが十分に突出する（図２の鎖状の線によって示される）位置との間で移動可能である。

本発明によれば、（図３および図５を参照）、ロールバー５は、ロールバー５の頂部付近の７で相互に関節結合した、２つのロールバーの要素５ａからなる。

各ロールバーの要素５ａの下端部５ｂは、第１の位置と第２の位置との間において、乗物の後部棚板３に平行で、かつ、上記棚板の真下に定められた直線Ｄにそって、スライドすることができる。上記第１の位置は、関節部が上記直線Ｄに近づくにつれて、ロールバーの要素の２つの下端部５ｂが相互に遠ざかる位置であり、上記第２の位置は、関節部７が上記直線Ｄから遠ざかるにつれて、ロールバーの要素の２つの下端部５ｂが相互に近づく位置である。

図３に示すように、上記乗物は、直線Ｄにそって、間隔をあけて、一直線に並んだ、２つのロールバー５からなる。

図５および図６は、直線Ｄにそって延びたレール９にはめ込まれた（fitted）車輪８を備えている、１つのロールバーの要素５ａの各下端部５ｂを示している。

他の点において、ロールバーの要素５ａの下端部５ｂを、ともに近づけること、または、遠ざけることは、ロールバーの要素５ａの下端部５ｂと一体となった（integral）ネジ部１１（図７参照）に対応して噛みあう、ネジを切った１本の連接棒１０の回転によって制御される。

他方、図５に示すように、ロールバーの要素５ａの下端部５ｂをともに近づける、または、遠ざける、という上記で述べた動作をさせるために、ネジを切った連接棒１０のねじやまのピッチは、他方のネジ部（threading）に比較すると、一方のネジ部（threading）にとっては逆回転にされている。

ネジを切った連接棒１０の回転は電気モータによって制御され得る。

ネジを切った連接棒１０の回転は、この屋根１が乗物上に取り付けられた位置と、屋根１が乗物のトランク２の中にしまわれた位置との間における、軸１２（図２および図３参照）のまわりの、折りたたみ式屋根１の旋回動作によって同様に制御され得る。

折りたたみ式屋根１の旋回動作と、ネジを切った連接棒１０の回転との間の伝達は、適切なギア比を得るように、お互いに、および、ギザギザを付けたベルト１６（図４参照）と噛み合わせた一連の小歯車１３、１４、１５によって行われる。

図３はさらに、それぞれのロールバーの要素５ａの下端部５ｂが、乗物のパッケージ棚板３の前に延びた中空の梁７の中に形成される延長された凹部１７と結合することを示している。もちろん、延長された凹部１７の長さは、ここより上で記載した２つの位置の間でロールバーの要素５ａの下端部５ｂの動作をさせるには十分である。

装置の操作を記載すると、以下のようになる。

モータ２０は、シャフト１９と両小歯車１４と１５を介して、屋根１に接続された噛み合った小歯車１３の回転を生じさせる。

屋根１の後方への回転は、ギザギザを付けたベルト１６を通して、ネジを切った連接棒１０の回転を生じさせる。

ネジを切った連接棒の回転は、ネジ部１１（threadings）によって、ロールバーの要素５ａの下端部５ｂの直動の動きを生じる。

ロールバー５は、図２、図３、および、図５に示すように、引っ込んだ位置と直立した位置との間を、このように動く。

反対側へのロールバー５の動きは、屋根がしまわれるときに生じる。

屋根１の回転とネジを切った連接棒１０の回転とは、分離したモータ２０とモータ２１とによって制御される。その場合において、ギザギザを付けたベルト１６による、シャフト１９とネジを切った連接棒１０との接続は抑制され得る。

言うまでもなく、本発明は上記記載例に限られるのではなく、本発明の範囲からそれることなく、数多くの変形がなされる場合がある。

図１は、本発明による保護用ロールバーを備えた転換式乗物の概要の一部分の縦断面図である。 図２は、ロールバーの両方の位置を詳細に示した、拡大された縦断面図である。 図３は、両ロールバーとそれらの制御付属品とを示したパース図である。 図４は、図３の詳細を示す。 図５は、１つのロールバーとスライディングレールとの平面図を示す。 図６は、図５の平面ＶＩ−ＶＩ上でえられる断面図である。 図７は、両ロールバーの要素の下端部の動きを制御するネジを切った連接棒を示すパース図である。

Claims (8)

1. 乗物の本体と、折りたたみ式屋根（１）と、パッケージ棚（３）とを備えた転換式乗物の上にあって、上記パッケージ棚（３）の上方にあるロールバー（５）が、該ロールバーが上記乗物の上で上方に接近した上記折りたたみ式屋根（１）によって覆われている、引っ込んだ第３の位置と、屋根（１）が開いているとき、乗物が転覆した場合に上記乗物に着席していた乗客（Ｐ）を守るため、パッケージ棚（３）の上でロールバー（５）が十分に突出する第４の位置と、の間で動かせるように上記乗物の本体に接続されている、保護用ロールバーにおいて、
   上記ロールバー（５）は、２つのロールバーの要素（５ａ）からなり、該２つのロールバーの要素（５ａ）は、上記ロールバーの頂部に設けられ該ロールバーの２つのロールバーの要素を互いに関節結合する関節部（７）にて相互に関節結合されており、
   上記ロールバーの要素（５ａ）は、第１のモータ（２０）の制御電力の下で、第１の位置と第２の位置との間を、上記パッケージ棚（３）に平行な方向を示す直線（Ｄ）と平行な方向を有するレール（９）に従ってスライドするための該ロールバーの要素が載せられる位置で、上記パッケージ棚（３）よりも低い水平面で広がる下端部（５ｂ）を有しており、
   上記第１の位置は、関節部（７）が上記レール（９）に近づくにつれて、両ロールバーの要素（５ａ）の下端部（５ｂ）が上記レール（９）に沿ってお互いから相互に遠ざかる位置であって、上記ロールバーの引っ込んだ第３の位置に対応する位置であり、
   上記第２の位置は、関節部（７）が上記レール（９）から遠ざかるにつれて、両ロールバーの要素の下端部（５ｂ）が相互に近づく位置であって、上記ロールバーの第４の位置に対応する位置であることを特徴とする保護用ロールバー。
2. 保護用ロールバーが、上記直線（Ｄ）にそって、間隔をあけて、一直線に並んだ、２つのロールバー（５）からなることを特徴とする請求項１記載の保護用ロールバー。
3. それぞれの１つのロールバーの要素（５）の下端部（５ｂ）は、上記レール（９）にはめ込まれた車輪（８）に備え付けられていることを特徴とする請求項１又は２記載の保護用ロールバー。
4. 上記ロールバーの要素（５）の下端部（５ｂ）を、ともに近づけること、および、遠ざけることは、ネジを切った連接棒（１０）の回転によって制御され、
   ネジを切った連接棒（１０）は、上記ロールバーの要素のそれぞれの下端部（５ｂ）に備えられた第３および第４のネジ部（１１）とそれぞれ噛み合う、第１および第２のネジ部をそれぞれ備えた２つの向かい合った端部を有しており、
   上記第１および第２のネジ部は、該第１および第２のネジ部のうち一方から他方を逆回転にさせたそれぞれのネジやまのピッチを有していることを特徴とする請求項１〜３のいずれか一項に記載の保護用ロールバー。
5. ネジを切った連接棒（１０）の回転は、第２のモータ（２１）によって制御されることを特徴とする請求項４記載の保護用ロールバー。
6. ネジを切った連接棒（１０）の回転は、この屋根（１）が乗物の上方に接近する位置と、屋根が開かれ、乗物のトランクの中にしまわれる位置との間における、折りたたみ式屋根（１）の旋回動作によって制御されることを特徴とする請求項４記載の保護用ロールバー。
7. 折りたたみ式屋根（１）の旋回動作は、上記第１のモータ（２０）によって制御され、
   互いに噛み合い、かつ、決定したギア比を定める一連の小歯車（１３、１４、１５）が、上記第１のモータ（２０）と上記折りたたみ式屋根（１）との間に挿入されていることを特徴とする請求項６記載の保護用ロールバー。
8. 上記レール（９）の上方に設けられ、かつ、上記パッケージ棚（３）の前に延びた中空の梁（６）の中に形成される延長された凹部（１７）を、上記ロールバーの要素（５ａ）は通り抜けており、
   延長された凹部（１７）は、上記第１の位置と第２の位置との間におけるロールバーの要素（５ａ）の上記下端部（５ｂ）の動作を与えるための十分な長さを有していることを特徴とする請求項１〜７のいずれか一項に記載の保護用ロールバー。

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